JPH0989046A - エンジンマウント - Google Patents

エンジンマウント

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Publication number
JPH0989046A
JPH0989046A JP24747195A JP24747195A JPH0989046A JP H0989046 A JPH0989046 A JP H0989046A JP 24747195 A JP24747195 A JP 24747195A JP 24747195 A JP24747195 A JP 24747195A JP H0989046 A JPH0989046 A JP H0989046A
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JP
Japan
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fitting
upper plate
lower plate
engine mount
plate fitting
Prior art date
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Pending
Application number
JP24747195A
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English (en)
Inventor
Takanobu Minamino
高伸 南野
Shiyouji Akasa
彰治 赤佐
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0989046A publication Critical patent/JPH0989046A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両上下,左右,前後の各方向におけるばね
剛性やばね比の設定自由度が大きく確保されて、マウン
ト要求特性に応じた特性チューニングを容易に且つ有利
に行うことの出来る、新規な構造のエンジンマウントを
提供すること。 【解決手段】 車両上下方向に対向配置された下板金具
12と上板金具14を、対向面間両側部において、それ
ぞれ支持ゴム弾性体16によって弾性的に連結する一
方、それら下板金具12と上板金具14の対向面間中央
部に、ゴムブッシュ46を配設し、該ゴムブッシュ46
の支軸部34と筒状部42の各一方を下板金具12と上
板金具14の各一方に固着せしめて、ブッシュ軸方向が
車両上下方向となるように下板金具12と上板金具14
の間に介装せしめた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、パワーユニットを車体に対して
防振支持せしめる車両用のエンジンマウントに関するも
のである。
【0002】
【従来技術】車両のパワーユニットと車体の間に介装さ
れて、パワーユニットを車体に対して防振支持せしめる
エンジンマウントの一種として、従来から、実開平4−
80941号公報等に記載されているように、車体側に
取り付けられる下板金具と、パワーユニット側に取り付
けられる上板金具を、車両上下方向に所定距離を隔てて
対向位置するように配設すると共に、それら下板金具と
上板金具を支持ゴム弾性体によって弾性的に連結してな
る構造のものが知られており、例えば、FR(フロント
エンジン・リヤドライブ)型自動車のリヤマウント(ミ
ッションマウント)等として好適に採用されている。
【0003】ところで、エンジンマウントにおいては、
パワーユニットの支持剛性を確保すると共に、車両の乗
り心地と操縦安定性を両立させるために、車両の前後方
向や左右方向,上下方向等において、それぞれ、車両の
構造や要求特性等に応じたチューニングを施す必要があ
る。
【0004】そこで、従来では、前記公報にも開示され
ているように、一般に、上下板金具を車両左右方向に延
長させると共に、延長させた左右方向両側部分を斜め上
方に傾斜させて、かかる傾斜部の対向面間にそれぞれ支
持ゴム弾性体を介装せしめた構造が採用されている。こ
れにより、車両の上下方向と左右方向で大きなばね剛性
を確保して、パワーユニットの支持剛性と車両の操縦安
定性を確保することが出来るのである。
【0005】ところが、このような従来構造のエンジン
マウントにおいては、支持ゴム弾性体が車両前後方向で
純剪断となるためにばね剛性を確保することが極めて難
しく、特にAT(オートマチック・トランスミッショ
ン)車に採用するとパワーユニットの車両前後方向の大
