JP3939677B2 - 油圧制御型気筒休止エンジンの気筒休止制御方法 - Google Patents
油圧制御型気筒休止エンジンの気筒休止制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3939677B2 JP3939677B2 JP2003147612A JP2003147612A JP3939677B2 JP 3939677 B2 JP3939677 B2 JP 3939677B2 JP 2003147612 A JP2003147612 A JP 2003147612A JP 2003147612 A JP2003147612 A JP 2003147612A JP 3939677 B2 JP3939677 B2 JP 3939677B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cylinder deactivation
- engine
- water temperature
- oil
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 230000009849 deactivation Effects 0.000 title claims description 85
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 52
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 85
- 239000003921 oil Substances 0.000 description 76
- 230000008569 process Effects 0.000 description 39
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 35
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 12
- 230000000284 resting effect Effects 0.000 description 10
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 9
- 239000000446 fuel Substances 0.000 description 8
- 239000000725 suspension Substances 0.000 description 7
- 230000006870 function Effects 0.000 description 6
- 238000002347 injection Methods 0.000 description 6
- 239000007924 injection Substances 0.000 description 6
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- 238000002485 combustion reaction Methods 0.000 description 2
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 2
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 2
- 239000010705 motor oil Substances 0.000 description 2
- 230000002159 abnormal effect Effects 0.000 description 1
- 230000008878 coupling Effects 0.000 description 1
- 238000010168 coupling process Methods 0.000 description 1
- 238000005859 coupling reaction Methods 0.000 description 1
- 230000002950 deficient Effects 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 238000012886 linear function Methods 0.000 description 1
- 230000000630 rising effect Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Valve Device For Special Equipments (AREA)
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧による動弁系の弁可変駆動機構を有する気筒休止内燃機関に関し、特に、エンジン始動時の水温に基づいてエンジン油温を推測し、気筒休止切替動作を的確に行わせるための制御手法に関する。
【0002】
【従来の技術】
