JPH1089162A - 蒸発燃料供給系の故障診断方法およびその装置 - Google Patents

蒸発燃料供給系の故障診断方法およびその装置

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JPH1089162A
JPH1089162A JP15360997A JP15360997A JPH1089162A JP H1089162 A JPH1089162 A JP H1089162A JP 15360997 A JP15360997 A JP 15360997A JP 15360997 A JP15360997 A JP 15360997A JP H1089162 A JPH1089162 A JP H1089162A
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valve
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秀樹 楠
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晴洋 平野
Kenji Mayahara
健司 馬屋原
Tetsushi Hosogai
徹志 細貝
Yuji Ota
裕二 太田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工場等での検査時に蒸発燃料供給系の配管の
外れ等を故障を簡単に能率良く、かつ適正に診断するこ
とができるようにする。 【解決手段】 パージ通路と、この通路中に介設された
TPCVバルブ34と、パージバルブ38と、大気開放
通路に設けられたCDCVバルブ37等を具備する蒸発
燃料供給系に対し、エンジン制御ユニット40にテスト
用端子を介して接続される外部のテスト装置51を備
え、アイドル状態で上記テスト装置51からテスト指令
信号があったときにエンジン制御ユニット40が、上記
TPCVバルブ34を開、CDCVバルブ37を閉とす
るとともにパージバルブ38を次第に開くように制御す
る。そして、燃料タンク内の圧力を検出する圧力センサ
39の出力がエンジン制御ユニット40からテスト装置
51に送られ、テスト装置51で上記圧力センサ39の
出力の変化に基づいて蒸発燃料供給系の故障の有無が判
別されるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載されて
いるエンジンの蒸発燃料供給系の故障を工場等において
診断する方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平5−256214号
公報に示されるように、燃料タンク内で発生した蒸発燃
料をエンジンの吸気通路に導入可能とするパージ通路
と、この通路中に介設されたキャニスタと、パージ通路
中に設けられたパージ調整手段と、キャニスタと大気と
を連通する開閉可能な大気開放手段とを備えた蒸発燃料
供給系に対し、パージ通路の詰まり、漏れ等の発生を判
別する故障判別手段をエンジン制御部に設けた故障検出
装置が知られている。この装置において、上記故障判別
手段は、通常走行中においてフェイル検出可能な運転領
域になったとき、先ず上記パージ調整手段を開状態にす
るとともに大気開放手段を閉状態にして燃料タンク内に
吸気負圧を作用させた状態で燃料タンク内圧力の降下速
度を調べ、その降下速度が小さいとき故障と判別し、ま
た上記降下速度が大きい場合はさらに上記パージ調整手
段及び大気開放手段をともに閉じた状態で燃料タンク内
圧力の上昇速度を調べ、その上昇速度が大きいとき故障
と判別するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
示されている故障検出装置は、通常走行中の減速時に蒸
発燃料供給系の故障を検出するものであるが、製造工場
での出荷時等における検査でも、蒸発燃料供給系の配管
の外れ等を調べることが要求される。この場合、工場等
に設置される外部の検査装置を用いて故障診断を行うこ
とが要求され、また、車両を停車させた状態で診断を行
う必要があるので、上記公報に示されるように車載のエ
ンジン制御部に設けられた故障判別手段で減速時に故障
の判別を行うというような手法は適用し難い。
【0004】さらに、工場等で順次多数の車両の故障診
断を行っていくような場合、できるだけ診断に要する時
間を短くして処理能率を高め、またエンスト等で診断が
中断されることのないように配慮する必要がある。
【0005】なお、特公平7−18776号公報には、
車載の制御ユニットがセンサ出力やアクチュエータ動作
の異常あるいはコンピュータ処理の異常を自己診断する
装置として、通常モード時に実行される第1の診断プロ
グラムと、テストモード時に実行される第2の自己診断
プログラムと、表示プログラムとを記憶手段が記憶し、
テストスイッチ及び通電スイッチの切換操作に応じて上
記3つのプログラムのうちの1つを実行するようにした
自己診断装置が示されている。この装置によると修理工
場等ではテストモードを選択することができる。しか
し、この装置は制御ユニットとこれに接続されたセンサ
及びアクチュエータからなる制御系の故障を診断するも
のであって、蒸発燃料供給系の配管の外れ等の診断に適
用されるものではない。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑み、工場等での
検査時に蒸発燃料供給系の配管の外れ等の故障を簡単に
能率良く、かつ適正に診断することができる蒸発燃料供
給系の故障診断方法およびその装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の故障診断方法
は、燃料タンク内で発生した蒸発燃料をエンジンの吸気
通路に導入可能とするパージ通路と、燃料タンクと吸気
通路との間でのパージ通路の開閉及び大気開放部の開閉
をそれぞれ可能とする通路開閉手段と、パージ通路の燃
料タンク側の圧力を検出する圧力検出手段と、上記通路
開閉手段及び上記圧力検出手段に接続された制御部とを
備えた蒸発燃料供給系の故障診断を車両検査時に行う方
