JP2001124130A - ストラットマウント - Google Patents

ストラットマウント

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JP2001124130A
JP2001124130A JP29949599A JP29949599A JP2001124130A JP 2001124130 A JP2001124130 A JP 2001124130A JP 29949599 A JP29949599 A JP 29949599A JP 29949599 A JP29949599 A JP 29949599A JP 2001124130 A JP2001124130 A JP 2001124130A
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佳典 渡辺
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真彰 濱田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸直角方向のばね剛性とこじり方向のばね剛
性との比を大きく設定し、以て、車両の操縦性と乗り心
地の向上と安定化を高度に両立して達成すること。 【解決手段】筒状ゴム弾性体16によって弾性連結され
たインナ筒金具12とアウタ筒金具14において、それ
らインナ筒金具12及びアウタ筒金具14の対向面を軸
方向中央部分で軸直角方向に対向位置せしめると共に、
かかる軸直角方向の対向部位を挟んだ軸方向両側部分に
おいて、それぞれ、インナ筒金具12から軸方向斜め外
方に向かって傾斜した傾斜方向で対向位置せしめた。こ
れにより、水平方向の荷重入力時には、軸直角方向の対
向面間で筒状ゴム弾性体16に対して圧縮/引張力が及
ぼされる一方、こじり方向の荷重入力時には、軸直角方
向の対向面間だけでなく、傾斜方向の対向面においても
剪断力が及ぼされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、車両の懸架装置においてショッ
クアブソーバの車両ボデーへの取付部位に装着されて、
該ショックアブソーバを車両ボデーに対して防振支持せ
しめるストラットマウントに関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、車両のサスペンション機構の一
種として、ショックアブソーバをハブキャリアと車両ボ
デーの間に配設して、ショックアブソーバをホイールの
位置決めに利用したストラット式サスペンション機構が
知られている。そこにおいて、ショックアブソーバを通
じての車輪側から車両ボデー側への振動伝達を軽減する
ために、ショックアブソーバの車両ボデーへの取付部に
は、ストラットマウントが装着されることとなる。かか
るストラットマウントは、例えば、実開平3−7012
号公報等に記載されているように、互いに軸直角方向に
離間配置されたインナ筒金具とアウタ筒金具を、それら
の径方向対向面間に配された筒状ゴム弾性体で連結した
構造とされて、インナ筒金具にショックアブソーバが挿
通固定される一方、アウタ筒金具が車両ボデーに固定さ
れるようになっている。
【0003】ところで、ストラット式サスペンション機
構では、車両走行時における車輪の上下動に伴ってハブ
キャリアが車両ボデーに対して動く際に、それらハブキ
ャリアと車両ボデーの間に配設されたショックアブソー
バの車両ボデーに対する取付角度(傾斜角度)が変化す
ることとなり、この角度変化をストラットマウントにお
ける筒状ゴム弾性体の弾性変形によって吸収するように
なっている。そこにおいて、ストラットマウントのこじ
り方向のばね剛性が大きいと、ショックアブソーバの取
付角度が変化した際にストラットマウントの弾性力によ
ってショックアブソーバに曲げ力が及ぼされて、ショッ
クアブソーバのシリンダとピストンロッドの間に大きな
摩擦抵抗が生ぜしめられるために、ショックアブソーバ
の伸縮作動性が阻害されて車両の乗り心地が悪くなった
り、ショックアブソーバの耐久性が悪化するおそれがあ
った。
【0004】一方、かかるストラットマウントにおいて
は、車両の旋回時や制動時、急加速時などにおいて、車
両の操縦安定性を高度に確保するために、インナ筒金具
とアウタ筒金具の間に及ぼされる軸直角方向の荷重に対
するばね剛性を大きく設定することが要求される。
【0005】ところが、ストラットマウントにおいて
は、前者のこじり方向のばね特性と、後者の軸直角方向
のばね特性が、何れも、インナ筒金具とアウタ筒金具を
連結する筒状ゴム弾性体によって与えられることから、
それらのばね特性を相互に独立的に設定,調節すること
が極めて困難である。特に、前記実開平3−7012号
公報等に記載されているように、互いに軸直角方向に離
間配置された円筒形状のインナ筒金具と円筒形状のアウ
タ筒金具を、それらの径方向対向面間に配された円筒形
状のゴム弾性体で連結した従来構造のストラットマウン
トにおいては、軸直角方向の荷重入力時におけるゴム弾
性体の弾性変形だけでなく、こじり方向の荷重入力時に
おけるゴム弾性体の弾性変形も、圧縮/引張変形が支配
的になることから、軸直角方向のばね剛性を十分に確保
しつつ、こじり方向のばね剛性を柔らかく設定すること
が極めて難しく、そのために、車両の操縦安定性と乗り
心地を高度に両立して達成することが困難であったので
ある。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は上述の如き事情を
背景として為されたものであって、その解決課題とする
ところは、車両横方向等の略水平方向となる軸直角方向