気筒休止内燃機関において油圧により動弁系を切替える機構の場合、切替え時のオイルリターン側は注入されていたオイルをリークさせる必要があるため、オイルの粘性状態が切替動作を左右する。つまり、低温時のオイル粘度が高い状況下では、オイルリークが不十分となり切替え不良を起こす場合がある。
【0003】
また、長時間エンジン停止状態が続くと、油路内のオイル下がりによるエア噛みが発生する。その際のエア抜け性についても、油圧よりもオイルの粘性(油温)に大きく左右され、概して高粘度(低油温)時のエア抜け性は悪い。
【0004】
ところで、下に示す特許文献1では、エンジン始動直後の油圧が十分に立ち上がっていない状態での弁可変駆動機構における切替え動作不良を無くすために、エンジン冷機始動直後の所定時間内は切替え制御を行わないように制御する技術を開示している。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−81678号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の制御では、エンジン始動後一律に一定時間気筒休止切替を禁止するという単一的な制御のみであるため、低温始動時と暖機状態での再始動時との両立ができない。すなわち、上述の従来技術では暖機状態での再始動時においても冷機始動時と同じ設定時間内は気筒休止運転が行えないため、気筒休止エンジン本来の燃費向上効果が発揮できない。また、油温センサを用いて計測した油温からオイルの粘性状態を判断する制御も考えられるが、この場合新たな油温センサを設置する必要があり、コストや既存装置の変更等の課題が生じる。
【0007】
従って、本発明は、上記の問題を解決するべく、エンジン始動時のエンジン水温に基づいて油温を推測し、気筒休止実施を行うことができる時期を設定する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の気筒休止制御方法は、請求項1の発明によると、油圧制御型気筒休止エンジンの気筒休止制御方法であって、エンジンの始動時水温を計測するステップと、計測した前記エンジンの始動時水温に基づいて、気筒休止実行の待ち時間を設定するステップと、エンジン水温が所定の切替許可水温に達し、さらに前記待ち時間が経過した後に気筒休止実行を許可するステップと、を含む。
【0009】
この発明によると、エンジン水温に基づいて動弁系の切替を安定して行える油温に達するまでの時間を予測設定できるので、切替不良が発生しない油温に達する時期へと気筒休止動作時期を最適化することができる。
【0010】
また、請求項2の気筒休止制御方法は、前記気筒休止実行の待ち時間を設定するステップは、エンジン水温の切替許可水温到達後から油温の安定切替油温到達までの時間を表すエンジン始動時水温に対する関数に基づいて前記待ち時間を設定する。
【0011】
また、請求項3の気筒休止制御方法は、前記気筒休止実行の待ち時間を設定するステップは、前記エンジンの始動時水温が前記切替許可水温以上の時、前記待ち時間を零に設定する。
【0012】
また、請求項4の気筒休止制御方法は、前記気筒休止実行の許可は、気筒休止実行を許可するように気筒休止実施判断用のフラグをセットすることを含む。
【0013】
また、請求項5の気筒休止制御方法は、前記切替許可水温は、気筒休止切替を切替不良を生ずることなく行えるオイル粘度を有する安定切替油温に等しい。
【0014】
【発明の実施の形態】
1.電子制御ユニット(ECU)
図面を参照して、この発明の実施形態を説明する。図1は、気筒休止を制御する電子制御ユニット100(ECU)の全体的なブロック図である。ECUは、気筒休止専用のECUであってもよいが、この実施形態では、エンジン系統を制御するECUに後述する気筒休止機能が組み込まれている。ECUは、演算を実行するプロセッサ、各種のデータを一時記憶する記憶領域およびプロセッサによる演算の作業領域を提供するランダム・アクセス・メモリ(RAM)、プロセッサが実行するプログラムおよび演算に使用する各種のデータが予め格納されている読み取り専用メモリ(ROM)、およびプロセッサによる演算の結果及びエンジン系統の各部から得られたデータのうち保存しておくべきものを格納する書き換え可能な不揮発性メモリを備えている。不揮発性メモリは、システム停止後も常時電圧供給されるバックアップ機能付きRAMで実現することができる。
【0015】
図1は、このようなハードウェア構成のECUを機能ブロックの形で示している。運転状態検出部101は、ECUとエンジン系統の各部とのインタフェース部であり、エンジン系統の様々な箇所から送られてくる車両の運転状態を示す情報を受け取って信号処理を行い、アナログ情報はデジタル信号に変換し、これらを運転制御演算部102に渡す。図では、運転状態検出部101に入力される情報として、エンジン回転数Ne、エンジン水温TW、スロットル弁開度θTHが示されているが、これに限定されるものではなく、その他種々の情報が入力される。
【0016】
