JP3922417B2 - ストラットマウント - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、車両の懸架装置においてショックアブソーバの車両ボデーへの取付部位に装着されて、該ショックアブソーバを車両ボデーに対して防振支持せしめるストラットマウントに関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、車両のサスペンション機構の一種として、ショックアブソーバをハブキャリアと車両ボデーの間に配設して、ショックアブソーバをホイールの位置決めに利用したストラット式サスペンション機構が知られている。そこにおいて、ショックアブソーバを通じての車輪側から車両ボデー側への振動伝達を軽減するために、ショックアブソーバの車両ボデーへの取付部には、ストラットマウントが装着されることとなる。かかるストラットマウントは、例えば、実開平3−7012号公報等に記載されているように、互いに軸直角方向に離間配置されたインナ筒金具とアウタ筒金具を、それらの径方向対向面間に配された筒状ゴム弾性体で連結した構造とされて、インナ筒金具にショックアブソーバが挿通固定される一方、アウタ筒金具が車両ボデーに固定されるようになっている。
【0003】
ところで、ストラット式サスペンション機構では、車両走行時における車輪の上下動に伴ってハブキャリアが車両ボデーに対して動く際に、それらハブキャリアと車両ボデーの間に配設されたショックアブソーバの車両ボデーに対する取付角度(傾斜角度)が変化することとなり、この角度変化をストラットマウントにおける筒状ゴム弾性体の弾性変形によって吸収するようになっている。そこにおいて、ストラットマウントのこじり方向のばね剛性が大きいと、ショックアブソーバの取付角度が変化した際にストラットマウントの弾性力によってショックアブソーバに曲げ力が及ぼされて、ショックアブソーバのシリンダとピストンロッドの間に大きな摩擦抵抗が生ぜしめられるために、ショックアブソーバの伸縮作動性が阻害されて車両の乗り心地が悪くなったり、ショックアブソーバの耐久性が悪化するおそれがあった。
【0004】
一方、かかるストラットマウントにおいては、車両の旋回時や制動時、急加速時などにおいて、車両の操縦安定性を高度に確保するために、インナ筒金具とアウタ筒金具の間に及ぼされる軸直角方向の荷重に対するばね剛性を大きく設定することが要求される。
【0005】
ところが、ストラットマウントにおいては、前者のこじり方向のばね特性と、後者の軸直角方向のばね特性が、何れも、インナ筒金具とアウタ筒金具を連結する筒状ゴム弾性体によって与えられることから、それらのばね特性を相互に独立的に設定,調節することが極めて困難である。特に、前記実開平3−7012号公報等に記載されているように、互いに軸直角方向に離間配置された円筒形状のインナ筒金具と円筒形状のアウタ筒金具を、それらの径方向対向面間に配された円筒形状のゴム弾性体で連結した従来構造のストラットマウントにおいては、軸直角方向の荷重入力時におけるゴム弾性体の弾性変形だけでなく、こじり方向の荷重入力時におけるゴム弾性体の弾性変形も、圧縮/引張変形が支配的になることから、軸直角方向のばね剛性を十分に確保しつつ、こじり方向のばね剛性を柔らかく設定することが極めて難しく、そのために、車両の操縦安定性と乗り心地を高度に両立して達成することが困難であったのである。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、車両横方向等の略水平方向となる軸直角方向のばね剛性を十分に大きく確保しつつ、ショックアブソーバのストローク時の略変位方向となるこじり方向のばね剛性を小さく設定することが出来、それによって、車両の操縦安定性と乗り心地を高いレベルで両立して達成することの出来る、新規な構造のストラットマウントを提供することにある。
【0007】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することのできる発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0008】
本発明の第一の態様は、ショックアブソーバが取り付けられるインナ筒部材と、該インナ筒部材の外周側に離間配置されて車両ボデーに取り付けられるアウタ筒部材を、それらの径方向対向面間に配された筒状ゴム弾性体で連結したストラットマウントにおいて、前記インナ筒部材と前記アウタ筒部材を軸方向中央部分で軸直角方向に離間して対向位置せしめると共に、かかる軸直角方向の対向部位を挟んだ軸方向両側部分で、それぞれ、該インナ筒部材の外周面と該アウタ筒部材の内周面を、軸方向両側に向かってそれぞれ小径化する傾斜面をもって対向位置せしめ、更に、それらインナ筒部材とアウタ筒部材の該軸方向中央部分における対向面間と、軸方向両側部分における該傾斜面での対向面間を、何れも、前記筒状ゴム弾性体によって直接に弾性連結して、更に、前記軸直角方向の対向面および前記傾斜方向の対向面を形成する前記インナ筒部材の外周面と前記アウタ筒部材の内周面のうち、該アウタ筒部材の内周面における軸方向下側の開口寸法を軸方向上側の開口寸法よりも大きくすると共に、該アウタ筒部材の内周面における軸方向下側の開口寸法よりも該インナ筒部材の外周面の最大外径寸法を小さくして、該インナ筒部材を該アウタ筒部材に対して軸方向下方から内挿可能としたことを、特徴とする。
