JP2004150002A - セルロース系繊維含有織編物 - Google Patents

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剛 入佐
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Abstract

【課題】
本発明は、従来になかった高いマイナスイオン効果と抗菌性、さらに高い吸放湿性を有するセルロース系繊維含有織編物、特に衣料用織編物を提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明のセルロース系繊維含有織編物は、マイナスイオンを発生するセルロース系繊維からなるフィラメント糸および/またはスパン糸からなる織編物であって、該セルロース系繊維が、該織編物から、1000個/cc以上のマイナスイオンが発生することを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、マイナスイオンを安定的に発生するだけでなく、抗菌性、吸放湿性を有するセルロース系繊維を含有する織編物、特に衣料用織編物に関するものである。
近年、地球温暖化や酸性雨などの環境問題が大きく取り上げられている。その中で、特に都会における日常生活では、排気ガス等により空気中のプラスイオンが増加、マイナスイオンが減少した結果、我々の体に対しては、酸化腐敗、体内異常ならびに老化等の悪影響や、環境に対しても悪影響が生じていると言われている。今、我々の体や環境、植物、水までが弱酸性化しており、不足しているマイナスイオンを作り出し、弱酸性状態の人体や環境等を中性状態やアルカリ性状態に還元していくのがマイナスイオン効果である。
かかるマイナスイオンは、自然界で水分の多い森林や滝壺、海岸線などに多く発生し、人々の心を安らげる癒し効果を発揮している。このようなマイナスイオンを発生するものに、トルマリン鉱石や竹炭、などが見出されているが、トルマリン鉱石などは、別名電気石と呼ばれ、永久自発電気分極をしている物質で、外部からの応力でマイナスイオンを発生する。
例えば、かかるトルマリン鉱石を使用した技術として、微粒子化したトルマリンを有機繊維に固着もしくは含有させたエレクトレット繊維が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、元来、トルマリン自体が発するマイナスイオンは微弱であり、また微粒子化したものを繊維への付着させる場合、付着量が3〜4%と微量なため、マイナスイオン効果はそれほど期待できないという問題があった。
また衣料用織編物としては、これまで数々のマイナスイオンを発生する製品が開発されているが、マイナスイオンを発生させるだけのものがほとんどであり、清潔感を与えるための抗菌性や、人が着用した場合、快適と感じるための適度な吸放湿性を同時に有する衣料用織編物はこれまで存在しなかった。
特公平6−104926号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、従来になかった高いマイナスイオン効果と抗菌性、さらに高い吸放湿性を有するセルロース系繊維含有織編物、特に衣料用織編物を提供せんとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明のセルロース系繊維含有織編物は、(1)マイナスイオンを発生するセルロース系繊維からなるフィラメント糸および/またはスパン糸からなる織編物であって、該織編物から、本文で定義するイオン発生量の測定法により測定したときに、1000個/cc以上のマイナスイオンが発生するもの、または(2)抗菌性を有するセルロース系繊維からなるフィラメント糸および/またはスパン糸からなる織編物であって、該織編物の静菌活性値が2.2以上有するもの、または(3)吸放湿性を有するセルロース系繊維からなるフィラメント糸および/またはスパン糸からなる織編物であって、該セルロース系繊維の30℃×90%RHにおける吸湿率が18%以上有り、吸放湿率差(△MR)が9%以上であるものに、さらに該織編物の繊維表面に高吸放湿性を有する高分子化合物が付着されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、マイナスイオンを発生するだけでなく、吸放湿性、抗菌性に優れ、従来のセルロース系繊維含有織編物より、着用時の快適性に優れており、肌着、ポロシャツ、ドレスシャツなどの衣料用途に好ましく用いることができる。
本発明で用いるセルロース系繊維は、フィラメント糸またはスパン糸の形態を有するものである。本発明においては、これらのフィラメント糸またはスパン糸を、他の合成繊維と混紡、混繊した紡績糸や混繊糸を用いて織編物に形成する際、マイナスイオン効果、抗菌性または吸放湿性を効果的に得るために、該セルロース系繊維を織編物のどちらか一方の表面に少なくとも10%以上占めるようにすることが好ましく、30%以上占めることがより好ましい。
