JP2002231246A - 非水電解質二次電池用正極活物質及びその製造法 - Google Patents
非水電解質二次電池用正極活物質及びその製造法Info
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Abstract
維持し、且つ、高温下での充放電サイクル特性が改善さ
れた非水電解質二次電池を得ることができる正極活物質
を提供する。 【解決手段】 組成がLiCo(1−x−y)MnxM
gyO2(0.008≦x≦0.18、0≦y≦0.1
8)であり、c軸の格子定数が14.080〜14.1
60Åであり、平均粒子径が0.1〜7.0μmである
非水電解質二次電池用正極活物質は、コバルト塩とマン
ガン塩又はマンガン塩及びマグネシウム塩とを含有する
溶液をアルカリ水溶液により中和し、次いで、酸化反応
を行ってマンガン又はマンガン及びマグネシウムを含有
するコバルト酸化物を得、該コバルト酸化物とリチウム
化合物とを混合し、該混合物を熱処理して得られる。
Description
放電容量を維持し、且つ、高温下での充放電サイクル特
性が改善された非水電解質二次電池を得ることができる
正極活物質を提供する。
のポータブル化、コードレス化が急速に進んでおり、こ
れらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギー密度
を有する二次電池への要求が高くなっている。このよう
な状況下において、充放電電圧が高く、充放電容量も大
きいという長所を有するリチウムイオン二次電池が注目
されている。
のリチウムイオン二次電池に有用な正極活物質として
は、スピネル型構造のLiMn2O4、ジグザグ層状構
造のLiMnO2、層状岩塩型構造のLiCoO2、L
iCo1−XNiXO2、LiNiO2等が一般的に知
られており、なかでもLiCoO2を用いたリチウムイ
オン二次電池は高い充放電電圧と充放電容量を有する点
で優れているが、更なる特性改善が求められている。
ン二次電池は充放電の繰り返しを行うと放電容量が低下
する傾向があり、この原因は、リチウムイオンの脱挿入
反応の際にLiCoO2の格子が収縮・膨張することに
よってLiCoO2の結晶構造が崩壊し、充放電サイク
ル特性の劣化につながっているものと推定されている。
置はその使用に伴って高温になるため、高温下での充放
電サイクル特性に優れた二次電池が要求されている。
い電圧で作動させることができるが、高電圧のため電解
液との反応が起こりやすく、充放電サイクル特性が低下
しやすい。
優れた二次電池が製造できるLiCoO2が要求されて
いる。
のために、コバルト酸リチウム粒子粉末にマンガンを含
有させる方法(特公平7−32017号公報、特開平4
−28162号公報)やマグネシウムを含有させる方法
(特開平4−171659号公報、特開平5−5488
9号公報、特開平6−168722号公報、特開平11
−102704号公報、特開2000−11993号公
報、特開2000−123834号公報)、湿式法によ
ってマンガン又はマグネシウムを混合させる方法(特開
平10−1316号公報、特開平11−67205号公
報)及びコバルト酸リチウムの格子定数を制御すること
によって特性を向上させる方法(特開平6−18106
2号公報)等が知られている。
極活物質は現在最も要求されているところであるが、未
だ得られていない。
特開平4−171659号公報、特開平4−28162
号公報、特開平5−54889号公報、特開平6−16
8722号公報、特開平11−102704号公報、特
開2000−11993号公報及び特開2000−12
3834号公報には、コバルト化合物、リチウム化合物
及びマンガン又はマグネシウムとを乾式で混合させて、
マンガン又はマグネシウムを含有するコバルト酸リチウ
ム粒子粉末を得ることが記載されているが、マンガン又
はマグネシウムの組成分布が不均一になり、リチウムイ
オンの脱挿入反応に伴い結晶構造の収縮膨張が起こり結
晶格子が崩壊しやすく、これらを用いた二次電池は高温
下での充放電サイクル特性に優れるとは言い難いもので
ある。
は、コバルト化合物と、マンガン化合物又はマグネシウ
ム化合物を水酸化リチウム水溶液中に分散させて、加熱
処理を行ってコバルト酸リチウム粒子を得る製造法が記
載されているが、水熱処理を行う必要があり工業的とは
言い難いものである。
には、リチウム、コバルト及びマンガンの各水溶性塩と
クエン酸とを溶液状態で混合した後、溶媒を除去してゲ
ル化し、得られたゲルを乾燥し、焼成してコバルト酸リ
チウム粒子粉末を得る製造法が記載されているが、得ら
