JP3684698B2 - ディーゼルエンジンの制御装置 - Google Patents

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    • Y02T10/40Engine management systems

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はディーゼルエンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自己診断を運転中に行い、異常ありと判定されたときにはその異常内容に応じたフェールセーフ状態に移行するものがある(特開平1−224435号、同1−224436号、同2−91448号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自己診断をエンジンの運転中に一定周期で常時行い、異常ありと判定された後に、正常であると再判定されてもC/U電源(後述するエンジン制御装置25への電源のこと)が切れるまでフェールセーフ状態の保持を解除せず、その解除はその後のC/U電源のON時に行うものがある。
【0004】
この従来の構成において、異常(故障を含む)ありとの誤判定によりフェールセーフ状態に保持され、かつフェールセーフの実行に伴ってエンストしてしまった場合には、C/U電源が切れるまで運転者がいくらスタータスイッチをONにしてクランキングしてもエンジンを始動させることができない。実際には従来の構成においても、いったんイグニッションキースイッチをOFFしてC/U電源を落とした後で再びイグニッションキースイッチをONにし、続けてスタータスイッチをONにすれば再始動が可能である。しかしながら、この手順を踏んで再始動が行われることはまれであり、エンスト状態でいったんイグニッションキースイッチをOFFにすることなく、あわててスタータスイッチをONしてエンジンを始動しようとする運転者がほとんどである。
【0005】
そこで本発明は、異常ありとの誤判定によりフェールセーフ状態に保持され、かつフェールセーフの実行に伴ってエンストしてしまった場合にも、スタータスイッチをONにするだけでエンジンの始動を可能とすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明では、図13に示すように、エンジン制御を行う手段61と、このエンジン制御にかかわる部位(たとえばセンサやシステム)を対象にして異常(故障を含む)があるかどうかを周期的に判定する手段62と、この判定結果より異常があるとき前記エンジン制御手段61への電源が遮断されるまでフェールセーフ状態を保持する手段63と、フェールセーフ状態でないときはフェールセーフを実行しない状態に保ち、フェールセーフ状態のときフェールセーフを実行(たとえばエンジンへの燃料または空気の供給を停止)する手段64と、イグニッションスイッチからの信号に基づいて前記電源の前記エンジン制御手段61への接続と遮断を行う手段65と、この電源接続時または電源遮断時に前記フェールセーフ状態の保持を解除する手段66と、前記電源接続中かつ前記フェールセーフ状態の保持中にエンジン回転数が一定値以下となりかつスタータスイッチがONとなったとき前記フェールセーフ状態の保持解除とは別に前記フェールセーフ状態の保持を解除する手段67とを設けた。
【0007】
第2の発明では、第1の発明において前記異常判定手段62が、スタータスイッチがOFF状態であることを条件として前記異常があるかどうかの判定を開始し、判定値とクライテリアの比較により判定値がクライテリア以上となった状態が第1の所定時間T1以上続いたとき異常ありと判定する手段である場合に、前記スタータスイッチのON後にそのスタータスイッチがOFFとなるタイミングより第2の所定時間T2以上が経過するまで、前記エンジン回転数が一定値以下となりかつスタータスイッチがONとなったときの前記フェールセーフの保持解除を初回として、2回目以降の前記フェールセーフの保持解除を禁止するとともに、前記第2の所定時間T2を前記第1の所定時間T1よりも長く設定する。
【0008】
第3の発明では、第1または第2の発明において前記フェールセーフ状態保持手段63が前記フェールセーフ状態を保持するのを表すため警告装置を作動(たとえばランプを点灯あるいは点滅)させる場合に、前記エンジン回転数が一定値以下となりかつスタータスイッチがONとなったときの前記フェールセーフ状態の保持解除では前記警告装置を非作動としない。
【0009】
