JPH09150610A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH09150610A
JPH09150610A JP7312656A JP31265695A JPH09150610A JP H09150610 A JPH09150610 A JP H09150610A JP 7312656 A JP7312656 A JP 7312656A JP 31265695 A JP31265695 A JP 31265695A JP H09150610 A JPH09150610 A JP H09150610A
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rubber
tire
weight
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tread
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Tadao Matsumoto
忠雄 松本
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

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  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】操縦安定性及び乗心地を損なうことなく、転が
り抵抗を低減する。 【解決手段】トレッドゴム10を損失正接が0.14以
下のゴムを用い、インナーライナゴム11をブチルゴム
を主体としたゴム組成物によって形成するとともに、カ
ーカス6と前記インナーライナゴムとの間かつ規制され
た範囲であるショルダー、サイドウォール領域Sに厚さ
が0.7〜1.2mmの短繊維補強層12を配し、この短
繊維補強層は、ブタジエンゴムを30〜50重量部と、
天然ゴムおよび/又はイソプレンゴム50〜80重量部
とを配合したゴム成分100重量部に対して10〜30
重量部の短繊維と、30重量部以下のヨウ素吸着量が3
0〜90mg/gであるカーボンブラックとを含有し、
かつ前記短繊維の90%以上が、略タイヤ周方向に対し
て配向され、しかもこの配向方向の複素弾性率E*aと、
配向方向に直角な方向の複素弾性率E*bとの比(E*a/
E*b)を5以上としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操縦安定性と乗り
心地性能を犠牲にすることなく、転がり抵抗を減じうる
乗用車用に適した空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題の改善として省資源
化を図るべく、車両の低燃費化が強く要望されている。
一般に、車両の低燃費化について、内燃機関の効率向
上、動力伝達系の損失低減に加え、空気入りタイヤの転
がり抵抗を低減することは、きわめて重要である。
【0003】従来、空気入りタイヤの転がり抵抗を減じ
る手段としては、例えば、タイヤ内圧を高めることや、
タイヤ重量を軽量化することなどが知られている。しか
しながら、このような改善策は、転がり抵抗を低減しう
るものの、乗り心地性能を悪化させ、又操縦安定性能を
損ねるなど、他のタイヤ諸性能に大きく劣化させるとい
う問題がある。
【0004】かかる観点より、路面に接して最も圧縮さ
れやすいトレッド面に、ヒステリシスロスの小さいゴム
組成物を用いかつインナーライナ用のゴムにブチルゴム
を配合することにより、トレッドゴムの内部摩擦や内部
発熱などのエネルギーロスを減じることも提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、トレッ
ド面に、損失正接(tan δ)が小さい、即ちヒステリシ
スロスの小さいゴム組成物を用いる場合、当該トレッド
における内部摩擦等を減じうることは可能であるが、サ
イドウォール部の剛性低下を招来し、さらにバットレス
域においてインナーライナゴムがカーカスのコードと接
触しやすいため、その接触によってインナーライナに気
密性の高いブチルゴムを主体としたゴムを用いた場合に
は破れる危険がある。
【0006】このようにトレッド以外の部分、具体的に