運転制御演算部102は、運転状態検出部101から渡されるデータに基づいてエンジンを制御するための演算を行う。具体的には、運転状態に基づいて気筒が必要とする燃料の量を計算し、燃料噴射制御部104に渡す。燃料噴射制御部104は、渡されたデータに基づいて燃料噴射時間および噴射タイミングを決定し、燃料噴射装置(インジェクタ)を駆動する。同様に点火制御部105は、運転制御演算部102から渡されるデータに基づいて点火プラグを駆動する。気筒休止機構制御部103は、後述する気筒休止実施判断プロセスにおける気筒休止実施判断フラグの結果にしたがって気筒休止動作のための油圧を制御する油路の切替弁制御を行う。
【0017】
2.油圧制御による気筒休止エンジンの構造
次に、図2を参照して気筒休止エンジンの吸気バルブリフト停止の構造を説明する。尚、本実施例における気筒休止エンジンは、気筒休止作動時において排気バルブリフトも同時に停止させる構造となっているが、この休止機構は吸気バルブリフト停止機構と同様であるため説明を省略する。
【0018】
吸気ロッカーシャフト206には吸気ロッカーアーム207と、その両側に位置する一対の休止用ロッカーアーム208とがロッカーシャフト206の円周方向に揺動可能に支持されている。吸気ロッカーアーム207の基端部には、前記吸気カムに当接可能なローラ209が設けられるとともに、休止用ロッカーアーム208の基端部には休止用カム(不図示)に当接可能なローラが設けられる。そして、一対の休止用ロッカーアーム208の先端は、気筒の一対の吸気弁のステムエンド(不図示)に当接する。
【0019】
吸気ロッカーアーム207および一対の休止用ロッカーアーム208を同軸に貫通するシリンダ孔の内部に、ピストンA201、ピストンB202およびピストンC203が摺動自在に支持される。ピストンA201は休止用ロッカーアーム208aのシリンダ孔の内部に配置され、吸気ロッカーシャフト206の内部に形成した油路210から供給される油圧によってスプリング204を押し下げる方向に駆動される。ピストンA201に隣接して配置されたピストンB202は、休止用ロッカーアーム208のシリンダ孔および吸気ロッカーアーム207のシリンダ孔にまたがる連結位置と、休止用ロッカーアーム208aのシリンダ孔から吸気ロッカーアーム207のシリンダ孔に押し出された連結解除位置との間を移動可能である。ピストンB202に隣接して配置され、吸気ロッカーアーム207と休止用ロッカーアーム208bのシリンダ孔内に収納されたピストンC203は、スプリング204および通常運転用油路211からの油圧によってピストンBに当接する方向に押し当てられる。
【0020】
上記構成により、吸気ロッカーシャフト206の休止用油路210に油圧が供給されていないとき、スプリング204および通常運転用油路211からの油圧によって押し当てられたピストンB202およびピストンCは図2(a)に示した連結位置にあり、吸気ロッカーアーム207を一対の休止用ロッカーアーム208に一体に結合させている。従って、カムシャフトに設けた吸気カムにローラ209を当接させた吸気ロッカーアーム207が吸気ロッカーシャフト206周りに揺動すると、それと一体に結合された一対の休止用ロッカーアーム208が揺動して吸気弁を開閉駆動する。
【0021】
一方、吸気ロッカーシャフト206の休止用油路210に油圧を供給し、通常運転用油路211の油圧の供給を絶つと、ピストンA201、ピストンB202およびピストンC203がスプリングに抗し、スプリングが配置されている領域205に充填されていたオイルが通常運転用油路211へとリークして図2(b)の位置に移動し、ピストンB202が連結解除位置に達して吸気ロッカーアーム207と休止用ロッカーアーム208との連結が解除される。その結果、吸気ロッカーアーム207の揺動は休止用ロッカーアーム208に伝達されなくなり、ベース円のみを備えた休止用カムにローラを当接させた休止用ロッカーアーム208は揺動を停止し、吸気弁は閉弁状態に保持される。
【0022】
吸気ロッカーシャフト206の休止用油路210の油圧の供給を絶ち、通常運転用油路211に油圧を供給すると、ピストンC203が通常運転用油路211からの油圧およびスプリング204の弾発力で図2(a)の位置に移動し、ピストンBも連結位置に達して吸気ロッカーアーム207と休止用ロッカーアーム208とが連結される。その結果、吸気ロッカーアーム207の揺動が休止用ロッカーアーム208に伝達されるようになり、吸気ロッカーアーム207の揺動に伴って吸気弁は再び開閉駆動される。
【0023】
ここで、留意すべきは、切替時にオイルリークが必要となることであり、オイル粘度が高い場合にはオイルリークに時間がかかり安定した切替が行われない場合がある。よって、切替時にはオイル粘度がある程度低くなるまで油温が上昇している必要がある。
【0024】
3.エンジン水温と油温との関係
気筒休止運転切替において切替不良が発生しない程度に、十分にオイルリークを生ずるオイル粘度の油温(安定切替油温)が60℃であるものとして説明を進める。また、ここでは安定切替油温と同一の水温60℃を「切替許可水温」と呼ぶこととする。図4は、エンジンにおける水温および油温の温度上昇特性を表したグラフである。本図では、横軸に時間、縦軸に温度(水温および油温)を表している。
【0025】