第4の発明では、第1の発明から第3の発明までのいずれか一つの発明において前記エンジン制御を第1マイコンに、また前記異常判定、フェールセーフ状態の保持およびフェールセーフの実行を第2マイコンに分担させ、両マイコンを通信で連絡している場合に、第2マイコンに前記エンジン回転数が一定値以下となりかつスタータスイッチがONとなったときの前記フェールセーフの保持解除を行わせる。
【0010】
第5の発明では、第1の発明から第4の発明までのいずれか一つの発明において前記電源接続時または電源遮断時の前記フェールセーフ状態の保持解除を電源接続時のイニシャライズで行う。
【0011】
第6の発明では、第1の発明から第5の発明までのいずれか一つの発明において前記エンジン回転数が一定値以下となりかつスタータスイッチがONとなったときの前記フェールセーフ状態の保持解除をイニシャライズで行う。
【0012】
【発明の効果】
エンジン制御手段への電源接続中に診断を一定周期で常時行い、エンジン制御にかかわる部位に異常があると判定されたときは、その後に正常と再判定されることがあっても電源が遮断されるまでフェールセーフ状態を解除せず、その解除はその後の電源遮断時や電源接続時に行う従来の構成では、異常ありとの誤判定によりフェールセーフ状態に保持され、かつフェールセーフの実行によりエンストしてしまった場合に、電源を遮断するまで運転者がいくらクランキングしてもエンジンを始動させることができない。なお、従来の構成においても、エンスト状態になった場合にいったんイグニッションキースイッチをOFFしてエンジン制御手段への電源を遮断した後で再びイグニッションキースイッチをONにし、続けてスタータスイッチをONにすれば再始動が可能であるものの、この手順を踏んで再始動が行われることはまれであり、エンスト状態であわててスタータスイッチをONにしてエンジンを始動しようとする運転者がほとんどである。これに対して、第1の発明では電源接続中かつフェールセーフ状態の保持中にエンスト状態のようにエンジン回転数が一定値以下となったときスタータスイッチをONにするだけで電源接続時または電源遮断時のフェールセーフ状態の保持解除とは別にフェールセーフ状態の保持が解除される(フェールセーフを実行しない状態に保たれる)ため、再始動が可能となる。言い換えると、フェールセーフの実行に伴ってエンストしてしまった場合に、あわててスタータスイッチをONにするだけでも従来装置と相違して再始動が可能となることから、運転者は面倒な手順を踏んで再始動を行う必要がないのであり、再始動に際して面倒な手順を踏むという負担を運転者から除くことができる。一方、誤判定でなく実際に異常が生じてフェールセーフ状態にあるときにいくらクランキングを行っても再始動することができない点は従来と同じである。
【0013】
第2の発明では、異常判定手段が、スタータスイッチがOFF状態であることを条件として異常があるかどうかの判定を開始し、判定値とクライテリアの比較により判定値がクライテリア以上となった状態が第1の所定時間以上続いたとき異常ありと判定する手段である場合に、スタータスイッチのON後にそのスタータスイッチがOFFとなるタイミングより第2の所定時間以上が経過するまで、前記エンジン回転数が一定値以下となりかつスタータスイッチがONとなったときのフェールセーフの保持解除を初回として、2回目以降のフェールセーフの保持解除を禁止するとともに、第2の所定時間を第1の所定時間よりも長く設定するので、誤判定により正常と判定された結果を異常ありとの判定へと復帰させるまでの時間(つまり誤判定より再診断までの時間)が長引くのを防止できる。
【0014】
電源接続中かつフェールセーフ状態の保持中にエンジン回転数が一定値以下となりかつスタータスイッチがONとなったときフェールセーフ状態の保持を解除することによって再始動できることになったが、フェールセーフ状態となった原因は残っているはずである。したがってエンジン回転数が一定値以下となりかつスタータスイッチがONとなったときフェールセーフ状態の保持解除に合わせて警告装置を非作動としたのでは、その警告装置を異常が生じていることの情報として用いることができなくなる。これに対して第3の発明では、フェールセーフ状態保持手段がフェールセーフ状態を保持するのを表すため警告装置を作動させる場合に、エンジン回転数が一定値以下となりかつスタータスイッチがONとなったときフェールセーフ状態の保持は解除しても、警告装置を非作動とすることがないので、その警告装置を異常が生じていることの情報として用いることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1において、10はディーゼルエンジンのエンジン本体、11は吸気通路、12は排気通路で、ターボチャージャ13により吸気が過給される。14は排気還流通路で、排気還流制御弁15により、吸気通路11に還流される排気還流量が制御される。なお、排気還流時には吸気通路11に介装したスロットルバルブ16を絞る。
