JP2001121571A

JP2001121571A - ウエルド部を有する無機充填材強化ポリアミド樹脂成形品及びその製造方法

Info

Publication number: JP2001121571A
Application number: JP30862199A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Urabe; 宏浦部; Hajime Oyama; 一大山; Tetsuya Tanaka; 哲哉田中; Tatsuya Hitomi; 達也人見
Original assignee: Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Current assignee: Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Priority date: 1999-10-29
Filing date: 1999-10-29
Publication date: 2001-05-08

Abstract

(57)【要約】【課題】外観に優れた、ウエルド部を有する無機充填材
強化ポリアミド樹脂成形品の提供。【解決手段】下記（１）及び（２）のブレンド物を射出
成形して得られる、ウエルド部を有する無機充填材強化
ポリアミド樹脂着色成形品及びその製造方法。（１）
（Ａ）ポリアミド樹脂３５〜７０ｗｔ％と（Ｂ）無機充
填材３０〜６５ｗｔ％とを配合してなるポリアミド樹脂
組成物１０〜６５ｗｔ％（２）（Ｃ）ポリアミド樹脂３
５〜９０ｗｔ％

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、外観の優れた、ウ
エルド部を有する無機充填材強化ポリアミド樹脂成形品
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】押出機を用いて溶融混練した、無機充填
材強化ポリアミド樹脂組成物を用いて、ウエルド部を有
する成形品を射出成形した場合、ウエルド部におけるガ
ス焼けにより、著しい外観の悪化が生じやすい。成形条
件によりガス焼けを低減するには、シリンダー温度を低
下するか、射出スピードを遅くすることが一般に知られ
ているが、いずれも表面平滑性の低下による外観の悪化
が生じる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の目
的は、外観の優れた、ウエルド部を有する無機充填材強
化ポリアミド樹脂成形品を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
鋭意検討の結果、無機充填材強化ポリアミド樹脂組成物
とポリアミド樹脂をブレンドした材料を射出成形するこ
とにより、外観の優れた、ウエルド部を有する無機充填
材強化ポリアミド樹脂成形品が得られることを見出し、
本発明に到達した。

【０００５】すなわち、本発明は、下記（１）及び
（２）のブレンド物を射出成形して得られる、ウエルド
部を有する無機充填材強化ポリアミド樹脂成形品及びそ
の製造方法にある。（１）（Ａ）ポリアミド樹脂３５〜７０ｗｔ％と（Ｂ）
無機充填材３０〜６５ｗｔ％とを配合してなるポリアミ
ド樹脂組成物１０〜６５ｗｔ％（２）（Ｃ）ポリアミド樹脂３５〜９０ｗｔ％

【０００６】本発明に使用されるポリアミド樹脂は、重
合可能なω−アミノ酸類、そのラクタム類、好ましくは
３員環以上のラクタム類、又は二塩基酸類とジアミン類
等を原料とし、これらの重縮合によって得られるポリア
ミド樹脂である。具体的には、原料のω−アミノ酸類と
しては、ε−アミノカプロン酸、７−アミノヘプタン
酸、９−アミノノナン酸、１１−アミノウンデカン酸、
１２−アミノドデカン酸が挙げられる。ラクタム類とし
ては、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、カプリ
ルラクタム、ラウリルラクタム、α−ピロリドン、α−
ピペリドンが挙げられる。二塩基酸類としては、アジピ
ン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ウンデカンジオン酸、
ドデカジオン酸、ヘキサデカジオン酸、ヘキサデセンジ
オン酸、エイコサンジオン酸、エイコサジエンジオン
酸、ジグリコール酸、２，２，４−トリメチルアジピン
酸、キシリレンジカルボン酸、１，４−シクロヘキサン
ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸が挙げられ
る。また、ジアミン類としては、ヘキサメチレンジアミ
ン、テトラメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、
ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
２，２，４（または２，４，４）−トリメチルヘキサメ
チレンジアミン、ビス−（４，４’−アミノシクロヘキ
シル）メタン、メタキシリレンジアミンが挙げられる。

