JP6514545B2 - ストラット式サスペンション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両に設けられるストラット式サスペンション装置に関し、特にアッパマウントの高さを抑制しつつストラットに負荷される横力を低減したものに関する。
ストラット式サスペンション装置は、例えば乗用車等の自動車の懸架装置として、広く用いられている。
ストラット式サスペンション装置は、上下方向にほぼ沿って伸縮するダンパ(ショックアブソーバ)を有するストラットの下端部を、車輪が回転可能に取り付けられるハブベアリングハウジングに固定するとともに、ストラットの上端部を、防振用の弾性体を有するアッパマウント(アッパマウント)を介して車体に取り付けて構成される。
ストラットは、ハブベアリングハウジングの下端部と車体とを連結するロワアームと協働して、それ自体が車輪のキャンバ方向等の位置決めを行う機能を有する。
このようなストラット式サスペンション装置においては、ストラット軸(ダンパのロッド軸線)と荷重入力軸(タイヤ接地点とストラットアッパマウント点とを結んだ軸)とがずれているため、タイヤの接地荷重により横力が発生し、ストラットは常時曲げモーメントを受けることになる。
この曲げモーメントは、ダンパをこじるよう作用することから、摺動時のフリクションが増加してスムースな伸縮動作が妨げられ、乗り心地や操縦安定性を悪化させる原因となる。
また、ストラットに負荷される曲げモーメントの影響で、アッパマウントにも負荷がかかるため、耐久性の面でも不利となる。
従来、ストラットに作用する曲げモーメントを低減するために、ストラットに設けられるコイルスプリングの反力を利用して横力をキャンセルする各種の技術が提案されている。
例えば、コイルスプリングの荷重軸線をストラット軸(ダンパ伸縮軸)に対してオフセットして取付け、ばね反力によって曲げモーメントをキャンセルする手法は広く用いられている。
特許文献1には、コイルスプリングの軸線を車幅方向外側が凸となる方向に湾曲させることが記載されている。
特許文献2には、圧縮コイルばねにおける負荷が、ばね中心線もしくはばね力作用線の両側でほぼ同じ大きさとなるように構成することが記載されている。
また、ストラットアッパマウント等の弾性体に関する技術として、例えば以下のようなものが知られている。
特許文献3には、通常振動が加わる部分を軟質ゴムで形成するとともに、大ストローク時に大入力が加わるバンプストッパ部分を硬質ゴムで形成したストラットアッパマウントが記載されている。
特許文献4には、ストラットマウントのこじり方向ばね定数の増大を抑制するとともに、軸方向ばね定数は所用値を確保するため、弾性体を上下二分割して構成するとともに、下部弾性体と上部弾性体とが軸方向に接触可能とすることが記載されている。
特許文献5には、車体に弾性体を介して取り付けられるサスペンションメンバにおいて、各弾性体の弾性主軸を適宜傾斜させることによって、サスペンションメンバの弾性中心の高さを調整することが記載されている。
特開2000−103216号公報 特開2008−150030号公報 実公昭63− 75640号公報 特開平 8−210420号公報 特開2007−203833号公報
近年の車両では、タイヤサイズが大径化、幅広化する傾向にあり、従来のようにコイルスプリングのオフセット(タイヤ上方への配置)のみによって横力をキャンセルしようとしても、十分な効果を得ることができない場合があった。
また、コイルスプリング自体の形状(湾曲形状等)によって荷重軸を制御する手法を用いたとしても、コイルスプリングの形状が複雑となって、スプリング製造時の生産性の低下、コストの増加、ラインでの組付け作業性悪化などの様々な弊害が発生する。
さらに、コイルスプリングの荷重軸は、スプリングシート溶接時の角度変化などの製造ばらつきに敏感であるため、部品公差に起因する横力のばらつきが大きくなってしまう。
さらに、サスペンション装置のストローク(ダンパ伸縮)によって、サスペンションジオメトリと各荷重軸が逐次変化するため、空車状態で横力をキャンセルするように設定したとしても、ストロークすると横力が増加して乗り心地や操縦安定性が悪化する場合があった。
これに対し、例えばストラットのアッパマウントの位置を十分に高くすることができれば、ストラット上端部のピボット点(着力点)をコイルスプリングの荷重軸線に近づけて配置することが可能となり、ストラットの曲げモーメントを低減することができる。