れるコバルト酸リチウム粒子粉末は、BET比表面積値
が大きく、電解液との反応性が増加するため好ましくな
い。
には、c軸の格子定数が14.05Å以上であるコバル
ト酸リチウムが記載されているが、これを用いた二次電
池はMn、Mgを含有させた場合と比較して高温下での
充放電サイクル特性の改善効果が小さい。
且つ、高温下での充放電サイクル特性に優れた非水電解
質二次電池用正極活物質を提供することを技術的課題と
する。
りの本発明によって達成できる。
(1−x−y)MnxMgyO2(0.008≦x≦
0.18、0≦y≦0.18)であり、c軸の格子定数
が14.080〜14.160Åであり、平均粒子径が
0.1〜7.0μmであることを特徴とする非水電解質
二次電池用正極活物質である。
又はマンガン塩及びマグネシウム塩とを含有する溶液を
アルカリ水溶液により中和し、次いで、酸化反応を行っ
てマンガン又はマンガン及びマグネシウムを含有するコ
バルト酸化物を得、該コバルト酸化物とリチウム化合物
とを混合し、該混合物を熱処理することを特徴とする前
記非水電解質二次電池用正極活物質の製造法である。
通りである。
べる。
マンガン及びマグネシウムを含有するコバルト酸リチウ
ム粒子粉末であり、組成をLiCo(1−x−y)Mn
xMgyO2とした場合に、マンガン含有量xは0.0
08〜0.18である。0.008未満の場合は高温下
での充放電サイクル特性に対する効果が小さく、0.1
8を超える場合には初期放電容量が著しく低下する。好
ましくは0.01〜0.15である。また、マンガンと
同時にマグネシウムを含有させることによって高温下で
の充放電サイクル特性をより改善することができる。マ
グネシウム含有量yは0〜0.18である。0.18を
超える場合には、特性改善の効果が小さい。好ましくは
0.01〜0.15、より好ましくは0.01〜0.1
0、更により好ましくは0.01〜0.07である。
が14.080〜14.160Åであり、好ましくは1
4.080〜14.155Å、より好ましくは14.0
80〜14.153Åである。c軸の格子定数が14.
080Å未満の場合には、リチウムイオンの脱挿入反応
に伴う格子の収縮・膨張が顕著になり、高温下での充放
電サイクル特性が低下する。マンガンの置換量を増加さ
せることによって14.160Åを超える正極活物質を
得ることができるが、初期放電容量も低下することにな
るため好ましくない。また、a軸は2.81〜2.83
Åが好ましく、より好ましくは2.815〜2.825
Åである。
0.1〜7.0μm、好ましくは0.1〜6.0μm、
より好ましくは0.2〜5.0μm、更に好ましくは
0.5〜5.0μmである。平均粒子径が0.1μm未
満の場合には、充填密度の低下や電解液との反応性が増
加するため好ましくない。5.0μmを超える場合に
は、工業的に生産することが困難となる。
は0.1〜2.5m2/gが好ましく、より好ましくは
0.1〜2.0m2/g、更により好ましくは0.1〜
1.7m2/gである。BET比表面積値が0.1m2
/g未満の場合には、工業的に生産することが困難とな
る。2.5m2/gを超える場合には充填密度の低下や
電解液との反応性が増加するため好ましくない。
は、400〜1200Åが好ましく、より好ましくは4
50〜1000Å、更により好ましくは500〜850
Åである。
ついて述べる。
マンガン及びマグネシウムを含有するコバルト酸化物と
リチウム化合物を混合して、熱処理することで得られ
る。
含有するコバルト酸化物は、コバルト塩を溶解した水溶
液にマンガン塩水溶液又はマンガン塩及びマグネシウム
塩の水溶液を添加して混合溶液とし、該混合溶液にアル
カリを加えて中和反応を行った後、酸化反応を行って得
ることができる。
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等
の水溶液を用いることができ、水酸化ナトリウム水溶
液、炭酸ナトリウム水溶液及びこれらの混合溶液を用い
るのが好ましい。
Mn換算で0.1〜20mol%であり、好ましくは
1.0〜18mol%である。また、マグネシウムの添
加量はコバルトに対してMg換算で0.1〜20mol
%であり、好ましくは1.0〜18mol%である。
中のコバルトとマンガンとの水酸化物又はコバルトとマ
ンガン及びマグネシウムとの水酸化物中の金属塩の中和
分に対して当量比1.0〜1.2を添加することが好ま
しい。
によって行う。反応温度は30℃以上が好ましく、より
好ましくは30〜95℃である。反応時間は5〜20時
間行うことが好ましい。
含有するコバルト酸化物は、平均粒子径0.01〜2.