法であって、エンジンをアイドル状態とするとともに、
外部のテスト装置から上記制御部にテスト用の信号を送
信することにより、燃料タンクと吸気通路との間で上記
パージ通路を開き、かつ大気側開放部を遮断する状態に
上記通路開閉手段を制御して、この制御状態をテストモ
ードとし、このテストモードでの所定時間における上記
圧力検出手段の出力の変化を上記テスト装置により調
べ、この圧力検出手段の出力変化度合に基づいて蒸発燃
料供給系の故障の有無を判別するものである。
【0008】この方法によると、エンジンが作動されて
検査場所等に置かれているときの状態に相当するアイド
ル状態で、テスト装置からの指令により上記テストモー
ドとされる。そして、このテストモードでは、正常であ
れば吸気負圧によりガスが吸引されるに伴って燃料タン
ク側の圧力が低下するので、上記圧力検出手段の出力の
変化が上記テスト装置により調べられることにより、蒸
発燃料供給系の故障の診断が容易に行われる。
【0009】この方法において、上記テストモードにあ
るときのエンジン回転数を通常運転時のアイドル回転数
よりも高い値に設定すると、テストモード中にパージ量
が増大してオーバーリッチによる失火が生じ易くなるこ
とでエンジン回転数が低下する傾向が生じても、エンス
トに至ることが避けられる。
【0010】なお、エンジンの運転状態が減速運転に相
当する所定運転領域にあるときに燃料供給を停止する燃
料カット制御手段を備えている場合、上記のようにテス
トモードにあるときにエンジン回転数が高められると、
減速時と同様に無負荷で比較的高回転の状態となって上
記所定運転領域に入ることもあり得ることから、上記テ
ストモード中は燃料カット制御手段による燃料供給停止
の制御を禁止することが好ましい。こうすることによ
り、テストモード中に燃料カットによって燃焼状態が不
安定になることがない。
【0011】また、上記パージ通路に設けられた流量調
節用のバルブを制御して、このバルブの開度を上記テス
トモードの開始時点から次第に増大させるとともに、こ
の制御中にエンジン回転数が低下したときは上記バルブ
の開度の増大を抑制するようにすると、テストモード中
にパージ量の急激な増大によるエンジン回転数の低下が
抑制される。
【0012】蒸発燃料供給時に空燃比制御量の学習を行
う空燃比制御手段を備えているものにあっては、上記テ
ストモードにあるときに上記学習を禁止することが好ま
しく、このようにすると、通常走行時と比べパージ量が
増大して空燃比が変動し易い傾向にある上記テストモー
ド中に、誤学習が行われることが避けられる。
【0013】アイドル運転時の回転数を目標アイドル回
転数とするように吸入空気量を制御するとともにその制
御量の学習を行うISC制御手段を備えているものにあ
っては、上記テストモードにあるときに上記ISC制御
手段による学習を禁止することが好ましく、このように
すると、通常のアイドル時と比べて蒸発燃料供給系から
の混合気供給量が変動する上記テストモード中に、IS
C制御の誤学習が行われることが避けられる。
【0014】上記テストモードにして蒸発燃料供給系の
故障診断を行っているときは、エンジンに対する他の各
種の診断を禁止することが好ましく、このようにする
と、上記テストモードとされることが他の診断、例えば
失火診断等に影響を及ぼしてその誤診断を招くといった
事態が防止される。
【0015】また、上記方法に使用する故障診断装置
は、燃料タンク内で発生した蒸発燃料をエンジンの吸気
通路に導入可能とするパージ通路と、燃料タンクと吸気
通路との間でのパージ通路の開閉及び大気開放部の開閉
をそれぞれ可能とする通路開閉手段と、パージ通路の燃
料タンク側の圧力を検出する圧力検出手段と、上記各バ
ルブ及び上記圧力検出手段に接続された制御部とを備え
た蒸発燃料供給系の故障診断を行う装置であって、上記
制御部にテスト用端子を介して接続される外部のテスト
装置を備え、エンジンがアイドル状態にあるときに上記
テスト装置からのテスト指令信号に応じて燃料タンクと
吸気通路との間で上記パージ通路を開き、かつ大気側開
放部を閉じる状態に上記通路開閉手段を制御することに
よりテストモードとするように上記制御部を構成すると
ともに、上記テスト装置に、上記制御部に対するテスト
指令信号の送信及び上記圧力検出手段の出力の受信を行
う送受信手段と、テストモード中に上記圧力検出手段の
出力の変化を調べ、その出力変化度合に基づいて蒸発燃
料供給系の故障の有無を判別する判別手段とを設けたも
のである。
【0016】この装置によると、工場等での検査時に、
上記故障診断方法が自動的に実行され、蒸発燃料供給系
の故障の診断が容易に行われる。
【0017】この装置において、エンスト防止のため、
好ましくは、上記テストモードにあるときにエンジン回
転数を通常運転時のアイドル回転数よりも高い値となる
ように制御するアイドル回転数変更手段を備える。な
お、エンジンの運転状態が減速運転に相当する所定運転
領域にあるときに燃料供給を停止する燃料カット制御手
段を備えている場合、上記テストモード中は燃料カット
制御手段による燃料供給停止の制御を禁止する燃料カッ
ト禁止手段を設ければ、テストモード中に燃料カットに
よって燃焼状態が不安定になることがない。
【0018】さらに、テストモード中のパージ量の急激
な増大によるエンジン回転数の低下を抑制するため、好
ましくは、上記パージ通路に流量調節用のバルブを設
け、このバルブの開度を上記テストモードの開始時点か
ら次第に増大させるとともに、エンジン回転数検出手段
の出力を受けて、エンジン回転数が低下したときは上記
バルブの開度の増大を抑制するように制御するテストモ
ード進行制御手段を備える。
【0019】蒸発燃料供給時に空燃比制御量の学習を行
う空燃比制御手段を備える場合は、誤学習防止のため、
上記テストモードにあるときに上記学習を禁止する手段
を備えることが好ましい。また、アイドル運転時の回転
数を目標アイドル回転数とするように吸入空気量を制御
するとともにその制御量の学習を行うISC制御手段を
備える場合は、誤学習防止のため、上記テストモードに
あるときに上記ISC制御手段による学習を禁止する手
段を備えることが好ましい。
