JP2001278083A - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents
電動パワーステアリング制御装置Info
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Abstract
操舵速度を推定し、操舵アシスト用モータに流れる最大
電流を抑制することができる装置を提案する。 【解決手段】 操舵トルク1、車速2に応じてモータ4
の電流を制御するコントロールユニット3において、モ
ータ4に流れる電流を検出する電流検出部10と、電圧
検出部11と、これら電流と電圧とから操舵速度を演算
し、さらにオフセット除去手段によりこの操舵速度を補
正する操舵速度演算部12と、この操舵速度が所定値以
下で、モータ電流が所定値以上の場合、モータの最大電
流を抑制する最大電流補正部13と、から構成する。
Description
るトルクを運転者の操舵トルクに付勢させ、操舵力の軽
減を図る電動パワーステアリング制御装置に関するもの
で、特にモータに過大電流が流れた場合に、電流を低減
する制御を有した電動パワーステアリング制御装置に関
するものである。
ルクをモータにより発生させ、操舵力の軽減を図るパワ
ーステアリング制御装置は広く車両に用いられている。
従来装置では、運転者の操舵力を検知するトルクセンサ
をステアリング系の入力側に設けるとともに、出力側に
は付勢トルクを発生させるモータを有している。モータ
はトルクセンサの検知した操舵力、車速等の車両の状態
に応じてコントロールユニット(以下ECUという)に
よる駆動電流で制御される。電動パワーステアリング用
のモータとしては、一般に直流モータが用いられてい
る。直流モータでは、発生するトルクは駆動電流にほぼ
比例する特性を持つため、ECUによるモータの駆動電
流を目標電流値に対しフィードバック制御を行うことに
より、モータ駆動実電流を制御し、結果として適切な付
勢(アシスト)トルクを発生することができ、パワース
テアリング制御装置としての動作を実現している。
ると操向車輪が構造的に転舵できない舵角位置に行き着
く。この最大舵角位置に到達すると操舵トルクも最大と
なり、その結果モータ駆動による操舵アシストも最大に
なる。アシスト力最大とはモータ電流が最大となること
を意味している。この状態が継続するとモータのブラシ
周り、モータコイル、さらには電流供給電子素子等が熱
を発生し、その放熱性にコスト的、構造的に負担となる
ばかりか、故障発生の原因になる。そこでこの電流を低
減することが必要となる。
を検出して最大操舵位置を判定したり、最大操舵位置付
近にマイクロスイッチを配設し、電流供給を低減してい
た。(実開昭60−193868号公報)しかし、これ
ら従来装置では最大操舵位置を検出するための検出手段
が必要で、コスト的にも、構造的にも不利であった。ま
た、最大操舵位置までに縁石、溝、障害物によりタイヤ
がそれ以上操向できない場合、これら従来装置では対応
できないものであった。
示された発明があり、この装置について図6を用いて説
明する。1はハンドルの操舵トルクを検出するトルクセ
ンサ、2は車速を検出する車速センサ、4はハンドルの
回転によりタイヤを操向する際、アシストトルクを発生
するモータ、5はモータに電源を供給するバッテリであ
る。3aはECUであり、操舵トルク1、車速2を入力
しモータ4の電流を制御する制御手段である。ECU3
aは目標電流演算部6、過負荷防止部51、偏差演算部
7、信号生成部8a、駆動回路9a、電流検出部10、
電圧検出部11、操舵速度演算部52から構成されてい
る。目標電流演算部6は、トルク・車速からモータに流
すべき目標の電流ITを演算する。この目標電流ITと
電流検出部10による実電流IMとの偏差を偏差演算部
7が演算する。次にこの偏差を零にするように信号生成
部8aが駆動回路9aに駆動信号を出力する。その結果
モータに電流が流れアシスト力が可変できる。
Mと実電流IMから、モータ回転速度VMを下式により
推定する。 VM=(EM―IM・RM)/Kp (1) ここでRMはモータのアマチュア抵抗値、Kpは誘導電
圧係数である。モータ回転速度VMは操舵速度に比例す
るとみなせるので、これを過負荷防止部51に入力す
る。
A、かつ操舵速度VM<B(A、Bは所定値)の場合、
過負荷を判定する。過負荷防止動作開始遅延部54は、