0μmが好ましく、より好ましくは0.05〜1.0μ
mであり、BET比表面積値0.5〜50m2/gが好
ましく、より好ましくは10〜40m2/gである。
ムを含有するコバルト酸化物は、コバルトとマンガン又
はマンガン及びマグネシウムとが原子レベルで均一に分
布しているため、リチウム化合物と混合し熱処理を行っ
た場合、均一にコバルトサイトに置換することが可能と
なる。
ムを含有するコバルト酸化物とリチウム化合物とを混合
して、熱処理を行う。
含有するコバルト酸化物とリチウム化合物との混合は、
均一に混合することができれば乾式、湿式のどちらでも
よい。
ンに対してモル比で0.95〜1.05であることが好
ましい。
O2が生成する600℃〜950℃であることが好まし
い。600℃以下の場合には擬スピネル構造を有する低
温相であるLiCoO2が生成し、950℃以上の場合
にはリチウムとコバルトの位置がランダムである高温不
規則相のLiCoO2が生成する。
造する場合には、常法に従って、導電剤と結着剤とを添
加混合する。導電剤としてはアセチレンブラック、カー
ボンブラック、黒鉛等が好ましく、結着剤としてはポリ
テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等が好
ましい。
を製造する場合には、前記正極、負極及び電解質から構
成される。
ウム/アルミニウム合金、リチウム/スズ合金、グラフ
ァイトや黒鉛等を用いることができる。
ンと炭酸ジエチルとの組み合わせ以外に、炭酸プロピレ
ン、炭酸ジメチル等のカーボネート類やジメトキシエタ
ン等のエーテル類の少なくとも1種類を含む有機溶媒を
用いることができる。
リチウム以外に、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リ
チウム等のリチウム塩の少なくとも1種類を前記溶媒に
溶解して用いることができる。
二次電池は、初期放電容量が135〜160mAh/g
が好ましく、より好ましくは138〜160mAh/
g、更に好ましくは140〜160mAh/gであり、
60℃での50サイクル後の容量維持率は90〜99%
が好ましく、より好ましくは92〜99%であり、更に
好ましくは95〜99%である。
次の通りである。
GAKU Cu−Kα 40kV40mA)を用いた。
また、該粉末X線回折の各々の回折ピークから格子定数
を計算した。
線回折の各々の回折ピークから計算した。
(セイコー電子工業製 SPS4000)を用いた。
って正極、負極及び電解液を調製しコイン型の電池セル
を作製して評価した。
アセチレンブラック及び結着剤のポリフッ化ビニリデン
を重量比で85:10:5となるように精秤し、乳鉢で
十分に混合してからN−メチル−2−ピロリドンに分散
させて正極合剤スラリーを調製した。次に、このスラリ
ーを集電体のアルミニウム箔に150μmの膜厚で塗布
し、150℃で真空乾燥してからφ16mmの円板状に
打ち抜き正極板とした。
mの円板状に打ち抜いて負極を作製した。
チルとの体積比50:50の混合溶液に電解質として六
フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/リット
ル混合して電解液とした。
雰囲気のグローブボックス中でSUS316製のケース
を用い、前記正極と負極の間にポリプロピレン製のセパ
レータを介し、さらに電解液を注入してCR2032型
のコイン電池を作製した。
二次電池の充放電試験を行った。測定条件は、60℃の
温度下で、正極に対する電流密度を0.2mA/cm2
とし、カットオフ電圧が3.0Vから4.25Vの間で
充放電を繰り返した。
コバルトを含有する水溶液5800mlに、硫酸マンガ
ン109.5ml(コバルトに対して5mol%)を添
加し、更に、コバルト及びマンガンの中和分に対して
1.05当量の水酸化ナトリウム水溶液を添加し中和反
応させた。次いで、空気を吹き込みながら90℃で8時
間酸化反応を行ってマンガン含有コバルト酸化物24