【0009】
このような本態様に従う構造とされたストラットマウントにおいては、軸直角方向の荷重入力時に、インナ筒部材とアウタ筒部材の軸直角方向の対向面間で筒状ゴム弾性体に対して圧縮/引張力が効果的に及ぼされる一方、こじり方向の荷重入力時には、軸方向両側におけるインナ筒部材とアウタ筒部材の対向面が軸直角方向に対して傾斜した傾斜対向面とされていることから、インナ筒部材とアウタ筒部材の軸直角方向の対向面間だけでなく、軸方向両側部分の対向面間においても、筒状ゴム弾性体に対する圧縮/引張力の作用が有利に軽減されて、主に剪断力として作用せしめられることとなる。
【0010】
なお、インナ筒部材の外周面とアウタ筒部材の内周面において、インナ筒部材とアウタ筒部材の軸直角方向の対向面とは、軸直角方向の対向方向線に対して、直交する面をもって互いに対面する対向面をいい、インナ筒部材とアウタ筒部材の傾斜方向の対向面とは、軸直角方向に対して傾斜した傾斜方向の対向方向線に対して、直交する面をもって互いに対面する対向面をいう。
【0011】
従って、軸直角方向の入力荷重に対しては大きなばね剛性が発揮されると共に、こじり方向の入力荷重に対しては小さなばね剛性が発揮されることとなり、以て、車両の操縦安定性と乗り心地を高いレベルで両立して実現することが可能となるのである。
【0012】
特に、本態様においては、インナ筒部材とアウタ筒部材における軸直角方向の対向面間と傾斜方向の対向面間が、何れも、筒状ゴム弾性体によって直接に弾性連結されることにより、それら何れの対向面間においても空気や液体等の流体室が形成されることがなく、軸直角方向の入力荷重に対するばね剛性が極めて有利に実現され得るのである。
【0013】
なお、本態様において、筒状ゴム弾性体によって直接に弾性連結された軸直角方向の対向面とその軸方向両側に位置する傾斜方向の対向面は、必ずしも周方向全周に亘って連続して形成する必要はなく、要求されるばね特性等に応じて、特定の周上においてのみ部分的に、そのような軸直角方向の対向面と傾斜方向の対向面を形成しても良い。例えば、軸直角方向での大きなばね剛性とこじり方向での小さなばね剛性が、車両横方向だけで要求されるような場合には、車両横方向となる軸直角方向で対向位置する部分において、そのような軸直角方向の対向面と傾斜方向の対向面を形成する一方、それと直交する車両前後方向となる軸直角方向で対向位置する部分には、軸直角方向の対向面だけを設けたり、或いは傾斜方向の対向面だけを設けることも可能である。
【0014】
さらに、本態様において、ストラットマウントの車両への装着状態下、インナ筒部材とアウタ筒部材は、それらの中心軸が略鉛直方向に延びていることが望ましいが、サスペンション形式等によっては傾斜していても良く、その場合にも、上述の如き効果は有効に発揮され得る。また、ストラットマウントの車両への装着状態下、インナ筒部材とアウタ筒部材の中心軸は、相互に略平行とされることが望ましいが、サスペンション形式等によっては相互に傾斜していても良く、その場合にも、上述の如き効果は有効に発揮され得る。更にまた、インナ筒部材へのショックアブソーバの取付構造や、アウタ筒部材の車両ボデーへの取付構造は、特に限定されるものでないが、例えば、ショックアブソーバのピストンロッドの先端部分をインナ筒部材に挿通固定することによって取り付ける一方、アウタ筒部材から径方向外方に広がる円環板状の取付板部を一体形成し、この取付板部を車両ボデーに形成された平板形状の支持板部に重ね合わせてボルト等で固定することによって、有利に実現され得る。
また、本態様においては、インナ筒部材とアウタ筒部材を容易に組み付けることが出来て、優れた生産性が実現されるのであり、また、アウタ筒部材を分割構造としなくてもインナ筒部材を組み付けることが出来る。
【0015】
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に従う構造とされたストラットマウントにおいて、前記インナ筒部材と前記アウタ筒部材における軸直角方向の対向面と傾斜方向の対向面を、互いに軸方向に連続して形成すると共に、それら軸直角方向の対向面間と傾斜方向の対向面間をそれぞれ弾性連結する前記筒状ゴム弾性体を、互いに軸方向に連続して一体的に形成したことを、特徴とする。このような本態様においては、軸直角方向の荷重入力時に、軸直角方向の対向面間と傾斜方向の対向面間にそれぞれ配設された各筒状ゴム弾性体の間で相対的な拘束力が生ぜしめられて、軸直角方向のばね剛性が一層有利に確保され得ることとなり、それによって、軸直角方向のばね剛性とこじり方向のばね剛性の比を一層大きく設定することが可能となる。
【0016】