本発明でいうイオン発生量は、測定装置内に3枚の平行に並べられたプレート(平行平板形)の間にイオンを含む空気を流入させることにより、イオンの測定を行う。外側のプレートと中央のプレートとの間隔はそれぞれ4mmであり、分極電解は1000V/mとする。測定原理としては、外側の2枚のプレートは分極電位(+または−)を有し、中央のプレートは線形の検出プレートであり、中央のプレートを任意の電位に帯電させ、空気を流入させた後、任意時間経過後の電位差によって生じた単位体積あたりのイオン個数で表す。この原理はエーベルトイオンカウンターに属するものであり、形態としては上記平行平板形以外に、同軸同筒形でもよい。測定装置としては、この他に、この原理を応用したゲルディエン型でも採用することができる。
なお、本発明でいうマイナスイオンの発生量は、次のような測定方法によって測定される。
[イオン発生量]
測定装置:AIR ION COUNTER IC−1000
(アルファ・LAB社(USA)製)
測定条件:室温20±1℃、湿度50±3%、室内広さ3m×5m×5m、
測定時間10秒、吸引量12L/分、サンプル振動周期3回/秒、
サンプルサイズ30cm×20cm
さらに本発明は、衣料用として、より快適性が得られる素材として、着用時の蒸れ感をなくすために、繊維表面に高吸放湿性の高分子を付着させている。これは後述するモノマーAとモノマーBを、繊維材料上で重合させ、その重合体からなる被膜を形成する。
本発明で用いられるモノマーAは、ビニルカルボン酸および/またはビニルスルホン酸である。かかるビニルカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などを使用することができる。また、ビニルスルホン酸としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(以下、「AMPS」という。)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(以下、「AMPS−Na」という。)、2−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウムなどを使用することができる。本発明では、これらのモノマーを2種類以上併用して用いることも何ら差し支えない。特に、重合効率と吸湿性の面から、アクリル酸、メタクリル酸、AMPS、スチレンスルホン酸ナトリウムが好ましく用いられる。
また、本発明で用いられるモノマーBの一種は、下記一般式[I]で示される。
Figure 2004150002
また、制電性の面から、モノマーBは、n=14〜23の範囲のものであることが好ましい。
また、モノマーBの他の種は、下記一般式[II]で示される。
Figure 2004150002
モノマーBとして、上記一般式[I]と[II]で示されるモノマーをそれぞれ単独でも用いることができ、また一般式[I]および一般式[II]で示されるモノマーを併用してもよく、さらに、一般式[I]と[II]で示されるモノマーの2種以上を用いても何ら差し支えない。
また、上記一般式[I]と[II]において、XはHまたはCH3であるが、X=CH3を用いることが好ましい。
本発明において、モノマーAとモノマーBの混合比は、重量比で1:20〜1:2であることが好ましく、より好ましくは1:2である。この重量比が1:20よりも小さくなる場合は、得られる吸湿性が低いレベルに留まる傾向を示し、一方、1:2よりも多くなる場合には、重合体の網目構造化が十分進まず耐久性が悪くなってしまう傾向がある。制電性の面からは、重量比でモノマーAよりもモノマーBの使用量が多い方が好ましい。モノマーAとモノマーBの使用量については目的に応じて任意に決定できる。
本発明では、モノマーAとモノマーBの重合反応に際し、重合開始剤が用いられる。本発明で用いられる重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤を使用することができる。例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素など無機系重合開始剤や、2,2’−アゾビス(2−アミディノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(N、N−ジメチレンイソブチラミディン)ジハイドロクロライド、2−(カルバモイラゾ)イソブチロニトリルなどの有機系重合開始剤が使用される。また、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどの水不溶性重合開始剤をアニオン、ノニオン等の界面活性剤で乳化させて用いてもよい。コスト、取り扱いに容易さの点からは、過硫酸アンモニウムが好ましく用いられる。さらに、重合効率を高めるために、重合開始剤としての過酸化物と還元性物質を併用する、いわゆるレドックス開始剤を用いてもよい。この過酸化物としては、例えば、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム、還元性物質としては、例えば、スルホキシル酸ナトリウムとホルマリンとの反応物やハイドロサルファイトなどを使用することができる。重合開始剤の使用濃度は、使用するモノマー濃度や処理条件にもよるが、処理液に対して0.1〜3重量%が好ましい。
また、繊維との親和性を高めるために各種浸透剤を使用してもよい。例えばイソプロピルアルコールなどのアルコール類や、アニオン系界面活性剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムや、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどがあり、非イオン系では、オクチルフェノールのエチレンオキサイド付加物などの各種界面活性剤が使用される。
