JP3593807B2 - ディーゼルエンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はディーゼルエンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料カットバルブが故障した場合にも確実にエンジンを停止させるため、イグニッションキースイッチがOFFにされてから所定時間が経過した後もエンジンが作動している場合に燃料カットバルブに異常(あるいは故障)が生じたと判断し、燃料カットバルブ以外のエンジン停止手段を作動させてエンジンを停止するようにしたものがある(特開昭57−18434号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、大型のディーゼルエンジンにおいては、エンジン停止時に吸気通路を閉塞すると、エンジンが大きい振動を伴うことなく円滑に停止することが知られており、このため、吸気通路にスロットルバルブを設けておき、エンジン停止に際してスロットルバルブを全閉にすることが考えられる。
【0004】
この場合に、スロットルバルブが正常に作動して吸気通路が閉塞されるときは、燃料カットバルブの作動、非作動に関係なくエンジン回転が低下するため、燃料カットバルブに異常が生じたのかどうかの判定を行うことができなくなる。
【0005】
そこで本発明は、エンジン停止に際してスロットルバルブを全閉にする場合にも燃料カットバルブの診断を可能とすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明では、図10に示すように、閉信号を受けて吸気通路を閉塞する手段61と、閉信号を受けて燃料噴射ポンプへの燃料供給通路を遮断する手段62と、イグニッションキースイッチOFF時に閉信号を与えて前記吸気通路閉塞手段61を作動させる手段63と、この吸気通路閉塞手段63の作動中にエンジン回転数の挙動をみてこの吸気通路閉塞手段63に異常が生じているかどうかを判定する手段64と、この判定後に閉信号を与えて前記燃料供給通路遮断手段62を作動させる手段65と、この燃料供給通路遮断手段62の作動中にエンジン回転数の挙動をみてこの燃料供給通路遮断手段62に異常が生じているかどうかを判定する手段66とを設けた。
【0007】
第2の発明では、第1の発明において前記燃料供給通路遮断手段62に異常が生じていると判定されたときは、この燃料供給通路遮断手段62と前記吸気通路閉塞手段61以外の第3のエンジン停止手段を作動させる。
【0008】
第3の発明では、第2の発明において前記第3のエンジン停止手段が燃料噴射ポンプからの燃料噴射量を0にする手段である。
【0009】
第4の発明では、第2または第3の発明においてエンジン運転中にシステム異常が判定されたときまたはイグニッションキースイッチOFF時にすでにシステム異常が判定されているとき(たとえば燃料カットバルブに開固着などの異常があるとき)前記吸気通路閉塞手段61、前記燃料供給通路遮断手段62、前記第3のエンジン停止手段を同時に作動させる。
【0010】
第5の発明では、第1から第4までのいずれか一つの発明において前記燃料供給通路遮断手段62に異常が生じていると判定されたとき警告手段により警告する。
【0011】
第6の発明では、第1から第5までのいずれか一つの発明においてエンスト状態のまま一定時間が経過したとき前記吸気通路閉塞手段61の作動を解除する。
【0012】
第7の発明では、第1から第6までのいずれか一つの発明において前記吸気通路閉塞手段63の異常判定手段64が、エンジン回転数が低下したかどうかを判定する手段と、この判定結果よりエンジン回転数が低下しない場合に前記吸気通路を閉塞してからエンジンが停止しない状態で一定時間以上が経過したかどうかを判定する手段と、この判定結果より吸気通路を閉塞してからエンジンが停止しない状態で一定時間以上が経過したとき前記吸気通路閉塞手段63に異常が生じていると判定する手段とからなる。
【0013】
第8の発明では、第1から第7までのいずれか一つの発明において前記燃料供給通路遮断手段62の異常判定手段66が、前記燃料供給通路を遮断してからエンジンが停止しないで一定時間以上が経過したかどうかを判定する手段と、この判定結果より燃料供給通路を遮断してからエンジンが停止しない状態で一定時間以上が経過したとき前記燃料供給通路遮断手段62に異常が生じていると判定する手段とからなる。
【0014】
第9の発明では、第1から第8までのいずれか一つの発明において前記吸気通路閉塞手段61が、ダイアフラムアクチュエータにより駆動されるスロットルバルブと、前記ダイアフラムアクチュエータへの負圧通路を開閉するソレノイドバルブとからなる。