【0020】さらに、他の各種の診断の誤診断を防止す
るため、上記テストモードにして蒸発燃料供給系の故障
診断を行っている期間にエンジンに対する他の各種の診
断を禁止する手段を備えることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1は本発明が適用される蒸発燃料供給
系を備えたエンジン全体の概略構造を示している。この
図において、1はシリンダを有するエンジン本体であ
り、そのシリンダの燃焼室2には吸気弁によって開閉さ
れる吸気ポート3及び排気弁によって開閉される排気ポ
ート4が開口している。上記吸気ポート3には吸気通路
5が接続され、排気ポート4には排気通路13が接続さ
れている。
【0022】上記吸気通路5には、その上流側から順に
エアクリーナ6,エアフローセンサ7,スロットル弁8
及びサージタンク9が設けられるとともに、吸気ポート
3の近傍に、燃料を噴射するインジェクタ10が設けら
れている。さらに、上記スロットル弁8をバイパスする
ISC通路11が設けられ、このISC通路11には、
アイドル回転数制御のためにこの通路11の空気流量を
調節するISCバルブ12が設けられている。一方、排
気通路13にはO2 センサ14、触媒装置15等が設け
られている。また、アイドルスイッチ16、エンジン回
転数センサ17が吸気通路5、エンジン本体1にそれぞ
れ具備されている。
【0023】上記インジェクタ10に対して燃料を供給
する燃料系は、燃料タンク20、燃料ポンプ21、燃料
供給通路22及びリターン通路23を備え、上記燃料ポ
ンプ21により燃料タンク20から燃料供給通路22を
通してインジェクタ10に燃料が送られるようになって
いる。上記燃料供給通路22にはフューエルフィルタ2
4が介設されている。上記リターン通路23には、吸気
圧に応じて燃圧を調整するプレッシャレギュレータ25
が設けられている。
【0024】また、上記燃料タンク20内で発生した蒸
発燃料を吸気側に供給する蒸発燃料供給系が設けられて
いる。この蒸発燃料供給系はパージ通路30を備えてお
り、このパージ通路30は、上流端が燃料タンク20の
上部に接続されるとともに、下流端が吸気通路5のサー
ジタンク9に接続されている。このパージ通路30の途
中には蒸発燃料を吸着するキャニスタ31が介設されて
おり、このキャニスタ31に大気開放通路32が接続さ
れている。
【0025】燃料タンク20とキャニスタ31との間の
パージ通路30には、チェックバルブ33と並列にソレ
ノイドバルブからなる開閉バルブ(以下TPCVバルブ
と称する)34が設けられている。また、上記大気開放
通路32には、エアフィルター35及びチェックバルブ
36が設けられるとともに、ソレノイドバルブからなる
開閉バルブ(以下CDCVバルブと称する)37が設け
られている。上記TPCVバルブ34及びCDCVバル
ブ37により、燃料タンク20と吸気通路5との間での
パージ通路30の開閉及び大気開放部の開閉をそれぞれ
可能とする通路開閉手段が構成されている。
【0026】上記キャニスタ31とサージタンク9との
間のパージ通路30には、蒸発燃料の供給量を調節する
ためのデューティソレノイドバルブからなるパージバル
ブ38が設けられている。さらに蒸発燃料供給系には、
パージ通路30の燃料タンク20側の圧力を検出する圧
力検出手段としての燃料タンク内圧力センサ(以下FT
Pセンサと称する)39が設けられている。
【0027】上記パージバルブ38、TPCVバルブ3
4及びCDCVバルブ37は制御部としてのエンジン制
御ユニット(ECU)40に接続されている。このエン
ジン制御ユニット40は、エアフローメータ7、O2
ンサ14、アイドルスイッチ16、回転数センサ17、
FTPセンサ39等からの信号を受け、上記パージバル
ブ38、TPCVバルブ34及びCDCVバルブ37を
制御し、さらにインジェクタ10の制御やISCバルブ
12の制御等も行うようになっている。また、上記制御
ユニット40は、テスト用端子41を有し、図2に示す
ように自動車50に搭載された状態で外部のテスト装置
51にカプラ52を介して接続可能となっている。上記
テスト装置51は、例えば車両の製造工場において出荷
時のエンジン検査のため、工場内の所定箇所に設置され
ており、このテスト装置51には表示手段53が付設さ
れている。
【0028】図3はエンジン制御ユニット40及びテス
ト装置51の機能構成を示している。この図のように、
エンジン制御ユニット40は、蒸発燃料系制御手段4
2、空燃比制御手段43、ISC制御手段44等を有し
ている。
【0029】上記蒸発燃料系制御手段42は、特定運転
域で上記パージバルブ38を開いて吸気通路5への蒸発
燃料の導入を行うというように運転状態に応じて蒸発燃
料の供給を制御するが、このほかに、上記テスト装置5
1に接続された状態でこのテスト装置51からテスト指
令信号を受け、かつ、アイドルスイッチ16及び回転数
センサ17からの信号等に基づいてアイドル運転状態に
あることを判別したときに、所定のテストモードとする
ように上記TPCVバルブ34、CDCVバルブ37及
びパージバルブ38を制御する。上記テストモードは、
燃料タンク20と吸気通路5との間で上記パージ通路3
0を開通させ、かつ大気側開放通路32を遮断する状態
とするものであり、TPCVバルブ34が開、CDCV
バルブ37が閉の状態に制御されることにより上記テス
トモードとなる。
【0030】さらに蒸発燃料系制御手段42は、テスト
モード時のアイドル回転数変更手段45、テストモード
進行制御手段46、学習禁止手段47及び他の診断の禁
止手段48を含んでいる。
【0031】上記アイドル回転数変更手段45はテスト
モード時のエンジン回転数を通常運転時のアイドル回転
数よりも高い値に変更する。すなわち、一般にアイドル
運転時には上記ISC制御手段44により、エンジン回
転数が目標アイドル回転数となるようにISCバルブ1
2のフィードバック制御が行われるが、その目標アイド
ル回転数がテストモード時には通常のアイドル運転時
(例えば700rpm程度)と比べて高い値(例えば2
000rpm程度)に設定される。
【0032】上記テストモード進行制御手段46は、上
