JP2001131870A - 抗菌および防臭性繊維構造物 - Google Patents

抗菌および防臭性繊維構造物

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JP2001131870A JP30228899A JP30228899A JP2001131870A JP 2001131870 A JP2001131870 A JP 2001131870A JP 30228899 A JP30228899 A JP 30228899A JP 30228899 A JP30228899 A JP 30228899A JP 2001131870 A JP2001131870 A JP 2001131870A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、工業洗濯耐久性に優れた抗菌性およ
び防臭性を有する繊維構造物を提供せんとするものであ
る。 【解決手段】本発明の繊維構造物は、分子量が200〜
700、無機性/有機性値=0.3〜1.4で、かつ、
平均粒径が2μm以下であるピリジン系抗菌剤を含む繊
維構造物であり、かつ、ビニルカルボン酸および/また
はビニルスルホン酸モノマーと、化学式1および/また
は化学式2で示されるビニルモノマーとからなる重合物
が該繊維構造物を構成する繊維材料の表面上に付与され
ていることを特徴とするものである。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性に優れた抗
菌性、消臭性を有し、実着用において汗臭などの悪臭防
臭効果のある繊維構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から抗菌・防臭機能を備えた繊維製
品に関しては、銀、銅、あるいは亜鉛などの無機系抗菌
剤を合成繊維の紡糸段階で練り込む方法と、第四級アン
モニウム塩などの有機系抗菌剤をスプレーあるいはパデ
ィング処理して付与する後加工の方法などがとられてき
た。これらの方法だと、前者の場合、洗濯耐久性という
面では優れているが、布などの製品には抗菌加工をする
ことができない。また、紡糸段階で口金面に抗菌剤が結
晶として析出するため、糸切れが多発するなどの製糸上
の問題があった。一方、後者の場合、布などの製品に抗
菌加工ができるという利点はあるものの、抗菌性の洗濯
耐久性という面では劣っていた。また、抗菌性のみの加
工であるため、着用時の汗臭などの消臭という面からは
性能が劣っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、工業洗濯耐久性に優れた抗菌性およ
び防臭性を有する繊維構造物を提供せんとするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、つぎのような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の抗菌性繊維構造物は、分子量が
200〜700、無機性/有機性値=0.3〜1.4
で、かつ、平均粒径が2μm以下であるピリジン系抗菌
剤を含む繊維構造物であり、かつ、ビニルカルボン酸お
よび/またはビニルスルホン酸モノマーと、化学式1お
よび/または化学式2で示されるビニルモノマーとから
なる重合物が該繊維構造物を構成する繊維材料の表面上
に付与されていることを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり十分
な耐久性のある抗菌防臭性を有する繊維構造物につい
て、鋭意検討し、特定の抗菌剤を繊維内部に吸尽・拡散
させ、さらに特定のビニル系重合体を繊維表面に付与し
てみたところ、以外にもかかる課題を一挙に解決するこ
とを究明したものである。
【0006】本発明で用いられる抗菌剤は、分子量が2
00〜700であり、無機性/有機性値=0.3〜1.