【0016】
エンジン本体1の燃焼室17に燃料を噴射する燃料噴射弁18が設けられ、この燃料噴射弁18には電子制御の燃料噴射ポンプ19からの燃料が供給される。燃料噴射ポンプ19はエンジン回転数に同期してプランジャ20が作動し、フィードポンプ21により予圧した燃料を高圧化し、各気筒の燃料噴射弁18に圧縮上死点近傍で燃料圧送する。燃料の噴射量は、コントロールスリーブ22の位置により変化し、制御装置25からの信号で作動するロータリソレノイド(エレクトロリックガバナ)23によりコントロールスリーブ22の位置を制御する。
【0017】
制御装置25にはアクセル開度を検出するアクセルセンサ26からの信号と、エンジン回転数信号が入り、アクセル開度と回転数に応じて基本的な燃料噴射量を演算し、これに基づいてロータリソレノイド23を制御する。
【0018】
制御装置25には、この基本噴射量を補正したり、前記した排気還流量を制御するため、運転状態を代表する信号として、アクセル開度や回転数のほか、エンジンの上死点位置を検出するセンサ(TDCセンサ)27からの上死点位置信号、さらには車両速度信号、トランスミッションスイッチからの信号が入力する。さらにまた、燃料噴射ポンプ19の実際の燃料噴射量を計測するためコントロールスリーブ位置を検出するセンサ29、燃料温度を検出するセンサ30からの信号、また、エンジン本体1の燃料噴射弁18のニードルリフト量を検出するセンサ31、エンジン冷却水温を検出するセンサ32からの信号も入力する。また、吸気通路11にはエンジン吸入空気の質量流量を検出するエアフローメータ33が取り付けられ、この吸入空気信号も入力する。
【0019】
制御装置25は燃料噴射時期を運転状態に応じて制御するため、タイミングコントロールバルブ35の開度を制御し、タイマピストン36にかかる圧力を変化させる。また、燃料漏れを防止するため燃料カットバルブ37をエンジン停止時に閉じる。さらに、排気還流制御弁15の駆動負圧をコントロールする負圧制御弁34をデューティ制御し、同時にスロットルバルブ16の駆動電圧をコントロールする第1ソレノイドバルブ38と、第2ソレノイドバルブ39の開度を制御し、これらにより、NOxを低減するために運転状態に応じて最適な排気還流を行う。
【0020】
そして、制御装置25は、燃料噴射ポンプ19から噴射される燃料の最大噴射量を、実際にエンジンに供給される吸入空気量と、燃料噴射量との比率、つまり空燃比が一定値以下とならない(空燃比が一定値よりも濃くならない)ように規制し、最大噴射時のスモークの発生を抑制する。
【0021】
このように、制御装置25では各種の制御を行うわけであるが、ディーゼルエンジンに対しても、近年厳しい排気対策が要求されることから、マイコン内での制御が複雑さを増し、また自己診断項目の増大がその傾向に拍車をかける傾向にあるため、図2のようにメインマイコン51とサブマイコン52の2つをシリアル通信により連結して構成し、役割を分担させる(燃料噴射量と燃料噴射時期の制御はメインマイコン51が、また自己診断機能はサブマイコン52が主に分担する)とともに、一方のマイコンがダウンしても他方のマイコンが肩代わりできるように相互監視させている。
【0022】
ここで、サブマイコン52が行う自己診断を、図3、図4、図5のフローチャートにより説明する。
【0023】
まず図3のフローチャートは自己診断を行うためのもので、一定時間(たとえば10ms)毎に常時実行する。
【0024】
ステップ1では診断許可条件の判定を行う。自己診断を行うのにふさわしくない運転時(たとえばアクセルペダルの全開時、水温や燃温が極低温時である等)が診断を許可しない条件として予め定めており、診断を許可しない条件にないときが診断許可条件の成立時である。
【0025】
診断許可条件の成立時になると、ステップ2よりステップ3に進み判定値を演算し、ステップ4、5では判定値≧クライテリアとなっている状態が一定時間(第1の所定時間)T1以上経過したかどうかみて、T1以上経過しているときセンサやシステムに異常(あるいは故障)が生じていると判断し、ステップ6に進んでNGフラグ(C/U電源ON時のイニシャライズで“0”に設定)に“1”を入れる。NGフラグ=1によりセンサやシステム(エンジン制御にかかわる部位)に異常が生じていることを表すのである。一方、判定値<クライテリアのとき、あるいは判定値≧クライテリアとなっている状態がT1以上経過しない前はステップ7でNGフラグ=0とする。
【0026】
なお、ステップ4では判定値とクライテリアの比較で表わしたが、具体例にはたとえば制御目標値と実際値のずれあるいはセンサ入力値そのもの(これが判定値)と許容範囲(これがクライテリア)を比較し、制御目標値と実際値のずれやセンサ入力値が許容範囲にない場合にステップ5に進ませるものである。