【0015】
第10の発明では、第1から第9までのいずれか一つの発明において前記燃料供給通路遮断手段62が、VE型燃料噴射ポンプのインテークポートに通じる燃料通路を遮断する燃料カットバルブである。
【0016】
【発明の効果】
第1の発明では、イグニッションキースイッチOFF時に、まず吸気通路閉塞手段を作動させた状態でエンジン回転数の挙動を確認することにより、吸気通路閉塞手段に異常が生じたかどうかの判定が可能となり、この判定の後に燃料供給通路遮断手段を作動させた状態でエンジン回転数の挙動を確認することで、燃料供給通路遮断手段に異常が生じたかどうかの判定も可能となる。たとえば、吸気通路閉塞手段が正常であると判定された場合に燃料供給通路遮断手段を作動させて燃料供給通路を遮断したとき、エンジンが停止しなければ燃料供給通路遮断手段に異常があると、またエンジンが停止したときは燃料供給通路遮断手段が正常あると判定できる。同様にして、吸気通路閉塞手段に異常があると判定された場合に燃料供給通路遮断手段を作動させて燃料供給通路を遮断したとき、エンジンが停止しなければ燃料供給通路遮断手段にも異常があると、またエンジンが停止したときは燃料供給通路遮断手段は正常あると判定できるのである。このようにして第1の発明では、燃料供給通路遮断手段によるエンジン停止機能を有していても、燃料供給通路遮断手段に異常が生じたかどうかの診断を行うことが可能となり、より信頼性の高いシステムを構築することが可能となる。
【0017】
第4の発明では、エンジン運転中にシステム異常が判定されたときまたはイグニッションキースイッチOFF時にすでにシステム異常が判定されているとき(たとえば燃料カットバルブに開固着などの異常があるとき)燃料供給通路遮断手段により燃料供給通路を遮断し、かつ第3のエンジン停止手段を作動させることに加えて、吸気通路閉塞手段をも作動させるので、従来よりも確実にエンジンを停止させることができる。
【0018】
第5の発明では、燃料供給通路遮断手段に異常が生じたことを判定した段階で警告を行うので、吸気通路閉塞手段に異常が生じた段階で警告を行う場合に比べて、修理工場やサービス工場へ車をもって行く機会を減らすことができる。
【0019】
エンスト状態となった後に吸気通路閉塞手段を作動させたままだと、吸気通路閉塞手段の固着で吸気通路を開くことができなくなる可能性があるが、第6の発明では、エンスト状態のまま一定時間が経過したとき吸気通路閉塞手段の作動を解除するので、吸気通路閉塞手段の固着で吸気通路が開かなくなることを防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1において、10はディーゼルエンジンのエンジン本体、11は吸気通路、12は排気通路で、ターボチャージャ13により吸気が過給される。14は排気還流通路で、排気還流制御弁15により、吸気通路11に還流される排気還流量が制御される。なお、排気還流時には吸気通路11に介装したスロットルバルブ16を絞る。
【0021】
エンジン本体1の燃焼室17に燃料を噴射する燃料噴射弁18が設けられ、この燃料噴射弁18には電子制御の燃料噴射ポンプ19からの燃料が供給される。VE型燃料噴射ポンプ19はエンジン回転数に同期してプランジャ20が作動し、フィードポンプ21により予圧した燃料を高圧化し、各気筒の燃料噴射弁18に圧縮上死点近傍で燃料圧送する。燃料の噴射量は、コントロールスリーブ22の位置により変化し、制御装置25からの信号で作動するロータリソレノイド(エレクトロリックガバナ)23によりコントロールスリーブ22の位置を制御する。
【0022】
制御装置25にはアクセル開度を検出するアクセルセンサ26からの信号と、エンジン回転数信号が入り、アクセル開度と回転数に応じて基本的な燃料噴射量を演算し、これに基づいてロータリソレノイド23を制御する。
【0023】
制御装置25には、この基本噴射量を補正したり、前記した排気還流量を制御するため、運転状態を代表する信号として、アクセル開度や回転数のほか、エンジンの上死点位置を検出するセンサ(TDCセンサ)27からの上死点位置信号、さらには車両速度信号、トランスミッションスイッチからの信号が入力する。さらにまた、燃料噴射ポンプ19の実際の燃料噴射量を計測するためコントロールスリーブ位置を検出するセンサ29、燃料温度を検出するセンサ30からの信号、また、エンジン本体1の燃料噴射弁18のニードルリフト量を検出するセンサ31、エンジン冷却水温を検出するセンサ32からの信号も入力する。また、吸気通路11にはエンジン吸入空気の質量流量を検出するエアフローメータ33が取り付けられ、この吸入空気信号も入力する。
