JP2001107786A - エンジンの故障時制御装置 - Google Patents

エンジンの故障時制御装置

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JP2001107786A
JP2001107786A JP28532499A JP28532499A JP2001107786A JP 2001107786 A JP2001107786 A JP 2001107786A JP 28532499 A JP28532499 A JP 28532499A JP 28532499 A JP28532499 A JP 28532499A JP 2001107786 A JP2001107786 A JP 2001107786A
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failure
opener
throttle
motor
engine
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Katsumi Ishida
克己 石田
Yuzuru Ito
譲 伊藤
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Aisan Industry Co Ltd
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Aisan Industry Co Ltd
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電子スロットルの故障とオープナ機構の故障と
の併発に対処して自動車の退避走行に必要十分な安定し
たエンジン出力を確保すること。 【解決手段】故障時制御装置はスロットルバルブ8をモ
ータ9により開閉駆動させる電子スロットル2と、モー
タ9への通電停止時にスロットルバルブ8をオープナ開
度に保持するオープナ機構13と、インジェクタ3と、
エンジンECU5と、スロットルECU6とを備える。
スロットルECU6は電子スロットル2が故障したと判
定したときモータ9への通電を停止させる。ここで、ス
ロットルECU6は電子スロットル2の起動直前にスロ
ットルセンサ10の検出値に基づきオープナ機構13が
故障したと判定したときモータ9への通電を停止させ、
同時にエンジンECU6はインジェクタ3により燃料カ
ット制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子スロットル
とそのスロットルバルブのためのオープナ機構を備えて
自動車等に適用されるエンジンに係り、詳しくは、電子
スロットル等の故障に対処するようにしたエンジンの故
障時制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等に適用される電子ス
ロットルとそのスロットルバルブのためのオープナ機構
を備えた電子スロットル制御装置がある。電子スロット
ルとオープナ機構については、例えば、特開平3−27
1528号公報に開示されている。
【0003】電子スロットルは、エンジンの吸気通路に
設けられたリンクレスタイプのスロットルバルブをモー
タにより開閉させるものである。この電子スロットルの
開閉を制御するために、スロットルコントローラが設け
られる。このスロットルコントローラは、少なくとも運
転者によるアクセルペダルの操作に基づいてモータを通
電制御することにより、電子スロットルの開閉を制御す
るものである。
【0004】オープナ機構は、モータへの通電が停止さ
れたときに、スロットルバルブがリターンスプリングに
より閉じ側へ回動されるのをオープナスプリングとの釣
り合いによりスロットルバルブを全閉状態に対して若干
開いた状態(オープナ開度)に保持するためのものであ
る。このようにスロットルバルブをオープナ開度に保持
することにより、例えば、自動車走行中における電子ス
ロットルの故障に対処することができる。即ち、自動車
走行中に、万が一、電子スロットルに故障が発生した場
合、電子スロットルが不用意に動作するのを防ぐため
に、モータへの通電を停止させることにより、電子スロ
ットルの制御を強制停止させることが行われている。こ
のような故障時に、スロットルバルブをオープナ機構に
よりオープナ開度に保持することにより、電子スロット
ルの制御が強制停止された後も、オープナ開度により確
保される空気によりエンジンの運転を持続させ、自動車
の退避走行を可能にすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
電子スロットル制御装置では、電子スロットルに故障が
発生したときに、オープナ機構が正常であることを前提
に電子スロットルの制御が強制停止されるので、電子ス
ロットルの故障とオープナ機構の故障とが併発した場合
の不具合に対処することができない。即ち、電子スロッ
トルの故障とオープナ機構の故障とが併発した場合に
は、モータに対する通電が停止されてもスロットルバル
ブがオープナ開度の状態には戻らず、スロットルバルブ
の開度がオープナ開度より大きくなったり小さくなった
りしてエンジンに供給される空気量に過不足が生じるこ
とになる。このため、空気量が少な過ぎる場合には、自
動車の退避走行に必要なエンジン出力が得られず、空気
量が多過ぎる場合には、エンジンのオーバーランを引き
起こすおそれがあり、自動車の退避走行に必要十分な安
定したエンジン出力が確保できなくなるおそれがある。
【0006】一方、オープナ機構に故障が発生していな
くても、万が一、電子スロットルに機械的な固着(メカ
的ロック)が生じたときには、上記と同様にスロットル
バルブがオープナ開度には戻らず、上記と同様の不具合
が起きるおそれがある。
【0007】この発明は上記事情に鑑みてなされたもの
であって、その第1の目的は、電子スロットルの故障と
オープナ機構の故障との併発に対処して自動車の退避走
行に必要十分な安定したエンジン出力を確保することを
可能にしたエンジンの故障時制御装置を提供することに
ある。この発明の第2の目的は、第1の目的に加え、オ
ープナ機構が正常な場合の電子スロットルのメカ的ロッ
クに対処して自動車の退避走行に必要十分な安定したエ
ンジン出力を確保することを可能にしたエンジンの制御
装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1に記載の発明は、エンジンの出力を
調節するために吸気通路に設けられるスロットルバルブ
をモータにより開閉駆動させる電子スロットルと、モー
タに対する通電が停止されたとき、スロットルバルブを
全閉状態から若干開いたオープナ開度に保持するための
オープナ機構と、エンジンの出力を調節するために設け
られる電子スロットル以外の出力調節手段と、電子スロ
ットルの故障を判定するためのスロットル故障判定手段
と、電子スロットルが故障したと判定されたとき、モー
タに対する通電を停止させるための第1の故障時制御手
段とを備えたエンジンの故障時制御装置において、オー
プナ機構の故障を判定するためのオープナ故障判定手段
と、電子スロットルが故障したこととオープナ機構が故
障したことが共に判定されたとき、モータに対する通電
を停止させると共にエンジンの出力を制限するために出
力調節手段を制御する第2の故障時制御手段とを備えた
ことを趣旨とする。
【0009】上記発明の構成によれば、電子スロットル
のモータが通電停止されたとき、スロットルバルブがオ
ープナ機構によりオープナ開度に保持される。従って、
エンジン運転時にスロットル故障判定手段により電子ス
ロットルが故障したと判定されたときには、第1の故障
時制御手段によりモータへの通電が停止されて電子スロ
ットルが強制停止される。ここで、オープナ機構が正常
であれば、スロットルバルブがオープナ開度に保持され
その開度に応じて確保される所定量の空気が吸気通路を
通じてエンジンに供給されることになる。従って、電子
スロットルが不用意に動作せず、電子スロットルが強制
停止された後も所期の出力レベルでエンジンの運転が持
続される。ここで、万が一、オープナ機構に故障が発生
していると、電子スロットルが強制停止されてもスロッ
トルバルブがオープナ開度には戻らず、エンジンを所期
の出力レベルで運転できなくなるおそれがある。この発
明では、電子スロットルが故障したことがスロットル故
障判定手段により判定されると共にオープナ機構が故障
したことがオープナ故障判定手段により判定されたとき
には、第2の故障時制御手段によりモータへの通電が停
止されると共にエンジンの出力を制限するために出力調
節手段が制御される。従って、電子スロットルの故障と
オープナ機構の故障との併発時には、電子スロットルが
強制停止され、例えば、スロットルバルブがオープナ開
度より開き過ぎた状態で止まったとしても、出力調節手
段が制御されることによりエンジンの出力が制限される
ことから、エンジンの出力を不用意に増大させることの
ない状態でエンジンの運転を持続させることが可能にな
る。
【0010】上記第1の目的を達成するために、請求項
2に記載の発明が請求項1に記載の発明と異なる点は、
前記した電子スロットル、オープナ機構、出力調節手
段、スロットル故障判定手段及び第1の故障時制御手段
を備えたエンジンの故障時制御装置において、電子スロ
ットルが起動される前において、スロットルバルブがオ
ープナ開度を含む所定の開度範囲より開き過ぎた状態で
止まる過開故障であることと、スロットルバルブが所定
の開度範囲より閉じすぎた状態で止まる過閉故障である
ことを区別してオープナ機構の故障を判定するためのオ
ープナ故障判定手段と、オープナ機構が過開故障である
ことが予め判定されているときに電子スロットルが故障
したと判定されたとき、スロットルバルブがオープナ開
度より大きくない開度になっていればモータに対する通
電停止のみを行い、スロットルバルブがオープナ開度よ
り大きい開度になっていればモータに対する通電を停止
させると共にエンジンの出力を抑制するために出力調節
手段を制御する第2の故障時制御手段と、オープナ機構
が過閉故障であることが予め判定されているときに電子
スロットルが故障したと判定されたとき、スロットルバ
ルブがオープナ開度より小さくない開度になっていれば
モータに対する通電停止のみを行い、スロットルバルブ
がオープナ開度より小さい開度になっていればモータに
対する通電を停止させると共にエンジンの出力を増大さ
せるために出力調節手段を制御する第3の故障時制御手
段とを備えたことを趣旨とすることである。
【0011】上記発明の構成によれば、請求項1に記載
の発明と異なり、オープナ機構に故障が発生している場
合には、電子スロットルが起動される前に、過開故障で
あるか過閉故障であるかが区別されてオープナ機構の故
障がオープナ故障判定手段により判定される。そして、
電子スロットル起動後のエンジン運転時に、オープナ機
構が過開故障していることが予め判定されている状態で
電子スロットルが故障したと判定されたとき、スロット
ルバルブがオープナ開度より大きくない開度になってい
れば、第2の故障時制御手段によりモータへの通電停止
のみが行われ、スロットルバルブがオープナ開度より大
きい開度になっていれば、第2の故障時制御手段により
モータへの通電が停止されると共にエンジンの出力を抑