【0027】
また、上記のT1はディレイ時間である。ディレイ時間を設けてないと瞬間的に誤判定を生じたときにもNGフラグが“1”になってしまうが、ディレイ時間があれば、瞬間的に誤判定を生じたときにもNGフラグが“1”になることがないのである。
【0028】
図4のフローチャートはフェールセーフ状態フラグを設定するためのもので、図3のフローに続けて一定時間毎に実行する。
【0029】
ステップ11ではNGフラグをみてNGフラグ=1のときはステップ12に進んでフェールセーフ状態フラグに“1”を入れる。NGフラグとの違いは、NGフラグが“1”となった後に“0”に戻されることがあっても、フェールセーフ状態フラグは“1”の状態のまま保持される点にある。ただし、フェールセーフ状態フラグの値をエンジン停止後もバックアップすることはしない。したがって、C/U電源(エンジン制御装置25への電源のこと)のON時のイニシャライズのたびに“0”に設定される。
【0030】
図5のフローチャートはフェールセーフを実行するためのもので、図4のフローに続けて一定時間毎に実行する。
【0031】
ステップ21ではフェールセーフ状態フラグをみてフェールセーフ状態フラグ=1のときは燃料カットバルブの閉要求を出す。この閉要求を受けてサブマイコン52が実行するセルフシャットオフを図6のフローにより説明する。
【0032】
ステップ31では、燃料カットバルブの閉要求があるかどうかみて閉要求あるときはステップ34で燃料カットバルブを閉じる。一方、閉要求のないときはステップ32、33に進みイグニッションキースイッチ(図ではIGN SWで略記)がOFF状態で一定時間(たとえば1秒程度)が経過したかどうかみて一定時間が経過したときステップ34で燃料カットバルブを閉じる。イグニッションキースイッチがON状態であるときやイグニッションキースイッチがOFF状態で一定時間が経過する前はステップ35に進んで燃料カットバルブを開いた状態に保つ。
【0033】
次に、図7のフローチャートはイニシャライズ1を行うためのもので、メインマイコン51、サブマイコン52がそれぞれC/U電源のON時(接続時)に一度だけ実行する。なお、C/U電源はイグニッションスイッチ53のOFFからONへの切換時に接続され、またイグニッションスイッチがOFF状態かつエンスト判定状態で1秒経過したときC/U電源が切られる。
【0034】
ステップ41ではメインマイコン51、サブマイコン52ともイニシャライズ1を実行する。イニシャライズ1の内容は不要な情報を削除すること(上記のNGフラグとフェールセーフ状態フラグの“0”へのリセットを含む)や過去のデータに間違いがないかどうかをチェックすることである。なお、後述するイニシャライズ2と区別するため、C/U電源ON時のイニシャライズをイニシャライズ1としている。
【0035】
さて、図3、図4、図5で示したように、自己診断を一定周期で常時行い、センサやシステムに異常があると判定されたときは、その後に正常と判定されることがあってもC/U電源が切れるまでフェールセーフ状態を解除せず(フェールセーフ状態フラグを“1”に保持し)、その解除はその後のC/U電源のON時に行う従来の構成であると、異常があるとの誤判定によりフェールセーフ状態に保持され、かつフェールセーフの実行に伴ってエンストしてしまったとき、C/U電源が切れるまで、運転者がいくらスタータスイッチ54(図2参照)をONにしてクランキングしてもエンジンを始動させることができない。エンスト状態になった場合に、従来の構成においても、いったんイグニッションキースイッチ53をOFFしてC/U電源を落とした後で再びイグニッションキースイッチ53をONにし、続けてスタータスイッチ54をONにすれば再始動が可能であるが、この手順を踏んで再始動が行われることはまれであり、エンスト状態であわててスタータスイッチ54をONしてエンジンを始動しようとする運転者がほとんどである。
【0036】
これに対処するため、本発明ではセンサやシステムに異常があるとの誤判定によりフェールセーフ状態に保持されかつフェールセーフの実行に伴ってエンストしてしまった場合にも、スタータスイッチをONにするだけでエンジン始動が可能となるように、図8のフローチャートを追加して設けている。図8のフローチャートもサブマイコン52が一定時間毎に実行する。
【0037】
図8を説明すると、ステップ51ではイニシャライズ2経験フラグをみる。このフラグもC/U電源ON時のイニシャライズ(イニシャライズ1)により“0”に設定されているので、当初はステップ52、53に進み、スタータスイッチフラグをみる。このスタータスイッチフラグの設定については公知であり、サブマイコン52により実行される図9のフローチャートにより説明する。