4のもので、かつ、平均粒径2μm以下であるというピ
リジン系抗菌剤である。
【0007】かかるピリジン系抗菌剤は、合成繊維に対
し強固に付着または吸尽・拡散する。これは、特定な分
子量、無機性/有機性値ならびに平均粒径の3つの要件
を、繊維内部に吸尽・拡散する分散染料に近い条件に近
づけることにより、分散染料と同じ挙動を示すものと考
えられる。これら条件を満足しない場合、抗菌剤は合成
繊維に対して強固に付着または吸尽・拡散せず、十分な
工業洗濯耐久性は得られない。
【0008】分子量が200未満のときは、抗菌剤が合
成繊維に付着または吸尽・拡散するが洗濯耐久性は低
い。一方、分子量が700を超えるときは、抗菌剤が合
成繊維に付着または吸尽しない。好ましくは、抗菌剤の
分子量は300〜500である。
【0009】次に、本発明でいう「無機性/有機性値」
とは、藤田稔氏が考案した各種有機化合物の極性を有機
概念的に取り扱った値であり〔改編 化学実験学−有機
化学篇−河出書房(1971)参照〕、炭素(C)1個
を有機性20とし、それに対し各種極性基の無機性、有
機性の値を表1の如く定め、無機性値の和と有機性値の
和を求め両者の比をとった値をいう。
【0010】
【表1】
【0011】かかる有機概念で、例えばポリエチレンテ
レフタレートの無機性/有機性値を算出すると0.7、
本発明は、かかる有機概念で算出された値をもとにして
合成繊維と抗菌剤との親和性に注目し、無機性/有機性
値が所定の範囲内にある抗菌剤を合成繊維に付着または
吸尽・拡散させたものである。
【0012】無機性/有機性値が0.3未満の場合は、
有機性が強くなりすぎて、逆に1.4を超える場合は、
無機性が強くなりすぎて、合成繊維に付着または吸尽・
拡散しにくくなる。無機性/有機性値は、0.35〜
1.3であることが好ましく、0.4〜1.2であるこ
とがより好ましい。
【0013】例えば、2,3,5,6−テトラクロロ−
4−ヒドロキシピリジンの場合、ベンゼン核を1つ、−
Cl基を4つ、−OH基を1つ、−NR2 基を1つ含む
ため無機性値は265となる。また有機性値は、C(炭
素)を5つ、−Cl基を4つ含むため180となり、無
機性値/有機性値は1.47となる。また、2−ピリジ
ルチオール−1−オキシド亜鉛はキレート錯体として存
在し、電気陰性度の点から亜鉛と硫黄は共有結合をして
いると考えるので、この化合物の無機性値は85、有機
性値は190となり無機性値/有機性値は0.45と計
算できる。一方、同じピリジン系抗菌剤である2−ピリ
ジルチオール−1−オキシドナトリウムは、ナトリウム
と硫黄は電気陰性度差が1.6以上あり、この結合はイ
オン結合となり、この場合、ナトリウムは軽金属塩とし
て働くため無機性値は585、有機性値は190と算出
でき、無機性値/有機性値は3.0となることから、ポ
リエステルとの親和性は悪くなる。
【0014】また、本発明においては、かかる抗菌剤の
中でも、平均粒径が2μm以下、好ましくは抗菌剤の平
均粒径は1μm以下のものを用いる。平均粒径が2μm
を超えると、合成繊維に付着または吸尽しにくくなる上
に、加工液にした時に粒子の沈降が起こり、液の安定性
に欠ける傾向を示すものである。
【0015】かかる抗菌剤として、2−クロロ−6−ト
リクロロメチルピリジン、2−クロロ−4−トリクロロ
メチル−6−メトキシピリジン、2−クロロ−4−トリ
クロロメチル−6−(2−フリルメトキシ)ピリジン、
ジ(4−クロロフェニル)ピリジルメタノール、2,
3,5−トリクロロ−4−(n−プロピルスルフォニ
ル)ピリジン、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜
鉛、ジ(2−ピリジルチオール−1−オキシド)等のピ
リジン系化合物を用いることができる。その中でも特
に、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛が、繊維
との親和性がよく、繊維に対して強固に付着、吸尽する
ため、洗濯耐久性が良く、MRSAをはじめ効果を示す
対象菌種の広さの点で好ましい。
【0016】本発明に用いるモノマーAとしては、ビニ
ルカルボン酸および/またはビニルスルホン酸が使用さ
れる。かかるビニルカルボン酸としては、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸などを使用することができ
る。また、ビニルスルホン酸としては、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸(以下、「AMPS」
という。)、2−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパ
ンスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウムなどを使
用することができる。本発明では、これらのモノマー2
種類以上用いることも何ら差し支えない。特に重合効率
と、吸湿性および消臭性の面から、アクリル酸、メタク
リル酸、AMPS、スチレンスルホン酸ナトリウムが好まし
い。
【0017】本発明に用いるモノマーBの一種は、下記
化学式1で表され、n=9〜23であるものである。n
が9より小さくても、23より大きくても、十分な耐久
性が得られない。吸汗性、吸湿性および制電性の面か
ら、n=14〜23の範囲であることがモノマーBとし
て好ましく用いられる。また、これ以外の他のモノマー
Bとしては、下記化学式2で表され、m+n=10〜3
0であるものである。モノマーBとして、化学式1、2
のモノマーをそれぞれ単独でも用いることができ、また
化学式1および化学式2のものを併用してもよく、さら
に、化学式1、2で表されるものに含まれる2種以上の
ものを用いても何ら差し支えない。またXについては、
安全の面からX=CH3 を用いることが好ましい。
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】かかるモノマーの重合開始剤としては、通
常のラジカル開始剤を使用することができる。例えば、
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素など
無機系重合開始剤や、2,2’−アゾビス(2−アミデ
ィノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾ
ビス(N、N−ジメチレンイソブチラミディン)ジハイ
ドロクロライド、2−(カルバモイラゾ)イソブチロニ
トリルなどの有機系重合開始剤を使用することができ
る。また、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニト
リルなどの水不溶性重合開始剤をアニオン、ノニオン等
の界面活性剤で乳化させて用いてもよい。コスト、取り
扱いに容易さの点からは、過硫酸アンモニウムが好まし
く用いられる。さらに、重合効率を高めるために、重合
開始剤としての過酸化物と還元性物質を併用する、いわ
ゆるレドックス開始剤を用いてもよい。この過酸化物と
しては、例えば、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウ
ム、還元性物質としては、例えば、スルホキシル酸ナト
リウムとホルマリンとの反応物やハイドロサルファイト
などが用いられる。重合開始剤の使用濃度は、使用する
モノマー濃度や処理条件にもよるが、0.1〜3%が好
ましい。
【0021】本発明で用いる抗菌剤を繊維構造物に付与
する方法としては、まず液流染色機等で前記したピリジ
ン系抗菌剤と、分散染料、酸性染料、カチオン染料、蛍
光増白剤などの着色物を含む液中に繊維構造物を浸し、
常圧または加圧の下、90〜160℃で加熱処理する。
その加熱処理時間は10〜120分間が好ましい。12
0〜135℃で20〜60分間加熱処理することはより
好ましい。このとき、着色物とピリジン系抗菌剤を同時
に液中で加熱処理することにより、抗菌剤が染料と同じ
く繊維に付着し、繊維内部に吸尽・拡散する。先に繊維
構造物を着色させてから、その後にピリジン系抗菌剤を
浴中で90〜160℃の加熱処理を行うと、着色物が繊
維から脱離し、所望の着色性が得られない。
【0022】また、先に抗菌剤を繊維に含有させてから
着色処理すると、ピリジン系抗菌剤が脱離し、制菌性能
が低下しまう。また、90℃未満の加熱条件では抗菌剤
は合成繊維に付着または吸尽しない。160℃を超える
条件の場合、エネルギー消費量に見合った効果が得られ
ず、コストパフォーマンスが悪くなる。
【0023】かかる方法において、液中処理した後、テ
ンター等で160〜200℃の乾熱処理をすることが好
ましい。その処理時間は15秒〜5分間でよい。より好
ましくは170〜190℃で30秒〜2分間の乾熱処理
を行う。かかる乾熱処理により、抗菌剤は繊維表面から
内部に拡散して、繊維内部リング分布の状態もしくは鎖
状に吸尽拡散し、抗菌性を損なうことなく、洗濯耐久性
を向上させることができる。160℃未満の加熱条件で
は、乾熱処理の効果が得られにくい。また、200℃を
超える条件の場合、繊維材料の黄変や脆化、さらに染料
や抗菌剤の昇華もしくは熱分解ならびにエネルギー消費
量の増加などが生じるので好ましくない。この処理条件
を変更することで、抗菌剤を繊維表面付着、繊維内部リ
ング分布、繊維内部拡散の各状態にコントロールするこ
とができる。
【0024】本発明の抗菌性繊維構造物の製造方法の他
の態様は、前記したピリジン系抗菌剤を含む液を、着色