制するために出力調節手段が制御される。一方、電子ス
ロットル起動後のエンジン運転時に、オープナ機構が過
閉故障していることが予め判定されている状態で電子ス
ロットルが故障したと判定されたとき、スロットルバル
ブがオープナ開度より小さくない開度になっていれば、
第3の故障時制御手段によりモータへの通電停止のみが
行われ、スロットルバルブがオープナ開度より小さい開
度になっていれば、モータへの通電が停止されると共に
エンジンの出力を増大させるために出力調節手段が制御
される。従って、電子スロットルの故障とオープナ機構
の故障とが併発しているときに、電子スロットルが強制
停止されてスロットルバルブがオープナ開度より開き過
ぎた状態で止まったとしても、出力調節手段が制御され
ることにより、エンジンの出力が不用意に増大し過ぎる
ことなくエンジンの運転を持続させることが可能にな
る。一方、電子スロットルの故障とオープナ機構の故障
とが併発しているときに、電子スロットルが強制停止さ
れてスロットルバルブがオープナ開度より閉じ過ぎた状
態で止まったとしても、出力調節手段が制御されること
により、エンジンの出力が不用意に減少し過ぎることな
くエンジンの運転を持続させることが可能になる。
【0012】上記第1の目的を達成するために、請求項
3に記載の発明は、エンジンの出力を調節するために吸
気通路に設けられるスロットルバルブをモータにより開
閉駆動させると共にそのときの実際の開度をスロットル
センサにより検出するようにした電子スロットルと、モ
ータに対する通電が停止されたとき、スロットルバルブ
を全閉状態から若干開いたオープナ開度に保持するため
のオープナ機構と、電子スロットルに係るモータ以外の
故障を判定するためのスロットル故障判定手段と、電子
スロットルが故障したと判定されたとき、モータに対す
る通電を停止させるための第1の故障時制御手段とを備
えたエンジンの故障時制御装置において、オープナ機構
の故障を判定するためのオープナ故障判定手段と、電子
スロットルが故障したこととオープナ機構が故障したこ
とが共に判定されたとき、スロットルバルブをオープナ
開度の状態にするためにモータを所定時間だけ駆動させ
た後にモータに対する通電を停止させる第2の故障時制
御手段とを備えたことを趣旨とする。
【0013】上記発明の構成によれば、請求項1及び請
求項2に記載の発明と異なり、電子スロットルに係るモ
ータ以外の構成部品(例えば、スロットルセンサ)が故
障したとスロットル故障判定手段により判定されると共
にオープナ機構が故障したとオープナ故障判定手段によ
り判定されたときには、スロットルバルブをオープナ開
度の状態にするために第2の故障時制御手段によりモー
タが所定時間だけ駆動された後にモータに対する通電が
停止される。従って、電子スロットルの故障とオープナ
機構の故障とが併発したときに、電子スロットルが強制
停止される前にモータが一旦駆動されることにより、ス
ロットルバルブがオープナ開度に強制的に戻され、エン
ジンの出力が不用意に増大し過ぎたり減少し過ぎたりす
ることなくエンジンの運転を持続させることが可能にな
る。
【0014】上記第1の目的を達成するために、請求項
4に記載の発明が請求項3に記載の発明と異なる点は、
前記した電子スロットル、オープナ機構、スロットル故
障判定手段及び第1の故障時制御手段を備えたエンジン
の故障時制御装置において、スロットルバルブがオープ
ナ開度を含む所定の開度範囲より開き過ぎた状態で止ま
る過開故障であることと、スロットルバルブが所定の開
度範囲より閉じすぎた状態で止まる過閉故障であること
を区別してオープナ機構の故障を判定するためのオープ
ナ故障判定手段と、電子スロットルが故障したこととオ
ープナ機構が過開故障であることが共に判定されたと
き、スロットルバルブをオープナ開度へ閉駆動させるた
めにモータを所定時間だけ駆動させた後にモータに対す
る通電を停止させる第2の故障時制御手段と、電子スロ
ットルが故障したこととオープナ機構が過閉故障である
ことが共に判定されたとき、スロットルバルブをオープ
ナ開度へ開駆動させるためにモータを所定時間だけ駆動
させた後にモータに対する通電を停止させる第3の故障
時制御手段とを備えたことを趣旨とすることである。
【0015】上記発明の構成によれば、請求項3に記載
の各発明と異なり、電子スロットルに係るモータ以外の
構成部材(例えば、スロットルセンサ)が故障したとス
ロットル故障判定手段により判定されると共にオープナ
機構が過開故障であることがオープナ故障判定手段によ
り判定されたときには、スロットルバルブをオープナ開
度へ閉駆動させるために第2の故障時制御手段によりモ
ータが所定時間だけ駆動された後にモータに対する通電
が停止される。一方、電子スロットルに係るモータ以外
の構成部材が故障したとスロットル故障判定手段により
判定されると共にオープナ機構が過閉故障であることが
オープナ故障判定手段により判定されたときには、スロ
ットルバルブをオープナ開度へ開駆動させるために第3
の故障時制御手段によりモータが所定時間だけ駆動され
た後にモータに対する通電が停止される。従って、電子
スロットルの故障とオープナ機構の故障とが併発したと
きには、電子スロットルが強制停止される前にモータが
一旦駆動されることにより、スロットルバルブがオープ
ナ開度に強制的に戻され、エンジンの出力が不用意に増
大し過ぎたり減少し過ぎたりすることなくエンジンの運
転を持続させることが可能になる。
【0016】上記第1の目的を達成するために、請求項
5に記載の発明は、請求項1又は請求項3に記載の発明
の構成において、オープナ故障判定手段は、スロットル
バルブの開度を検出するためのスロットルセンサを備
え、電子スロットルの起動直前に検出されるスロットル
バルブの開度がオープナ開度を含む所定の開度範囲に含
まれない場合にオープナ機構が故障したと判定するもの
であることを趣旨とする。
【0017】上記発明の構成によれば、オープナ故障判
定手段の構成が具体化され、請求項1又は請求項3に記
載の発明と同様の作用が得られる。特に、このオープナ
故障判定手段では、電子スロットルの起動直前にオープ
ナ機構の故障が予め判定されるので、エンジンが運転さ
れる度にオープナ機構の故障判定の機会を確保すること
が可能になる。
【0018】上記第1の目的を達成するために、請求項
6に記載の発明は、請求項2又は請求項4に記載の発明
の構成において、オープナ故障判定手段は、スロットル
バルブの開度を検出するためのスロットルセンサを備
え、電子スロットルの起動直前に検出されるスロットル
バルブの開度が所定の開度範囲の上限値より大きい場合
に過開故障であると判定し、所定の開度範囲の下限値よ
り小さい場合に過閉故障であると判定するものであるこ
とを趣旨とする。
【0019】上記発明の構成によれば、オープナ故障判
定手段の構成が具体化され、請求項2又は請求項4に記
載の発明と同様の作用が得られる。
【0020】上記第2の目的を達成するために、請求項
7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか一つ
に記載の発明の構成において、オープナ機構が故障した
と判定されないときに電子スロットルが故障したと判定
されたとき、モータに対する通電を所定時間だけ停止さ
せた後にスロットルバルブが所定の開度以下の状態にな
っていればモータに対する通電の停止を継続させ、スロ
ットルバルブが所定の開度以下の状態になっていなけれ
ばモータに対する通電の停止を継続させると共にエンジ
ンの出力を制限するために出力調節手段を制御する第4
の故障時制御手段を備えたことを趣旨とする。
【0021】オープナ機構が正常な場合でも、電子スロ
ットルに機械的な固着(メカ的ロック)による故障が発
生している場合には、モータへの通電が停止されてもス
ロットルバルブがオープナ開度には戻らず、オープナ機
構が故障しているのと同様の不具合が起きるおそれがあ
る。上記発明の構成によれば、請求項1乃至請求項6の
何れか一つに記載の発明の作用に加え、オープナ機構が
正常で電子スロットルにのみ故障が発生したことが判定
されたとき、モータへの通電が所定時間だけ一旦停止さ
れ、その間にスロットルバルブが所定開度以下の状態に
なったことが確認されれば、電子スロットルにメカ的ロ
ックにより故障が起きていないことになる。従って、こ
の場合には、モータへの通電停止が継続されることによ
り、電子スロットルが不用意に動作することがなく、ス
ロットルバルブがほぼオープナ開度に戻って所期の出力
レベルでエンジンの運転が持続される。一方、上記と同
様の条件下でモータへの通電が所定時間だけ停止される
間にスロットルバルブが所定開度以下の状態になってい
ないことが確認されれば、電子スロットルにメカ的なロ
ックによる故障が起きていることになる。従って、この
場合には、モータへの通電停止が継続されると共に、出
力調節手段が制御されてエンジンの出力が制限される。
これにより、電子スロットルが不用意に動作することが
なく、スロットルバルブがオープナ開度に戻らなくても
エンジンの出力が不用意に増大し過ぎることなくエンジ
ンの運転を持続させることが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、本発
明(請求項1,5に記載の発明)のエンジンの故障時制
御装置を具体化した第1の実施の形態を図面を参照して
詳細に説明する。
【0023】図1に本実施の形態におけるエンジンの故
障時制御装置の概念構成を示す。自動車に搭載されたエ
ンジン1は、その出力を調節するための電子スロットル
2と、その電子スロットル2以外の出力調節手段として
の燃料噴射弁(インジェクタ)3及び点火プラグ等の部
品(図示略)と、コントローラ4とを備える。コントロ
ーラ4は、エンジン電子制御装置(エンジンECU)5
と、スロットルECU6とを備える。エンジンECU5
は、インジェクタ3及び点火プラグ等の部品を電気的に
制御することにより、燃料カット制御を含む燃料噴射制
御及び点火時期制御等の各種エンジン制御を実行するた
めのものである。スロットルECU6は、電子スロット
ル2を制御するためのものである。
【0024】エンジン1は、周知の構造を有するレシプ
ロエンジンであり、吸気通路7を通じて燃焼室(図示
略)に供給される燃料及び空気よりなる可燃混合気を爆
発・燃焼させ、その燃焼後の排気ガスを排気通路(図示
略)を通じて排出させることにより、ピストン及びクラ
ンクシャフト等(図示略)を駆動させて出力を得るもの
である。
【0025】吸気通路7に設けられた電子スロットル2
は、同通路7を通じて燃焼室に吸入される空気量(吸気
量)を調節するためのものである。即ち、電子スロット
ル2は、エンジン1の出力を調節するために吸気通路7
に設けられるスロットルバルブ8をモータ9により開閉
駆動させると共に、そのときの実際の開度(実開度)T
Aをスロットルセンサ10により検出するようにしたも
のである。スロットルセンサ10は、例えば、ポテンシ
ョメータより構成され、スロットルバルブ8の実開度T
Aを検出し、その検出結果に応じた電気信号を出力する
ものである。
【0026】インジェクタ3は、吸気通路7において燃
焼室直前の吸気ポートに燃料を噴射するためのものであ
る。インジェクタ3には、燃料タンク(図示略)から圧
送される燃料が供給される。点火プラグは燃焼室に対し
て設けられ、所定の点火信号を受けて動作することによ