きな変位に起因してシフト抜けが発生するおそれがあっ
た。そのために、別途、変位量を規制するためのストッ
パ機構を設ける必要があり、マウント構造の複雑化が避
けられず、製作性およびコスト性に問題があったのであ
る。
【0006】しかも、従来構造のエンジンマウントにお
いては、車両上下,左右,前後の三方向におけるばね比
が、上下板金具の左右方向両側部分における傾斜角度等
の形状によって必然的に定まり、その設定自由度が小さ
いために、車両に応じた要求特性への対応が難しいとい
う問題もあった。
【0007】また、従来構造のエンジンマウントにおい
ては、車両左右方向のばね剛性を確保するために、支持
ゴム弾性体が介装される上下板金具の両側部分を斜め上
方に傾斜させて延長する必要があることから、マウント
全体の大型化が避けられず、特に車両の構造上からマウ
ント設置スペースが制限される場合には、マウントサイ
ズの制約によって要求特性の実現がより難しくなるとい
う不具合もあったのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、車両上下,左右,前後の各方向におけるば
ね剛性やばね比の設定自由度が大きく確保されて、車両
の要求特性に応じた特性チューニングを容易に且つ有利
に行うことの出来る、新規な構造のエンジンマウントを
提供することにある。
【0009】
【解決手段】そして、このような課題を解決するため
に、本発明の特徴とするところは、車体側に取り付けら
れる下板金具と、パワーユニット側に取り付けられる上
板金具を、車両上下方向に所定距離を隔てて対向位置す
るように配設すると共に、それら下板金具と上板金具を
支持ゴム弾性体によって弾性的に連結してなるエンジン
マウントにおいて、下板金具と上板金具を、それらの対
向面間中央部を挟んだ両側に位置する対向面間両側部に
おいて、それぞれ支持ゴム弾性体によって弾性的に連結
する一方、かかる対向面間中央部において、下板金具と
上板金具の何れか一方の側から他方の側に向かって対向
方向に突出する支軸部を設けると共に、該支軸部の周り
を所定距離を隔てて囲む筒状部を、下板金具と上板金具
の何れか他方の側に設け、それら支軸部と筒状部の間に
連結ゴム弾性体を介装せしめてゴムブッシュを構成した
ことにある。
【0010】このような本発明に従う構造とされたエン
ジンマウントにおいては、車両上下方向に直交する車両
左右,前後等の各方向で、ゴムブッシュの支軸部と筒状
部が対向位置せしめられていることから、それら各方向
におけるばね剛性が、ブッシュを構成する連結ゴム弾性
体によって有効に発揮されることとなる。
【0011】従って、本発明に従う構造とされたエンジ
ンマウントにおいては、支持ゴム弾性体による上下板金
具の連結部位の形状だけでなく、ゴムブッシュの大きさ
や形状,構造等を調節することによって、車両上下,左
右,前後等の各種方向におけるばね剛性やばね比をチュ
ーニングすることが出来るのであり、それ故、マウント
特性のチューニング自由度が飛躍的に拡大され得ると共
に、マウント要求特性の実現が容易且つ有利となるので
ある。
【0012】なお、マウント特性のチューニングに際し
ては、例えば、ゴムブッシュにおける支軸部と筒状部の
間において、ブッシュ軸方向に延び或いは貫通する肉抜
部乃至はスリットを設けたり、連結ゴム弾性体の変形を
拘束する円弧板状や円筒状等の中間板を配設したりする
こと等も可能である。或いはまた、マウント特性のチュ
ーニングのために、ゴムブッシュにおける支軸部と筒状
部の間において、内部に水等の非圧縮性流体が封入され
た流体室を形成し、流体の共振作用等の流動作用に基づ
いて発揮される減衰効果や低動ばね効果等を利用するこ
とも可能である。
【0013】また、かかるエンジンマウントにあって
は、ゴムブッシュにおいて支軸部と筒状部のブッシュ軸
直角方向における相対的変位量が制限されることによ
り、車両上下方向に直交する車両左右,前後等の各方向
で、下板金具と上板金具の相対的変位量を制限するスト
ッパ機能が発揮されることから、特別な別体ストッパ部
材を設けることなく、車両上下方向に直交する各方向の
ストッパ機能が有利に実現されるといった利点もある。
【0014】なお、ゴムブッシュを構成する筒状部は、
下板金具または上板金具に対して固定的に設けられてい
れば良く、別途形成した筒状部を下板金具または上板金
具に溶着固定すること等も可能であるが、好ましくは、
下板金具または上板金具において筒状部がプレス成形さ
れることとなり、それによって、目的とする筒状部を容
易に且つ安定して形成することが出来る。
【0015】また、下板金具または上板金具に設けられ
