JP2020167187A - 蓄電デバイス用プリドープ剤及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
Li1+x(Ti1−yFey)1−xO2 (1)
[式(1)中、xは0<x≦0.25を満たし、yは0.4<y≦0.9を満たす。]
Li1+x(Ti1−yFey)1−xO2 (1)
[式(1)中、xは0<x≦0.25を満たし、yは0.4<y≦0.9を満たす。]
限定されるものではない。
(実施例1)
硫酸第二鉄液(株式会社十條合成化学研究所製)545.67gおよび硫酸チタニル結晶(テイカ株式会社製)49gを1100gの蒸留水に加え、完全に溶解させた。この水溶液中に24wt%アンモニア水溶液を添加して中和(pH8.0)し、沈殿物を形成させた後、30分間攪拌した。得られた反応液をろ過し、水洗して、乾燥することにより水酸化鉄と水酸化チタンが混合した乾燥物を得た。得られた乾燥物を粉砕機を用いて粉砕した後、(Fe+Ti):Li=1:2.6(mol)となるように水酸化リチウム・一水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)と混合機を用いて乾式混合した。得られた混合物を焼成炉を用いて大気中、500℃、5時間焼成することにより、鉄含有チタン酸リチウム前駆体粉末を得た。得られた前駆体粉末を蒸留水中に固形分濃度8%となるように分散し、過剰に存在する水酸化リチウム・一水和物などの塩類を除去し、ろ過し、乾燥することにより粉末状生成物を得た。次いで、得られた粉末状生成物を粉砕することにより、実施例1のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=5.7:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.2(mol))を得た。
硫酸第二鉄液(株式会社十條合成化学研究所製)507.02gおよび硫酸チタニル結晶(テイカ株式会社製)86gを1100gの蒸留水に加え、完全に溶解させた。この水溶液中に20wt%水酸化カリウム水溶液を添加して中和(pH8.0)し、沈殿物を形成させた後、30分間攪拌した。得られた反応液をろ過し、水洗して、乾燥することにより水酸化鉄と水酸化チタンが混合した乾燥物を得た。得られた乾燥物を粉砕機を用いて粉砕した後、(Fe+Ti):Li=1:2.9(mol)となるように水酸化リチウム・一水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)と混合機を用いて乾式混合した。得られた混合物を焼成炉を用いて大気中、500℃、5時間焼成することにより、鉄含有チタン酸リチウム前駆体粉末を得た。得られた前駆体粉末を蒸留水中に固形分濃度8%となるように分散し、過剰に存在する水酸化リチウム・一水和物などの塩類を除去し、ろ過し、乾燥することにより粉末状生成物を得た。次いで、得られた粉末状生成物を粉砕することにより、実施例2のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=3.1:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.3(mol))を得た。
硫酸第二鉄液(株式会社十條合成化学研究所製)507.02gおよび硫酸チタニル結晶(テイカ株式会社製)86gを1100gの蒸留水に加え、完全に溶解させた。この水溶液中に24wt%アンモニア水を添加して中和(pH11.0)し、沈殿物を形成させた後、30分間攪拌した。得られた反応液をろ過し、水洗して、乾燥することにより水酸化鉄と水酸化チタンが混合した乾燥物を得た。得られた乾燥物を粉砕機を用いて粉砕した後、(Fe+Ti):Li=1:2.9(mol)となるように水酸化リチウム・一水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)と混合機を用いて乾式混合した。得られた混合物を焼成炉を用いて大気中、500℃、5時間焼成することにより、鉄含有チタン酸リチウム前駆体粉末を得た。得られた前駆体粉末を蒸留水中に固形分濃度8%となるように分散し、過剰に存在する水酸化リチウム・一水和物などの塩類を除去し、ろ過し、乾燥することにより粉末状生成物を得た。次いで、得られた粉末状生成物を粉砕することにより、実施例3のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=3.1:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.3(mol))を得た。
実施例3において、中和する際のpHを8としたこと以外は実施例3と同様にして、実施例4のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=3.1:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.3(mol))を得た。
実施例2において、中和する際のpHを11としたこと以外は実施例2と同様にして、実施例5のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=3.1:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.3(mol))を得た。