のばね剛性を十分に大きく確保しつつ、ショックアブソ
ーバのストローク時の略変位方向となるこじり方向のば
ね剛性を小さく設定することが出来、それによって、車
両の操縦安定性と乗り心地を高いレベルで両立して達成
することの出来る、新規な構造のストラットマウントを
提供することにある。
【0007】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様は、任意の組み合わせで採用可能である。また、本
発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限
定されることなく、明細書全体および図面に記載され、
或いはそれらの記載から当業者が把握することのできる
発明思想に基づいて認識されるものであることが理解さ
れるべきである。
【0008】本発明の第一の態様は、ショックアブソー
バが取り付けられるインナ筒部材と、該インナ筒部材の
外周側に離間配置されて車両ボデーに取り付けられるア
ウタ筒部材を、それらの径方向対向面間に配された筒状
ゴム弾性体で連結したストラットマウントにおいて、前
記インナ筒部材と前記アウタ筒部材を軸方向中央部分で
軸直角方向に離間して対向位置せしめると共に、かかる
軸直角方向の対向部位を挟んだ軸方向両側部分で、それ
ぞれ、該インナ筒部材と該アウタ筒部材を、インナ筒部
材から軸方向斜め外方に向かって傾斜した傾斜方向で離
間して対向位置せしめ、更に、それらインナ筒部材とア
ウタ筒部材の軸方向中央部分の前記軸直角方向での対向
面間と、軸方向両側部分の傾斜方向での対向面間を、何
れも、前記筒状ゴム弾性体によって直接に弾性連結した
ことを、特徴とする。
【0009】このような本態様に従う構造とされたスト
ラットマウントにおいては、軸直角方向の荷重入力時
に、インナ筒部材とアウタ筒部材の軸直角方向の対向面
間で筒状ゴム弾性体に対して圧縮/引張力が効果的に及
ぼされる一方、こじり方向の荷重入力時には、軸方向両
側におけるインナ筒部材とアウタ筒部材の対向面が軸直
角方向に対して傾斜した傾斜対向面とされていることか
ら、インナ筒部材とアウタ筒部材の軸直角方向の対向面
間だけでなく、軸方向両側部分の対向面間においても、
筒状ゴム弾性体に対する圧縮/引張力の作用が有利に軽
減されて、主に剪断力として作用せしめられることとな
る。
【0010】なお、インナ筒部材の外周面とアウタ筒部
材の内周面において、インナ筒部材とアウタ筒部材の軸
直角方向の対向面とは、軸直角方向の対向方向線に対し
て、直交する面をもって互いに対面する対向面をいい、
インナ筒部材とアウタ筒部材の傾斜方向の対向面とは、
軸直角方向に対して傾斜した傾斜方向の対向方向線に対
して、直交する面をもって互いに対面する対向面をい
う。
【0011】従って、軸直角方向の入力荷重に対しては
大きなばね剛性が発揮されると共に、こじり方向の入力
荷重に対しては小さなばね剛性が発揮されることとな
り、以て、車両の操縦安定性と乗り心地を高いレベルで
両立して実現することが可能となるのである。
【0012】特に、本態様においては、インナ筒部材と
アウタ筒部材における軸直角方向の対向面間と傾斜方向
の対向面間が、何れも、筒状ゴム弾性体によって直接に
弾性連結されることにより、それら何れの対向面間にお
いても空気や液体等の流体室が形成されることがなく、
軸直角方向の入力荷重に対するばね剛性が極めて有利に
実現され得るのである。
【0013】なお、本態様において、筒状ゴム弾性体に
よって直接に弾性連結された軸直角方向の対向面とその
軸方向両側に位置する傾斜方向の対向面は、必ずしも周
方向全周に亘って連続して形成する必要はなく、要求さ
れるばね特性等に応じて、特定の周上においてのみ部分
的に、そのような軸直角方向の対向面と傾斜方向の対向
面を形成しても良い。例えば、軸直角方向での大きなば
ね剛性とこじり方向での小さなばね剛性が、車両横方向
だけで要求されるような場合には、車両横方向となる軸
直角方向で対向位置する部分において、そのような軸直
角方向の対向面と傾斜方向の対向面を形成する一方、そ
れと直交する車両前後方向となる軸直角方向で対向位置
する部分には、軸直角方向の対向面だけを設けたり、或
いは傾斜方向の対向面だけを設けることも可能である。
【0014】さらに、本態様において、ストラットマウ
ントの車両への装着状態下、インナ筒部材とアウタ筒部
材は、それらの中心軸が略鉛直方向に延びていることが
望ましいが、サスペンション形式等によっては傾斜して
いても良く、その場合にも、上述の如き効果は有効に発
揮され得る。また、ストラットマウントの車両への装着
状態下、インナ筒部材とアウタ筒部材の中心軸は、相互
に略平行とされることが望ましいが、サスペンション形
式等によっては相互に傾斜していても良く、その場合に
も、上述の如き効果は有効に発揮され得る。更にまた、
インナ筒部材へのショックアブソーバの取付構造や、ア
ウタ筒部材の車両ボデーへの取付構造は、特に限定され
るものでないが、例えば、ショックアブソーバのピスト
ンロッドの先端部分をインナ筒部材に挿通固定すること
によって取り付ける一方、アウタ筒部材から径方向外方
に広がる円環板状の取付板部を一体形成し、この取付板
部を車両ボデーに形成された平板形状の支持板部に重ね
合わせてボルト等で固定することによって、有利に実現
され得る。
【0015】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に従う構造とされたストラットマウントにおいて、
前記インナ筒部材と前記アウタ筒部材における軸直角方
向の対向面と傾斜方向の対向面を、互いに軸方向に連続
して形成すると共に、それら軸直角方向の対向面間と傾
斜方向の対向面間をそれぞれ弾性連結する前記筒状ゴム