本グラフの最上部を描画する曲線はエンジン始動後の水温TWの温度上昇特性を表す。また、「TW5℃始動」から「TW50℃始動」と記載されている曲線は、始動時水温がTW5℃からTW50℃である時のエンジン始動後のエンジン油温の温度上昇特性を表す。ここで、このエンジン暖機過程における油温と水温との関係をみると、水温の方が油温よりも温度の立ち上がりが速いことがわかる。たとえば、始動時水温TW5℃の時、同じ60℃まで温度が上昇するまでに、油温は水温が60℃に達した後さらに690秒を要している。
【0026】
このようにして、水温TWが切替許可水温である60℃に達した後、油温が安定切替油温である60℃に達するまでどれだけの時間を要するかについて、エンジン始動時の水温を変化させた結果が「TW60℃からToil60℃までの時間」として図4の下部に示されている。そして、ここに示された「始動時水温」を横軸に、「TW60℃からToil60℃までの時間」を縦軸にとり、グラフ化したものが図5である。実線の一次関数は、X軸の始動時水温に対して、水温が60℃に達した後さらに切替えを許可しない時間(待ち時間)を示す。すなわち、水温が切替許可水温60℃に達した後、さらにこの待ち時間を経過すれば、安定した気筒休止切替えができるオイル粘性を有する油温60℃に達するものと推定できる。尚、始動時水温≧切替許可水温60℃の場合、「TW60℃からToil60℃までの時間」は0となる。
【0027】
また、図5の待ち時間を表す関数は、以下に説明する気筒休止実施判断プロセスにおいて使用できるように、予めECU100の読み取り専用メモリに格納されている。
【0028】
4.気筒休止実施判断の動作の説明
つぎに、図3を参照しつつ本発明の気筒休止実施判断プロセスについて説明する。図3は、気筒休止実施判断プロセスを示すフローチャートである。
【0029】
本発明では、図4および図5を参照しつつ上述したエンジン内における水温と油温との温度上昇特性の関係を利用する。ここで、油圧式気筒休止機構において、切替が安定して行われる粘性を確保する油温(安定切替油温)を60℃、「切替許可水温」を60℃と設定したものとして説明を行う。
【0030】
4.1.エンジン冷機状態における始動
エンジンが始動され気筒休止実施判断プロセスが呼び出されると、運転制御演算部102は本プロセスを開始する(S301)。プロセスを開始すると、運転制御演算部102は、始動モードフラグを参照して本機が始動モードであるか否かを判断する(S302)。ここで、始動モードとは、エンジン始動後所定時間内の状態をいう。そして、エンジン始動後所定時間内において始動モードフラグは1にセットされ、エンジン始動後所定時間経過後は0にセットされる。本機はエンジン始動直後であり、始動モードフラグは1にセットされているため、運転制御演算部102は、本機が始動モードであると判断してプロセスをS306へと進める。S306へと進むと、運転制御演算部102は、運転状態検出部101を介して始動時水温を検出し、この水温をメモリ内(RAM)に格納する。そして、運転制御演算部102は、読み取り専用メモリ(ROM)から予め格納されている待ち時間関数を読み出し、検出した始動時の水温に基づいて待ち時間を算出し、この待ち時間をタイマー設定する。たとえば、エンジン始動時の水温TWが20℃であった場合、図5のグラフを参照すると、水温が許可水温60℃に達してからさらに油温が切替安定油温60℃に達するまでに500秒を要することを導き出すことができる。したがって、待ち時間としてタイマーに500秒を設定して、タイマーのカウントダウンを開始する(S307)。つぎに、運転制御演算部102は、気筒休止実施の可否を表す気筒休止実施判断フラグを0(不許可)に設定し(S308)、本プロセスを終了する。
【0031】
始動後、前述のプロセスは一度終了するが、エンジンの運転状態は継続しているため、メインプログラムから再び気筒休止実施判断プロセスが呼び出される。プロセスが呼び出されると運転制御演算部102は、再度気筒休止実施判断プロセスを開始し(S301)、さらにプロセスをS302に進める。今回はエンジン始動後所定の時間が経過していることから、始動モードフラグは0にセットされており、本機は始動モードから解除されている。よって、S302において運転制御演算部102は、本機が始動モードではないと判断してプロセスをS303へと進める。次に、運転制御演算部102は、エンジン水温を運転状態検出部101を介して取得し、現在のエンジンの水温が切替許可水温以上であるか否かを判断する。本実施例では、切替許可水温を60℃に設定しているため、運転制御演算部102は、現在のエンジン水温が60℃に達しているか否かを判断する(S303)。
【0032】
取得したエンジン水温が切替許可水温60℃に達していない場合、運転制御演算部102は、プロセスをS307へと進める。S307において、運転制御演算部102は、格納した始動時水温をメモリから読み出し、この始動時水温に基づいて待ち時間を算出し、この待ち時間を再びタイマー設定する。本実施例では、始動時水温は20℃であったため、再びタイマーに500秒をセットし、タイマーのカウントダウンを開始する。そして、運転制御演算部102は、プロセスをS308に進め、気筒休止実施判断フラグを0(不許可)に設定する。そして、プロセスを終了する。ここで留意すべきは、プロセス終了後エンジン運転状態が継続していれば、本プロセスはすぐに再度呼び出されるということである。よって、本実施例のようにエンジンを冷機始動した場合、上述のような始動モードは解除されているが水温が切替許可水温に達していないという状態がしばらく続く。したがって、タイマー設定しカウントダウンを開始するものの、タイマーが0になる前に再度タイマー設定するという状態が何度も続き、水温が切替許可水温に達するまで上述のフローが何度も繰り返されることとなる。