た筒状部に対して、連結ゴム弾性体を直接に接着するこ
とも可能であるが、連結ゴム弾性体の外周面に金属スリ
ーブを固着せしめて、該金属スリーブを筒状部に圧入固
定することにより、ゴムブッシュを下板金具または上板
金具に組み付けるようにしても良い。このような構造を
採用すれば、ゴムブッシュの加硫操作を、下板金具およ
び上板金具とは別途、ゴムブッシュ単体で行うことが可
能となる。
【0016】更にまた、下板金具と上板金具における支
持ゴム弾性体による連結面を傾斜面とし、傾斜角度によ
って支持ゴム弾性体のばね特性をチューニングすること
も可能であるが、本発明においては、下板金具と上板金
具における支持ゴム弾性体による連結面をそれぞれ略水
平面とし、車両上下方向において正対して対向位置せし
めるようにしても良い。このような構造を採用すれば、
支持ゴム弾性体が純圧縮となってパワーユニットの支持
ばね剛性が有利に確保され得ると共に、マウントのコン
パクト化が有利に図られ得る。
【0017】さらに、本発明に従うエンジンマウントに
おいては、ゴムブッシュを構成する筒状部を、支軸部が
設けられた下板金具または上板金具に対して、軸方向に
所定距離を隔てて対向位置せしめると共に、かかる対向
面間に緩衝ゴムを配設することにより、下板金具と上板
金具の接近方向における相対的変位量を制限するストッ
パ機構が、好適に採用される。
【0018】また、本発明に従うエンジンマウントにお
いては、ゴムブッシュを構成する支軸部の突出先端部
に、筒状部が設けられた上板金具または下板金具の背面
側に対して軸方向に所定距離を隔てて対向位置する当接
部を設けると共に、かかる対向面間に緩衝ゴムを配設す
ることにより、下板金具と上板金具の離隔方向における
相対的変位量を制限するストッパ機構が、好適に採用さ
れる。
【0019】そして、このようなストッパ機構を採用す
れば、車両上下方向におけるストッパ機能が有利に実現
され得るのである。
【0020】
【発明の実施の形態・実施例】以下、本発明を更に具体
的に明らかにするために、本発明の実施例について、図
面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0021】先ず、図1〜3には、本発明の第一の実施
例としての自動車用エンジンマウント10が、示されて
いる。本実施例のエンジンマウント10は、互いに所定
距離を隔てて対向配置された下板金具12と上板金具1
4が、それらの対向面間に介装された支持ゴム弾性体1
6,16によって弾性的に連結された構造とされてお
り、下板金具12が図示しない車体側に、上板金具14
が図示しないパワーユニット側に、それぞれ取り付けら
れることにより、パワーユニットを車体に対して防振支
持せしめるようになっている。なお、本実施例では、図
1中の上下方向および左右方向が、それぞれ自動車の上
下方向および左右方向となり、また図1中の紙面に垂直
な方向(図2中の左右方向)が自動車の前後方向となる
状態で、エンジンマウント10が自動車に装着されて、
パワーユニット荷重が、図1中の上下方向に入力される
こととなる。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則
として、車両上下方向となる図1中の上下方向をいうも
のとする。
【0022】より詳細には、下板金具12および上板金
具14は、何れも、全体として略長手矩形状の平板形状
を有しており、互いに所定距離を隔てて正対して対向位
置するように、互いの対向面が平行となる状態で配設さ
れている。また、下板金具12には、中心部の周りに位
置して4本の取付ボルト18が、下方に突出して固着さ
れており、これらの取付ボルト18によって、下板金具
12が車体側に取り付けられるようになっている。更
に、上板金具14には、中心部の周りに位置して4個の
取付孔20が設けられており、これらの取付孔20に挿
通されるボルトによって、上板金具14がパワーユニッ
ト側に取り付けられるようになっている。
【0023】なお、図3に示されているように、上板金
具14における取付孔20の形成部位は、幅方向に突出
した広幅部22,22とされていると共に、それら広幅
部22,22に対向位置する下板金具12の中央部分
は、幅方向に狭幅化されたえぐれ部24,24とされて
おり、取付孔20に対するボルト装着作業性の向上が図
られている。また、上板金具14における一方の広幅部
22の周縁部には、上方に向かって突出する位置決め突
部26が一体形成されており、この位置決め突部26に
よって、パワーユニットに対する上板金具14の取付位
置が決定されるようになっている。
【0024】そして、下板金具12と上板金具14にお
ける各長手方向両側部分の対向面28,30間に、それ