本発明で用いられる処理液は、基本的には、モノマーAとモノマーB、それに重合開始剤とで構成されるが、さらに必要に応じて仕上げ加工剤、例えば、撥水剤、柔軟剤、難燃剤、抗菌防臭加工剤などを添加してもよい。また、架橋促進のために、風合いをあまり粗硬にしない程度に、メチロール基を有するビニルモノマー、例えば、N−メチロールアクリルアミドやN−メチロールメタクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミドなどを添加してもよい。
また、必要に応じて天然物を加えることも好ましく行なわれ、植物から抽出された綿、麻、茶、または、動物から抽出されたウール、シルク、キチン、キトサン、スクワラン、または、鉱石から抽出されたスメクタイトなどが付与され、これらの天然物を処理液中に混合させ同時に処理をしたり、または上記処理後天然物だけの処理液を作成し、繊維に含浸させ、乾熱処理によって付与させる。これらの天然物を付与すると、さらに吸湿性が改善され、保温効果がさらに高まる効果を奏する。
本発明のモノマーAとモノマーBを含む処理液を繊維材料に付与する方法としては、例えば、パディング法、スプレー法、キスロールコータ、スリットコータなどが使用される。これらの方法で処理液を付与後、例えば真空脱水機で処理するなどして付与量を調整することも好ましく行われる。
本発明において、モノマーAとモノマーBを繊維上で重合させる方法としては、ラジカル重合に用いられるあらゆる手段が採用可能である。例えば、乾熱処理、スチーム処理、浸漬法、コールドバッチ法、マイクロ波処理、紫外線処理などが採用される。
ここでマイクロ波処理とは、2450MHzまたは920MHzの波長の高周波を被加熱物に当てることで発熱させるものである。これらの処理手段は、単独で適用してもよいし、加熱効率を高めるために、例えば、スチーム処理または乾熱処理時にマイクロ波処理または紫外線処理を併用するなどしてもよい。なお、空気中の酸素が存在すると重合が進みにくくなるので、乾熱処理、マイクロ波処理、紫外線処理の場合には、不活性ガス雰囲気下で処理するのが好ましく、コールドバッチ法の場合にも、シール材で密封することが好ましい。
これらの重合法の中では、スチーム処理が重合効率および処理の安定性の観点から好適である。スチーム処理は、常圧スチーム、加熱スチーム、高圧スチームのいずれでもよいが、コスト面からは、常圧スチームまたは加熱スチームが好ましい。スチーム処理温度は、好ましくは80〜180℃、さらに好ましくは100〜160℃がよい。スチーム処理時間は、1〜10分程度でよい。
なお、本発明において、繊維材料に処理液を付与した後、モノマーAとモノマーBを重合させる前に、風乾あるいは乾燥機などで予備乾燥することも好ましく行なわれる。
本発明の処理液による重合物の付着量は、吸湿性能を優れたものにし、一方、風合いの粗硬化を防ぐ観点から、繊維材料に対して1〜20重量%とすることが好ましい。付着量は、より好ましくは、5〜20重量%である。
本発明でいうセルロース系繊維は、一般の再生セルロース系繊維や天然繊維等が用いられ、例えば、竹、木材パルプ、リンターパルプおよびコットンリンターから選ばれた少なくとも1種を原料として作られたものが好ましく、より好ましくは竹を原料としたものが最もマイナスイオンを多く発生させられる点でよい。また、かかる竹は、マイナスイオンを発生させられるだけでなく、吸湿性が、他の原料に比べ最も高く、抗菌性も有することから、衣料用繊維としては最も適している。竹の原産地としては、アジアを中心に世界各国に広がっているが、特に中国産の竹が好ましく使用される。
これら原料を一般の再生セルロース系繊維と同様な処理手段により、フィラメント糸やスパン糸を製造することができる。例えばビスコース法の場合、竹をアルカリ及び二流化炭素と反応させ、アルカリデンサートとして苛性ソーダに溶解して紡糸し、セルロースを凝固・再生することにより製造する。他の製法としては、銅アンモニア法、直接溶解法や、アセテートなどの半合成繊維としても製造することができる。
マイナスイオンを発生させるその他のセルロース系繊維としては、天然繊維である月桃、ケナフ、亜麻(リネン)・苧麻(ラミー)、大麻を原料とした繊維も好ましく用いられる。
本発明は、該セルロース系繊維を100%使いの織編物として用いることができるが、衣料とした場合の十分な強度が得られないため、上記再生セルロース系繊維以外の再生繊維や、天然繊維として木綿、麻、絹、羊毛、カシミア、アルパカ、モヘア、アンゴラなど、または、合成繊維と、任意の割合で混合し、交織品、交編品とすることが好ましい。
かかる合成繊維としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維およびアクリル系繊維から選ばれた少なくとも1種の合成繊維が好ましく使用される。