また、本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に従う構造とされたストラットマウントにおいて、前記軸直角方向の対向面および前記傾斜方向の対向面を形成する前記インナ筒部材の外周面と前記アウタ筒部材の内周面を、それぞれ略球面形状としたことを、特徴とする。このような本態様においては、インナ筒部材の球状外周面とアウタ筒部材の球状外周面が、それらの略大円上で軸直角方向に対向位置せしめられると共に、大円の軸方向両側の小円部分で傾斜方向に対向位置せしめられることとなり、傾斜方向での対向面が球面形状とされていることによって、インナ筒部材とアウタ筒部材の間へのこじり方向の入力荷重が、筒状ゴム弾性体の剪断方向に一層有利に及ぼされる。それ故、本態様のストラットマウントにおいては、こじり方向のばね剛性が一層軽減され得て、乗り心地の更なる向上が図られ得ることとなる。また、インナ筒部材とアウタ筒部材における軸直角方向の対向面と傾斜方向の対向面を全体に亘って球面形状で連続させることにより、筒状ゴム弾性体における局部的な応力集中を緩和乃至は回避せしめて、耐久性の向上を図ることも可能となる。
【0017】
また、このような本態様においては、アウタ筒部材を分割構造としなくてもインナ筒部材を組み付けることが出来ることから、アウタ筒部材の球状内周面を一層滑らかな球面形状とすることが可能となり、それによって、筒状ゴム弾性体におけるこじり方向の変形特性の向上等も図られ得る。
【0018】
また、本発明の第の態様は、前記第又は第の態様に従う構造とされたストラットマウントであって、車両への装着状態下において、それぞれ略球面形状とされた前記インナ筒部材の外周面の中心点と前記アウタ筒部材の内周面の中心点が、略一致せしめられるようになっていることを、特徴とする。このような本態様においては、インナ筒部材とアウタ筒部材のこじり方向の相対変位に伴う筒状ゴム弾性体の変形が、剪断方向において一層有利に生ぜしめられて、こじり方向のばね剛性の更なる低減が実現可能となる。
【0019】
なお、本発明は、車輪を車両ボデーに対して弾性連結せしめて車両ボデー重量を分担支持するコイルスプリング等の支持ばね荷重が、ストラットマウントを介することなく車両ボデーに及ぼされる入力分離タイプのストラットマウントの他、ストラットマウントを通じて車両ボデーに及ぼされる入力一体タイプのストラットマウントにも適用可能であるが、そこにおいて、上記第の態様を入力一体タイプのストラットマウントに適用する場合には、車両への装着時に及ぼされる車両ボデー重量による筒状ゴム弾性体の弾性変形量を考慮して、装着前の外力が及ぼされていない状態下では、インナ筒部材の外周面の中心点が、アウタ筒部材の内周面の中心点に対して、ショックアブソーバ側に所定量だけ偏倚して位置せしめられるようにされる。
【0020】
また、本発明の第の態様は、前記第一又は第二の態様に従う構造とされたストラットマウントにおいて、前記軸直角方向の対向面を形成する前記インナ筒部材の外周面と前記アウタ筒部材の内周面を、それぞれ略円筒形状とすると共に、前記傾斜方向の対向面を形成する前記インナ筒部材の外周面と前記アウタ筒部材の内周面を、それぞれテーパ筒形状としたことを、特徴とする。このような本態様に従えば、インナ筒部材の外周面とアウタ筒部材の内周面に球面形状等を付する場合に比して、容易に製造することが可能となる。なお、インナ筒部材とアウタ筒部材における各テーパ筒形状の面は、その軸方向の略中央部分において、こじり方向の中心点を中心とする円に接して略接線に延びる傾斜角度で形成することが望ましい。
【0021】
また、本発明の第の態様は、前記第一乃至第の何れかの態様に従う構造とされたストラットマウントであって、車両への装着状態下において、前記筒状ゴム弾性体によって弾性連結された前記インナ筒部材とアウタ筒部材のこじり方向の弾性中心が、それらインナ筒部材とアウタ筒部材の中心軸上で、且つ前記軸直角方向の対向面の略軸方向中央に位置するようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、インナ筒部材とアウタ筒部材のこじり方向の相対変位に伴う筒状ゴム弾性体の変形が、安定化すると共に、剪断方向において一層有利に生ぜしめられて、こじり方向のばね剛性の更なる低減が実現可能となるのである。
【0022】
【発明の実施態様】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0023】
先ず、図1には、本発明の一実施形態としてのストラットマウント10が示されている。このストラットマウント10は、インナ筒部材としてのインナ筒金具12と、該インナ筒金具12の径方向外方に離間して配置されたアウタ筒部材としてのアウタ筒金具14とが、それらの径方向対向面間に配された筒状ゴム弾性体としての筒状本体ゴム16によって、連結された構造とされている。そして、かかるストラットマウント10は、図2に示されているように、インナ筒金具12が、自動車のストラット式サスペンション機構を構成する、ショックアブソーバ18のピストンロッド20に固定される一方、アウタ筒金具14が、自動車のボデー22に固定されることにより、ショックアブソーバ18をボデー22に対して防振支持せしめるようになっている。
【0024】