記パージバルブ38を上記テストモードの開始時点から
次第に開度を増大させるように制御するとともに、その
制御中に、回転数センサ17により検出されるエンジン
回転数が低下したときは上記パージバルブ38の開度の
増大を抑制するようになっている。
【0033】上記学習禁止手段47は、上記テストモー
ドにあるときに、空燃比制御手段43による蒸発燃料供
給時の学習と、ISC制御手段44による学習とを禁止
するようになっている。つまり、上記空燃比制御手段4
3は、O2 センサ14の出力に基づいてインジェクタ1
0からの燃料噴射量のフィードバック補正(空燃比のフ
ィードバック制御)を行うとともに、蒸発燃料供給時に
はそれに応じた燃料噴射量補正の学習を行うようになっ
ており、また、上記ISC制御手段44は上記のように
アイドル運転時にはISCバルブ12のフィードバック
制御を行うとともにその学習を行うようになっている
が、上記テストモードにあるときにはこれらの学習が禁
止されるようになっている。
【0034】また、他の診断の禁止手段48は、上記テ
ストモードにあるときに、他の各種の診断、例えば失火
診断や燃料系、ISC系等の診断を禁止するようになっ
ている。
【0035】一方、上記テスト装置51には、送受信手
段54と、判別手段55とが設けられている。上記送受
信手段54は、上記エンジン制御ユニット40に対する
テスト指令信号の送信及び上記FTPセンサ39の出力
の受信等を行うようになっている。また、上記判別手段
55は、テストモード中に上記FTPセンサ39の出力
の変化を調べ、その出力変化度合に基づいて蒸発燃料供
給系の故障の有無を判別するものであり、後述の図4の
フローチャートに示す例では、テスト指令信号の送信の
際及び所定時間後にそれぞれ受信した上記FTPセンサ
39の出力の偏差に基づいて蒸発燃料供給系の故障の有
無を判別するようになっている。また、テスト装置51
に付設された表示手段53は、上記判別手段55によっ
て蒸発燃料供給系の故障が判別されたときにその故障の
表示を行うようになっている。
【0036】上記テスト装置及びエンジン制御ユニット
によって行われる故障診断の方法を、図5のタイムチャ
ートを参照しつつ、図4のフローチャートによって説明
する。
【0037】自動車製造工場での出荷時等に上記エンジ
ン制御ユニット40と上記テスト装置51とが接続され
た状態で、テスト装置51側で蒸発燃料供給系の故障診
断の開始のための入力操作が行われると、テスト装置5
1はFTPセンサ出力の送信要求(図5中の信号PA
1)をエンジン制御ユニット40に送信し、それに応じ
てエンジン制御ユニット40はステップS101でFT
Pセンサ39の検出値(FTP1)を送信する(図5中
の信号PB1)。テスト装置51はステップS1でこの
信号を受信してFTPセンサ39の検出値(FTP1)
を読み出す。続いてテスト装置51は、ステップS2
で、テスト指令(図5中の信号PC)をエンジン制御ユ
ニット40に送信し、それに応じてエンジン制御ユニッ
ト40はステップS102でテストモードを起動する。
【0038】エンジン制御ユニット40によるテストモ
ード起動後の処理としては、ステップS103でアイド
ルスイッチ16、回転数センサ17等からの信号に基づ
いてアイドル状態か否かを調べ、アイドル状態でなけれ
ばそのまま終了するが、アイドル状態であれば、ステッ
プS104以降の処理を行う。
【0039】ステップS104では、パージ学習(蒸発
燃料供給時の空燃比制御量の学習)と、ISC学習(ア
イドル回転数制御量の学習)と、蒸発燃料供給系故障診
断以外の各種のエンジン診断とをいずれも禁止する。続
くステップS105では、アイドル回転数を所定の回転
数にまで上げ、つまり図5中に示すように、ISC制御
手段により行われるアイドル時の回転数フィードバック
制御における目標回転数nOを所定回転数まで高める。
さらに、ステップS106ではCDCVバルブ37を閉
じるとともにTPCVバルブ34を開き、ステップS1
07ではパージバルブ38を所定値まで徐々に開く。
【0040】そして、パージバルブ38を徐々に開いて
いく期間にエンジン回転数が低下したか否かをステップ
S108で調べ、低下していればステップS109でパ
ージバルブ38の開度を一定に保持し、又はパージ減量
方向(開度を小さくする方向)にパージバルブ38を作
動する。つまり、図5にも示すように、テストモード起
動直後からエンジン回転数neが高い目標アイドル回転
数nOへ向けて次第に上昇する(符号61で示す部分)
一方、これと同時もしくはこれより多少遅れた時期か
ら、上記パージバルブ38の制御デューティが次第に増
大される(符号71で示す部分)ことでパージバルブ3
8が徐々に開かれていくが、その制御デューティの増大
途中でエンジン回転数が基準値nA以下にまで落ち込む
(符号62で示す部分)と、制御デューティが保持もし
くは減少される(符号72で示す部分)。その後、エン
ジン回転数が再上昇して上記基準値nAを越えると(符
号63で示す部分)、上記制御デューティが再び増大さ
れて(符号73で示す部分)、所定値になるまでパージ
バルブ38が開かれる。
【0041】エンジン回転数が目標アイドル回転数に達
するとともに制御デューティが所定値になると、テスト
モード起動後にタイマーで設定された時間Tb(Taよ
り多少長い時間)が経過するまで、この状態が保たれる
(図5中の符号64,74の部分)。なお、後述のよう
にテストモード中に燃料タンク内圧力が次第に低下する
(図5中の線81)が、その圧力低下が過大になるよう
な場合(図5中の二点鎖線82)は、所定圧力まで低下
したときに上記デューティを0%としてパージバルブ3
8を閉じるようにしてもよい(図5中の二点鎖線7
6)。
【0042】また、上記テスト装置51は、テスト指令
送信後にタイマーで設定された時間Taが経過したか否
かを調べ(ステップS3)、設定時間Taが経過したと
きにはFTPセンサ出力の送信要求(図5中の信号PA
2)をエンジン制御ユニット40に送信する。これに応
じてエンジン制御ユニット40は、ステップS110で
FTPセンサ39の検出値(FTP2)を送信する(図
5中の信号PB2)。テスト装置51はステップS4で