所定時間過負荷状態が継続した場合、乗算器55に対し
乗算係数を通常の1より小さい値に変更する。このよう
にして、最大操舵位置に留まった場合にモータ電流を低
減しようとするものであった。
のセンサなしに電圧と電流とにより速度を推定するもの
であるため、どうしても誤差の発生がある。この速度推
定には、オフセット成分が発生し、精度よく推定できな
いと言う問題点があった。特に電流を増加させていくと
温度が上昇し、モータブラシ電圧、モータ抵抗値RMの
温度依存性が強いため推定値の精度が悪くなる。本発明
は電圧と電流による速度推定の誤差をできるかぎり除去
し、正確に回転速度を推定し、もって通電電流を低減す
るものである。
ーステアリング制御装置では、ハンドルの操舵トルクを
検出するトルクセンサ、ハンドルの操舵力を補助するモ
ータ、前記トルク情報に応じて前記モータを制御するコ
ントロールユニットを備え、前記コントロールユニット
は、前記トルク情報に応じて前記モータに通電する電流
値を決定する目標電流演算部と、前記モータに流れる電
流を検出する電流検出部と、この電流検出値をフィード
バックし前記目標電流値との差を演算する偏差演算部
と、この偏差に応じてモータ電流を流すべく制御量を演
算し、制御信号を出力する信号生成部と、この制御信号
に応じて前記モータを駆動するモータ駆動部と、前記モ
ータの端子電圧を検出する電圧検出部と、前記モータ電
流と電圧から第1の操舵速度を演算し、所定のカットオ
フ周波数を有するオフセット除去手段を第1の操舵速度
に付加することにより第2の操舵速度を推定する操舵速
度推定部と、この第2の操舵速度が所定値以下の低速で
あり、前記モータ電流が所定値以上の過電流の場合、流
れる最大の電流を制限する最大電流を決定し、この最大
電流により前記目標電流を補正する最大電流補正部と、
から構成したことを特徴とするものである。
ング制御装置では、付加するオフセット除去手段は、
0.2Hz付近以下であるカットオフ周波数を有するハ
イパスフィルタであることを特徴とするものである。
ング制御装置では、最大電流補正部は、高ゲインで低下
する第1モードと、現在の電流を略保持する第2モード
と、少なくとも前記各モードを1つずつ組合せることに
よりモータ電流を低減することを特徴とするものであ
る。
テアリング制御装置では、最大電流補正部は、第1、又
は第2モード中に、所定値以下の操舵トルクを検出した
場合、又は所定値以下の目標電流になった場合、最大値
制限を中止することを特徴とするものである。
実施の形態1を図について説明する。図1は電動パワー
ステアリング制御装置のECU、及びこれに接続される
入出力装置を示すシステム構成ブロック図である。図1
において、1は運転者の操舵トルクを検出する操舵トル
クセンサ、2は車速センサ、3はECU、4はバッテリ
ィ5の給電電源から操舵力をアシストするモータであ
る。ECU3は、操舵トルク1、車速2に応じて適切な
モータ電流目標値を演算する目標電流演算部6と、モー
タ電流を検出する電流検出部10と、目標電流と検出電
流(実電流)との偏差を演算する偏差演算部7と、この
偏差を零にすべくモータ電流制御信号を生成する信号生
成部8と、この信号を受けモータ電流を流すモータ駆動
部9と、モータ端子間電圧を検出する電圧検出部11
と、実電流IMとモータ電圧EMとから操舵速度を推定
する操舵速度演算部12と、この操舵速度に応じて目標
電流を制限するように作用する最大電流補正部13とか
ら構成されている。
目標電流演算部6は図2に示すように操舵トルクと車速
によりモータ電流が予め決定されている特性を利用す
る。15aは車速0Km/h、15bは車速20Km/
h、15cは車速50Km/hにおけるトルクと電流の
関係を示している基本電流マップである。信号生成部8
は、目標電流ITと実電流IMとの偏差の大きさに応じ
て、PID制御を行うための制御量を演算し、この結果
を駆動部9に対してPWM制御信号として発生させる。
駆動部9はHブリッジ回路で構成されたFET素子4個
を備えている。これらFETをON/OFF制御するこ
とにより、モータ電流を制御する。電流検出部10は、
モータに流れている電流を抵抗の両端電位差で測定する
方法がある。また、電圧検出部11はモータの端子間電
圧差を測定するものである。
モータ電圧EM、実電流IM、モータのアマチュア抵抗
RM、モータのブラシのドロップ電圧Ebとすると、モ
ータに誘起される電圧EEは、 EE=EM−IM・RM−Eb (2) となる。
次式により換算する。 VM=EE/Kp (3) ここで、Kpは誘起電圧係数である。モータ回転速度と
操舵速度は、減速用ギア、ハンドルとタイヤ軸のラック
及びピニオンのような構造機構等により、所定の関係に
ある。言い換えればモータ回転速度と操舵速度は比例す
る。従って係数Kpを変更することによりモータ回転速
度は、操舵速度VMとみなすことができる。
度ωを求めた結果を図3に示す。このテストでは、モー
タ電流に対するモータ回転速度ωをハンドル、又はタイ
ヤを強制的に固定して行ったものである。モータ電流が
大きくなればなるほど、誤差が大きくなっている。特に
45A付近では約80deg/secの誤差が発生して
いる。そこでこの誤差をできる限り除去するために、ハ
イパスフィルタ(以下HPFという)を挿入する。この
HPFのカットオフ周波数の設定には、運転者が操作で
きうるハンドル操舵角速度、車両のヨー共振周波数を考
慮して、1Hz未満とする。このHPFの挿入によりモ
ータ回転速度の誤差を低減できた。この結果を図4に示
す。
してモータに電流を流している様子を示している。この
ような動作をした場合、推定操舵速度がどのように変化
するかを図4b〜dに示し、縦軸は速度をrad/se
cで表している。図4bは従来方法であるHPFがない
結果、図4cはHPFのカットオフ周波数fc=0.1
6Hz、図4dはfc=1Hzの結果である。このパワ
ーステアリング制御装置は最大電流が65Aであるた
め、図4aの65A電流が流れているt1〜t3付近に
注目すると、図4bではt1〜t3は約40deg/s
ecの回転速度が見られる。図4cではかなり低い速度
(10deg/sec以下)になっていることがかわ
る。図4dではカットオフ周波数を大きく取ったため、
オフセット分が除去されてしまったものである。そのた
め、実験的には、カットオフ周波数は0.1≦fc≦
0.2Hzが適切である。
したHPFを追加することにより、なんらセンサの追加
もなしに、モータ回転速度をより正確に推定することが
できる。従って正確な操舵速度の推定が可能となった。
る。操舵速度VMが所定値以下の低速、電流値IMが所
定値以上の状態が所定時間継続されると、現在の電流値
を低減するように目標電流を補正する。補正方法は、目
標電流演算部6で演算された電流値に係数を乗算して
も、減算してもよいが、電流を低減するように、目標電
流値を置換すればよい。これにより、前述の信号生成部
8、駆動部9が作動し、電流IMが減少する。そのた
め、モータ電流の発熱が抑制され、モータ自体のみなら
ず、駆動回路素子、ひいてはそれらの接続部分の熱によ
る弊害を防止することになる。
て、図5に基づき説明する。操舵トルクが20のように
変化し、モータ電流21を制御している場合、taで電
流と電圧の関係から操舵速度が極低速になったことを検
出し、しかも現在の電流はIaを越えている。tbで最
大電流補正が決定され、電流低減制御が開始されたこと
を示している。tbから所定の高ゲインで所定値、又は
所定率電流を低減させる。tcで、一旦電流低減を中断
し、tdまではその電流値で保持している。この期間は
観察期間を意味し、まだ電流が第2の最大電流を流すよ
うな入力情報、例えばトルクが検出されている場合、さ
らにteに向かって再度電流を低減させている。
せた後、一定期間保持し、その後再び高ゲインで電流低
減を行う複数の低減モードを有している。taからtd
までには数秒を要するため、この期間には車両の状況に
変化がある可能性であり、単に電流を低減するのみで
は、次の車両の状況に反応できない装置となってしま
う。そこで、モータ発熱を一旦抑制しておき、車両の状
況を見比べて次の制御を行うことができるようにした。
車両の状況に変化がなければ、さらに電流を抑制すべ
く、2回目の電流低減を行うことができる。なお、tc
〜tdは一定保持でなくても、極低ゲインで低下させて
もよい。
下回ったので、再度操舵トルク依存の通常の電流制御に
戻っている。このように車両走行中には、ハンドルの最
大操舵位置に保舵する場合、又は最大操舵位置までに縁
石、溝等の障害物でモータ電流が過大でしばらく流れる
ことが起こるが、本発明の電流低減により、無駄な電力
消費と発熱を抑制できるのみならず、次の車両状況に対
応できる効果を有している。電流低減はステップ的に低
下させてもよいが、運転者に反動を感じさせないように
するには、電流低下が滑らかなほどよい。
に、目標電流が所定値以下になった場合、最大電流制限
を中断しても同一の効果が得られる。なお、この所定値
は、図5の所定値Iaより低い値とする。また、これら
所定値は、車速、電流の駆動時間、平均的電流値等で可
変するものであってもよい。
装置は、以上説明したように構成されているので以下に
示すような効果を奏する。
御装置は、コントロールユニット内において、モータの
端子電圧と、モータ電流から第1の操舵速度を演算し、
所定のカットオフ周波数を有するオフセット除去手段を
第1の操舵速度に付加することにより第2の操舵速度を
推定する操舵速度推定部と、この第2の操舵速度が所定
値以下の低速であり、モータ電流が所定値以上の過電流
の場合、流れる最大の電流を制限する最大電流を決定
し、この最大電流により目標電流を補正する最大電流補
正部とから構成したので、簡単に操舵速度を推定でき、
またオフセット成分を除去して正確に速度推定ができる
効果を奏する。
ング制御装置は、カットオフ周波数を有するオフセット
除去手段を付加したので、簡単にかつ正確に操舵速度を
推定できる効果を奏する。
ング制御装置は、最大電流補正部が、高ゲインで低下す
る第1モードと、現電流を略保持する第2モードと、少
なくとも1つずつの組合せによりモータ電流を低減する
ように作用するので、この間の車両の状況変化に対応が
できる効果を奏する。
テアリング制御装置は、最大電流補正部が第1、又は第
2モード中に、所定値以下の操舵トルクを検出した場
合、最大値制限を中止するように作用するので、車両の
状況変化に対応できる効果を奏する。
テアリング制御装置のシステム構成図である。
テアリング制御装置のトルクと電流の関係図である。
去手段を有しない推定操舵速度の誤差図である。
図である。
図である。
システム構成図である。
ユニット、4 モータ、6 目標電流演算部、7 偏差
演算部、8 信号生成部、9 モータ駆動部、10 電
流検出部、11 電圧検出部、12 操舵速度演算部、
13 最大電流補正部。
Claims (4)
- 【請求項1】 ハンドルの操舵トルクを検出するトルク
センサ、ハンドルの操舵力を補助するモータ、前記トル
ク情報に応じて前記モータを制御するコントロールユニ
ットを備え、前記コントロールユニットは、前記トルク
情報に応じて前記モータに通電する電流値を決定する目
標電流演算部と、前記モータに流れる電流を検出する電
流検出部と、この電流検出値をフィードバックし前記目
標電流値との差を演算する偏差演算部と、この偏差に応
じてモータ電流を流すべく制御量を演算し、制御信号を
出力する信号生成部と、この制御信号に応じて前記モー
タを駆動するモータ駆動部と、前記モータの端子電圧を
検出する電圧検出部と、前記モータ電流と電圧から第1
の操舵速度を演算し、所定のカットオフ周波数を有する
オフセット除去手段を第1の操舵速度に付加することに
より第2の操舵速度を推定する操舵速度推定部と、この
第2の操舵速度が所定値以下の低速であり、前記モータ
電流が所定値以上の過電流の場合、流れる最大の電流を
制限する最大電流を決定し、この最大電流により前記目
標電流を補正する最大電流補正部と、から構成したこと
を特徴とする電動パワーステアリング制御装置。 - 【請求項2】 付加するオフセット除去手段は、0.2
Hz付近以下であるカットオフ周波数を有するハイパス
フィルタであることを特徴とする請求項1記載の電動式
パワーステアリング制御装置。 - 【請求項3】 最大電流補正部は、高ゲインで低下する
第1モードと、現在の電流を略保持する第2モードと、
少なくとも前記各モードを1つずつ組合せることにより
モータ電流を低減することを特徴とする請求項1又は請
求項2記載の電動パワーステアリング制御装置。 - 【請求項4】 最大電流補正部は、第1、又は第2モー
ド中に、所定値以下の操舵トルクを検出した場合、又は
所定値以下の目標電流になった場合、最大値制限を中止
することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
載の電動パワーステアリング制御装置。
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