はサイドウォール部や、ビード部が転がり抵抗に影響す
る割合が従来にまして多くなり、トレッド部のみの改善
では結局のところ、未だ十分な転がり抵抗の低減効果が
得られていない。
【0007】前記サイドウォール部の剛性不足に対し
て、本願出願人は特開平6−87306号公報におい
て、サイドウォール全面に亘り短繊維入りのゴムによっ
て補強する提案を行った。しかしこの提案のものではサ
イドウォール部の全体が補強されることによって、乗心
地が低下するとともに転がりが増大するという問題があ
り、前記問題点の完全な解決には至っていない。
【0008】発明者はこのような問題点の解決を図るべ
く研究を重ねた結果、トレッドゴムにヒステリシスロス
の少ない損失正接が小さいゴム組成物を用いた場合であ
っても、特定のゴム組成からなりかつタイヤ周方向にほ
ぼ沿った短繊維で補強された短繊維補強層をバットレス
部分を中心としてショルダ域、バットレス域間にかつ範
囲を限定して配することが有効であることを見い出し本
発明を完成させたのである。
【0009】即ち、本発明は、操縦安定性能と乗り心地
性能とを悪化させることなく、従来よりも大巾に転がり
抵抗を減じかつブチルゴムからなるインナーライナゴム
とカーカスコードの接触を防止しうる空気入りタイヤの
提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、トレッド部か
らサイドウォール部を経てビード部のビードコアの廻り
を折り返す折返し部を有するカーカスと、このカーカス
の半径方向外側かつトレッド部内方に配されるベルトプ
ライからなるベルト層と、前記ビードコアからタイヤ半
径方向外側に向けて先細状でのびるビードエーペックス
とを具えた空気入りタイヤであって、トレッド面に向く
トレッドゴムは、損失正接(tanδ)が0.14以下
のゴム組成物からなり、かつタイヤ内腔に向くインナー
ライナゴムは、ブチルゴム50〜80重量部と天然ゴム
および/又はイソブレンゴム20〜60重量部とを配合
したゴム組成物からなるとともに、前記カーカスとイン
ナーライナゴムとの間かつタイヤ赤道からタイヤ軸方向
外側に向かってトレッド巾TWの1/4倍の距離を隔て
る内点とタイヤ最大巾位置である外点間との間のショル
ダー・サイドウォール領域に、厚さが0.7mm以上かつ
1.2mm以下の短繊維補強層を配するとともに、この短
繊維補強層は、ブタジエンゴムを30〜50重量部と、
天然ゴムおよび/又はイソプレンゴム50〜80重量部
とを配合したゴム成分100重量部に対して10〜30
重量部の短繊維と、30重量部以下のヨウ素吸着量が3
0〜90mg/gであるカーボンブラックとを含有し、
かつ前記短繊維の90%以上が、タイヤ周方向に対して
±20゜の範囲の角度で配向され、しかもこの配向方向
の複素弾性率E*aと、配向方向に直角な方向の複素弾性
率E*bとの比(E*a/E*b)が5以上であることを特徴
とする空気入りタイヤである。
【0011】なお本発明においては、トレッド巾TWに
対するビードベースラインからのタイヤ断面高さH比で
ある偏平率が60%以上であることが好ましい。
【0012】さらに、前記カーカスは、その折返し端の
ビードベースラインからの高さを前記タイヤ断面高さH
の0.10〜0.15倍に、又ビードエーペックスは、
その先端の前記ビードベースラインからの高さを前記タ
イヤ断面高さHの0.20〜0.25倍とするのが好ま
しい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態の一例を
図面に基づき説明する。空気入りタイヤ1は、トレッド
部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビード
コア5に至る本体部6aにビードコア5の廻りを折り返
す折返し部6bを設けたカーカス6と、このカーカス6
の半径方向外側かつトレッド部2の内方に配されるベル
ト層7と、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側に
向けて先細状でのびるビードエーペックス9とを具え
る。
【0014】なお本例ではトレッド巾TWに対するタイ
ヤ断面高さHの比である偏平率H/TWを60%以上と
しており、このように偏平率を規制することによって、