この信号を受信してFTPセンサ39の検出値(FTP
2)を読み出す。
【0043】続いてテスト装置51は、ステップS5
で、上記ステップS2及びステップS4でそれぞれ読み
出したFTPセンサ39の検出値の偏差(FTP1−F
TP2)の絶対値が所定値αより小さいか否かを調べ
る。そして、所定値αより小さければステップS6で蒸
発燃料供給系の故障(NG)と判定して、表示手段53
に故障の表示を行わせ、また、所定値α以上であれば、
ステップS7で蒸発燃料供給系が正常(OK)と判定す
る。
【0044】一方、エンジン制御ユニット40において
は、テストモード起動後にタイマーで設定された時間T
b(Taより多少長い時間)が経過したことをステップ
S111で判定したときに、ステップS112でCDC
Vバルブ37を開き、TPCVバルブ34を閉じ、かつ
パージバルブ38を閉じるとともに、ステップS113
で学習、診断の禁止を解除してから、終了する。
【0045】以上のような方法によると、製造工場での
出荷時検査等において、蒸発燃料供給系の故障診断が簡
単に効率良く、しかも適正に行われる。
【0046】すなわち、出荷時検査の工程でエンジンが
作動されて検査場所に置かれているときはアイドル状態
にあり、この状態で上記テスト装置51からの指令があ
れば自動的にテストモードが起動されて、CDCVバル
ブ37が閉、TPCVバルブ34が開とされるとともに
パージバルブ38が次第に開かれる。これにより、パー
ジ通路30及びこれに通じる燃料タンク20が大気側か
ら密閉された状態でサージタンク9に接続され、アイド
ル運転中のサージタンク9内の負圧によりパージ通路3
0及び燃料タンク20内のガスが吸引される。
【0047】このため、蒸発燃料供給系が正常であれ
ば、燃料タンク20内の圧力が図5中に線81で示すよ
うに次第に低下し、テスト装置51によりテスト開始の
際に読み出された圧力検出値(FTP1)と設定時間T
aの経過後に読み出された圧力検出値(FTP2)との
偏差の絶対値が所定値αよりも大きくなる。一方、蒸発
燃料供給系に配管の外れ等の故障があった場合、燃料タ
ンク20内の圧力が充分に低下しなくて上記偏差の絶対
値が所定値αよりも小さくなるため、故障が判別され
る。このような故障の診断がテスト装置51により自動
的に行われる。
【0048】また、このような故障診断中のテストモー
ドでは、パージ通路30が大気側から密閉された状態で
サージタンク9に接続されるため、CDCVバルブ37
が開かれた状態でパージが行われるような通常運転中の
制御状態と比べるとパージ量が増加してオーバーリッチ
による失火が生じ易くなり、また、故障診断中に失火に
よりエンジン回転数が低下してエンストに至ると、エン
ジン再始動に時間を要するため、処理能率が低下し、工
場等で多数の自動車の故障診断を行っていく場合に大き
な問題となるが、当実施形態ではこのような事態が確実
に防止される。
【0049】すなわち、テストモードとなったときにエ
ンジン回転数が高められることにより、テストモード中
にパージ量が増大してオーバーリッチによりエンジン回
転数が多少低下する傾向が生じてもエンストに至ること
が避けられる。さらに、テストモードとなってからパー
ジバルブ38が次第に開かれるとともに、エンジン回転
数の低下が生じればパージバルブ38の開度が保持さ
れ、またはパージ量減少方向にパージバルブ38が作動
されるようになっていることにより、急激なパージ量の
増大に伴うオーバーリッチ化によるエンジン回転低下が
抑制され、より確実にエンストが防止される。
【0050】また、上記テストモード中には、上記のよ
うにパージ通路30が大気側から密閉されていてパージ
量が増大し易い等、通常時とは条件が著しく相違し、こ
れが空燃比制御やISC制御に影響を及ぼすので、この
テストモード中にパージ学習やISC学習を行うとその
学習値は通常制御時に不適正な値となる。そこで当実施
形態では、テストモード中はパージ学習及びISC学習
を禁止し、誤学習を防止している。また、上記テストモ
ード中は、失火が生じ易くなることから、エンジンの失
火診断を行うと正常なエンジンでも診断結果が悪くな
り、さらに空燃比制御やISC制御等に関する診断を行
った場合もその診断結果に影響を及ぼし、誤診断を招き
易い。そこで当実施形態では、テストモード中は他の診
断を禁止し、誤診断を防止している。
【0051】テスト装置51及びエンジン制御ユニット
40によって行われる故障診断の方法の別の実施形態
を、図6〜図8によって説明する。この実施形態におい
てエンジン制御ユニット40は、エンジンの運転状態が
減速運転に相当する所定運転領域にあるときに燃料供給
を停止する燃料カット制御手段としての機能と、上記テ
ストモード中は燃料カット制御手段による燃料供給停止
の制御を禁止する燃料カット禁止手段としての機能とを
有している。なお、これらフローチャートに示す制御
は、故障診断そのものの具体的方法も前記の図4に示し
た例とは多少相違していて、スモールリークを調べるの
に適したものとなっている。
【0052】図6及び図7は故障診断のためのフローチ
ャートであり、このフローチャートにおいては、先ず、
エンジン制御ユニット40とテスト装置51とが接続さ
れた状態(図2参照)で、テスト装置側で故障診断開始
のための入力操作が行なわれることにより、テスト装置
51がステップS201でテスト指令を送信し、エンジ
ン制御ユニット40は、ステップS301で上記テスト
指令を受診し、それに応じてテストモードを起動する。
【0053】エンジン制御ユニット40によるテストモ
ード起動後の処理としては、ステップS302でアイド
ル状態か否かを調べ、アイドル状態でなければそのまま
終了するが、アイドル状態であれば、ステップS303
以降の処理を行う。
【0054】ステップS303では、燃料カット(燃料
供給停止)を禁止する処理として、燃料カット禁止フラ
ッグF1を「1」にセットする。
【0055】続くステップS304では、エンジン回転
数を所定値にまで上げ、つまりISC制御手段により行
われるアイドル時の回転数フィードバック制御における
目標回転数を所定回転数まで高める。さらに、ステップ
S305ではCDCVバルブ37を閉じるとともにTP
CVバルブ34を開き、ステップS306ではパージバ
ルブ38を所定値まで徐々に開く。そして、パージバル
ブ38を徐々に開いていく期間にエンジン回転数が低下
したか否かをステップS307で調べ、低下していれば
ステップS308でパージバルブ38の開度を一定に保
持し、又はパージ減量方向(開度を小さくする方向)に
パージバルブ38を作動する。これらステップS304
〜S308の処理は、図4中のステップS105〜S1
09と同様である。
【0056】次いでステップS309では、FTPセン
サ出力(FTP)が設定値aよりも低くなったか否か、
つまり燃料タンク内圧力が充分に負圧となったか否かを
判定し、その判定がNOのときは、ステップS310
で、ステップS305,S306の処理の開始から所定
時間が経過したか否かを判定し、その判定がNOのとき
はステップS305からの処理を繰り返す。この所定時
間は、燃料タンク内圧力が充分に負圧となるまでに要す
る時間であって、例えば30秒程度である。
【0057】ステップS309,310のいずれかがY
ESになると、ステップS311でその時のFTPセン
サ39の検出値FTP11を送信する。
【0058】次に、ステップS312でパージバルブ3
8を閉じ、ステップS313でパージバルブ38を閉じ
てから所定時間が経過したか否かを調べ、所定時間が経
過するまではCDCVバルブ37が閉、TPCVバルブ
34が開、パージバルブ38が閉の状態を維持する。こ
のときの所定時間は、蒸発燃料供給系に比較的小さな洩
れ(スモールリーク)がある場合にそのスモールリーク
による圧力上昇を判別できる程度の時間であって、例え
ば30秒程度である。
【0059】ステップS313で所定時間が経過したこ
とを判定すると、ステップS314でその時のFTPセ
ンサ39の検出値FTP12を送信する。それ後、ステ
ップS315でCDCVバルブ37を開くとともにTP
CVバルブ34を閉じ、ステップS316でエンジン回
転数を通常のアイドル回転数に復帰させ、さらにステッ
プS317で、燃料カットを許可する処理として、燃料
カット禁止フラッグF1を「0」としてから、エンジン
制御ユニット40側のテストモードの処理を終了する。
【0060】一方、テスト装置51は、エンジン制御ユ
ニット40からステップS311でで送信されたFTP
センサ検出値FTP11とステップS314で送信され
たFTPセンサ検出値FTP12とをステップS20
2,S203でそれぞれ受診し、ステップS204で、
上記両検出値FTP11,FTP12の偏差の絶対値が
所定値βより大きいか否かを判定することにより、スモ
ールリークの有無を調べる。すなわち、CDCVバルブ
37を閉、TPCVバルブ34を開とした状態でパージ
バルブ38を開いて負圧を導入するときにはリークが小
さければ燃料タンク内が充分に負圧になるが、その後に
パージバルブ38を閉じて燃料タンク側に負圧を閉じ込
める状態を所定時間維持すると、スモールリークがある
場合に燃料タンク内の圧力は次第に上昇し、両検出値F
TP11,FTP12の偏差の絶対値が所定値βより大
きくなることにより、スモールリークが判別される。
【0061】そして、所定値βより大きければステップ
S205で蒸発燃料供給系の故障(NG)と判定して、
表示手段53に故障の表示を行わせ、また、所定値β以
下であれば、ステップS206で蒸発燃料供給系が正常
(OK)と判定する。
【0062】また、図8は燃料噴射制御のフローチャー
トである。このフローチャートの処理は所定クランク角
毎にスタートし、先ずステップS401で運転状態を検
出し、ステップS402で、エアフローセンサ7により
検出される吸入空気量とエンジン回転数センサ17によ
り検出されるエンジン回転数とに基づき、基本燃料噴射
量TBASEを設定するとともに、ステップS403で各種
補正量Tcを設定する。そして、ステップS404で、
上記基本燃料噴射量TBASEに上記補正量Tcを加算する
ことにより燃料噴射量TTOTALを求める。
【0063】次に、ステップS405でエンジンの運転
状態が燃料カットゾーンにあるか否かを判定する。この
燃料カットゾーンは減速運転に相当する所定運転領域で
あり、例えばスロットル弁全閉で、かつ、エンジン回転
数が燃料カット判定用の基準回転数以上となる領域が燃
料カットゾーンとされている。
【0064】燃料カットゾーンにない場合は、ステップ
S406で噴射タイミングになるまで待ってから、ステ
ップS407で、上記ステップS404において求めら
れた燃料噴射量TTOTALでインジェクタ10からの燃料
噴射を実行する。
【0065】燃料カットゾーンにある場合は、ステップ
S408で燃料カット禁止フラッグF1が「0」か否か
を判定する。そして、この判定がYESのときは、ステ
ップS409で燃料噴射量TTOTALを「0」とすること
により、燃料カットを行なう。一方、燃料カット禁止フ
ラッグF1が「1」のとき(ステップS408がNOの
とき)には、燃料カットゾーンにない場合と同様にステ
ップS406,S407の処理を行なうことにより、燃
料噴射を実行する。
【0066】上記のような図6〜図8に示す制御による
と、テストモードで故障診断が行なわれているとき、エ
ンジン回転数が高められつつ、不必要に燃料カット制御
が行なわれることが確実に避けられ、運転状態が良好に
保たれる。
【0067】この作用を具体的に説明する。テスト装置
51からテスト指令の信号が送信されるとともにアイド
ル運転状態にある時にテストモードが起動されるが、テ
ストモードになるとエンジン回転数が通常のアイドル回
転数よりも高められる(ステップS303)ため、エン
ジン回転数が燃料カット判定用の基準回転数以上となっ
て、エンジンの運転状態が燃料カットゾーンに入ってし
まうことがある。そして、この場合に燃料カット制御が
実行されると、テストモード中はエンストを防止してエ
ンジンの作動の安定性を確保するためにエンジン回転数
を上昇させるようにしているにもかかわらず、燃料供給
の停止によりエンジン回転数が低下してエンストを招き
易くなる。
【0068】そこでテストモード中は、燃料カット禁止