たとえば、かかるポリエステル系繊維としては、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどを使用することができる。また、ポリアミド系繊維としては、ナイロン6やナイロン66、さらに、アクリル系繊維としては、ポリアクリロニトリルが好ましく用いられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の織編物は、次のように幅広く展開可能である。なお、ここでいう織編物とは、織物、編物を総称していうものである。例えば、一般婦人用肌着であるスリップ、キャミソール、ペチコート、ショーツ、アンダーパンツ、タイツ、Tシャツ、丸首シャツ、U首シャツ、ボディスーツ、ガードル等や、一般紳士用肌着であるTシャツ、丸首シャツ、U首シャツ、ランニングシャツ、アンダーパンツ、タイツ、ブリーフ、トランクス等、さらに、また、これらの肌着の転用を含めたアスレチック、アウトドア、スキー等のスポーツ用肌着、さらには、屋外作業、保冷庫作業等の作業用肌着に好ましく使用することができる。
また、ドレスシャツとしては、紳士用シャツを主な目的としているが、婦人衣料、学童用スクールシャツ、ユニフォーム、スポーツ衣料にも好ましく使用される。
また、ポロシャツとしても、ゴルフシャツだけでなく、一般的なカジュアルシャツにも好ましく採用される。
[実施例]
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の%および部とは、断らない限り重量基準である。
<評価方法>
実施例中での品質評価は次の方法に従った。
[イオン発生量]
測定装置:AIR ION COUNTER IC−1000
(アルファ・LAB社(USA)製)
測定条件:室温20±1℃、湿度50±3%、室内広さ3m×5m×5m、
測定時間10秒、吸引量12L/分、サンプル振動周期3回/秒、
サンプルサイズ30cm×20cm
評価結果:測定時間10秒後のイオン平均発生量(個/cc)
マイナスイオンが発生する場合は負の値、プラスイオンが発生す
る場合は正の値で示される。マイナスイオンの数とプラスイオンの 数の差によってマイナスイオンの発生数とし、マイナスイオンが
1000個/cc以上で合格とした。
[吸湿性(ΔMR)]
ΔMR(%)=MR2−MR1
ここで、MR1とは絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した時の吸湿率(%)を指し、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当する。また、MR2とは絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置した時の吸湿率(%)を指し、運動状態における衣服内の環境にほぼ相当する。ここで吸湿率はJIS L1096「水分率」に準じて測定する。
ΔMRは、MR2からMR1の値を差し引いた値で表されるものであり、衣服を着用してから運動した時に、衣服内のムレをどれだけ吸収するかに相当し、ΔMR値が高いほど快適であると言える。一般に、ポリエステルのΔMRは0%、ナイロンで2%、木綿で4%、ウールで6%と言われている。
[抗菌性]
JIS L1902に準じて行った。評価方法は、統一試験法を採用し、試験菌体は黄色ブドウ状球菌臨床分離株を用いた。試験方法は、滅菌試験布に上記試験菌を注加し、18時間培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を求め、次の基準に従った。
log(B/A)>1.5の条件下、log(B/C)を静菌活性値とし、2.2以上を合格とした。ただし、Aは無加工品の接種直後分散回収した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数を表す。
中国産の竹を原料として、ビスコース法により再生セルロース系繊維の短繊維(単糸繊度3.3dtex、繊維長51mm)を作製した。当該竹繊維の、30℃×90%RHにおける吸湿率(MR2)は20.1%、ΔMRは9.2%であった。該セルロース系繊維30%重量と、ポリエステル繊維(単繊維繊度3.3dtex、繊維長51mm)70%重量を用い、通常の長紡紡績工程によって、50番手の紡績糸を得た。
この紡績糸を単糸使いで、経糸と緯糸に用い、経糸密度53本/センチ、緯糸密度28本/センチ、組織:平織、目付120g/m2の織物を得た。その後染色工程において精練、漂白、マーセライズを行ない、仕上工程において、下記組成の処理液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞り、乾燥機で120℃、2分乾燥させた。乾燥後直ちに、105℃の加熱スチーマーで5分間処理し、湯水洗、乾燥した。次いで、乾燥機で170℃、1分でセットし、ドレスシャツ用の織物を得た。
[処理液]
AMPS 20g/l
一般式[I]においてX:−CH3、n=23のモノマー 40g/l
過硫酸アンモニウム 2g/l
中国産の竹を原料とする実施例1で用いたと同様のセルロース系繊維(単繊維繊度3.3dtex、繊維長38mm)を用いて、短紡紡績工程にて、40番手の紡績糸を得た。
これを両面丸編機にて、編地裏面側(肌面側)構成糸に用い、アクリル紡績糸1/52を、編地表面側構成糸に用い、裏面側ハニカムリバーシブル編組織となる丸編地を編成した。