【０００７】本発明で使用されるポリアミド樹脂は、あ
る範囲内の重合度、すなわち相対粘度を有するものが好
ましい。好ましい相対粘度は、ＪＩＳＫ６８１０に従
って９８％硫酸中濃度１％、温度２５℃で測定した値で
２．０〜３．５、特に好ましくは２．２〜３．０の範囲
である。相対粘度が低すぎると、得られる成形品が脆く
なり、逆に高すぎると、流動性を損なうので好ましくな
い。使用されるポリアミド樹脂が複数の場合は、それら
混合物の相対粘度が上記の範囲内であることが好まし
い。

【０００８】本発明における、（１）ポリアミド樹脂組
成物を構成する（Ａ）ポリアミド樹脂と（Ｂ）無機充填
材との配合は、押出機を用いて溶融混練するのが好まし
い。本発明で使用される無機充填剤とは、ガラス繊維、
炭素繊維、鉱物繊維、グラファイト繊維、シリカ繊維、
アルミナ繊維、窒化ケイ素繊維、ジルコニア繊維、ホウ
素繊維、窒化ホウ素繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ
酸アルミニウム繊維、ステンレス、アルミニウム、チタ
ン、銅、真鍮、マグネシウム等の金属繊維、ポリアミ
ド、フッ素樹脂、ポリエステル等の有機質繊維等の繊維
状無機充填剤や、ワラストナイト、ゼオライト、カオリ
ン、マイカ、クレー、ベントナイト、アスベスト、タル
ク、アルミナシリケート等の珪酸塩、アルミナ、酸化ケ
イ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタ
ン、酸化鉄等の金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム等の炭酸塩、硫酸バリウム等の硫酸塩、水酸化
カルシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ガラス
ビーズ、窒化ホウ素、炭化ケイ素及びシリカ等の非繊維
状無機充填材が挙げられる。これらの無機充填材のう
ち、機械強度の向上効果が高い点で、ガラス繊維を選択
するのが好ましい。これら無機充填材はポリアミド樹脂
との接着向上のためシランカップリング剤等で表面処理
されていることが好ましい。（１）ポリアミド樹脂組成物における（Ｂ）無機充填材
の配合量は、３０〜６５ｗｔ％、好ましくは３０〜５０
ｗｔ％である。配合量が少ないと機械強度が低くなり、
多いと表面平滑性が低下するので好ましくない。

【０００９】また、本発明において射出成形に使用され
るブレンド物は、（１）ポリアミド樹脂組成物１０〜６
５ｗｔ％に対し（２）ポリアミド樹脂３５〜９０ｗｔ
％、好ましくは１５〜５０ｗｔ％に対し５０〜８５ｗｔ
％の比率となるように配合されたものである。（２）ポ
リアミド樹脂の配合量が少ないとガス焼け改善効果が低
下するので好ましくない。また、多すぎると機械強度が
低下するので好ましくない。本発明の（１）及び（２）
のブレンド物の調製は、溶融させないで機械的混合によ
って行われる。ブレンド物の調製に際し、（１）又は
（２）の溶融が行われると、ガス焼け改善効果が低下す
るので好ましくない。

【００１０】本発明において、（１）ポリアミド樹脂組
成物中には、本発明の効果を損なわない範囲において、
銅化合物などの熱安定剤、離型剤、着色剤等の公知の添
加剤を配合してもよい。これら添加剤の配合は、樹脂の
重合から成形までの任意の段階で実施されるが、押出機
を用いて溶融混練するのが好ましい。

【００１１】一般にウエルド部は、ポリアミド樹脂のよ
うな熱可塑性樹脂を射出成形した際、２つ以上のフロー
フロント（成形中の樹脂流れの先端）の会合部で形成さ
れる。本発明におけるウエルド部を有する成形品として
は、成形品にボス穴等があり、成形品の構造上の問題で
ウエルド部が発生する成形品又は多点ゲートであるため
ウエルド部が発生する成形品等が挙げられる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、これらは本発明を制限するものではない。以下の実
施例及び比較例で使用したポリアミド６樹脂は、三菱エ
ンジニアリングプラスチックス株式会社製ＮＯＶＡＭＩ
Ｄ１０１３Ｊ、相対粘度２．８であり、ガラス繊維は、
日本電気ガラス株式会社製ＥＣＳ０３Ｔ２４９ＧＨであ
る。