転がり抵抗と低減と操縦安定性とをバランスさせやす
い。なお前記偏平率は60〜80%であることがより好
ましい。
【0015】前記カーカス6は、本例ではカーカスコー
ドをタイヤ赤道Cに対して65〜90度の範囲の角度で
傾けたラジアル構造をなす1枚以上、本例では1枚のカ
ーカスプライ6Aからなる。又カーカスコードは、ナイ
ロン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミドなど
の有機繊維の他、スチールコードなどを適宜用いること
ができ、好ましくはタイヤ重量を低減すべく有機繊維コ
ードを採用する。
【0016】前記カーカス6の折返し部6bの半径方向
外端である折返し端X1は、本例ではビードベースライ
ンBLから、タイヤ断面高さHの0.15倍以下、好ま
しくは0.10〜0.15倍の高さHcとした、いわゆ
るローターンナップ(LTU)構造としている。なお、
折返し部6bの高さHcがタイヤ断面高さHの0.15
倍をこえて大となれば転がり抵抗の低減には寄与され
ず、又0.10倍未満では、タイヤのサイドウォール
部、ビード部の横剛性が不足し、操縦安定性を損なう危
険がある。
【0017】次に、前記ベルト層7は、本例ではタイヤ
半径方向内外に重なる2枚のベルトプライ7A、7Bか
らなり、かつ内のベルトプライ7Aのタイヤ軸方向巾B
Wは、外のベルトプライ7Bよりも大で、しかもトレッ
ド巾TWの0.8〜1.2倍程度としている。
【0018】前記ベルトプライ7A、7Bは、ベルトコ
ードをタイヤ赤道に対して、例えば30度以下、好まし
くは20度以下の小角度で配されることにより、前記カ
ーカス6にタガ効果を付与してトレッド部を強固に補強
する。
【0019】前記ビードエーペックス9は、硬質ゴム、
例えばJISA硬度が65〜95度程度のゴム組成物か
らなり、タイヤ子午断面において先細状にタイヤ半径方
向外側にのびる如く形成される。
【0020】又ビードエーペックス9は、本例ではその
先端9Aを、ビードベースラインBLからタイヤ断面高
さHの0.25倍以下の高さ、好ましくは0.20〜
0.25倍の高さHbとする小高さに設定している。
【0021】なお先端高さHbがタイヤ断面高さHの
0.20倍未満ではタイヤサイドの剛性が低下し操縦安
定性を損なうことがあり、又0.25倍をこえるとサイ
ドウォール部3の剛性が高まり転がり抵抗の低減に寄与
しないことがある。
【0022】なお、本例では、ビード部4のビードコア
5とカーカス6との間に有機繊維コードを並列したプラ
イからなるビード補強プライ8を配し、走行時において
タイヤ変形に起因してカーカス5のずれによる損傷を防
止している。
【0023】又前記トレッド部2には、前記ベルト層7
のタイヤ半径方向外側から路面に接地するトレッド面に
至るとともに損失正接(tan δ)を0.14以下とする
ことにより、ヒステリシスロスが小さいトレッドゴム1
0を配している。通常、トレッド面に配されるゴム組成
物の損失正接(tan δ)は、0.18〜0.28程度で
あるため、本願のそれが、従来のものに比し小さいこと
が理解でき、このようなヒステリシスロスの小さいゴム
組成物を最も圧縮されやすいトレッド面に配することに
より、トレッド部2においてゴムの内部摩擦や内部発熱
を減じ、転がり抵抗の低減効果を発揮する。
【0024】前記トレッドゴム10の損失正接(tan
δ)が0.14よりも大になると、ゴムの内部摩擦が大
きくなりがちとなり、トレッド部において転がり抵抗を
減じえず、発明本来の作用効果を奏することができな
い。又前記損失正接(tan δ)の値を0.09以上とす
るのが好ましい。0.09を下回ると、摩耗特性に劣る
危険があるからである。
【0025】カーカス6の前記本体部6aの内側には、
タイヤ内腔に向くインナーライナゴム11が配される。
インナーライナゴム11は、ブチルゴム50〜80重量
部と天然ゴムおよび/又はイソプレンゴム20〜60重
量部とを配合したゴム組成物からなる。このようにブチ
ルゴムを主体とするゴム配合からなるゴムをインナーラ
イナ11に用いることによりガス透過性が小さく、即ち
エアリークが少となる。
【0026】カーカス6と前記インナーライナゴム11
との間かつタイヤ赤道Cからタイヤ軸方向外側に向かっ
てトレッド巾TWの1/4倍の距離を隔てる内点Nとタ
