JP2001139615A - 有機過酸化物組成物及びその用途 - Google Patents

有機過酸化物組成物及びその用途

Info

Publication number
JP2001139615A
JP2001139615A JP32217999A JP32217999A JP2001139615A JP 2001139615 A JP2001139615 A JP 2001139615A JP 32217999 A JP32217999 A JP 32217999A JP 32217999 A JP32217999 A JP 32217999A JP 2001139615 A JP2001139615 A JP 2001139615A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
organic peroxide
curing
composition
peroxide composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32217999A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Nagai
健児 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NOF Corp filed Critical NOF Corp
Priority to JP32217999A priority Critical patent/JP2001139615A/ja
Publication of JP2001139615A publication Critical patent/JP2001139615A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定性が良好であり、硬化剤として樹脂に配
合した際に、貯蔵安定性に優れた樹脂組成物を得ること
ができる有機過酸化物組成物を提供する。また、硬化剤
として有機過酸化物組成物と硬化促進剤として金属石鹸
とを併用することにより、樹脂を迅速に硬化させること
ができる樹脂の硬化物の製造方法及びこの製造方法によ
り得られる硬化物を提供する。 【解決手段】 有機過酸化物組成物は、有機過酸化物
と、下記一般式(1)で表されるジスルフィド化合物と
を含有している。熱硬化性樹脂の硬化物は、硬化剤とし
て上記有機過酸化物組成物及び硬化促進剤として金属石
鹸を用い、熱硬化性樹脂を硬化させることにより製造さ
れる。 【化1】 (但し、式中、Xは水素原子より電子吸引性の高い原子
及び置換基よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機過酸化物組成
物、及びこれを用いる熱硬化性樹脂(以下、単に樹脂と
略記する)の硬化物の製造方法、並びにこの製造方法に
より得られる硬化物に関するものである。さらに詳しく
は、有機過酸化物の安定性を維持でき、また硬化剤とし
て樹脂に配合した際、貯蔵安定性に優れる樹脂組成物が
得られると共に、硬化促進剤として金属石鹸を併用した
際、迅速に樹脂を硬化させることができる有機過酸化物
組成物及び樹脂の硬化物の製造方法並びに樹脂の硬化物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂を室温で硬化させて成形品を得る方
法としては、マトリックスとして樹脂、硬化剤としてメ
チルエチルケトンパーオキサイドやアセチルアセトンパ
ーオキサイド等のケトンパーオキサイド、硬化促進剤と
してナフテン酸コバルトやオクチル酸コバルト等の金属
石鹸、硬化促進助剤としてN,N−ジメチルアニリンや
N,N−ジメチル−p−トルイジン等の芳香族第三級ア
ミンやアセチルアセトン、アセト酢酸メチル等のβ−ケ
ト化合物、補強材としてチョップドストランドマットや
ロービングクロス等のガラス繊維を用いて樹脂を硬化さ
せる方法が一般的である。
【0003】具体的な成形方法としては、ハンドレイア
ップ成形法やスプレーアップ成形法等のオープンモール
ド成形法が一般的であるが、作業環境の問題や熟練作業
者の不足等の理由により作業性の改善が強く求められて
いる。また、前記したオープンモールド成形法では一般
に成形品を得るための生産性が悪く、生産性向上のため
に成形時間の短縮に対する要望も高まってきている。こ
れらの問題を解決する成形法として、シートモールディ
ングコンパウンドやバルクモールディングコンパウンド
等の成形材料を圧縮成形や射出成形することにより成形
品を得るという成形法があるが、これらの成形法では成
形機や金型に要する初期の設備投資が多大であるため、
大量生産以外の用途には適用できないのが実状である。
そこで、中程度の設備投資で成形時間の短縮が可能であ
るという理由から、少・中量生産に適したクローズドモ
ールド成形法としてレジンインジェクション成形法(以
下、RI成形法と略記する)が注目されている。
【0004】RI成形法は、一般に型として樹脂型又は
電鋳型を用い、別々のタンクに貯蔵された促進剤が予め
混合された樹脂と硬化剤とを注入機のヘッドで混合しな
がら型内に注入し、下型に載置したプリフォーム状のガ
ラス繊維に樹脂を含浸させながら型内に充填後、硬化し
て成形品を得る方法である。しかしながら、樹脂に対す
る硬化剤の配合量が少ないために、配合量の精度が悪
く、結果的に安定した品質の成形品を得ることが困難で
あった。
【0005】そこで、RI成形法の改良法として、硬化
剤が混合された樹脂と硬化促進剤が混合された樹脂とを
別々のタンクに入れておき、この2種類の樹脂を注入機
のヘッドで混合しながらプリフォーム状のガラス繊維を
載置した型内に注入して成形品を得る方法が提案されて