【0024】
制御装置25は燃料噴射時期を運転状態に応じて制御するため、タイミングコントロールバルブ35の開度を制御し、タイマピストン36にかかる圧力を変化させる。また、燃料漏れを防止するため燃料カットバルブ37をエンジン停止時に閉じる。
【0025】
さらに、排気還流制御弁15の駆動負圧をコントロールする負圧制御弁34をデューティ制御し、同時に図2に示すようにスロットルバルブ16の駆動用アクチュエータ56への駆動負圧をコントロールする第1ソレノイドバルブ38を制御し、これにより、NOxを低減するために運転状態に応じて最適な排気還流を行う。その一方で、エンジン停止時にはスロットルバルブ16のもう一つの駆動用アクチュエータ57への駆動負圧をコントロールする第2ソレノイドバルブ39を制御することによってスロットルバルブ16を全閉状態とする。
【0026】
ここで、各ソレノイドバルブ38、39がONとOFFだけの2位置弁であるときスロットルバルブ16が3位置をとることができる。各ソレノイドバルブ38、39へのON、OFF信号を図3のように定めたとき、スロットルバルブ16が全開、半開、全閉の3位置をとるように、各ダイアフラムアクチュエータ56、57のダイアフラム径やリターンスプリング(弁体を全開方向に付勢する)の強さを設定する。図3において、排気還流制御には▲1▼と▲2▼の場合を用い、エンジン停止時には▲3▼の場合を用いるわけである。
【0027】
そして、制御装置25は、燃料噴射ポンプ19から噴射される燃料の最大噴射量を、実際にエンジンに供給される吸入空気量と、燃料噴射量との比率、つまり空燃比が一定値以下とならない(空燃比が一定値よりも濃くならない)ように規制し、最大噴射時のスモークの発生を抑制する。
【0028】
このように、制御装置25では各種の制御を行うわけであるが、ディーゼルエンジンに対しても、近年厳しい排気対策が要求されることから、マイコン内での制御が複雑さを増し、また自己診断項目の増大がその傾向に拍車をかける傾向にあるため、図4のようにメインマイコン51とサブマイコン52の2つをシリアル通信により連結して構成し、役割を分担させる(燃料噴射量と燃料噴射時期の制御はメインマイコン51が、また自己診断機能はサブマイコン52が主に分担する)とともに、一方のマイコンがダウンしても他方のマイコンが肩代わりできるように相互監視させている。
【0029】
さて、燃料カットバルブ37が故障した場合にも確実にエンジンを停止させるため、イグニッションキースイッチがOFFにされてから所定時間が経過した後もエンジンが作動している場合に燃料カットバルブ37に異常が生じたと判断し、燃料カットバルブ以外のエンジン停止手段を作動させてエンジンを停止するようにしたものがあり、このものに、さらにエンジンに大きい振動を伴うことなく円滑に停止させるため、吸気通路に設けたスロットルバルブ16を全閉状態とすることが考えられる。
【0030】
この場合に、スロットルバルブ16が正常に作動して吸気通路が閉塞されるときは、燃料カットバルブ37の作動、非作動に関係なくエンジン回転が低下するため、燃料カットバルブ37に異常が生じたかどうかの判定を行うことができなくなる。
【0031】
これに対処するため本発明では、運転者の操作(イグニッションキースイッチをOFFへと切換える操作)による要求のみでエンジンを停止させる場合に、
〈1〉2つのソレノイドバルブ38、39をON状態にしてスロットルバルブ16を全閉とする、
〈2〉燃料カットバルブ37を全閉とする、
〈3〉ロータリソレノイド23への噴射量命令を0mm/stとする
の順番に実行するとともに、その過程でエンジン回転数の挙動をみながらスロットルバルブ16、燃料カットバルブ37の機能確認(自己診断)を行う。
【0032】
この制御の内容を図5、図7のフローチャートにより詳細に説明する。
【0033】
まず図5のフローチャートはメインマイコン51が行うエンジン停止動作を示すもので、一定時間毎(たとえば10ms毎)に実行する。ここで、図5のステップ3、4、5、6、9が本発明により新たに追加した部分、それ以外が従来と同様の部分である。
【0034】
ステップ1ではエンスト判定フラグをみる。このエンスト判定フラグの設定については図6のフローチャートにより説明する。
【0035】
図6のフローチャートは図5に先立って図5とは独立に一定時間毎に実行する。同図においてステップ11、12では次の条件
〈1〉TDCセンサ27からの回転数パルスが入ってこないこと、