イヤ最大巾点Bを通るタイヤ軸方向線Lがカーカス6と
交わる外点Mとの間に形成されるショルダー・サイドウ
ォール領域Sに短繊維を混在させた短繊維補強層12を
介在させている。
【0027】この短繊維補強層12は、カーカス6の内
腔0に向く内向き面に沿ってタイヤ周方向に環板状にの
びその厚さを0.7mm以上かつ1.2mm以下としてい
る。
【0028】このような短繊維補強層12を前述のショ
ルダー・サイドウォール領域Sに配することにより、サ
イドウォール部3、特にそのバットレス部分3aにおけ
る転がり抵抗の低減を図っている。しかもトレッド部2
に損失正接(tan δ)が低い低燃費用のゴム組成物を用
いることによって、トレッドゴム10の内方に配される
前記インナーライナゴム11が、特にバットレス部分3
aにおいてカーカス6のコードと接触することによって
生じがちなゴム割れが生じやすいのを、前記カーカス6
とインナーライナゴム11との間にこの短繊維補強層1
2を介在させることによって防止することが出来るので
ある。
【0029】この短繊維補強層12は、ブタジエンゴム
30〜50重量部と、天然ゴムおよび/またはイソプレ
ンゴムを50〜80重量部混合したゴム成分に、短繊維
と、カーボンブラックとを含有させている。
【0030】本発明で用いる短繊維としては、例えば、
ナイロン、ポリエステル、アラミド、レーヨン、ビニロ
ン、コットン、セルロース樹脂、結晶性ポリブタジエン
などの有機繊維の他、金属繊維、ウイスカ、ボロン、ガ
ラス繊維等の無機材質が挙げられ、これらは単独でも、
又2種以上を組合わせて使用することもでき、さらに好
ましくは、短繊維はゴム成分との接着性を向上させるた
めに表面処理を施すことが出来る。
【0031】該短繊維の配合量は、前記ゴム成分100
重量部に対して、10〜30重量部、好ましくは10〜
20重量部である。短繊維が10重量部未満では後述の
タイヤ周方向の剛性確保をなしえず、操縦安定性の改良
に効果がなく、又、30重量部を越えると剛性が高すぎ
て乗心地も悪化するため好ましくない。
【0032】なお短繊維の平均長さ(L)は20μm以
上、特に50〜1000μmが好ましい。また、繊維長
(L)と繊維径(D)の比(L/D)は100以上、特
に200〜2000が好ましい。この比(L/D)が1
00未満、つまり繊維径に対する繊維長さが小さいと、
ゴムに後述する短繊維の配向性による十分な強度を付与
できないことになる。
【0033】又本発明では、前記短繊維の90%以上を
タイヤ周方向に対して±20°の角度で配向させること
が重要であり、それにより、一定方向の剛性のみを高め
ることが可能で操縦安定性と乗心地を同時に向上させる
ことができる。短繊維が前記の所定方向に配向されない
と、タイヤ周方向の剛性を高めることができず、操縦安
定性の改善効果が少ない。
【0034】また、このような短繊維の配向は、具体的
には短繊維の配向方向の複素弾性率E*a、と配向方向
に直角な方向の複素弾性率E*bとの比(E*a/E*
b)により測定され、この比が5以上、好ましくは7〜
20であることが必要である。この比(E*a/E*
b)が5より小さいと、乗り心地は向上するが操縦安定
性、特にハンドル応答性が低下するので好ましくない。
尚、複素弾性率と、前述の損失正接(tan δ)とは、岩
本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを使用し
て測定した。その測定条件は、損失正接(tan δ)、複
素弾性率(E*)ともに温度70℃、周波数10Hz、
初期歪10%、動歪±1%とした。
【0035】なお、この短繊維補強層11は、厚さが
0.7〜1.2mm、好ましくは0.9〜1.1mmとす
る。この厚さが1.2mmを越えると短繊維の配向性が劣
り、期待しうる剛性差が得られない結果、操縦安定性の
向上が小さく、又タイヤ重量も増加して転がり抵抗を増
大させる。又0.7mmより小では、インナーライナゴム
11がカーカス6と接触することによって生じるインナ
ーライナゴム11を補強する効果が得られず、又生産が
困難となるためである。
【0036】次に前記カーボンブラックとしては、例え
ば、昭和キャボット社、三菱化学社,東海カーボン社等
から市販されているHAF(82)、FEF(43)、