いる。この改良法では、ほぼ同量の2種類の樹脂を注入
機のヘッドで混合しながら型内に注入することになるた
め、安定した品質の成形品を得ることができる。しかし
ながら、この方法では一方のタンク内に硬化剤を予め混
合した樹脂を貯蔵しておくことになり、その樹脂が貯蔵
中にタンク内でゲル化するという問題があった。
【0006】硬化剤を混合した樹脂の貯蔵安定性を改良
する方法として、特開平11−1623号公報にはパー
オキサイドと二硫化ジフェニルを特定割合で含有してな
る硬化剤組成物が提案されている。また、特開平11−
209446号公報にはケトンパーオキサイド又はハイ
ドロパーオキサイドと芳香環上に1つのヒドロキシル基
を有するフェノール系酸化防止剤を含有する硬化剤組成
物が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの硬
化剤組成物を用いた場合には、硬化剤を混合した樹脂が
貯蔵中にゲル化することは防止できるが、前者の硬化剤
組成物では、二硫化ジフェニルの酸化を通じてパーオキ
サイドの分解が促進される。このため、硬化剤組成物の
安定性が悪く、経日的に硬化剤組成物を混合した樹脂の
硬化速度が遅くなるという新たな問題が発生した。
【0008】一方、後者の硬化剤組成物では、硬化剤組
成物を混合した樹脂と硬化促進剤とを混合して硬化させ
る際にパーオキサイドの分解により発生したラジカルに
フェノール性水素を与えてラジカルを失活させる。この
ため、樹脂の硬化に際して遅延を招くという問題があっ
た。
【0009】本発明は、このような従来技術に存在する
問題点に着目してなされたものである。その目的とする
ところは、安定性が良好であり、硬化剤として樹脂に配
合した際に、貯蔵安定性に優れた樹脂組成物を得ること
ができる有機過酸化物組成物を提供することにある。ま
た、その他の目的とするところは、硬化剤として有機過
酸化物組成物と硬化促進剤として金属石鹸とを併用する
ことにより、樹脂を迅速に硬化させることができる樹脂
の硬化物の製造方法及びこの製造方法により得られる硬
化物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために鋭意検討した結果、特定構造のジスル
フィド化合物を用いた場合、有機過酸化物の安定性を悪
化させることがなく、このジスルフィド化合物を含有す
る有機過酸化物組成物を混合した場合に極めて貯蔵安定
性に優れる樹脂組成物が得られ、金属石鹸を併用するこ
とにより、樹脂を迅速に硬化させることができることを
見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】即ち、第1の発明の有機過酸化物組成物
は、有機過酸化物と、下記一般式(1)で表されるジス
ルフィド化合物とを含有するものである。
【0012】
【化2】 (但し、式中、Xは水素原子より電子吸引性の高い原子
及び置換基よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表
す。) 第2の発明の熱硬化性樹脂の硬化物の製造方法は、硬化
剤として第1の発明の有機過酸化物組成物及び硬化促進
剤として金属石鹸を用い、熱硬化性樹脂を硬化させるこ
とを特徴とするものである。
【0013】第3の発明の熱硬化性樹脂の硬化物は、第
2の発明の製造方法により得られるものである。
【0014】
【発明の実態の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。本発明の有機過酸化物組成物は、有機
過酸化物と、前記一般式(1)で表されるジスルフィド
化合物とを必須成分として含有するものである。
【0015】有機過酸化物は主に樹脂の硬化剤として使
用され、そのような用途に一般に用いられるものは全て
使用可能である。RI成形のような室温又は中温硬化に
適する有機過酸化物の具体例としては、例えばメチルエ
チルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパ
ーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、アセ
ト酢酸エステルパーオキサイド、シクロヘキサノンパー
オキサイド又はメチルシクロヘキサノンパーオキサイド
等のケトンパーオキサイド類が挙げられる。これらの有
機過酸化物の1種又は2種以上が選択して使用される。
前記有機過酸化物のうち、メチルエチルケトンパーオキ
サイド、アセチルアセトンパーオキサイド及びアセト酢
酸エステルパーオキサイドが、後述する硬化促進剤とし
て金属石鹸を併用した際に樹脂を硬化させる能力が高い
ため好ましい。
【0016】これら有機過酸化物は、例えばメチルエチ
ルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパー
オキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、アセト
酢酸エステルパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオ
キサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイドの場
合には、それぞれメチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、シ
クロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンと過酸化水素
を酸触媒の存在下に反応させることにより得られる。
【0017】これら有機過酸化物は、取扱い性を高める
ために、可塑剤で希釈した希釈形態で使用することがで
きる。可塑剤としては、硬化物の物性に悪影響を与えな
