JP3915964B2 - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両において操舵補助トルクを発生させる電動パワーステアリング装置に係わり、保舵状態においてアシストモータの電流制限を実行する電動パワーステアリング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電動パワーステアリング装置は、ハンドル操作によりステアリングシャフトに発生する操舵トルクをトルクセンサ(操舵トルク検出手段)により検出し、それに応じてステアリングシャフト等に取り付けられたアシストモータ(以下、場合により単にモータという)に電流を流して操舵補助トルクを発生させるものである。そのためのアシストモータの電流制御には、通常四つのFET(電界効果トランジスタ)で構成されるHブリッジ回路を用い、このHブリッジ回路よりなる駆動回路(モータ駆動手段)を介してアシストモータをPWM(パルス幅変調)方式で駆動する。そして、検出された操舵トルクに応じて電流指令値が演算され、例えば、前記電流指令値に基づく電流制御信号(例えば、PWM駆動のデューティ比を決める信号)の値と実際のアシストモータの電流値との差(偏差)に応じて、前記電流制御信号を修正するフィードバック制御により、前記アシストモータの電流値を操舵トルクに応じた好ましい値に制御する。
ここで、前記電流指令値の演算や、上記フィードバック制御処理を含む前記電流制御信号の生成などは、通常マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)を含む制御回路によって行われる。
【0003】
ところでこの種の装置では、操舵がなされていない保舵状態(モータ回転数や操舵補助トルクの変化がほぼゼロで、さらにモータ回転数がほぼゼロの状態)においてモータの電流制限(即ち、モータ電流の最大値を100%未満に減少させる処理)を行うことが好ましい。保舵状態では、通常大きな操舵補助トルクを必要としないので、無駄な電力消費や発熱を確実に回避するためである。また、ハンドル端当て操作状態(ラックエンド状態)でかつ保舵状態であるような場合には、運転者がハンドルを意識的に切り増ししていないにもかかわらず、操舵補助トルクが無駄に大きく発生している(即ち、過大なモータ電流が流れている)恐れがあり、このような状況は、確実に回避すべきだからである。
そこで従来では、モータの回転(或いはハンドルの回転)を検出する回転センサを設けて、この回転センサによって得られた回転数のデータによって上述したような保舵状態(特に、ラックエンドでの保舵状態)を判定し、その判定結果に基づいて電流制限を実行する構成となっていた。
【0004】
なお、上記回転センサは、モータ回転数を利用した他の制御にも利用可能である。
例えば、この種の装置では、操舵フィーリングの向上等を図るべく、モータの回転数を考慮したより高度なモータの制御を行うこともある。例えば、高速走行時などにハンドル操作の手応え感を増すために、ハンドル角速度(即ち、モータ回転数)の負帰還による制御を付加する場合がある。これは、モータの電流(即ち、操舵補助トルク)の大きさをハンドル角速度の大きさに応じて減らし、場合によっては操舵トルクと反対方向の操舵補助トルクを発生させるものであり、これによりハンドル操作の手応え感を車速などに応じたより好ましいものにするためのものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなモータ回転数を使用した制御では、モータ回転数のデータを必要な程度に精度良く得られることが当然必要であり、この回転数のデータが不正確になると、必要な操舵補助トルクが発生されないなどの不具合をかえって生じさせてしまうことになりかねない。
ところが、そのためにモータ回転数を検知するための回転センサ(例えば、モータの回転角度又は回転角速度を検出するセンサ、或いはハンドル又はステアリングシャフトの回転角度又は回転角速度を検出するセンサ)を設けることは、コスト面や車両への搭載性(装置の組付け性や小型化)の面から困難であり、市場ではそのような回転センサを設けない回転センサレスの構成が強く望まれている。というのは、このような回転センサを設けようとすると、そのセンサ自体のコストが装置コストに上乗せされ、かつ、そのセンサ自体の配置スペースが車両内に必要になるとともに、車両において前述の駆動回路や制御回路が収納される制御ユニットから、このようなセンサ類が配置される箇所(例えばアシストモータの配置個所)まで、そのセンサのための信号線や電源線を敷設するというめんどうな作業や、その信号線等の敷設のためのスペースが、さらに必要となるからである。
【0006】
そのために近年では、例えば特開平11−59463号公報に開示されているように、制御ユニット内の演算回路(例えば、前述のマイコンよりなる制御回路)において、モータの電流IMと電圧VM(印加電圧)と抵抗値Rから下記式(1)によりモータの回転数ωをリアルタイムに推定演算して求めることが提案されている。なお、Kはモータの誘起電圧定数である。
ω=1/K・(VM−R・IM) …(1)
また上記公報には、上記式(1)の演算で使用するための抵抗値Rを、回転数ωがゼロになっていること(即ち、保舵状態であること)を判定して、上記式(1)においてω=0として得られる下記式(2)から適宜演算して求める技術が提案されている。
R=VM/IM …(2)
【0007】
しかしながら、上記従来のパワーステアリング装置では、上記公報にも示されているように、操舵角センサ等の回転検出手段によって回転数ωがゼロになっていることを判定するか、或いはモータの電流制御信号(電動機電流信号)が通常の操舵における最大値(最大目標電流信号)を越えている場合に回転数ωがゼロになっていると判定して、前記抵抗値Rを求める演算を実行する構成となっていた。
このため、以下のような問題があった。
即ち、操舵角センサ等の回転検出手段を用いる場合には、せっかく回転数ωを演算推定する構成であるにもかかわらず、回転センサレスの構成にならず、前述したような装置の高コスト化や車両への搭載性の悪化を招来する。さらにいえば、操舵角センサがあるのであれば、その出力を微分等すれば回転数ωの値が得られるのに、わざわざ抵抗値Rを求めてさらに回転数ωを推定演算する処理が無駄になっている。
【0008】
また、いずれの場合にも、回転数ωがゼロになる状態とならなければ、抵抗値Rの最新値が得られないため、抵抗値Rをその時点でより正しい値に補正又は更新登録する学習の頻度が十分高くできず、温度による抵抗値Rの変化を十分に反映させることができない欠点がある。なお、経年変化によるモータの抵抗値の変化は、一般に緩やかであるが、温度に起因する変化(或いは変動)は、比較的短時間でその変化量も大きい。そのため、特にこの温度に起因する抵抗値変化を十分に反映させるためには、より頻繁な抵抗値Rの学習が必要になるが、従来の構成では、このような頻繁な学習ができないか、或いは不十分であった。特に、電流制御信号が最大値を越えた場合に回転数ωがゼロであると判定する構成では、回転数ωが実際にゼロとなっている状態を毎回判定できず、通常ではめったに行われないような特殊な操作(即ち、前記公報にも記載されているようにラックエンドで保舵しているような操作)が行われて回転数ωがゼロになったときに初めて、抵抗値Rの推定演算に基づく抵抗値Rの学習が実現されるから、学習頻度が極めて低く不十分であり、特に温度変化に起因する抵抗値Rの変化の影響を回転数ωの推定演算に反映することは、実際にはほとんど不可能となる。
したがって総括すると、従来では、回転センサレスの構成で、常に変化又は変動する抵抗値Rのデータを適正に確保して、このデータに基づき十分正確に回転数ωの推定演算を実行し、さらにこの回転数ωの推定値に基づいて回転数を利用した制御(特に電流制限制御)を的確に実行することができなかった。
そこで本発明は、回転センサレスの構成で、抵抗値Rのデータを適正に確保しつつ、このデータに基づき十分正確に回転数ωの推定演算を実行し、回転数ωを使用した制御(少なくとも、電流制限制御)を的確に実現するための、優れた機能を備えた電動パワーステアリング制御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願第1の発明による電動パワーステアリング制御装置は、車両の操舵系に連結されて操舵補助トルクを発生させるためのアシストモータを制御する制御ユニットと、前記操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段とを有し、前記制御ユニットが、少なくとも前記操舵トルク検出手段による操舵トルク検出値を含むパラメータに基づいて、前記アシストモータを制御する電動パワーステアリング制御装置であって、
前記制御ユニットが、
前記アシストモータへの印加電圧を検出するモータ電圧検出手段と、