り、燃焼室に供給された可燃混合気を点火させるもので
ある。この他に、エンジン1は、インジェクタ3及び点
火プラグの制御に必要な周知のイグナイタ及びディスト
リビュータ、排気通路に設けられて酸素濃度を検出する
ための酸素センサ、並びに、クランクシャフトの回転速
度をエンジン回転速度として検出するための回転速度セ
ンサ等を備える。更に、自動車の運転席には、運転者に
よるアクセルペダル11の操作量(アクセル開度)AC
CPを検出し、その検出結果に応じた電気信号を出力す
るためのアクセルセンサ12が設けられる。アクセルセ
ンサ12は、例えば、ポテンショメータより構成され
る。
【0027】電子スロットル2のスロットルバルブ8
は、アクセルペダル11の操作には機械的に連動せず、
アクセルペダル11の操作に基づいて制御されるモータ
9により作動するリンクレスタイプのものである。スロ
ットルECU6は、アクセルセンサ12により検出され
るアクセル開度ACCP等に基づいて電子スロットル2
を電気的に制御するものである。
【0028】電子スロットル2に付随して設けられたオ
ープナ機構13は、モータ9に対する通電が停止された
ときに、スロットルバルブ8を全閉状態から若干開いた
オープナ開度TAopに保持するためのものである。図2
にオープナ機構13を含む電子スロットル2の概念構成
を示し、図3にオープナ機構13によるスロットルバル
ブ8の動作を示す。図2に示すように、電子スロットル
2及びオープナ機構13は、スロットルハウジング(以
下、単に「ハウジング」と言う。)14に一体的に設け
られる。スロットルバルブ8は吸気通路7に配置され、
スロットル軸15を中心に回動可能にハウジング14に
支持される。スロットル軸15の一端にはモータ9が、
スロットル軸15の他端にはスロットルセンサ10がそ
れぞれ連結される。ここで、スルットルバルブ8の開閉
につき、その全閉位置Sから全開位置Fへ向かう方向を
開き方向とし、全開位置Fから全閉位置Sへ向かう方向
を閉じ方向とする。
【0029】スロットル軸15の他端に配置されたオー
プナ機構13は、エンジン1の停止時、即ちモータ9の
非通電時にスロットルバルブ8を所定のオープナ開度位
置Nに保持するためのオープナレバー16を備える。こ
のオープナレバー16には、リターンスプリング17の
一端が固定され、同スプリング17の他端はハウジング
14に固定される。リターンスプリング17はオープナ
レバ16を介してスロットルバルブ8を閉じ方向へ付勢
する。オープナレバー16は所定の回動位置で全開スト
ッパ18に係合して停止する。ハウジング14には、ス
ロットルバルブ8を全閉位置Sに保持するための全閉ス
トッパ19が設けられる。オープナレバー16には、オ
ープナスプリング20の一端が固定される。オープナス
プリング20の他端は、スロットル軸15に固定され
る。オープナスプリング20は、スロットルバルブ8を
開き方向へ付勢する。この実施の形態では、オープナレ
バー16、リターンスプリング17、全開ストッパ1
8、全閉ストッパ19及びオープナスプリング20等に
より、本発明のオープナ機構13が構成される。
【0030】ここで、リターンスプリング17の付勢力
は、モータ9の駆動トルクよりも小さく、モータ9の非
通電時におけるディテントトルクよりも大きく設定され
る。この設定は、モータ9の通電時には、リターンスプ
リング17又はオープナスプリング20の付勢力に抗し
てスロットルバルブ8を開閉させ、一方で非通電時に
は、リターンスプリング17とオープナスプリング20
との釣り合いによりスロットルバルブ8を所定のオープ
ナ開度位置Nに保持させるためのものである。
【0031】上記のようにスロットルバルブ8の開閉状
態には、図3に示すように、全開位置F、全閉位置S及
びオープナ開度位置Nが存在する。オープナ開度位置N
は、エンジン1の停止時、即ちモータ9に対する通電が
停止されたときに、エンジン1の始動を可能にするため
の初期開度となる。一方、エンジン1の運転中にモータ
9への通電が停止されたときには、このオープナ開度位
置Nが、路側への自動車の退避走行を可能にする程度の
出力レベルを維持させながら、エンジン1の運転を持続
させることのできる開度となる。
【0032】エンジン1の停止時、或いは、モータ9の
非通電時には、スロットル軸15及びオープナレバー1
6がリターンスプリング17により閉じ方向へ付勢され
る。これと同時に、スロットル軸15がオープナスプリ
ング20により開き方向へ付勢される。そして、これら
リターンスプリング17及びオープナスプリング20の
釣り合いにより、スロットルバルブ8がオープナ開度位
置Nに保持される。
【0033】スロットルバルブ8をオープナ開度位置N
から全開位置Fへ開くには、モータ9の駆動トルクがリ
ターンスプリング17の付勢力に抗してスロットル軸1
5に作用し、オープナレバー16が全開ストッパ18に
係合するまでスロットル軸15が回動される。一方、ス
ロットルバルブ8をオープナ開度位置Nから全閉位置S
まで閉じるには、モータ9の駆動トルクがオープナスプ
リング20の付勢力に抗してスロットル軸15に作用
し、同軸15が全閉ストッパ19に係合するまで同軸1
5が回動される。
【0034】ここで、エンジン1の運転時には、アクセ
ルペダル11の操作に基づいてモータ9がスロットルE
CU6により制御されることにより、スロットルバルブ
8が所定の開度に開かれる。このとき、スロットルバル
ブ8の開度は、アクセルペダル11の踏込量に応じて、
図3に示すように全閉位置Sから全開位置Fまでの作動
範囲の中で決定される。全開位置Fでは、オープナレバ
ー16が全開ストッパ18に係合することから、吸気通
路7が最大限に開かれた状態でスロットルバルブ8が保
持される。この全開ストッパ18があることから、スロ
ットルバルブ8が全開位置Fを超えて開き方向へ余分に
回動することがない。全閉位置Sでは、スロットル軸1
5が全閉ストッパ19に係合することから、吸気通路7
が全閉となる状態でスロットルバルブ8が保持される。
この全閉ストッパ19があることから、スロットルバル
ブ8が全閉位置Sを超えて閉じ方向へ余分に回動するこ
とがない。そして、モータ9に対する通電が停止された
ときには、前述したようにリターンスプリング17及び
オープナスプリング20の釣り合いにより、スロットル
バルブ8が全閉状態Sから若干開いたオープナ開度位置
Nに保持されるのである。
【0035】次に、エンジンECU5及びスロットルE
CU6の構成を説明する。この実施の形態で、エンジン
ECU5及びスロットルECU6は互いに通信可能に構
成される。ここで、スロットルECU6は、電子スロッ
トル2にのみ故障が発生した場合に、その故障に対処す
るための故障時制御を実行する。スロットルECU6及
びエンジンECU5は、電子スロット2の故障とオープ
ナ機構13の故障とが併発した場合に、その併発故障に
対処するための故障時制御を実行する。
【0036】この実施の形態で、スロットルECU6
は、中央処理装置(CPU)21、読み出し専用メモリ
(ROM)22、ランダムアクセスメモリ(RAM)2
3、入力回路であるアナログ/デジタル変換器(A/D
変換器)24、出力回路であるインターフェイス回路
(I/F回路)25及び駆動回路26を備える。ROM
22は、前述した電子スロットル2のための通常制御及
び故障時制御に係る所定の制御プログラムを予め記憶す
る。CPU21は、この制御プログラムに従って各種制
御を実行する。RAM23は、CPU21による算出結
果を一時的に記憶する。A/D変換器24は、スロット
ルセンサ10からの信号をAD変換してCPU21へ出
力する。I/F回路25は、CPU21からの出力抑制
要求信号をエンジンECU5へ出力したり、エンジンE
CU41からの要求開度信号をCPU21に入力したり
する。駆動回路26は制御信号をモータ9へ出力する。
【0037】上記のように構成されたスロットルECU
6は、アクセルセンサ12から出力されるアクセル開度
ACCPに係る信号を受けてエンジンECU5から出力
される要求開度信号と、スロットルセンサ10から出力
される実開度TAに係る信号等とに基づいて電子スロッ
トル2の通常制御及び故障時制御をそれぞれ実行する。
ここで、電子スロットル2の通常制御とは、エンジン1
の運転状態及び運転者の加減速要求等に応じて電子スロ
ットル2の開度を制御することである。そのために、ス
ロットルECU6のCPU21は、A/D回路24を介
して入力される実開度TAの値が、エンジンECU5か
ら出力される要求開度信号に基づいて算出される目標開
度の値と一致するようにモータ9に対する通電時間を算
出する。そして、CPU21は、モータ9を制御するた
めに、算出された通電時間に係る制御信号を駆動回路2
6を介してモータ9へ出力するようになっている。
【0038】一方、この実施の形態で、エンジンECU
5はスロットルECU6と同様にCPU26、ROM2
7、RAM28、A/D変換器29、I/F回路30及
び駆動回路31を備える。ROM27は、前述した各種
制御に係る所定の制御プログラムを予め記憶したもので
ある。CPU26は、それら制御プログラムに従って前
述した各種制御を実行するものである。RAM28は、
CPU26が行う算出結果を一時的に記憶するものであ
る。A/D変換器29は、アクセルセンサ12を含む各
種センサ等からの信号をAD変換してCPU26へ出力
するものである。I/F回路30は、CPU26からの
要求開度信号をスロットルECU6へ出力したり、スロ
ットルECU6からの出力抑制要求信号を入力したりす
るものである。駆動回路31は、CPU26からの制御
信号をインジェクタ3や点火プラグ等へ出力するもので
ある。
【0039】上記のように構成されたエンジンECU5
は、アクセルセンサ12を含む前述した各種センサ等か
らの信号に基づき、燃料カット制御を含む燃料噴射制御
及び点火時期制御等を実行するために、インジェクタ3
及び点火プラグ等を制御する。加えて、エンジンECU
5は、スロットルECU6から出力される出力抑制要求
信号に基づき、電子スロットル2及びオープナ機構13
の故障併発時における故障時制御を実行するために、イ
ンジェクタ3を制御する。ここで、燃料カット制御と
は、エンジン1の運転中にエンジン回転速度が所定の速
度範囲内にある場合において、減速時にスロットルバル
ブ8が全閉位置Sに配置されたとき、或いは、モータ9
に対する通電が強制的に停止されたときに、インジェク
タ3を強制的に閉弁させてインジェクタ3からの燃料噴
射を停止(燃料カット)させることである。この燃料カ
ット制御では、燃料カットが行われた後に、エンジン回
転速度が上記速度範囲における所定の下限値まで低下す
ると、インジェクタ3による燃料噴射を再開させること
により、エンジンストールに至らないようにしている。
【0040】この他、エンジンECU5及びスロットル
ECU6には、エンジン1を始動させるために操作され
るイグニションスイッチ(図示略)が接続される。
【0041】この実施の形態では、上記スロットルEC
U6が、請求項1及び請求項5に記載の発明におけるス
ロットル故障判定手段、第1の故障時制御手段及びオー
プナ故障判定手段に相当する。スロットルセンサ10
は、請求項5に記載の発明のオープナ故障判定手段の構
成要素の一つである。一方、上記エンジンECU5及び
スロットルECU6が、請求項1に記載の発明における