【0038】
ステップ61ではスタータスイッチ54からの信号をみてこれがONのときはステップ62でエンジン回転数NをみてN<所定値(たとえば1000rpm程度)のときはステップ63でスタータスイッチフラグ(C/U電源ON時のイニシャライズで“0”に設定)に“1”を入れ、N≧所定値のときはステップ64でスタータスイッチフラグに“0”を入れる。これによりスタータスイッチフラグはスタータスイッチがON状態かつエンジン回転数Nが所定値未満のときだけ(つまり本当の始動時だけ)“1”となるフラグである。
【0039】
図8のステップ52に戻りスタータスイッチフラグ=1のときは、ステップ53に進み、フェールセーフ状態フラグをみる。フェールセーフ状態フラグ=1のときはステップ54でイニシャライズ2を実行する。
【0040】
ここで、サブマイコン52が行うイニシャライズ2の内容は、サブマイコン52が行う上記イニシャライズ1の内容と同じで、不要な情報を削除する(上記のNGフラグとフェールセーフ状態フラグの“0”へのリセットを含む)とともに過去のデータに間違いがないかどうかをチェックすることである。したがって、フェールセーフ状態への移行より燃料カットバルブ37が閉じてエンス状態になっている場合でも、スタータスイッチをONにしさえすればステップ51、52、53、54と進んでフェールセーフ状態の保持が解除され、エンジン再始動が可能な状態となるのである。
【0041】
ステップ55では、上記イニシャライズ1の場合と相違して、イニシャライズ2経験フラグに“1”を入れる。この値は次回制御に必要となるのでメモリに保存する。イニシャライズ2経験フラグの“1”へのセットにより次回にはステップ51よりステップ56に流れる。ステップ56ではスタータスイッチフラグをみてスタータスイッチフラグ=1のときはステップ55の操作を繰り返し、スタータスイッチフラグ=0のときはステップ57においてスタータスイッチフラグ=0となってから一定時間(第2の所定時間)T2(たとえば1.5秒程度)以上が経過したかどうかをみる。T2以上が経過するまではステップ55の操作を繰り返し、T2以上が経過したタイミングでステップ58に進みイニシャライズ2経験フラグに“0”を入れる。この結果、イニシャライズ2経験フラグは、エンスト状態になった後でスタータスイッチフラグが“1”に切換わったタイミングを起点、その後のスタータスイッチの“1”から“0”への切換わりよりT2経過したタイミングを終点としてその間で“1”となるフラグである(図10の再下段参照)。
【0042】
T2の値には上記のディレイ時間T1より長い時間を設定する。この理由は後述する。
【0043】
ここで、本発明の作用を図10を参照しながら説明する。同図はコントロールスリーブ22の渋り(コントロールスリーブ内周とプランジャ20との摺動面への異物のかみこみ等でコントロールスリーブの動きが悪くなること)によりA−B間とC−D間で制御目標値と実際値のずれが許容範囲を超えてNGフラグ=1となり、D点以降はコントロールスリーブ22の渋りが解消されたときのものである。このとき、フェールセーフ状態フラグはE点で“0”から“1”となり、フェールセーフが実行されると(フュエルカットバルブ37が閉じられる)、エンジン回転数がG点より落ちH点でエンスト状態になる。
【0044】
この場合に、運転者が再始動しようとしてI点でスタータスイッチをONにしても、従来の構成によればフェールセーフ状態フラグがC/U電源のOFF時まで“1”のままである(つまりフェールセーフ状態がC/U電源のOFF時まで解消されない)ため、再始動させることができない(従来の構成のフェールセーフ状態フラグを実線で示す)。
【0045】
このとき、図示しないが、イグニッションキースイッチをいったんOFFにすることによってC/U電源がOFF状態になった後にふたたびイグニッションキースイッチをONにすれば、C/U電源ON時にフェールセーフ状態フラグが“0”にイニシャライズされるので、その後にスタータスイッチをONにすれば再始動は可能である。しかしながら、いったんイグニッションキースイッチをOFFしてC/U電源を落とした後で再びイグニッションキースイッチをONにし、続けてスタータスイッチをONにするという手順を踏んで再始動が行われることはまれであり、実際にはイグニッションキースイッチをONにしたまま、図示のようにI点やJ点でスタータスイッチをONにしてエンジンを再始動させようとする運転者がほとんどなわけである。
【0046】
