JP2001138720A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2001138720A JP32317699A JP32317699A JP2001138720A JP 2001138720 A JP2001138720 A JP 2001138720A JP 32317699 A JP32317699 A JP 32317699A JP 32317699 A JP32317699 A JP 32317699A JP 2001138720 A JP2001138720 A JP 2001138720A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操縦安定性を犠牲にすることなく転がり抵抗
を減じる。 【解決手段】 一対のビードコア5、5間をトロイド状
に跨る本体部6aと、その両端にビードコア5の廻りを
折り返した折返し部6bを設けたカーカスプライ6Aを
有する空気入りタイヤである。ビード部4に、前記ビー
ドコア5の外面5Aから半径方向外側にのびるビード補
強ゴム層10を配する。ビード補強ゴム層10は、ゴム
基材100重量部中に10〜30重量部の短繊維を含有
した短繊維補強ゴム材からなる。またビード補強ゴム層
10は、ビードコア5から小高さでのびかつ半径方向外
側に向けて厚さが漸減する減厚部10aと、この減厚部
10aに連なって半径方向外側にのびかつ厚さを実質的
に一定かつ1〜2mmとした等厚部10bとを含む。ビー
ド補強ゴム層10は、前記ビードコアの外面5Aからの
高さHaをタイヤ断面高さHの0.2〜0.5倍として
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操縦安定性を犠牲
にすることなく、転がり抵抗を減じうる乗用車用に適し
た空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
地球環境問題の改善として省資源化を図るべく、車両の
低燃費化が強く要望されている。一般に、車両の低燃費
化について、内燃機関の効率向上、動力伝達系の損失低
減に加え、空気入りタイヤの転がり抵抗を低減すること
は、きわめて重要である。従来、空気入りタイヤの転が
り抵抗を減じる手段としては、例えば、タイヤ内圧を高
めることや、タイヤ重量を軽量化すること、さらには路
面に接するトレッドゴムに、ヒステリシスロスの小さい
ゴム組成物(例えば、損失正接tanδが0.15以下
のゴム組成物)を用いることにより、ゴム内部摩擦ない
し内部発熱などのエネルギーロスを減じることなどが提
案されている。
【0003】ところが、上記のようにトレッドゴムに、
ヒステリシスロスの小さいゴム組成物などを用いた場
合、トレッド部における内部摩擦等を減じうることは可
能であるが、トレッド部以外の部分、具体的にはサイド
ウォール部や、ビード部が転がり抵抗に影響する割合が
従来にまして多くなり、トレッド部のみの改善では、転
がり抵抗の低減効果が十分ではない。
【0004】発明者らはさらに研究を重ねた結果、図8
に示す如く、空気入りタイヤのビード部bに埋設された
ビードコアcの外面から厚さを徐々に減じた断面略三角
形状をなしてのびるビードエーペックスゴムeに着目し
た。そして、このビードエーペックスゴムeのボリュー
ムを減じて小型化すると転がり抵抗を低減しうることを
突き止めたが、単にボリュームを減じて小型化するだけ
では、操縦安定性を犠牲にしてしまうなどの不具合があ
った。
【0005】本発明は、以上のような問題点に鑑み案出
なされたもので、ビード部に、ビードコアの外面からタ
イヤ半径方向外側にのびるビード補強ゴム層を配すると
ともに、このビード補強ゴム層を、短繊維を含有した短
繊維補強ゴム材から形成し、かつビードコアから小高さ
でのびかつタイヤ半径方向外側に向けて厚さが漸減する
減厚部と、この減厚部に連なってタイヤ半径方向外側に
のびかつ厚さを実質的に一定かつ1〜2mmとした等厚部
とを含んで構成することを基本として、操縦安定性など
を犠牲にすることなく転がり抵抗を低減しうる空気入り
タイヤを提供することを目的としている。
【0006】なおビードエーペックスゴムに短繊維を配
合したものとして、特公昭57−4533号公報、特開
昭61−24605号公報、特開昭62−299412
号公報があるが、これらのビードエーペックスゴムはい
ずれも具体的な形状が開示されていないか又は断面略三
角形状をなすものであって、本願発明のビード補強ゴム