しかし、この場合、ストラット上部に設けられるフード等の他部品も高い位置に配置する必要があり、車体設計に及ぼす影響が大きい。
また、ストラットのアッパマウント位置が高くなった場合、歩行者衝突時におけるフードの下方への変形ストロークが制約を受け、歩行者保護性能を確保することが困難となる。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、アッパマウントの高さを抑制しつつストラットに負荷される横力を低減したストラット式サスペンション装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、上方に対して下方が車幅方向外側に張り出すよう傾斜して配置された軸線に沿って伸縮するダンパ、及び、前記ダンパの一部が内径側に挿入されるコイルスプリングを有するストラットと、前記ストラットの下部に固定され車輪を回転可能に支持するハブベアリングハウジングと、車幅方向内側及び外側の端部が車体及び前記ハブベアリングハウジングにそれぞれ揺動可能に連結されるサスペンションアームと、前記ストラットの上端部を弾性体を介して車体に連結するストラットアッパマウントとを有するストラット式サスペンション装置であって、前記ストラットアッパマウントの前記弾性体の弾性中心を、前記ストラットアッパマウントの締結点よりも上方に設定し、前記締結点に対して前記弾性中心を前記コイルスプリングの荷重軸線に近接させ、前記ストラットアッパマウントの前記弾性体は、前記ダンパに固定されるダンパ側部材と前記車体に固定される車体側部材との間で前記ダンパの伸縮軸線にほぼ沿って配置された一対の面間で挟持され、前記弾性体は、上部の剛性を下部の剛性に対して相対的に向上する剛性変化手段を有することを特徴とするストラット式サスペンション装置である。
請求項2に係る発明は、前記ストラットアッパマウントの前記弾性体の弾性中心を、実質的に前記コイルスプリングの荷重軸線上に配置したことを特徴とする請求項1に記載のストラット式サスペンション装置である。
本発明によれば、ストラットの瞬間回転中心(仮想的な着力点)である仮想ピボット点となるアッパマウントの弾性体の弾性中心を、実際のピボット点となる締結点に対して上方に配置し、コイルスプリングの荷重軸線に近接又は一致させることによって、ストラットに作用する横力の絶対量を低減することが可能となる。
これによって、ストラット伸縮時のフリクションを軽減して乗り心地や操縦安定性を改善するとともに、コイルスプリングの設計、製造が容易となり、製造ばらつきに対しても影響を受けにくくすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、アッパマウントの高さを抑制しつつストラットに負荷される横力を低減したストラット式サスペンション装置を提供することができる。
本発明を適用したストラット式サスペンション装置の参考例1を車両前方から見た状態を示す図である。 参考例1のストラット式サスペンション装置におけるアッパマウントの断面図である。 図2のアッパマウントにおける弾性中心のオフセットを示す模式図である。 参考例1及び本発明の比較例のストラット式サスペンション装置における力の釣合を示す図である。 本発明を適用したストラット式サスペンション装置の実施例におけるアッパマウントの断面図である。 本発明を適用したストラット式サスペンション装置の参考例2におけるアッパマウントの断面図である。
本発明は、アッパマウントの高さを抑制しつつストラットに負荷される横力を低減したストラット式サスペンション装置を提供する課題を、ストラットのアッパマウントに設けられる弾性体の弾性中心をアッパマウントより上方となるように設定し、弾性中心をコイルスプリングの荷重軸線とほぼ一致させて配置することによって解決した。
以下、本発明を適用したストラット式サスペンション装置(以下、単に「サスペンション装置」と称する)の参考例1について説明する。
参考例1のサスペンション装置は、例えば、乗用車等の自動車のフロントサスペンションとして用いられるマクファーソンストラット式のものである。
図1は、参考例1のサスペンション装置を車両前方から見た状態を示す図である。
サスペンション装置が設けられる車体1は、フロントサイドフレーム10、ストラットタワー20、クロスメンバ30等を有して構成されている。