これに対して、本発明ではイグニッションキースイッチがON状態のまま、I点でスタータスイッチをONにしたとき、イニシャライズ2が実行される。このイニシャライズ2によりフェールセーフ状態フラグが“0”に戻される。つまりK点でフェールセーフ状態フラグが“0”に戻され(フェールセーフ状態が解除され)、フェールセーフの実行解除としてフュエルカットバルブ37が開かれるため、再始動が可能となり、エンジン回転数がL点より上昇する(本発明のエンジン回転数を一点鎖線で示す)。
【0047】
ただし、図10ではコントロールスリーブ22の渋りの再発生によりNGフラグがC点より“1”に切換わっているため、M点よりフェールセーフ状態に保持され、ふたたびエンジン回転数が落ちてN点でエンスト状態になるものの、コントロールスリーブ22の渋りが解消されたJ点でスタータスイッチをONにすればフェールセーフ状態がO点で解消されるため、エンジン回転数がP点より上昇する(再始動される)。
【0048】
図10ではコントロールスリーブ22の渋りという実際に起こり得る例で説明したが、誤判定によりNGフラグが図10のように変化したとしても、本発明の作用、効果は同じである。つまり、センサやシステムに異常が生じたとの誤判定によりフェールセーフ状態に保持されかつフェールセーフの実行に伴ってエンスト状態になってしまっても、本発明によれば、その後に誤判定が解消されNGフラグが“0”に戻った状態になった状態においてスタータスイッチをONにするだけで再始動が可能となるのである。言い換えると、エンストしてしまった場合に、あわててスタータスイッチをONにするだけでも従来装置と相違して再始動が可能となることから、運転者は面倒な手順を踏んで再始動を行う必要がないのであり、再始動に際して面倒な手順を踏むという負担を運転者から除くことができる。
【0049】
一方、図11に示したように誤判定でなく実際に異常が生じている場合の作用は従来と変わらない。実際に異常が生じてフェールセーフ状態にあるときは従来の構成と同じにいくらクランキングを行っても再始動することができないのである。
【0050】
さて、上述しなかったが、図3のステップ1の診断許可条件にスタータスイッチがOFF状態であること、という項目が入っていることがあり、この場合には、次のような問題が生じる。これを図12で説明すると、実際に異常が生じたがためにフェールセーフ状態に保持されているのに、何かの理由によりQ点でNGフラグが“0”に戻されてしまった場合を考える。この場合には、早期に再診断を行わせてフェールセーフ状態に移行させなければならない。
【0051】
ところが、このときたまたまR点でスタータスイッチをONにしての再始動が行われたとしたとき、スタータスイッチがOFFに切換えられるまで診断許可条件が成立せず、S点でのスタータスイッチのOFFによって診断許可条件が成立してからもディレイ時間T1が経過した後のU点でやっとNGフラグが“1”にセットされる。つまり、実際に異常が生じているのに誤判定によりNGフラグが“0”に戻されたときは、トータルとしてスタータスイッチのON時間+T1のあいだ(Q点からU点までのあいだ)NGフラグが“1”へと戻されるのが遅れるのであり、この間で異常による症状が現れてしまう。しかも、ディレイ時間が経過する手前のV点でスタータスイッチが再びONにされたとすれば(一点鎖線参照)、NGフラグが“1”にセットされるのがさらにW点まで遅れる(破線鎖線参照)。
【0052】
そこで、T2の時間をディレイ時間T1より長く設定しておけば、S点よりU点までの間で一点鎖線で示した2回目以降のスタータスイッチのOFFからONへの操作が行われたとしても、その2回目以降のスタータスイッチのOFFからONへの操作ではイニシャライズ2が実行されない(フェールセーフ状態フラグが“0”に戻されない)ので、実際には異常が生じているのに誤判定により“0”へと戻されたNGフラグを“1”へと復帰させるまでの時間(つまり誤判定より再診断までの時間)が長引くのを防止できるのである。
【0053】
図1では説明しなかったが、従来よりフェールセーフ状態の保持時にエンジンチェックランプ55(図2参照)を点灯(あるいは点滅)させている。この場合において、図10に示したI点やJ点でのスタータスイッチのONによりフェールセーフ状態の保持を解除するのに合わせて、エンジンチェックランプを消してしまったのでは、異常が生じていることの情報として用いることができなくなる。そこで、エンジンチェックランプの点灯は、I点やJ点でのスタータスイッチのONにより解除せず、あくまでC/U電源が落ちるまで保持する。エンスト状態になってしまった状態での再始動を可能とするためフェールセーフ状態の解除は行っても、エンジンチェックランプは点灯のままとすることで、整備工場での診断に際し有効な情報として機能させるのである。
【0054】
実施形態では、イニシャライズ1をC/U電源ON時に行わせているが、C/U電源のOFF時(遮断時)に行うものでもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のディーゼルエンジンの制御システム図である。