いものであればいずれも使用可能であるが、具体的には
ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エ
チルヘキシルフタレート等のフタル酸エステル類、ジメ
チルグルタレート、ジブチルグルタレート、ジ−2−エ
チルヘキシルグルタレート等のグルタル酸エステル類、
ジメチルサクシネート、ジブチルサクシネート、ジ−2
−エチルヘキシルサクシネート等のコハク酸エステル
類、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ジ−2
−エチルヘキシルアジペート等のアジピン酸エステル
類、ジメチルマレエート、ジブチルマレエート、ジ−2
−エチルヘキシルマレエート等のマレイン酸エステル
類、ジメチルフマレート、ジブチルフマレート、ジ−2
−エチルヘキシルフマレート等のフマル酸エステル類、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
エチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエー
テル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル
類、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル等のジアルキレングリコール
モノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテー
ト、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等のア
ルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート
類、N−メチル−2−ピロリドン等の複素環式アミド、
トリエチルホスフェート等のリン酸エステル等が挙げら
れる。可塑剤量はケトンパーオキサイドの種類によって
異なるが、通常はケトンパーオキサイドの可塑剤希釈品
中、0〜90重量%である。これら可塑剤は、ケトンパ
ーオキサイドの製造時又は製造後に添加することができ
る。
【0018】これらケトンパーオキサイドの製造時に
は、原料であるケトンと過酸化水素が少量残存すること
があるが、硬化剤として使用する際には、その残存量が
0〜10重量%の範囲であれば特に精製することなくそ
のまま使用することができる。
【0019】また、必要に応じてt−ブチルパーオキシ
ベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、
t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−
ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブ
チルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシラウ
レート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチ
ルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート等の熱分解型の有機過酸化物を前記した
ケトンパーオキサイド類に50重量%未満の範囲内で併
用することができる。これらの熱分解型の有機過酸化物
を併用することにより、硬化物の硬度を効果的に向上さ
せることができる。
【0020】次に、ジスルフィド化合物は、前記一般式
(1)で表される化合物であり、式中のXは水素原子よ
り電子吸引性の高い原子及び置換基よりなる群から選ば
れる少なくとも1種が選択して使用される。この一般式
(1)で表されるジスルフィド化合物を含有することに
より、有機過酸化物組成物の安定性を良好に維持し、樹
脂の貯蔵安定性の確保と迅速な硬化性を両立させること
ができる。特に、有機過酸化物組成物の安定性を良好に
維持できるのは、このジスルフィド化合物が有機過酸化
物により酸化されにくいためと考えられる。Xの具体例
としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子、カルボキシル基、ホルミル基、ニトロ基、シ
アノ基、スルホン酸基等を挙げることができる。また、
Xの結合部位はオルト位(以下、o−と略記する)、メ
タ位(以下、m−と略記する)、パラ位(以下、p−と
略記する)のいずれでも良い。
【0021】具体的には、二硫化ジ−o−フルオロフェ
ニル、二硫化ジ−p−フルオロフェニル、二硫化ジ−o
−クロロフェニル、二硫化ジ−p−クロロフェニル、二
硫化ジ−o−ブロモフェニル、二硫化ジ−p−ブロモフ
ェニル、二硫化ジ−o−ヨードフェニル、二硫化ジ−p
−ヨードフェニル、二硫化ジ−p−カルボキシフェニ
ル、二硫化ジ−m−カルボキシフェニル、二硫化ジ−m
−ニトロフェニル、二硫化ジ−m−シアノフェニル等が
挙げられる。これらよりなる群の1種又は2種以上が選
択して使用される。これらジスルフィド化合物の中で
も、二硫化ジ−p−クロロフェニル、二硫化ジ−o−ク
ロロフェニル又は二硫化ジ−p−カルボキシフェニル
が、これを含有する有機過酸化物組成物の安定性に優れ
るという観点から特に好ましい。
【0022】これらのジスルフィド化合物は、通常、対
応する置換チオフェノールを臭素や塩素等で酸化して得
られる。例えば、二硫化ジ−p−クロロフェニルは、p
−クロロチオフェノールを臭素で酸化することにより、
融点72〜73℃の淡黄色粉末として得られる。
【0023】前記有機過酸化物と一般式(1)で表され
るジスルフィド化合物の含有比率は重量比で、好ましく
は95.0/5.0〜99.7/0.3、より好ましく