層の構成を開示するものではない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明は、ビード部に配された一対のビードコア間を
トロイド状に跨る本体部の両端に前記ビードコアの廻り
をタイヤ軸方向内側から外側に向けて折り返す折返し部
を設けたカーカスプライを含むカーカスを具えた空気入
りタイヤであって、前記ビード部に、前記ビードコアの
外面からタイヤ半径方向外側にのびるビード補強ゴム層
を配するとともに、前記ビード補強ゴム層は、ゴム基材
100重量部中に10〜30重量部の短繊維を含有した
短繊維補強ゴム材からなり、しかも該ビード補強ゴム層
は、前記ビードコアから小高さでのびかつタイヤ半径方
向外側に向けて厚さが漸減する減厚部と、この減厚部に
連なってタイヤ半径方向外側にのびかつ厚さを実質的に
一定かつ1〜2mmとした等厚部とを含むとともに、この
ビード補強ゴム層の前記ビードコアの外面からの高さを
タイヤ断面高さHの0.2〜0.5倍としたことを特徴
としている。
【0008】また前記本体部は、前記ビードコアの外面
近傍から略直線状でのびる直線部と、この直線部のタイ
ヤ半径方向外側でタイヤ軸方向外側に凸となる円弧部と
を含むことができる。また前記ビード補強ゴム層は、前
記短繊維の繊維長(L)と繊維径(D)の比(L/D)
が5以上でありかつ該短繊維の90%以上がタイヤ半径
方向に対して±20゜の角度で配向されてなり、しかも
デュロメータA硬さを80〜95゜とした短繊維補強ゴ
ム材を好適に用いることができる。ここで、前記デュロ
メータA硬さは、JIS−K6253に基づくデュロメ
ータータイプAによる硬さとして定義する。
【0009】さらに前記ビードコアは、その外周面が前
記短繊維補強ゴム材により被覆されても良い。また前記
ビードコア及び前記減厚部は、そのタイヤ軸方向内外に
有機繊維コードプライを介して前記カーカスプライの本
体部及び折返し部が隣接することが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図面
に基づき説明する。本実施形態の空気入りタイヤは、図
1に示すように、トレッド部2と、その両端からタイヤ
半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部3と、こ
のサイドウォール部3の内方端に連設されたビード部4
とを具えたトロイド状をなし、本例では乗用車用のもの
が例示されている。
【0011】前記トレッド部2に配されたトレッドゴム
2Gは、本例では損失正接(tanδ)を0.15以下
としたヒステリシスロスの小さいゴム材料を含んで構成
されたものが例示される。これにより、トレッド部2に
おいて走行中の内部摩擦ないし発熱を減じることがで
き、転がり抵抗をより一層低減するのに役立つ。前記ト
レッドゴム2Gの損失正接(tanδ)が0.15より
も大きくなると、ゴムの内部摩擦が大きくなりがちとな
り、トレッド部2における転がり抵抗の低減寄与分が少
なくなる。好ましくは、トレッドゴム2Gの損失正接
(tanδ)は、0.09〜0.15とすることが望ま
しい。
【0012】また空気入りタイヤ1は、ラジアル構造の
カーカス6と、そのタイヤ半径方向外側かつトレッド部
2の内方に配されたベルト層7とを具える。前記カーカ
ス6は、ビード部4に配された一対の前記ビードコア
5、5間をトロイド状に跨る本体部6aと、この本体部
6aの両端に連設されかつ前記ビードコア5の廻りをタ
イヤ軸方向内側から外側に向けて折り返した折返し部6
bとを有するカーカスプライ6Aを含み、本例では前記
カーカス6がこの1枚のカーカスプライ6Aから構成さ
れたものが例示される。
【0013】前記カーカスプライ6Aは、例えばカーカ
スコードをタイヤ赤道Cに対して75〜90度の範囲の
角度で傾けて配置される。またカーカスコードとして
は、本例の乗用車用タイヤの場合、ナイロン、レーヨ
ン、ポリエステル、芳香族ポリアミドなどの有機繊維コ
ードが好ましく採用できる。またカーカスプライ6Aの
前記折返し部6bの半径方向外端である折返し端X1
は、図2に示すように、ビードベースラインBLから、
例えばタイヤ断面高さHの0.20倍以下、好ましくは
0.12〜0.15倍の高さHcとした、いわゆるロー
ターンナップ(LTU)構造とするのが転がり抵抗を低
減しうる観点から望ましい。
【0014】前記ベルト層7は、本例ではタイヤ半径方
向内、外に重なる2枚のベルトプライ7A、7Bから構
成される。前記ベルトプライ7A、7Bは、ベルトコー
ドをタイヤ赤道Cに対して小角度、例えば40度以下、