【００１３】実施例１〜３ポリアミド６樹脂及びガラス繊維を、表−２に記載の割
合で、二軸押出機で溶融混練してポリアミド樹脂組成物
（Ｉ）を得た。このようにして得られた、ポリアミド樹
脂組成物（Ｉ）と表−１記載の量の非強化ポリアミド６
樹脂（ＩＩ）とのブレンド物を、ファナック株式会社製
ＡＵＴＯＳＨＯＴ５０Ｂ型射出成形機に供給し、下記
の成形条件：シリンダー温度：２８０℃ 金型温度：８０℃ 射出スピード：１００ｍｍ／ｓｅｃ射出保圧時間：５ｓｅｃ冷却時間：１０ｓｅｃにおいて、図−１に示す一部切欠（幅５．９ｍｍ、深さ
３．３ｍｍ）を有する円筒状の試験片（外径２５．６ｍ
ｍ、内径２０．２ｍｍ、高さ１４．９ｍｍ：図中の矢印
はゲート位置を示す）を成形し、ウエルド部におけるガ
ス焼け及びガラス繊維の浮きを目視にて評価した。評価
基準及び評価結果を表−１に示す。

【００１４】比較例１〜３上記実施例１〜３において、ポリアミド樹脂組成物
（Ｉ）とポリアミド６樹脂（ＩＩ）とのブレンド物に代
えて、ポリアミド樹脂組成物（Ｉ）のみを使用し、比較
例３ではシリンダー温度も表−１の通り変更した以外
は、実施例１〜３と同様に、試験片を成形し、ウエルド
部におけるガス焼け及びガラス繊維の浮きを評価した。
評価結果を表−１に示す。

【００１５】

【表１】

【００１６】

【発明の効果】本発明のウエルド部を有する無機充填材
強化ポリアミド樹脂成形品は、外観に優れ、特に外装品
の用途に好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】試験片の形状を示す平面図、正面図及び側面
図。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｂ２９Ｋ 105:12 Ｂ２９Ｋ 105:12 (72)発明者大山一神奈川県平塚市東八幡５丁目６番２号三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社技術センター内 (72)発明者田中哲哉神奈川県平塚市東八幡５丁目６番２号三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社技術センター内 (72)発明者人見達也神奈川県平塚市東八幡５丁目６番２号三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社技術センター内Ｆターム(参考） 4F071 AA54 AA55 AB03 AB12 AB18 AB20 AB22 AB26 AB27 AB28 AD01 AD02 BB05 BC09 4F206 AA29K AB11 AB12 AB16 AB17 AB25 AF10 AG28 AR083 AR11 JA07 JF02 JL02 JQ11 JQ81 JQ90 4J002 BD123 CF003 CL003 CL01W CL01X CL02W CL02X CL03W CL03X CL04W CL04X DA016 DA026 DA076 DA096 DA116 DC006 DE076 DE086 DE096 DE116 DE136 DE146 DE186 DE236 DF016 DG046 DJ006 DJ016 DJ026 DJ036 DJ046 DJ056 DK006 DL006 FA043 FA046 FA086 FD016 FD090

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】下記（１）及び（２）のブレンド物を射出
成形して得られる、ウエルド部を有する無機充填材強化
ポリアミド樹脂成形品。（１）（Ａ）ポリアミド樹脂３５〜７０ｗｔ％と（Ｂ）
無機充填材３０〜６５ｗｔ％とを配合してなるポリアミ
ド樹脂組成物１０〜６５ｗｔ％（２）（Ｃ）ポリアミド樹脂３５〜９０ｗｔ％
【請求項２】（１）（Ｂ）の無機充填材がガラス繊維で
あることを特徴とする、請求項１に記載のウエルド部を
有するガラス繊維強化ポリアミド樹脂着色成形品。
【請求項３】下記（１）及び（２）のブレンド物を射出
成形することを特徴とする、ウエルド部を有する無機充
填材強化ポリアミド樹脂着色成形品の製造方法。（１）（Ａ）ポリアミド樹脂３５〜７０ｗｔ％と（Ｂ）
無機充填材３０〜６５ｗｔ％とを配合してなるポリアミ
ド樹脂組成物１０〜６５ｗｔ％（２）（Ｃ）ポリアミド樹脂３５〜９０ｗｔ％
【請求項４】（１）（Ｂ）の無機充填材がガラス繊維で
あることを特徴とする、請求項２に記載のウエルド部を
有するガラス繊維強化ポリアミド樹脂着色成形品の製造
方法。