は96.0/4.0〜99.5/0.5である。その含
有比率が95.0/5.0未満の場合には、硬化剤とし
て用いた際に樹脂の硬化速度が遅延する傾向にあり、9
9.7/0.3を越える場合には、樹脂に混合した際に
その貯蔵安定性が悪化する傾向にある。有機過酸化物組
成物は、前記した有機過酸化物の1種又は2種以上の混
合物に上記含有比率で一般式(1)で表されるジスルフ
ィド化合物を添加混合することによって得られる。
【0024】このような一般式(1)で表されるジスル
フィド化合物により、樹脂の貯蔵安定性を発揮できるの
は、ジスルフィド化合物が有機過酸化物の分解により僅
かに生成するラジカルに対する連鎖移動剤として作用
し、新たに生成するラジカルが再開始しにくいためと考
えられる。また、ジスルフィド化合物が迅速な硬化性を
発揮できるのは次のような理由によるものと推定され
る。つまり、有機過酸化物を配合した樹脂と硬化促進剤
しての金属石鹸を併用すると、有機過酸化物と金属石鹸
との酸化、還元反応により一度に大量のラジカルが発生
する。この際、ジスルフィド化合物は一部のラジカルに
対しては連鎖移動剤として作用するが、生成ラジカルの
大半は樹脂の硬化反応に関与するため、硬化遅延を引き
起こさない。
【0025】次に、本発明の樹脂の硬化物の製造方法に
ついて説明する。この製造方法においては、前述した有
機過酸化物組成物を樹脂の硬化剤として使用する。樹脂
としては、1分子中にラジカル重合性不飽和基を2個以
上有する成分を必須成分として含有し、重合により三次
元化するものであればいずれも使用可能である。その好
ましい具体例としては、不飽和ポリエステル樹脂とビニ
ルエステル樹脂が挙げられ、これらの混合物を使用する
こともできる。
【0026】不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和二塩基
酸と多価アルコールに必要に応じて飽和二塩基酸を組み
合わせて特定の割合で加熱脱水縮合させ、エステル化し
て得られる不飽和ポリエステルをラジカル重合性不飽和
単量体(以下、単に単量体と略記する)に溶解させた液
状樹脂であり、公知のものがいずれも使用できる。
【0027】一方、ビニルエステル樹脂は、不飽和エポ
キシ樹脂又はエポキシアクリレート樹脂とも言われるも
ので、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキ
シ樹脂のエポキシ基にアクリル酸やメタクリル酸等の不
飽和一塩基酸又はマレイン酸やフマル酸等の不飽和二塩
基酸のモノエステルを開環付加させた反応生成物(以
下、単にエポキシアクリレートと略記する)を単量体に
溶解させた液状樹脂であり、公知のものがいずれも使用
できる。
【0028】本発明の樹脂の硬化物の製造方法では、硬
化剤として前述の有機過酸化物組成物を用い、硬化促進
剤として金属石鹸を併用して不飽和ポリエステル又はエ
ポキシアクリレートと単量体とを共重合させ、不飽和ポ
リエステル樹脂又はビニルエステル樹脂を室温又は中温
において硬化させる。ここで、室温とは0〜40℃程度
の温度範囲を意味し、中温とは40〜80℃程度の温度
範囲を意味する。
【0029】有機過酸化物組成物を樹脂の硬化剤として
用いる際の添加量は、硬化温度や所望する硬化時間や硬
化物の物性などによって異なるが、樹脂100重量部に
対して好ましくは0.1〜5重量部であり、さらに好ま
しくは0.3〜4重量部である。有機過酸化物組成物の
添加量が0.1重量部未満の場合には、硬化時間が長く
なり、硬化が完結しない傾向にある。一方、その添加量
が5重量部を越える場合には、増量したことによる効果
が見られず、有機過酸化物組成物が無駄になるだけで実
用的でない。
【0030】樹脂の硬化促進剤として使用する金属石鹸
としては、例えばナフテン酸コバルト、ナフテン酸カリ
ウム、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸マンガン、ナ
フテン酸銅、オクチル酸コバルト、オクチル酸カリウ
ム、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マンガン、オク
チル酸銅等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。これら
よりなる群の1種又は2種以上が選択される。これらの
中で、硬化促進効果の高いナフテン酸コバルトやオクチ
ル酸コバルト等のカルボン酸のコバルト塩が特に好まし
い。
【0031】この金属石鹸の使用量は、使用する樹脂の
種類や硬化温度及び所望する硬化時間などによって異な
るが、樹脂に対して好ましくは金属分として0.005
〜0.15重量%であり、さらに好ましくは金属分とし
て0.01〜0.1重量%である。この金属分が0.0
05重量%未満の場合、樹脂の硬化速度が遅く、硬化度
の高い硬化物を得ることができず、0.15重量%を越
える場合、増量したことによる効果が見られず、金属石
鹸が無駄になるだけで実用的でない。
【0032】この金属石鹸は、使用時の取扱い性を高め
るために、溶剤で希釈した希釈形態で使用されるのが一
般的である。希釈溶剤としては、硬化物の物性に悪影響
を与えないものであればいずれも使用可能であるが、ミ
ネラルスピリット、ターペン等の脂肪族または芳香族の
炭化水素溶剤が好適である。溶剤量は金属石鹸の種類に
よって異なるが、通常は金属石鹸の溶剤希釈品中、10
〜80重量%である。
【0033】また、樹脂の硬化物の製造方法において
は、硬化速度を速めるために硬化促進助剤として芳香族
第三級アミン、アセト酢酸エステル又はアセチルアセト
ンを併用することができる。芳香族第三級アミンとして
は、例えばアルキル基の炭素数が1〜5であるN,N−
ジアルキルアニリン、N,N−ジアルキルトルイジン等