ぞれ、略矩形ブロック形状の支持ゴム弾性体16が介装
されて、それら下板金具12と上板金具14の対向面2
8,30に対してそれぞれ加硫接着されている。換言す
れば、下板金具12と上板金具14の対向面間におい
て、対向面間中央部を挟んだ両側に位置する対向面間両
側部に位置して、一対の支持ゴム弾性体16,16が介
装されているのである。
【0025】さらに、上板金具14の中央部分には、支
持孔32が穿孔されており、この支持孔32に対して、
支軸部としての支軸金具34が装着されている。かかる
支軸金具34は、先端部が球面状とされていると共に、
偏平円板状の頭部38を基端部側に有しており、上板金
具14の支持孔32に対して上方より挿通され、頭部3
8が上板金具14の上面に重ね合わされて必要に応じて
溶着されることにより、下方に向かって突出する状態で
取り付けられている。なお、支軸金具34は、上板金具
14に装着された際、下板金具12までは至らない長さ
で突出するように、軸方向長さが設定されている。ま
た、支軸金具34の頭部38が重ね合わされる上板金具
12の中央部分には、下方に凹んだ凹部39が設けられ
ており、上板金具12の取付面(上面)40から頭部3
8が突出しないようにされている。
【0026】また一方、下板金具12の中央部分には、
筒状部としての円筒形状を有する円筒部42が設けられ
ている。この円筒部42は、上板金具14に向かって、
上板金具14にまでは至らない長さで上方に突出位置せ
しめられている。そして、この円筒部42の軸方向先端
部分は、上板金具14側から突設された支軸金具34の
先端部分に対して、軸直角方向でオーバーラップされて
おり、該支軸金具34の周りを所定距離を隔てて囲むよ
うにして、支軸金具34と略同一軸心上に位置せしめら
れている。なお、円筒部42は、別途形成したものを下
板金具12に溶着等で固定することも可能であるが、特
に本実施例では、例えば下板金具12を形成する平板形
状の素板に対してバーリングポンチを用いた孔抜きバー
リング加工を施すこと等により、円筒部42が下板金具
12に対して一体的にプレス成形されている。即ち、こ
のように円筒部42を下板金具12に一体的にプレス成
形すれば、円筒部42を下板金具12に固着するための
特別な操作が不要となり、製作性とコスト性が向上され
るのである。
【0027】そして、これら支軸金具34と円筒部42
の径方向対向面間に、全体として略円筒形状を有する連
結ゴム弾性体44が介装されており、この連結ゴム弾性
体44の内周面に支軸金具34が、外周面に円筒部42
が、それぞれ加硫接着されることにより、支軸金具34
と円筒部42が、連結ゴム弾性体44によって弾性的に
連結されている。これにより、下板金具12と上板金具
14の対向面間中央部において、下板金具12と上板金
具14を弾性的に連結するゴムブッシュ46が構成され
ているのである。なお、円筒部42には、連結ゴム弾性
体44の接着強度を確保するために、径方向に貫通する
透孔48が適数個設けられている。
【0028】なお、本実施例では、支軸金具34を車両
前後方向となる径方向一方向(一対の支持ゴム弾性体1
6,16の対向方向に対して直交する方向)に挟んで対
向位置する部分に、連結ゴム弾性体44を軸方向に貫通
して延びる一対のスリット50,50が設けられてい
る。これによって、ゴムブッシュ46における径方向ば
ね比が調節され、車両前後方向となる径方向で柔らか
く、車両左右方向となる径方向で固くなるように、径方
向ばね特性が設定されているのである。
【0029】また、本実施例では、支持ゴム弾性体16
と連結ゴム弾性体44が一体的に形成されており、これ
ら支持ゴム弾性体16と連結ゴム弾性体44および下板
金具12と上板金具14等を含むエンジンマウント10
が、一体加硫成形品として形成されている。
【0030】さらに、ゴムブッシュ46を構成する円筒
部42の突出先端面は、上板金具14に対して所定距離
を隔てて対向位置せしめられていると共に、かかる突出
先端面上に緩衝ゴム52が設けられている。そして、下
板金具12と上板金具14の間に過大な荷重が入力され
た際、円筒部42の突出先端面が、緩衝ゴム52を介し
て、上板金具14に当接することによって、下板金具1
2と上板金具14が相互に接近する方向の相対変位量を
制限するバウンド方向のストッパ機構が構成されてい
る。
【0031】上述の如き構造とされたエンジンマウント
10においては、パワーユニット荷重が及ぼされる車両
上下方向(図1中、上下方向)の入力荷重に対して、支
持ゴム弾性体16,16が純圧縮となることから、支持
ゴム弾性体16,16の大きさや材質等を調節してばね
定数をチューニングすることにより、有効な支持ばね剛