実施例3において、中和する際のpHを8とし、前駆体粉末を得る際の焼成温度を480℃としたこと以外は実施例3と同様にして、実施例6のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=3.1:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.3(mol))を得た。
硫酸第二鉄液(株式会社十條合成化学研究所製)393.68gおよび硫酸チタニル結晶(テイカ株式会社製)200gを1100gの蒸留水に加え、完全に溶解させた。この水溶液中に24wt%アンモニア水を添加して中和(pH8.0)し、沈殿物を形成させた後、30分間攪拌した。得られた反応液をろ過し、水洗して、乾燥することにより水酸化鉄と水酸化チタンが混合した乾燥物を得た。得られた乾燥物を粉砕機を用いて粉砕した後、(Fe+Ti):Li=1:3.3(mol)となるように水酸化リチウム・一水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)と混合機を用いて乾式混合した。得られた混合物を焼成炉を用いて大気中、500℃、5時間焼成することにより、鉄含有チタン酸リチウム前駆体粉末を得た。得られた前駆体粉末を蒸留水中に固形分濃度8%となるように分散し、過剰に存在する水酸化リチウム・一水和物などの塩類を除去し、ろ過し、乾燥することにより粉末状生成物を得た。次いで、得られた粉末状生成物を粉砕することにより、実施例7のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=1:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.5(mol))を得た。
実施例7において、前駆体粉末を得る際の焼成温度を490℃としたこと以外は実施例7と同様にして、実施例8のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=1:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.5(mol))を得た。
実施例7において、前駆体粉末を得る際の焼成温度を480℃としたこと以外は実施例7と同様にして、実施例9のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=1.0:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.5(mol))を得た。
実施例7において、前駆体粉末を得る際の焼成温度を470℃としたこと以外は実施例7と同様にして、実施例10のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=1:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.5(mol))を得た。
硫酸第二鉄液(株式会社十條合成化学研究所製)578.75gおよび硫酸チタニル結晶(テイカ株式会社製)15.5gを1100gの蒸留水に加え、完全に溶解させた。この水溶液中に24wt%アンモニア水を添加して中和(pH8.0)し、沈殿物を形成させた後、30分間攪拌した。得られた反応液をろ過し、水洗して、乾燥することにより水酸化鉄と水酸化チタンが混合した乾燥物を得た。得られた乾燥物を粉砕機を用いて粉砕した後、(Fe+Ti):Li=1:2.2(mol)となるように水酸化リチウム・一水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)と混合機を用いて乾式混合した。得られた混合物を焼成炉を用いて大気中、500℃、5時間焼成することにより、鉄含有チタン酸リチウム前駆体粉末を得た。得られた前駆体粉末を蒸留水中に固形分濃度8%となるように分散し、過剰に存在する水酸化リチウム・一水和物などの塩類を除去し、ろ過し、乾燥することにより粉末状生成物を得た。次いで、得られた粉末状生成物を粉砕することにより、比較例1のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=19.0:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.1(mol))を得た。
硫酸第二鉄液(株式会社十條合成化学研究所製)235.17gおよび硫酸チタニル結晶(テイカ株式会社製)359gを1100gの蒸留水に加え、完全に溶解させた。この水溶液中に24wt%アンモニア水を添加して中和(pH8.0)し、沈殿物を形成させた後、30分間攪拌した。得られた反応液をろ過し、水洗して、乾燥することにより水酸化鉄と水酸化チタンが混合した乾燥物を得た。得られた乾燥物を粉砕機を用いて粉砕した後、(Fe+Ti):Li=1:3.7(mol)となるように水酸化リチウム・一水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)と混合機を用いて乾式混合した。得られた混合物を焼成炉を用いて大気中、500℃、5時間焼成することにより、鉄含有チタン酸リチウム前駆体粉末を得た。得られた前駆体粉末を蒸留水中に固形分濃度8%となるように分散し、過剰に存在する水酸化リチウム・一水和物などの塩類を除去し、ろ過し、乾燥することにより粉末状生成物を得た。次いで、得られた粉末状生成物を粉砕することにより、比較例2のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=0.4:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.7(mol))を得た。