のためのステップS303の処理と、それに応じた燃料
噴射量制御の中のステップS408等の処理により、燃
料カットが禁止され、エンジンの運転状態が燃料カット
ゾーンに入っても燃料供給が実行される。このため、エ
ンジン回転数が高い状態でエンジンの作動の安定性が確
保され、エンストが確実に防止される。
【0069】上記の図6〜図8に示す例では、テストモ
ードにあるときに燃料カットを禁止する処理として、燃
料カット禁止フラッグF1をセットするようにしている
が、テストモード中だけ燃料カット判定用の基準回転数
を高くして燃料カットゾーンを狭めることにより、エン
ジン回転数を所定値まで上昇させても燃料カットゾーン
に入らないようにし、あるいは、エンジン回転数検出信
号やアイドルスイッチ等の信号を燃料カットゾーンから
外れるような擬似信号に置き換えるようにしてもよい。
【0070】また、このようにテストモードにあるとき
に燃料カットを禁止する処理は、図4のフローチャート
中に示すパージ学習禁止、ISC学習禁止及び他の診断
の禁止の各処理と併せて行なうようにしてもよい。
【0071】なお、本発明の方法及び装置は、製造工場
での出荷時の検査に適用されるほかに、修理工場等での
検査、診断にも適用することができる。また、通常走行
時中には前述の特開平5−256214号に示されるよ
うな方法で蒸発燃料供給系の故障診断を行うようにする
一方、工場等での検査時には上記実施形態に示すような
方法で故障診断を行うようにすることが望ましい。
【0072】
【発明の効果】本発明の方法及び装置は、蒸発燃料供給
系の通路開閉手段等を制御する制御部と外部のテスト装
置とがテスト用端子を介して接続されるようにし、エン
ジンをアイドル状態とするとともに上記テスト装置から
の指令信号により燃料タンクと吸気通路との間で上記パ
ージ通路を開き、かつ大気側開放部を閉じる状態に通路
開閉手段を制御するテストモードとし、このテストモー
ドでの所定時間における上記圧力センサの出力の変化を
上記テスト装置により調べて、蒸発燃料供給系の故障の
有無を判別するようにしているため、工場等でテスト装
置を用いて簡単に能率良く蒸発燃料供給系の故障を診断
し、かつ、適正な診断を行うことができる。
【0073】この方法及び装置において、テストモード
にあるときのアイドル回転数を通常運転時のアイドル回
転数よりも高い値に設定しておけば、テストモード中に
パージ量の増大によるオーバーリッチ化で失火し易い状
態となっても、エンストを防止し、エンストにより診断
が中断されて処理能率の低下を招くといった事態を防止
することができる。
【0074】さらに、パージ通路に設けられた流量調節
用のバルブの開度を上記テストモードの開始時点から次
第に増大させるとともに、この制御中にエンジン回転数
が低下したときは上記バルブの開度の増大を抑制するよ
うにしておけば、テストモードとなってからの急激なパ
ージ量の増大によるオーバーリッチ化によるエンジン回
転数の低下を避けて、エンストを防止することができ
る。
【0075】また、上記テストモードにあるときに蒸発
燃料供給時の空燃比制御量の学習やISC制御の学習を
禁止するようにしておけば、通常運転中とは異なる条件
下にあるテストモード中に誤学習が行われることを防止
することができる。
【0076】また、上記テストモード中にエンジンに対
する他の各種の診断を禁止するようにしておけば、上記
テストモードとされることが他の各種の診断に及ぼす影
響で誤診断を招くといった事態を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法及び装置が適用される蒸発燃料供
給系を備えたエンジンの一例を示す概略図である。
【図2】エンジン制御ユニットと外部のテスト装置との
接続関係を示す概略図である。
【図3】故障診断装置を構成する部分の機能ブロック図
である。
【図4】故障診断方法の一例を示すフローチャートであ
る。
【図5】故障診断のための各種信号、バルブの作動、セ
ンサ出力値等の時間的変化を示すタイムチャートであ
る。
【図6】別の実施形態による故障診断方法のフローチャ
ートの一部を示すものである。
【図7】同フローチャートの残りの部分を示すものであ
る。
【図8】燃料噴射制御のフローチャートである。
【符号の説明】
5 吸気通路 10 インジェクタ 20 燃料タンク 30 パージ通路 34 TPCVバルブ 37 CDCVバルブ 38 パージバルブ 39 圧力センサ 40 エンジン制御ユニット 42 蒸発燃料系制御手段 45 アイドル回転数変更手段 46 テストモード進行制御手段 47 学習禁止手段 48 他の診断の禁止手段 51 テスト装置 54 送受信手段 55 判別手段
フロントページの続き (72)発明者 細貝 徹志 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 太田 裕二 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンク内で発生した蒸発燃料をエン
    ジンの吸気通路に導入可能とするパージ通路と、燃料タ
    ンクと吸気通路との間でのパージ通路の開閉及び大気開
    放部の開閉をそれぞれ可能とする通路開閉手段と、パー
    ジ通路の燃料タンク側の圧力を検出する圧力検出手段
    と、上記通路開閉手段及び上記圧力検出手段に接続され
    た制御部とを備えた蒸発燃料供給系の故障診断を車両検
    査時に行う方法であって、エンジンをアイドル状態とす
    るとともに、外部のテスト装置から上記制御部にテスト
    用の信号を送信することにより、燃料タンクと吸気通路
    との間で上記パージ通路を開き、かつ大気側開放部を遮
    断する状態に上記通路開閉手段を制御して、この制御状
    態をテストモードとし、このテストモードでの所定時間
    における上記圧力検出手段の出力の変化を上記テスト装
    置により調べ、この圧力検出手段の出力変化度合に基づ
    いて蒸発燃料供給系の故障の有無を判別する蒸発燃料供
    給系の故障診断方法。
  2. 【請求項2】 上記テストモードにあるときのエンジン