好ましくは35度以下の小角度で配するとともに、互い
に交差する向きに重ね合わされる。前記ベルトコードに
は、スチールコードないしアラミドコードなどの高弾性
コードが好適である。また、本例の如くベルト層7のタ
イヤ半径方向外側に、ナイロン、アラミドといった有機
繊維コードをタイヤ周方向に実質的に平行に配列したバ
ンド層9を配することも好ましい。
【0015】また前記ビード部4には、ビードコア5の
外面5Aからタイヤ半径方向外側にのびるビード補強ゴ
ム層10を配している。このビード補強ゴム層10は、
ゴム基材100重量部中に10〜30重量部、より好ま
しくは10〜20重量部の短繊維を含有した短繊維補強
ゴム材G1から形成される。またビード補強ゴム層10
は、本例ではビードコア5の外面5Aから小高さでのび
かつタイヤ半径方向外側に向けて厚さが漸減する減厚部
10aと、この減厚部10aに連なってタイヤ半径方向
外側にのびかつ厚さtを実質的に一定かつ1〜2mmとし
た等厚部10bと、この等厚部10bのタイヤ半径方向
外方に連なり先鋭とした外端部10cとを含むものが例
示される。さらに、このビード補強ゴム層10の前記ビ
ードコア5の外面5Aからの高さHaをタイヤ断面高さ
Hの0.2〜0.5倍とする。
【0016】本実施形態の空気入りタイヤ1は、このよ
うなビード補強ゴム層10を具えることにより、ビード
部4の剛性低下を防止して操縦安定性を維持しつつ、該
ビード部4における転がり抵抗低減寄与率を最大限に高
めうる。このため、例えば前記トレッドゴム2Gに低ヒ
ステリシスロスのゴム材料を用いた構成などと同時に適
用することにより、タイヤの転がり抵抗をより一層低減
するのに役立つ。
【0017】なお前記等厚部10bの厚さtが1mm未満
であると、ビード部4ないしサイドウォール部3の剛性
の低下が大きく操縦安定性が悪化する傾向にあり、逆に
2mmを超えると、転がり抵抗が大きくなる傾向がある。
またビード補強ゴム層10の前記ビードコア5の外面5
Aからの高さHaが、タイヤ断面高さHの0.2倍未満
であると、ビード部4の剛性が低下し操縦安定性を犠牲
にする傾向があり、逆にタイヤ断面高さHの0.5倍を
超えると、転がり抵抗が大きくなる。このような観点よ
り、好ましくは前記高さHaは、タイヤ断面高さHの
0.3〜0.4倍とするのが良い。
【0018】前記等厚部10bは、例えば図2に示す如
く、タイヤ半径方向の長さh1を該ビード補強ゴム層1
0の前記タイヤ半径方向の高さHaの50%以上、より
好ましくは60%以上の長さとするのが望ましい。また
減厚部10aのタイヤ半径方向の長さh2は、小長さ、
例えば前記等厚部10bの長さh1よりも小とするのが
望ましい。なおこの減厚部10aは、本例では前記ビー
ドコア5の外面5Aの巾に等しい厚さから前記等厚部1
0bの厚さtまで徐々に厚さを減じているものを例示し
ている。さらに、ビード補強ゴム層10は、前記外端部
10cが先鋭状をなすことにより、屈曲し易い箇所に位
置する外端部10cにおいて歪の集中を効果的に防止で
き、耐久性の向上にも役立つ。
【0019】また前記短繊維補強ゴム材G1の短繊維の
配合量が、ゴム成分100重量部に対して10重量部未
満では前記小厚さをなす等厚部10bなどを効果的に補
強し得ず、操縦安定性を犠牲にする傾向があり、逆に3
0重量部を超えて配合すると、ゴム練り、押出しなどの
加工性を低下させる。また図3に示す如く、例えば前記
ビード補強ゴム層10の短繊維fは、該短繊維の90%
以上が実質的にタイヤ半径方向に沿って配向され、例え
ばタイヤ半径方向線Nに対して±20°の角度で配向さ
れていることが望ましい。これにより前記厚さの小なる
等厚部10bのタイヤ半径方向の圧縮、曲げ剛性のみを
効果的に補うことができ操縦安定性の低下が抑制され
る。
【0020】また短繊維補強ゴム材G1は、デュロメー
タA硬さを80〜95゜とすることが望ましい。これに
よって、操縦安定性の低下を抑制しつつ転がり抵抗を低
減しうる特に優れたビード部の剛性等が得られる。なお
ビード補強ゴム層10のタイヤ軸方向外側には前記サイ
ドウォール部3に配されるサイドウォールゴム3Gと、
そのタイヤ半径方向の内方のビード部4に配されるクリ
ンチゴム4Gとが隣接して配置される。本例のサイドウ
ォールゴム3Gは、デュロメータA硬さが56゜のゴム
材からなり、またクリンチゴムは、デュロメータA硬さ
が66゜のゴム材からなる。いずれのゴム材も、前記ビ
ード補強ゴム層10の短繊維補強ゴム材G1よりもデュ
ロメータA硬さが小で構成される。好ましくは、デュロ
メータA硬さの比較において、ビード補強ゴム層>クリ