GPF(36)等が挙げられ、ヨウ素吸着量が30〜9
0mg/gのものを使用しうる。
【0037】前記カーボンブラックのヨウ素吸着量が3
0mg/g未満ではゴム補強性が低く、強度、耐カット
性が共に劣り、逆に90mg/gを越えると発熱性が高
く、転がり抵抗が悪化する。
【0038】又このカーボンブラックの添加量は、前述
のゴム成分100重量部に対して30重量部以下、好ま
しくは10〜25重量部程度である。前記カーボンブラ
ックの含有量が30重量部を越えるとゴムの発熱性が高
くなり、転がり抵抗も大きくなる。すなわち、本発明で
は、短繊維を前記の周方向に配向させることによって、
タイヤ周方向を高弾性率化でき、ゴム全体の硬度、及び
発熱性を高めるカーボンブラックの量を少なくしうる。
これによって、転がり抵抗と操縦安定性をバランスさせ
た上、軽量化を図ることができる。
【0039】なお短繊維補強層のゴム成分には、更に添
加剤としてオイル、老化防止剤、ワックス、加硫促進剤
等を配合してもよい。
【0040】前記成分を、常法に従って、押出機カレン
ダー等により混練して押出すことにより、この押出方向
に前記短繊維の90%以上を配向させた短繊維補強のゴ
ムシートを製造しうる。
【0041】
【実施例】先ず、表1に示すように4種の配合〜を
基に、短繊維補強層を押出成形した。なお、短繊維A、
Bは、夫々表の下段に示すように、ケブラー短繊維、ナ
イロン短繊維であって、予めNRと所定の割合で混合さ
れており、表1中のNRは、これらに含まれるNRと、
配合ゴム成分中のNRとの合計量を示している。又カー
ボンブラックのヨウ素吸着量は43mg/gに統一して
いる。なお本発明の規定に合致するのは配合、であ
る。
【0042】
【表1】
【0043】次に前記表1の配合からなる短繊維補強
層を用い(前記複素弾性率の比(E*a/E*b)は1
2.3としている)タイヤサイズが205/65R15
であり、かつ図1に示す構造をなす本発明のタイヤ(実
施例1)を試作した。
【0044】なお短繊維補強層を有しない比較例タイヤ
(比較例1〜3)についても併せて試作するとともに、
各タイヤにつき、転がり抵抗、操縦安定性及び乗り心地
テストを行った。
【0045】テストの方法は次の通りである。 (1)転がり抵抗 転がり抵抗試験機を用い、各タイヤを6JJ×15のリ
ムに装着し、内圧2.0kg/cm2 、時速80km/h、荷
重400kgfで転がり抵抗を測定し、比較例1のタイヤ
を100とした時の指数で表示した。指数は小さい方が
良好であり、98以下が合格値である。
【0046】(2)操縦安定性 国産3000cc級FF車に、試験タイヤを4輪装着
し、タイヤテストコースのドライアスファルト路面上に
て、ハンドル応答性、剛性感、グリップ等に関する特性
をドライバーの官能評価により比較例1を100とする
指数で表示している。指数の大きい方が良好であり98
以上が合格値である。
【0047】(3)乗り心地 前記と同様、ドライアスファルト路面の段差路、ベルジ
ャソ路(石畳の路面)、ビッツマン路(小石を敷き詰め
た路面)等において、ゴツゴツ感、突き上げ、ダンピン
グに関して官能評価を行い、比較例1を100とする指
数表示であり、指数の大きい方が良好であり98以上が
合格値である。テストの結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】テストの結果、実施例1のタイヤは、操縦
安定性と乗り心地とを維持又は向上しつつ、転がり抵抗
を大巾に、より具体的には比較例1より約5%減じ、し
かも操縦安定性及び乗心地を維持していることが確認で
きる。
【0050】次に、実施例1の短繊維補強層の配合や、
厚さの他、複素弾性率の比(E*a/E*b)などを変
えて、前記同様の試験を行った。試験の結果を表3に示
す。表中実施例1〜4には本願の構成に係るタイヤ、及
び比較例4、5には本願構成外のタイヤをそれぞれ示
す。
【0051】
【表3】
【0052】表3から明らかなように、短繊維補強層に
配合、のゴム組成物を用いることにより、操縦安定
性、乗心地を保持又は向上しつつ転がり抵抗を減じうる
ことが確認出来た。又配合においては、短繊維の配合
が少ないことにより操縦安定性に劣る一方、配合のよ
うにカーボンブラックの配合が多くなれば転がり抵抗の
