JP2001130434A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2001130434A
JP2001130434A JP31902599A JP31902599A JP2001130434A JP 2001130434 A JP2001130434 A JP 2001130434A JP 31902599 A JP31902599 A JP 31902599A JP 31902599 A JP31902599 A JP 31902599A JP 2001130434 A JP2001130434 A JP 2001130434A
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JP
Japan
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signal
motor
steering
auxiliary
electric motor
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JP31902599A
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Inventor
Eiki Noro
栄樹 野呂
Yoshinobu Mukai
良信 向
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異常時のアシスト禁止機能を保持し、かつ他
システムからの正常な操舵要求信号を最大限加味して補
助トルクを発生することができる電動パワーステアリン
グ装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 電動機7と、操舵トルクセンサ16と、
電動機7を制御する制御手段5と、電動機7を駆動する
電動機駆動手段6と、電動機電流検出手段17と、操舵
トルクセンサ16からの出力と電動機電流検出手段17
からの出力が所定の禁止条件を第1の所定時間T1以上
継続した場合に電動機駆動手段6による電動機7の駆動
を禁止する補助禁止手段30とを備える電動パワーステ
アリング装置において、補助禁止手段30は、操舵トル
クセンサ16からの出力と電動機電流検出手段17から
の出力が所定の禁止条件を第1の所定時間T1より短い
第2の所定時間T2以上継続した場合に、他システム4
0に操舵要求信号ΔIを解除する要求信号SCを出力す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動機パワーをス
テアリング系に直接作用させてドライバの操舵力を軽減
する電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電動パワーステアリング装置は、電動機
の駆動力を直接利用してドライバの操舵力をアシストす
る。しかし、電動パワーステアリング装置は、制御手段
の異常等によって望ましくない電動機による補助トルク
が発生した場合、ドライバの意思に反して操舵力をアシ
ストする。そこで、電動パワーステアリング装置には、
望ましくない補助トルク(電動機の駆動状況)を検知
し、電動機によるアシストを禁止する補助禁止手段が備
わっているものがある。本願出願人による特開平11−
59446号には、手動操舵トルクの方向と補助トルク
の方向が所定時間以上異なる場合に電動機による駆動を
禁止する補助禁止手段を備えた電動パワーステアリング
装置が記載されている。この電動パワーステアリング装
置は、ドライバによる手動操舵トルクの大きさと方向を
検出する操舵トルクセンサと、電動機に流れる電流の大
きさと方向を検出する電動機電流検出手段を備える。そ
して、補助禁止手段は、検出した手動操舵トルクの方向
と検出した電動機に流れる電流の方向(すなわち、補助
トルクの方向)が一致か不一致かを判定し、不一致が所
定時間以上継続した場合には電動パワーステアリング装
置の制御手段に電動機による駆動を禁止する信号を送信
する。また、手動操舵トルクと電動機電流の流れる方向
だけでなく、手動操舵トルクの大きさと方向および電動
機電流の大きさと方向の関係からアシスト禁止領域を設
定したマップによって判定する補助禁止手段を備える電
動パワーステアリング装置もある。
【0003】また、車両には、ABS(Antiloc
k Brake System)、TCS(Tract
ion Control System)や左右駆動力
配分装置等の様々なシステムが搭載されている。これら
のシステムは、左右の操舵輪のブレーキ力や駆動力等を
制御するため、ドライバの意思に反して望ましくない操
舵力が発生する場合がある。そこで、これらの他システ
ムは、望ましくなく操舵力を補正するために、操舵要求
信号を電動パワーステアリング装置に送信する。そし
て、電動パワーステアリング装置は、この操舵要求信号
を加味して電動機を駆動し、補助トルクを発生させる。
したがって、操舵要求信号が電動パワーステアリング装
置に入力された場合、電動機電流は、ドライバのステア
リング操作をアシストする電流成分と、他システムによ
る望ましくない操舵力を補正する電流成分が含まれるこ
とになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電動パ