より詳細には、インナ筒金具12は、中央部分を軸方向に貫通する挿通孔24を備えた略円筒形状を有しており、入力荷重に対して剛体と見なし得る程度の剛性材で形成されている。具体的には、例えば、鉄鋼やアルミニウム合金等の金属材を用いて、鋳造やダイキャスト、削り出し等によって有利に形成され得る。また、インナ筒金具12の挿通孔24の軸方向上端開口部には、内周側に向かって突出する環状固定片26が一体形成されている。更に、インナ筒金具12の外周面28は、その全面に亘って、インナ筒金具12の中心軸上の一点:Oを中心とする凸形球面形状とされている。なお、本実施形態では、外周面28の凸形球面の中心点:Oが、インナ筒金具12の外周面28の軸方向中央よりも僅かに下方に偏倚して設定されており、インナ筒金具12の軸方向上端部の外径寸法:Daよりも、軸方向下端部の外径寸法:Dbの方が大きくされている。
【0025】
一方、アウタ筒金具14は、軸方向の中央部分が球状に膨出されて、全体として軸方向両端部が裁断された略球殻形状を有する本体筒部30を有しており、この本体筒部30の軸方向長さが、インナ筒金具12の軸方向長さよりも僅かに小さくされている。また、本体筒部30には、軸方向上側の開口周縁部から軸方向上方に向かって次第に拡径しながら延び出すテーパ付き円筒形状の連結筒部32が一体形成されていると共に、連結筒部32の軸方向上端の開口周縁部には、軸直角方向外方に向かって広がる平板形状の取付板部34が一体形成されている。更に、取付板部34には、周上の適数箇所に取付用孔36が設けられて、それら各取付用孔36に対して、軸方向上方に突出する取付ボルト38が固着されている。なお、このようなアウタ筒金具14も、前記インナ筒金具12と同様に、入力荷重に対して剛体と見なし得る程度の剛性材で形成されており、例えば、鉄鋼やアルミニウム合金等の金属材を用いて、鋳造やダイキャスト、削り出し等によって、有利に形成される。
【0026】
また、アウタ筒金具14の本体筒部30における内周面40は、その全面に亘って、本体筒部30の中心軸上の一点:Pを中心とする凹形球面形状とされており、特に、インナ筒金具12の外周面28よりも所定量だけ大径とされることによって、インナ筒金具12の外周面28とアウタ筒金具14の内周面40の各中心点:O,Pを略同一点上に位置せしめた配設状態下において、インナ筒金具12の外周面28とアウタ筒金具14の内周面40の対向面間には、中心点:O(P)を中心として略一定の間隙寸法をもって広がる球殻形状の間隙42が形成されるようになっている(図2参照)。
【0027】
なお、本実施形態では、アウタ筒金具14の内周面40の凹形球面の中心点:Pが、本体筒部30の軸方向中央よりも僅かに下方に偏倚して設定されており、以て、本体筒部30の軸方向上端部(開口部)の内径寸法:Dcよりも、軸方向下端部(開口部)の内径寸法:Ddの方が大きくされている。また、アウタ筒金具14における本体筒部30の軸方向上端部の内径寸法:Dcは、インナ筒金具12の最大外径寸法(中心点:Oを通る大円の外径寸法):Deよりも小さくされていると共に、アウタ筒金具14における本体筒部30の軸方向下端部の内径寸法Ddは、インナ筒金具12の最大外径寸法:Deよりも大きくされている。これにより、インナ筒金具12が、アウタ筒金具14の本体筒部30に対して、軸方向下方から内挿可能とされていると共に、軸方向上方には抜け出し不能とされており、インナ筒金具12をアウタ筒金具14の本体筒部30に内挿配置せしめた状態下で、インナ筒金具12の球状外周面28の上半球が、アウタ筒金具14の球状内周面40の上半球に対して、軸方向で対向位置せしめられるようになっている。
【0028】
そして、図1に示されているように、インナ筒金具12にアウタ筒金具14が外挿されて、径方向外方に離間して同一中心軸上に配設されていると共に、それらインナ筒金具12の球状外周面28とアウタ筒金具14の球状内周面40の径方向での対向面間の略全体に亘って、筒状本体ゴム16が介装されている。この筒状本体ゴム16は、全体として軸方向両端部が取り除かれた厚肉の略球殻形状を有しており、その内周面がインナ筒金具12の球状外周面28に加硫接着されていると共に、その外周面がアウタ筒金具14の球状内周面40に加硫接着されることによって、それらインナ筒金具12とアウタ筒金具14を備えた一体加硫成形品として形成されている。
【0029】
なお、本実施形態では、ストラットマウント10の車両への装着状態下で入力される後述する車両ボデー荷重に伴う筒状本体ゴム16の弾性変形量を考慮して、アウタ筒金具14に対してインナ筒金具12が軸方向下方に相対偏倚せしめられており、かかる筒状本体ゴム16の弾性変形によるインナ筒金具12とアウタ筒金具14の軸方向の相対変位量:Lに相当する距離だけ、インナ筒金具12の球状外周面28の中心点:Oが、アウタ筒金具14の球状内周面40の中心点:Pに対して、軸方向下方に離間して位置決めされている。要するに、筒状本体ゴム16の加硫成形品においては、そのように軸方向に相対偏倚せしめられたインナ筒金具12とアウタ筒金具14の外内周面28,40の対向面間に充填された形態で、筒状本体ゴム16が形成されており、厚さ寸法が軸方向で異ならされて、軸方向下側部分よりも軸方向上側部分の肉厚が大きく設定されている。
【0030】