前記アシストモータに流れる電流を検出するモータ電流検出手段と、
前記アシストモータの抵抗値を記憶する抵抗値記憶手段と、
前記モータ電圧検出手段及びモータ電流検出手段により検出されている電圧及び電流、並びに前記モータ抵抗値記憶手段に記憶されている最新の抵抗値から前記アシストモータの回転数を推定演算する回転数演算手段と、
少なくとも、前記操舵トルク検出値の変動量が既定値以下であり、かつ、前記回転数演算手段により推定演算される回転数の変動量が既定値以下になったことを条件として、保舵状態であると判断する操舵状態判定手段と、
少なくとも、前記操舵状態判定手段によって保舵状態であることが判断されていることを条件として、前記モータ電圧検出手段及びモータ電流検出手段により検出されている電圧及び電流から、前記回転数がゼロであるとして前記アシストモータの抵抗値を推定演算するモータ抵抗値演算手段と、
このモータ抵抗値演算手段によって求められた抵抗値を、新たな抵抗値として前記抵抗値記憶手段に登録する抵抗値記憶処理手段と、
少なくとも、前記操舵状態判定手段によって保舵状態であることが判断されていることを条件として、前記アシストモータに流れる電流を制限する電流制限手段とを備えたものである。
【0010】
なおここで、「抵抗値記憶手段」、「回転数演算手段」、「操舵状態判定手段」、「モータ抵抗値演算手段」、「抵抗値記憶処理手段」、及び「電流制限手段」は、例えばマイコンを含む回路とそのROM等に登録されたプログラムにより実現される。なお、上記「制御ユニット」は、例えば、モータを制御するためのモータ駆動手段(例えば前述したHブリッジ回路)と、このモータ駆動手段に所定の制御信号(例えば、電流制御信号)を出力してモータの作動状態(例えば、電流の大きさや方向)を制御するモータ制御手段(例えばマイコンを含む回路)とを備えているが、上記「回転数演算手段」等が、このモータ制御手段と同一の回路(共通のCPU)によって実現されていてもよい。
また、「モータ電圧検出手段」は、例えば、前述したHブリッジ回路におけるモータ接続端子間の電位差をモータ電圧値として検出する回路である。
また、「モータ電流検出手段」は、例えば、前述したHブリッジ回路の電源ライン上に接続されたシャント抵抗の両端子間の電位差をモータ電流値として検出する回路である。
【0011】
また、回転数演算手段による回転数の推定演算は、例えば周期的に行えばよい(後述する他の発明でも同様)。
また、モータ抵抗値演算手段による上記抵抗値の推定演算は、操舵状態判定手段によって保舵状態であることが判断されたときに毎回行う必要は、必ずしもない。
また、モータ抵抗値演算手段による推定演算は、前述した式(2)によるものである。
また、抵抗値記憶処理手段による抵抗値の更新登録は、モータ抵抗値演算手段による上記抵抗値の推定演算が実行されたときに無条件に実行するものでもよいし、例えば、推定演算された最新の抵抗値と抵抗値記憶手段の記憶値の差が規定の許容値を越えている場合にのみ実行するようにしてもよい(後述する発明でも同様)。
また、モータ抵抗値演算手段によって求められた抵抗値の抵抗値記憶処理手段による登録は、以前の抵抗値を消去して同じエリアに行う更新登録でもよいし、以前の抵抗値を残したまま別のエリアに登録するものでもよい(後述する発明でも同様)。
また、回転数の推定演算に使用する「最新の抵抗値」とは、登録された抵抗値が複数ある場合には、そのうちの最新のものであり、抵抗値の更新登録が未だ一度も行われていない場合には、初期値として登録された抵抗値(最初の基準値)である(後述する発明でも同様)。
【0012】
この発明によれば、操舵状態判定手段が、操舵トルク検出値の変動量が既定値以下(例えばゼロ又はその近傍の値以下)であり、かつ、モータの回転数推定値の変動量が既定値以下(例えばゼロ又はその近傍の値以下)になったことを条件として、保舵状態であると判断する。即ち、トルク変動量と回転数変動量が小さい状態を、保舵判断の条件としている。このような状態は、回転数ωがゼロの状態(保舵状態)しかほとんどあり得ないので(トルク変動量と回転数変動量を小さく維持しつつハンドルを回転させることは困難であるため)、相当の精度で保舵状態が判断でき、しかも、必ずしもハンドル端当て操作状態のような特殊な状態に限られず、回転数ωが実際にゼロの状態が広く判定できる。
このため、回転センサレスの構成でありながら、上記保舵状態の判断に基づいて行われるモータ抵抗値演算手段による抵抗値の演算推定の頻度(即ち、温度変化及び経年変化を含めた最新の抵抗値の学習頻度)を、従来よりも格段に高めることができ、装置の高コスト化や車両搭載性の悪化を招来することなく、上記回転数演算手段による回転数の推定演算の精度及び信頼性を向上させ、ひいてはこの回転数の推定値を用いたモータの制御(特に、モータの電流制限制御)の的確性や実効性を格段に向上させることができる。
なおこの場合、回転センサが全く不要な構成となるので、もちろんそのための配線(制御ユニットと回転センサ間の信号線等)も不要となる。また、上記回転数演算手段による回転数の推定演算に使用する電圧や電流としては、例えば前述したような制御ユニット内の回路によって実現された前記モータ電圧検出手段及びモータ電流検出手段により検出されたものが使用されるため、この電圧や電流を検出するセンサやそのための配線を制御ユニット外に設ける必要もない。したがって、制御ユニット外のセンサ数や配線数が格段に低減された車両搭載性の高い安価な装置が実現できる。
【0013】
また、この発明の好ましい一態様は、前記操舵状態判定手段が、保舵状態であると判断する条件として、前記モータ電流検出手段により検出されている電流が既定値以上であることをさらに付加したものである。
この場合、保舵状態の判断がより確実になる。というのは、モータの電流は、操舵トルクに応じて制御されるのが基本であるから、この場合、電流が相当量(既定値以上)あるということは、操舵トルクが相当量多くあるということである。そして、トルク変動量と回転数変動量を非常に小さく維持しつつ、相当量の操舵トルクでハンドルを回転させることは非常に困難であるから、トルク変動量と回転数変動量が非常に小さく、かつ操舵トルクが相当量あるということは、保舵状態以外にまずあり得ない。このため、保舵状態の判断がより確実になる。
ちなみに、アイスバーンなどの抵抗の極端に少ない路面上にタイヤがある場合には、トルク変動量と回転数変動量を小さく維持しつつハンドルを回転させることは可能であるが、このような状況でも、さらに操舵トルクを相当量に保ちつつハンドルを回転させることができないから、このような特殊な状況であっても、本態様であれば、誤った保舵判断(実際には、回転数がゼロでないのに保舵状態と判断してしまうこと)がなされてしまう可能性が極めて少ない。
【0014】
なお、本態様における「既定値」(上述した保段判断のための電流のしきい値)は、上述したような作用効果をより高度に達成するためには、なるべく大きな値に設定することが好ましいが、あまりこの値を大きく設定すると、保舵判断の頻度(即ち、最新の抵抗値の学習頻度)が低下する傾向にあるため、そのバランスを考慮して上記「既定値」を設定すべきである。少なくとも、従来のようにモータの最大電流値以上とすることは、避けなければならない。
但し、後述するように、モータ温度による抵抗値の補正(温度補正)を行う態様の場合には、上述した学習頻度の低下の問題は考慮する必要はなく、上記「既定値」は大きな値とすることが好ましい(この場合には、最大電流値としてもよい)。というのは、後述の温度補正がなされれば、温度変化に対する学習を行う必要がなくなり、モータ電流値の初期的なばらつき(製品毎のばらつき)や長時間をかけて徐々に変化する経年変化の影響を反映させるためにのみ、最新の抵抗値の推定演算を実行すればよいからである。
【0015】
また、この発明の好ましい他の態様は、前記モータ抵抗値演算手段が、前記推定演算を実行する条件として、前記操舵状態判定手段が、保舵状態であることを判断している時間が規定時間を越えたことをさらに付加したものである。
この場合、抵抗値の推定演算の精度がさらに高まる。実際には保舵状態でないのに瞬間的に前述した保段判断の条件が成立して、抵抗値の推定演算が実行されてしまう可能性がなくなるからである。
【0016】
また、本願第2の発明は、前記第1の発明と同様の電動パワーステアリング制御装置であって、
前記制御ユニットが、
前記アシストモータに流れる電流を制御するためのモータ駆動手段と
前記アシストモータへの印加電圧を検出するモータ電圧検出手段と、
前記電流を検出するモータ電流検出手段と、
前記アシストモータの抵抗値を記憶する抵抗値記憶手段と、
前記モータ電圧検出手段及びモータ電流検出手段により検出されている電圧及び電流、並びに前記モータ抵抗値記憶手段に記憶されている最新の抵抗値から前記回転数を推定演算する回転数演算手段と