された繊維構造物にパディング処理またはスプレー処理
で付着させた後、160〜200℃で乾熱または湿熱の
加熱処理を行う。その加熱処理の時間は30秒〜10分
間が好ましい。より好ましくは170〜190℃で2〜
5分間の乾熱または湿熱の加熱処理を行う。160℃未
満の加熱条件では、ピリジン系抗菌剤は繊維に強固に付
着または吸尽しない。また、200℃を超える条件の場
合、繊維材料の黄変や脆化、さらに染料や抗菌剤の昇華
もしくは熱分解ならびにエネルギー消費量の増加などが
生じるので好ましくない。
【0025】また、前記したピリジン系抗菌剤は、コロ
イド状態で粒状化していることが好ましい。コロイド化
されていると、抗菌剤が繊維に強固に付着または吸尽・
拡散することができる。なかでも、水とホルマリン縮合
物によりコロイド状態とすることによって、抗菌剤の分
散性が高まり、良好な分散状態が保つことができ、合成
繊維との親和性がよくなるという点で好ましい。
【0026】本発明で用いるモノマーAとモノマーBを
含む処理液を繊維材料に付与する方法としては、通常用
いられる手段が採用可能である。例えば、パディング
法、スプレー法、キスロールコータ、スリットコータな
どを用いることができる。これらの方法で処理液を付与
後、例えば真空脱水機で処理するなどして付与量を調整
することも好ましく行われる。
【0027】本発明で用いるモノマーAとモノマーBを
繊維表面上で重合させる方法としては、ラジカル重合に
用いられるあらゆる手段が採用可能である。例えば、感
熱処理、スチーム処理、浸漬法、コールドバッチ法、マ
イクロ波処理、紫外線処理などが用いられる。マイクロ
波処理とは、2450MHzまたは920MHzの波長
の高周波を被加熱物に当てることで発熱させるものであ
る。これらの処理手段は、単独で適用してもよいし、加
熱効率を高めるために、例えば、スチーム処理または乾
熱処理時にマイクロ波処理または紫外線処理を併用する
などしてもよい。なお、空気中の酸素が存在すると、重
合が進みにくくなるので、乾熱処理、マイクロ波処理、
紫外線処理の場合には、不活性ガス雰囲気下で処理する
のが好ましく、コールドバッチ法の場合にも、シール材
で密封するのが好ましい。
【0028】これらの重合法のなかでは、スチーム処理
が、重合効率および処理の安定性の観点から好ましい。
スチーム処理は、常圧スチーム、加熱スチーム、高圧ス
チームのいずれでもよいが、コスト面からは、常圧スチ
ームまたは加熱スチームが好ましい。スチーム処理温度
は、80〜180℃さらには100〜160℃が好まし
い。スチーム処理時間は、1〜10分程度でよい。
【0029】なお、本発明において、繊維材料に処理液
を付与した後、モノマーAとモノマーBを重合させる前
に、風乾あるいは乾燥機などで予備乾燥することも好ま
しく行われる。
【0030】かかるモノマーの重合物は、吸汗性および
消臭性能に優れているものの、風合いの粗硬化を防ぐ観
点から、繊維材料に対して1〜20wt%とするのが好
ましい。
【0031】つぎに、本発明の繊維構造物に用いられる
合成繊維としては、ポリエステル、アクリル、ナイロン
等が用いられる。本発明の繊維構造物は、これらの合成
繊維のほかに、さらに木綿、羊毛、絹等の天然繊維、あ
るいはレーヨンなどの半合成繊維を組み合わせたもの、
たとえば糸、織布、不織布等を使用することができる。
かかる合成繊維の中でもポリエステルが、抗菌性の工業
洗濯耐久性が最も優れている繊維構造物を提供すること
ができる。
【0032】また、本発明において合成繊維は着色され
ているものである。ここで着色されているとは、合成繊
維が分散染料、酸性染料、カチオン染料、蛍光増白剤な
どの着色物を含むことをいう。
【0033】かかる繊維構造物のうち、本発明に使用さ
れ得る繊維構造物は、繊維構造物1g当たりの合成繊維
の表面積が0.1m2 以上または繊維構造物の単繊維繊
度が8デニール以下であるもの、好ましくは表面積が
0.15m2 以上または単繊維繊度が4デニール以下の
ものである。合成繊維に抗菌剤が付着または吸尽する作
用は繊維の表面積もしくは繊維の単繊維繊度に依存する
ので、表面積が0.1m 2 以上の繊維または単繊維繊度
が8デニール以下の繊維では、高度な工業洗濯耐久性を
有する抗菌性繊維構造物を得ることができる。なお、複
数種の合成繊維やさらに天然繊維を組み合わせた場合で
も同等の効果が得られる。
【0034】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中の%および部とは、断らな
い限り重量基準である。また、実施例中での品質評価は
次の方法に従った。 [洗濯方法]ドラム染色機を用い、花王(株)製洗剤
“ザブ”2g/l、過酸化水素水(35%工業用)3c
c/l、過炭酸ナトリウム1.5g/l、温度85±2