〈2〉回転数パルスが入ってこなくなってから一定時間(たとえば1秒程度)が経過したこと
を満足するかどうかみて、両方とも満足するときは、ステップ13に進んでエンスト判定フラグを“1”にセットする。これに対して〈1〉の条件を満足しないときはステップ14でエンスト判定フラグに“0”を入れ、〈2〉の条件を満たさないときはなにもせずに今回の操作を終了する。なお、エンスト判定フラグはC/U電源(エンジン制御装置25への電源のこと)ON時に“0”に初期設定する。
【0036】
このようにしてエンスト判定フラグの設定を終了したら、図5に戻り、エンスト判定フラグ=0のとき(エンスト状態にないとき)はステップ2以降に進む。
【0037】
ステップ2ではイグニッションキースイッチ(図ではIGN SWで略記する。図4、図7、図10において同じ。)がOFFであるかどうかみてイグニッションキースイッチOFFのときは、ステップ3で第2ソレノイドバルブ39をONにしてスロットルバルブ16を全閉状態とする。第2ソレノイドバルブ39、ダイアフラムアクチュエータ57、スロットルバルブ16の機能のすべてが正常であれば、このスロットルバルブ16の全閉により吸気通路が閉塞されるためエンジン回転数が低下するはずである。したがって、ステップ4でエンジン回転数が低下したかどうかをみることにより、エンジン回転数が低下しなければスロットルバルブ16を全閉にできない事態(つまり異常)が生じていると、またエンジン回転数が低下したとき第2ソレノイドバルブ39、ダイアフラムアクチュエータ57、スロットルバルブ16の機能のすべてが正常であると診断できる。
【0038】
ここで、エンジン回転数が低下したかどうかの判定を図10で具体的に説明すると、図のB点が第2ソレノイドバルブ39をONにしたタイミングである。この第2ソレノイドバルブ39のON時のエンジン回転数をメモリNRTBONに、またそれより一定時間TTHB2#後のエンジン回転数を別のメモリNRFCOFにサンプリングし、エンジン回転数をNRFCOFにサンプリングしたC点のタイミングで両者の差NRTBON−NRFCOFと所定値DNFCOF#を比較すれば、NRTBON−NRFCOF>DNFCOF#であるときエンジン回転数が低下したと、またNRTBON−NRFCOF≦DNFCOF#であるときエンジン回転数が低下していないと判断できる。
【0039】
図5のステップ4に戻り、エンジン回転数が低下していなければ、スロットルバルブ16を全閉状態にできない事態が生じている可能性があるのでステップ5に進み、さらにスロットルバルブ16を全閉状態としてからエンジンが停止しない状態で一定時間以上が経過したかどうかをみる。この結果、一定時間以上が経過したときは第2ソレノイドバルブ39、ダイアフラムアクチュエータ57、スロットルバルブ16の少なくとも一つの機能に異常が生じていると判断し、ステップ6でスロットルバルブNGフラグに“1”を入れて記憶する。スロットルバルブNGフラグ=1のときは、第2ソレノイドバルブ39、ダイアフラムアクチュエータ57、スロットルバルブ16の少なくとも一つの機能に異常が生じていることを表すわけである。なお、スロットルバルブNGフラグもC/U電源ON時に“0”に初期設定する。
【0040】
ステップ7では燃料カットバルブの閉要求(C/U電源ON時に燃料カットバルブの閉要求を解除)をセットする。この閉要求をセットした信号はシリアル通信を介してサブマイコン52に送られる。この閉要求のセットを受けてサブマイコン52が燃料カットバルブ37を全閉状態にする(後述する)。
【0041】
これに対して、スロットルバルブ16を全閉状態とすることによってエンジン回転数が下がったのであれば第2ソレノイドバルブ39、ダイアフラムアクチュエータ57、スロットルバルブ16の機能のすべてが正常であると判断し、このときはステップ4からステップ5、6を飛ばしてステップ7の操作を実行する。
【0042】
一方、エンスト判定フラグ=1のとき(エンスト状態のとき)はステップ1よりステップ8,9に進み、燃料カットバルブの閉要求を解除し、かつ2つのソレノイドバルブ38、39をともにOFFにしてスロットルバルブ16を全開状態に戻す。ここで、エンスト判定フラグ=1のとき(つまりエンスト状態のまま一定時間が経過したとき)スロットルバルブ16を全開位置に戻すようにしたのは、スロットルバルブ16が全閉状態のまま吸気管に張り付いてしまうのを防止するためである。
【0043】
図7のフローチャートはサブマイコン52が行うエンジン停止動作を示すもので、図5とは独立に一定時間毎(たとえば10ms毎)に実行する。ここで、図7のステップ26、27が本発明により新たに追加した部分、それ以外が従来と同様の部分である。