を挙げることができる。硬化促進助剤の含有量は、樹脂
に対して好ましくは0.2重量%以下の範囲である。こ
の含有量が0.2重量%を越える場合には、可使時間が
短くなる上、硬化物が黄変する傾向にある。
【0034】アセト酢酸エステルとしては、例えばアセ
ト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピ
ル、アセト酢酸シクロヘキシル等を挙げることができ、
樹脂に対して好ましくは1重量%以下の範囲で使用する
ことができる。1重量%を越える場合には、増量したこ
とによる効果が見られず、アセト酢酸エステルが無駄に
なるだけで実用的でない。
【0035】さらに、樹脂の硬化物の製造方法において
は、成形品の機械的強度の向上の目的で、ガラス繊維、
炭素繊維等の無機繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊
維等の有機繊維が補強材として用いられる。補強材の形
態としては、例えばチョップドストランド、チョップド
ストランドマット、ロービングクロス、サーフェスマッ
ト等が挙げられる。
【0036】加えて、必要に応じて、充填材、着色剤、
低収縮剤、離型剤、増粘剤、禁止剤等を配合することが
できる。充填材としては炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、クレー、シリカ、タルク、珪砂、水酸化アルミニウ
ム、ガラスフリット、着色剤としては各種有機染料又は
無機顔料、低収縮剤としては熱可塑性の単独重合体又は
共重合体が挙げられる。離型剤としてはステアリン酸、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の内部離
型剤やパラフィンワックス等の外部離型剤、増粘剤とし
ては酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等のアルカ
リ土類金属の酸化物又は水酸化物が挙げられる。禁止剤
としてはヒドロキノン、1,4−ベンゾキノン、1,4
−ナフトキノン等のキノン類やカテコール、4−t−ブ
チルカテコール等のカテコール類が挙げられる。
【0037】樹脂の硬化物の製造方法では、常温から中
温硬化においてその特徴を発揮するため、実用的な硬化
温度の範囲は0〜80℃であり、好ましくは10〜60
℃である。0〜40℃の常温硬化後に40℃を越える雰
囲気温度、例えば50〜80℃で後硬化させることもで
きる。この後硬化により、さらに硬化度の高い硬化物を
得ることができる。
【0038】硬化物の製造方法における実施の具体的方
法としては、常温におけるハンドレイアップ成形法やス
プレーアップ成形法、常温又は中温におけるRI成形
法、波・平板の中温における連続成形法、フィラメント
ワインディング成形法等のFRP製品を製造するための
成形法に加え、常温又は中温における注型、ゲルコー
ト、ライニング、化粧板を製造するためのフローコート
法等、それ自体公知の成形法を利用することができる。
また、常温成形後に遠赤外線ヒーター、ジェットヒータ
ー、加熱槽等の加熱装置を用いて後硬化することもでき
る。
【0039】特に、樹脂の硬化物の製造方法において
は、以下の2液型樹脂組成物が好適に使用される。即
ち、第1液が有機過酸化物組成物を混合した樹脂組成物
であり、第2液が金属石鹸を混合した樹脂組成物であ
る。これら第1液と第2液はそれぞれ0〜40℃の常温
で安定に貯蔵しておくことができる。そして、第1液と
第2液を混合することにより、樹脂を0〜80℃で迅速
に硬化させることができる。従って、樹脂の硬化物の具
体的な製造方法としては、上記成形法の中でもRI成形
法がより好適である。
【0040】即ち、0〜80℃の樹脂型又は電鋳型に上
記の有機過酸化物組成物を混合した樹脂組成物(第1
液)と硬化促進剤を混合した樹脂組成物(第2液)を所
定比率で混合しながらプリフォーム状のガラス繊維を載
置した型内に注入し、10分〜3時間後に脱型すること
により硬化成形品を得ることができる。
【0041】以上の実施形態により発揮される効果につ
いてまとめて説明する。 ・ 有機過酸化物組成物によれば、前記一般式(1)で
表されるジスルフィド化合物が有機過酸化物の分解によ
り生成するラジカルに対する連鎖移動剤として作用する
ことから、その安定性を良好に維持することができる。
しかも、その有機過酸化物組成物を硬化剤として熱硬化
性樹脂に配合した際に、貯蔵安定性に優れた樹脂組成物
を得ることができる。
【0042】・ 従って、この有機過酸化物組成物は、
少・中量生産に適したクローズドモールド成形法である
RI成形用硬化剤として特に有用であり、産業上の利用
価値は大きい。
【0043】・ 熱硬化性樹脂の硬化物の製造方法によ
れば、硬化剤として上記有機過酸化物組成物と硬化促進
剤として金属石鹸とを併用することにより、生成ラジカ
ルの大半を熱硬化性樹脂の硬化反応に関与させることが
でき、熱硬化性樹脂を迅速に硬化させることができる。
【0044】・ 熱硬化性樹脂の硬化物は、上記の製造
方法によって容易に得られるとともに、不飽和ポリエス
テル樹脂やビニルエステル樹脂などの熱硬化性樹脂とし
て、硬さなどの所期の物性を発揮することができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例と比較例により、前記実施形態
をさらに具体的に説明する。なお、これらの例におい
て、%は重量%を表す。また、各例中の試験項目につい
ては以下の方法に従って行った。 (1)樹脂組成物のポットライフ 樹脂に所定量の有機過酸化物組成物を添加混合した樹脂
組成物を内径15mmの試験管に入れ、密栓後、50℃の
恒温槽内に放置して一定時間毎に試験管を反転させ、ゲ
ル発生が確認されるまでの時間を求め、樹脂組成物のポ