【0033】
一方、エンジン始動後ある程度の時間が経過し、S303において水温が切替許可水温60℃に達したと判断した場合、運転制御演算部102は、設定した待ち時間500秒が経過したか、すなわちタイマーが0であるか否かを判断する(S304)。ここで、タイマーが0でない場合には、プロセスはS308へと進み、気筒休止実施判断フラグを0(不許可)に設定し、プロセスを終了する。そして、プロセス終了後もエンジンが継続して運転中の場合、再度気筒休止実施判断プロセスが呼び出されることとなる。
【0034】
一方、S304においてタイマーが0である場合は、運転制御演算部102は、気筒休止実施判断フラグを1(許可)に設定する(S305)。そして、本プロセスを終了する。
【0035】
気筒休止動作を行うためには、上述の油温条件のみならず、他の諸条件が満たされていなければならないため、これら諸条件の条件判断をS304とS305の間に挿入することもできる。たとえば、切替実施油圧が異常油圧であるか否かの条件判断、切替実施のエンジン回転数が所定の回転範囲に入っているか否かの条件判断、およびギヤ段が所定のギヤ段であるか否かの条件判断などを挿入することができる。
【0036】
上述のすべての条件が満たされ、気筒休止実施判断フラグが許可に設定されると運転制御演算部102は、気筒休止実施信号を休止機構制御部103へ送信する。気筒休止実施信号が送信されると休止機構制御部103は、休止用油路210に油圧を供給するようにソレノイドバルブを制御する。また一方で、気筒休止実施信号が送信されると休止機構制御部103は、ソレノイドバルブを制御し通常運転用油路211の油圧を低下させる。そうすると、前述の気筒休止エンジン構造の記載のとおり、休止用油路210からの油圧が切替用ピストン(201,202,203)位置を気筒休止状態になる位置(図2(b))へとスライドさせ、休止気筒のバルブ動作を停止させる。気筒休止状態にスライドする際、上述のプロセスによって油温は所定の安定切替温度まで上昇しているため、オイルの粘度は領域205に注入されているオイルをリークさせるのに十分な程度にまで低下している。したがって、切替用ピストンの移動がスムーズに進み、切替不良を起こすことなく気筒休止動作およびその解除動作を行うことができる。
【0037】
4.2.エンジン暖機状態における始動
上述において、エンジンが冷機状態であった場合の気筒休止実施判断プロセスについて説明したが、エンジンが既に暖機状態である時にエンジン始動した場合の気筒休止実施判断プロセスについて説明する。
【0038】
まず、運転制御演算部102は、エンジンが始動モードであるか否かを、始動モードフラグを参照して判断する。ここでは、エンジン始動直後であるため、始動モードフラグは1であり、運転制御演算部102は、本機が始動モードであると判断する(S302)。そしてプロセスをS306へと進めると、運転制御演算部102は、運転状態検出部101を介してエンジン始動時水温を検出する。ここでは、始動時において既に暖機状態であるため、運転状態検出部101はエンジン水温TW65℃を検出する(S306)。そしてS307に進むと、運転制御演算部102は、エンジン水温に基づいて待ち時間関数(図5)から待ち時間を設定する。ここでは、エンジン水温は既に切替許可水温の60℃を超えているため、運転制御演算部は、読み出し専用メモリに格納された待ち時間関数(図5)から待ち時間0を算出し、タイマーを0秒に設定する。そして、運転制御演算部102はプロセスをS308に進め、気筒休止実施判断フラグを0(不許可)に設定する。
【0039】
エンジンは継続して運転中であるため、気筒休止実施判断プロセスは再度すぐに呼び出される(S301)。運転制御演算部102は、プロセスをS302に進め、本機が始動モードであるか否かを判定する。ここでは、既にエンジン始動後所定時間を経過しているため始動モードフラグは0にセットされており、運転制御演算部102は、本機が始動モードではないと判断してプロセスをS303へと進める。そして、S303において運転制御演算部102は、運転状態検出部101を介してエンジン水温を検出し、エンジン水温が切替許可水温60℃以上か否かを判定する。暖機状態からの始動であるため、エンジン始動時に既に水温が切替許可水温を超えた65℃に達しており、現在もエンジン水温として65℃を検出する。よって、運転制御演算部102は、水温が切替許可水温60℃に達していると判断してプロセスをS304へと進める。S304において運転制御演算部102は、設定した待ち時間を経過したか否かを判定するが(S304)、待ち時間としてタイマーに設定された時間は0秒であるから、設定時間をすでに超過したものと判断する(S305)。したがってプロセスをS305へと進め、運転制御演算部102は、気筒休止実施判断フラグを1(許可)に設定して(S305)、本プロセスを終了する。