前輪FWが取り付けられる前輪用のサスペンション装置100は、ハウジング110、トランスバースリンク120、ストラット130、アッパマウント200等を有して構成されている。
フロントサイドフレーム10は、乗員等を収容する図示しない車室の前端部に設けられたトーボードから、車両前方側へ突出して形成された構造部材である。
フロントサイドフレーム10は、鋼板をプレス加工して形成された複数のパネルを集成し、溶接することによって、例えば実質的に矩形の閉断面を有する梁状に形成されている。
フロントサイドフレーム10は、車幅方向に離間して一対設けられ、左右のフロントサイドフレーム10の間隔には、エンジン、トランスミッション等の図示しないパワートレーンが収容される。
ストラットタワー20は、左右のフロントサイドフレーム10の上方側であり車幅方向外側にそれぞれ設けられ、ストラット130の上部を収容する部分である。
ストラットタワー20の上部には、アッパマウント200が締結される締結面部21が設けられている。
締結面部21は、ストラット130のロッド軸線と直交する平面にほぼ沿って延在する平面状に形成されている。
締結面部21には、アッパマウント200の車体側固定金具220、締結ボルト232等が下方側から挿入される各開口が形成されている。
クロスメンバ30は、左右のフロントサイドフレーム10の下部に渡して設けられた梁状の構造部材である。
クロスメンバ30は、下部における側端部にサスペンション装置100のトランスバースリンク120が取り付けられるほか、図示しないエンジン等のパワートレーンが載置される基部となる。
ハウジング110は、前輪FWが締結される図示しないハブを回転可能に支持するハブベアリングハウジングが収容される部材である。
ハウジング110は、その主要部が前輪FWのリム内径側に収容されている。
ハウジング110は、トランスバースリンク120及びストラット130によって、車体に対して所定のサスペンションストロークの範囲内で相対変位可能に支持されている。
また、ハウジング110は、図示しないタイロッドを介して、図示しないステアリングギアボックスに連結され、ドライバの操舵操作等に応じて所定の仮想キングピン軸(アッパマウント200の締結点(ピボット点)とハウジング110とトランスバースリンク120とを連結するボールジョイントとを結んだ直線)回りに車体1に対して回動可能となっている。
トランスバースリンク(ロワアーム)120は、クロスメンバ30の下方における側端部と、ハウジング110の下端部との間にわたして設けられたサスペンションアームである。
トランスバースリンク120は、車幅方向にほぼ沿って延在し、車幅方向内側の端部121は、防振用のゴムブッシュを介して、クロスメンバ30に揺動可能に連結されている。
このクロスメンバ30側の端部121は、例えば、車両前後方向に離間して2箇所設けられている。
トランスバースリンク120の車幅方向外側の端部122は、ボールジョイントを介して、ハウジング110の下端部に揺動可能に連結されている。
ストラット130は、ダンパ131、コイルスプリング132等を有して構成されている。
ダンパ131は、シリンダ等を有する本体部である円筒状のシェルケースに対して、軸線方向に伸縮可能なロッド131aを備え、伸縮速度に応じた減衰力を発生する油圧式のテレスコピック型ショックアブソーバである。
ダンパ131のシェルケースの下部には、ハウジング110の上端部がボルト等によって締結固定されている。
ロッド131aは、シェルケースから上方側に突出して設けられ、上端部はアッパマウント200に締結されている。
ダンパ131の伸縮軸線(ロッド131aの軸線)は、上方が下方に対して車幅方向内側かつ車両後方側となるように、鉛直方向に対して傾斜して設定されている。
コイルスプリング132は、バネ鋼からなる線材を螺旋状に巻き回して形成され、車体重量が負荷されるとともに、ダンパ131の伸縮とともに伸縮する圧縮ばねである。
コイルスプリング132の内径側には、ダンパ131の上部が挿入され収容されている。
コイルスプリング132の上端部は、アッパマウント200の下部に設けられるスプリングアッパシート132aと当接している。
コイルスプリング132の下端部は、ダンパ131のシリンダ外周面から外径側に張り出したスプリングロアシート132bと当接している。
スプリングロワシート132bは、その中心がダンパ131のロッド131aの軸線に対して車幅方向外側となるように偏芯して形成されている。