第2の故障時制御手段に相当する。
【0042】次に、電子スロットル2の故障発生時、並
びに電子スロットル2の故障及びオープナ機構13の故
障併発時に対処するための故障時制御の内容について詳
しく説明する。
【0043】図4には、スロットルECU6のCPU2
1が実行する「オープナ機構故障判定」の処理内容をフ
ローチャートに示す。このルーチンは、エンジン1の始
動直前、即ち電子スロットル2の起動直前に実行される
ものであり、イグニションスイッチがオンされた直後、
モータ9の制御が開始される前に1回実行される。
【0044】ステップ100で、CPU21は、スロッ
トルセンサ10の検出値に基づき実開度TAの値を読み
込む。
【0045】次に、ステップ110で、CPU21は、
読み込まれた実開度TAの値が所定の下限値LVL1よ
り大きいか否かを判定する。下限値LVL1とは、予め
設定されたオープナ開度TAopの値に対する許容誤差範
囲の下限値に相当するものである。ここで、実開度TA
の値が下限値LVL1より大きくない場合、CPU21
は、処理をステップ140へ移行し、オープナ機構13
に故障が発生しているものとして、オープナ故障フラグ
XOPFを「1」に設定し、その後の処理を一旦終了す
る。
【0046】一方、ステップ110で、実開度TAの値
が下限値LVL1より大きい場合、CPU21は、処理
をステップ120へ移行し、読み込まれた実開度TAの
値が所定の上限値LVL2より小さいか否かを判定す
る。上限値LVL2とは、予め設定されたオープナ開度
TAopの値に対する許容誤差範囲の上限値に相当するも
のである。ここで、実開度TAの値が上限値LVL2よ
り小さくない場合、CPU21は、処理をステップ14
0へ移行し、オープナ機構13に故障が発生しているも
のとして、オープナ故障フラグXOPFを「1」に設定
し、その後の処理を一旦終了する。
【0047】一方、ステップ120で、実開度TAの値
が上限値LVL2より小さい場合、CPU21は、処理
をステップ130へ移行し、オープナ機構13に故障が
発生していないものとして、オープナ故障フラグXOP
Fを「0」に設定し、その後の処理を一旦終了する。
【0048】即ち、上記ルーチンでは、モータ9が通電
されていない状態で、実開度TAの値が、上限値LVL
2と下限値LVL1とで規定されるオープナ開度TAop
を含む所定の開度範囲としての許容誤差範囲に含まれる
か否かを判定する。そして、実開度TAの値がオープナ
開度TAopの許容誤差範囲に含まれれば、オープナ機構
13が正常であると判定してオープナ故障フラグXOP
Fを「0」し、実開度TAの値がオープナ開度TAopの
許容誤差範囲に含まれなければ、オープナ機構13が故
障したと判定してオープナ故障フラグXOPFを「1」
に設定するのである。
【0049】図5には、スロットルECU6のCPU2
1が実行する「電子スロットル故障判定」及び「電子ス
ロットル・オープナ機構故障対応処置」の処理内容をフ
ローチャートに示す。
【0050】ステップ200で、CPU21は、スロッ
トルセンサ10の検出値に基づき実開度TAの値を読み
込む。
【0051】次に、ステップ210で、CPU21は、
読み込まれた実開度TAが所定範囲内の値であるか否か
を判定する。所定範囲内の値とは、スロットルセンサ1
0がスロットルバルブ8の全閉から全開までの範囲で出
力する正常な検出値の範囲を意味するものである。ここ
で、実開度TAが所定範囲内の値でない場合、スロット
ルセンサ10に故障が発生しているものとして、ステッ
プ220で、CPU21はセンサ故障フラグXTAFを
「1」に設定し、処理をステップ230へ移行する。
【0052】一方、ステップ210で、実開度TAが所
定範囲内の値である場合、スロットルセンサ10が正常
であるものとして、CPU21は、そのまま処理をステ
ップ230へ移行する。ここで、スロットルセンサ10
の故障として、その配線系統の断線や短絡が挙げられ
る。
【0053】ステップ230で、CPU21は、モータ
9に供給される電流(モータ電流)IMの値を読み込
む。
【0054】次に、ステップ240で、CPU21は、
読み込まれたモータ電流IMが所定範囲内の値であるか
否かを判定する。所定範囲内の値とは、モータ9が、ス
ロットルバルブ8を全閉から全開までの範囲で駆動する
ことのできる正常な電流値の範囲を意味するものであ
る。ここで、モータ電流IMが所定範囲内の値でない場
合、モータ9に故障が発生しているものとして、ステッ
プ250で、CPU21はモータ故障フラグXIMFを
「1」に設定し、処理をステップ260へ移行する。一
方、モータ電流IMが所定範囲内の値である場合、モー
タ9が正常であるものとして、CPU21は、そのまま
処理をステップ260へ移行する。ここで、モータ10
の故障として、その配線系統の断線又は短絡が挙げられ
る。
【0055】ここまでのステップ200〜250のルー
チンは、電子スロットル2の故障を判定するための「電
子スロットル故障判定」の処理を意味するものである。
【0056】ステップ260で、CPU21は、上記セ
ンサ故障フラグXTAF及びモータ故障フラグXIMF
が共に「0」であるか否か、即ち、スロットルセンサ1
0及びモータ9が共に正常であるか否かを判定する。こ
こで、両フラグXTAF,XIMFが共に「0」である
場合、電子スロットル2が正常であるものとして、CP
U21は、その後の処理を一旦終了する。一方、両フラ
グXTAF,XIMFの少なくとも一方が「1」である
場合、電子スロットル2に故障が発生しているものとし
て、CPU21は処理をステップ270へ移行する。
【0057】ステップ270で、CPU21は、オープ
ナ故障フラグXOPFが「1」であるか否か、即ち、オ
ープナ機構13に故障が発生しているか否かを判定す
る。ここで、オープナ機構13に故障が発生していない
場合、電子スロットル2のみが故障しているものとし
て、CPU21は、そのまま処理をステップ290へ移
行する。
【0058】そして、ステップ290で、CPU21
は、電子スロットル2を強制停止させるためにモータ9
への通電を停止させ、その後の処理を一旦終了する。
【0059】一方、オープナ機構13に故障が発生して
いる場合、電子スロットル2の故障とオープナ機構13
の故障とが併発しているものとして、CPU21は、処
理をステップ280へ移行する。
【0060】そして、ステップ280で、CPU21
は、燃料カット要求信号をエンジンECU5へ出力した
後、ステップ290の処理を実行する。ここで、燃料カ
ット要求信号とは、前述した燃料カット制御の実行を指
示するための信号である。従って、エンジンECU5
は、この要求信号を受けて直ちに燃料カット制御を実行
することになり、これによって、エンジン1の出力が所
定の出力レベル以下に制限されることになる。
【0061】上記ステップ260〜290のルーチンで
は、電子スロットル2のみが故障したと判定された場
合、電子スロットル2を強制停止させるためにモータ9
に対する通電が停止されるようになっている。一方、上
記ステップ260〜290のルーチンでは、電子スロッ
トル2が故障し、かつ、オープナ機構13が故障したと
判定された場合、電子スロットル2を強制停止させるた
めにモータ9に対する通電が停止されると共に、エンジ
ンECU5に燃料カット制御を実行させるために燃料カ
ット要求信号が出力されるようになっている。
【0062】以上説明したようにこの実施の形態のエン
ジンの故障時制御装置によれば、電子スロットル2のモ
ータ9に対する通電が停止されることにより、スロット
ルバルブ8がオープナ機構13により全閉状態から若干
開いたオープナ開度TAopに保持されることになる。従
って、エンジン1の運転時において、スロットルECU
6により電子スロットル2が故障したと判定されたとき
には、この判定を受けてモータ9に対する通電がスロッ
トルECU6により停止される。ここで、オープナ機構
13に故障が発生していなければ、スロットルバルブ8
がオープナ開度TAopに保持され、そのオープナ開度T
Aopに応じて確保される所定量の空気が吸気通路2を通
じてエンジン1の燃焼室に供給される。従って、電子ス
ロットル2が不用意に動作することがなく、しかも電子
スロットル2が強制停止された後も所期の出力レベルで
エンジン1の運転を持続させることが可能になる。これ
により、走行中の自動車を路肩へ退避走行させることが
できるようになる。
【0063】ここで、万が一、オープナ機構13に故障
が発生している場合、故障によりモータ9に対する通電
が停止されて電子スロットル2が強制停止されても、ス
ロットルバルブ8がオープナ開度TAopには戻らず、エ
ンジン1を所期の出力レベルに調節できなくなるおそれ
がある。
【0064】しかしながら、この実施の形態の装置で
は、電子スロットル2に故障が発生したことと、オープ
ナ機構13に故障が発生したこととが共にスロットルE
CU6により判定されたときには、スロットルECU6
によりモータ9に対する通電が停止されると共に、エン
ジン1の出力を制限するために燃料カット制御が実行さ
れ、インジェクタ3が制御されることになる。従って、
電子スロットル2の故障とオープナ機構13の故障とが
併発しているときに、電子スロットル2が強制停止さ
れ、例えば、スロットルバルブ8がオープナ開度TAop
より開き過ぎた状態で止まったとしても、燃料カット制
御の結果によりエンジン1の出力が制限されることにな
る。このため、エンジン1の出力を不用意に増大させる
ことなく、エンジン1の運転を持続させることが可能に
なる。この意味で、電子スロットル2の故障とオープナ
機構13の故障との併発に対処して自動車の退避走行に
必要十分な安定したエンジン出力を確保することができ
るようになる。
【0065】加えて、この実施の形態では、特に、電子
スロットル2が起動される直前、即ち、エンジン1の始
動直前にオープナ機構13の故障が予め判定されるの
で、エンジン1が運転される度にオープナ機構13の故
障を判定する機会を確保することが可能になる。このた
め、エンジン1の始動後には、電子スロットル2に故障
が発生したことが判定されると同時のタイミングで上記
併発故障に対処することができるようになる。
【0066】[第2の実施の形態]次に、本発明(請求
項3,5に記載の発明)のエンジンの故障時制御装置を
具体化した第2の実施の形態を図面に従って説明する。
尚、以下に説明する各実施の形態(本実施の形態を含
む)において、前記第1の実施の形態の装置における構
成と同一の部材等については、同一の符号を付して説明
を省略し、以下には異なった点を中心に説明する。
【0067】この実施の形態で、スロットルECU6の
CPU21は、上記と同様に図4のフローチャートに示
す「オープナ機構故障判定」の処理を実行する。そし
て、この実施の形態では、「電子スロットル・オープナ
機構故障対応処置」の処理内容の点で前記第1の実施の
形態と異なる。この実施の形態では、上記スロットルE
CU6が、請求項3及び請求項5に記載の発明における
スロットル故障判定手段、第1の故障時制御手段及びオ
ープナ故障判定手段に相当する。スロットルセンサ10
は、請求項5に記載の発明のオープナ故障判定手段の構
成要素の一つである。一方、上記エンジンECU5及び
スロットルECU6が、請求項3に記載の発明における
第2及び第3の故障時制御手段に相当する。