そして、上述の如き構造とされたストラットマウント10は、自動車への装着に際して、図2に示されているように、インナ筒金具12の挿通孔24に対してショックアブソーバ18のピストンロッド20の上端部が挿通されて、該ピストンロッド20の段差部44と該ピストンロッド20の先端に螺着された締付ナット46により、ピストンロッド20の上端部が、インナ筒金具12の環状固定片26に固着される。また一方、アウタ筒金具14は、取付板部34が、車両ボデー22に設けられた平坦な取付板部48に対して下面から重ね合わされて、取付ボルト38によって密着状態で固着されることとなる。なお、取付板部48の中央部分には、ショックアブソーバ18のピストンロッド20の干渉を回避するための透孔50が適宜に形成される。
【0031】
また、ショックアブソーバ18のピストンロッド20には、略円環板形状乃至は傘形状をもって軸直角方向に広がる上側スプリング受金具52が外挿されており、この上側スプリング受金具52の内周縁部が、インナ筒金具12の軸方向下端面に対して、ベアリングや摺動リング等の回転許容連結部材54を介して、インナ筒金具12およびピストンロッド20に対して中心軸回りに回転可能に取り付けられており、ショックアブソーバ18のピストンロッド20の軸方向で位置決め支持されている。そして、この上側スプリング受金具52が、ショックアブソーバ18に外挿されたコイルスプリング56の上端部に被せられて該コイルスプリング56の上端部を支持するようになっている。一方、コイルスプリング56の下端部は、ショックアブソーバ18のシリンダ58に外挿固定され略円環板形状乃至は傘形状をもって軸直角方向に広がる下側スプリング受金具53によって支持されるようになっている。これにより、コイルスプリング56は、図4に示されるように、ショックアブソーバ18のシリンダ58とピストンロッド20の間に軸方向の付勢力を与える状態で装着されており、そのピストンロッド20側の支持部が、上側スプリング受金具52と回転許容連結部材54を介して、インナ筒金具12に取り付けられるようになっている。なお、ショックアブソーバ18のシリンダ58は、公知の如く、自動車の車輪60側のハブキャリア62にボルト固定されて取り付けられる(図4参照)。
【0032】
このようにして自動車に装着されることによって、ストラットマウント10は、ショックアブソーバ18を車両ボデー22(取付板部48)に対して弾性的に連結支持せしめて、ショックアブソーバ18を通じて車輪側からボデー22側に伝達される振動を軽減し得ると共に、コイルスプリング56も車両ボデー22に対して弾性的に連結支持せしめて、コイルスプリング56を通じて車輪側からボデー22側に伝達される振動も軽減し得る。
【0033】
なお、本実施形態のストラットマウント10にあっては、車両への装着状態下で、インナ筒金具12における球状外周面の中心点:Oとアウタ筒金具14における球状内周面の中心点:Pが略一致せしめられていると共に、それらインナ筒金具12とアウタ筒金具14を弾性連結する筒状本体ゴム16のこじり方向の弾性中心点:Rも、それら両筒金具の内外周面の中心点:O,Pに一致するようにされている(図3参照)。言い換えれば、ストラットマウント10が自動車に装着されてコイルスプリング56の支持荷重(車両重量の分担荷重)で筒状本体ゴム16が軸方向に弾性変形することによって、インナ筒金具12がアウタ筒金具14に対して軸方向にLだけ相対変位せしめられて、上記各中心点:P,Q,Rが、略一致せしめられるように、各寸法や筒状本体ゴム16のばね特性が設定されているのである。
【0034】
上述の如き構造とされたストラットマウント10にあっては、その装着状態下、筒状本体ゴム16によって弾性連結されたインナ筒部材12の球状外周面28とアウタ筒部材14の球状内周面40が、少なくとも軸方向の略中央部分において、それぞれ水平方向に略直交する面(略鉛直方向に延びる面)をもって相互に対向位置せしめられると共に、その軸方向両側部分では、水平方向に直交する面に対して傾斜した面をもって相互に対向位置せしめられることとなる。
【0035】
それ故、かかるストラットマウント10に対して、自動車の旋回や急加減速などによってインナ筒金具12とアウタ筒金具14の間に水平方向の荷重が及ぼされると、筒状本体ゴム16には、少なくとも軸方向中央部分において、有効な圧縮/引張力が及ぼされるのであり、以て、大きなばね剛性が発揮され得る。特に、本実施形態では、インナ筒金具12とアウタ筒金具14の対向面、即ち、球状外周面28及び球状内周面40が、筒状本体ゴム16の軸方向中央部分から、軸方向両側に向かって次第に少しずつ傾斜角度が変更されていることから、軸方向中央を含む軸方向の広い範囲において、筒状本体ゴム16が実質的に円筒形状とされて、以て、筒状ゴム弾性体16に対して、圧縮/引張力が効果的に及ぼされ、大きなばね剛性をより有効に得ることが出来る。更にまた、本実施形態のストラットマウント10においては、筒状本体ゴム16の軸方向中央部分における弾性変形が、軸方向両側にそれぞれ連続して形成された軸方向両側の筒状本体ゴム16によって有効に拘束されることから、軸方向中央部分において、筒状ゴム弾性体16の更に大きなばね剛性を得ることが可能となる。
【0036】