℃、浴比1:20で15分間洗濯し、その後排液、脱水
後、オーバーフロー水洗を10分間実施した。その後脱
水を行いこれを洗濯1回とした。最後にタンブラー・ド
ライヤーを用いて20分間で乾燥させた。 [抗菌試験方法]試験方法は統一試験法を採用し、試験
菌体はMRSA臨床分離株を用いた。試験方法は、滅菌
試料布に上記試験菌のブイヨン懸濁液を注加し、密閉容
器中で37℃、18時間培養後の生菌数を計測し、殖菌
数に対する菌数を求め、次の基準に従った。
【0035】log(B/A)>1.5の条件下、lo
g(B/C)を菌数増減値差とし、2.2以上を合格レ
ベルとした。
【0036】ただし、Aは無加工品の接種直後分散回収
した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した
菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数を
表す。 [防臭性]生地を8時間肌に密着させ、2時間30℃×
90%の室温に放置した後、生地に残る臭いを以下の6
段階で官能評価した。
【0037】5:強烈な臭い、4:強い臭い、3:楽に
感知できる、2:何の臭いかわかる弱いにおい、1:や
っと感知できる、0:無臭 まず、予め、実施例と比較例に使用する抗菌剤のコロイ
ド化処理を行っておく。すなわち、下記各実施例、比較
例で使用する抗菌剤50gとナフタレンスルホン酸のホ
ルマリン縮合物20gおよびリグニンスルホン酸ナトリ
ウム30gを水300gと共にスラリー化し、次いでガ
ラスビーズを用いて湿式粉砕処理を施し、平均粒径1μ
mのコロイド状態の組成物を得た。 実施例1 75デニール−72フィラメントのポリエチレンテレフ
タレートフィラメント延伸糸を丸編にした供試布を高圧
染色試験機を用い、抗菌剤2−ピリジルチオール−1−
オキシド亜鉛のコロイドを1%owf、分散染料を2%
owf、均染剤を0.5g/l、浴比1:10、pH5
の液中に供試布を浸し、130℃、60分間の条件で常
法による染色加工を行った。この後、水洗し、170
℃、2分間乾燥を行った。
【0038】次に下記組成の処理液に浸漬後、ピックア
ップ率80%に設定したマングルで絞り、乾燥機で12
0℃、2分乾燥させた。
【0039】 AMPS 20g/l 化学式1においてX:−CH3 、n=23のモノマー 40g/l N−メチロールアクリルアミド 7g/l 過硫酸アンモニウム 2g/l 乾燥後直ちに、105℃の加熱スチーマーで5分間処理
し、湯水洗、乾燥した。次いで、乾燥機で170℃、1
分でセットし、評価に供した。結果を表2に示す。 実施例2 実施例1と同様の供試布を高圧染色試験機を用い、抗菌
剤2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛のコロイド
を1%owf、分散染料を2%owf、均染剤を0.5
g/l、浴比1:10、pH5の液中に供試布を浸し、
130℃、60分間の条件で常法による染色加工を行っ
た。この後、水洗し、170℃、2分間乾燥を行った。
【0040】次に、下記組成の処理液に浸漬後、ピック
アップ率80%に設定したマングルで絞り、乾燥機で1
20℃、2分乾燥させた。
【0041】 AMPS 20g/l 化学式2においてX:−CH3 、m+n=30のモノマー 40g/l N−メチロールアクリルアミド 7g/l 過硫酸アンモニウム 2g/l 乾燥後直ちに、105℃の加熱スチーマーで5分間処理
し、湯水洗、乾燥した。次いで、乾燥機で170℃、1
分でセットし、評価に供した。結果を表2に示す。 実施例3 供試布として150デニール−48フィラメントのポリ
エチレンテレフタレートフィラメント仮撚加工糸の丸編
地を用い、抗菌剤として2−クロロ−4−トリクロロメ
チル−6−(2−フリルメトキシ)ピリジンを使用した
以外は、実施例1と同様の処理を行い、評価に供した。
結果を表2に示す。 実施例4 供試布として60デニール−144フィラメントのポリ
エチレンテレフタレートフィラメント仮撚加工糸を20
%、150デニール−15フィラメントのポリエチレン
テレフタレートフィラメント延伸糸を80%混繊させた
加工糸をタテとヨコ糸に使用した平織物を用いて、抗菌
剤として2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−(2
−フリルメトキシ)ピリジンを使用した以外は、実施例
1と同様の処理を行い、評価に供した。結果を表2に示
す。 実施例5 供試布として75デニール−12フィラメントのポリエ
チレンテレフタレートフィラメント仮撚加工糸の編地を
用い、抗菌剤として2−クロロ−6−トリクロロメチル
ピリジンを使用した以外は、実施例1と同様の処理を行