この編地を通常の丸編地の染色法に準じ、リラックス・精練と染色および乾燥を行った後、仕上工程にて、下記組成の処理液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞り、乾燥機で120℃、2分乾燥させた。乾燥後直ちに、105℃の加熱スチーマーで5分間処理し、湯水洗、乾燥した。次いで、乾燥機で170℃、1分でセットし、肌着用の編物を得た。
[処理液]
AMPS 20g/l
一般式[I]においてX:−CH3、n=23のモノマー 30g/l
一般式[II]においてX:−CH3、m+n=30のモノマー 10g/l
過硫酸アンモニウム 2g/l
比較例1
天然セルロース系繊維である綿繊維(単糸繊度3.3dtex、繊維長51mm)を準備した。当該綿繊維の30℃×90%RHにおける吸湿率は、7.8%、ΔMRは4.0%であった。該天然セルロース系繊維50%重量と、ポリエステル繊維(単繊維繊度1.1dtex、繊維長51mm)50%重量を用い、通常の長紡紡績工程によって、50番手の紡績糸を得た。この紡績糸を単糸使いで、経糸と緯糸に用い、経糸密度44本/センチ、緯糸密度27本/センチ、組織:平織、目付117g/m2の織物を得た。その後染色工程において精練、漂白、マーセライズを行ない、仕上げ剤を付着させた後仕上げセットを行い、ドレスシャツ用の織物を得た。
Figure 2004150002
表1に、実施例、比較例で用いたセルロース系繊維の吸湿特性とともに、実施例、比較例で得た織編物における性能評価結果を示す。表1から明らかなように、竹を原料とした実施例1、2が、マイナスイオンの発生量、吸放湿性、抗菌防臭性共に十分な値が得られているのに対し、比較例1はプラスイオンが発生しており、抗菌防臭性は不合格であり、吸放湿性についてもΔMRが2%未満となっており、十分な値は得られなかった。

Claims (10)

  1. マイナスイオンを発生するセルロース系繊維からなるフィラメント糸および/またはスパン糸からなる織編物であって、該織編物から、1000個/cc以上のマイナスイオンが発生し、さらに該織編物の繊維表面に高吸放湿性を有する高分子化合物が付着されていることを特徴とするセルロース系繊維含有織編物。
  2. 抗菌性を有するセルロース系繊維からなるフィラメント糸および/またはスパン糸からなる織編物であって、該織編物の静菌活性値が2.2以上であり、かつ、該織編物の繊維表面に高吸放湿性を有する高分子化合物が付着されていることを特徴とするセルロース系繊維含有織編物。
  3. 吸放湿性を有するセルロース系繊維からなるフィラメント糸および/またはスパン糸からなる織編物であって、該セルロース系繊維の30℃×90%RHにおける吸湿率が18%以上であり、かつ、吸放湿率差(△MR)が9%以上であり、さらに該織編物の繊維表面に高吸放湿性を有する高分子化合物が付着されることを特徴とするセルロース系繊維含有織編物。
  4. 該セルロース系繊維が、再生セルロース繊維からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセルロース系繊維含有織編物。
  5. 該再生セルロース繊維の原料が、竹、木材パルプ、リンターパルプおよびコットンリンターから選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする請求項4に記載のセルロース系繊維含有織編物。
  6. 該再生セルロース繊維の原料が、竹であることを特徴とする請求項4または5に記載のセルロース系繊維含有織編物。
  7. 該セルロース系繊維が、該織編物中少なくとも10重量%以上を占めていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のセルロース系繊維含有織編物。
  8. 該吸湿発熱性を有する高分子化合物が、ビニルカルボン酸および/またはビニルスルホン酸モノマーと、下記一般式[I]および[II]から選ばれた少なくとも1種のビニルモノマーとを、重量比1:20〜1:2の範囲で重合または共重合してなるポリマーであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のセルロース系繊維含有織編物。
    Figure 2004150002
    および/または下記一般式
    Figure 2004150002
  9. 該フィラメント糸および/またはスパン糸が、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維およびアクリル系繊維から選ばれた少なくとも1種の合成繊維と、該セルロース系繊維とからなる混紡糸または混繊糸であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のセルロース系繊維含有織編物。
  10. 該織編物が、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維およびアクリル系繊維から選ばれた少なくとも1種の合成繊維と、該セルロース系繊維とで構成された、交織品または交編品であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のセルロース系繊維含有織編物。
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