また一方、ストラットマウント10に対して、ハブキャリア62の車両ボディー22に対する相対変位等によってインナ筒金具12とアウタ筒金具14の間にこじり方向の荷重が入力されると、図3に示されているように、インナ筒金具12の球状外周面28がアウタ筒金具14の球状内周面40に対して、中心点O,P,Rの回りに相対回転変位せしめられることによって、それらを弾性連結する筒状本体ゴム16に対して、主として剪断力が及ぼされることとなり、筒状本体ゴム16が剪断変形せしめられ、圧縮/引張変形が可及的に回避される。その結果、筒状本体ゴム16の十分に小さなばね剛性が発揮されることとなる。
【0037】
従って、上述の如きストラットマウント10においては、車両の旋回や急加減速に際して及ぼされる水平方向の入力荷重に対して、十分に大きなばね剛性が発揮されて、優れた車両の操縦安定性が実現される。また、ハブキャリア62の車両ボディー22に対する相対変位時におけるショックアブソーバ18のストロークに際して及ぼされるこじり方向の入力荷重に対しては、十分に小さなばね剛性が発揮されることから、ショックアブソーバ18に作用する曲げ力、ひいてはシリンダとピストンロッド間の摩擦力が軽減されて、スムーズなストローク作動が実現されることにより、優れた車両の乗り心地が実現され得るのであり、それによって、乗り心地と操縦安定性の両立が極めて高度に達成することが可能となるのである。
【0038】
また、特に本実施形態のストラットマウント10においては、インナ筒金具12の外周面28とアウタ筒金具14の内周面40がそれぞれ球状とされていることから、図4に示されているように、その装着状態下、サスペンション機構への要求特性等によって、中心軸が鉛直方向線に対して傾斜して配設される場合等においても、傾斜角度や傾斜方向にかかわらず、インナ筒金具12とアウタ筒金具14の間で、水平方向での対向面が有利に確保されると共に、こじり方向の入力荷重が筒状本体ゴム16に対する剪断方向に安定して及ぼされ得る。それ故、上述の如き作用、効果が安定して発揮されて、車両の操縦安定性と乗り心地の両立が有効に且つ安定して達成され得る。
【0039】
さらに、本実施形態のストラットマウント10においては、インナ筒金具12の最大外径寸法Deが、アウタ筒金具14の本体筒状部30における軸方向上側の開口寸法Dcよりも大きく設定されており、軸方向の投影で筒状本体ゴム16を挟んでオーバーラップされている。これにより、ショックアブソーバ18に対してバウンドの方向に過大な振動荷重が入力された際に、インナ筒金具12のアウタ筒金具14に対する軸方向の相対変位量が有利に制限されるようになっており、特別な部材を必要とすることなくバウンド方向のストッパ機能が実現される。
【0040】
次に、上述の如き本実施形態のストラットマウント10による作用,効果をより明確にするために、比較例としてのストラットマウント64を図5に示し、その作動について説明する。なお、本比較例において、前記実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、図中に、前記実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略することとする。また、かかる比較例としてのストラットマウント64においては、図中、インナ筒金具12に対するショックアブソーバ18やコイルスプリング56の取付構造を省略する。そして、図5は、ストラットマウント64の自動車への装着状態下において、こじり方向の荷重入力状態を示す、前記実施形態における図3に対応する図である。
【0041】
すなわち、図5に示されたストラットマウント64においては、ショックアブソーバ18のピストンロッド20が取り付けられるインナ筒金具66と、車両ボデー22に取り付けられるアウタ筒金具68が、何れも、円筒形状をもって形成されている。そして、それらインナ筒金具66とアウタ筒金具68が、各円筒状部の径方向対向面間に介装された厚肉円筒形状の筒状本体ゴム70によって弾性的に連結されている。なお、本比較例では、インナ筒金具66に対してラジアルベアリング72が圧入固定されており、このラジアルベアリング72を介して、ショックアブソーバ18のピストンロッド20がインナ筒金具66に対して中心軸回りに回転可能に取り付けられるようになっている。また、アウタ筒金具68には、軸方向中間部分において径方向外方に広がる平板形状の取付板部74が一体形成されており、この取付板部74が車両ボデー22の取付部板48に重ね合わされて、密着状態で取付ボルト38によりボルト固定されて取り付けられるようになっている。
【0042】
このような比較例としてのストラットマウント64においては、自動車への装着状態下で入力される水平方向の荷重に対しては、筒状本体ゴム70に圧縮/引張力が及ぼされて大きなばね剛性が発揮されるものの、こじり方向の荷重に対しては、筒状本体ゴム70の軸方向両側部分に大きな圧縮/引張力の発生が避けられず、ばね剛性の低減が図られ得ない。それ故、軸直角方向のばね剛性を大きくするとこじり方向のばね剛性も大きくなってしまうこととなり、車両乗り心地と操縦安定性の両立が極めて難しいのである。
【0043】
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
【0044】
例えば、前記実施形態においては、装着状態下で車両ボデーの支持荷重が及ぼされる入力一体型のストラットマウントに対して本発明を適用したものの具体例を示したが、本発明は、入力分離型のストラットマウントにも適用可能であり、その一実施形態が、図6に示されている。なお、図6においては、その理解を容易とするために、第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位に対して、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付しておく。
【0045】
すなわち、本実施形態のストラットマウント80においては、アウタ筒金具14の本体筒部30に対して、外周面から径方向外方に広がる円環板形状の支持突起82が固定的に形成されている。そして、ストラットマウントに外挿配置されてコイルスプリング56の上端部をゴムシート83を介して支持する上側スプリング受金具52が、この支持突起82によって、スラストベアリング84を介して、中心軸回りに相対回転可能に支持されている。このような構造とされたストラットマウント80においては、コイルスプリング56の支持荷重が、アウタ筒金具14を通じて、車両ボデー22に対して直接に伝達されることとなり、インナ筒金具12とアウタ筒金具14の間に入力されることがない。従って、かかるストラットマウント80においては、装着前の加硫成形品の状態で、インナ筒金具12とアウタ筒金具14を、各球状外内周面28,40を目的とする同心的な位置に位置決めすることが出来るのであり、それら両筒金具12,14の位置決め設定が容易となる。そして、このような構造とされたストラットマウント80においても、前記実施形態のストラットマウント10と同様な効果が、何れも有効に発揮されることは、言うまでもない。
【0046】
また、前記実施形態のストラットマウントにおいては、本体筒状ゴム16によって弾性連結されるインナ筒金具12の外周面28とアウタ筒金具14の内周面40は、何れも球面形状とされていたが、その他、非球面形状を採用することも可能であり、その一実施形態が、図7に示されている。なお、図7においては、その理解を容易とするために、第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位に対して、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付しておく。また、図7に示される態様のストラットマウント90においては、インナ筒金具92に対するショックアブソーバ18やコイルスプリング56の取付方法は図示されていないが、前記第一の実施形態としてのストラットマウント10と同様な取付構造をもって自動車に装着されるものである。そして、図7は、ストラットマウント90の自動車への装着状態を示す、前記第一の実施形態における図2に対応する図である。
【0047】
すなわち、本実施形態のストラットマウント90においては、筒状本体ゴム104によって弾性連結されたインナ筒金具92の外周面93とアウタ筒金具94の内周面95が、それらの各軸方向略中央部分において、軸方向に所定寸法で延びる円筒状部96,98とされていると共に、各軸方向両側部分において、それぞれ、軸方向外方に向かって次第に小径化するテーパ付きの円筒形状の傾斜面100,100,102,102とされている。そしてインナ筒金具92の外周面93とアウタ筒金具94の内周面95は、各円筒状部96,98において、軸直角方向で相互に離間して対向位置せしめられると共に、各傾斜面100,100,102,102において、軸方向斜め外方に向かう傾斜方向で相互に離間して対向位置せしめられている。
【0048】
このような本態様のストラットマウント90においては、図示された自動車への装着状態下で入力される水平方向の荷重に対しては、インナ筒金具92の外周面93とアウタ筒金具94の内周面95における各円筒状部96,98の対向面間において、筒状本体ゴム104に対して圧縮/引張力が有効に及ぼされて、大きなばね剛性が発揮される。また一方、こじり方向の荷重に対しては、インナ筒金具92の外周面93とアウタ筒金具94の内周面95における各軸方向両側部分の傾斜面100,102が、インナ筒金具92とアウタ筒金具94の相対的な変位方向に沿って傾斜した傾斜面とされていることから、それら傾斜面100,102を弾性連結する筒状本体ゴム104に対して、剪断変形が有利に生ぜしめられて、圧縮/引張力の作用が軽減される。その結果、筒状ゴム本体104において、軸直角方向とこじり方向で大きなばね比が実現されるのであり、以て、前記第一の実施形態と略同様に、優れた乗り心地と操縦安定性の両立が図られ得る。
【0049】
また、インナ筒金具やアウタ筒金具の具体的形状や構造、製造方法等は、何等限定されるものでなく、例えば、プレス成形品等を採用することも可能である。また、実開平3−7012号公報等に記載されているように、軸方向一方の開口部に径方向外方に広がるフランジ状部を一体形成した一対の筒金具を用い、それらを各フランジ状部で重ね合わせてアウタ筒金具を形成することも可能である。
【0050】