ない、評価に供した。結果を表2に示す。 比較例1 抗菌剤として2−ピリジンチオール−1−オキシドナト
リウムを使用する以外は、実施例1と同条件で加工し、
評価に供した。結果を表2に示す。 比較例2 抗菌剤として1,4−(1−ジヨードメチルスルフォニ
ル)ベンゼンを使用する以外は、実施例1と同条件で加
工し、評価に供した。結果を表2に示す。 比較例3 実施例1と同様の供試布を高圧染色試験機を用い、抗菌
剤2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛のコロイド
を1%owf、分散染料を2%owf、均染剤を0.5
g/l、浴比1:10、pH5の液中に供試布を浸し、
130℃、60分間の条件で常法による染色加工を行っ
た。この後、水洗し、170℃、2分間乾燥を行った
後、評価に供した。結果を表2に示す。 比較例4 実施例1と同様の供試布を下記組成の処理液に浸漬後、
ピックアップ率80%に設定したマングルで絞り、乾燥
機で120℃、2分乾燥させた。
【0042】 AMPS 20g/l 化学式1においてX:−CH3 、n=23のモノマー 40g/l N−メチロールアクリルアミド 7g/l 過硫酸アンモニウム 2g/l 乾燥後直ちに、105℃の加熱スチーマーで5分間処理
し、湯水洗、乾燥した。次いで、乾燥機で170℃、1
分でセットし、評価に供した。結果を表2に示す。 比較例5 実施例1と同様の供試布を何も加工しないで、評価に供
した。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2から明らかなように、実施例1〜5に
ついては、洗濯前および工業洗濯50回後も十分な抗菌
性および防臭性があることがわかる。一方、比較例1〜
5については、工業洗濯50回後、抗菌性が認められて
も防臭性が悪いか、抗菌性および防臭性の両方の効果が
認められなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明により、工業洗濯耐久性に優れた
抗菌性および防臭性を有する繊維構造物を提供すること
ができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量が200〜700、無機性/有機性
    値=0.3〜1.4で、かつ、平均粒径が2μm以下で
    あるピリジン系抗菌剤を含む繊維構造物であり、かつ、
    ビニルカルボン酸および/またはビニルスルホン酸モノ
    マーと、化学式1および/または化学式2で示されるビ
    ニルモノマーとからなる重合物が該繊維構造物を構成す
    る繊維材料の表面上に付与されていることを特徴とする
    繊維構造物。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】該繊維構造物1g当たりに用いられる合成
    繊維の表面積が0.1m 2 以上である請求項1記載の繊
    維構造物。
  3. 【請求項3】該ビニルカルボン酸および/またはビニル
    スルホン酸モノマーと、化学式1および/または化学式
    2とからなる重合物が、繊維材料に対して1〜20wt
    %付着しているものである請求項1または2記載の繊維
    構造物。
  4. 【請求項4】該ピリジン系抗菌剤が、2−クロロ−6−
    トリクロロメチルピリジン、2−クロロ−4−トリクロ
    ロメチル−6−メトキシピリジン、2−クロロ−4−ト
    リクロロメチル−6−(2−フリルメトキシ)ピリジ
    ン、ジ(4−クロロフェニル)ピリジルメタノール、
    2,3,5−トリクロロ−4−(n−プロピルスルフォ
    ニル)ピリジン、2−ピリジルチオール−1−オキシド
    亜鉛、ジ(2−ピリジルチオール−1−オキシド)から
    選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の繊維構造物。
  5. 【請求項5】該ピリジン系抗菌剤が、2−ピリジルチオ
    ール−1−オキシド亜鉛であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の繊維構造物。
  6. 【請求項6】該ピリジン系抗菌剤が、該合成繊維に付着
    していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載の繊維構造物。
  7. 【請求項7】該ピリジン系抗菌剤が、該合成繊維に吸尽
    されているものであることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれかに記載の繊維構造物。
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