【0068】図6にスロットルECU6のCPU21が
実行する「電子スロットル故障判定」及び「電子スロッ
トル・オープナ機構故障対応処置」の処理内容をフロー
チャートに示す。
【0069】ステップ300で、CPU21は、「電子
スロットル故障判定」の処理を実行する。この処理の内
容は、図5のフローチャートに示すステップ200〜2
50のそれと同じであることから、ここでの説明を省略
する。
【0070】次に、ステップ310で、CPU21は、
センサ故障フラグXTAF及びモータ故障フラグXIM
Fが共に「0」であるか否かを判定する。ここで、両フ
ラグXTAF,XIMFが共に「0」である場合、電子
スロットル2が正常であるものとして、CPU21はそ
の後の処理を一旦終了する。一方、両フラグXTAF,
XIMFの少なくとも一方が「1」である場合、電子ス
ロットル2に故障が発生しているものとして、CPU2
1は処理をステップ320へ移行する。
【0071】ステップ320で、CPU21は、モータ
故障フラグXIMFが「0」であるか否か、即ち、モー
タ9が正常であるか否かを判定する。ここで、同フラグ
XIMFが「0」でない場合、少なくともモータ9に故
障が発生しているものとして、CPU21は処理をステ
ップ340へ移行する。
【0072】そして、ステップ340で、CPU21
は、電子スロットル2を強制停止させるためにモータ9
への通電を停止させ、その後の処理を一旦終了する。
【0073】一方、ステップ320で、モータ故障フラ
グXIMFが「0」である場合、モータ9以外の部品
(この場合、スロットルセンサ10)について電子スロ
ットル2に故障が発生しているものとして、CPU21
は、処理をステップ330へ移行する。
【0074】そして、ステップ330で、CPU21
は、オープナ故障フラグXOPFが「1」であるか否
か、即ち、オープナ機構13に故障が発生しているか否
かを判定する。ここで、同フラグXOPFが「1」でな
い場合、電子スロットル2のみに故障が発生しているも
のとして、CPU21は、そのまま処理をステップ34
0の処理を実行する。一方、同フラグXOPFが「1」
である場合、電子スロットル2の故障とオープナ機構1
3の故障とが併発しているものとして、CPU21は処
理をステップ350へ移行する。
【0075】ステップ350で、CPU21は、電子ス
ロットル2の故障とオープナ機構13の故障とが併発と
なった時点からの経過時間を示すカウンタ値CDWが所
定値Nより大きいか否かを判定する。即ち、故障併発時
から所定時間経過したか否かを判断する。所定値Nとし
て、例えば、「0.2秒」を当てはめることができる。
ここで、カウンタ値CDWが所定値Nより大きくない場
合、CPU21は処理をステップ360へ移行する。
【0076】そして、ステップ360で、CPU21
は、スロットルバルブ8を閉じ方向へ駆動させるために
モータ9を閉駆動させる。続いて、ステップ370で、
CPU21は、カウンタ値CDWを「1」だけ加算して
その後の処理を一旦終了する。
【0077】一方、ステップ350で、カウンタ値CD
Wが所定値Nより大きい場合、CPU21は、上記モー
タ9の閉駆動を終了させ、ステップ340の処理を実行
する。
【0078】以上説明したようにこの実施の形態のエン
ジンの故障時制御装置によれば、電子スロットル2に係
るモータ9以外の構成部品(この場合、スロットルセン
サ10)の故障とオープナ機構13の故障とが併発した
と判定されたときに、スロットルバルブ8をオープナ開
度TAopの状態にするためにモータ9が所定値Nに相当
する時間だけ閉駆動された後、そのモータ9に対する通
電が停止される。従って、電子スロットル2の故障とオ
ープナ機構13の故障とが併発したときには、電子スロ
ットル2が強制停止される前にモータ9が一旦閉駆動さ
れることにより、スロットルバルブ8がオープナ開度T
Aopへ強制的に戻されようとする。つまり、この実施の
形態では、モータ9以外の理由で電子スロットル2に故
障が発生している場合には、正常なモータ9を使用して
スロットルバルブ8を閉駆動させてオープナ開度TAop
へ戻そうと試みるものである。これにより、スロットル
バルブ8が狙い通りにオープナ開度TAopへ戻ることが
できれば、エンジン1の出力が不用意に増大し過ぎする
ことなく、エンジン1の運転を持続させることが可能に
なる。この結果、電子スロットル2の故障とオープナ機
構13の故障との併発に対処して自動車の退避走行に必
要十分な安定したエンジン出力を確保することができる
ようになる。
【0079】[第3の実施の形態]次に、本発明(請求
項5,7に記載の発明)のエンジンの故障時制御装置を
具体化した第3の実施の形態を図面に従って説明する。
【0080】この実施の形態で、スロットルECU6の
CPU21は、第1の実施の形態と同様に図4のフロー
チャートに示す「オープナ機構故障判定」の処理を実行
するものとする。そして、この実施の形態では、「電子
スロットル・オープナ機構故障対応処置」の処理内容の
点で前記他の実施の形態と異なる。この実施の形態で
は、上記エンジンECU5及びスロットルECU6によ
り、請求項5及び請求項7に記載の発明におけるスロッ
トル故障判定手段、オープナ故障判定手段及び第1〜第
4の故障時制御手段がそれぞれ構成される。スロットル
センサ10は、請求項5に記載の発明のオープナ故障判
定手段の構成要素の一つである。
【0081】図7にスロットルECU6のCPU21が
実行する「電子スロットル故障判定」及び「電子スロッ
トル・オープナ機構故障対応処置」の処理内容をフロー
チャートに示す。
【0082】ステップ400で、CPU21は、「電子
スロットル故障判定」の処理を実行する。この処理の内
容は、図5のフローチャートに示すステップ200〜2
50の一連の処理内容と同じである。
【0083】次に、ステップ410で、CPU21は、
センサ故障フラグXTAF及びモータ故障フラグXIM
Fが共に「0」であるか否かを判定する。ここで、両フ
ラグXTAF,XIMFが共に「0」である場合、電子
スロットル2が正常であるものとして、CPU21はそ
の後の処理を一旦終了する。一方、両フラグXTAF,
XIMFの少なくとも一方が「1」である場合、電子ス
ロットル2に故障が発生しているものとして、CPU2
1は処理をステップ420へ移行する。
【0084】ステップ420で、CPU21は、オープ
ナ故障フラグXOPFが「1」であるか否か、即ち、オ
ープナ機構13に故障が発生しているか否かを判定す
る。ここで、オープナ機構13に故障が発生している場
合、電子スロットル2の故障とオープナ機構13の故障
とが併発しているものとして、CPU21は処理をステ
ップ430へ移行する。
【0085】そして、ステップ430で、CPU21
は、エンジンECU5に前述した燃料カット制御を実行
させるために燃料カット要求信号をエンジンECU5へ
出力し、処理をステップ440へ移行する。
【0086】その後、ステップ440で、CPU21
は、電子スロットル2を強制停止させるためにモータ9
への通電を停止させ、その後の処理を一旦終了する。
【0087】一方、ステップ420で、オープナ機構1
3に故障が発生していない場合、電子スロットル2のみ
に故障が発生しているものとして、CPU21は処理を
ステップ450へ移行する。そして、ステップ450
で、CPU21は、電子スロットル2のみに故障が発生
してからの経過時間を示すカウンタ値CDWが所定値M
より大きいか否かを判定する。この所定値Mとして、例
えば、「1秒」を当てはめることができる。ここで、カ
ウンタ値CDWが所定値Mより大きくない場合、CPU
21は処理をステップ460へ移行する。
【0088】そして、ステップ460で、CPU21
は、カウンタ値CDWを「1」だけ加算する。続くステ
ップ440で、CPU21は、電子スロットル2を強制
停止させるためにモータ9への通電を停止させ、その後
の処理を一旦終了する。
【0089】つまり、ステップ450,460,440
の一連のルーチンで、CPU21は、電子スロットル2
のみに故障が発生したと判定されたとき、その判定から
所定時間経過する間だけ電子スロットル2を強制停止さ
せるのである。
【0090】一方、ステップ450で、カウンタ値CD
Wが所定値Mより大きい場合、ステップ470で、CP
U21は、今回読み込まれた実開度TAの値が前述した
下限値LVL1以下となるか否かを判定する。即ち、C
PU21は、上記したように電子スロットル2が所定時
間だけ強制停止されたときに、スロットルバルブ8がオ
ープナ開度TAopの下限値LVL1以下の開度まで戻っ
たか否かを判定するのである。
【0091】ここで、スロットルバルブ8が下限値LV
L1以下の開度まで戻っていない場合、CPU21は、
ステップ480で、燃料カット要求信号をエンジンEC
U5へ出力し、更にステップ440で、電子スロットル
2を強制停止させるためにモータ9に対する通電を停止
させる。一方、スロットルバルブ8が下限値LVL1以
下の開度まで戻った場合、CPU21は、ステップ44
0で、電子スロットル2を強制停止させるためにモータ
9に対する通電を停止させる。
【0092】以上説明したようにこの実施の形態のエン
ジンの故障時制御装置でも、エンジン1の運転時に電子
スロットル2の故障とオープナ機構13の故障とが併発
したときには、電子スロットル2が強制停止されると共
に燃料カット制御によりエンジン1の出力が所期の出力
レベルに制限される。このため、エンジン1の出力を不
用意に増大させ過ぎることなく、エンジン1の運転を持
続させることが可能になる。この意味で、電子スロット
ル2の故障とオープナ機構13の故障との併発に対処し
て自動車の退避走行に必要十分な安定したエンジン出力
を確保することができるようになる。
【0093】ところで、オープナ機構13が正常な場合
でも、電子スロットル2に機械的な固着(メカ的ロッ
ク)による故障が発生している場合には、モータ2に対
する通電が停止されて電子スロットル2が強制停止され
ても、スロットルバルブ8がオープナ開度TAopには戻
らず、オープナ機構13に故障が発生している場合と同
様の不具合が起きるおそれがある。
【0094】しかしながら、この実施の形態の装置によ
れば、オープナ機構13が正常で電子スロットル2のみ
に故障が発生したことが判定されたとき、モータ9に対
する通電が所定時間だけ一旦停止され、その間にスロッ
トルバルブ8がオープナ開度TAopに近い所定開度以下
の状態になったことが確認されれば、電子スロットル2
にメカ的ロックによる故障が起きていないことになる。
従って、この場合には、モータ9に対する通電の停止が
継続されることにより、電子スロットル2が不用意に動
作することがなくなり、スロットルバルブ8がほぼオー
プナ開度TAopに戻って所期の出力レベルでエンジン1
の運転が持続されることになる。
【0095】一方、上記と同様の条件下でモータ9に対
する通電が所定時間だけ停止される間にスロットルバル
ブ8がオープナ開度TAopに近い所定の開度以下の状態
になっていないことが確認されれば、電子スロットル2
にメカ的なロックによる故障が発生していることにな
る。従って、この場合には、モータ9に対する通電の停
止が継続されると共に、燃料カット制御によりエンジン
1の出力が所期レベルに制限される。これにより、電子
スロットル2が不用意に動作することがなく、スロット