また、入力一体型のストラットマウントを示す前記第一の実施形態においては、インナ筒金具12に対して、回転許容連結部材54を介して、上側スプリング受金具52が、中心軸回りに回転可能に支持されるようになっていたが、そのような回転許容連結部材54を用いることなく、例えばインナ筒金具12によって上側スプリング受金具52を固定的に支持せしめることも可能である。なお、そのような取付構造では、コイルスプリング56の中心軸回りの回転を確保することは難しいが、例えば、自動車の後輪用のストラットマウント等において適用可能である。
【0051】
さらに、本発明に係るストラットマウントは、車両への装着状態下において、インナ筒部材とアウタ筒部材が、必ずしも同一中心軸上で平行である必要はなく、相互に傾斜していても良い。そして、そのようにインナ筒部材とアウタ筒部材が相互に傾斜配置される場合でも、実用的な傾斜角度の範囲内であれば何れも上述の如き実施形態におけるのと同様な効果が、有効に発揮されることとなる。
【0052】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0053】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされたストラットマウントにおいては、車両旋回時等に入力される略軸直角方向の荷重に対するばね剛性と、サスペンションストローク時等に入力されるこじり方向の荷重に対するばね剛性との比を、十分に大きく設定することが出来るのであり、それによって、車両の操縦安定性と乗り心地を高度に両立して達成することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのストラットマウントを自動車への非装着状態で示す縦断面図である。
【図2】図1に示されたストラットマウントの自動車への装着状態の一例を示す縦断面図である。
【図3】図1に示されたストラットマウントの自動車への装着状態下でのこじり方向荷重の入力状態を示す縦断面説明図である。
【図4】図1に示されたストラットマウントを装着した自動車サスペンション機構の一具体例を示す縦断面説明図である。
【図5】本発明の比較例としてのストラットマウントの自動車への装着状態を示す、図3に対応した縦断面図である。
【図6】本発明の第二の実施形態とのしてストラットマウントの自動車への装着状態を示す、図2に対応した縦断面図である。
【図7】本発明の第三の実施形態としてのストラットマウントの自動車への装着状態を示す、図2に対応した縦断面図である。
【符号の説明】
10,80,90 ストラットマウント
12,92 インナ筒金具
14,94 アウタ筒金具
16,104 筒状本体ゴム
18 ショックアブソーバ
20 ピストンロッド
22 ボデー
56 コイルスプリング
28 球状外周面
40 球状内周面
93 外周面
95 内周面

Claims (5)

  1. ショックアブソーバが取り付けられるインナ筒部材と、該インナ筒部材の外周側に離間配置されて車両ボデーに取り付けられるアウタ筒部材を、それらの径方向対向面間に配された筒状ゴム弾性体で連結したストラットマウントにおいて、
    前記インナ筒部材と前記アウタ筒部材を軸方向中央部分で軸直角方向に離間して対向位置せしめると共に、かかる軸直角方向の対向部位を挟んだ軸方向両側部分で、それぞれ、該インナ筒部材の外周面と該アウタ筒部材の内周面を、軸方向両側に向かってそれぞれ小径化する傾斜面をもって対向位置せしめ、更に、それらインナ筒部材とアウタ筒部材の該軸方向中央部分における対向面間と、軸方向両側部分における該傾斜面での対向面間を、何れも、前記筒状ゴム弾性体によって直接に弾性連結して、更に、
    前記軸直角方向の対向面および前記傾斜方向の対向面を形成する前記インナ筒部材の外周面と前記アウタ筒部材の内周面のうち、該アウタ筒部材の内周面における軸方向下側の開口寸法を軸方向上側の開口寸法よりも大きくすると共に、該アウタ筒部材の内周面における軸方向下側の開口寸法よりも該インナ筒部材の外周面の最大外径寸法を小さくして、該インナ筒部材を該アウタ筒部材に対して軸方向下方から内挿可能としたことを特徴とするストラットマウント。
  2. 前記軸直角方向の対向面および前記傾斜方向の対向面を形成する前記インナ筒部材の外周面と前記アウタ筒部材の内周面を、それぞれ略球面形状とした請求項1に記載のストラットマウント。
  3. 車両への装着状態下において、それぞれ略球面形状とされた前記インナ筒部材の外周面の中心点と前記アウタ筒部材の内周面の中心点が、略一致せしめられるようになっている請求項2に記載のストラットマウント。
  4. 前記軸直角方向の対向面を形成する前記インナ筒部材の外周面と前記アウタ筒部材の内周面を、それぞれ略円筒形状とすると共に、前記傾斜方向の対向面を形成する前記インナ筒部材の外周面と前記アウタ筒部材の内周面を、それぞれテーパ筒形状とした請求項1に記載のストラットマウント。
  5. 車両への装着状態下において、前記筒状ゴム弾性体によって弾性連結された前記インナ筒部材とアウタ筒部材のこじり方向の弾性中心が、それらインナ筒部材とアウタ筒部材の中心軸上で、且つ前記軸直角方向の対向面の略軸方向中央に位置するようにした請求項1乃至の何れかに記載のストラットマウント。
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