ンチゴム>サイドウォールゴムとして定めるのが望まし
い。
【0021】前記短繊維補強ゴム材G1に用いうる前記
ゴム基材としては、例えば、天然ゴム(NR)、スチレ
ン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(B
R)、イソプレインゴム(IR)等のジエン系ゴムの一
種若しくは複数種を組み合わせたものが好適に使用でき
る。また前記短繊維としては、例えば、ナイロン、ポリ
エステル、アラミド、レーヨン、ビニロン、コットン、
セルロース樹脂、結晶性ポリブタジエンなどの有機繊維
が好ましいが、これ以外にも例えば金属繊維、ウイス
カ、ボロン、ガラス繊維等の無機繊維が挙げられ、これ
らは単独でも、又2種以上を組合わせて使用することも
できる。さらに好ましくは、短繊維はゴム基材との接着
性を向上させるために適宜の表面処理を施してもよい。
【0022】また短繊維の平均径(L)は、例えば0.
1〜1.0μmとするのが好ましい。短繊維の平均径
(L)が、0.1μmよりも小さいと、ゴム補強効果が
相対的に低下する傾向があり、逆に1.0μmよりも大
きくなるとゴムとの界面で割れや亀裂が生じやすくなる
など、ゴムとの接着強度が相対的に低下する傾向にあ
る。また、短繊維は、その繊維長(L)と前記繊維径
(D)の比(L/D)を5以上、より望ましくは50以
上、さらに好ましくは50〜2000としたものが好ま
しい。この比(L/D)が5未満、つまり繊維径に対す
る繊維長が小さいと、ゴムに後述する短繊維の配向性に
よる十分な強度を付与できないためである。
【0023】また、短繊維補強ゴム材G1は、このよう
な短繊維の繊維長の方向を実質的にタイヤ半径方向に沿
って配向することにより、短繊維の配向方向の複素弾性
率E*aと、該配向方向に直角な方向の複素弾性率E*
bとの比(E*a/E*b)比が、例えば1.0よりも
大、より好ましくは5以上、さらに好ましくは7〜20
程度とすることができる。これにより、転がり抵抗を低
減しつつ操縦安定性の不具合がより確実に抑制されう
る。なお複素弾性率、前述の損失正接(tanδ)など
は、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターV
ESF−III 型を用い、測定条件は、温度70℃、周波
数10Hz、初期歪10%、動歪±1%として測定す
る。
【0024】また本実施形態では、図1、図2に示す如
く、前記ビードコア5及びビード補強ゴム層10の前記
減厚部10aは、そのタイヤ軸方向内、外に、有機繊維
コードプライ12を介して前記カーカスプライ6Aの本
体部6a及び折返し部6bが隣接している。前記有機繊
維コードプライ12は、断面略U字状をなして前記ビー
ドコア5と前記減厚部10aを包み込むように配される
ことにより、前記ビードコア5とビード補強ゴム層10
との接着性を向上でき、またビード部4を効果的に補強
しうる点で好ましい。このような有機繊維コードプライ
12は、例えばナイロンコード等をトッピングゴムにて
被覆したプライを好適に用いることができ、そのコード
角度は、タイヤ半径方向に対して40〜50°程度とす
るのが望ましい。またこの有機繊維プライ12のタイヤ
軸方向内外の外端X2、X3は、いずれもビードベース
ラインBLからタイヤ断面高さHの0.25倍以下の高
さHd、Heに止めるのが望ましく、さらに好ましくは
前記折返し部6bの高さHcよりも大とすることによ
り、ビード部4をバランス良く補強でき、さらに操縦安
定性を向上するのに役立つ。
【0025】このようなビード補強ゴム層10を具える
空気入りタイヤは、例えば次のように製造される。先ず
前記ゴム基材、短繊維、その他必要な添加剤などを含ん
で混練された短繊維補強ゴム材を、図4(A)に示す如
く常法に従って、カレンダ、ロール押出機等により一定
厚さのシート状に押し出す。これにより、この押出方向
に前記短繊維の90%以上を沿わせて配向したゴムシー
トSを得る。そして、このゴムシートSを押出し方向と
直角な巾で裁断し、該裁断されたシートS1の前記巾方
向の一辺を図4(B)に示す如く、ビードコア5の外面
5Aに貼り付けする。これにより、短繊維fの前記配向
方向が実質的にタイヤ半径方向に沿うようにシートS1
を前記ビードコア5の外面に配することができる。そし
て、このようなビードコア、ゴム複合体を用いてタイヤ
生カバーを形成し、加硫することにより、図1に示すよ
うな空気入りタイヤを得ることができる。このとき、加
硫時のゴム流れ等により、加硫前は均一であった前記ビ
