JP2001136636A - 電気接続箱の回路接続構造及び回路形成方法 - Google Patents

電気接続箱の回路接続構造及び回路形成方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より製造コストを安くでき、より汎用性に優
れた電気接続箱の回路接続構造及び回路形成方法を提供
する。 【解決手段】 絶縁板15にストレート状バスバー17
A〜17Cを固定すると共に、このバスバー17A〜1
7Cの側方位置にタブ端子18a〜18hを固定して、
タブ端子18a〜18hとバスバー17A〜17Cとを
絶縁被覆付きのワイヤー19a〜19hでボンディング
して、回路20〜22を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気接続箱の回路
接続構造及び回路形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用ワイヤーハーネス等を種々の電
装品に分岐接続するのに用いられる電気接続箱は、分岐
接続点を1個所に集中させて、配線を合理的かつ経済的
に分岐接続するものであり、ワイヤーハーネスの高密度
化に伴って、車種別又は用途別に種々の形式のものが開
発されている。
【0003】上記のような電気接続箱に収容されるバス
バーは、プレス金型でフープ材から複数種類のバスバー
をそれぞれ打ち抜き、この各バスバーのパターン部から
タブ端子をそれぞれ切り起こすと共に、各バスバーの間
に絶縁板をそれぞれ介設して積層し、これを電気接続箱
に収容している。
【0004】しかしながら、上記各バスバーは、パター
ン部の形状がそれぞれ異なることから、それぞれを専用
のプレス金型で打ち抜く必要があるので、製造コストが
高くなると共に、同じ車種の電気接続箱でもグレードが
違うとバスバーのパターン部の形状が異なるので、汎用
性が無いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本出願人は、
絶縁板の片面に縦方向バスバーを配置し、絶縁板の他面
に横方向バスバーを配置して、両面のバスバーの交差部
分の適所における少なくとも一方のバスバーの窪み部を
絶縁板の貫通穴に嵌め込んで、この窪み部を対向する面
のバスバーに接触させて溶接することにより、両面のバ
スバーを電気的に接続できるようにしたバスバーの接続
構造を提案した(特願平11−180649号参照)。
【0006】この先行技術によれば、バスバーは、共通
となるストレートな縦方向バスバーと横方向バスバーと
を組み合わせて配置して、上層と下層のバスバーを接続
する交差部分の窪み部を溶接するだけであるので、従来
のように、バスバーを異なるパターン形状に専用のプレ
ス金型で打ち抜く必要がなくなって製造コストが安くな
る。また、窪み部の位置を変えるだけで、どのようなバ
スバーのパターン形状にも対応できるので、回路の設計
工数を大幅に削減できると共に、僅かな回路変更に伴う
設計変更にも迅速に対応できるようになって汎用性が向
上するという作用効果を奏することができる。
【0007】本発明は、上記本出願人の提案にかかる上
記従来の回路接続構造及び回路形成方法の改善に関する
ものであって、より製造コストを安くでき、より汎用性
に優れた電気接続箱の回路接続構造及び回路形成方法を
提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1は、電気接続箱に収容する回路の
接続構造であって、同じ方向にストレートで延在する複
数本のバスバーが間隔を隔てて絶縁板に固定されると共
に、このバスバーの側方位置で、バスバーの延在方向に
沿って直角方向に複数個のタブ端子が間隔を隔てて絶縁
板に固定されて、タブ端子とバスバーとが絶縁被覆付き
のワイヤーでボンディングされることにより、回路が構
成されていることを特徴とする電気接続箱の回路接続構
造を提供するものである。
【0009】また、本発明の請求項2は、電気接続箱に
収容する回路の形成方法であって、同じ方向にストレー
トで延在する複数本のバスバーを間隔を隔てて絶縁板に
固定すると共に、このバスバーの側方位置で、バスバー
の延在方向に沿って直角方向に複数個のタブ端子を間隔
を隔てて絶縁板に固定した後に、タブ端子とバスバーと
を絶縁被覆付きのワイヤーでボンディングすることによ
り、回路を構成することを特徴とする電気接続箱の回路
形成方法を提供するものである。
【0010】本発明によれば、絶縁板にストレート状バ
スバーを複数本固定すると共に、このバスバーの側方位
置に複数個のタブ端子を固定して、タブ端子とバスバー
とを絶縁被覆付きのワイヤーでボンディングして回路を
構成する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0012】図1及び図2に示すように、四角形状の合