【0040】
上記プロセスによると、既に暖機状態でエンジン始動した場合に、直ちに気筒休止動作を許可することができ、エンジン始動後、燃費向上効果を直ちに享受することができる。
【0041】
この発明によると、動弁系の切替えが安定して行える油温になるまでの待ち時間を始動時の水温によって予測設定し、切替許可水温到達後さらに始動時の水温に応じた待ち時間は気筒休止動作を行わないように制御する。そのため、始動時のオイル状態に応じた最適な切替許可時期の判断が行え、気筒休止動作時期が最適化される。また、従来からエンジン制御に用いられている水温センサを使用して上記動作を制御できるので、新たに油温センサを設置する必要がなく、低コストにて気筒休止時期の最適化を図ることができる。
【0042】
以上にこの発明を具体的な実施例について説明したが、この発明は、このような実施例に限定されるものではない。
【0043】
【発明の効果】
この発明によると、エンジン水温に基づいて動弁系の切替を安定して行える油温に達するまでの時間を予測設定できるので、切替不良が発生しない油温に達する時期へと気筒休止動作時期を最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施形態である気筒休止制御装置の全体的な機能ブロック図。
【図2】この発明の1つの実施形態で用いられるバルブ休止機構の一部断面図。
【図3】気筒休止実施判断プロセスを示すフローチャート。
【図4】水温および油温の立ち上がり特性を示すグラフ。
【図5】水温60℃に達してから油温が60℃に達するまでの時間を示すグラフ。
【符号の説明】
101 運転状態検出部
102 運転制御演算部
103 気筒休止機構制御部
104 燃料噴射制御部
105 点火制御部
Claims (2)
- 油圧制御型気筒休止エンジンの気筒休止制御方法であって、
エンジンの始動時水温を計測するステップと、
気筒休止切替に適したオイル粘度となる安定切替油温にエンジン水温が到達してから、前記安定切替油温に油温が到達するまでの時間と、前記始動時水温との予め求めた関係に基づいて、前記計測した前記始動時水温に応じて前記油温が前記安定切替油温に到達する時間を求めて、気筒休止実行を許可するまでの待ち時間として設定するステップと、
エンジン水温が所定の切替許可水温に達し、さらに前記設定した待ち時間が経過した後に気筒休止実行を許可するステップと、
を含む気筒休止制御方法。 - 前記計測するステップにおいて測定した始動時水温が前記安定切替油温以上である時は、前記待ち時間を零に設定する、請求項1に記載の気筒休止制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003147612A JP3939677B2 (ja) | 2003-05-26 | 2003-05-26 | 油圧制御型気筒休止エンジンの気筒休止制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003147612A JP3939677B2 (ja) | 2003-05-26 | 2003-05-26 | 油圧制御型気筒休止エンジンの気筒休止制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004346903A JP2004346903A (ja) | 2004-12-09 |
JP3939677B2 true JP3939677B2 (ja) | 2007-07-04 |
Family
ID=33534097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003147612A Expired - Fee Related JP3939677B2 (ja) | 2003-05-26 | 2003-05-26 | 油圧制御型気筒休止エンジンの気筒休止制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3939677B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107489537A (zh) * | 2016-06-09 | 2017-12-19 | 福特环球技术公司 | 用于控制汽缸模式变化的频繁程度的系统和方法 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4692478B2 (ja) * | 2006-12-26 | 2011-06-01 | 日産自動車株式会社 | オイル温度推定装置及びオイル温度推定方法 |
JP4792478B2 (ja) | 2008-02-28 | 2011-10-12 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
JP6332255B2 (ja) * | 2015-12-10 | 2018-05-30 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