弾性体を、互いに軸方向に連続して一体的に形成したこ
とを、特徴とする。このような本態様においては、軸直
角方向の荷重入力時に、軸直角方向の対向面間と傾斜方
向の対向面間にそれぞれ配設された各筒状ゴム弾性体の
間で相対的な拘束力が生ぜしめられて、軸直角方向のば
ね剛性が一層有利に確保され得ることとなり、それによ
って、軸直角方向のばね剛性とこじり方向のばね剛性の
比を一層大きく設定することが可能となる。
【0016】また、本発明の第三の態様は、前記第一又
は第二の態様に従う構造とされたストラットマウントに
おいて、前記軸直角方向の対向面および前記傾斜方向の
対向面を形成する前記インナ筒部材の外周面と前記アウ
タ筒部材の内周面を、それぞれ略球面形状としたこと
を、特徴とする。このような本態様においては、インナ
筒部材の球状外周面とアウタ筒部材の球状外周面が、そ
れらの略大円上で軸直角方向に対向位置せしめられると
共に、大円の軸方向両側の小円部分で傾斜方向に対向位
置せしめられることとなり、傾斜方向での対向面が球面
形状とされていることによって、インナ筒部材とアウタ
筒部材の間へのこじり方向の入力荷重が、筒状ゴム弾性
体の剪断方向に一層有利に及ぼされる。それ故、本態様
のストラットマウントにおいては、こじり方向のばね剛
性が一層軽減され得て、乗り心地の更なる向上が図られ
得ることとなる。また、インナ筒部材とアウタ筒部材に
おける軸直角方向の対向面と傾斜方向の対向面を全体に
亘って球面形状で連続させることにより、筒状ゴム弾性
体における局部的な応力集中を緩和乃至は回避せしめ
て、耐久性の向上を図ることも可能となる。
【0017】また、本発明の第四の態様は、前記第三の
態様に従う構造とされたストラットマウントであって、
前記アウタ筒部材の略球面形状とされた前記内周面にお
いて、軸方向下側の開口寸法を軸方向上側の開口寸法よ
りも大きくすると共に、該アウタ筒部材の内周面におけ
る軸方向下側の開口寸法よりも、前記インナ筒部材の略
球面形状とされた前記外周面の最大外径寸法を小さくし
て、該インナ筒部材を該アウタ筒部材に対して軸方向下
方から内挿可能としたことを、特徴とする。このような
本態様においては、インナ筒部材とアウタ筒部材を容易
に組み付けることが出来て、優れた生産性が実現される
のであり、また、アウタ筒部材を分割構造としなくても
インナ筒部材を組み付けることが出来ることから、アウ
タ筒部材の球状内周面を一層滑らかな球面形状とするこ
とが可能となり、それによって、筒状ゴム弾性体におけ
るこじり方向の変形特性の向上等も図られ得る。
【0018】また、本発明の第五の態様は、前記第三又
は第四の態様に従う構造とされたストラットマウントで
あって、車両への装着状態下において、それぞれ略球面
形状とされた前記インナ筒部材の外周面の中心点と前記
アウタ筒部材の内周面の中心点が、略一致せしめられる
ようになっていることを、特徴とする。このような本態
様においては、インナ筒部材とアウタ筒部材のこじり方
向の相対変位に伴う筒状ゴム弾性体の変形が、剪断方向
において一層有利に生ぜしめられて、こじり方向のばね
剛性の更なる低減が実現可能となる。
【0019】なお、本発明は、車輪を車両ボデーに対し
て弾性連結せしめて車両ボデー重量を分担支持するコイ
ルスプリング等の支持ばね荷重が、ストラットマウント
を介することなく車両ボデーに及ぼされる入力分離タイ
プのストラットマウントの他、ストラットマウントを通
じて車両ボデーに及ぼされる入力一体タイプのストラッ
トマウントにも適用可能であるが、そこにおいて、上記
第五の態様を入力一体タイプのストラットマウントに適
用する場合には、車両への装着時に及ぼされる車両ボデ
ー重量による筒状ゴム弾性体の弾性変形量を考慮して、
装着前の外力が及ぼされていない状態下では、インナ筒
部材の外周面の中心点が、アウタ筒部材の内周面の中心
点に対して、ショックアブソーバ側に所定量だけ偏倚し
て位置せしめられるようにされる。
【0020】また、本発明の第六の態様は、前記第一又
は第二の態様に従う構造とされたストラットマウントに
おいて、前記軸直角方向の対向面を形成する前記インナ
筒部材の外周面と前記アウタ筒部材の内周面を、それぞ
れ略円筒形状とすると共に、前記傾斜方向の対向面を形
成する前記インナ筒部材の外周面と前記アウタ筒部材の
内周面を、それぞれテーパ筒形状としたことを、特徴と
する。このような本態様に従えば、インテ筒部材の外周
面とアウタ筒部材の内周面に球面形状等を付する場合に
比して、容易に製造することが可能となる。なお、イン
ナ筒部材とアウタ筒部材における各テーパ筒形状の面
は、その軸方向の略中央部分において、こじり方向の中
心点を中心とする円に接して略接線に延びる傾斜角度で
形成することが望ましい。
【0021】また、本発明の第七の態様は、前記第一乃
至第六の何れかの態様に従う構造とされたストラットマ
ウントであって、車両への装着状態下において、前記筒
状ゴム弾性体によって弾性連結された前記インナ筒部材
とアウタ筒部材のこじり方向の弾性中心が、それらイン
ナ筒部材とアウタ筒部材の中心軸上で、且つ前記軸直角
方向の対向面の略軸方向中央に位置するようにしたこと
を、特徴とする。このような本態様においては、インナ
筒部材とアウタ筒部材のこじり方向の相対変位に伴う筒
状ゴム弾性体の変形が、安定化すると共に、剪断方向に
おいて一層有利に生ぜしめられて、こじり方向のばね剛
性の更なる低減が実現可能となるのである。
【0022】
【発明の実施態様】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0023】先ず、図1には、本発明の一実施形態とし
てのストラットマウント10が示されている。このスト
ラットマウント10は、インナ筒部材としてのインナ筒
金具12と、該インナ筒金具12の径方向外方に離間し
て配置されたアウタ筒部材としてのアウタ筒金具14と
が、それらの径方向対向面間に配された筒状ゴム弾性体
としての筒状本体ゴム16によって、連結された構造と
されている。そして、かかるストラットマウント10
は、図2に示されているように、インナ筒金具12が、
自動車のストラット式サスペンション機構を構成する、
ショックアブソーバ18のピストンロッド20に固定さ
れる一方、アウタ筒金具14が、自動車のボデー22に
固定されることにより、ショックアブソーバ18をボデ
ー22に対して防振支持せしめるようになっている。
【0024】より詳細には、インナ筒金具12は、中央
部分を軸方向に貫通する挿通孔24を備えた略円筒形状
を有しており、入力荷重に対して剛体と見なし得る程度
の剛性材で形成されている。具体的には、例えば、鉄鋼
やアルミニウム合金等の金属材を用いて、鋳造やダイキ
ャスト、削り出し等によって有利に形成され得る。ま
た、インナ筒金具12の挿通孔24の軸方向上端開口部
には、内周側に向かって突出する環状固定片26が一体
形成されている。更に、インナ筒金具12の外周面28
は、その全面に亘って、インナ筒金具12の中心軸上の
一点:Oを中心とする凸形球面形状とされている。な
お、本実施形態では、外周面28の凸形球面の中心点:
Oが、インナ筒金具12の外周面28の軸方向中央より
も僅かに下方に偏倚して設定されており、インナ筒金具
12の軸方向上端部の外径寸法:Daよりも、軸方向下
端部の外径寸法:Dbの方が大きくされている。
【0025】一方、アウタ筒金具14は、軸方向の中央
部分が球状に膨出されて、全体として軸方向両端部が裁
断された略球殻形状を有する本体筒部30を有してお
り、この本体筒部30の軸方向長さが、インナ筒金具1
2の軸方向長さよりも僅かに小さくされている。また、
本体筒部30には、軸方向上側の開口周縁部から軸方向
上方に向かって次第に拡径しながら延び出すテーパ付き
円筒形状の連結筒部32が一体形成されていると共に、
連結筒部32の軸方向上端の開口周縁部には、軸直角方
向外方に向かって広がる平板形状の取付板部34が一体
形成されている。更に、取付板部34には、周上の適数
箇所に取付用孔36が設けられて、それら各取付用孔3
6に対して、軸方向上方に突出する取付ボルト38が固
着されている。なお、このようなアウタ筒金具14も、
前記インナ筒金具12と同様に、入力荷重に対して剛体
と見なし得る程度の剛性材で形成されており、例えば、
鉄鋼やアルミニウム合金等の金属材を用いて、鋳造やダ
イキャスト、削り出し等によって、有利に形成される。
【0026】また、アウタ筒金具14の本体筒部30に
おける内周面40は、その全面に亘って、本体筒部30
の中心軸上の一点:Pを中心とする凹形球面形状とされ
ており、特に、インナ筒金具12の外周面28よりも所
定量だけ大径とされることによって、インナ筒金具12
の外周面28とアウタ筒金具14の内周面40の各中心
点:O,Pを略同一点上に位置せしめた配設状態下にお
いて、インナ筒金具12の外周面28とアウタ筒金具1
4の内周面40の対向面間には、中心点:O(P)を中
心として略一定の間隙寸法をもって広がる球殻形状の間
隙42が形成されるようになっている(図2参照)。
【0027】なお、本実施形態では、アウタ筒金具14
の内周面40の凹形球面の中心点:Pが、本体筒部30
の軸方向中央よりも僅かに下方に偏倚して設定されてお
り、以て、本体筒部30の軸方向上端部(開口部)の内
径寸法:Dcよりも、軸方向下端部(開口部)の内径寸
法:Ddの方が大きくされている。また、アウタ筒金具
14における本体筒部30の軸方向上端部の内径寸法:
Dcは、インナ筒金具12の最大外径寸法(中心点:O
を通る大円の外径寸法):Deよりも小さくされている
と共に、アウタ筒金具14における本体筒部30の軸方
向下端部の内径寸法Ddは、インナ筒金具12の最大外
径寸法:Deよりも大きくされている。これにより、イ
ンナ筒金具12が、アウタ筒金具14の本体筒部30に
対して、軸方向下方から内挿可能とされていると共に、
軸方向上方には抜け出し不能とされており、インナ筒金
具12をアウタ筒金具14の本体筒部30に内挿配置せ
しめた状態下で、インナ筒金具12の球状外周面28の
上半球が、アウタ筒金具14の球状内周面40の上半球
に対して、軸方向で対向位置せしめられるようになって
いる。
【0028】そして、図1に示されているように、イン
ナ筒金具12にアウタ筒金具14が外挿されて、径方向
外方に離間して同一中心軸上に配設されていると共に、
それらインナ筒金具12の球状外周面28とアウタ筒金
具14の球状内周面40の径方向での対向面間の略全体
に亘って、筒状本体ゴム16が介装されている。この筒
状本体ゴム16は、全体として軸方向両端部が取り除か
れた厚肉の略球殻形状を有しており、その内周面がイン
ナ筒金具12の球状外周面28に加硫接着されていると
共に、その外周面がアウタ筒金具14の球状内周面40
に加硫接着されることによって、それらインナ筒金具1
2とアウタ筒金具14を備えた一体加硫成形品として形
成されている。
【0029】なお、本実施形態では、ストラットマウン
ト10の車両への装着状態下で入力される後述する車両
ボデー荷重に伴う筒状本体ゴム16の弾性変形量を考慮
して、アウタ筒金具14に対してインナ筒金具12が軸
方向下方に相対偏倚せしめられており、かかる筒状本体
ゴム16の弾性変形によるインナ筒金具12とアウタ筒
金具14の軸方向の相対変位量:Lに相当する距離だ
け、インナ筒金具12の球状外周面28の中心点:O
が、アウタ筒金具14の球状内周面40の中心点:Pに
対して、軸方向下方に離間して位置決めされている。要
するに、筒状本体ゴム16の加硫成形品においては、そ
のように軸方向に相対偏倚せしめられたインナ筒金具1
2とアウタ筒金具14の外内周面28,40の対向面間
に充填された形態で、筒状本体ゴム16が形成されてお
り、厚さ寸法が軸方向で異ならされて、軸方向下側部分
よりも軸方向上側部分の肉厚が大きく設定されている。
【0030】そして、上述の如き構造とされたストラッ
トマウント10は、自動車への装着に際して、図2に示
されているように、インナ筒金具12の挿通孔24に対
してショックアブソーバ18のピストンロッド20の上
端部が挿通されて、該ピストンロッド20の段差部44
と該ピストンロッド20の先端に螺着された締付ナット
46により、ピストンロッド20の上端部が、インナ筒
金具12の環状固定片26に固着される。また一方、ア
ウタ筒金具14は、取付板部34が、車両ボデー22に
設けられた平坦な取付板部48に対して下面から重ね合
わされて、取付ボルト38によって密着状態で固着され
ることとなる。なお、取付板部48の中央部分には、シ
ョックアブソーバ18のピストンロッド20の干渉を回
避するための透孔50が適宜に形成される。
【0031】また、ショックアブソーバ18のピストン
ロッド20には、略円環板形状乃至は傘形状をもって軸
直角方向に広がる上側スプリング受金具52が外挿され
ており、この上側スプリング受金具52の内周縁部が、
インナ筒金具12の軸方向下端面に対して、ベアリング
や摺動リング等の回転許容連結部材54を介して、イン
ナ筒金具12およびピストンロッド20に対して中心軸
回りに回転可能に取り付けられており、ショックアブソ
ーバ18のピストンロッド20の軸方向で位置決め支持
されている。そして、この上側スプリング受金具52
が、ショックアブソーバ18に外挿されたコイルスプリ
ング56の上端部に被せられて該コイルスプリング56
の上端部を支持するようになっている。一方、コイルス
プリング56の下端部は、ショックアブソーバ18のシ
リンダ58に外挿固定され略円環板形状乃至は傘形状を
もって軸直角方向に広がる下側スプリング受金具53に
よって支持されるようになっている。これにより、コイ
ルスプリング56は、図4に示されるように、ショック
アブソーバ18のシリンダ58とピストンロッド20の
間に軸方向の付勢力を与える状態で装着されており、そ
のピストンロッド20側の支持部が、上側スプリング受
金具52と回転許容連結部材54を介して、インナ筒金
具12に取り付けられるようになっている。なお、ショ
ックアブソーバ18のシリンダ58は、公知の如く、自
動車の車輪60側のハブキャリア62にボルト固定され
て取り付けられる(図4参照)。
【0032】このようにして自動車に装着されることに
よって、ストラットマウント10は、ショックアブソー
バ18を車両ボデー22(取付板部48)に対して弾性
的に連結支持せしめて、ショックアブソーバ18を通じ
て車輪側からボデー22側に伝達される振動を軽減し得
ると共に、コイルスプリング56も車両ボデー22に対
して弾性的に連結支持せしめて、コイルスプリング56
を通じて車輪側からボデー22側に伝達される振動も軽
減し得る。
【0033】なお、本実施形態のストラットマウント1
0にあっては、車両への装着状態下で、インナ筒金具1
2における球状外周面の中心点:Oとアウタ筒金具14
における球状内周面の中心点:Pが略一致せしめられて
いると共に、それらインナ筒金具12とアウタ筒金具1
4を弾性連結する筒状本体ゴム16のこじり方向の弾性
中心点:Rも、それら両筒金具の内外周面の中心点:
O,Pに一致するようにされている(図3参照)。言い
換えれば、ストラットマウント10が自動車に装着され
てコイルスプリング56の支持荷重(車両重量の分担荷
重)で筒状本体ゴム16が軸方向に弾性変形することに
よって、インナ筒金具12がアウタ筒金具14に対して
軸方向にLだけ相対変位せしめられて、上記各中心点:
P,Q,Rが、略一致せしめられるように、各寸法や筒
状本体ゴム16のばね特性が設定されているのである。
【0034】上述の如き構造とされたストラットマウン
ト10にあっては、その装着状態下、筒状本体ゴム16
によって弾性連結されたインナ筒部材12の球状外周面
28とアウタ筒部材14の球状内周面40が、少なくと
も軸方向の略中央部分において、それぞれ水平方向に略
直交する面(略鉛直方向に延びる面)をもって相互に対
向位置せしめられると共に、その軸方向両側部分では、
水平方向に直交する面に対して傾斜した面をもって相互
に対向位置せしめられることとなる。
【0035】それ故、かかるストラットマウント10に
対して、自動車の旋回や急加減速などによってインナ筒
金具12とアウタ筒金具14の間に水平方向の荷重が及
ぼされると、筒状本体ゴム16には、少なくとも軸方向
中央部分において、有効な圧縮/引張力が及ぼされるの
であり、以て、大きなばね剛性が発揮され得る。特に、
本実施形態では、インナ筒金具12とアウタ筒金具14
の対向面、即ち、球状外周面28及び球状内周面40
が、筒状本体ゴム16の軸方向中央部分から、軸方向両
側に向かって次第に少しずつ傾斜角度が変更されている
ことから、軸方向中央を含む軸方向の広い範囲におい
て、筒状本体ゴム16が実質的に円筒形状とされて、以
て、筒状ゴム弾性体16に対して、圧縮/引張力が効果
的に及ぼされ、大きなばね剛性をより有効に得ることが
出来る。更にまた、本実施形態のストラットマウント1
0においては、筒状本体ゴム16の軸方向中央部分にお
ける弾性変形が、軸方向両側にそれぞれ連続して形成さ
れた軸方向両側の筒状本体ゴム16によって有効に拘束
されることから、軸方向中央部分において、筒状ゴム弾
性体16の更に大きなばね剛性を得ることが可能とな
る。
【0036】また一方、ストラットマウント10に対し
て、ハブキャリア62の車両ボディー22に対する相対
変位等によってインナ筒金具12とアウタ筒金具14の
間にこじり方向の荷重が入力されると、図3に示されて
いるように、インナ筒金具12の球状外周面28がアウ
タ筒金具14の球状内周面40に対して、中心点O,
P,Rの回りに相対回転変位せしめられることによっ
て、それらを弾性連結する筒状本体ゴム16に対して、
主として剪断力が及ぼされることとなり、筒状本体ゴム
16が剪断変形せしめられ、圧縮/引張変形が可及的に
回避される。その結果、筒状本体ゴム16の十分に小さ
なばね剛性が発揮されることとなる。
【0037】従って、上述の如きストラットマウント1
0においては、車両の旋回や急加減速に際して及ぼされ
る水平方向の入力荷重に対して、十分に大きなばね剛性
が発揮されて、優れた車両の操縦安定性が実現される。
また、、ハブキャリア62の車両ボディー22に対する
相対変位時におけるショックアブソーバ18のストロー
クに際して及ぼされるこじり方向の入力荷重に対して
は、十分に小さなばね剛性が発揮されることから、ショ
ックアブソーバ18に作用する曲げ力、ひいてはシリン
ダとピストンロッド間の摩擦力が軽減されて、スムーズ
なストローク作動が実現されることにより、優れた車両
の乗り心地が実現され得るのであり、それによって、乗
り心地と操縦安定性の両立が極めて高度に達成すること
が可能となるのである。
【0038】また、特に本実施形態のストラットマウン
ト10においては、インナ筒金具12の外周面28とア
ウタ筒金具14の内周面40がそれぞれ球状とされてい
ることから、図4に示されているように、その装着状態
下、サスペンション機構への要求特性等によって、中心
軸が鉛直方向線に対して傾斜して配設される場合等にお
いても、傾斜角度や傾斜方向にかかわらず、インナ筒金
具12とアウタ筒金具14の間で、水平方向での対向面
が有利に確保されると共に、こじり方向の入力荷重が筒
状本体ゴム16に対する剪断方向に安定して及ぼされ得
る。それ故、上述の如き作用、効果が安定して発揮され
て、車両の操縦安定性と乗り心地の両立が有効に且つ安
定して達成され得る。
【0039】さらに、本実施形態のストラットマウント
10においては、インナ筒金具12の最大外径寸法De
が、アウタ筒金具14の本体筒状部30における軸方向
上側の開口寸法Dcよりも大きく設定されており、軸方
向の投影で筒状本体ゴム16を挟んでオーバーラップさ
れている。これにより、ショックアブソーバ18に対し
てバウンドの方向に過大な振動荷重が入力された際に、
インナ筒金具12のアウタ筒金具14に対する軸方向の
相対変位量が有利に制限されるようになっており、特別
な部材を必要とすることなくバウンド方向のストッパ機
能が実現される。
【0040】次に、上述の如き本実施形態のストラット
マウント10による作用,効果をより明確にするため
に、比較例としてのストラットマウント64を図5に示
し、その作動について説明する。なお、本比較例におい
て、前記実施形態と同様な構造とされた部材および部位
については、図中に、前記実施形態と同一の符号を付す
ることにより、それらの詳細な説明を省略することとす
る。また、かかる比較例としてのストラットマウント6
4においては、図中、インナ筒金具12に対するショッ
クアブソーバ18やコイルスプリング56の取付構造を
省略する。そして、図5は、ストラットマウント64の
自動車への装着状態下において、こじり方向の荷重入力
状態を示す、前記実施形態における図3に対応する図で
ある。
【0041】すなわち、図5に示されたストラットマウ
ント64においては、ショックアブソーバ18のピスト
ンロッド20が取り付けられるインナ筒金具66と、車
両ボデー22に取り付けられるアウタ筒金具68が、何
れも、円筒形状をもって形成されている。そして、それ
らインナ筒金具66とアウタ筒金具68が、各円筒状部
の径方向対向面間に介装された厚肉円筒形状の筒状本体
ゴム70によって弾性的に連結されている。なお、本比
較例では、インナ筒金具66に対してラジアルベアリン
グ72が圧入固定されており、このラジアルベアリング
72を介して、ショックアブソーバ18のピストンロッ
ド20がインナ筒金具66に対して中心軸回りに回転可
能に取り付けられるようになっている。また、アウタ筒
金具68には、軸方向中間部分において径方向外方に広
がる平板形状の取付板部74が一体形成されており、こ
の取付板部74が車両ボデー22の取付部板48に重ね
合わされて、密着状態で取付ボルト38によりボルト固
定されて取り付けられるようになっている。
【0042】このような比較例としてのストラットマウ
ント64においては、自動車への装着状態下で入力され
る水平方向の荷重に対しては、筒状本体ゴム70に圧縮
/引張力が及ぼされて大きなばね剛性が発揮されるもの
の、こじり方向の荷重に対しては、筒状本体ゴム70の
軸方向両側部分に大きな圧縮/引張力の発生が避けられ
るず、ばね剛性の低減が図られ得ない。それ故、軸直角
方向のばね剛性を大きくするとこじり方向のばね剛性も
大きくなってしまうこととなり、車両乗り心地と操縦安
定性の両立が極めて難しいのである。
【0043】以上、本発明の一実施形態について詳述し
てきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、
かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、
限定的に解釈されるものでない。
【0044】例えば、前記実施形態においては、装着状