ットライフとした。このポットライフは樹脂組成物の貯
蔵安定性を示すものである。 (2)40℃における硬化試験 JIS−K−6901に規定された常温硬化特性の試験
法に従って試験を行い、以下の如く特性値を求めた。
【0046】ゲル化時間(以下、GTと略記する):2
5℃から45℃に要する時間 硬化時間(以下、CTと略記する):25℃から最高発
熱温度に要する時間 最高発熱温度(以下、PETと略記する) なお、樹脂は25℃に調温して試験に用いた。 (3)硬化物のバーコル硬さ JIS−K−7060に規定された試験法に従って
(2)に記載した硬化試験で得られた硬化物のバーコル
硬さをバーバーコールマン社製のバーコル硬さ計GYZ
J934−1により測定した。
【0047】また、各例中における略号は次の意味を表
す。 1)有機過酸化物 AAPO:アセチルアセトンパーオキサイド〔日本油脂
(株)製、商品名:パーキュアーAH(純度34%のジ
メチルフタレート希釈品)〕 MEKPO:メチルエチルケトンパーオキサイド〔日本
油脂(株)製、商品名:パーメックN(純度55%のジ
メチルフタレート希釈品)〕 TBPB:t−ブチルパーオキシベンゾエート〔日本油
脂(株)製、商品名:パーブチルZ(工業純品)〕 TBPO:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート〔日本油脂(株)製、商品名:パーブチルO(工
業純品)〕 2)金属石鹸 6%Co:ナフテン酸コバルトの6%ミネラルスピリッ
ト溶液(コバルト含有量:6%) (実施例1〜6、本発明の有機過酸化物組成物の調製)
表1に示す重量比率で各種有機過酸化物と二硫化ジ−p
−クロロフェニル〔住友精化(株)製MCS〕又は二硫
化ジ−p−カルボキシフェニル(試薬)を混合して本発
明の有機過酸化物組成物を調製し、その活性酸素量をヨ
ード滴定法により測定した。これらの有機過酸化物組成
物を内容積200mlのガラス製容器にそれぞれ100
g入れ、密栓後50℃の恒温槽内に4日間放置して強制
劣化試験を行った。その後、ヨード滴定法により活性酸
素量を測定し、強制劣化試験前後における活性酸素量の
保持率を算出し、その結果を表1に示した。
【0048】
【表1】 (比較例1、本発明の範囲外の有機過酸化物組成物の調
製)二硫化ジ−p−クロロフェニルを二硫化ジフェニル
(試薬)に変えた以外は実施例1と同様にして有機過酸
化物組成物を調製し、実施例1と同様にして強制劣化試
験を行った。そして、試験前後における活性酸素量の保
持率を算出し、その結果を表2に示した。なお、この比
較例1は特開平11−1623号公報の追試である。
【0049】
【表2】 (比較例2、本発明の範囲外の有機過酸化物組成物の調
製)二硫化ジ−p−クロロフェニルを2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェノール〔大内新興化学工業
(株)製ノクラック200,表2中にはBHTと略記す
る〕に変えた以外は実施例1と同様にして有機過酸化物
組成物を調製し、実施例1と同様にして強制劣化試験を
行った。そして、試験前後における活性酸素量の保持率
を算出し、その結果を表2に示した。なお、この比較例
2は特開平11−209446号公報の追試である。 (比較参考例1)AAPOのみの強制劣化試験を実施例
1と同様にして行い、試験前後における活性酸素量の保
持率を算出し、その結果を表2に示した。
【0050】表1及び表2に示したように、実施例1〜
6の有機過酸化物組成物の強制劣化試験前後における活
性酸素量の保持率は高く、実施例1と比較参考例1を対
比すれば二硫化ジ−p−クロロフェニルの混合は有機過
酸化物の安定性を損なわないことは明らかである。これ
に対して、比較例1で調製した有機過酸化物組成物の強
制劣化試験前後における活性酸素量の保持率は低く、二
硫化ジフェニルは有機過酸化物の安定性を悪化させる。 (実施例7〜13、本発明の有機過酸化物組成物を混合
した樹脂の貯蔵安定性)ビニルエステル樹脂〔大日本イ
ンキ化学工業(株)製の商品名:スリムライトTR−1
20−A〕に実施例1〜5の有機過酸化物組成物を表3
に示す比率(表3中には樹脂に対する配合量で記載)で
混合し、樹脂組成物を調製した。そして、樹脂組成物の
ポットライフを測定し、その結果を表3に示した。
【0051】
【表3】 (比較例3、有機過酸化物のみを混合した樹脂の貯蔵安
定性)実施例7において、実施例1の有機過酸化物組成
物を比較参考例1の有機過酸化物(AAPO)に変えた
以外は実施例7と同様にして樹脂組成物を調製した。そ
して、樹脂組成物のポットライフを測定し、その結果を
表4に示した。 (比較例4及び5、本発明外の有機過酸化物組成物を混
合した樹脂の貯蔵安定性)実施例7において、実施例1
の有機過酸化物組成物を比較例1と2の有機過酸化物組
成物に変えた以外は実施例7と同様にして樹脂組成物を
調製した。そして、樹脂組成物のポットライフを測定
し、その結果を表4に示した。
【0052】
【表4】 表3及び表4に示したように、有機過酸化物のみを混合
した樹脂組成物のポットライフは短く、貯蔵安定性が悪
い(比較例3)のに対して、実施例7〜13の有機過酸
化物組成物を混合した樹脂組成物のポットライフは非常
に長く、貯蔵安定性に優れている。一方、比較例2で調
製したBHTを含有する有機過酸化物組成物を混合した
場合(比較例5)には、樹脂組成物の貯蔵安定性の改良
度合いが小さい。 (実施例14〜20、本発明の有機過酸化物組成物を用
いた硬化試験)6%Coをビニルエステル樹脂〔大日本
インキ化学工業(株)製、商品名:スリムライトTR−
120−B〕に1%添加混合して硬化促進剤を含有する
樹脂組成物を調製した。そして、この樹脂組成物と実施