性を得ることが出来る。なお、ゴムブッシュ46の連結
ゴム弾性体44は、車両上下方向の入力荷重に対して剪
断となることから、ゴムブッシュ46が車両上下方向の
入力荷重に対するばね特性に大きな影響を与えることは
ないが、過大な荷重入力時には、ゴムブッシュ46の円
筒部42を含んで構成されたストッパ機構によって、支
持ゴム弾性体16の変形量、延いてはパワーユニットの
車体に対する変位量が制限されることとなる。
【0032】また、ロール荷重等が及ぼされる車両左右
方向(図1中、左右方向)の入力荷重に対しては、支持
ゴム弾性体16,16が純剪断となることから、支持ゴ
ム弾性体16,16によっては大きなばね剛性は発揮さ
れ難いが、ゴムブッシュ46に対しては軸直角方向の入
力荷重となることから、連結ゴム弾性体44が圧縮とな
り、有効なばね剛性を得ることが出来る。それ故、ゴム
ブッシュ46の大きさや構造を調節し、パワーユニット
の車両左右方向における支持ばね剛性を大きくして、パ
ワーユニットのロール方向の揺動を抑えることにより、
自動車の操縦安定性の向上を図ることが出来るのであ
る。
【0033】更にまた、車両前後方向(図2中、左右方
向)の入力荷重に対しては、車両左右方向の入力荷重と
同様、支持ゴム弾性体16,16が純剪断となるが、ゴ
ムブッシュ46に対しては軸直角方向の入力荷重となる
ことから、連結ゴム弾性体44が圧縮となり、有効なば
ね剛性を得ることが出来る。しかも、ゴムブッシュ46
に対する車両前後方向の入力荷重は、車両左右方向の入
力荷重に対して直交する方向に及ぼされることから、ゴ
ムブッシュ46の構造等によって、車両前後方向の入力
荷重に対するばね特性と、車両左右方向の入力荷重に対
するばね特性を、相互に独立的に設定することが出来る
のである。
【0034】そして、特に、本実施例では、スリット5
0,50によって、ゴムブッシュ46における車両前後
方向の入力荷重に対するばね特性が、車両左右方向の入
力荷重に対するばね特性に比して柔らかく設定されてい
ることから、良好なる操縦安定性を確保しつつ、優れた
乗り心地が実現され得るのである。また、急加減速や段
差乗越え等によって車両前後方向に大きな荷重が入力さ
れた際には、ゴムブッシュ46におけるスリット50が
潰れて非線型的に大きなばね剛性が発揮されるのであ
り、それによって、パワーユニットの支持剛性が有効に
発揮されると共に、より大きな荷重が入力された際に
は、ゴムブッシュ46を構成する支軸金具34が連結ゴ
ム弾性体44を介して円筒部42に当接せしめられるこ
とにより、過大な変位を規制するストッパ機能も有効に
発揮されることから、シフト抜け等の問題が有利に回避
されることとなる。
【0035】従って、このようなエンジンマウント10
においては、マウント要求特性上で特に問題となる互い
に直交する三方向におけるばね特性乃至はばね剛性を、
相互緩衝を抑えて略独立的に設定することが出来るので
あり、しかも、各方向において圧縮ゴムを設定すること
が出来ることから十分に大きなばね剛性を設定可能で、
各方向のばね特性乃至はばね剛性のチューニング範囲を
十分に広く確保することが出来るのであり、それによっ
て要求される各荷重入力方向での防振支持特性を、容易
に且つ高度に達成することが可能となるのである。
【0036】また、かかるエンジンマウント10におい
ては、水平方向の入力荷重に対しては、何れも、ゴムブ
ッシュ46によって大きなばね剛性を確保することが可
能であることから、支持ゴム弾性体16による連結面を
構成する下板金具12と上板金具14の長手方向両側部
分を斜め上方に大きく傾斜させなくても、車両左右方向
のばね剛性を確保することが出来る。それ故、本実施例
の如く、水平方向のばね剛性を十分に確保しつつ、全面
に亘って平板形状とされた下板金具12と上板金具14
を採用することも可能であり、それによって、要求特性
を確保しつつ、マウントサイズの小型化が有利に図られ
得るのである。
【0037】更にまた、かかるエンジンマウント10に
おいては、水平方向の荷重入力時には、何れの方向にお
いても、下板金具12と上板金具14の水平方向におけ
る過大な相対的変位が、ゴムブッシュ46によって阻止
されるのであり、それ故、特別な別体ストッパ機構を設
けなくても、パワーユニットの車体に対する水平方向の
変位量を制限するストッパ機能が発揮されるのである。
【0038】さらに、本実施例のエンジンマウント10
においては、上板金具14と円筒部42を含んでストッ
パ機構が構成されていることから、別体ストッパを必要
とすることなく、上下方向の過大な荷重入力時における
支持ゴム弾性体16や連結ゴム弾性体44の変形量、延