成樹脂製の絶縁板15には、同じ方向にストレートで延
在する3本のバスバー17A,17B,17Cが間隔P
1を隔ててインサートモールドにより固定されている。
【0013】この各バスバー17A,17B,17Cの
上面を覆うモールド部分には、各バスバー17A,17
B,17Cの延在方向と直交する方向の4個の開口部1
5a〜15dが各バスバー17A,17B,17Cの延
在方向に所定の間隔で形成されていて、この各開口部1
5a〜15dから各バスバー17A,17B,17Cが
露出されるようになる。
【0014】上記各バスバー17A,17B,17Cの
一端部には縦向き(上向き)に折り曲げたタブ端子17
a,17b,17cが一体形成されている。
【0015】上記両側のバスバー17A,17Cの側方
位置の絶縁体15の上面には、僅かに高い突出部15e
が両側に形成され、この突出部15eの上面には、絶縁
体15の各開口部15a〜15dと一直線上で並ぶよう
に8個の縦向き(上向き)に90°に折り曲げたタブ端
子18a〜18hの下部がそれぞれバスバーに対して内
向きとなるように固定されている。
【0016】そして、上記タブ端子18a〜18hの下
部と開口部のバスバー17A〜Cとが絶縁被覆付きのワ
イヤー19a〜19hでボンディングされている(図4
参照)。
【0017】具体的には、タブ端子18aと開口部15
aのバスバー17Aとをワイヤー19aでボンディング
し、タブ端子18bと開口部15bのバスバー17Bと
をワイヤー19bでボンディングし、タブ端子18cと
開口部15cのバスバー17Cとをワイヤー19cでボ
ンディングし、タブ端子18dと開口部15dのバスバ
ー17Aとをワイヤー19dでボンディングする。
【0018】同様に、タブ端子18eと開口部15aの
バスバー17Aとをワイヤー19eでボンディングし、
タブ端子18fと開口部15bのバスバー17Bとをワ
イヤー19fでボンディングし、タブ端子18gと開口
部15cのバスバー17Cとをワイヤー19gでボンデ
ィングし、タブ端子18hと開口部15dのバスバー1
7Aとをワイヤー19hでボンディングする。
【0019】この結果、各バスバー17(A〜C)のタ
ブ端子17a〜17cと各タブ端子18a〜18hとに
対して、図3に示すような3回路が独立に形成されるよ
うになる。
【0020】即ち、図3(a)は5個のタブ端子17
a,18a,18d,18e,18hが電気的に接続さ
れた回路20であり、図3(b)は3個のタブ端子17
b,18b,18fが電気的に接続された回路21であ
り、図3(c)は3個のタブ端子17c,18c,18
gが電気的に接続された回路22である。
【0021】上記実施形態の作用効果を説明すると、絶
縁板15にタブ端子17a〜17c付きのストレート状
バスバー17A〜17Cを固定すると共に、このバスバ
ー17A〜17Cの側方位置にタブ端子18a〜18c
を固定して、タブ端子18a〜18hとバスバー17A
〜17Cとを絶縁被覆付きのワイヤー19a〜19hで
ボンディングすることにより、3回路20〜22が独立
に形成されるようになる。
【0022】したがって、従来のバスバー構造と異な
り、絶縁板15とバスバー17(A〜C)とタブ端子1
8a〜18hとは完全に共通部品化でき、これらのスト
レートなバスバー17(A〜C)と同一形状のタブ端子
18a〜18hとを組み合わせて配置固定して、バスバ
ー17(A〜C)とタブ端子18a〜18hとを絶縁被
覆付きのワイヤー19a〜19hでボンディングするだ
けであるので、従来のように、バスバーを異なるパター
ン形状に専用のプレス金型で打ち抜く必要がなくなって
製造コストが安くなる。
【0023】また、ボンディングする箇所を変えるだけ
で、どのようなパターン形状にも対応できるので、回路
の設計工数を大幅に削減できると共に、僅かな回路変更
に伴う設計変更にも迅速に対応できるようになって汎用
性が格段に向上する。
【0024】一方、先行技術のバスバー構造とは異な
り、各バスバー17(A〜C)に窪み部を形成する必要
がなくなるから、窪み部を形成するための金型及び窪み
部の形成のための工程が不要となって製造コストがより
安くなる。
【0025】また、各バスバー17(A〜C)には窪み
部が無くて単純な直線状であり、各タブ端子18a〜1
8hも同一形状であって、これらバスバー17(A〜
C)とタブ端子18a〜18hを絶縁体15に固定する
だけであるから、バスバー17(A〜C)及びタブ端子
18a〜18hの汎用性が格段に向上すると共に、組み
付け工数も削減できるようになる。
【0026】さらに、ボンディング位置を変えるだけ
で、どのような回路にも迅速に対応できるので、回路の
設計工数を大幅に削減できると共に、僅かな回路変更に
伴う設計変更にも迅速に対応できるようになって汎用性
がより向上するようになる。
【0027】さらにまた、絶縁被覆付きのワイヤー19