少なくとも、前記操舵トルク検出値の変動量が既定値以下であり、かつ、前記回転数演算手段により推定演算される回転数の変動量が既定値以下であることを条件として、安定操舵状態であること、さらには保舵状態であることを判断する操舵状態判定手段と、
少なくとも、前記操舵状態判定手段によって安定操舵状態であることが判断されており、かつ、前記モータ電流検出手段により検出されている電流がゼロでないこと(即ち、後述する式(3)による演算が可能となるような電流値が存在していること)を条件として、前記電流の大きさが低下する方向に前記モータ駆動手段の制御信号を一時的かつ強制的に変化させる電流低減制御手段と、
この電流低減制御手段による前記制御信号の変化の開始前後における、前記モータ電圧検出手段及びモータ電流検出手段により検出されている電圧及び電流から、前記回転数の変化がゼロであるとして前記アシストモータの抵抗値を推定演算するモータ抵抗値演算手段と、
このモータ抵抗値演算手段によって求められた抵抗値を、新たな抵抗値として前記抵抗値記憶手段に登録する抵抗値記憶処理手段と、
少なくとも、前記操舵状態判定手段によって保舵状態であることが判断されていることを条件として、前記アシストモータに流れる電流を制限する電流制限手段とを備えたものである。
【0017】
なおここで、「抵抗値記憶手段」、「回転数演算手段」、「操舵状態判定手段」、「電流低減制御手段」、「モータ抵抗値演算手段」、「抵抗値記憶処理手段」、及び「電流制限手段」は、例えばマイコンを含む回路とそのROM等に登録されたプログラムにより実現され、やはり、前述したモータ制御手段と同一の回路によって実現されていてもよい。
また、「モータ駆動手段」は、例えば前述したHブリッジ回路である。
また、「安定操舵状態」とは、急激な操舵がなされていない状態(回転数の変化がほぼゼロの状態)であり、保舵状態(回転数がゼロ)と、ゆっくりした操舵状態(回転数がほぼ一定の状態)とを含む。この第2の発明における抵抗値演算手段における抵抗値の推定演算は、回転数がゼロであることを必ずしも前提とせず、回転数の変化(角加速度)がゼロ(厳密には、所定の誤差範囲内でほぼゼロであればよい)であることを前提とするものであるからである。
また、同様の理由から、本発明の「操舵状態判定手段」は、抵抗値推定演算の前提条件である安定操舵状態と、電流制限制御の前提条件である保舵状態とを、例えば別個に判定するものである。そして、安定操舵状態を判定するためのトルク変動量やモータ回転数変動量に対するしきい値としての「既定値」は、必ずしもゼロ近傍である必要性はなく、保舵状態の判断のための「既定値」とは別個の比較的大きな値に設定してもよい。但し、抵抗値推定演算の前提条件である安定操舵状態を保舵状態のみに限定的にとらえて、単一の「既定値」で実質的に保舵状態のみを判定するような態様も含まれる。
【0018】
また、モータ抵抗値演算手段による上記抵抗値の推定演算は、操舵状態判定手段によって安定操舵状態であることが判断されたときに毎回行う必要は、必ずしもない。
また、モータ抵抗値演算手段による抵抗値Rの推定演算は、具体的には下記式(3)により行う。
R=(VM0−VM1)/(IM0−IM1) …(3)
ここで、VM0,IM0は、電流低減制御手段による電流変化開始直前(制御信号変化開始直前)の電圧と電流であり、VM1,IM1は、電流低減制御手段による電流変化開始直後(制御信号変化開始直後)の電圧と電流である。また、上記式(3)は、電流変化の開始直前直後における各電圧と電流から前述の式(1)でそれぞれ求められる回転数(又は誘起電圧)が等しいとして導かれるものである。
また、電流低減制御手段による電流変化(制御信号変化)の幅は、上記式(3)が成立する限りにおいて、必ずしも限定されるものではないが、操舵上の違和感の発生と上記推定演算の精度を考慮して設定すべきである。というのは、電流変化の幅が大きすぎると、一時的であるにせよ、操舵補助トルクが急低下して操舵トルクが急増するので、操作者が操舵上の違和感(操舵違和感)を感じる恐れが高くなる。また一方、電流変化の幅が小さすぎると、上記式(3)による抵抗値の推定演算の精度が劣化する恐れがある。そこで、このようなバランスを考慮して、上記電流変化の幅を設定すべきである。具体的には、例えばモータのその時点の電流が50〜60Aの場合、減少幅を10〜20A程度(即ち、20〜30%程度)に設定すればよい。
【0019】
この発明によれば、操舵状態判定手段が前述したような安定操舵状態(保舵状態に限定してもよい)を判定したことを条件に、電流低減制御手段による強制的な電流変化(以下、電流低減制御という)が一時的に実行され、この強制的な電流変化の開始前後における電圧及び電流から抵抗値が推定演算される。すなわち、必ずしも保舵状態に限定されないより広い条件で、抵抗値が精度よく推定演算される。
このため、回転センサレスの構成でありながら、モータ抵抗値演算手段による抵抗値の演算推定の頻度(即ち、温度変化及び経年変化を含めた最新の抵抗値の学習頻度)を、さらに格段に高めることができ、装置の高コスト化や車両搭載性の悪化を招来することなく、上記回転数演算手段による回転数の推定演算の精度及び信頼性を向上させ、ひいてはこの回転数の推定値を用いたモータの制御(特に、電流制限制御)の的確性や実効性を格段に向上させることができる。
なおこの場合も、回転センサが全く不要な構成となって、そのための配線も不要となり、電圧や電流を検出するセンサやそのための配線を制御ユニット外に設ける必要もないのは、前記第1の発明と同様である。
【0020】
なお、この発明の好ましい一態様は、前記電流低減制御手段が前記制御信号を変化させる変化量を、操舵違和感を生じない範囲に制限したものである。この場合、前述したような操舵違和感発生の恐れがなくなる利点がある。
また、この発明の好ましい他の態様としては、前記電流低減制御手段が前記制御信号を変化させる変化量を、前記モータ電流検出手段により検出されている電流に基づいてその都度設定する構成でもよい。
このようにすると、電流の変化幅を常に最適値に維持することが可能となり、抵抗値の推定演算の精度を高く維持しつつ、操舵違和感の発生を確実に回避又は抑制できる。というのは、操舵違和感は、人間の感覚としてその時点の電流(即ち、操舵トルク)が大きいほど感じ易くなるため、操舵違和感を確実に回避又は抑制するためには、その時点の電流が大きい程、上記電流の変化幅の割合をより少なくする必要がある。一方、抵抗値の推定演算の精度を高く保持するためには、その時点の電流が小さい程、上記電流の変化幅の割合を大きくして、変化幅の絶対値を十分に確保する必要がある。即ち、電流の変化幅の最適値は、その時点の電流に対して常に一定割合ではない。そこで、例えば、その時点の電流の大きさに逆比例した割合で電流の変化幅を決定してやれば、より好ましい最適な変化幅に維持されることになる。
【0021】
また、この発明の好ましい態様は、前記電流低減制御手段が前記制御信号を変化させる回数を制御ユニットの起動毎に制限する構成である。
この構成によれば、操舵違和感の可能性発生の弊害を必要最小限に抑制できる利点がある。即ち、この第2の発明の場合には、前述したように発生頻度の高い安定操舵状態になったことをきっかけとして電流の変化(前述した電流低減制御)が行われるので、場合によっては、過度にこの電流低減制御がなされて、操舵違和感発生の機会を不必要に増加させてしまう恐れがある。しかしこのように、電流低減制御の頻度が制御ユニットの起動毎に制限されれば、このような操舵違和感発生の機会の不必要な増加を抑制できる。なお、通常この種の装置の制御ユニットは、車両のイグニションスイッチのオン操作により起動されるため、このような制限を設けても、少なくとも抵抗値の経年変化の影響を反映させるための定期的な抵抗値の学習が可能となる。
また、この発明の好ましい他の態様は、前記電流低減制御手段が前記制御信号を変化させる規定時間当たりの頻度を既定値以下に制限したものである。
この構成によっても、同様に、操舵違和感発生の可能性を必要最小限に抑制できる利点がある。
【0022】
また、前記第1の発明と第2の発明の好ましい態様は、前記アシストモータの温度検出値又は温度推定値を出力するモータ温度出力手段と、
前記モータ温度出力手段から出力されている温度検出値又は温度推定値より、予め設定された温度特性に基づいて、前記抵抗値記憶手段に記憶されている抵抗値を必要に応じて補正して、補正後の抵抗値を前記抵抗値記憶手段に登録するモータ抵抗値補正手段とを、さらに備えたものである。
【0023】
ここで、「モータ温度出力手段」は、例えば、モータに付設された温度センサからの検出信号を受信し、必要に応じて検出信号の増幅などを行ってモータ温度を示す信号(温度検出値)を出力する回路である。或いは、この「モータ温度出力手段」は、例えば特開平4−71379号公報に示されているような公知の方法で、例えば上記モータ電流検出手段により検出された電流値からモータの温度を推定演算し、その演算結果(温度推定値)を出力する手段である
また、「抵抗値を必要に応じて補正して」とは、記憶されている抵抗値が、その時点の温度検出値又は温度推定値からして適正範囲なものと判断される場合には、上記モータ抵抗値補正手段が上記補正を必ずしも実行しなくてもよいことを意味する。
また、モータ抵抗値補正手段による補正については、例えば周期的に行って逐次補正後の抵抗値(少なくとも最新のもの)を登録(記憶)している態様でもよいが、回転数演算手段による回転数の推定演算を実行する際に(つまり、必要なときのみ)、その演算に先だって行うようにしてもよい。
【0024】
また、補正後の抵抗値の前記抵抗値記憶手段への登録は、補正前の抵抗値を消去して同じエリアに行う更新登録でもよいし、補正前の抵抗値を例えば補正用の基準値として残したまま別のエリアに登録するものでもよい。また、この補正後の抵抗値の登録は、必ずしも不揮発性メモリへの登録でなくてよく、基準値としての抵抗値が残されていれば、回転数の推定演算で使用するために一時的に行う記憶でもよい。
また、補正前の抵抗値を消去して補正後の抵抗値を登録する態様の場合には、その補正に使用したモータ温度のデータが補正後の抵抗値のデータと対応付けられて把握された状態にしておく必要がある。その抵抗値がモータ温度何度に対応するものか不明であると、温度特性線図上での位置が定まらずその後の温度補正ができないからである。なおこのことは、抵抗値記憶手段に最初に登録する基準となる抵抗値(初期値)についても同様である。
【0025】
この構成によれば、前述した各種の効果に加えて、次のような優れた効果が得られる。即ち、温度変化に起因する抵抗値の変動に対しては、上記モータ抵抗値補正手段によって、抵抗値を常に適正な値に維持できるため、前述した第1又は第2の発明における抵抗値の推定演算に基づく最新の抵抗値の学習は、他の要因による抵抗値の変化(経年変化や初期的なばらつきによる変化)のみに対処するために実施すればよい(即ち、学習頻度が極端に低くても問題ない)。このため、第1の発明においては、前述した保舵判断の条件における既定値をより厳しい値に設定して、保舵判断を極めて信頼性の高いものとし、ひいては抵抗値の推定演算の精度(さらには、回転数推定演算の精度)を極めて高くすることができる。また、第2の発明においては、電流低減制御の頻度を極端に制限して、電流の変化による操舵違和感の発生の可能性(或いはその頻度)を著しく減少させることができる。
【0026】
また、本願第3の発明は、前記第1の発明と同様の電動パワーステアリング制御装置であって、
前記制御ユニットが、
前記アシストモータへの印加電圧を検出するモータ電圧検出手段と、
前記アシストモータに流れる電流を検出するモータ電流検出手段と、
前記アシストモータの抵抗値を記憶する抵抗値記憶手段と、
前記アシストモータの温度検出値又は温度推定値を出力するモータ温度出力手段と、
前記モータ温度出力手段から出力されている温度検出値又は温度推定値により、予め設定された温度特性に基づいて、前記抵抗値記憶手段に記憶されている抵抗値を必要に応じて補正して、補正後の抵抗値を前記抵抗値記憶手段に登録するモータ抵抗値補正手段と、
前記モータ電圧検出手段及びモータ電流検出手段により検出されている電圧及び電流、並びに前記モータ抵抗値記憶手段に記憶されている最新の抵抗値から前記アシストモータの回転数を推定演算する回転数演算手段と、
少なくとも、前記操舵トルク検出値の変動量が既定値以下であり、かつ、前記回転数演算手段により推定演算される回転数の変動量が既定値以下になったことを条件として、保舵状態であることを判断する操舵状態判定手段と、
少なくとも、前記操舵状態判定手段によって保舵状態であることが判断されていることを条件として、前記アシストモータに流れる電流を制限する電流制限手段とを備えたものである。
即ち、この第3の発明の装置は、モータ抵抗値の操舵状態に応じた学習は行わず、温度補正のみを行うものである。
【0027】
なお、モータ抵抗値補正手段による抵抗値の温度補正が、常に基準となる抵抗値(温度補正の基準値)を記憶保持しつつ、この基準値をその時点の温度で補正して適正な抵抗値を演算する態様の場合(後述する第3形態例のような場合)には、上記モータ抵抗値演算手段の推定演算により得られた新たな抵抗値は、必要に応じて温度換算(基準温度の場合の抵抗値への変換)を行い、この換算後のデータを基準となる抵抗値として登録する必要がある。
この発明によれば、モータ抵抗値補正手段が上記補正を例えば一定周期で随時行う構成とすることによって、回転センサレスの構成であっても、温度変化に起因するモータ抵抗値の変化や変動に対する学習を十分な頻度で行うことができるから、装置の高コスト化や車両搭載性の悪化を招来することなく、上記回転数演算手段による回転数の推定演算の精度及び信頼性を向上させ、ひいてはこの回転数の推定値を用いたモータの制御(特に、電流制限制御)の的確性や実効性を格段に向上させることができる。
【0028】
なお、本願各発明における「電流制限手段」は、少なくとも、前記操舵状態判定手段によって保舵状態であることが判断されていることを条件として、モータ電流を制限するものである。しかし、この電流制限手段が電流制限を実行する条件として、検出されている電流が既定値以上であること、又は/及び、検出されている操舵トルクが既定値以上であること、をさらに付加してもよい。モータ電流や操舵トルクが相当大きいことを条件に付加すれば、単なる保舵状態でなく、ロックエンド保舵状態(ロックエンドでの保舵状態)に的を絞って電流制限制御が効果的に実行できるからである。なお、ここでいう電流の「既定値」は、保舵状態を判断するための前述の「既定値」よりも大きな値である。
また、前記電流制限手段は、電流制限を実行する条件が成立したときに、即座に電流制限制御(モータ電流を100%未満に制限する制御)を実行してもよいが、この条件が成立している時間が規定時間以上になったときに、電流制限制御を実行する態様でもよい。この場合、電流制限制御がより的確になされる。実際には電流制限制御すべきでないのに瞬間的に上記条件が成立して、電流制限制御が不適当なときに実行されてしまう可能性がなくなるからである。
また、前記電流制限手段による電流制限制御は、例えばモータ電流の上限値を一定幅だけ減らすものであってもよいが、上記条件が成立している時間の経過に応じて、モータ電流の上限値を連続的又は段階的に減少させるものであってもよい。この場合、急激な電流制限が即座に実行される場合の問題点(まんがいち、電流制限制御すべきでない時期に電流制限が急激になされて、操舵違和感が生じたりする恐れ)が解消される。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。
(第1形態例)
まず、前述した第1の発明に対応する一形態例である電動パワーステアリング装置を説明する。図1は、本形態例の装置(主に制御ユニットの構成及び機能)を示す機能ブロック図である。
本装置は、車両の操舵系に連結されて操舵補助トルクを発生するアシストモータ1(以下、場合により単にモータ1という)と、このモータ1を図示省略した駆動回路(モータ駆動手段)を介して制御する制御回路2とを備える。
ここで、駆動回路は、前述したHブリッジ回路よりなるもので、Hブリッジ回路を構成する4個のFET(図示省略)は制御回路2から出力されるPWM駆動信号を含む駆動信号(本発明の制御信号に相当)によって動作する。
【0030】
制御回路2は、具体的にはマイコンを含む回路よりなる処理手段であり、図1に示すように、指令値作成部3、電流制御部4、モータ回転推定演算部5、モータ抵抗学習部7と、ローパスフィルタ部8、差分演算部9,10、操舵状態判定部11、電流リミッタ12、及びリミッタ計算部13を、処理機能として有する。
ここで、モータ回転推定演算部5は、本発明の回転数演算手段に相当している。また、モータ抵抗学習部7は、本発明のモータ抵抗値演算手段(場合によっては、さらにモータ抵抗値補正手段)と抵抗値記憶処理手段を構成し、ローパスフィルタ部8、差分演算部9,10、及び操舵状態判定部11は、操舵状態判定手段を構成する。また、制御回路2や上述の駆動回路は、ユニットケース内の基板上に形成されており、全体として制御ユニットを構成している。また、本発明の抵抗値記憶手段は、例えば制御回路2を構成するマイコンのROM又はRAM等(図示省略)によって構成されており、この抵抗値記憶手段の所定エリアには、基準の抵抗値R0が予め登録される。
また、図示省略しているが、制御ユニット内の基板上には、本発明のモータ電流検出手段やモータ電圧検出手段に相当する電流検出回路又は電圧検出回路と、場合によっては、モータ温度出力手段に相当するモータ温度出力回路が形成されている。
【0031】
指令値作成部3は、車両の操舵系の操舵トルクを検出する図示省略したトルクセンサ(操舵トルク検出手段)からの操舵トルク検出値の信号(トルク信号)を含むパラメータから、基本的に操舵トルクの方向及び大きさに応じた電流指令値を演算し出力する。なおこの場合、指令値作成部3には、電流指令値を決定するパラメータとして図示省略した車速センサの出力(即ち、車速の信号)や、モータ回転推定演算部5から出力される回転数ωのデータ(即ちハンドル角速度と等価な信号)も入力されており、これらの信号によって電流指令値が適宜変化することで、一律に操舵トルクに応じたものでなく、状況に応じたより好ましい操舵補助トルクを発生させる構成となっている。即ち、車速が比較的小さいときには操舵補助トルクを比較的大きな値に設定したり、或いは、前述したようにハンドル角速度の負帰還処理を行うことによって、ハンドル角速度に応じて操舵補助トルクが減少するように(或いは逆方向の操舵補助トルクとなるように)、電流指令値を変化させる処理などが行われる。
【0032】
電流制御部4では、電流指令値と実際のモータ電流値(前記電流検出回路の出力)から、PWM駆動信号のデューティ比を含む電流制御信号の内容を決定し、さらにそれをFET駆動用の信号に変換して出力する。例えば、電流指令値が左方向の電流を指令するものであれば、左方向側のFETに対するPWM駆動信号を含む所定の駆動信号を出力することを決定し、そのPWM駆動信号のデューティ比は、例えば電流指令値の大きさを実際のモータ電流値(即ち、フィードバック値)の大きさとの差(即ち、偏差)に応じて修正した値とする。つまり、フィードバック制御(PD制御等)によって、実際の電流値の大きさと方向が電流指令値の大きさと方向に追従するように、制御信号の内容を決定する。
【0033】
モータ回転推定演算部5では、前記電圧検出回路及び電流検出回路により検出されている電圧及び電流、並びに抵抗値記憶手段に記憶されている最新の抵抗値R(これが未登録の場合には、基準の抵抗値R0)から回転数ωを、前述の式(1)により推定演算する。
モータ抵抗学習部7では、操舵状態判定部11によって保舵状態であることが規定時間以上継続して判断されていることを条件として、前記電圧検出回路及び電流検出回路により検出されている電圧及び電流から、回転数ωがゼロであるとして、前記式(2)によって抵抗値Rを推定演算する。そして例えば、この抵抗値Rを抵抗値記憶手段の所定エリアに更新登録する(古い抵抗値Rを消去して登録する)。
【0034】
なお、モータ温度センサを設けて抵抗値の温度補正を行う場合には、モータ抵抗学習部7は、そのための機能をも有する。即ち、モータ抵抗学習部7では、前記モータ温度出力回路から出力されている温度検出値により、予め設定された温度特性に基づいて、抵抗値記憶手段に記憶されている抵抗値R(これが未登録の場合には、基準の抵抗値R0)を必要に応じて補正して、補正後の抵抗値を最新の抵抗値Rとして抵抗値記憶手段に登録する。なお、基準の抵抗値R0としては、基準温度(例えば20℃)時におけるモータ1の標準的な抵抗値(設計値又は出荷試験における測定値等)が予め登録されている。そして温度特性としては、例えば図2(b)に示すような、上記基準の抵抗値R0に対する温度補正用の補正係数Kと、モータ温度tとの関係が、データテーブル或いは関数(数式)として与えられ、予め前述のROM等に登録されている。したがって、この場合具体的にここで行われる補正処理は、例えば、まず補正前の抵抗値R1の対応温度T1と、その時点の温度T2を読み取り、それらに対する補正係数K1,K2を上記データテーブル又は関数から求め、次いで、求めた係数K1,K2から補正後の抵抗値R2(=R1・(K2/K1))を得る。そして例えば、この抵抗値R2を前述した抵抗値記憶手段の所定エリアに更新登録する(古い抵抗値R1を消去して登録する)ものである。
なお、前述の推定演算或いは上記補正演算で得られた抵抗値が、以前に登録されている抵抗値と同じか、或いはその差が許容誤差範囲内に有る場合には、この更新登録を行わない構成でもよい。また、古い抵抗値は必ずしも消去する必要はない。また、補正係数Kのデータは、モータコイルを構成する材料(例えば銅)の物性として容易に得られる。
また、上記補正演算の実行周期は、制御回路2を構成するマイコンの処理能力の範囲内で自由に設定可能であり、少なくとも従来の抵抗値推定演算よりも遙かに高い頻度で実行可能であることはいうまでもない。
【0035】
ローパスフィルタ部8では、入力の高周波成分を除去するローパスフィルタ(LPF)としての処理を行い、トルク信号からノイズ等の影響を除去する。なお、このローパスフィルタ部8は、マイコンの処理として実現できるが、ハード(フィルタ回路)として構成することも容易であることはいうまでもない(差分演算部9,10などの他の要素も同様である)。
差分演算部9,10は、トルク信号T(ローパスフィルタ部8の出力)や、回転数ω(モータ回転推定演算部5の出力)の差分ΔT又はΔω(即ち、微分値)を演算して、操舵状態判定部11へ出力する要素である。なお、差分ΔT又はΔωは、例えば一定のサンプリング周期毎に読み取られるトルク信号Tや回転数ωの値の、最後に読み取られた値と、前回読み取られた値との差である。
操舵状態判定部11は、差分ΔT及びΔωが既定値以下(ゼロ又はその近傍)であり、かつ、電流IMが既定値以上であれば、保舵状態であると判定してその信号を出力する(或いは、その情報を設定する)ものである。
【0036】
次に、電流リミッタ12及びリミッタ計算部13は、本発明の電流制限手段を構成している。
このうちリミッタ計算部13は、電流制限制御の実行条件を例えば周期的に判断し、実行条件が成立したときには、モータ電流の制限値を決定して電流リミッタ12に対して設定するものである。電流制限制御の実行条件は、少なくとも保舵状態判定部11によって保舵状態が判定されていることであり、場合によっては、モータ電流(検出値)が既定値以上であること、又は/及び、操舵トルク(例えばLPF8の出力)が既定値以上であることが付加される。このような実行条件が成立すると、リミッタ計算部13は、この実行条件が成立し続けている経過時間tをカウントし、図2(a)に示すように予め設定されたデータテーブル又は関数から、電流制限の制限値(図2(a)の場合、単位は%)を求め、電流リミッタ12に対して設定する。なお、図2(a)において制限値が100%というのは、電流制限なしの意味である。
一方、電流リミッタ12は、指令値作成部3からの電流指令値と、リミッタ計算部13によって設定されている制限値の大きさを比較し、小さい方を最終的な電流指令値として電流制御部4に出力するものである。これにより、電流指令値は、設定されている制限値以下に制限される。
【0037】
なお、前述したモータ抵抗値の学習機能(温度補正除く)を実際に実現するための制御回路2の動作(マイコンの処理内容)は、例えば図3に示すような一連の処理を周期的に繰り返すものとすればよい。
即ち、まずステップS11で、トルク信号Tを読み出し、次いでステップS12で、このトルク信号Tのローパスフィルタ処理を行う。
次に、ステップS13では、ローパスフィルタ処理後のトルク信号Tであって前回の記憶値(1シーケンス前にステップS12で得られたトルク信号Tの値)から、今回得られた最新の値(直前に実行されたステップS12で得られたトルク信号Tの値)を減算して、差分ΔTを求める。
次に、ステップS14では、ステップS13で求めた差分ΔTが既定値以下か否か(この場合ゼロか否か)判定し、ゼロであればステップS5に進み、そうでなければ1シーケンスの処理を終了する。
そして、ステップS15では、モータ回転推定演算部5で求められている最新の回転数ω、及び1シーケンス前のこのステップで読み込まれた回転数ωの記憶値を読み出し、次のステップS16で、この記憶値から最新の回転数ωの値を減算して差分Δωを求める。
次に、ステップS17では、差分Δωが既定値(ゼロ又はその近傍値)以下であるか否か判定し、既定値以下であればステップS18に進み、そうでなければ1シーケンスの処理を終了する。
【0038】
次いで、ステップS18では、その時点の前記電流検出回路の出力値(即ち電流IMの検出値)を読み取る。
次に、ステップS19では、ステップS18で読み取った電流IMが既定値(例えばモータ1の定格電流の50%)以上か否か判定し、既定値以上であれば保舵状態であるとしてステップS20に進み、そうでなければ1シーケンスの処理を終了する。
そして、ステップS20では、ステップS19の判定が連続して肯定的になっている状態(即ち、保舵状態であると連続して判断されている状態)の経過時間を計測するための処理(所定のタイマの計時動作を開始させたり、カウントアップしたりする処理)を実行する。
次に、ステップS21では、ステップS20の処理で計測されている経過時間が既定値(例えば1秒程度)以上となったか否か判定し、既定値以上であればステップS22に進み、そうでなければ1シーケンスの処理を終了する。
そして、ステップS22では、その時点の前記電圧検出回路の出力値(即ち電圧VMの検出値)を読み取る。
次いで、ステップS23では、ステップS18で読み込んだ電流IMと、ステップS22で読み込んだ電圧VMから、前述の式(2)の演算を行って抵抗値Rを求め、最新の抵抗値Rとして例えばマイコンのRAMの所定のメモリエリアに登録する。そして、このステップS23を経ると1シーケンスの処理を終了する。
【0039】
以上説明した装置によれば、操舵状態判定部11等の機能(ステップS11〜S19の処理で実現される機能)によって、操舵トルク検出値の変動量(差分ΔT)が既定値以下であり、かつ、モータ1の回転数変動量(この場合、回転数ωの差分Δω)が既定値以下になったこと、さらには検出されている電流IMが既定値以上であることを条件として、保舵状態であると判断する。このような状態は、回転数ωがゼロの状態(保舵状態)しかほとんどあり得ないので、相当の精度で保舵状態が判断でき、しかも、必ずしもハンドル端当て操作時のような特殊な状態に限られず、回転数ωが実際にゼロの状態が広く判定できる。
このため、回転センサレスの構成でありながら、上記保舵状態の判断に基づいて行われる抵抗値Rの演算推定(ステップS23の処理)の頻度(即ち、温度変化及び経年変化を含めた最新の抵抗値の学習頻度)を、従来よりも格段に高めることができ、装置の高コスト化や車両搭載性の悪化を招来することなく、上記モータ回転推定演算部5による回転数ωの推定演算の精度及び信頼性を向上させ、ひいてはこの回転数ωの推定値を用いたモータ1の制御(特に、電流リミッタ12等による電流制限制御)の的確性や実効性を格段に向上させることができる。
【0040】
特にこの形態例では、保舵状態であると判断する条件として、検出されている電流が既定値以上であることを付加しているので(ステップS19)、前述したように、保舵状態の判断がより確実になる。
また、この形態例では、抵抗値Rの推定演算を実行する条件として、保舵状態であることを判断している時間が規定時間を越えたことをさらに付加している(ステップS20,S21)から、前述したように、抵抗値の推定演算の精度がさらに高まり、ひいては、この抵抗値の推定値を用いた回転数の推定演算の精度がさらに向上し、さらにはこの回転数の推定値を用いたモータの制御がさらに的確なものとなる。また、温度補正を行う場合には、抵抗値の推定値の精度がさらに高まる。
なおこの場合、回転センサが全く不要な構成となるので、もちろんそのための配線(制御ユニットと回転センサ間の信号線等)も不要となる。また、回転数の推定演算に使用する電圧や電流としては、前述した制御ユニット内の検出回路により検出されたものが使用されるため、この電圧や電流を検出するセンサやそのための配線を制御ユニット外に設ける必要もない。したがって、制御ユニット外のセンサ数や配線数が格段に低減された車両搭載性の高い安価な装置が実現できる。
【0041】
また、前述した電流制限制御の実行条件として、検出されている電流が既定値以上であること、又は/及び、検出されている操舵トルクが既定値以上であることをさらに付加した場合には、単なる保舵状態でなく、ロックエンド保舵状態に的を絞って電流制限制御が効果的に実行できる。
また本形態例では、前記リミッタ計算部13の機能によって、電流制限の実行条件が成立したときに、即座に電流制限制御が実行されるのではなく、この条件が成立している時間が規定時間以上になったときにはじめて、電流制限制御が実行される(図2(a)参照)。このため、電流制限制御がより的確になされる。
また、本形態例の電流制限制御は、上記条件が成立している時間の経過に応じて、モータ電流の上限値を連続的に減少させるものである(図2(a)参照)。このため、急激な電流制限が即座に実行される場合の問題点(まんがいち、電流制限制御すべきでない時期に電流制限が急激になされて、操舵違和感が生じたりする恐れ)が解消される。
【0042】
(第2形態例)
次に、前述した第2の発明に対応する一形態例である電動パワーステアリング装置を説明する。図4は、本形態例の装置を示す機能ブロック図である。なお以下では、第1形態例(図1)と同様の要素には、同符号を付して重複する説明を省略する。
本装置は、第1形態例に対して、機能の異なるモータ抵抗学習部7aと操舵状態判定部11aを備え、さらに、出力低減演算部14及び出力間引部15が付加されたものである。
ここで、出力低減演算部14及び出力間引部15は、本発明の電流低減制御手段を構成している。
【0043】
この場合、モータ抵抗学習部7aでは、出力低減演算部14から間引き中(電流低減制御中)を示す信号(間引中信号)が入力されると、この間引中信号の立ち上がりの直前直後に検出されている電圧及び電流(VM0,IM0とVM1,IM1)から、回転数ωの変化がゼロであるとして前記式(3)により抵抗値Rを推定演算する。そして例えば、この抵抗値Rを前述した抵抗値記憶手段の所定エリアに更新登録する(古い抵抗値Rを消去して登録する)。
また、このモータ抵抗学習部7aは、場合によっては前述の温度補正を行う機能も有する。
【0044】
操舵状態判定部11aは、第1形態例の操舵状態判定部11と同様に、保舵状態を判定してその情報をリミッタ計算部13に出力する機能を有する。また、この操舵状態判定部11aは、差分ΔT及びΔωが既定値以下(ゼロ又はその近傍)であれば、安定操舵状態であると判定してその信号(操舵安定中信号)を出力低減演算部14に出力する(或いは、その情報を設定する)ものである。
出力低減演算部14では、操舵状態判定部11aによって安定操舵状態であることが判断されており、かつ、電流IMが既定値以上(少なくともゼロでない状態)であることを条件として、電流低減制御の電流変化量ΔIM(PWM駆動信号のデュティー比の間引量)を、その時点で検出されている電流IMに応じて決定し、間引量の信号を出力する。具体的には、図5(b)に示すように予め設定された関係(データテーブル又は関数式)から電流変化量ΔIMを決定し、さらに、電源電圧Vや抵抗値R(設計値等の理想的な抵抗値でもよい)から、その電流変化量ΔIMに相当するデュティー比の間引量(ΔIM/(V/R))を求めてその信号を出力する。なお、ここで決定される電流変化量ΔIMは、操舵違和感を生じない範囲に制限されている。
そして、出力間引部15では、出力低減演算部14から上記間引量の信号が出力されると、電流制御部4から出力されているPWM駆動信号のデュティー比をその間引量の信号分だけ一時的に(例えば、1msec程度の間)減衰させて前記駆動回路に出力する。また、出力間引部15は、出力低減演算部14から上記間引量の信号が出力されていない状態では、電流制御部4から出力されているPWM駆動信号を含む駆動信号を単にそのまま伝達する。この出力間引部15によって、上記間引量の信号に応じた減衰が実行されると、例えば図5(a)に示すように、電流IMが一時的に電流変化量ΔIMだけ減少する。
【0045】
なお、以上説明した機能(温度補正を除くモータ抵抗値の学習機能)を実際に実現するための制御回路2の動作(マイコンの処理内容)は、例えば図6に示すような一連の処理を周期的に繰り返すものとすればよい。
即ち、まずステップS31で、電流低減制御実行中か否か判定し、実行中であればステップS43に進み、そうでなければステップS32に進む。
そしてステップS32で、トルク信号Tを読み出し、次いでステップS33で、このトルク信号Tのローパスフィルタ処理を行う。
次に、ステップS34では、ローパスフィルタ処理後のトルク信号Tであって前回の記憶値(1シーケンス前にステップS33で得られたトルク信号Tの値)から、今回得られた最新の値(直前に実行されたステップS33で得られたトルク信号Tの値)を減算して、差分ΔTを求める。
次に、ステップS35では、ステップS34で求めた差分ΔTが既定値以下か否か(この場合ゼロか否か)判定し、ゼロであればステップS36に進み、そうでなければ1シーケンスの処理を終了する。
そして、ステップS36では、モータ回転推定演算部5で求められている最新の回転数ω、及び1シーケンス前のこのステップで読み込まれた回転数ωの記憶値を読み出し、次のステップS37で、この記憶値から最新の回転数ωの値を減算して差分Δωを求める。
次に、ステップS38では、差分Δωが既定値(ゼロ又はその近傍値)以下であるか否か判定し、既定値以下であればステップS39に進み、そうでなければ1シーケンスの処理を終了する。
【0046】
次いで、ステップS39では、その時点の前記電流検出回路及び電圧検出回路の出力値を、電流低減制御直前の電流IM0及び電圧VM0として読み取る。
次に、ステップS40では、ステップS39で読み取った電流IM0が既定値(例えばモータ1の定格電流の10%)以上か否か判定し、既定値以上であればステップS41に進み、そうでなければ1シーケンスの処理を終了する。
そして、ステップS41では、電流低減制御の電流変化量ΔIMを、図5(b)に示す関係から決定し、次のステップS42でその電流低減制御を開始する。
一方、ステップS43では、その時点の前記電流検出回路及び電圧検出回路の出力値を、電流低減制御開始直後の電流IM1及び電圧VM1として読み取る。
そして、ステップS44では、ステップS39とS43で読み込んだ電流と電圧(IM0,VM0とIM1,VM1)から、前述の式(3)の演算を行って抵抗値Rを求め、最新の抵抗値Rとして抵抗値記憶手段の所定のメモリエリアに登録する。
次いで、ステップS45では、ステップS42で開始した電流低減制御を停止する(電流低減制御を止める)。そして、このステップS45を経ると1シーケンスの処理を終了する。
【0047】
以上説明した装置によれば、操舵状態判定部11aが前述したような安定操舵状態を判定したことを条件に、電流低減できる程度のモータ電流が流れていることを確認した上で、強制的な電流変化(電流低減制御)が一時的に実行され、この強制的な電流変化の開始前後における電圧及び電流から抵抗値Rが推定演算される。すなわち、必ずしも保舵状態に限定されないより広い条件で、抵抗値Rが精度よく推定演算される。
このため、回転センサレスの構成でありながら、抵抗値の演算推定の頻度(即ち、温度変化及び経年変化を含めた最新の抵抗値の学習頻度)を、従来よりもさらに格段に高めることができ、装置の高コスト化や車両搭載性の悪化を招来することなく、回転数の推定演算の精度及び信頼性を向上させ、ひいてはこの回転数の推定値を用いたモータの制御(特に、前述した電流制限制御)の的確性や実効性を格段に向上させることができる。
またこの形態例では、電流低減制御による電流変化量を、操舵違和感を生じない範囲に制限しているので、前述したような操舵違和感が生じなくなる利点がある。
またこの形態例では、上記電流変化量を、検出されている電流に基づいてその都度設定する構成となっている。このため、電流の変化幅を常に最適値に維持することが可能となり、抵抗値の推定演算の精度を高く維持しつつ、操舵違和感の発生を確実に回避できる。
【0048】
(第3形態例)
次に、前述した第3の発明に対応する一形態例である電動パワーステアリング装置を説明する。図7は、本形態例の装置を示す機能ブロック図である。
本装置は、第1形態例に対して、モータ抵抗学習部7の代わりに、抵抗値の温度補正のみを行うモータ抵抗温度補正部6を備えたものである。即ち、この第3形態例の装置は、モータ抵抗値の操舵状態に応じた学習は行わず、温度補正のみを行うものである。
モータ抵抗温度補正部6は、前記モータ温度出力回路から出力されている温度検出値により、図2(b)のように予め設定された温度特性に基づいて、抵抗値記憶手段に記憶されている基準の抵抗値R0を必要に応じて補正して、補正後の抵抗値を最新の抵抗値Rとして抵抗値記憶手段(例えば前述したRAM内の所定エリア)に登録するものである。具体的には、まずその時点の温度tを読み取り、それに対する補正係数Kを図2(b)のようなデータテーブル又は関数から求め、次いで、求めた係数Kを基準の抵抗値R0に乗算することで最新の抵抗値R(=R0・K)を得る。そして例えば、この抵抗値Rを抵抗値記憶手段の所定エリアに更新登録する(古い抵抗値Rを消去して登録する)ものである。
この装置によれば、モータ抵抗温度補正部6による上記温度補正が例えば一定周期で随時行われる構成とすることによって、回転センサレスの構成であっても、温度変化に起因するモータ抵抗値の変化や変動に対する学習を十分な頻度で行うことができるから、装置の高コスト化や車両搭載性の悪化を招来することなく、モータ回転推定演算部5による回転数の推定演算の精度及び信頼性を向上させ、ひいてはこの回転数の推定値を用いたモータの制御(特に、電流制限制御)の的確性や実効性を格段に向上させることができる。
【0049】
なお本発明は、以上説明した形態例に限られるものでなく、課題を解決するための手段の欄でも述べたように、各種の態様や変形があり得る。
例えば、第2形態例における電流低減制御の回数を制御ユニットの起動毎に制限したり、電流低減制御の規定時間当たりの頻度を既定値以下に制限してもよい。
また、電流低減制御の代わりに、電流が一時的かつ強制的に増加するように制御して、抵抗値を推定演算することも原理的には可能である。
【0050】
【発明の効果】
本願第1の発明によれば、操舵状態判定手段が、操舵トルク検出値の変動量が既定値以下(例えばゼロ又はその近傍の値以下)であり、かつ、アシストモータの回転数推定値の変動量が既定値以下(例えばゼロ又はその近傍の値以下)になったことを条件として、保舵状態であると判断する。即ち、トルク変動量と回転数変動量が小さい状態を、保舵判断の条件としている。このような状態は、回転数ωがゼロの状態(保舵状態)しかほとんどあり得ないので、相当の精度で保舵状態が判断でき、しかも、必ずしもハンドル端当て操作状態のような特殊な状態に限られず、回転数ωが実際にゼロの状態が広く判定できる。
このため、回転センサレスの構成でありながら、上記保舵状態の判断に基づいて行われるモータ抵抗値演算手段による抵抗値の演算推定の頻度(即ち、温度変化及び経年変化を含めた最新の抵抗値の学習頻度)を、従来よりも格段に高めることができ、装置の高コスト化や車両搭載性の悪化を招来することなく、回転数演算手段による回転数の推定演算の精度及び信頼性を向上させ、ひいてはこの回転数の推定値を用いたモータの制御(特に、電流制限制御)の的確性や実効性を格段に向上させることができる。
【0051】
本願第2の発明によれば、操舵状態判定手段が前述したような安定操舵状態を判定したことを条件に、電流低減制御手段による強制的な電流変化(電流低減制御)が一時的に実行され、この強制的な電流変化の開始前後における電圧及び電流から抵抗値が推定演算される。すなわち、必ずしも保舵状態に限定されないより広い条件で、抵抗値が精度よく推定演算される。
このため、回転センサレスの構成でありながら、モータ抵抗値演算手段による抵抗値の演算推定の頻度(即ち、温度変化及び経年変化を含めた最新の抵抗値の学習頻度)を、従来よりもさらに格段に高めることができ、装置の高コスト化や車両搭載性の悪化を招来することなく、回転数演算手段による回転数の推定演算の精度及び信頼性を向上させ、ひいてはこの回転数の推定値を用いたモータの制御(特に、電流制限制御)の的確性や実効性を格段に向上させることができる。
【0052】
本願第3の発明によれば、モータ抵抗値補正手段がモータ抵抗値の温度補正を例えば一定周期で随時行う構成とすることによって、回転センサレスの構成であっても、温度変化に起因するモータ抵抗値の変化や変動に対する学習を十分な頻度で行うことができるから、装置の高コスト化や車両搭載性の悪化を招来することなく、回転数演算手段による回転数の推定演算の精度及び信頼性を向上させ、ひいてはこの回転数の推定値を用いたモータの制御(特に、電流制限制御)の的確性や実効性を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動パワーステアリング装置の制御ユニット(第1形態例)を示す図である。
【図2】同装置における電流制限特性等を示す図である。
【図3】同装置の動作(抵抗値学習)を示すフローチャートである。
【図4】電動パワーステアリング装置の制御ユニット(第2形態例)を示す図である。
【図5】同装置の電流低減制御による電流の変化例等を示す図である。
【図6】同装置の動作(抵抗値学習)を示すフローチャートである。
【図7】電動パワーステアリング装置の制御ユニット(第3形態例)を示す図である。
【符号の説明】
1 アシストモータ
2 制御回路(制御ユニット、抵抗値記憶手段)
3 指令値作成部
4 電流制御部
5 モータ回転推定演算部(回転数演算手段)
6 モータ抵抗温度補正部(モータ抵抗値補正手段)
7,7a モータ抵抗学習部(モータ抵抗値演算手段、抵抗値記憶処理手段、
モータ抵抗値補正手段)
8 ローパスフィルタ部(操舵状態判定手段)
9 差分演算部(操舵状態判定手段)
10 差分演算部(操舵状態判定手段)
11,11a 操舵状態判定部(操舵状態判定手段)
12 電流リミッタ(電流制限手段)
13 リミッタ計算部(電流制限手段)
14 出力低減演算部(電流低減制御手段)
15 出力間引部(電流低減制御手段)

Claims (14)

  1. 車両の操舵系に連結されて操舵補助トルクを発生させるためのアシストモータを制御する制御ユニットと、前記操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段とを有し、前記制御ユニットが、少なくとも前記操舵トルク検出手段による操舵トルク検出値を含むパラメータに基づいて、前記アシストモータを制御する電動パワーステアリング制御装置であって、
    前記制御ユニットが、
    前記アシストモータへの印加電圧を検出するモータ電圧検出手段と、
    前記アシストモータに流れる電流を検出するモータ電流検出手段と、
    前記アシストモータの抵抗値を記憶する抵抗値記憶手段と、