いてはパワーユニットの車体に対する変位量が制限され
得るのである。
【0039】次に、図4には、本発明の第二の実施例と
してのエンジンマウント60が示されている。なお、本
実施例は、前記第一の実施例のエンジンマウントとは異
なる構造のゴムブッシュを採用したものの具体例を示す
ものであり、第一の実施例と同様な構造とされた部材お
よび部材については、図面中、第一の実施例と同一の符
号を付することにより詳細な説明を省略する。
【0040】すなわち、本実施例のエンジンマウント6
0においては、下板金具12や上板金具14,支持ゴム
弾性体16等とは別体構造とされたゴムブッシュ61が
採用されている。このゴムブッシュ61は、支軸部とし
ての支軸ボルト62を有していると共に、該支軸ボルト
62の径方向外方に所定距離を隔てて、薄肉円筒形状の
金属スリーブ64が、略同一軸心上に配設されており、
これら支軸ボルト62と金属スリーブ64の径方向対向
面間に、全体として略厚肉の円筒形状を有する連結ゴム
弾性体66が配設されている。即ち、本実施例における
ゴムブッシュ61は、連結ゴム弾性体66の内周面に支
軸ボルト62が、外周面に金属スリーブ64が、それぞ
れ加硫接着された一体加硫成形品として形成されている
のである。
【0041】そして、かかるゴムブッシュ61は、金属
スリーブ64が、下板金具12に形成された円筒部42
に対して下方から圧入されて固着されている一方、支軸
ボルト62の先端部が、上板金具14の支持孔32に挿
通されてナット68で固定されており、それによって、
下板金具12と上板金具14の間に介装されている。
【0042】また、金属スリーブ64は、軸方向下端部
において、下板金具12における円筒部42の立上げ部
分に沿って径方向外方に湾曲されることにより、フラン
ジ部70が形成されて下板金具12の背面側に重ね合わ
されていると共に、該フランジ部70の軸方向外面上に
は、緩衝ゴム72が連結ゴム弾性体66と一体的に形成
されている。また一方、支軸ボルト62の軸方向下端部
は、金属スリーブ64よりも軸方向下方に突出されてい
ると共に、その突出先端部に対して、軸直角方向に広が
る大径円板形状の当接金具74が固着されている。そし
て、当接金具74の外周部分が、金属スリーブ64のフ
ランジ部70に対して、軸方向に所定距離を隔てて対向
位置せしめられている。
【0043】これによって、下板金具12と上板金具1
4の間に、両者が離隔する方向の過大な荷重が入力され
た際、支軸ボルト62に固着された当接金具74が、緩
衝ゴム72を介して、金属スリーブ64のフランジ部7
0に当接することによって、下板金具12と上板金具1
4が相互に離隔する方向の相対変位量を制限するリバウ
ンド方向のストッパ機構が構成されているのである。
【0044】上述の如き構造とされたエンジンマウント
60においても、支持ゴム弾性体16および連結ゴム弾
性体66によって、マウント要求特性上で特に問題とな
る互いに直交する三方向におけるばね特性乃至はばね剛
性を、相互緩衝を抑えて略独立的に設定することが出来
るのであり、前記第一の実施例と同様な効果が、何れも
有効に発揮され得るのである。
【0045】しかも、本実施例のエンジンマウント60
においては、ゴムブッシュ61がエンジンマウント本体
とは別体構造とされていることから、連結ゴム弾性体6
6の材質を、支持ゴム段弾性体16の材質とは異ならせ
ることが可能であり、それによって、マウントチューニ
ングの幅が一層拡大されるのである。
【0046】また、本実施例のエンジンマウント60に
おいては、リバウンド方向のストッパ機構も、ゴムブッ
シュ61を利用して有利に且つ簡単な構造をもって構成
されるという利点もある。
【0047】以上、本発明の実施例を参照しつつ、本発
明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は、これら
の実施例によって何等限定的に解釈されるものではな
い。
【0048】例えば、前記実施例では、下板金具12お
よび上板金具14が何れも全体に亘って平板形状とされ
ていたが、支持ゴム弾性体16によって連結される下板
金具12と上板金具14の各長手方向両側部分の対向面
を、斜め上方や下方に傾斜させて、各方向のばね特性や
ばね剛性をチューニングすることも可能である。
【0049】また、エンジンマウントの車両への装着方
向に限定はなく、例えば、図1中の左右方向が車両前後
方向となるように装着するようにしても良い。
【0050】更にまた、前記実施例とは逆に、ゴムブッ
シュを構成する支軸部を上板金具14側に、筒状部を下
板金具12側に、それぞれ設けるようにしても良い。