アッパマウント200は、ストラット130の上端部に設けられ、ダンパ131のロッド131aの上端部が締結されるとともに、車体1のストラットタワー20の締結面部21に締結されるものである。
アッパマウント200は、ストラット130と車体1とを、弾性体を介して連結するものである。
図2は、アッパマウント200をストラット130のロッド軸線を通る平面で切って見た模式的断面図である。
アッパマウント200は、ダンパ側回転金具210、ダンパ側固定金具220、車体側金具230、弾性体240等を有して構成されている。
ダンパ側回転金具210は、ダンパ131のロッド上端部に締結固定される部材である。
ダンパ側回転金具210は、前輪FWの操向時に、ハウジング110、ダンパ131、コイルスプリング132等とともに、ダンパ側固定金具220に対して相対回転可能となっている。
ダンパ側回転金具210は、上面部211、筒状部212等を有する。
上面部211は、ダンパ131のロッド131aの軸線と実質的に同心の円盤状に形成されている。
筒状部212は、ロッド131aの軸線と実質的に同心の円筒状に形成され、上面部211の外周縁部から下方へ突き出して形成されている。ロッド131aの上部は、筒状部212の内径側に挿入され固定されている。
ダンパ側固定金具220は、ダンパ側回転金具210の上方に設けられている。
ダンパ側固定金具220は、下面部221、筒状部222、テーパ面部223、上面部224等を有して構成されている。
下面部221は、ダンパ131のロッド131aの軸線と実質的に同心の円盤状に形成されている。
下面部221は、ダンパ側回転金具210の上面部211の上方に対向して配置されている。
下面部221は、中央部に設けられたピボット点P(本発明にいう締結点)において、ダンパ側回転金具210の上面部211と図示しない軸受を介して相対回転可能に締結されている。
筒状部222は、ロッド131aの軸線と実質的に同心の円筒状に形成され、下面部221の外周縁部から上方へ突き出して形成されている。
テーパ面部223は、ロッド131aの軸線と実質的に同心に形成され、筒状部222の上端部から上方へ突出して形成されている。
テーパ面部223は、上方が下方に対して拡径されるようにテーパ状(コーン状)に形成されている。
テーパ面部223は、車体側金具230のテーパ面部233との間で弾性体240を挟持する部分である。
上面部224は、テーパ面部223の上端部から外径側に鍔状に張り出した平板状の部分である。
車体側金具230は、車体1のストラットタワー20における締結面部21に対して下方側から締結され、車体1に固定される部材である。
車体側金具230は、締結面部231、締結ボルト232、テーパ面部233等を有して構成されている。
締結面部231は、ロッド131aの軸線に対して実質的に直交する方向に延在する平板状の部分である。
締結ボルト232は、締結面部231から上方に突出した状態で固定され、車体1側の締結面部21との締結に用いられるものである。
締結ボルト232は、締結面部231の周上数か所に分散して配置されている。
テーパ面部233は、締結面部231の中央部にロッド131aの軸線と実質的に同心に設けられた円形開口から、下方に突き出して形成されている。
テーパ面部233は、下方が上方に対して縮径するようにテーパ状(コーン状)に形成されている。
テーパ面部233は、図2に示すようにロッド131aの軸線を含む平面で切って見た断面が、ダンパ側固定金具220のテーパ面部223と実質的に平行となっている。
テーパ面部223の外周面とテーパ面部233の内周面とは、所定の間隔を隔てて対向して配置されている。
弾性体240は、例えばゴム系材料などによって形成され、ダンパ130から車体1側への振動伝搬を抑制するものである。
弾性体240は、ダンパ側固定金具220のテーパ面部223の外周面と、車体側金具230のテーパ面部233の内周面との間に配置され、これらの面部とそれぞれ加硫接着によって固定されている。
このような構成により、弾性体240は、実質的に下窄みとなる円錐台の側面部にほぼ沿ったコーン状の形状に形成されている。
弾性体240は、図2に示す断面において、圧縮方向及びせん断方向がロッド131aの軸線方向に対して傾斜して配置されたいわゆる傾斜マウントを構成するようになっている。
図3は、参考例1のアッパマウント200における弾性体240の弾性中心のオフセットを示す模式図である。