態下で車両ボデーの支持荷重が及ぼされる入力一体型の
ストラットマウントに対して本発明を適用したものの具
体例を示したが、本発明は、入力分離型のストラットマ
ウントにも適用可能であり、その一実施形態が、図6に
示されている。なお、図6においては、その理解を容易
とするために、第一の実施形態と同様な構造とされた部
材および部位に対して、それぞれ、図中に、第一の実施
形態と同一の符号を付しておく。
【0045】すなわち、本実施形態のストラットマウン
ト80においては、アウタ筒金具14の本体筒部30に
対して、外周面から径方向外方に広がる円環板形状の支
持突起82が固定的に形成されている。そして、ストラ
ットマウントに外挿配置されてコイルスプリング56の
上端部をゴムシート83を介して支持する上側スプリン
グ受金具52が、この支持突起82によって、スラスト
ベアリング84を介して、中心軸回りに相対回転可能に
支持されている。このような構造とされたストラットマ
ウント80においては、コイルスプリング56の支持荷
重が、アウタ筒金具14を通じて、車両ボデー22に対
して直接に伝達されることとなり、インナ筒金具12と
アウタ筒金具14の間に入力されることがない。従っ
て、かかるストラットマウント80においては、装着前
の加硫成形品の状態で、インナ筒金具12とアウタ筒金
具14を、各球状外内周面28,40を目的とする同心
的な位置に位置決めすることが出来るのであり、それら
両筒金具12,14の位置決め設定が容易となる。そし
て、このような構造とされたストラットマウント80に
おいても、前記実施形態のストラットマウント10と同
様な効果が、何れも有効に発揮されることは、言うまで
もない。
【0046】また、前記実施形態のストラットマウント
においては、本体筒状ゴム16によって弾性連結される
インナ筒金具12の外周面28とアウタ筒金具14の内
周面40は、何れも球面形状とされていたが、その他、
非球面形状を採用することも可能であり、その一実施形
態が、図7に示されている。なお、図7においては、そ
の理解を容易とするために、第一の実施形態と同様な構
造とされた部材および部位に対して、それぞれ、図中
に、第一の実施形態と同一の符号を付しておく。また、
図7に示される態様のストラットマウント90において
は、インナ筒金具92に対するショックアブソーバ18
やコイルスプリング56の取付方法は図示されていない
が、前記第一の実施形態としてのストラットマウント1
0と同様な取付構造をもって自動車に装着されるもので
ある。そして、図7は、ストラットマウント90の自動
車への装着状態を示す、前記第一の実施形態における図
2に対応する図である。
【0047】すなわち、本実施形態のストラットマウン
ト90においては、筒状本体ゴム104によって弾性連
結されたインナ筒金具92の外周面93とアウタ筒金具
94の内周面95が、それらの各軸方向略中央部分にお
いて、軸方向に所定寸法で延びる円筒状部96,98と
されていると共に、各軸方向両側部分において、それぞ
れ、軸方向外方に向かって次第に小径化するテーパ付き
の円筒形状の傾斜面100,100,102,102と
されている。そしてインナ筒金具92の外周面93とア
ウタ筒金具94の内周面95は、各円筒状部96,98
において、軸直角方向で相互に離間して対向位置せしめ
られると共に、各傾斜面100,100,102,10
2において、軸方向斜め外方に向かう傾斜方向で相互に
離間して対向位置せしめられている。
【0048】このような本態様のストラットマウント9
0においては、図示された自動車への装着状態下で入力
される水平方向の荷重に対しては、インナ筒金具92の
外周面93とアウタ筒金具94の内周面95における各
円筒状部96,98の対向面間において、筒状本体ゴム
104に対して圧縮/引張力が有効に及ぼされて、大き
なばね剛性が発揮される。また一方、こじり方向の荷重
に対しては、インナ筒金具92の外周面93とアウタ筒
金具94の内周面95における各軸方向両側部分の傾斜
面100,102が、インナ筒金具92とアウタ筒金具
94の相対的な変位方向に沿って傾斜した傾斜面とされ
ていることから、それら傾斜面100,102を弾性連
結する筒状本体ゴム104に対して、剪断変形が有利に
生ぜしめられて、圧縮/引張力の作用が軽減される。そ
の結果、筒状ゴム本体104において、軸直角方向とこ
じり方向で大きなばね比が実現されるのであり、以て、
前記第一の実施形態と略同様に、優れた乗り心地と操縦
安定性の両立が図られ得る。
【0049】また、インナ筒金具やアウタ筒金具の具体
的形状や構造、製造方法等は、何等限定されるものでな
く、例えば、プレス成形品等を採用することも可能であ
る。また、実開平3−7012号公報等に記載されてい
るように、軸方向一方の開口部に径方向外方に広がるフ
ランジ状部を一体形成した一対の筒金具を用い、それら
を各フランジ状部で重ね合わせてアウタ筒金具を形成す
ることも可能である。
【0050】また、入力一体型のストラットマウントを
示す前記第一の実施形態においては、インナ筒金具12
に対して、回転許容連結部材54を介して、上側スプリ
ング受金具52が、中心軸回りに回転可能に支持される
ようになっていたが、そのような回転許容連結部材54
を用いることなく、例えばインナ筒金具12によって上
側スプリング受金具52を固定的に支持せしめることも
可能である。なお、そのような取付構造では、コイルス
プリング56の中心軸回りの回転を確保することは難し
いが、例えば、自動車の後輪用のストラットマウント等
において適用可能である。
【0051】さらに、本発明に係るストラットマウント
は、車両への装着状態下において、インナ筒部材とアウ