ルバルブ8がオープナ開度TAopに戻らなくても、エン
ジン1の出力が不用意に増大し過ぎることなくエンジン
1の運転を持続させることが可能になる。この結果、オ
ープナ機構13に故障が発生していない場合の電子スロ
ットル2のメカ的ロックに対処して自動車の退避走行に
必要十分な安定したエンジン出力を確保することができ
るようになる。
【0096】[第4の実施の形態]次に、本発明(請求
項4,6に記載の発明)のエンジンの故障時制御装置を
具体化した第4の実施の形態を図面に従って説明する。
【0097】この実施の形態では、「オープナ機構故障
判定」、「電子スロットル故障判定」及び「電子スロッ
トル・オープナ機構故障対応処置」の処理内容の点で前
記他の実施の形態と異なる。この実施の形態では、スロ
ットルECU6が、請求項4及び請求項6に記載の発明
におけるスロットル故障判定手段、オープナ故障判定手
段及び第1〜第3の故障時制御手段に相当する。ここ
で、スロットルセンサ10は、請求項6に記載の発明に
おけるオープナ故障判定手段の構成要素の一つである。
【0098】図8には、スロットルECU6のCPU2
1が実行する「オープナ機構故障判定」の処理内容をフ
ローチャートに示す。このルーチンは、エンジン1の始
動直前、即ち電子スロットル2の起動直前に実行される
ものであり、イグニションスイッチがオンされた直後、
モータ9の制御が開始される前に1回実行される。
【0099】ステップ500で、CPU21は、スロッ
トルセンサ10の検出値に基づき実開度TAの値を読み
込む。
【0100】次に、ステップ510で、CPU21は、
読み込まれた実開度TAの値が所定の上限値LVL2よ
り大きいか否かを判定する。上限値LVL2とは、予め
設定されたオープナ開度TAopの値に対する許容誤差範
囲の上限値に相当するものである。ここで、実開度TA
の値が上限値LVL2より大きい場合、CPU21は、
処理をステップ550へ移行し、オープナ機構13に過
開故障が起きているものとして、オープナ過開故障フラ
グXOPF2を「1」に設定し、その後の処理を一旦終
了する。オープナ機構13の過開故障とは、スロットル
バルブ8がオープナ開度TAopを含む許容誤差範囲より
開き過ぎた状態で止まるようなオープナ機構13の故障
を意味する。
【0101】ステップ510で、実開度TAの値が上限
値LVL2より大きくない場合、CPU21は、処理を
ステップ520へ移行し、読み込まれた実開度TAの値
が前述した下限値LVL1より小さいか否かを判定す
る。ここで、実開度TAの値が下限値LVL1より小さ
い場合、CPU21は、処理をステップ560へ移行
し、オープナ機構13に過閉故障が起きているものとし
て、オープナ過閉故障フラグXOPF1を「1」に設定
し、その後の処理を一旦終了する。オープナ機構13の
過閉故障とは、スロットルバルブ8がオープナ開度TA
opを含む許容誤差範囲より閉じ過ぎた状態で止まるよう
なオープナ機構13の故障を意味する。
【0102】一方、ステップ520で、実開度TAの値
が下限値LVL1より小さくない場合、CPU21は、
処理をステップ530へ移行し、オープナ過閉故障フラ
グXOPF1を「0」に再設定する。
【0103】次いで、ステップ540で、CPU21
は、オープナ過開故障フラグXOPF2を「0」に再設
定し、その後の処理を一旦終了する。
【0104】即ち、上記ルーチンでは、モータ9が通電
されていない状態で、実開度TAの値が上限値LVL2
と下限値LVL1とで規定されるオープナ開度TAopを
含む所定の開度範囲としての許容誤差範囲に含まれれ
ば、オープナ機構13が正常であると判定してオープナ
過開故障フラグXOPF2及びオープナ過閉故障フラグ
XOPF1を共に「0」にする。一方、実開度TAの値
がオープナ開度TAopの許容誤差範囲に含まれず、上限
値LVL2よりも大きい場合には、オープナ機構13が
過開故障したと判定してオープナ過開故障フラグXOP
F2を「1」にする。実開度TAの値がオープナ開度T
Aopの許容誤差範囲に含まれず、下限値LVL1よりも
小さい場合は、オープナ機構13が過閉故障したと判定
してオープナ過閉故障フラグXOPF1を「1」にする
のである。
【0105】図9には、CPU21が実行する「電子ス
ロットル故障判定」及び「電子スロットル・オープナ機
構故障対応処置」の処理内容をフローチャートに示す。
【0106】ステップ600で、CPU21は、「電子
スロットル故障判定」の処理を実行する。この処理内容
は、図5のフローチャートに示すステップ200〜25
0の一連の処理内容と同じである。
【0107】次に、ステップ610で、CPU21は、
センサ故障フラグXTAF及びモータ故障フラグXIM
Fが共に「0」であるか否か、即ち、スロットルセンサ
10及びモータ9が共に正常であるか否かを判定する。
ここで、両フラグXTAF,XIMFが共に正常である
場合、電子スロットル2が正常であるものとして、CP
U21はその後の処理を一旦終了する。一方、両フラグ
XTAF,XIMFの少なくとも一方が「1」である場
合、電子スロットル2に故障が発生しているものとし
て、CPU21は処理をステップ620へ移行する。
【0108】ステップ620で、CPU21は、モータ
故障フラグXIMFが「0」であるか否か、即ち、モー
タ9が正常であるか否かを判定する。ここで、同フラグ
XIMFが「0」でない場合、モータ9の故障により電
子スロットル2に故障が発生しているものとして、CP
U21は処理をステップ625へ移行する。そして、ス
テップ625で、CPU21は、電子スロットル2を強
制停止させるためにモータ9への通電を停止させ、その
後の処理を一旦終了する。
【0109】一方、ステップ620で、同フラグXIM
Fが「0」である場合、モータ9以外の部品の故障によ
り電子スロットル2に故障が発生しているものとして、
CPU21は処理をステップ630へ移行する。
【0110】ステップ630で、CPU21はオープナ
過開故障フラグXOPF2が「1」であるか否か、即
ち、オープナ機構13が過開故障しているか否かを判定
する。ここで、オープナ機構13が過開故障している場
合、電子スロットル2の故障とオープナ機構13の故障
とが併発しているものとして、CPU21は、処理をス
テップ670へ移行する。
【0111】ステップ670で、CPU21は、電子ス
ロットル2の故障とオープナ機構13の故障とが併発し
てからの経過時間を示すカウンタ値CDWが所定値Nよ
り大きいか否かを判定する。ここで、カウンタ値CDW
が所定値Nより大きくない場合、CPU21は処理をス
テップ680へ移行する。
【0112】そして、ステップ680で、CPU21
は、スロットルバルブ8を閉じ方向へ駆動させるため
に、モータ9を閉駆動させる。続いて、ステップ685
で、CPU21は、カウンタ値CDWを「1」だけ加算
してその後の処理を一旦終了する。
【0113】ステップ670で、カウンタ値CDWが所
定値Nより大きい場合、CPU21は、モータ9の閉駆
動を終了させ、処理をステップ660へ移行する。そし
て、ステップ660で、CPU21は、電子スロットル
2を強制停止させるために、モータ9に対する通電を停
止させ、その後の処理を一旦終了する。
【0114】一方、ステップ630で、オープナ機構1
3が過開故障していない場合、CPU21は、ステップ
640で、オープナ過閉故障フラグXOPF1が「1」
であるか否か、即ち、オープナ機構13が過閉故障して
いるか否かを判定する。ここで、オープナ機構13が過
閉故障していない場合、電子スロットル2のみに故障が
発生しているものとして、CPU21は前述したステッ
プ660の処理を実行し、その後の処理を一旦終了す
る。
【0115】ステップ640で、オープナ機構13が過
閉故障している場合、CPU21は、ステップ650
で、前述したカウンタ値CDWが所定値Nより大きいか
否かを判定する。ここで、カウンタ値CDWが所定値N
より大きくない場合、CPU21は処理をステップ69
0へ移行する。
【0116】そして、ステップ690で、CPU21
は、スロットルバルブ8を開き方向へ駆動させるために
モータ9を開駆動させる。続いて、ステップ695で、
CPU21は、カウンタ値CDWを「1」だけ加算して
その後の処理を一旦終了する。
【0117】一方、ステップ650で、カウンタ値CD
Wが所定値Nより大きい場合、CPU21は前述したス
テップ660の処理を実行し、その後の処理を一旦終了
する。
【0118】以上説明したようにこの実施の形態の故障
時制御装置の構成によれば、電子スロットル2にモータ
9以外の構成部品(この場合、スロットルセンサ10)
の故障により故障が発生したことが判定されると共に、
オープナ機構13が過開故障であることが判定されたと
きには、スロットルバルブ8をオープナ開度TAopへ閉
駆動させるためにモータ9が所定時間だけ閉駆動され、
その後にモータ9に対する通電が停止される。一方、電
子スロットル2にモータ9以外の構成部品の故障により
故障が発生した判定されると共に、オープナ機構13が
過閉故障であることが判定されたときには、スロットル
バルブ8をオープナ開度TAopへ開駆動させるためにモ
ータ9が所定時間だけ開駆動され、その後にモータ9に
対する通電が停止される。従って、電子スロットル2の
故障とオープナ機構13の故障とが併発したときには、
電子スロットル2が強制停止される前にモータ9が一旦
開駆動又は閉駆動されることにより、スロットルバルブ
8がオープナ開度TAopへ強制的に戻されようとする。
つまり、この実施の形態では、モータ9以外の原因で電
子スロットル2に故障が発生している場合には、その正
常なモータ9を使用してスロットルバルブ8をオープナ
開度TAopへ戻そうと試みるものである。これにより、
スロットルバルブ8が狙い通りにオープナ開度TAopへ
戻ることができれば、エンジン1の出力が不用意に増大
し過ぎたり減少し過ぎたりすることなくエンジン1の運
転を持続させることが可能になる。この結果、電子スロ
ットル2の故障とオープナ機構13の故障との併発に対
処して自動車の退避走行に必要十分な安定したエンジン
出力を確保することができるようになる。
【0119】[第5の実施の形態]次に、本発明(請求
項2,6に記載の発明)のエンジンの故障時制御装置を
具体化した第4の実施の形態を図面に従って説明する。
【0120】この実施の形態で、スロットルECU6の
CPU21は、上記と同様に図8のフローチャートに示
す「オープナ機構故障判定」の処理を実行する。そし
て、この実施の形態では、「電子スロットル・オープナ
機構故障対応処置」の処理内容の点で前記第4の実施の
形態と異なる。この実施の形態では、スロットルECU
6が、請求項2及び請求項6に記載の発明におけるスロ
ットル故障判定手段、オープナ故障判定手段及び第1の
故障時制御手段に相当する。又、エンジンECU5及び
スロットルECU6が、請求項2に記載の発明の第2及
び第3の故障時制御手段に相当する。スロットルセンサ
10が、請求項6に記載の発明におけるオープナ故障判
定手段の構成要素の一つである。
【0121】図10には、CPU21が実行する「電子
スロットル故障判定」及び「電子スロットル・オープナ
機構故障対応処置」の処理内容をフローチャートに示
す。
【0122】ステップ700で、CPU21は、「電子
スロットル故障判定」の処理を実行する。この処理内容