ード補強ゴム層10の厚さが僅かに変化するものとなる
が、このような加硫中のゴム流れの影響による巾の変化
程度は実質的に同一の巾と見なして良い。
【0026】図5には、本発明の他の実施形態を例示し
ている。図において、空気入りタイヤは、正規リムにリ
ム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷の正規状態にお
いて、前記カーカスプライ6Aの本体部6aは、前記ビ
ードコア5のタイヤ半径方向の外面5Aの近傍から略直
線状でのびる直線部14と、この直線部14のタイヤ半
径方向外側でタイヤ軸方向外側に凸となる円弧部15と
を含むものが例示される。また前記ビードコア5は、そ
の外周面が前記ビード補強ゴム層を形成する短繊維補強
ゴム材G1により被覆されたものが例示されており、そ
れ以外の構成については前記実施形態と同一としてい
る。
【0027】カーカスプライ6Aの本体部6aは、通常
図8に示したように、ビード部からサイドウォール部領
域において、タイヤ軸方向内側に向けて凸となる円弧部
a1と、その半径方向外側にタイヤ軸方向外側に向けて
凸となる円弧部a2とを有して構成されている。本実施
形態では、タイヤ半径方向内側に上述のような直線部1
4を形成することにより、従来のようにカーカスコード
の曲率がビード部において反転することがない。従って
ビード部4でのカーカスコードの曲率の変化が小さくで
き、ひいては本体部6aをのびるカーカスコードの長さ
を最短長さで形成しうる。このため、荷重負荷走行時な
どでは、ビード部4においてカーカスコードに局部的な
張力が作用することがなく、均一な張力を作用させるこ
とができ、転がり抵抗と操縦安定性の向上に特に適した
ものとなる。なおこの直線部14の外端X5は、例えば
ビードベースラインBLからタイヤ断面高さHの0.1
5〜0.30倍の高さHgとするのが望ましい。なお前
記直線部14の外端X5は、図6に示すように、ビード
コアの外面5Aを通るタイヤ軸方向線Yと、カーカスプ
ライの本体部の厚さの中心線CLとの交点P1を通る直
線Zを該本体部の中心線CLに沿って描き、この直線Z
と前記中心線CLとの直線Zと直角のズレ量Kを例えば
±1.5mm以内となるタイヤ半径方向最外側の点として
定めうる。
【0028】また本例では、ビードコア5の外周面を、
前記短繊維補強ゴム材で被覆している、このような構成
は、例えば図7に示す如く、タイヤ製造時等において、
前記シートS1の一端をビードコア5の外周面に巻き付
けた複合体を用いることにより容易に構成できる。これ
によって、タイヤ製造時においてビードコア5上にビー
ド補強ゴム層10が安定して張り合わせでき、製造作業
性が向上するほか、ビード部4の横剛性が高められるこ
とにより、操縦安定性を向上するのに役立つ。
【0029】
【実施例】タイヤサイズが195/65R14であり、
かつ図1、図2に示す構造をなす本発明のタイヤ(実施
例1〜4)を試作し、転がり抵抗、操縦安定性、乗り心
地などをテストした。また比較のために、本発明外のタ
イヤについても併せて試作し(比較例1〜4)、同様の
テストを行って性能を比較した。なお比較例1のタイヤ
は、図8に示すようにビード部に断面略三角形状のビー
ドエーペックスゴムを具えるものとした。また実施例タ
イヤの共通の詳細仕様は次の通りである。
【0030】(カーカス) カーカスコード:ポリエステル 1670dtex/2 カーカスコードの角度:90゜(対タイヤ赤道) (ベルト層) プライ数:2 ベルトコード:スチールコード 1×3/0.27 ベルトコードの角度:21゜(対タイヤ赤道) ベルト層のタイヤ軸方向の最大幅:146mm (バンド) プライ数:1 バンドコード:6−6ナイロン 840dtex バンドコードの角度:0゜(対タイヤ赤道) バンドのタイヤ軸方向の最大幅:146mm (ビード補強ゴム層) 短繊維:アラミド短繊維 デュロメータA硬さ:90゜ また、テストの方法は次の通りである。
【0031】(1)転がり抵抗 転がり抵抗試験機を用い、各タイヤを6JJ×14のリ
ムに装着し、内圧200kPa、速度80km/h、荷重
4.00kNで転がり抵抗値を測定し、これを荷重で除
した転がり抵抗係数を各供試タイヤについて算出し、比
較例1のタイヤを100としたときの指数で表示した。
指数が大きいほど転がり抵抗が小さく良好であることを
示す。
【0032】(2)操縦安定性、乗り心地 国産2000cc級FF車に、試験タイヤを4輪装着
(内圧200kPa)し、タイヤテストコースのドライ
アスファルト路面上にて、ハンドル応答性、剛性感、グ