【0044】
ステップ21、22では次の条件
〈1〉イグニッションキースイッチがOFFであること、
〈2〉イグニッションキースイッチがOFFとなってから一定時間以上が経過したこと
を満足するかどうかみて、両方とも満足するときは、ステップ24に進んで燃料カットバルブ37を全閉状態にする。また、〈2〉の条件を満足しないときでも、ステップ23においてメインマイコン側よりの燃料カットバルブの閉要求がセットされているときは、ステップ24の操作を実行する。〈1〉の条件を満たさないときはなにもせずに今回の操作を終了する。
【0045】
ステップ25では、エンスト判定フラグ=0の状態で一定時間以上が経過したかどうかみて、一定時間以上が経過したときは燃料カットバルブ37に異常があると判断し、ステップ26で燃料カットバルブNGフラグ(C/U電源ON時に“0”に初期設定)に“1”を入れる。燃料カットバルブNGフラグ=1のとき燃料カットバルブ37に異常があることを表すわけである。
【0046】
また、燃料カットバルブ37に異常があることを知らせるためステップ27においてエンジンチェックランプ54(図4参照)による警告要求をセットし、かつ燃料の噴射を停止するためロータリソレノイド23への噴射量命令を0mm/stにする要求をセットする。これら要求をセットした信号はシリアル通信を介してメインマイコン51に送られる。これら要求を受けてメインマイコン51がエンジンチェックランプ54を点灯(あるいは点滅)し、かつロータリソレノイド23への噴射量命令に0mm/stを入れる。
【0047】
なお、ステップ25で用いるエンスト判定フラグは、サブマイコン52が独自に持っているフラグである。ただし、サブマイコン52におけるエンスト判定フラグの設定は、メインマイコン51におけるエンスト判定フラグの設定と同様である(図8参照)。
【0048】
図9のフローチャートはシステム異常時のフェールセーフを実行するためのもので、図5、図6のフローとは独立にメインマイコン51がエンジンの運転中に一定時間毎に実行する。
【0049】
ステップ41ではシステムに異常があるかどうかみて、システムに異常があるときはステップ42、43、44に進み、第2ソレノイドバルブ39をONにしてスロットルバルブ16を全閉状態とし、燃料カットバルブ37の閉要求をセットし、かつロータリソレノイド23への噴射量命令に0mm/stを入れる。
【0050】
ここで、ステップ42が本発明により追加した部分、ステップ43、44が従来と同様の部分である。
【0051】
なお、システムの異常そのものはサブマイコン52のほうで従来より診断しており、たとえば
〈a〉コントロールスリーブセンサ29の断線、短絡、
〈b〉コントロールスリーブ29の固着、
〈c〉ロータリソレノイド23への命令系統の断線、短絡
があるとき、システムに異常あると判定され、システムNGフラグ(C/U電源ON時に“0”に初期設定)が“1”とされる。このフラグの値が“1”であることより、メインマイコン51がシステムに異常があると判断している。
【0052】
ここで、本発明の作用を説明する。
【0053】
本発明では、イグニッションキースイッチOFF時に、まずスロットルバルブ16を全閉状態としてエンジン回転数の挙動を確認することで、スロットルバルブ16や第2ソレノイドバルブ39、ダイアフラムアクチュエータ57に異常が生じたかどうかの判定が可能となり、この判定の後に燃料カットバルブ37を全閉状態としてエンジン回転数の挙動を確認することで、燃料カットバルブ37に異常が生じたかどうかの判定も可能となる。たとえば、スロットルバルブ16、第2ソレノイドバルブ39、ダイアフラムアクチュエータ57のすべてが正常であると判定された場合に燃料カットバルブ37を全閉状態としたとき、エンジンが停止しなければ燃料カットバルブ37に異常があると、またエンジンが停止したときは燃料カットバルブ37が正常あると判定できる。同様にして、スロットルバルブ16、第2ソレノイドバルブ39、ダイアフラムアクチュエータ57のいずれかに異常があると判定された場合に燃料カットバルブ37を全閉状態としたとき、エンジンが停止しなければ燃料カットバルブ37にも異常があると、またエンジンが停止したときは燃料カットバルブ37は正常あると判定できるのである。
【0054】
このようにして本発明では、スロットルバルブを全閉状態にすることによってエンジン停止機能を有していても、燃料カットバルブに異常が生じたかどうかの診断を行うことが可能となり、より信頼性の高いシステムを構築することが可能となる。