図3に示すように、参考例1においては、弾性体240の圧縮方向(バネ定数kp)を、ロッド131aの内径側において上向くように傾斜させ、せん断方向(バネ定数kq)をこれと直交させて配置することによって、弾性中心Mt1を、弾性体240の中心(重心位置)に対して高さhだけ上方にオフセットして設定することが可能となっている。
参考例1においては、弾性中心Mt1が、コイルスプリング132の荷重軸線上に配置されるように弾性体240の形状、傾斜角度等を設定する。
以下、上述した参考例1の効果を、以下説明する本発明の比較例と対比して説明する。
なお、以下説明する比較例、実施例、及び、参考例2において、上述した参考例1と実質的に共通する箇所については、同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
比較例1のサスペンション装置は、参考例1のアッパマウント200に代えて、弾性体の弾性中心がロッド締結点と実質的に一致する一般的なアッパマウントを有するものである。
図4は、参考例1及び本発明の比較例のストラット式サスペンション装置における力の釣合を示す図である。
図4に示すように、車体1の締結面部21からアッパマウント200に入力される車体支持力Fと、タイヤ接地荷重Fa、トランスバースリンク120の引張荷重Fl、前輪FWのタイヤ接地荷重Faは釣り合う(ベクトル和が0となる)ようになっている。
このとき、車体支持力Fの作用軸線とストラット130のダンパ軸線とのオフセットに起因して、ダンパ横力Fqが発生する。
このダンパ横力Fqは、ダンパ131の伸縮時におけるフリクションを増大させ、乗り心地や操縦安定性を低下させる原因となる。
参考例1によれば、アッパマウント200の弾性中心すなわち力の釣合上の見かけのピボット点Mt1を、比較例のピボット点Mt0よりも上方に設定し、コイルスプリングの荷重軸線上に配置したことによって、車体支持力Fの作用軸線とダンパ軸線とを平行に近づけることができ、ダンパ横力Fqを比較例に対して低減することができる。
これによって、ダンパ131の伸縮時におけるフリクションを低減し、乗り心地や操縦安定性を向上することができる。
次に、本発明を適用したサスペンション装置の実施例について説明する。
図5は、実施例のサスペンション装置におけるアッパマウントの断面図である。
実施例のサスペンション装置は、参考例1のアッパマウント200に代えて、以下説明するアッパマウント200Aを備えている。
実施例のアッパマウント200Aにおいては、ダンパ側固定金具220の筒状部222及びテーパ面部223に代えて、筒状部225を有する。
また、車体側金具230のテーパ面部233に代えて、筒状部234を有する。
筒状部225は、下面部221の外周縁部から上方へ突出し、ロッド131aと同心の円筒状に形成されている。上面部224は、筒状部225の上端部から外径側に鍔状に張り出して形成されている。
筒状部234は、締結面部231の中央部開口の内周縁部から下方へ突出し、ロッド131aと同心の円筒状に形成されている。
筒状部225の下半部は、筒状部234の内径側に挿入されている。
筒状部225の外周面と、筒状部234の内周面とは、間隔を隔てて対向して配置され、弾性体240はこれらの間隔に挟持されている。
弾性体240は、ダンパ側固定金具220の筒状部225の外周面、上面部224の下側の面部、及び、車体側金具230の筒状部234の外周面にそれぞれ加硫接着によって接合されている。
弾性体240の内部には、中間板241が、例えばインモールド成型によって設けられている。
中間板241は、例えば、金属やエンジニアリングプラスティック等の、弾性体240の本体を構成するゴムよりも硬質の材料によって形成されている。
中間板241は、弾性体240の外周面と内周面との中間の領域において、弾性体240の上半部内に配置されている。
中間板241は、弾性体240の上部の圧縮バネ定数(径方向のバネ定数)を、下部に対して高くすることによって、アッパマウント200Aの弾性中心を、弾性体240よりも上方へシフトさせる機能を有する。
以上説明した実施例においても、上述した参考例1の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
次に、本発明を適用したサスペンション装置の参考例2について説明する。
図6は、参考例2のサスペンション装置におけるアッパマウントの断面図である。
参考例2のサスペンション装置は、参考例1のアッパマウント200に代えて、以下説明するアッパマウント200Bを備えている。