例7〜13で調製した樹脂組成物を同量混合して40℃
における硬化試験を行い、得られた硬化特性と硬化物の
バーコル硬さを表5に示した。
【0053】
【表5】 (比較参考例2)実施例14において、実施例7で調製
した樹脂組成物を比較例3で調製した樹脂組成物に変え
た以外は実施例14と同様にして40℃における硬化試
験を行い、得られた硬化特性と硬化物のバーコル硬さを
表6に示した。 (比較例6及び7、本発明の範囲外の有機過酸化物組成
物を用いた硬化試験)実施例14において、実施例7で
調製した樹脂組成物を比較例4及び5で調製した樹脂組
成物に変えた以外は実施例14と同様にして40℃にお
ける硬化試験を行った。得られた硬化特性と硬化物のバ
ーコル硬さを表6に示した。
【0054】
【表6】 表5及び表6に示したように、硬化剤として本発明の有
機過酸化物組成物を用い、硬化促進剤として金属石鹸を
併用する本発明の樹脂の硬化方法(実施例14〜20)
では、樹脂を迅速に硬化させることができると共に、所
望の物性を有する硬化物が得られる。また、実施例14
と比較参考例2を対比すれば明らかなように、二硫化ジ
−p−クロロフェニルの混合は、有機過酸化物が本来有
する硬化性能を悪化させることがない。これに対して、
比較例5で調製したBHTを含有する有機過酸化物組成
物を硬化剤として用いた場合(比較例7)には硬化の遅
延を招く。 (実施例21、本発明の有機過酸化物組成物を用いた硬
化試験)実施例7で調製した樹脂組成物を50℃の恒温
槽内に4日間放置したものと実施例14で調製した硬化
促進剤を含有する樹脂組成物を同量混合して40℃にお
ける硬化試験を行った。得られた硬化特性と硬化物のバ
ーコル硬さを表7に示した。 (比較例8、本発明外の有機過酸化物組成物を用いた硬
化試験)実施例21において、実施例7で調製した樹脂
組成物を比較例4で調製した樹脂組成物に変えた以外は
実施例21と同様にして40℃における硬化試験を行っ
た。得られた硬化特性と硬化物のバーコル硬さを表7に
示した。
【0055】
【表7】 表7に示したように、実施例14と21を対比すれば明
らかなように、硬化剤として本発明の有機過酸化物組成
物を混合した樹脂組成物を用いた場合には、40℃にお
ける硬化特性に経日変化がほとんど認められない。これ
に対して、比較例6と8を対比すると、二硫化ジフェニ
ルを含有する有機過酸化物組成物を混合した樹脂組成物
を用いた場合には、経日的に樹脂の硬化速度が遅くなる
ことが示された。
【0056】なお、前記実施形態より把握される技術的
思想について以下に記載する。 ・ 前記一般式(1)で表されるジスルフィド化合物
は、二硫化ジ−p−クロロフェニル、二硫化ジ−o−ク
ロロフェニル又は二硫化ジ−p−カルボキシフェニルで
ある請求項1に記載の有機過酸化物組成物。
【0057】このように構成した場合、有機過酸化物組
成物の安定性を向上させることができる。 ・ 前記硬化促進剤としての金属石鹸は、カルボン酸の
コバルト塩である請求項2に記載の熱硬化性樹脂の硬化
物の製造方法。
【0058】このように構成した場合、熱硬化性樹脂の
硬化促進効果を高めることができる。 ・ 前記有機過酸化物は、メチルエチルケトンパーオキ
サイド、アセチルアセトンパーオキサイド又はアセト酢
酸エステルパーオキサイドである請求項1に記載の有機
過酸化物組成物。
【0059】このように構成した場合、硬化剤としての
有機過酸化物組成物を硬化促進剤としての金属石鹸と併
用した際に樹脂を硬化させる能力を高めることができ
る。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば次
のような優れた効果を奏する。第1の発明の有機過酸化
物組成物によれば、安定性が良好であり、硬化剤として
熱硬化性樹脂に配合した際に、貯蔵安定性に優れた樹脂
組成物を得ることができる。
【0061】第2の発明の熱硬化性樹脂の硬化物の製造
方法によれば、硬化剤として第1の発明の有機過酸化物
組成物と硬化促進剤として金属石鹸とを併用することに
より、熱硬化性樹脂を迅速に硬化させることができる。
【0062】第3の発明の熱硬化性樹脂の硬化物によれ
ば、第2の発明の製造方法によって容易に得られるとと
もに、熱硬化性樹脂として所期の物性を発揮することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/098 C08K 5/098 5/14 5/14 5/375 5/375 C08L 101/00 C08L 101/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機過酸化物と、下記一般式(1)で表
    されるジスルフィド化合物とを含有する有機過酸化物組
    成物。 【化1】 (但し、式中、Xは水素原子より電子吸引性の高い原子
    及び置換基よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表
    す。)
  2. 【請求項2】 硬化剤として請求項1に記載の有機過酸
    化物組成物及び硬化促進剤として金属石鹸を用い、熱硬
    化性樹脂を硬化させることを特徴とする熱硬化性樹脂の
    硬化物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の製造方法により得られ
    る熱硬化性樹脂の硬化物。