【0055】
また、システムの異常時には、燃料カットバルブを全閉状態とし、かつロータリソレノイド23への噴射量命令を0mm3/stとすることに加えて、スロットルバルブ16をも全閉状態とするので、システム異常時に従来よりも確実にエンジンを停止させることができる。
【0056】
さらに、燃料カットバルブに異常が生じたことを判定した段階でエンジンチェックランプにより運転者への警告を行うことで、スロットルバルブに異常が生じた段階でエンジンチェックランプにより警告させる場合に比べて、修理工場やサービス工場へ車をもって行く機会を減らすことができる。
【0057】
一方、図10はシステムに異常がなく、かつ2つのソレノイドバルブ38、39、スロットルバルブ16、燃料カットバルブ37の機能のすべてが正常であるときのものである。
【0058】
同図においてA点でエンジンを停止させようと運転者がイグニッションキースイッチをONからOFFに切換えると、その100ms後のB点で第2ソレノイドバルブ39がON状態にされてスロットルバルブ16が全閉状態にされる。このスロットルバルブ16の全閉によりエンジン回転数がアイドル回転数の800rpmより徐々に低下してゆく。なお、イグニッションキースイッチのONからOFFへの切換時に100msだけの遅延時間を設けてスロットルバルブを全閉とする点については、図5のフローに図示しなかったが、遅延時間を設けたのは、短い期間の断線や接触不良に伴いイグニッションキースイッチが瞬間的にOFFになることがあり、このときに誤ってエンジンを停止してしまわないようにするためである。
【0059】
C点で第2ソレノイドバルブ39のON時のエンジン回転数NRTBONとその一定時間TTHB2#後のエンジン回転数NRFCOFとの差NRTBON−NRFCOFと所定値DNFCOF#との比較によりエンジン回転数が低下したと判定され、燃料カットバルブ37の閉要求がセットされると、サブマイコン52により燃料カットバルブ37が全閉とされ、これによってエンジン回転数が今度は急激に落ちてゆきD点でエンスト状態となる。エンスト状態となってからその1秒後のE点でエンスト判定フラグが“1”に切換わり、スロットルバルブ16が全開状態に戻される。
【0060】
また、E点ではメインマイコン51により燃料カットバルブ37の閉要求が解除される。さらにその1秒後のF点でC/U電源が遮断される(セルフシャットオフ)。
【0061】
なお、何らかの理由で通信がうまく行われなかったことに起因して燃料カットバルブの閉要求をセットした信号がサブマイコン側に伝わらないことがある。この場合の対処ため、図10に示したようにイグニッションスイッチのOFFより最大時間TFCVOF#後にサブマイコン52が燃料カットバルブ37を全閉状態にしている(一点鎖線参照)。
【0062】
実施形態では、吸気通路の開閉を調整する手段が、2つのダイアフラムアクチュエータ56、57により駆動されるスロットルバルブ16と、この各ダイアフラムアクチュエータ56、57への負圧通路を開閉するソレノイドバルブ38、39とからなる場合で説明したが、これに限られるものでない。たとえば、1つのダイアフラムアクチュエータへの駆動負圧をコントロールする1つの負圧制御弁をデューティ制御するようにしたものでもかまわない。
【0063】
実施形態では、燃料カットバルブに異常が生じたときエンジンチェックランプにより運転者に警告しているが、エンジンチェックランプに限られない。たとえばブザーでもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のディーゼルエンジンの制御システム図である。
【図2】スロットルバルブ駆動装置のシステム図である。
【図3】第1ソレノイドバルブ38、第2ソレノイドバルブ39、スロットルバルブ16の動作をまとめた表図である。
【図4】一実施形態の制御装置のブロック図である。
【図5】メインマイコン51が行うエンジン停止動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】メインマイコン51が行うエンスト判定フラグの設定を説明するためのフローチャートである。
【図7】サブマイコン52が行うエンジン停止動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】サブマイコン52が行うエンスト判定フラグの設定を説明するためのフローチャートである。
【図9】メインマイコン51が行うシステム異常時のフェールセーフを説明するためのフローチャートである。
【図10】システムならびに第1ソレノイドバルブ38、第2ソレノイドバルブ39、ダイアフラムアクチュエータ56、57、スロットルバルブ16、燃料カットバルブの機能のすべてが正常である場合の第1実施形態の作用を説明するための波形図である。
【図11】第1の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
16 スロットルバルブ
25 エンジン制御装置
37 燃料カットバルブ
51 メインマイコン
52 サブマイコン
53 イグニッションキースイッチ

Claims (10)

  1. 閉信号を受けて吸気通路を閉塞する手段と、
    閉信号を受けて燃料噴射ポンプへの燃料供給通路を遮断する手段と、
    イグニッションキースイッチOFF時に閉信号を与えて前記吸気通路閉塞手段を作動させる手段と、
    この吸気通路閉塞手段の作動中にエンジン回転数の挙動をみてこの吸気通路閉塞手段に異常が生じているかどうかを判定する手段と、
    この判定後に閉信号を与えて前記燃料供給通路遮断手段を作動させる手段と、この燃料供給通路遮断手段の作動中にエンジン回転数の挙動をみてこの燃料供給通路遮断手段に異常が生じているかどうかを判定する手段と
    を設けたことを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
  2. 前記燃料供給通路遮断手段に異常が生じていると判定されたときは、この燃料供給通路遮断手段と前記吸気通路閉塞手段以外の第3のエンジン停止手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  3. 前記第3のエンジン停止手段は燃料噴射ポンプからの燃料噴射量を0にする手段であることを特徴とする請求項2に記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  4. エンジン運転中にシステム異常が判定されたときまたはイグニッションキースイッチOFF時にすでにシステム異常が判定されているとき前記吸気通路閉塞手段、前記燃料供給通路遮断手段、前記第3のエンジン停止手段を同時に作動させることを特徴とする請求項2または3に記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  5. 前記燃料供給通路遮断手段に異常が生じていると判定されたとき警告手段により警告することを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  6. エンスト状態のまま一定時間が経過したとき前記吸気通路閉塞手段の作動を解除することを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  7. 前記吸気通路閉塞手段の異常判定手段は、エンジン回転数が低下したかどうかを判定する手段と、この判定結果よりエンジン回転数が低下しない場合に前記吸気通路を閉塞してからエンジンが停止しない状態で一定時間以上が経過したかどうかを判定する手段と、この判定結果より吸気通路を閉塞してからエンジンが停止しない状態で一定時間以上が経過したとき前記吸気通路閉塞手段63に異常が生じていると判定する手段とからなることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  8. 前記燃料供給通路遮断手段の異常判定手段は、前記燃料供給通路を遮断してからエンジンが停止しないで一定時間以上が経過したかどうかを判定する手段と、この判定結果より燃料供給通路を遮断してからエンジンが停止しない状態で一定時間以上が経過したとき前記燃料供給通路遮断手段62に異常が生じていると判定する手段とからなることを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  9. 前記吸気通路閉塞手段は、ダイアフラムアクチュエータにより駆動されるスロットルバルブと、前記ダイアフラムアクチュエータへの負圧通路を開閉するソレノイドバルブとからなることを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  10. 前記燃料供給通路遮断手段は、VE型燃料噴射ポンプのインテークポートに通じる燃料通路を遮断する燃料カットバルブであることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載のディーゼルエンジンの制御装置。
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