【図2】一実施形態の制御装置のブロック図である。
【図3】自己診断を説明するためのフローチャートである。
【図4】フェールセーフ状態フラグの設定を説明するためのフローチャートである。
【図5】フェールセーフの実行を説明するためのフローチャートである。
【図6】イニシャライズ1を説明するためのフローチャートである。
【図7】セルフシャットオフを説明するためのフローチャートである。
【図8】イニシャライズ2を説明するためのフローチャートである。
【図9】スタータスイッチフラグの設定を説明するためのフローチャートである。
【図10】コントロールスリーブに渋りが生じたときの作用を説明するための波形図である。
【図11】実際に故障が生じているときの作用を説明するための波形図である。
【図12】一定時間T2を説明するための波形図である。
【図13】第1の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
25 エンジン制御装置
51 メインマイコン
52 サブマイコン

Claims (6)

  1. エンジン制御を行う手段と、
    このエンジン制御にかかわる部位を対象にして異常があるかどうかを周期的に判定する手段と、
    この判定結果より異常があるとき前記エンジン制御手段への電源が遮断されるまでフェールセーフ状態を保持する手段と、
    フェールセーフ状態でないときはフェールセーフを実行しない状態に保ち、フェールセーフ状態のときフェールセーフを実行してエンジンへの燃料または空気の供給を停止する手段と、
    イグニッションスイッチからの信号に基づいて前記電源の前記エンジン制御手段への接続と遮断を行う手段と、
    この電源接続時または電源遮断時に前記フェールセーフ状態の保持を解除する手段と、
    前記電源接続中かつ前記フェールセーフ状態の保持中にエンジン回転数が一定値以下となりかつスタータスイッチがONとなったとき前記フェールセーフ状態の保持解除とは別に前記フェールセーフ状態の保持を解除する手段と
    を設けたことを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
  2. 前記異常判定手段が、スタータスイッチがOFF状態であることを条件として前記異常があるかどうかの判定を開始し、判定値とクライテリアの比較により判定値がクライテリア以上となった状態が第1の所定時間以上続いたとき異常ありと判定する手段である場合に、前記スタータスイッチのON後にそのスタータスイッチがOFFとなるタイミングより第2の所定時間以上が経過するまで、前記エンジン回転数が一定値以下となりかつスタータスイッチがONとなったときの前記フェールセーフの保持解除を初回として、2回目以降の前記フェールセーフの保持解除を禁止するとともに、前記第2の所定時間を前記第1の所定時間よりも長く設定することを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  3. 前記フェールセーフ状態保持手段が前記フェールセーフ状態を保持するのを表すため警告装置を作動させる場合に、前記エンジン回転数が一定値以下となりかつスタータスイッチがONとなったときの前記フェールセーフ状態の保持解除では前記警告装置を非作動としないことを特徴とする請求項1または2に記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  4. 前記エンジン制御を第1マイコンに、また前記異常判定、フェールセーフ状態の保持およびフェールセーフの実行を第2マイコンに分担させ、両マイコンを通信で連絡している場合に、第2マイコンに前記エンジン回転数が一定値以下となりかつスタータスイッチがONとなったときの前記フェールセーフの保持解除を行わせることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  5. 前記電源接続時または電源遮断時の前記フェールセーフ状態の保持解除を電源接続時のイニシャライズで行うことを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  6. 前記エンジン回転数が一定値以下となりかつスタータスイッチがONとなったときの前記フェールセーフ状態の保持解除をイニシャライズで行うことを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載のディーゼルエンジンの制御装置。
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