硫酸第二鉄液(株式会社十條合成化学研究所製)106.558gおよび硫酸チタニル結晶(テイカ株式会社製)488gを1100gの蒸留水に加え、完全に溶解させた。この水溶液中に24wt%アンモニア水を添加して中和(pH8.0)し、沈殿物を形成させた後、30分間攪拌した。得られた反応液をろ過し、水洗して、乾燥することにより水酸化鉄と水酸化チタンが混合した乾燥物を得た。得られた乾燥物を粉砕機を用いて粉砕した後、(Fe+Ti):Li=1:4.2(mol)となるように水酸化リチウム・一水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)と混合機を用いて乾式混合した。得られた混合物を焼成炉を用いて大気中、500℃、5時間焼成することにより、鉄含有チタン酸リチウム前駆体粉末を得た。得られた前駆体粉末を蒸留水中に固形分濃度8%となるように分散し、過剰に存在する水酸化リチウム・一水和物などの塩類を除去し、ろ過し、乾燥することにより粉末状生成物を得た。次いで、得られた粉末状生成物を粉砕することにより、比較例3のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=0.1:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.9(mol))を得た。
硫酸第一鉄・七水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)34.75g及び30wt%硫酸チタン(IV)水溶液(富士フイルム和光純薬株式会社製)100gを400mlの蒸留水に加え、完全に溶解させた。この水溶液を攪拌しつつ、水酸化カリウム水溶液(蒸留水400mlに水酸化カリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)100gを溶解させた溶液)を徐々に滴下することにより、沈殿物を形成させた。反応液が完全にアルカリ性(pH11以上)になっていることを確認し、攪拌下に共沈物を含む溶液に室温で3日間空気を吹き込んで酸化処理した後、沈殿を含む反応液をポリプロピレン瓶に移し、反応液を50℃で3日間保持して、沈殿を熟成させた。得られた沈殿を蒸留水で洗浄し、濾別した後、これを水酸化リチウム・一水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)80g、塩素酸カリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)80g、蒸留水200mlとともにポリテトラフルオロエチレンビーカーに入れ、よく攪拌した後、水熱反応炉(オートクレーブ)内に設置し、220℃で8時間水熱処理した。水熱処理終了後、反応炉を室温付近まで冷却し、水熱反応溶液を収容したビーカーをオートクレーブ外に取り出し、生成している沈殿物を蒸留水で洗浄して、過剰に存在する水酸化リチウムなどの塩類を除去し、濾過し、乾燥することにより、粉末状生成物を得た。次いで、得られた生成物の結晶性を改善するために生成粉末と水酸化リチウム水溶液(蒸留水100mlに水酸化リチウム10gを溶解させた溶液)とを混合し、乾燥し、粉砕した後、大気中400℃で20時間焼成した。次いで、過剰のリチウム塩を除去するために、焼成物を蒸留水で洗浄し、濾過し、乾燥することにより、比較例4のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=1:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.5(mol))を得た。
硫酸第一鉄・七水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)457.34gおよび硫酸チタニル結晶(テイカ株式会社製)137gを1100gの蒸留水に加え、完全に溶解させた。この水溶液中に20wt%水酸化カリウム水溶液を添加して中和(pH11.0)し、沈殿物を形成させた後、30分間攪拌した。得られた反応液をろ過し、水洗して、乾燥することにより水酸化鉄と水酸化チタンが混合した乾燥物を得た。得られた乾燥物を粉砕機を用いて粉砕した後、(Fe+Ti):Li=1:2.9(mol)となるように水酸化リチウム・一水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)と混合機を用いて乾式混合した。得られた混合物を焼成炉を用いて大気中、500℃、5時間焼成することにより、鉄含有チタン酸リチウム前駆体粉末を得た。得られた前駆体粉末を蒸留水中に固形分濃度8%となるように分散し、過剰に存在する水酸化リチウム・一水和物などの塩類を除去し、ろ過し、乾燥することにより粉末状生成物を得た。次いで、得られた粉末状生成物を粉砕することにより、比較例5のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=3.1:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.3(mol))を得た。
比較例5において、中和する際に20wt%水酸化カリウム水溶液を用いる代わりに24wt%アンモニア水を用いた以外は比較例5と同様にして、比較例6のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=3.1:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.3(mol))を得た。