    回転数を通常運転時のアイドル回転数よりも高い値に設
    定したことを特徴とする請求項1記載の蒸発燃料供給系
    の故障診断方法。
  3. 【請求項3】 エンジンの運転状態が減速運転に相当す
    る所定運転領域にあるときに燃料供給を停止する燃料カ
    ット制御手段を備えたエンジンにおける蒸発燃料供給系
    の故障診断方法であって、上記テストモード中は燃料カ
    ット制御手段による燃料供給停止の制御を禁止すること
    を特徴とする請求項2記載の蒸発燃料供給系の故障診断
    方法。
  4. 【請求項4】 上記パージ通路に設けられた流量調節用
    のバルブを制御して、このバルブの開度を上記テストモ
    ードの開始時点から次第に増大させるとともに、この制
    御中にエンジン回転数が低下したときは上記バルブの開
    度の増大を抑制することを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれかに記載の蒸発燃料供給系の故障診断方法。
  5. 【請求項5】 蒸発燃料供給時に空燃比制御量の学習を
    行う空燃比制御手段を備えたエンジンにおける蒸発燃料
    供給系の故障診断方法であって、上記テストモードにあ
    るときに上記学習を禁止することを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれかに記載の蒸発燃料供給系の故障診断方
    法。
  6. 【請求項6】 アイドル運転時の回転数を目標アイドル
    回転数とするように吸入空気量を制御するとともにその
    制御量の学習を行うISC制御手段を備えたエンジンに
    おける蒸発燃料供給系の故障診断方法であって、上記テ
    ストモードにあるときに上記ISC制御手段による学習
    を禁止することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
    に記載の蒸発燃料供給系の故障診断方法。
  7. 【請求項7】 上記テストモードにして蒸発燃料供給系
    の故障診断を行っているときは、エンジンに対する他の
    各種の診断を禁止することを特徴とする請求項1乃至6
    のいずれかに記載の蒸発燃料供給系の故障診断方法。
  8. 【請求項8】 燃料タンク内で発生した蒸発燃料をエン
    ジンの吸気通路に導入可能とするパージ通路と、燃料タ
    ンクと吸気通路との間でのパージ通路の開閉及び大気開
    放部の開閉をそれぞれ可能とする通路開閉手段と、パー
    ジ通路の燃料タンク側の圧力を検出する圧力検出手段
    と、上記各バルブ及び上記圧力検出手段に接続された制
    御部とを備えた蒸発燃料供給系の故障診断を行う装置で
    あって、上記制御部にテスト用端子を介して接続される
    外部のテスト装置を備え、エンジンがアイドル状態にあ
    るときに上記テスト装置からのテスト指令信号に応じて
    燃料タンクと吸気通路との間で上記パージ通路を開き、
    かつ大気側開放部を閉じる状態に上記通路開閉手段を制
    御することによりテストモードとするように上記制御部
    を構成するとともに、上記テスト装置に、上記制御部に
    対するテスト指令信号の送信及び上記圧力検出手段の出
    力の受信を行う送受信手段と、テストモード中に上記圧
    力検出手段の出力の変化を調べ、その出力変化度合に基
    づいて蒸発燃料供給系の故障の有無を判別する判別手段
    とを設けたことを特徴とする蒸発燃料供給系の故障診断
    装置。
  9. 【請求項9】 上記テストモードにあるときにエンジン
    回転数を通常運転時のアイドル回転数よりも高い値とな
    るように制御するアイドル回転数変更手段を備えたこと
    を特徴とする請求項8記載の蒸発燃料供給系の故障診断
    装置。
  10. 【請求項10】 エンジンの運転状態が減速運転に相当
    する所定運転領域にあるときに燃料供給を停止する燃料
    カット制御手段を備えたエンジンにおける蒸発燃料供給
    系の故障診断装置であって、上記テストモード中は燃料
    カット制御手段による燃料供給停止の制御を禁止する燃
    料カット禁止手段を備えたことを特徴とする請求項9記
    載の蒸発燃料供給系の故障診断装置。
  11. 【請求項11】 上記パージ通路に流量調節用のバルブ
    を設け、このバルブの開度を上記テストモードの開始時
    点から次第に増大させるとともに、エンジン回転数検出
    手段の出力を受けて、エンジン回転数が低下したときは
    上記バルブの開度の増大を抑制するように制御するテス
    トモード進行制御手段を備えたことを特徴とする請求項
    8乃至10のいずれかに記載の蒸発燃料供給系の故障診
    断装置。
  12. 【請求項12】 蒸発燃料供給時に空燃比制御量の学習
    を行う空燃比制御手段を備えたエンジンにおける蒸発燃
    料供給系の故障診断装置であって、上記テストモードに
    あるときに上記学習を禁止する手段を備えたことを特徴
    とする請求項8乃至11のいずれかに記載の蒸発燃料供
    給系の故障診断装置。
  13. 【請求項13】 アイドル運転時の回転数を目標アイド
    ル回転数とするように吸入空気量を制御するとともにそ
    の制御量の学習を行うISC制御手段を備えたエンジン
    における蒸発燃料供給系の故障診断装置であって、上記
    テストモードにあるときに上記ISC制御手段による学
    習を禁止する手段を備えたことを特徴とする請求項8乃
    至12のいずれかに記載の蒸発燃料供給系の故障診断装
    置。
  14. 【請求項14】 上記テストモードにして蒸発燃料供給
    系の故障診断を行っている期間にエンジンに対する他の
    各種の診断を禁止する手段を備えたことを特徴とする請
    求項8乃至13のいずれかに記載の蒸発燃料供給系の故
    障診断装置。
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