ワーステアリング装置は、ドライバによる手動操舵トル
クが発生していない時に、他システムからの操舵要求信
号により、ドライバの意思に反する補助トルクを発生さ
せなければならない場合がある。この場合、補助禁止手
段は、手動操舵トルクの大きさと方向および電動機電流
の大きさと方向の関係がアシストを禁止する関係(すな
わち、前記したアシスト禁止領域)と判定し、電動機の
駆動力によるアシストを禁止してしまう。そのため、電
動パワーステアリング装置には他システムからの操舵要
求信号による補助トルクが発生しないので、他システム
によって発生した望ましくない操舵力が補正されない。
【0005】さらに、他システムのCPU(Centr
al Processing Unit)の暴走等によ
って異常な操舵要求信号が出力された場合、異常な補助
トルクが発生する。そこで、電動パワーステアリング装
置は、システムから送信される操舵要求信号が正常か異
常かを判定し、正常な場合にのみ操舵要求信号を加味し
た補助トルクを発生させなければならない。勿論、電動
パワーステアリング装置は、他システムから操舵要求信
号を受け入れている場合にも、制御手段に異常が発生し
た時には電動機によるアシストを禁止しなければならな
い。
【0006】そこで、本発明の課題は、異常時のアシス
ト禁止機能を保持し、かつ他システムからの正常な操舵
要求信号を最大限加味して補助トルクを発生することが
できる電動パワーステアリング装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発
明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリング
系に補助トルクを付加する電動機と、前記ステアリング
系に作用する手動操舵トルクの大きさと方向とを検出す
る操舵トルクセンサと、少なくとも前記操舵トルクセン
サからの出力と他システムからの操舵要求信号に基づい
て前記電動機を制御する制御手段と、前記制御手段から
の電動機制御信号に基づいて前記電動機を駆動する電動
機駆動手段と、前記電動機に流れる電流の大きさと方向
を検出する電動機電流検出手段と、前記操舵トルクセン
サからの出力と前記電動機電流検出手段からの出力が所
定の禁止条件を第1の所定時間以上継続した場合に前記
電動機駆動手段による前記電動機の駆動を禁止する補助
禁止手段とを備える電動パワーステアリング装置におい
て、前記補助禁止手段は、前記操舵トルクセンサからの
出力と前記電動機電流検出手段からの出力が前記所定の
禁止条件を前記第1の所定時間より短い第2の所定時間
以上継続した場合に、前記他システムに前記操舵要求信
号を解除する要求信号を出力することを特徴とする。こ
の電動パワーステアリング装置によれば、第2の所定時
間内では他システムの操舵要求信号を加味して電動機を
制御するので、第2の所定時間内では他システムの操舵
要求信号を加味した補助トルクを発生する。さらに、電
動パワーステアリング装置は、正常な操舵要求信号によ
って所定の禁止条件が満たされていても、第1の所定時
間以上継続する前に他システムからの操舵要求信号を解
除させるので、電動機の駆動を禁止しない。
【0008】なお、所定の禁止条件とは、手動操舵トル
クと電動機電流の関係がドライバの意思に反するような
補助トルクが発生する関係にあることを表す条件であ
る。本実施の形態では、図5に示すマップMのアシスト
禁止領域Ma,Mb,Mc,Md内に手動操舵トルクの
大きさと方向および電動機電流の大きさと方向が位置す
る関係にある場合である。なお、アシスト禁止領域M
a,Mbは100mS以上継続して入るとアシストが禁
止される領域であり、アシスト禁止領域Mc,Mdは1
mSでも入るとアシストが禁止される領域である。ま
た、第1の所定時間とは、手動操舵トルクと電動機電流
の関係が所定の禁止条件を満たすが、実際の走行中には
満たされる可能のある条件であるため、第1の所定時間
内は所定の禁止条件を満たしても電動機によるアシスト
を禁止しない時間である。本実施の形態では、100m
Sである。また、第2の所定時間とは、電動パワーステ
アリング装置が他システムの操舵要求信号を受け入れる
時間かつ正常な操舵要求信号によって電動機によるアシ
ストが禁止されない時間であり、第1の所定時間未満の
値に設定される。本実施の形態では、80mSである。
また、他システムは、ABS、TCSや左右駆動力配分
装置等の電動パワーステアリング装置に操舵要求信号を
出力するシステムであり、システムを特に限定しない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係る電動パワーステアリング装置の実施の形態を説明す
る。図1は電動パワーステアリング装置の全体構成図、
図2は電動パワーステアリング装置の制御手段のブロッ
ク構成図、図3は電動パワーステアリング装置の駆動制
御手段の論理回路図、図4は電動パワーステアリング装
置の電動機駆動手段の回路図、図5は電動パワーステア
リング装置の補助禁止手段でアシスト禁止領域を検索す
るマップである。
【0010】本発明に係る電動パワーステアリング装置
は、ドライバの操舵力をアシストするために、電動機の
駆動力で補助トルクを発生させる。そのために、電動パ
ワーステアリング装置は、電動機を制御する制御手段を
備えるとともに、補助トルクがドライバの意思に反する
ものであればアシストを禁止するために補助禁止手段を
備える。さらに、電動パワーステアリング装置は、他シ
ステムの制御によって発生した望ましくない操舵力を補
正するために、補助禁止手段の機能を保持したままで他
システムからの操舵要求信号を最大限に受け入れて補助
トルクを発生させる。なお、本実施の形態に係る電動パ
ワーステアリング装置は、制御手段内に補助禁止手段を
構成し、制御手段の主となるCPUと別に補助禁止手段
のCPUを備える。
【0011】まず、図1を参照して、電動パワーステア
リング装置1の構成について説明する。電動パワーステ
アリング装置1は、ドライバによるステアリングホイー
ル3の操舵時に、手動操舵力発生手段2によってマニュ
アルステアリングで前輪4,4を転動させて車両の向き
を変える。さらに、電動パワーステアリング装置1は、
制御手段5からの電動機制御信号VOに基づいて電動機
駆動手段6で電動機電圧VMを発生し、この電動機電圧
VMで電動機7を駆動して補助操舵力(補助トルク)を
発生させ、手動操舵力発生手段2による手動操舵力を軽
減する。
【0012】手動操舵力発生手段2は、ステアリングホ
イール3に一体に設けられたステアリング軸8に連結軸
9を介してステアリング・ギアボックス10内に設けた
ラック&ピニオン機構11のピニオン11aが連結され
る。なお、連結軸9は、その両端に自在継ぎ手9a,9
bを備える。ラック&ピニオン機構11は、ピニオン1
1aに噛み合うラック歯11bがラック軸12に形成さ
れ、ピニオン11aとラック歯11bの噛み合いによ
り、ピニオン11aの回転をラック軸12の横方向の往
復運動とする。さらに、ラック軸12には、その両端に
タイロッド13,13を介して、転動輪としての左右の
前輪4,4が連結される。
【0013】補助操舵力(補助トルク)を発生させるた
めに、電動機7が、ラック軸12と同軸上に配設され
る。そして、電動機7の回転がラック軸12と同軸に設
けられたボールねじ機構14を介して推力に変換され、
この推力をラック軸12(ボールねじ軸14a)に作用
させる。
【0014】制御手段5は、車速センサ15、操舵トル
クセンサ16、電動機電流検出手段17の各検出信号
V,TS,IMOおよび他システム40から操舵要求信
号ΔIが入力される。そして、制御手段5は、これらの
検出信号V,TS,IMOと操舵要求信号ΔIに基づい
て電動機7に流す電動機電流IMの大きさと方向を決定
し、電動機駆動手段6に電動機制御信号VOを出力す
る。制御手段5は、各種演算や処理等を行うCPU、入
力信号変換手段、信号発生手段、記憶手段等で構成され
る。さらに、制御手段5は、別のCPUで処理を行う補
助禁止手段30(図2参照)も構成に含む。
【0015】制御手段5は、補助禁止手段30によっ
て、手動操舵トルクと電動機電流が図5に示すアシスト
禁止領域Ma,Mb内に100mS(第1の所定時間)
以上継続して存在する場合には、電動機7による補助ト
ルクの発生を禁止する。さらに、制御手段5は、他シス
テム40からの操舵要求信号ΔIを補助トルクに最大限
(100mS中の80mS間)加味するために、他シス
テム40に操舵要求解除信号SCを送信する。なお、操
舵要求解除信号SCは、手動操舵トルクと電動機電流が
図5に示すアシスト禁止領域Ma,Mb内に80mS
(第2の所定時間)以上継続して存在する場合に出力さ
れる。
【0016】車速センサ15は、スピードメータ(図示
せず)内に配設され、車両の速度を検出する。そして、
車速センサ15は、検出した車速に対応したアナログ電
気信号の車速信号Vを制御手段5に送信する。なお、車
速センサ15は、電動パワーステアリング装置1に車速
信号Vを送信するためだけに設けられるものでなく、他
のシステムにも車速信号Vを送信する。
【0017】操舵トルクセンサ16は、ステアリング・
ギアボックス10内に配設され、ドライバによる手動操
舵トルクの大きさと方向を検出する。そして、操舵トル
クセンサ16は、検出した手動操舵トルクに対応したア
ナログ電気信号の手動操舵トルク信号TSを制御手段5
に送信する。
【0018】電動機電流検出手段17は、電動機7に対
して直列に接続された抵抗またはホール素子等を備え、
電動機7に実際に流れる電動機電流IMの大きさと方向
を検出する。そして、電動機電流検出手段17は、電動
機電流IMに対応した電動機電流信号IMOを制御手段
5にフィードバック(負帰還)する。
【0019】電動機駆動手段6は、電動機制御信号VO
に基づいて電動機電圧VMを電動機7に印加し、電動機
7を駆動する。電動機駆動手段6は、例えば、図4に示
すように4個のパワーFET(電界効果トランジスタ)
6a,6b,6c,6dのスイッチング素子からなるブ
リッジ回路および電源電圧(12v)6eで構成され
る。パワーFET6a,6b,6c,6dの各ゲートG
1,G2,G3,G4に電動機制御信号VOが入力され
ると、電動機制御信号VOに基づいて電動機7に電動機
電圧VMが印加される。すると、電動機7には電動機電
流IMが流れ、電動機7は電動機電流IMに比例したト
ルクを発生する。なお、電動機駆動手段6の動作につい
ては後で詳細に説明する。
【0020】次に、図2を参照して制御手段5の構成に
ついて説明する。制御手段5は、A/D変換手段20,
21、目標電流信号設定手段22、減算手段23、偏差
演算手段24、駆動制御手段25、補助禁止手段30か
ら構成される。なお、補助禁止手段30は、制御手段5
の主となるCPUとは別のCPUで制御され、制御手段
5の主となるCPUの暴走等を監視する。
【0021】A/D変換手段20は、不図示のF−Vコ
ンバータを介して車速センサ15から入力された車速信
号Vをアナログ信号からディジタル信号に変換し、この
ディジタル変換された車速信号Vを目標電流信号設定手
段22に出力する。A/D変換手段21は、操舵トルク
センサ16から入力された手動操舵トルク信号TSをア
ナログ信号からディジタル信号に変換し、この変換され
た手動操舵トルク信号TSを目標電流信号設定手段22
と禁止領域判定手段31に出力する。
【0022】目標電流信号設定手段22は、ROM(R
ead Only Memory)等の記憶手段を備
え、予め実験値または設計値に基づいて設定した手動操
舵トルク信号TSおよび車速信号Vと目標電流信号IM
Sの対応するデータを記憶している。そして、目標電流
信号設定手段22は、手動操舵トルク信号TSおよび車
速信号Vをアドレスとして対応する目標電流信号IMS
を読み出し、目標電流信号IMSを減算手段23に出力
する。ちなみに、目標電流信号IMSは、車速信号Vに
対して、路面反力の大きい低速の場合には大きい値が対
応づけられ、走行時の安定性を確保するために高速の場
合には小さい値が対応づけられている。また、目標電流
信号IMSは、手動操舵トルク信号TSに対して、手動
操舵トルク信号TSが0近傍では0に対応づけられ、所
定の手動操舵トルク信号TS以上になると手動操舵トル
ク信号TSの増加に従って増加する値に対応づけられ
る。なお、目標電流信号IMSは、電動機7に流すこと
ができる最大電流が規定されているので、最大目標電流
以下に設定される。
【0023】減算手段23は、減算器またはソフト制御
の減算機能を備え、目標電流信号設定手段22からの目
標電流信号IMSと他システム40からの操舵要求信号
ΔIが入力され、偏差演算手段24に補正目標電流信号
IMS’を出力する。減算手段23は、目標電流信号I
MSから操舵要求信号ΔIを減算して補正目標電流信号
IMS’(=IMS−ΔI)を算出し、操舵要求信号Δ
Iを目標電流信号IMSに加味している。なお、操舵要
求信号ΔIは、他システム40がドライバのステアリン
グ操作と同方向に操舵力を作用させている場合にはプラ
ス値であり、他システム40がドライバのステアリング
操作と逆方向に操舵力を作用させている場合にはマイナ
ス値である。
【0024】偏差演算手段24は、減算器またはソフト
制御の減算機能を備え、減算手段23からの補正目標電
流信号IMS’と電動機電流検出手段17からの電動機
電流信号IMOが入力され、駆動制御手段25に偏差信
号ΔIMを出力する。偏差演算手段24は、補正目標電
流信号IMS’から電動機電流信号IMOを減算し、偏
差信号ΔIM(=IMS’−IMO)を算出する。
【0025】駆動制御手段25は、PIDコントロー
ラ、PWM信号発生手段および論理回路等を備え、偏差
演算手段24からの偏差信号ΔIMが入力され、電動機
駆動手段6に電動機制御信号VOを出力する。駆動制御
手段25は、まず偏差信号ΔIMにP(比例)、I(積
分)およびD(微分)制御を行い、さらに偏差信号ΔI
Mの大きさおよび極性に対応したPWM信号VPWM、
オン信号VON、オフ信号VOFを生成する。PWM信
号VPWMは、電動機駆動手段6のパワーFET6aの
ゲートG1またはパワーFET6bのゲートG2に入力
され(図3、図4参照)、偏差信号ΔIMの大きさに応
じてパワーFET6aまたはパワーFET6bをPWM
駆動する信号である。なお、PWM信号VPWMがゲー
トG1かゲートG2のどちらのゲートに入力されるか
は、偏差信号ΔIMの極性によって決まる。また、ゲー
トG1またはゲートG2のうちPWM信号VPWMが入
力されないゲートにはオフ信号VOFが入力され、パワ
ーFET6aまたはパワーFET6bはオフされる。そ
して、ゲートG1にPWM信号VPWMが入力される場
合には、パワーFET6dのゲートG4にオン信号VO
Nが入力され、パワーFET6dがオン駆動される。他
方、ゲートG2にPWM信号VPWMが入力される場合
には、パワーFET6cのゲートG3にオン信号VON
が入力され、パワーFET6cがオン駆動される。
【0026】さらに、駆動制御手段25は、論理回路を
備え、補助禁止手段30からの補助禁止信号SBが入力
され、この補助禁止信号SBに従って電動機駆動手段6
に電動機制御信号VOを出力する。補助禁止信号SBが
電動機7によるアシストを許可する信号の場合、駆動制
御手段25は、電動機制御信号VOとして偏差信号ΔI
Mの大きさおよび極性に対応したPWM信号VPWM、
オン信号VON、オフ信号VOFを各ゲートG1,G
2,G3,G4に出力する(図3、図4参照)。他方、
補助禁止信号SBが電動機7によるアシストを禁止する
信号の場合、駆動制御手段25は、電動機制御信号VO
としてオフ信号VOFを全てのゲートG1、G2,G
3,G4に出力する(図3、図4参照)。
【0027】補助禁止手段30は、禁止領域判定手段3
1、計時手段32、所定時間設定手段33、第1時間比
較手段34および第2時間比較手段35から構成され
る。補助禁止手段30は、制御手段5のCPUの暴走等
によって電動機7が異常駆動されることを禁止するため
に、手動操舵トルクTSを基準にして実際に電動機7に
流れている電動機電流IMを監視する。さらに、補助禁
止手段30は、制御手段5の異常検出および他システム
40の操舵要求信号ΔIの異常検出を行いながら、他シ
ステム40からの操舵要求信号ΔIを最大限受け入れ可
能な構成となっている。
【0028】禁止領域判定手段31は、ROM等の記憶
手段を備え、予め実験値または設計値に基づいて設定し
た手動操舵トルクTSと電動機電流の関係を示すマップ
M(図5参照)を記憶している。禁止領域判定手段31
は、A/D変換器21からの手動操舵トルク信号TSと
電動機電流検出手段17からの電動機電流信号IMOが
入力され、禁止領域判定信号SAを計時手段32に出力
する。
【0029】禁止領域判定手段31で使用されるマップ
は、図5に示すマップMである。マップMは、横軸が操
舵トルクセンサ16で検出した手動操舵トルクTS[k
gf・cm]であり、縦軸が電動機電流検出手段17で
検出した実際に電動機7に流れる電動機電流IM[A]
である。手動操舵トルクTSのプラス領域(横軸の原点
(0)の右側領域)はステアリングホイール3に右旋回
方向の手動操舵トルクが入力された場合に対応し、手動
操舵トルクTSのマイナス領域(横軸の原点(0)の左
側領域)はステアリングホイール3に左旋回方向の手動
操舵トルクが入力された場合に対応する。また、電動機
電流IMのプラス領域(縦軸の原点(0)の上側領域)
は電動機7が右旋回方向のトルクを出力する場合に対応
し、電動機電流IMのマイナス領域(縦軸の原点(0)
の下側領域)は電動機7が左旋回方向のトルクを出力す
る場合に対応する。マップMのアシスト禁止領域Ma,
Mbは、手動操舵トルクTSに対して望ましくない電動
機電流IMの領域であるが、ダンピング制御や電動機7
に対するイナーシャ制御を考慮すると実際の走行中には
入る領域なので、100mS間は許容する領域である。
マップMのアシスト禁止領域Mc,Mdは、ダンピング
制御やイナーシャ制御を考慮しても入らない領域である
ため、即座に電動機7によるアシストを禁止する領域で
ある。
【0030】禁止領域判定手段31は、マップMを検索
し、手動操舵トルクTSと電動機電流IMの関係がマッ
プMのアシスト禁止領域Ma,Mbのどちらかの領域に
ある場合には禁止領域判定信号SAとして論理レベル0
を設定し、アシスト禁止領域Ma,Mb,Mc,Mb外
の場合には禁止領域判定信号SAとして論理レベル1を
設定する。禁止領域判定信号SAの論理レベルの設定
は、前記設定に限定されず、計時手段32の論理回路の
構成等に対応して設定する。なお、禁止領域判定手段3
1は、マップMを検索し、手動操舵トルクTSと電動機
電流IMの関係がマップMのアシスト禁止領域Mc,M
dのいずれかの領域にある場合には、直接、駆動制御手
段25に電動機7によるアシストを禁止するため、補助
禁止信号SBとして論理レベル1を出力する。
【0031】計時手段32は、タイマを備え、禁止領域
判定手段31からの禁止領域判定信号SAが入力され、
計時信号TCを第1時間比較手段34および第2時間比
較手段35に出力する。計時手段32は、禁止領域判定
信号SAが0になると時間計測を開始し、計測した時間
を計時信号TCとして出力する。また、計時手段32
は、禁止領域判定信号SAが1になると計測した時間を
リセットする。
【0032】所定時間設定手段33は、ROM等の記憶
手段を備え、アシスト禁止領域Ma,Mbの許容時間T
1(第1の所定時間)として100mSを第1時間比較
手段34に出力する。なお、許容時間T1は、手動操舵
トルクTSと電動機電流IMの関係がマップMのアシス
ト禁止領域Ma,Mbのどちらかの領域にある場合に電
動機7によるアシストを許容する時間である。また、所
定時間設定手段33は、他システム40の操舵要求信号
ΔIを目標電流信号IMSに加味するために、操舵要求
信号ΔIの受入時間T2(第2の所定時間)として80
mSを第2時間比較手段35に出力する。なお、受入時
間T2は、許容時間T1未満の時間かつ操舵要求信号Δ
Iを最大限に受け入れることができる時間かつ許容時間
T1内に操舵要求信号ΔIを解除可能な時間に設定す
る。ちなみに、操舵要求信号ΔIを解除可能な時間を1
0mSとすると、受入時間T2間に減算手段23で目標
電流信号IMSから操舵要求信号ΔIが減算され、操舵
要求信号ΔIを約89%(=80mS×100%/90
mS)受け入れる。また、(許容時間T1−受入時間T
2)間に操舵要求信号ΔIの出力が解除される。そのた
め、手動操舵トルクTSと電動機電流IMの関係が、操
舵要求信号ΔIによってマップMのアシスト禁止領域M
a,Mbにある場合には、(許容時間T1−受入時間T
2)の間にアシスト禁止領域Ma,Mb外となる。すわ
なち、他システム40から正常に操舵要求信号ΔIが出
力されている場合には、操舵要求信号ΔIによって電動
機7によるアシストが禁止されない。
【0033】第1時間比較手段34は、計時手段32か
らの計時信号TCと所定時間設定手段33からの許容時
間T1が入力され、補助禁止信号SBを駆動制御手段2
5に出力する。第1時間比較手段34は、計時信号TC
が許容時間T1以上となると補助禁止信号SBとして論
理レベル1を設定し、計時信号TCが許容時間T1未満
の場合には補助禁止信号SBとして論理レベル0を設定
する。すなわち、計時信号TCが許容時間T1以上とな
る場合、補助禁止手段30は、制御手段5または他シス
テム40が異常と判断し、電動機7によるアシストを禁
止する。なお、補助禁止信号SBの論理レベルの設定
は、前記設定に限定されず、駆動制御手段25の論理回
路の構成等に対応して設定する。
【0034】第2時間比較手段35は、計時手段32か
らの計時信号TCと所定時間設定手段33からの受入時
間T2が入力され、他システム40に操舵要求解除信号
SCを出力する。第2時間比較手段35は、計時信号T
Cが受入時間T2以上となると操舵要求解除信号SCと
して論理レベル1を設定し、他システム40に操舵要求
信号ΔIの出力を解除させる。つまり、(許容時間T1
−受入時間T2)間に、操舵要求解除信号SCとして論
理レベル1を他システム40に送信し、そして他システ
ム40に操舵要求信号ΔIの出力を停止させる。その結
果、操舵要求信号ΔIが要因となって手動操舵トルクT
Sと電動機電流IMの関係がマップMのアシスト禁止領
域Ma,Mbにある場合には、他システム40から操舵
要求信号ΔIの出力が停止すると、禁止領域判定手段3
1では禁止領域判定信号SAが論理レベル0から1に切
り替わる。そして、計時手段32では計測中の時間がリ
セットされ、第1時間比較手段34では計時信号TCが
許容時間T1以上とならないため補助禁止信号SBとし
て論理レベル0が設定される。他方、第2時間比較手段
35は、計時信号TCが受入時間T2未満の場合には操
舵要求解除信号SCとして論理レベル0を設定し、他シ
ステム40に操舵要求信号ΔIの出力を許可する。さら
に、操舵要求解除信号SCによって操舵要求信号ΔIの
出力が一旦解除されると、禁止領域判定手段31では禁
止領域判定信号SAが論理レベル0から1に切り替わ
る。そして、計時手段32では計測中の時間がリセット
され、第2時間比較手段35では計時信号TCが受入時
間T2以上とならないため、操舵要求解除信号SCとし
て論理レベル0が設定され、再度、他システム40に対
して操舵要求信号ΔIの出力を許可する。なお、操舵要
求解除信号SCの論理レベルの設定は、前記設定に限定
されず、他システムの論理回路の構成等に対応して設定
する。
【0035】なお、他システム40がCPUの暴走等に
より異常な操舵要求信号ΔIを出力している場合があ
る。この場合、第2時間比較手段35から操舵要求解除
信号SCとして論理レベル1を他システム40に出力し
ても、他システム40は、CPUが暴走しているため、
操舵要求信号ΔIの出力を解除しない。そのため、異常
な操舵要求信号ΔIによって手動操舵トルクTSと電動
機電流IMの関係がマップMのアシスト禁止領域Ma,
Mbに許容時間T1(100mS)以上継続するので、
補助禁止手段30は、第1時間比較手段34から補助禁
止信号SBとして論理レベル1を出力し、電動機7によ
るアシストを禁止する。すなわち、補助禁止手段30
は、他システム40の異常検出も行う。なお、第2時間
比較手段35から操舵要求解除信号SCとして論理レベ
ル1を他システム40に出力しても操舵要求信号ΔIの
出力が解除されない場合には、操舵要求信号ΔIを制御
手段5でキャンセルするように構成してもよい。
【0036】補助禁止手段30は、手動操舵トルクTS
と電動機電流IMの関係がマップMのアシスト禁止領域
Ma,Mbのどちらかの領域に許容時間T1(100m
S)以上継続する場合には、制御手段5または他システ
ム40が異常であると判断する。そして、補助禁止手段
30は、駆動制御手段25に補助禁止信号SBとして論
理レベル1を出力し、電動機7の駆動の停止を促す。駆
動制御手段25は、補助禁止信号SBとして論理レベル
1が入力されると、電動機制御信号VOとしてオフ信号
VOFを全てのゲートG1、G2,G3,G4に出力す
る(図3、図4参照)。すると、電動機駆動手段6では
電動機7への電動機電圧VMが0Vとなるため、電動機
7は駆動されず、補助トルクを発生しない。さらに、補
助禁止手段30は、手動操舵トルクTSと電動機電流I
Mの関係がマップMのアシスト禁止領域Ma,Mbのど
ちらかの領域に受入時間T2(80mS)以上継続する
場合には、他システム40に操舵要求解除信号SCとし
て論理レベル1を出力し、他システム40の操舵要求信
号ΔIの出力の解除を促す。すると、他システム40
は、操舵要求解除信号SCの論理レベルが0になるま
で、操舵要求信号ΔIの出力を停止する。この結果、電
動パワーステアリング装置1は、一時的に他システム4
0の操舵要求信号ΔIを受け入れないが、操舵要求信号
ΔIによって電動機7によるアシストを禁止することも
ない。
【0037】なお、制御手段5および補助禁止手段30
は、アナログ回路で構成してもよい。
【0038】ここで、補助禁止信号SBによって電動機
7によるアシストが禁止される電動パワーステアリング
装置1の動作を説明するために、駆動制御手段25の論
理回路および電動機駆動手段6の回路について説明す
る。
【0039】まず、図3を参照して、駆動制御手段25
の論理回路25aの構成について説明する。論理回路2
5aは、NOTゲートと論理積演算手段からなる論理回
路25b,25c,25d,25eを備える。各NOT
ゲート25f,25g,25h、25iは、補助禁止手
段30の第1時間比較手段34からの補助禁止信号SB
が入力され、論理積演算手段25j,25k,25l,
25mに補助禁止信号SBの論理レベルを反転出力す
る。各論理積演算手段25j,25k,25l,25m
は、各NOTゲート25f,25g,25h、25iの
出力とPWM信号VPWM、オン信号VONまたはオフ
信号VOFが入力され、パワーFET6a,6b,6
c,6dの各ゲートG1,G2,G3,G4に電動機制
御信号VOを出力する。各論理積演算手段25j,25
k,25l,25mは、NOTゲート25f,25g,
25h、25iの出力が0の場合(すなわち、補助禁止
信号SBの論理レベル1で電動機7のアシストを禁止す
る場合)には、全て論理レベル0(オフ信号VOF)を
出力する。他方、各論理積演算手段25j,25k,2
5l,25mは、NOTゲート25f,25g,25
h、25iの出力が1の場合(すなわち、補助禁止信号
SBの論理レベル0で電動機7のアシストを許可する場
合)には、入力されたPWM信号VPWM、オン信号V
ONまたはオフ信号VOFをそのまま出力する。なお、
電動機制御信号VOは、論理積演算手段25j,25
k,25l,25mから出力されるPWM信号VPW
M、オン信号VONおよびオフ信号VOFであり、PW
M信号VPWMのデューティ比で電動機電圧VMを決定
し、オン信号VONとオフ信号VOFで電動機7の回転
方向を決定する。
【0040】次に、図4を参照して、電動機駆動手段6
の回路の構成について説明する。電動機駆動手段6は、
4個のパワーFET6a,6b,6c,6dでブリッジ
回路が構成され、電源電圧6eから12vの電圧が供給
される。さらに、電動機駆動手段6は、電動機7がパワ
ーFET6aとパワーFET6dの間に直列にかつパワ
ーFET6bとパワーFET6cの間に直列に接続され
る。パワーFET6a,6bは、各ゲートG1,G2に
PWM信号VPWMまたはオフ信号VOFが入力され、
PWM信号VPWMが入力されて論理レベル1の時にオ
ンする。パワーFET6c,6dは、各ゲートG3,G
4にオン信号VONまたはオフ信号VOFが入力され、
オン信号VONが入力された時にオンする。なお、電動
機7に印加される電動機電圧VMは、PWM信号VPW
Mのデューティ比によって決定される。そして、電動機
7に流れる電動機電流IMは、電動機電圧VMに対応す
る。例えば、PWM信号VPWMのデューティ比が7
(論理レベル1):3(論理レベル0)の場合、12V
×(7/10)=8.4Vが電動機電圧VMとなり、電
動機7に連続して8.4Vが印加されていることにな
る。
【0041】それでは、図3および図4を参照して、補
助禁止手段30が補助禁止信号SBを論理レベル0とし
て出力している場合の電動パワーステアリング装置1の
動作について説明する。
【0042】ドライバによってステアリングホイール3
が時計回り方向に操作されている(車両を右旋回しよう
としている)場合、論理積演算手段25jの入力端子に
PWM信号VPWMが入力され、論理積演算手段25
k,25lの入力端子にオフ信号VOFが入力され、論
理積演算手段25mの入力端子にオン信号VONが入力
される。この時、補助禁止手段30からの補助禁止信号
SBが論理レベル0(すなわち、電動機7によるアシス
トが許可)の場合には、各論理積演算手段25j,25
k,25l,25mは、入力されたPWM信号VPW
M、オン信号VONまたはオフ信号VOFと同じ信号を
各ゲートG1,G2,G3,G4に出力する。すると、
パワーFET6aはゲートG1にPWM信号VPWMが
入力されてPWM駆動し、パワーFET6b,6cは各
ゲートG2,G3にオフ信号VOFが入力されてオフ
し、パワーFET6dはゲートG4にオン信号VONが
入力されてオン駆動する。そして、電動機電流IMが、
電源電圧6e→パワーFET6a→電動機7→パワーF
ET6d→GND6fの経路で流れる(図4の矢印方
向)。その結果、電動機7が、例えば正回転し、車両が
右方向に旋回する補助トルクを発生する。
【0043】他方、ドライバによってステアリングホイ
ール3が反時計回り方向に操作されている(車両を左旋
回しようとしている)場合、論理積演算手段25kの入
力端子にPWM信号VPWMが入力され、論理積演算手
段25j,25mの入力端子にオフ信号VOFが入力さ
れ、論理積演算手段25lの入力端子にオン信号VON
が入力される。この時、補助禁止手段30からの補助禁
止信号SBが論理レベル0(すなわち、電動機7による
アシストが許可)の場合には、各論理積演算手段25
j,25k,25l,25mは、入力されたPWM信号
VPWM、オン信号VONまたはオフ信号VOFと同じ
信号を各ゲートG1,G2,G3,G4に出力する。す
ると、パワーFET6bはゲートG2にPWM信号VP
WMが入力されてPWM駆動し、パワーFET6a,6
dは各ゲートG1,G4にオフ信号VOFが入力されて
オフし、パワーFET6cはゲートG3にオン信号VO
Nが入力されてオン駆動する。そして、電動機電流IM
が、電源電圧6e→パワーFET6b→電動機7→パワ
ーFET6c→GND6fの経路で流れる。その結果、
電動機7が、逆回転し、車両が左方向に旋回する補助ト
ルクを発生する。
【0044】次に、図3および図4を参照して、補助禁
止手段30が補助禁止信号SBを論理レベル1として出
力している場合の電動パワーステアリング装置1の動作
について説明する。
【0045】前記したように制御手段5のCPUの暴走
等によって、補助禁止手段30が、補助禁止信号SBと
して論理レベル1(すなわち、電動機7によるアシスト
が禁止)を出力する場合がある。この場合、全ての論理
積演算手段25j,25k,25l,25mは、各NO
Tゲート25f,25g,25h,25iから論理レベ
ル0が入力されるため、論理レベル0(すなわち、オフ
信号VOF)を各ゲートG1,G2,G3,G4に出力
する。すると、パワーFET6a,6b,6c,6d
は、全てオフする。その結果、電動機電圧VMが電動機
7に印加されない。したがって、電動機電流IMが電動
機7に流れないため、電動機7は回転駆動されず、補助
トルクは発生しない。
【0046】この電動パワーステアリング装置1によれ
ば、補助禁止手段30に第2時間比較手段35を追加す
るのみで、正常な操舵要求信号ΔIによって電動機7に
よるアシストを禁止しない範囲で、操舵要求信号ΔIを
最大限受け入れることができる。勿論、電動パワーステ
アリング装置1は、制御手段5および他システム40の
操舵要求信号ΔIの異常時には、電動機7によるアシス
トを禁止することができる。
【0047】以上、本発明は、前記の実施の形態に限定
されることなく、様々な形態で実施される。例えば、第
2の所定時間である受入時間T2を80mSに設定した
が、前記した条件を満たすなら他の時間に設定してもよ
い。また、第1の所定時間である許容時間T1を100
mSに設定したが、他の時間に設定してもよいし、手動
操舵トルクTSに応じて設定時間T1を可変としてもよ
い。また、所定の禁止条件を図5に示すマップMで表し
たが、他のマップによるアシスト禁止領域や手動操舵ト
ルクの大きさおよび方向と電動機電流の大きさおよび方
向を比較する禁止条件等、特に限定しない。
【0048】
【発明の効果】本発明に係る電動パワーステアリング装
置は、第1の所定時間より短い第2の所定時間内では他
システムの操舵要求信号を加味して電動機を制御する。
そのため、電動パワーステアリング装置は、制御手段等
の異常時には電動機の駆動力によるアシストを禁止でき
るとともに、他システムの操舵要求信号を最大限受け入
れて、補助トルクを発生することができる。さらに、電
動パワーステアリング装置は、正常な操舵要求信号によ
って所定の禁止条件が満たされていても、第1の所定時
間以上継続する前に他システムからの操舵要求信号の出
力を解除するので、正常な操舵要求信号によって電動機
によるアシストを禁止しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る電動パワーステアリング装
置の全体構成図である。
【図2】本実施の形態に係る電動パワーステアリング装
置の制御手段のブロック構成図である。
【図3】本実施の形態に係る電動パワーステアリング装
置の駆動制御手段の論理回路図である。
【図4】本実施の形態に係る電動パワーステアリング装
置の電動機駆動手段の回路図である。
【図5】本実施の形態に係る電動パワーステアリング装
置の補助禁止手段でアシスト禁止領域を検索するマップ
である。
【符号の説明】
1・・・電動パワーステアリング装置 5・・・制御手段 6・・・電動機駆動手段 7・・・電動機 16・・・操舵トルクセンサ 17・・・電動機電流検出手段 30・・・補助禁止手段 40・・・他システム
フロントページの続き Fターム(参考) 3D032 CC35 DA15 DA23 DA64 DC01 DC02 DC03 DC07 DC08 DC09 DC33 DC35 DC40 DD02 DD10 DD17 DE09 EA01 EB11 EC23 GG01 3D033 CA03 CA13 CA16 CA20 CA21 CA31 CA32

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリング系に補助トルクを付加する
    電動機と、前記ステアリング系に作用する手動操舵トル
    クの大きさと方向とを検出する操舵トルクセンサと、少
    なくとも前記操舵トルクセンサからの出力と他システム
    からの操舵要求信号に基づいて前記電動機を制御する制
    御手段と、前記制御手段からの電動機制御信号に基づい
    て前記電動機を駆動する電動機駆動手段と、前記電動機
    に流れる電流の大きさと方向を検出する電動機電流検出
    手段と、前記操舵トルクセンサからの出力と前記電動機
    電流検出手段からの出力が所定の禁止条件を第1の所定
    時間以上継続した場合に前記電動機駆動手段による前記
    電動機の駆動を禁止する補助禁止手段とを備える電動パ
    ワーステアリング装置において、 前記補助禁止手段は、前記操舵トルクセンサからの出力
    と前記電動機電流検出手段からの出力が前記所定の禁止
    条件を前記第1の所定時間より短い第2の所定時間以上
    継続した場合に、前記他システムに前記操舵要求信号を
    解除する要求信号を出力することを特徴とする電動パワ
    ーステアリング装置。
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