比較例6において、中和する際のpHを8としたこと以外は比較例6と同様にして、比較例7のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=3.1:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.3(mol))を得た。
比較例7において、前駆体粉末を得る際の焼成温度を600℃としたこと以外は比較例7と同様にして、比較例8のプリドープ剤である鉄含有チタン酸リチウム(Fe:Ti=3.1:1(mol)、(Fe+Ti):Li=1:1.3(mol))を得た。
(Lab表色系における粉体色L値測定)
実施例及び比較例で得られた各プリドープ剤をプレス機によりペレット状に成形し、日本電色工業社製の測色色差計「ZE2000」を用いて粉体色L値を測定した。ペレットは、35φのアルミリングの中に各プリドープ剤を4g充填し、これを150kNの力で30秒間プレスする条件にて作製した。結果を表1に示す。
Philips社製XRD装置「X’pert−PRO」を用い、CuのKα線で、実施例及び比較例で得られた各プリドープ剤についてのピーク位置、強度及び半値幅を測定した。回折パターンにおけるピークの存在しない点を結んだ線をベースラインとして、各ピークのピークトップから引いた垂線におけるピークトップからベースラインと交わる点までの線分の長さを各ピークの強度とした。具体的には、2θ(回折角)=37.5±0.5°の回折ピーク強度(I37.5)と2θ(回折角)=43.6±0.5°の回折ピーク強度(I43.6)との強度比(I37.5/I43.6)を求めた。結果を表1に示す。
ICP発光分光分析法により、株式会社日立ハイテクサイエンス製のプラズマ発光分析装置「SPECTRO ARCOS」を用い、実施例及び比較例で得られた各プリドープ剤について、Fe/Ti及びLi/(Fe+Ti)のmol比をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得られた各プリドープ剤についての比表面積を、全自動比表面積測定装置(株式会社マウンテック製、Macsorb HM model−1208)を用いて、BET法にて測定した。結果を表1に示す。
(電気化学的評価用コイン型電池の作製)
実施例及び比較例で得られた各プリドープ剤が74wt%、導電助剤としてアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製「デンカブラック」)が9wt%、及びバインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF、株式会社クレハ製「KFポリマー」)が14wt%含まれるように、N−メチルピロリドンに溶解してスラリーを調製した。上記スラリーを集電体であるエッチングアルミ箔(日本蓄電器工業株式会社製JCC−20CB)に塗付し、130℃で5分乾燥させた。乾燥させたシートを打ち抜き機で打ち抜くことで、評価用電極(正極)を作製した。対極には、金属リチウムを用い、Li金属箔を打ち抜いたものを使用した。評価用電極と対極との間に、ポリプロピレン製セパレーターを挟んで電極を構成し、コイン型の電池容器に入れた。そして、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)が、容量比でEC:DEC=1:1で混合された混合溶媒中に、1MのLiPF6を溶解させた電解液を注入した後、電池容器を封口することにより、電気化学的評価用コイン型電池を製造した。
上記作製したコイン型電池を用いて、電流密度25mA/g(活物質重量あたり)で充電終止電圧4.3Vになるまで定電流充電を行った。その後、3分間の休止工程を行った。次いで、電流密度25mA/g(活物質重量あたり)で電圧が2.7Vになるまで定電流放電を行った。得られた充電容量、放電容量及び不可逆容量の値を表1に示す。
実施例および比較例で得られたプリドープ剤を用いて、リチウムイオンキャパシタを作製し、プリドープ処理を行った。
(正極の作製)
まず、正極活物質として活性炭(株式会社クラレ製「クラレコール」)、プリドープ剤として実施例1のプリドープ剤、導電助剤としてアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製「デンカブラック」)を用い、これらを増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(第一工業製薬株式会社製「H−1496B」)の1質量%水溶液に加えて、プラネタリーミキサーを用いて混練した。次に、作製した混練物に結着剤であるスチレンブタジエンゴム(JSR株式会社製)を加えることによって正極用塗料を作製した。
なお、このときのプリドープ剤の含有量については、以下の計算式で示すように、正極活物質とプリドープ剤の合計質量に対して33%になるように調整した。
プリドープ剤の含有量(%)=[プリドープ剤の質量/(正極活物質の質量+プリドープ剤の質量)]×100
さらに、正極活物質/導電助剤/増粘剤/結着剤の質量比は、89.6/6/2.5/1.9になるように調整した。つまり、正極活物質/プリドープ剤/導電助剤/増粘剤/結着剤の質量比については、60/29.6/6/2.5/1.9になるように調整した。
最後に、作製した正極用塗料を集電体であるエッチングアルミ箔(日本蓄電器工業株式会社製「JCC−20CB」)に塗付し、130℃で5分乾燥した後、3cm×4cmのサイズに切り抜くことによって正極を作製した。なお、この時の設計容量は2.3mAhとなっている。