a〜19hでボンディングするから、隣り合うワイヤー
同士が接触してもショートするおそれがない。
【0028】なお、絶縁被覆付きのワイヤー19a〜1
9hは、各1本づつ用いたが、電流値が多い箇所には複
数本を用いれば良い。
【0029】上記実施形態は、各バスバー17A〜17
Cのタブ端子17a〜17c及びタブ端子18a〜18
hを縦向き(上向き)に折り曲げているから、図5
(a)に示すような電気接続箱23の上面のコネクタハ
ウジング23aから各タブ端子17a〜17c,18a
〜18hを突出させる縦出しタイプであるが、各タブ端
子17a〜17c,18a〜18hを折り曲げないで水
平方向に突出させると、図5(b)に示すような電気接
続箱24の側面のコネクタハウジング24aから各タブ
端子17a〜17c,18a〜18hを突出させる横出
しタイプとすることができる。また、図5(c)に示す
ように、電気接続箱25の上面のコネクタハウジング2
5aから各タブ端子17a〜17c,18a〜18hを
突出させる縦出しタイプと電気接続箱25の側面のコネ
クタハウジング25dから各タブ端子17a〜17c,
18a〜18hを突出させる横出しタイプとの混在タイ
プとすることができる。
【0030】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の回路接続構造及び回路形成方法は、絶縁板にストレ
ート状バスバーを複数本固定すると共に、このバスバー
の側方位置に複数個のタブ端子を固定して、タブ端子と
バスバーとを絶縁被覆付きのワイヤーでボンディングし
て回路を構成するから、上記先行技術と同様の作用効果
に加えて、先行技術のように、バスバーに窪み部を形成
する必要がなくなるから、窪み部を形成するための金型
及び窪み部の形成のための工程が不要となって製造コス
トがより安くなる。
【0031】また、バスバーには窪み部が無くて単純な
直線状であり、タブ端子も同一形状であって、これらバ
スバーとタブ端子を絶縁板に固定するだけであるから、
バスバー及びタブ端子の汎用性が格段に向上すると共
に、組み付け工数も削減できるようになる。
【0032】さらに、ボンディング位置を変えるだけ
で、どのようなバスバー回路にも迅速に対応できるの
で、回路の設計工数を大幅に削減できると共に、僅かな
回路変更に伴う設計変更にも迅速に対応できるようにな
って汎用性がより向上するようになる。
【0033】さらにまた、絶縁被覆付きのワイヤーでボ
ンディングするから、隣り合うワイヤー同士が接触して
もショートするおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のバスバー接続構造の斜視図である。
【図2】 (a)はバスバー接続構造の平面図、(b)
は(a)のA−C線側面断面図である。
【図3】 (a)〜(c)は回路構成図である。
【図4】 図2(a)のA−B線に相当する拡大側面断
面図である。
【図5】 (a)は縦出しタイプの電気接続箱の斜視
図、(b)は横出しタイプの電気接続箱の斜視図、
(c)は縦出しと横出しの混在タイプの電気接続箱の斜
視図である。
【符号の説明】
15 絶縁板 15a〜15h 開口部 17A〜17C バスバー 17a〜17c タブ端子 18a〜18h タブ端子 19a〜19h 絶縁被覆付きワイヤー 20〜22 回路 P1 間隔
フロントページの続き (72)発明者 鬼塚 孝浩 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 Fターム(参考) 5G361 BA03 BA07 BB01 BB02 BC01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気接続箱に収容する回路の接続構造で
    あって、 同じ方向にストレートで延在する複数本のバスバーが間
    隔を隔てて絶縁板に固定されると共に、このバスバーの
    側方位置で、バスバーの延在方向に沿って直角方向に複
    数個のタブ端子が間隔を隔てて絶縁板に固定されて、タ
    ブ端子とバスバーとが絶縁被覆付きのワイヤーでボンデ
    ィングされることにより、回路が構成されていることを
    特徴とする電気接続箱の回路接続構造。
  2. 【請求項2】 電気接続箱に収容する回路の形成方法で
    あって、 同じ方向にストレートで延在する複数本のバスバーを間
    隔を隔てて絶縁板に固定すると共に、このバスバーの側
    方位置で、バスバーの延在方向に沿って直角方向に複数
    個のタブ端子を間隔を隔てて絶縁板に固定した後に、タ
    ブ端子とバスバーとを絶縁被覆付きのワイヤーでボンデ
    ィングすることにより、回路を構成することを特徴とす
    る電気接続箱の回路形成方法。
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