    前記モータ電圧検出手段及びモータ電流検出手段により検出されている電圧及び電流、並びに前記モータ抵抗値記憶手段に記憶されている最新の抵抗値から前記アシストモータの回転数を推定演算する回転数演算手段と、
    少なくとも、前記操舵トルク検出値の変動量が既定値以下であり、かつ、前記回転数演算手段により推定演算される回転数の変動量が既定値以下になったことを条件として、保舵状態であることを判断する操舵状態判定手段と、
    少なくとも、前記操舵状態判定手段によって保舵状態であることが判断されていることを条件として、前記モータ電圧検出手段及びモータ電流検出手段により検出されている電圧及び電流から、前記回転数がゼロであるとして前記アシストモータの抵抗値を推定演算するモータ抵抗値演算手段と、
    このモータ抵抗値演算手段によって求められた抵抗値を、新たな抵抗値として前記抵抗値記憶手段に登録する抵抗値記憶処理手段と、
    少なくとも、前記操舵状態判定手段によって保舵状態であることが判断されていることを条件として、前記アシストモータに流れる電流を制限する電流制限手段と
    を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  2. 前記操舵状態判定手段が、保舵状態であると判断する条件として、前記モータ電流検出手段により検出されている電流が既定値以上であることをさらに付加したことを特徴とする請求項記載の電動パワーステアリング制御装置。
  3. 前記モータ抵抗値演算手段が、前記推定演算を実行する条件として、前記操舵状態判定手段が、保舵状態であることを判断している時間が規定時間を越えたことをさらに付加したことを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の電動パワーステアリング制御装置。
  4. 車両の操舵系に連結されて操舵補助トルクを発生させるためのアシストモータを制御する制御ユニットと、前記操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段とを有し、前記制御ユニットが、少なくとも前記操舵トルク検出手段による操舵トルク検出値を含むパラメータに基づいて、前記アシストモータを制御する電動パワーステアリング制御装置であって、
    前記制御ユニットが、
    前記アシストモータに流れる電流を制御するためのモータ駆動手段と
    前記アシストモータへの印加電圧を検出するモータ電圧検出手段と、
    前記電流を検出するモータ電流検出手段と、
    前記アシストモータの抵抗値を記憶する抵抗値記憶手段と、
    前記モータ電圧検出手段及びモータ電流検出手段により検出されている電圧及び電流、並びに前記モータ抵抗値記憶手段に記憶されている最新の抵抗値から前記回転数を推定演算する回転数演算手段と
    少なくとも、前記操舵トルク検出値の変動量が既定値以下であり、かつ、前記回転数演算手段により推定演算される回転数の変動量が既定値以下であることを条件として、安定操舵状態であること、さらには保舵状態であることを判断する操舵状態判定手段と、
    少なくとも、前記操舵状態判定手段によって安定操舵状態であることが判断されており、かつ、前記モータ電流検出手段により検出されている電流がゼロでないことを条件として、前記電流の大きさが低下する方向に前記モータ駆動手段の制御信号を一時的かつ強制的に変化させる電流低減制御手段と、
    この電流低減制御手段による前記制御信号の変化の開始前後における、前記モータ電圧検出手段及びモータ電流検出手段により検出されている電圧及び電流から、前記回転数の変化がゼロであるとして前記アシストモータの抵抗値を推定演算するモータ抵抗値演算手段と、
    このモータ抵抗値演算手段によって求められた抵抗値を、新たな抵抗値として前記抵抗値記憶手段に登録する抵抗値記憶処理手段と、
    少なくとも、前記操舵状態判定手段によって保舵状態であることが判断されていることを条件として、前記アシストモータに流れる電流を制限する電流制限手段と
    を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  5. 前記電流低減制御手段が前記制御信号を変化させる変化量を、操舵違和感を生じない範囲に制限したことを特徴とする請求項記載の電動パワーステアリング制御装置。
  6. 前記電流低減制御手段が前記制御信号を変化させる変化量を、前記モータ電流検出手段により検出されている電流に基づいてその都度設定することを特徴とする請求項4又は5記載の電動パワーステアリング制御装置。
  7. 前記電流低減制御手段が前記制御信号を変化させる回数を制御ユニットの起動毎に制限することを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の電動パワーステアリング制御装置。
  8. 前記電流低減制御手段が前記制御信号を変化させる規定時間当たりの頻度を既定値以下に制限したことを特徴とする請求項4乃至7の何れかに記載の電動パワーステアリング制御装置。
  9. 前記アシストモータの温度検出値又は温度推定値を出力するモータ温度出力手段と、
    前記モータ温度出力手段から出力されている温度検出値又は温度推定値より、予め設定された温度特性に基づいて、前記抵抗値記憶手段に記憶されている抵抗値を必要に応じて補正して、補正後の抵抗値を前記抵抗値記憶手段に登録するモータ抵抗値補正手段とを
    さらに備えたことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の電動パワーステアリング制御装置。
  10. 車両の操舵系に連結されて操舵補助トルクを発生させるためのアシストモータを制御する制御ユニットと、前記操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段とを有し、前記制御ユニットが、少なくとも前記操舵トルク検出手段による操舵トルク検出値を含むパラメータに基づいて、前記アシストモータを制御する電動パワーステアリング制御装置であって、
    前記制御ユニットが、
    前記アシストモータへの印加電圧を検出するモータ電圧検出手段と、
    前記アシストモータに流れる電流を検出するモータ電流検出手段と、
    前記アシストモータの抵抗値を記憶する抵抗値記憶手段と、
    前記アシストモータの温度検出値又は温度推定値を出力するモータ温度出力手段と、
    前記モータ温度出力手段から出力されている温度検出値又は温度推定値により、予め設定された温度特性に基づいて、前記抵抗値記憶手段に記憶されている抵抗値を必要に応じて補正して、補正後の抵抗値を前記抵抗値記憶手段に登録するモータ抵抗値補正手段と、
    前記モータ電圧検出手段及びモータ電流検出手段により検出されている電圧及び電流、並びに前記モータ抵抗値記憶手段に記憶されている最新の抵抗値から前記アシストモータの回転数を推定演算する回転数演算手段と、
    少なくとも、前記操舵トルク検出値の変動量が既定値以下であり、かつ、前記回転数演算手段により推定演算される回転数の変動量が既定値以下になったことを条件として、保舵状態であることを判断する操舵状態判定手段と、
    少なくとも、前記操舵状態判定手段によって保舵状態であることが判断されていることを条件として、前記アシストモータに流れる電流を制限する電流制限手段と
    を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  11. 前記電流制限手段が前記電流を制限する条件として、前記モータ電流検出手段により検出されている電流が既定値以上であることをさらに付加したことを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の電動パワーステアリング制御装置。
  12. 前記電流制限手段が前記電流を制限する条件として、前記操舵トルク検出手段により検出されている操舵トルクが既定値以上であることをさらに付加したことを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の電動パワーステアリング制御装置。
  13. 前記電流制限手段は、前記電流を制限する条件が成立している時間が規定時間以上になったときに、前記電流を100%未満に制限することを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の電動パワーステアリング制御装置。
  14. 前記電流制限手段は、前記電流を制限する条件が成立している時間の経過に応じて、前記電流の上限値を連続的又は段階的に減少させることを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の電動パワーステアリング制御装置。
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