【0051】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0052】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされたエンジンマウントにおいては、車両
上下,左右,前後等の各方向におけるばね特性乃至はば
ね剛性を略独立的に調節することができると共に、それ
ら各方向におけるばね比を広い範囲に亘って調節するこ
とができることから、極めて大きなマウント特性のチュ
ーニング自由度が確保されると共に、マウント要求特性
を高度に実現することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例としてのエンジンマウン
トを示す半裁断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1における底面図である。
【図4】本発明の第二の実施例としてのエンジンマウン
トを示す半裁断面図である。
【符号の説明】
10,60 エンジンマウント 12 下板金具 14 上板金具 16 支持ゴム弾性体 34 支軸金具 42 円筒部 44,66 連結ゴム弾性体 46,61 ゴムブッシュ 50 スリット 52,72 緩衝ゴム 62 支軸ボルト 64 金属スリーブ 70 フランジ部 74 当接金具

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側に取り付けられる下板金具と、パ
    ワーユニット側に取り付けられる上板金具を、車両上下
    方向に所定距離を隔てて対向位置するように配設すると
    共に、それら下板金具と上板金具を支持ゴム弾性体によ
    って弾性的に連結してなるエンジンマウントにおいて、 前記下板金具と前記上板金具を、それらの対向面間中央
    部を挟んだ両側に位置する対向面間両側部において、そ
    れぞれ前記支持ゴム弾性体によって弾性的に連結する一
    方、かかる対向面間中央部において、該下板金具と該上
    板金具の何れか一方の側から他方の側に向かって対向方
    向に突出する支軸部を設けると共に、該支軸部の周りを
    所定距離を隔てて囲む筒状部を、該下板金具と該上板金
    具の何れか他方の側に設け、それら支軸部と筒状部の間
    に連結ゴム弾性体を介装せしめてゴムブッシュを構成し
    たことを特徴とするエンジンマウント。
  2. 【請求項2】 前記ゴムブッシュを構成する前記筒状部
    が、前記下板金具または前記上板金具においてプレス成
    形されている請求項1に記載のエンジンマウント。
  3. 【請求項3】 前記連結ゴム弾性体の外周面に金属スリ
    ーブが固着されており、前記ゴムブッシュを構成する前
    記筒状部に該金属スリーブが圧入固定されている請求項
    1又は2に記載のエンジンマウント。
  4. 【請求項4】 前記下板金具と前記上板金具における前
    記支持ゴム弾性体による連結面が、それぞれ略水平面と
    されて車両上下方向において正対して対向位置せしめら
    れている請求項1乃至3の何れかに記載のエンジンマウ
    ント。
  5. 【請求項5】 前記ゴムブッシュを構成する前記筒状部
    を、前記支軸部が設けられた前記下板金具または前記上
    板金具に対して、軸方向に所定距離を隔てて対向位置せ
    しめると共に、かかる対向面間に緩衝ゴムを配設するこ
    とにより、該下板金具と該上板金具の接近方向における
    相対的変位量を制限するストッパ機構を構成した請求項
    1乃至4の何れかに記載のエンジンマウント。
  6. 【請求項6】 前記ゴムブッシュを構成する前記支軸部
    の突出先端部に、前記筒状部が設けられた前記上板金具
    または前記下板金具の背面側に対して軸方向に所定距離
    を隔てて対向位置する当接部を設けると共に、かかる対
    向面間に緩衝ゴムを配設することにより、該下板金具と
    該上板金具の離隔方向における相対的変位量を制限する
    ストッパ機構を構成した請求項1乃至5の何れかに記載
    のエンジンマウント。
JP24747195A 1995-09-26 1995-09-26 エンジンマウント Pending JPH0989046A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7350777B2 (en) 2004-11-19 2008-04-01 Tokai Rubber Industries, Ltd. Engine mount
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