タ筒部材が、必ずしも同一中心軸上で平行である必要は
なく、相互に傾斜していても良い。そして、そのように
インナ筒部材とアウタ筒部材が相互に傾斜配置される場
合でも、実用的な傾斜角度の範囲内であれば何れも上述
の如き実施形態におけるのと同様な効果が、有効に発揮
されることとなる。
【0052】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0053】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされたストラットマウントにおいては、車
両旋回時等に入力される略軸直角方向の荷重に対するば
ね剛性と、サスペンションストローク時等に入力される
こじり方向の荷重に対するばね剛性との比を、十分に大
きく設定することが出来るのであり、それによって、車
両の操縦安定性と乗り心地を高度に両立して達成するこ
とが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのストラットマウン
トを自動車への非装着状態で示す縦断面図である。
【図2】図1に示されたストラットマウントの自動車へ
の装着状態の一例を示す縦断面図である。
【図3】図1に示されたストラットマウントの自動車へ
の装着状態下でのこじり方向荷重の入力状態を示す縦断
面説明図である。
【図4】図1に示されたストラットマウントを装着した
自動車サスペンション機構の一具体例を示す縦断面説明
図である。
【図5】本発明の比較例としてのストラットマウントの
自動車への装着状態を示す、図3に対応した縦断面図で
ある。
【図6】本発明の第二の実施形態とのしてストラットマ
ウントの自動車への装着状態を示す、図2に対応した縦
断面図である。
【図7】本発明の第三の実施形態としてのストラットマ
ウントの自動車への装着状態を示す、図2に対応した縦
断面図である。
【符号の説明】
10,80,90 ストラットマウント 12,92 インナ筒金具 14,94 アウタ筒金具 16,104 筒状本体ゴム 18 ショックアブソーバ 20 ピストンロッド 22 ボデー 56 コイルスプリング 28 球状外周面 40 球状内周面 93 外周面 95 内周面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安東 哲史 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 3D001 AA02 CA01 DA09 3J059 AA03 BA42 BB09 BC06 BD01 BD02 BD06 CB20 GA03 3J069 AA50 CC34

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ショックアブソーバが取り付けられるイ
    ンナ筒部材と、該インナ筒部材の外周側に離間配置され
    て車両ボデーに取り付けられるアウタ筒部材を、それら
    の径方向対向面間に配された筒状ゴム弾性体で連結した
    ストラットマウントにおいて、 前記インナ筒部材と前記アウタ筒部材を軸方向中央部分
    で軸直角方向に離間して対向位置せしめると共に、かか
    る軸直角方向の対向部位を挟んだ軸方向両側部分で、そ
    れぞれ、該インナ筒部材と該アウタ筒部材を、インナ筒
    部材から軸方向斜め外方に向かって傾斜した傾斜方向で
    離間して対向位置せしめ、更に、それらインナ筒部材と
    アウタ筒部材の軸方向中央部分の前記軸直角方向での対
    向面間と、軸方向両側部分の傾斜方向での対向面間を、
    何れも、前記筒状ゴム弾性体によって直接に弾性連結し
    たことを特徴とするストラットマウント。
  2. 【請求項2】 前記軸直角方向の対向面および前記傾斜
    方向の対向面を形成する前記インナ筒部材の外周面と前
    記アウタ筒部材の内周面を、それぞれ略球面形状とした
    請求項1に記載のストラットマウント。
  3. 【請求項3】 前記アウタ筒部材の略球面形状とされた
    前記内周面において、軸方向下側の開口寸法を軸方向上
    側の開口寸法よりも大きくすると共に、該アウタ筒部材
    の内周面における軸方向下側の開口寸法よりも、前記イ
    ンナ筒部材の略球面形状とされた前記外周面の最大外径
    寸法を小さくして、該インナ筒部材を該アウタ筒部材に
    対して軸方向下方から内挿可能とした請求項2に記載の
    ストラットマウント。
  4. 【請求項4】 車両への装着状態下において、それぞれ
    略球面形状とされた前記インナ筒部材の外周面の中心点
    と前記アウタ筒部材の内周面の中心点が、略一致せしめ
    られるようになっている請求項2又は3に記載のストラ
    ットマウント。
  5. 【請求項5】 前記軸直角方向の対向面を形成する前記
    インナ筒部材の外周面と前記アウタ筒部材の内周面を、
    それぞれ略円筒形状とすると共に、前記傾斜方向の対向
    面を形成する前記インナ筒部材の外周面と前記アウタ筒
    部材の内周面を、それぞれテーパ筒形状とした請求項1
    に記載のストラットマウント。
  6. 【請求項6】 車両への装着状態下において、前記筒状
    ゴム弾性体によって弾性連結された前記インナ筒部材と
    アウタ筒部材のこじり方向の弾性中心が、それらインナ
    筒部材とアウタ筒部材の中心軸上で、且つ前記軸直角方
    向の対向面の略軸方向中央に位置するようにした請求項
    1乃至5の何れかに記載のストラットマウント。
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