負極には、球晶黒鉛電極(宝泉株式会社製「HS−LIB−N−Gr−001」、公称容量:1.6mAh/cm2)を使用し、3.3cm×4.3cmのサイズに切り抜くことによって負極を作製した。なお、この時の設計容量は22.7mAhとなる。
上記にて作製した正極および負極、セパレータ(日本高度紙工業株式会社製)を積層した後、アルミラミネートケースに収納した。
次に、電解液である1M LiPF6 in EC/DEC=1/1(キシダ化学株式会社製)を注液した後、真空封止することによって作製例1のリチウムイオンキャパシタを作製した。
なお、作製例1のリチウムイオンキャパシタの正極の電気容量は2.3mAh、負極の電気容量は22.7mAhであり、正負極の容量比(負極/正極)は9.9であった。
次に、作製した作製例1のリチウムイオンキャパシタを、充放電測定装置(北斗電工株式会社製)を用いて、25℃の環境下において0.08mA/cm2の電流密度で4.2Vまで充電し、2.6Vまで放電することによってプリドープ処理を施した。
正極の作製において、プリドープ剤を表2に示すとおりに変更した以外は作製例1と同様にして、作製例2〜10のリチウムイオンキャパシタを作製するとともにプリドープ処理を行った。
正極の作製において、実施例7のプリドープ剤を使用し、プリドープ剤の含有量について、正極活物質とプリドープ剤の合計質量に対して15%になるように調整した以外は作製例1と同様にして、作製例11のリチウムイオンキャパシタを作製するとともにプリドープ処理を行った。つまり、正極活物質/プリドープ剤/導電助剤/増粘剤/結着剤の質量比については、76.2/13.4/6/2.5/1.9になるように調整した。
正極の作製において、実施例7のプリドープ剤を使用し、プリドープ剤の含有量について、正極活物質とプリドープ剤の合計質量に対して50%になるように調整した以外は作製例1と同様にして、作製例12のリチウムイオンキャパシタを作製するとともにプリドープ処理を行った。つまり、正極活物質/プリドープ剤/導電助剤/増粘剤/結着剤の質量比については、44.8/44.8/6/2.5/1.9になるように調整した。
正極の作製において、プリドープ剤を表2に示すとおりに変更した以外は作製例1と同様にして、比較作製例1〜8のリチウムイオンキャパシタを作製するとともにプリドープ処理を行った。
プリドープ処理後の黒鉛負極の充電深度の測定は、以下のようにして行った。上記作製例にて2.6Vまで放電した後のリチウムイオンキャパシタを解体し黒鉛負極を取り出してこれを評価用電極とした。対極には金属リチウム、評価用電極と対極との間に、ポリプロピレン製セパレーターを挟んで電極を構成し、コイン型の電池容器に電極を入れた。そして、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)が、容量比でEC:DEC=1:1で混合された混合溶媒中に、1MのLiPF6を溶解させた電解液を電池容器に注入した後、電池容器を封口することにより、電気化学的評価用コイン型電池を製造した。電気化学的評価用コイン型電池を3.0Vまで充電することで充電深度を確認した。
ここで、充電深度とは、上記充電操作によって測定された充電容量が負極の設計容量(22.7mAh)の何%を充電できたかを示す値であり、以下の計算式によって算出される。
充電深度(%)=[充電容量(mAh)/負極公称容量22.7(mAh)]×100
作製した各リチウムイオンキャパシタについて、キャパシタ特性(放電容量)の評価を行った。具体的には、充放電測定装置(北斗電工株式会社製)を用いて、25℃の環境下において、2.6〜4.2Vの範囲で充放電を行った。また、充放電レートは正極あたり1Cで行った。なお、充放電レート1Cの際の電流密度は0.19mA/cm2であった。
Claims (8)
- 下記式(1)で表される鉄含有チタン酸リチウムからなり、Lab表色系における粉体色L値が20以上40未満であることを特徴とする蓄電デバイス用プリドープ剤。
Li1+x(Ti1−yFey)1−xO2 (1)
[式(1)中、xは0<x≦0.25を満たし、yは0.4<y≦0.9を満たす。] - X線回折測定において、回折角(2θ)が37.5±0.5°の回折ピーク強度(I37.5)と回折角(2θ)が43.6±0.5°の回折ピーク強度(I43.6)との強度比(I37.5/I43.6)が5〜15.5である請求項1に記載のプリドープ剤。
- Fe/Ti(モル比)が0.6〜15である請求項1又は2に記載のプリドープ剤。
- 比表面積が10〜32m2/gである請求項1〜3のいずれかに記載のプリドープ剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のプリドープ剤と正極活物質とからなる蓄電デバイス用正極。
- 前記プリドープ剤の含有量が、前記プリドープ剤と前記正極活物質の合計重量に対して1〜60重量%である請求項5に記載の正極。
- 請求項5又は6に記載の正極を構成要素とする蓄電デバイス。
- 鉄原料、チタン原料及びリチウム原料を混合して焼成することにより得られる鉄含有チタン酸リチウムからなる蓄電デバイス用プリドープ剤の製造方法であって、
前記鉄原料が、水溶性第二鉄塩であり、
前記鉄原料と前記チタン原料とを混合し、中和剤を添加してpH7.5〜11.5で中和して鉄含有チタン化合物を得た後に、リチウム原料を添加し、450〜900℃で焼成して鉄含有チタン酸リチウムを得る請求項1〜4のいずれかに記載の蓄電デバイス用プリドープ剤の製造方法。
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