0.8gを得た。得られたマンガン含有コバルト酸化物
はX線回折の結果、Co3O4単相であり、Mn含有量
がコバルトに対してMn換算で5mol%、平均粒子径
が0.05μm、BET比表面積値が23m2/gであ
った。
ム化合物とを、リチウム/(コバルト+マンガン)のモ
ル比が1.03となるよう所定量を十分混合し、混合粉
を酸化雰囲気下、900℃で10時間焼成してマンガン
含有コバルト酸リチウム粒子粉末を得た。
粒子粉末は、平均粒子径1.0μm、BET比表面積値
は0.6m2/g、格子定数a軸長が2.820Å、c
軸長が14.100Å、結晶子サイズは642Åであっ
た。Mn含有量はLiCo1 −xMnxO2とした場合
にxが0.05であった。
ム粒子粉末を用いて作製したコイン型電池は、初期放電
容量が150mAh/g、60℃での50サイクル後の
容量維持率が95%/50cycleであった。
マンガン及びマグネシウムを含有するコバルト酸リチウ
ム粒子粉末からなる正極活物質を用いた二次電池は、二
次電池としての初期放電容量を維持し、しかも、高温下
での充放電サイクル特性に優れるという点である。
iCoO2が有する初期放電容量を低下させない範囲で
マンガン、マグネシウムを含有させたことによる。
は、湿式酸化反応によりマンガン又はマンガン及びマグ
ネシウムをコバルト酸化物中に含有させるので、原子レ
ベルでコバルトとマンガン又はマグネシウムが均一に分
布し、該コバルト酸化物を用いて得られる正極活物質
は、マンガン及びマグネシウムがコバルトサイトに均一
に置換することによるものと本発明者は推定している。
ので、リチウムイオンの脱挿入反応が容易に行われ、リ
チウムイオンの脱挿入反応に伴う結晶構造のc軸方向の
収縮膨張による格子の崩壊を抑制することができるの
で、高温下での充放電サイクル特性も優れるものと推定
している。
びマンガン化合物又はマグネシウム化合物を乾式混合し
仮焼した場合には、マンガン又はマグネシウムの組成分
布が不均一となり、本発明の効果は得られない。
は前記発明の実施の形態と同様にして正極活物質を製造
し、次いで、該正極活物質を用いてコイン型電池を製造
した。
られた正極活物質の諸特性及びコイン型電池の電池特性
を表3に示す。
て得た。
極活物質の諸特性及びコイン型電池の電池特性を表3に
示す。
コイン型電池は、初期放電容量140mAh/g以上を
有し、60℃での50サイクル後の容量維持率が95%
以上と高いレベルにある。
0.008以下の場合ではその効果は十分ではなく、
0.18以上では初期放電容量が低下しすぎてしまう。
また、コバルト酸リチウム粒子粉末を製造する方法にお
いて、中和反応によって得られたMgのみを含有させた
酸化コバルトを用いた場合及び各原料を乾式法により混
合した場合では、高温下での充放電サイクル特性の改善
効果が見られない。
次電池としての初期放電容量を維持し、且つ、高温下で
の充放電サイクル特性が改善された非水電解質二次電池
を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 組成がLiCo(1−x−y)MnxM
gyO2(0.008≦x≦0.18、0≦y≦0.1
8)であり、c軸の格子定数が14.080〜14.1
60Åであり、平均粒子径が0.1〜7.0μmである
ことを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。 - 【請求項2】 コバルト塩とマンガン塩又はマンガン塩
及びマグネシウム塩とを含有する溶液をアルカリ水溶液
により中和し、次いで、酸化反応を行ってマンガン又は
マンガン及びマグネシウムを含有するコバルト酸化物を
得、該コバルト酸化物とリチウム化合物とを混合し、該
混合物を熱処理することを特徴とする請求項1記載の非
水電解質二次電池用正極活物質の製造法。
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