リップ等に関する特性を操縦安定性として、また同時に
乗り心地についてもドライバーの官能評価により100
点法により評価した。数値が大きいほど操縦安定性、乗
り心地が高く良好であることを示す。テストの結果を表
1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】テストの結果、実施例のタイヤは、操縦安
定性、乗り心地などを犠牲にすることなく、転がり抵抗
を大巾に低減していることが確認できる。
【0035】
【発明の効果】叙上の如く本発明の空気入りタイヤは操
縦安定性と乗心地性とを犠牲にすることなく転がり抵抗
を大巾に減じうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すタイヤ子午断面図
(右半分)である。
【図2】そのビード部を拡大して示す断面図である。
【図3】図1を略示する斜視図である。
【図4】(A)は短繊維入りゴムシートの製造方法を説
明する概念図、(B)はそれをビードコアに貼り合わせ
た状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示すビード部の拡大図
断面図である。
【図6】本体の直線部を説明する概念図である。
【図7】短繊維入りゴムシートをビードコアに貼り付け
た複合体の他の例を示す断面図である。
【図8】従来の空気入りタイヤのビード部を示す断面図
である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 6a 本体部 6b 折返し部 7 ベルト層 10 ビード補強ゴム層 10a 減厚部 10b 等厚部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビード部に配された一対のビードコア間を
    トロイド状に跨る本体部の両端に前記ビードコアの廻り
    をタイヤ軸方向内側から外側に向けて折り返す折返し部
    を設けたカーカスプライを含むカーカスを具えた空気入
    りタイヤであって、 前記ビード部に、前記ビードコアの外面からタイヤ半径
    方向外側にのびるビード補強ゴム層を配するとともに、 前記ビード補強ゴム層は、ゴム基材100重量部中に1
    0〜30重量部の短繊維を含有した短繊維補強ゴム材か
    らなり、 しかも該ビード補強ゴム層は、前記ビードコアから小高
    さでのびかつタイヤ半径方向外側に向けて厚さが漸減す
    る減厚部と、この減厚部に連なってタイヤ半径方向外側
    にのびかつ厚さを実質的に一定かつ1〜2mmとした等厚
    部とを含むとともに、 このビード補強ゴム層の前記ビードコアの外面からの高
    さHaをタイヤ断面高さHの0.2〜0.5倍としたこ
    とを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】前記カーカスプライの本体部は、前記ビー
    ドコアの前記外面近傍から略直線状でのびる直線部と、
    この直線部のタイヤ半径方向外側でタイヤ軸方向外側に
    凸となる円弧部とを含むことを特徴とする請求項1記載
    の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】前記ビード補強ゴム層は、前記短繊維の繊
    維長(L)と繊維径(D)の比(L/D)が5以上であ
    りかつ該短繊維の90%以上がタイヤ半径方向に対して
    ±20゜の角度で配向されてなり、しかもデュロメータ
    A硬さを80〜95゜とした前記短繊維補強ゴム材から
    なる請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】前記ビードコアは、その外周面が前記短繊
    維補強ゴム材により被覆されたことを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれか1記載の空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】前記ビードコア及び前記減厚部は、そのタ
    イヤ軸方向内外に有機繊維コードプライを介して前記カ
    ーカスプライの本体部及び折返し部が隣接することを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれか1記載の空気入りタ
    イヤ。
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