JP32217999A 1999-11-12 1999-11-12 有機過酸化物組成物及びその用途 Pending JP2001139615A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32217999A JP2001139615A (ja) 1999-11-12 1999-11-12 有機過酸化物組成物及びその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32217999A JP2001139615A (ja) 1999-11-12 1999-11-12 有機過酸化物組成物及びその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001139615A true JP2001139615A (ja) 2001-05-22

Family

ID=18140836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32217999A Pending JP2001139615A (ja) 1999-11-12 1999-11-12 有機過酸化物組成物及びその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001139615A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014157175A1 (ja) * 2013-03-29 2014-10-02 ナミックス株式会社 樹脂組成物
JP2014196437A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 ナミックス株式会社 樹脂組成物
JP2014196436A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 ナミックス株式会社 樹脂組成物
WO2017099046A1 (ja) * 2015-12-07 2017-06-15 住友精化株式会社 固結防止剤を含む組成物

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014157175A1 (ja) * 2013-03-29 2014-10-02 ナミックス株式会社 樹脂組成物
JP2014196437A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 ナミックス株式会社 樹脂組成物
JP2014196436A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 ナミックス株式会社 樹脂組成物
CN105073901A (zh) * 2013-03-29 2015-11-18 纳美仕有限公司 树脂组合物
KR20150139843A (ko) * 2013-03-29 2015-12-14 나믹스 가부시끼가이샤 수지 조성물
KR102168846B1 (ko) 2013-03-29 2020-10-22 나믹스 가부시끼가이샤 수지 조성물
WO2017099046A1 (ja) * 2015-12-07 2017-06-15 住友精化株式会社 固結防止剤を含む組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5497290B2 (ja) 貯蔵安定性のある促進剤溶液
CN101484529A (zh) 乙烯基酯树脂组合物
JPH02368B2 (ja)
JP2001139615A (ja) 有機過酸化物組成物及びその用途
US4138385A (en) Substituted acetylacetonate cobaltic promoters for unsaturated polyester resin
JP4930027B2 (ja) 着色硬化剤組成物
SE411357B (sv) Herdbar polyesterblandning
JPH11209446A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹脂用硬化剤組成物及び不飽和ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹脂の硬化物の製造方法
US3988290A (en) Cobaltic promoters in unsaturated polyester resin sheet molding and bulk molding compound
JP2622731B2 (ja) 液状パーオキサイド組成物及びこれを使用した不飽和ポリエステル樹脂の硬化方法
JPH1087652A (ja) ケトンパーオキサイド組成物およびそれを用いる不飽和ポリエステル樹脂の硬化方法
JP2785277B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂用組成物の硬化用触媒
EP0068510B1 (en) Thermosetting molding compositions
JP2000080114A (ja) ラジカル重合型熱硬化性樹脂硬化物及びその製造方法並びに硬化剤
JP5240006B2 (ja) 成形材料の硬化方法
JP6845472B2 (ja) 硬化剤組成物、樹脂組成物および樹脂硬化物
JP6853499B2 (ja) 硬化剤組成物、樹脂組成物および樹脂硬化物
JPH10212331A (ja) パーオキサイド組成物
JP6880493B2 (ja) 硬化剤組成物、樹脂組成物および樹脂硬化物
JPS6038408B2 (ja) シ−ト状及びバルク状成形材料の製造方法
JPH0583564B2 (ja)
JP3793606B2 (ja) パーオキサイド及びこれを含有する樹脂組成物、成形材料
JPH11106446A (ja) 速硬化性不飽和ポリエステル樹脂組成物
JPH0153894B2 (ja)
JPWO2020044723A1 (ja) ビニルエステル樹脂組成物、該組成物を含む複合材料、及び当該組成物又は複合材料の硬化物