JP6607527B2 (ja) * | 2017-03-17 | 2019-11-20 | マツダ株式会社 | 車両の制御装置 |
-
2003
- 2003-05-26 JP JP2003147612A patent/JP3939677B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107489537A (zh) * | 2016-06-09 | 2017-12-19 | 福特环球技术公司 | 用于控制汽缸模式变化的频繁程度的系统和方法 |
CN107489537B (zh) * | 2016-06-09 | 2021-12-24 | 福特环球技术公司 | 用于控制汽缸模式变化的频繁程度的系统和方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004346903A (ja) | 2004-12-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6640756B2 (en) | Electromagnetic valve controller of an internal combustion engine | |
JP4792882B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
US20090132146A1 (en) | Diagnostic system for valve actuation mechanism | |
JP6135580B2 (ja) | エンジンの制御装置 | |
JP3749395B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
US6648797B2 (en) | Engine control method for reducing emissions during cold start and idling for vehicle | |
JP4039239B2 (ja) | 内燃機関の可変動弁制御装置 | |
JP2002227665A (ja) | 内燃機関の弁停止機構の油圧制御装置 | |
JPH10103097A (ja) | 気筒休止エンジンの制御装置 | |
JP3939677B2 (ja) | 油圧制御型気筒休止エンジンの気筒休止制御方法 | |
JP5035317B2 (ja) | 内燃機関の制御方法及び内燃機関システム | |
JP4458256B2 (ja) | 内燃機関の始動制御装置 | |
US10830200B2 (en) | Control device for internal combustion engine | |
JP4525385B2 (ja) | 内燃機関の可変動弁機構制御装置 | |
JP4788964B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP3900014B2 (ja) | 弁開閉時期制御装置付き内燃機関の制御装置 | |
JP2637643B2 (ja) | 弁作動特性可変制御装置 | |
JP2008063956A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP3839454B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP3905109B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2005337110A (ja) | 内燃機関 | |
JP2015224554A (ja) | 内燃機関のデコンプ装置 | |
JPH07217417A (ja) | エンジンの可変バルブ切り換え制御装置 | |
JP4379327B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP3684698B2 (ja) | ディーゼルエンジンの制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061226 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070220 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070327 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070328 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3939677 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130406 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130406 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140406 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |