JP2001130914A - リチウムマンガンスピネル酸化物粒子粉末の製造方法 - Google Patents

リチウムマンガンスピネル酸化物粒子粉末の製造方法

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龍哉 中村
Takayuki Yoshida
高行 吉田
Akihisa Kajiyama
亮尚 梶山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で焼成でき、結晶性が高く、特に正極
活物質として有用なリチウムマンガンスピネル酸化物粒
子粉末Li4Mn5O12 を提供する。 【解決手段】 マンガン塩水溶液と当量以上の蓚酸水溶
液とを混合して蓚酸マンガンの沈澱物を生成させ、濾
別、水洗、乾燥した後、酸素含有ガス中350 〜500℃で
熱分解してマンガン酸化物粒子粉末を調製し、次いでリ
チウム化合物とを混合し、該混合粉末に対して1〜10重
量%の水分を添加した後、圧縮成型して成型密度2g/cm3
以上の成型体を得、該成型体を1〜5気圧の酸素中、35
0 〜600 ℃で焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムマンガン
スピネル酸化物粒子粉末の製造方法に関し、更に詳しく
は、短時間で焼成でき、かつ結晶性が高く、特にリチウ
ム電池の正極活物質として有用なリチウムマンガンスピ
ネル酸化物Li4Mn5O12 粒子粉末の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューター、携帯
電話等のポータブル機器の開発に伴って、その電源とし
ての電池の需要が高まっている。特に、リチウム電池
は、リチウムが原子量が小さく、かつ、イオン化エネル
ギーが大きい物質であることに起因して、起電力が高
く、高エネルギー密度化が可能な電池が期待できること
から各方面で盛んに研究が行われている。
【0003】リチウム電池に用いられる正極活物質とし
ては、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニ
ッケル酸化物(LiNiO2)、リチウムマンガン酸化物(Li
Mn2O 4 )等の研究が盛んに行われている。これらの複合
酸化物は、それぞれコバルト、ニッケル、マンガンを含
む酸化物原料粉末とリチウム化合物粉末とを混合し、50
0 ℃以上の高温で焼成することにより得られている。し
かし固相反応時の酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化マ
ンガン粒子粉末の反応性が低いため、高温で長時間焼成
することが必要である。この高温での長時間焼成におい
ては、Liリチウムが蒸発し、そのためリチウムが欠損し
て組成が変化しやすく、安定した品質の複合酸化物が得
られにくい。
【0004】また、これらの正極活物質は、その粉末を
バインダー中に分散させて、銅などの金属板に塗布・乾
燥させて電池の正極として用いられている。高温で長時
間焼成して生成された上記の如き複合酸化物は、粉末粒
子同士が強固に融着しているので、塗料を作成するのに
十分な粉末とするためには強力な粉砕が必要となり、エ
ネルギーコストが高くなる、或いは、粉砕の媒体が磨耗
して複合酸化物粉末中に混入するなどの問題点が指摘さ
れている。
【0005】また、これらのリチウム電池正極材料にお
いては、充放電の際に、結晶格子中のイオンサイトにリ
チウムイオンが電気化学的に挿入・脱離する。繰り返し
充放電が行われることを特徴とする二次電池の正極材料
においては、結晶格子中のイオンサイトにリチウムイオ
ンが電気化学的に挿入・脱離を繰り返すことによってそ
の結晶格子が変形してしまうと、リチウムイオンの存在
することのできるイオンサイト或いは結晶中でのリチウ
ムイオンの伝導経路が消失しやすく、そのため、電気化
学的な可逆性、すなわち、充放電のサイクル特性が劣化
してしまうこととなる。かくして、良好な充放電のサイ
クル特性を得ることのできる電池正極材料には結晶性の
高い粒子粉末であることが強く求められている。
【0006】以上のような背景から、正極活物質用材料
として有用で、比較的低温で、かつ短時間の焼成によっ
て得られ、結晶性の高いリチウムマンガンスピネル酸化
物Li 4Mn5O12 粒子粉末の製造方法が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実情
に鑑み、比較的低温で、かつ短時間の焼成反応によって
合成でき、かつ結晶性が高く、特にリチウム電池の正極
活物質として有用なリチウムマンガンスピネル酸化物Li
4Mn5O12 を製造する方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明はマンガン
塩水溶液と当量以上の蓚酸水溶液とを混合して蓚酸マン
ガンの沈澱物を生成させ、この沈澱物を濾別、水洗、乾
燥した後、酸素含有ガス中350 〜500 ℃で熱分解してマ
ンガン酸化物粒子粉末を調製し、このマンガン酸化物粒
子粉末とリチウム化合物とをLi/Mn モル比が0.78〜0.81
の範囲で混合し、該混合粉末に対して1〜10重量%の水
分を添加し、この水分含有混合粉末を圧縮成型して成型
密度2g/cm3以上の成型体を得、この成型体を1 〜5 気圧
の酸素中、350 〜600 ℃で焼成することを特徴とするリ
チウムマンガンスピネル酸化物Li 4Mn5O12 粒子粉末の製
造方法を内容とする。
【0009】好ましい態様として、成型体の成型密度が
2 〜3.5g/cm3である。
【0010】
【発明の実施の形態】先ず、本発明に用いられるマンガ
ン酸化物粒子粉末を調製するには、先ずマンガン塩水溶
液と蓚酸水溶液とを混合して蓚酸マンガンの沈澱物を生
成させる。マンガン塩としては、硫酸塩、硝酸塩、酢酸
塩、塩化物等の水溶性のものが好ましく、これらは単独
又は2種以上組み合わせて用いられる。マンガン塩水溶
液の濃度は特に制限されないが、操作性と経済性の観点
から通常10〜30重量%程度が好ましい。また蓚酸水溶液
の濃度も、同様に、操作性と経済性の観点から通常10〜
30重量%程度が好ましい。蓚酸水溶液はマンガン塩水溶
液に対して当量以上、好ましくは当量〜2当量である。
次いで、生成した沈澱物を濾別、水洗、乾燥した後、該
乾燥粉末を酸素含有ガス、例えば空気中350 〜500 ℃で
熱分解する。熱分解温度が350 ℃未満では蓚酸マンガン
の熱分解が不十分であり均一な組成の酸化物粒子粉末が
得られにくく、一方、500 ℃を越えると得られる酸化物
粒子粉末の反応性が低下する。
【0011】次に、上記の如くして得られたマンガン酸
化物粒子粉末とリチウム化合物とを混合する。本発明に
用いられるリチウム化合物としては、炭酸リチウム、酸
化リチウム、水酸化リチウム、水酸化リチウム1水和物
等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて
用いられる。
【0012】本発明におけるリチウム化合物とマンガン
酸化物粒子粉末の混合比は、リチウムとマンガン(Li/
Mn)のモル比で0.78〜0.81の範囲である。リチウムが上
記範囲よりも不足する場合は、マンガンの平均価数の低
いリチウムマンガンスピネル酸化物Li4-x Mn5+x O12(X>
0.1)が生成し、この粉末を用いて正極を構成した場合、
電池特性、即ち、リチウムイオン導電性を有する電解液
中で充放電を繰り返した際のサイクル特性が悪い。一
方、リチウムが上記範囲よりも過剰な場合は、目的とす
るリチウムマンガンスピネル酸化物Li4Mn5O12 の他に正
極活物質でない炭酸リチウムLi2CO3が存在し、この炭酸
リチウムを除去することが極めて困難であるため、この
粉末を用いて正極を構成した場合、良好な電池特性が得
られにくい。
【0013】次に、マンガン酸化物粒子粉末とリチウム
化合物との混合粉末に対して1 〜10重量%の水分を含有
させ、この混合粉末を押出成型機、ローラーコンパクタ
ー、ディスクペレッター等により圧縮成型し、成型密度
2 g/cm3 以上の成型体を作成する。混合粉末に対して
水分の量が1 重量%未満であると、成型体の強度が十分
でないためハンドリングしにくい上に、成型体中での圧
縮密度にバラツキが生じるため、これが原因となって焼
成後に粉砕して得られるリチウムマンガンスピネル酸化
物粒子粉末の粒度分布が広くなる。一方、水分が10重量
%を越えると水溶性のリチウム化合物が流出しやすく、
組成が変化し、リチウムマンガンスピネル酸化物粒子粉
末の品質の安定さに欠ける。
【0014】また、成型密度が2 g/cm3 未満の成型体
を焼成した場合には、リチウムマンガンスピネル酸化物
の粒成長が十分でないため、塗布膜としたときの膜中の
充填度が十分な物が得られない。成型密度の上限は特に
制限されないが、余り大きくなると製造が困難となるの
で、通常3.5 g/cm3 、好ましくは2.5 g/cm3 程度で
ある。
【0015】次に、得られた成型体は 1〜5 気圧の酸素
中、350 〜600 ℃、好ましくは400〜550 ℃で焼成され
る。焼成時間は通常2 〜20時間、好ましくは5 〜10時間
である。成型体を 1〜5 気圧の酸素中にて焼成すること
が重要で、1 気圧未満の酸素中で焼成した場合には、結
晶性の高いリチウムマンガンスピネル酸化物Li4Mn5O12
が生成するが、この粉末を用いて正極を構成した場合、
電池特性、即ち、リチウムイオン導電性を有する電解液
中で充放電を繰り返した際のサイクル特性が悪くなって
しまう。一方、5 気圧を越える酸素中で焼成した場合に
も、結晶性の高いリチウムマンガンスピネル酸化物Li4M
n5O12 が生成するが、高圧用の特殊な容器が必要となる
ので工業的・経済的でない。
【0016】加熱温度が350 ℃未満ではリチウム化合物
とマンガン酸化物との化学反応が十分でなく、得られる
リチウムマンガンスピネル酸化物Li4Mn5O12 の結晶性が
低下、或いは、未反応の原料粉末が残存する。一方、加
熱温度が600 ℃を越える場合には目的とするリチウムマ
ンガンスピネル酸化物Li4Mn5O12 が一部分解してしま
う。焼成された成型体は粉砕してリチウムマンガンスピ
ネル酸化物Li4Mn5O12 粒子粉末とされる。粉砕方法は特
に制限されず、通常の粉砕方法が用いられる。
【0017】
【作用】本発明において最も重要な点は、マンガン塩水
溶液と当量以上の蓚酸水溶液とを混合して蓚酸マンガン
の沈澱物を生成させ、この沈澱物を濾別、水洗、乾燥し
た後、酸素含有ガス中350 〜500 ℃で熱分解してマンガ
ン酸化物粒子粉末を調製し、このマンガン酸化物粒子粉
末とリチウム化合物とを混合し、該混合粉末に対して1
〜10重量%の水分を添加し、この水分含有混合粉末を圧
縮成型して成型密度2g/cm3以上の成型体を得、この成型
体を1 〜5 気圧の酸素中、350 〜600 ℃で焼成すること
により、短時間でその反応が完結し、目的とする結晶性
の高いリチウムマンガンスピネル酸化物Li4Mn5O12 を生
成させることができるという事実である。
【0018】一般に焼成時の固相反応は、原料粉末粒子
同士の接点での相互拡散によって進行するものと考えら
れる。本発明者らは、リチウム化合物とマンガン酸化物
の場合、リチウムの融点がマンガン酸化物の融点よりも
大幅に低く、リチウムの拡散の方がマンガンの拡散より
も容易であり、主にリチウムがマンガン酸化物粒子の中
へ拡散することで反応が進行するものと考える。この考
えに基づけば、リチウム化合物よりも、マンガン酸化物
粒子の選択が重要であり、これによって、短時間でその
反応が完結し、目的とする結晶性の高いリチウムマンガ
ンスピネル酸化物Li4Mn5O12 を生成させることができる
ものと考えられる。さらに、リチウムマンガンスピネル
酸化物Li4Mn5O12 は高温で分解するため、LiCoO2、LiNi
O2、LiMn 2O4 よりも安定に生成する温度領域が低く、低
温で固相反応が完結するようなマンガン酸化物粒子の選
択が重要であると考えた。
【0019】そして種々検討の結果、マンガン塩水溶液
に当量以上の蓚酸水溶液を滴下し、蓚酸マンガンの沈澱
物を生成させ、これを濾別、水洗、乾燥した後、該乾燥
粉末を空気中350 〜500 ℃で熱分解させて、マンガン酸
化物粒子粉末を調製し、このマンガン酸化物粒子粉末を
マンガン原料として用いると、焼成時にリチウム化合物
との反応が速やかに進行し、即ちマンガン原料の反応性
が向上し、短時間でその反応が完結し、しかも結晶性の
高いリチウムマンガンスピネル酸化物Li4Mn5O1 2 を生成
させることができた。
【0020】本発明の方法によりマンガン原料の反応性
が向上し、短時間でその反応が完結し、しかも結晶性の
高いリチウムマンガンスピネル酸化物Li4Mn5O12 を生成
させることができる理由については未だ明確になってい
ないが、本発明の方法によって調製されたマンガン酸化
物粒子粉末が、極めて純度が高く、アルカリ金属、アル
カリ土類金属等の不純物濃度が著しく低いことに起因し
ているものと考えられる。
【0021】また、原料粉末が反応性に富んでいること
と、混合粉末に対して1 〜10重量%の水分を含有させ
て、この粉末を圧縮成型して成型密度2g/cm3以上の成型
体を作成することにより、結晶性の高いリチウムマンガ
ンスピネル酸化物Li4Mn5O12 粒子が生成するものと考え
られる。圧縮成型の際に、ドライの粉末では粒子粉末が
滑りにくく、したがって系全体に圧縮圧力が均一に伝達
しにくいため、圧縮密度のバラツキが生じる。これに対
して、系内にわずかの水分を含ませることにより粒子粉
末が滑りやすくなり、系全体に圧縮圧力が均一に伝達で
き圧縮密度の均一な成型体ができるために、それを焼成
して得られるリチウムマンガンスピネル酸化物Li4Mn5O
12 粒子の結晶性が高くなるものと考えられる。
【0022】また、1 気圧以上の酸素中にて焼成するこ
とが重要であり、1 気圧未満の酸素中で焼成した場合に
は、結晶性の高いリチウムマンガンスピネル酸化物Li4M
n5O1 2 が生成するが、この粉末を用いて正極を構成した
場合、電池特性、即ち、リチウムイオン導電性を有する
電解液中で充放電を繰り返した際のサイクル特性が悪く
なってしまう。これは、1 気圧未満の酸素中で焼成して
得られたリチウムマンガンスピネル酸化物Li4Mn5O12
は、何らかの欠陥構造が含まれているためと考えられ
る。この欠陥構造の詳細については未だ明らかではない
が、1 気圧以上の酸素中にて焼成することにより、容量
も大きくサイクル特性も良好なリチウムマンガンスピネ
ル酸化物Li4Mn5O12 が得られるところから、この欠陥構
造は酸素圧を高くすることで消滅するものと思われる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。なお、反応生成物粉末の同定及びその結晶
構造は、X線回折(RIGAKU, Mn-filtered Fe-Kα, 40kV
and 20mA)により調べた。
【0024】実施例1 <リチウムマンガンスピネル酸化物Li4Mn5O12 の製造>
硫酸マンガン水溶液(濃度=15重量%)に1.5 当量の蓚
酸水溶液(濃度=15重量%)を滴下し、蓚酸マンガンの
沈澱物を生成させ、これを濾別、水洗、乾燥した後、該
乾燥粉末を空気中400 ℃で熱分解させて、マンガン酸化
物粒子粉末を調製した。このマンガン酸化物粒子粉末と
リチウム1 水和物〔Li(OH)H2O 〕をモル比Li/Mn=0.8 と
なるように秤量して機械的に混合し、得られた混合粉末
に対して5重量%の水分を添加し、この水分を添加した
粉末を圧縮成型して成型密度2.2g/cm3の成型体を作成し
た。この成型体をオートクレーブに入れて、酸素 2.0気
圧、450 ℃にて10時間反応させた。得られた粉末を乳鉢
にて粉砕し、茶褐色粉末を得た。得られた茶褐色粉末
は、図1 のX 線回折図に示すとおり、リチウムマンガン
スピネル酸化物Li4Mn5O12 粉末であり、良好な結晶性を
有するものであった。
【0025】<電気化学特性評価法>以上のようにして
得られたリチウムマンガンスピネル酸化物について、電
極活物質としてのその電気化学的特性を評価した。測定
用正極電極として、リチウムマンガンスピネル酸化物Li
4Mn5O12 に、バインダーとしてポリテトラフルオロエチ
レンを5 重量%、導電材としてケッチェンブラックを20
重量%混合し、この混合物を0.1g秤量し、集電体として
チタンのメッシュに充填し、作用電極とした。負極電極
として、金属リチウム箔をステンレス鋼メッシュに充填
した。更に参照電極としてはリチウム金属を用いた。Li
PF6 を、エチレンカーボネート、メチルエチルカーボネ
ートを体積比で1:1 に混合した溶媒中に1Mの濃度で溶解
させたものを電解質として用いた。
【0026】以上の測定用正極作用電極、負極、参照電
極、電解質を用いて電気化学測定セルを構成した。この
電気化学セルを用い、金属リチウム電極基準で2.2V〜3.
2Vの電位範囲、電流0.5mA/cm2 にて充放電曲線を調べ
た。このリチウムマンガンスピネル酸化物Li4Mn5O12
電気化学的活性の指標として、この充放電の電気容量を
求めたところ、1回目のサイクル時の容量は150mAh/gで
あり、この容量は充放電サイクルを30回繰り返してもほ
とんど変わらず、劣化度合は0.7%であった。反応生成条
件及び得られた反応生成物の特性を表1に示す。尚、劣
化度合は以下のように定義した。 { [(1回目の容量)−(30回目の容量)] /(1回
目の容量)}×100
【0027】実施例2〜6、比較例1〜5 蓚酸マンガンの熱分解温度、Li/Mn のモル比、水分量、
成型密度、焼成反応時の酸素圧および温度を表1に示す
如く変えた以外は、実施例1と同様にしてリチウムマン
ガン酸化物を作成した。実施例1と同様にして、X線回
折の結果から生成相を同定し、また、実施例1と同様に
して電気化学特性を評価した。これらの結果を表1に示
した。
【0028】表1から明らかなように、実施例1 〜6 で
得られたリチウムマンガン酸化物は、いずれも結晶性の
高いリチウムマンガンスピネル酸化物Li4Mn5O12 粉末粒
子であり、電気化学的特性として初期容量も大きく、し
かも、サイクル劣化の小さいものであった。
【0029】一方、比較例1 で得られた生成物は、リチ
ウムマンガンスピネル酸化物Li4Mn5O12 と炭酸リチウム
Li2CO3の混合物であり、初期容量の小さいものであっ
た。比較例2 で得られた生成物は、マンガンの平均価数
の小さいリチウムマンガンスピネル酸化物Li4-x Mn5+x
O12 であり、初期容量は大きいもののサイクル劣化の大
きなものであった。比較例3 で得られた生成物は、リチ
ウムマンガンスピネル酸化物Li4Mn5O12 が分解して得ら
れるマンガンの平均価数の小さいリチウムマンガンスピ
ネル酸化物Li4-x Mn5+x O12 とLi2MnO3 の混合物であ
り、初期容量は大きいもののサイクル劣化の大きなもの
であった。比較例4 で得られた生成物は、結晶性の低い
リチウムマンガンスピネル酸化物Li4Mn5O12 と原料のγ
-Mn2O3の混合物であり、初期容量が小さく、またサイク
ル劣化の大きなものであった。比較例5 で得られた生成
物は、リチウムマンガンスピネル酸化物Li4Mn5O12 であ
ったが、欠陥構造を含んでいると思われ、そのため初期
容量は大きいもののサイクル劣化の大きなものであっ
た。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、比較的低温で、かつ短
時間の焼成によって、結晶性の高いリチウムマンガンス
ピネル酸化物Li4Mn5O12 粉末を供給することが可能であ
る。また、本発明によって得られたリチウムマンガンス
ピネル酸化物Li4Mn5O12 粉末粒子は、リチウム電池の正
極活物質として作用し、高エネルギー密度化が可能なリ
チウム電池の正極活物質材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたリチウムマンガン酸化物Li
4Mn5O12 のX 線回折図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶山 亮尚 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 Fターム(参考) 4G048 AA04 AB02 AC06 AD03 AD06 5H050 AA00 AA08 AA19 BA17 CA05 CB12 FA17 FA19 GA02 GA03 GA08 GA10 GA12 GA14 GA27 HA01 HA02 HA08 HA10 HA14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンガン塩水溶液と当量以上の蓚酸水溶
    液とを混合して蓚酸マンガンの沈澱物を生成させ、この
    沈澱物を濾別、水洗、乾燥した後、酸素含有ガス中350
    〜500 ℃で熱分解してマンガン酸化物粒子粉末を調製
    し、このマンガン酸化物粒子粉末とリチウム化合物とを
    Li/Mn モル比が0.78〜0.81の範囲で混合し、該混合粉末
    に対して1 〜10重量%の水分を添加し、この水分含有混
    合粉末を圧縮成型して成型密度2g/cm3以上の成型体を
    得、この成型体を1 〜5 気圧の酸素中、350 〜600 ℃で
    焼成することを特徴とするリチウムマンガンスピネル酸
    化物Li4Mn5O12 粒子粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 成型体の成型密度が2 〜3.5g/cm3である
    請求項1 記載の製造方法。
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