参考例2のアッパマウント200Bは、実施例のアッパマウント200Aのように弾性体240の内部に中間板241を埋設することに代えて、弾性体240の下面部がピボット点Pよりも上方側となるように、弾性体240を上方へオフセットして配置したことを特徴とする。
以上説明した参考例2においても、弾性中心をピボット点Pよりも上方へオフセットさせることが可能であり、上述した参考例1及び実施例の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)サスペンション装置及びアッパマウントの構成は、上述した実施例に限らず、適宜変更することができる。
例えば、実施例においては、コイルスプリングがタイヤの上方へオーバハングした構成となっているが、これに限らず、コイルスプリングがタイヤの車幅方向内側へ配置される構成としてもよい。
また、トランスバースリンクが前後に分割されたダブルピボット式のストラット式サスペンションとしてもよい。
(2)アッパマウントの弾性中心を上方へオフセットする手法は、実施例の構成に限らず適宜変更することができる。
例えば、実施例においては、中間板を設けることによって弾性体の上部の剛性を下部の剛性に対して増加させているが、このような構成に代えて、あるいは、このような構成と併せて、いわゆる二色成形等によって異なる硬度の弾性体を組み合わせることによって同様の効果を得るようにしてもよい。
(3)実施例においては、弾性中心をコイルスプリングの荷重軸と実質的に一致させているが、完全一致に至らない場合であっても、弾性中心をコイルスプリングの荷重軸に近接させることができれば、一定の効果を得ることは可能である。
(4)実施例のストラット式サスペンション装置は、一例として前輪用のフロントサスペンションであるが、本発明は後輪用のリアサスペンションにも適用することができる。
1 車体 10 フロントサイドフレーム
20 ストラットタワー 21 締結面部
30 クロスメンバ
100 サスペンション装置 110 ハウジング
120 トランスバースリンク 121 端部
122 端部 130 ストラット
131 ダンパ 131a ロッド
132 コイルスプリング 132a スプリングアッパシート
132b スプリングロワシート
200,200A,200B ストラットアッパマウント
210 ダンパ側回転金具 211 上面部
212 筒状部 220 ダンパ側固定金具
221 下面部 222 筒状部
223 テーパ面部 224 上面部
225 筒状部 230 車体側金具
231 締結面部 232 締結ボルト
233 テーパ面部 234 筒状部
240 弾性体 241 中間板
FW 前輪 P ピボット点
F 車体支持力
Fa タイヤ接地荷重
Fl トランスバースリンク引張荷重
Fq ダンパ横力

Claims (2)

  1. 上方に対して下方が車幅方向外側に張り出すよう傾斜して配置された軸線に沿って伸縮するダンパ、及び、前記ダンパの一部が内径側に挿入されるコイルスプリングを有するストラットと、
    前記ストラットの下部に固定され車輪を回転可能に支持するハブベアリングハウジングと、
    車幅方向内側及び外側の端部が車体及び前記ハブベアリングハウジングにそれぞれ揺動可能に連結されるサスペンションアームと、
    前記ストラットの上端部を弾性体を介して車体に連結するストラットアッパマウントと
    を有するストラット式サスペンション装置であって、
    前記ストラットアッパマウントの前記弾性体の弾性中心を、前記ストラットアッパマウントの締結点よりも上方に設定し、前記締結点に対して前記弾性中心を前記コイルスプリングの荷重軸線に近接させ
    前記ストラットアッパマウントの前記弾性体は、前記ダンパに固定されるダンパ側部材と前記車体に固定される車体側部材との間で前記ダンパの伸縮軸線にほぼ沿って配置された一対の面間で挟持され、
    前記弾性体は、上部の剛性を下部の剛性に対して相対的に向上する剛性変化手段を有すること
    を特徴とするストラット式サスペンション装置。
  2. 前記ストラットアッパマウントの前記弾性体の弾性中心を、実質的に前記コイルスプリングの荷重軸線上に配置したこと
    を特徴とする請求項1に記載のストラット式サスペンション装置
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