は、図5のフローチャートに示すステップ200〜25
0の一連の処理内容と同じである。
【0123】次に、ステップ710で、CPU21は、
センサ故障フラグXTAF及びモータ故障フラグXIM
Fが共に「0」であるか否か、即ち、スロットルセンサ
10及びモータ9が共に正常であるか否かを判定する。
ここで、両フラグXTAF,XIMFが共に「0」であ
る場合、電子スロットル2が正常であるものとして、C
PU21はその後の処理を一旦終了する。一方、両フラ
グXTAF,XIMFの少なくとも一方が「1」である
場合、電子スロットル2に故障が発生しているものとし
て、CPU21は処理をステップ720へ移行する。
【0124】ステップ720で、CPU21はオープナ
過開故障フラグXOPF2が「1」であるか否か、即
ち、オープナ機構13が過開故障しているか否かを判定
する。ここで、オープナ機構13が過開故障している場
合、CPU21は処理をステップ760へ移行する。
【0125】ステップ760で、CPU21は、今回読
み込まれた実開度TAの値がオープナ開度TAopの値よ
りも大きいか否かを判定する。ここで、実開度TAの値
がオープナ開度TAopの値よりも大きくない場合、オー
プナ機構13が過開故障の状態であっても現在の開度が
オープナ開度TAopもしくはそれ以下の開度になってい
るものとして、CPU21はそのまま処理をステップ7
50へ移行する。一方、実開度TAの値がオープナ開度
TAopの値よりも大きい場合、オープナ機構13が過開
故障の状態で、かつ、現在の開度が過開状態にあるもの
として、CPU21は処理をステップ770へ移行す
る。そして、ステップ770で、CPU21は、エンジ
ン1の出力を抑制するために、燃料減量要求信号をエン
ジンECU5へ出力した後、処理をステップ750へ移
行する。従って、エンジンECU5は、この燃料減量要
求信号を受けて直ちに燃料減量制御を実行することにな
り、これによって、エンジン1の出力が所定の出力レベ
ルに抑制されることになる。ここで、燃料減量制御と
は、インジェクタ3から噴射される燃料量を減少させる
ことである。
【0126】ステップ750では、CPU21は、電子
スロットル2を強制停止させるためにモータ9に対する
通電を停止させ、その後の処理を一旦終了することにな
る。従って、ステップ760からステップ750へ処理
が移行した場合には、燃料減量制御が行われることなく
電子スロットル2の強制停止のみが行われることにな
る。一方、ステップ770からステップ750へ処理が
移行した場合には、燃料減量制御と電子スロットル2の
強制停止の両方が行われることになる。
【0127】一方、ステップ720で、オープナ機構1
3が過開故障していない場合、CPU21は、ステップ
730で、オープナ過閉故障フラグXOPF1が「1」
であるか否か、即ち、オープナ機構13が過閉故障して
いるか否かを判定する。ここで、オープナ機構13が過
閉故障していない場合、電子スロットル2のみに故障が
発生しているものとして、CPU21は前述したステッ
プ750の処理を実行し、その後の処理を一旦終了す
る。
【0128】ステップ730で、オープナ機構13が過
閉故障している場合、ステップ740で、CPU21
は、今回読み込まれた実開度TAの値がオープナ開度T
Aopの値よりも小さいか否かを判定する。ここで、実開
度TAの値がオープナ開度TAopの値よりも小さくない
場合、オープナ機構13が過閉故障の状態であっても現
在の開度がオープナ開度TAopもしくはそれ以上の開度
にあるものとして、CPU21はそのまま処理をステッ
プ750へ移行する。一方、実開度TAの値がオープナ
開度TAopの値よりも小さい場合、オープナ機構13が
過閉故障の状態で、かつ、現在の開度が過閉状態にある
ものとして、CPU21は処理をステップ780へ移行
する。そして、ステップ780で、CPU21は、エン
ジン1の出力を増大させるために、燃料増量要求信号を
エンジンECU5へ出力した後、処理をステップ750
へ移行する。従って、エンジンECU5は、この燃料増
量要求信号を受けて直ちに燃料助量制御を実行すること
になり、これによって、エンジン1の出力が所定の出力
レベルに増大させられることになる。ここで、燃料増量
制御とは、インジェクタ3から噴射される燃料量を増大
させることである。
【0129】従って、ステップ740からステップ75
0へ処理が移行した場合には、燃料増量制御が行われる
ことなく電子スロットル2の強制停止のみが行われるこ
とになる。一方、ステップ780からステップ750へ
処理が移行した場合には、燃料増量制御と電子スロット
ル2の強制停止の両方が行われることになる。
【0130】以上説明したように、この実施の形態の故
障時制御装置の構成によれば、オープナ機構13に故障
が発生している場合には、過開故障であるか過閉故障で
あるかが区別されてオープナ機構13の故障が電子スロ
ットル2の起動直前に判定されることになる。そして、
電子スロットル2の起動後であってエンジン1の運転中
に、電子スロットル2に故障が発生したことが判定され
たとする。このとき、スロットルバルブ8の実開度TA
がオープナ開度TAopよりも大きくなければ、オープナ
機構13による過開状態からの戻し機構が故障していて
も差し障りがないことから、電子スロットル2の強制停
止のみが行われる。一方、スロットルバルブ8の実開度
TAがオープナ開度TAopよりも大きければ、過開状態
による出力過剰を抑える必要があることから、電子スロ
ットル2の強制停止と共にエンジン1の出力を抑制する
ために燃料減量制御が行われる。これに対し、電子スロ
ットル2の起動後であってエンジン1の運転中に、電子
スロットル2に故障が発生したことが判定されたとす
る。このとき、スロットルバルブ8の実開度TAがオー
プナ開度TAopよりも小さくなければ、オープナ機構1
3による過閉状態からの戻し機構が故障していても差し
障りがないため、電子スロットル2の強制停止のみが行
われる。一方、スロットルバルブ8の実開度TAがオー
プナ開度TAopよりも小さければ、過閉状態による出力
不足を補う必要があることから、電子スロットル2の強
制停止と共にエンジン1の出力を増大させるために燃料
増量制御が行われる。
【0131】従って、電子スロットル2の故障とオープ
ナ機構13の過開故障とが併発しているときに、電子ス
ロットル2が強制停止されることによりスロットルバル
ブ8がオープナ開度TAopよりも開き過ぎた状態で止ま
ったとしても、燃料減量制御によりエンジン1の出力が
ある程度抑制されることから、エンジン1の出力が不用
意に増大し過ぎることなくエンジン1の運転を持続させ
ることが可能になる。一方、電子スロットル2の故障と
オープナ機構13の過閉故障とが併発しているときに、
電子スロットル2が強制停止されることによりスロット
ルバルブ8がオープナ開度TAopよりも閉じ過ぎた状態
で止まったとしても、燃料増量制御によりエンジン1の
出力がある程度増大させられことから、エンジン1の出
力が不用意に減少し過ぎることなくエンジン1の運転を
持続させることが可能になる。この結果、電子スロット
ル2の故障とオープナ機構13の故障との併発に対処し
て自動車の退避走行に必要十分な安定したエンジン出力
を確保することができるようになる。
【0132】尚、この発明は前記各実施の形態に限定さ
れるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範
囲で構成の一部を適宜に変更して実施することもでき
る。例えば、前記各実施の形態では、電子スロットル2
以外の出力調節手段をインジェクタ3とし、そのインジ
ェクタ3を用いてエンジンECU5が燃料カット制御、
燃料減量制御及び燃料増量制御等を行うことにより、エ
ンジン1の出力を調節するようにした。これに対して、
点火プラグ等の機器を出力調節手段として用いてエンジ
ンの出力を調節するための制御を行うようにしてもよ
い。
【0133】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、電子ス
ロットルの故障とオープナ機構の故障との併発時には、
電子スロットルが強制停止されてスロットルバルブがオ
ープナ開度より開き過ぎた状態で止まったとしても、エ
ンジンの出力を不用意に増大させることのない状態でエ
ンジンの運転を持続させることが可能になる。このた
め、電子スロットルの故障とオープナ機構の故障との併
発に対処して自動車の退避走行に必要十分な安定したエ
ンジン出力を確保することができるという効果を発揮す
る。
【0134】請求項2に記載の発明によれば、電子スロ
ットルの故障とオープナ機構の過開故障との併発時に、
電子スロットルが強制停止されてスロットルバルブがオ
ープナ開度より開き過ぎた状態で止まっても、エンジン
の出力が抑制されることにより、エンジンの出力が不用
意に増大し過ぎることなくエンジンの運転を持続させる
ことが可能になる。一方、電子スロットルの故障とオー
プナ機構の過閉故障との併発時に、電子スロットルが強
制停止されてスロットルバルブがオープナ開度より閉じ
過ぎた状態で止まっても、エンジンの出力が増大される
ことにより、エンジンの出力が不用意に減少し過ぎるこ
となくエンジンの運転を持続させることが可能になる。
この結果、電子スロットルの故障とオープナ機構の故障
との併発に対処して自動車の退避走行に必要十分な安定
したエンジン出力を確保することができるという効果を
発揮する。
【0135】請求項3に記載の発明によれば、モータ以
外の原因による電子スロットルの故障とオープナ機構の
故障との併発時には、電子スロットルが強制停止される
前にモータが一旦閉駆動されてスロットルバルブがオー
プナ開度へ強制的に戻されようと試みられる。これによ
り、スロットルバルブがオープナ開度へ戻れば、エンジ
ンの出力が不用意に増大し過ぎすることなく、エンジン
の運転を持続させることが可能になる。この結果、電子
スロットルの故障とオープナ機構の故障との併発に対処
して自動車の退避走行に必要十分な安定したエンジン出
力を確保することができるという効果を発揮する。
【0136】請求項4に記載の発明によれば、モータ以
外の原因による電子スロットルの故障とオープナ機構の
故障との併発時に、電子スロットルが強制停止される前
にモータが一旦開駆動又は閉駆動されることにより、ス
ロットルバルブがオープナ開度へ強制的に戻されようと
試みられる。これにより、スロットルバルブがオープナ
開度へ戻れば、エンジンの出力が不用意に増大し過ぎた
り減少し過ぎたりすることなくエンジンの運転を持続さ
せることが可能になる。この結果、電子スロットルの故
障とオープナ機構の故障との併発に対処して自動車の退
避走行に必要十分な安定したエンジン出力を確保するこ
とができるという効果を発揮する。
【0137】請求項5に記載の発明によれば、電子スロ
ットルの起動直前にオープナ機構の故障が予め判定され
るので、エンジンが運転される度にオープナ機構の故障
判定の機会を確保することが可能になる。このため、請
求項1又は請求項3に記載の発明の効果に加え、電子ス
ロットルに故障が発生したことが判定されると同時のタ
イミングで電子スロットルの故障とオープナ機構の故障
との併発に対処することができる。
【0138】請求項6に記載の発明によれば、請求項2
又は請求項4に記載の発明と同様の効果を得ることがで
きる。
【0139】請求項7に記載の発明によれば、請求項1
乃至請求項6の何れか一つの発明の効果に加え、オープ
ナ機構が正常な場合の電子スロットルのメカ的ロックに
対処して自動車の退避走行に必要十分な安定したエンジ
ン出力を確保することをできるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係り、エンジンの故障時制
御装置を示す概念構成図である。
【図2】同じく、オープナ機構を含む電子スロットルの
概念構成図である。
【図3】同じく、オープナ機構によるスロットルバルブ
の動作を示す図である。
【図4】同じく、「オープナ機構故障判定」の処理内容
をフローチャートである。
【図5】同じく、「電子スロットル故障判定」及び「電
子スロットル・オープナ機構故障対応処置」の処理内容
をフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態に係り、「電子スロットル故
障判定」及び「電子スロットル・オープナ機構故障対応
処置」の処理内容をフローチャートである。
【図7】第3の実施の形態に係り、「電子スロットル故
障判定」及び「電子スロットル・オープナ機構故障対応
処置」の処理内容をフローチャートである。
【図8】第4の実施の形態に係り、「オープナ機構故障
判定」の処理内容をフローチャートである。
【図9】同じく、「電子スロットル故障判定」及び「電
子スロットル・オープナ機構故障対応処置」の処理内容
をフローチャートである。
【図10】第5の実施の形態に係り、「電子スロットル
故障判定」及び「電子スロットル・オープナ機構故障対
応処置」の処理内容をフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 電子スロットル 3 インジェクタ(出力調節手段) 5 エンジンECU(第2〜第3の故障時制御手段) 6 スロットルECU(スロットル故障判定手段、オ
ープナ故障判定手段、第1〜第4の故障時制御手段) 7 吸気通路 8 スロットルバルブ 9 モータ 10 スロットルセンサ(オープナ故障判定手段) 13 オープナ機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G065 CA33 CA35 DA05 DA06 DA15 GA41 GA46 HA21 HA22 JA04 JA09 JA11 KA02 3G084 BA05 BA13 DA26 DA27 DA33 EA04 EA11 EB22 EC01 EC03 FA10 FA33 3G301 JB02 JB07 JB08 JB09 LA03 LC03 LC10 MA11 MA24 NA08 NB11 NE01 NE06 NE16 NE17 NE19 NE23 PA11B PA11Z PA14Z PE01Z PF03Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの出力を調節するために吸気通
    路に設けられるスロットルバルブをモータにより開閉駆
    動させる電子スロットルと、 前記モータに対する通電が停止されたとき、前記スロッ
    トルバルブを全閉状態から若干開いたオープナ開度に保
    持するためのオープナ機構と、 前記エンジンの出力を調節するために設けられる前記電
    子スロットル以外の出力調節手段と、 前記電子スロットルの故障を判定するためのスロットル
    故障判定手段と、 前記電子スロットルが故障したと判定されたとき、前記
    モータに対する通電を停止させるための第1の故障時制
    御手段とを備えたエンジンの故障時制御装置において、 前記オープナ機構の故障を判定するためのオープナ故障
    判定手段と、 前記電子スロットルが故障したことと前記オープナ機構
    が故障したことが共に判定されたとき、前記モータに対
    する通電を停止させると共に前記エンジンの出力を制限
    するために前記出力調節手段を制御する第2の故障時制
    御手段とを備えたことを特徴とするエンジンの故障時制
    御装置。
  2. 【請求項2】 エンジンの出力を調節するために吸気通
    路に設けられるスロットルバルブをモータにより開閉駆
    動させる電子スロットルと、 前記モータに対する通電が停止されたとき、前記スロッ
    トルバルブを全閉状態から若干開いたオープナ開度に保
    持するためのオープナ機構と、 前記エンジンの出力を調節するために設けられる前記電
    子スロットル以外の出力調節手段と、 前記電子スロットルの故障を判定するためのスロットル
    故障判定手段と、 前記電子スロットルが故障したと判定されたとき、前記
    モータに対する通電を停止させるための第1の故障時制
    御手段とを備えたエンジンの故障時制御装置において、 前記電子スロットルが起動される前において、前記スロ
    ットルバルブが前記オープナ開度を含む所定の開度範囲
    より開き過ぎた状態で止まる過開故障であることと、前
    記スロットルバルブが前記所定の開度範囲より閉じすぎ
    た状態で止まる過閉故障であることを区別して前記オー
    プナ機構の故障を判定するためのオープナ故障判定手段
    と、 前記オープナ機構が過開故障であることが予め判定され
    ているときに前記電子スロットルが故障したと判定され
    たとき、前記スロットルバルブが前記オープナ開度より
    大きくない開度になっていれば前記モータに対する通電
    停止のみを行い、前記スロットルバルブが前記オープナ
    開度より大きい開度になっていれば前記モータに対する
    通電を停止させると共に前記エンジンの出力を抑制する
    ために前記出力調節手段を制御する第2の故障時制御手
    段と、 前記オープナ機構が過閉故障であることが予め判定され
    ているときに前記電子スロットルが故障したと判定され
    たとき、前記スロットルバルブが前記オープナ開度より
    小さくない開度になっていれば前記モータに対する通電
    停止のみを行い、前記スロットルバルブが前記オープナ
    開度より小さい開度になっていれば前記モータに対する
    通電を停止させると共に前記エンジンの出力を増大させ
    るために前記出力調節手段を制御する第3の故障時制御
    手段とを備えたことを特徴とするエンジンの故障時制御
    装置。
  3. 【請求項3】 エンジンの出力を調節するために吸気通
    路に設けられるスロットルバルブをモータにより開閉駆
    動させると共にそのときの実際の開度をスロットルセン
    サにより検出するようにした電子スロットルと、 前記モータに対する通電が停止されたとき、前記スロッ
    トルバルブを全閉状態から若干開いたオープナ開度に保
    持するためのオープナ機構と、 前記電子スロットルに係る前記モータ以外の故障を判定
    するためのスロットル故障判定手段と、 前記電子スロットルが故障したと判定されたとき、前記
    モータに対する通電を停止させるための第1の故障時制
    御手段とを備えたエンジンの故障時制御装置において、 前記オープナ機構の故障を判定するためのオープナ故障
    判定手段と、 前記電子スロットルが故障したことと前記オープナ機構
    が故障したことが共に判定されたとき、前記スロットル
    バルブを前記オープナ開度の状態にするために前記モー
    タを所定時間だけ駆動させた後に前記モータに対する通
    電を停止させる第2の故障時制御手段とを備えたことを
    特徴とするエンジンの故障時制御装置。
  4. 【請求項4】 エンジンの出力を調節するために吸気通
    路に設けられるスロットルバルブをモータにより開閉駆
    動させると共にそのときの実際の開度をスロットルセン
    サにより検出するようにした電子スロットルと、 前記モータに対する通電が停止されたとき、前記スロッ
    トルバルブを全閉状態から若干開いたオープナ開度に保
    持するためのオープナ機構と、 前記電子スロットルに係る前記モータ以外の故障を判定
    するためのスロットル故障判定手段と、 前記電子スロットルが故障したと判定されたとき、前記
    モータに対する通電を停止させるための第1の故障時制
    御手段とを備えたエンジンの故障時制御装置において、 前記スロットルバルブが前記オープナ開度を含む所定の
    開度範囲より開き過ぎた状態で止まる過開故障であるこ
    とと、前記スロットルバルブが前記所定の開度範囲より
    閉じすぎた状態で止まる過閉故障であることを区別して
    前記オープナ機構の故障を判定するためのオープナ故障
    判定手段と、 前記電子スロットルが故障したことと前記オープナ機構
    が過開故障であることが共に判定されたとき、前記スロ
    ットルバルブを前記オープナ開度へ閉駆動させるために
    前記モータを所定時間だけ駆動させた後に前記モータに
    対する通電を停止させる第2の故障時制御手段と、 前記電子スロットルが故障したことと前記オープナ機構
    が過閉故障であることが共に判定されたとき、前記スロ
    ットルバルブを前記オープナ開度へ開駆動させるために
    前記モータを所定時間だけ駆動させた後に前記モータに
    対する通電を停止させる第3の故障時制御手段とを備え
    たことを特徴とするエンジンの故障時制御装置。
  5. 【請求項5】 前記オープナ故障判定手段は、前記スロ
    ットルバルブの開度を検出するためのスロットルセンサ
    を備え、前記電子スロットルの起動直前に検出される前
    記スロットルバルブの開度が前記オープナ開度を含む所
    定の開度範囲に含まれない場合に前記オープナ機構が故
    障したと判定するものであることを特徴とする請求項1
    又は請求項3に記載のエンジンの故障時制御装置。
  6. 【請求項6】 前記オープナ故障判定手段は、前記スロ
    ットルバルブの開度を検出するためのスロットルセンサ
    を備え、前記電子スロットルの起動直前に検出される前
    記スロットルバルブの開度が前記所定の開度範囲の上限
    値より大きい場合に過開故障であると判定し、前記所定
    の開度範囲の下限値より小さい場合に過閉故障であると
    判定するものであることを特徴とする請求項2又は請求
    項4に記載のエンジンの故障時制御装置。
  7. 【請求項7】 前記オープナ機構が故障したと判定され
    ないときに前記電子スロットルが故障したと判定された
    とき、前記モータに対する通電を所定時間だけ停止させ
    た後に前記スロットルバルブが所定の開度以下の状態に
    なっていれば前記モータに対する通電の停止を継続さ
    せ、前記スロットルバルブが前記所定の開度以下の状態
    になっていなければ前記モータに対する通電の停止を継
    続させると共に前記エンジンの出力を制限するために前
    記出力調節手段を制御する第4の故障時制御手段を備え
    たことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一つ
    に記載のエンジンの故障時制御装置。
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