低減は達成し得ずしかも乗心地に劣ることが明らかとな
った。なお本発明の効果は、他のタイヤサイズのタイヤ
においても発揮しうることを確認している。
【0053】
【発明の効果】叙上の如く本発明の空気入りタイヤは、
前記構成を具えることにより、操縦安定性、乗心地を損
なうことなく転がり抵抗を大巾に減じることが出来、車
両の燃費節減に寄与しうる。
【0054】又前記構成を具え、更に請求項3及び4に
記載するようにカーカスの折返し部の高さ、又はビード
エーペックスの先端高さを一般のタイヤよりも低く規制
した場合には、転がり抵抗の一層の低減を図ることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すタイヤ子午断
面図(右半分)である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 6b 折返し部 7 ベルト層 9 ビードエーペックス 10 トレッドゴム 11 インナーライナゴム 12 短繊維補強層 BL ビードベースライン C タイヤ赤道 H タイヤ断面高さ O タイヤ内腔 M 外点 N 内点 S ショルダー・サイドウォール領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 7/02 C08K 7/02 C08L 21/00 KDW C08L 21/00 KDW

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部を経てビ
    ード部のビードコアの廻りを折り返す折返し部を有する
    カーカスと、このカーカスの半径方向外側かつトレッド
    部内方に配されるベルトプライからなるベルト層と、前
    記ビードコアからタイヤ半径方向外側に向けて先細状で
    のびるビードエーペックスとを具えた空気入りタイヤで
    あって、 トレッド面に向くトレッドゴムは、損失正接(tan
    δ)が0.14以下のゴム組成物からなり、かつタイヤ
    内腔に向くインナーライナゴムは、ブチルゴム50〜8
    0重量部と天然ゴムおよび/又はイソブレンゴム20〜
    60重量部とを配合したゴム組成物からなるとともに、 前記カーカスとインナーライナゴムとの間かつタイヤ赤
    道からタイヤ軸方向外側に向かってトレッド巾TWの1
    /4倍の距離を隔てる内点とタイヤ最大巾位置である外
    点間との間のショルダー・サイドウォール領域に、厚さ
    が0.7mm以上かつ1.2mm以下の短繊維補強層を配す
    るとともに、 この短繊維補強層は、ブタジエンゴムを30〜50重量
    部と、天然ゴムおよび/又はイソプレンゴム50〜80
    重量部とを配合したゴム成分100重量部に対して10
    〜30重量部の短繊維と、30重量部以下のヨウ素吸着
    量が30〜90mg/gであるカーボンブラックとを含
    有し、 かつ前記短繊維の90%以上が、タイヤ周方向に対して
    ±20゜の範囲の角度で配向され、しかもこの配向方向
    の複素弾性率E*aと、配向方向に直角な方向の複素弾性
    率E*bとの比(E*a/E*b)が5以上であることを特徴
    とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】トレッド巾TWに対するビードベースライ
    ンからのタイヤ断面高さHの比である偏平率が60%以
    上であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイ
    ヤ。
  3. 【請求項3】前記カーカスは、前記折返し端のビードベ
    ースラインからの高さHCを前記タイヤ断面高さHの
    0.10〜0.15倍としたことを特徴とする請求項1
    記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】前記ビードエーペックスは、その先端のビ
    ードベースラインからの高さを前記タイヤ断面高さHの
    0.20〜0.25倍としたことを特徴とする請求項1
    記載の空気入りタイヤ。
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