JP2000282973A - 蒸発燃料処理系圧力検出手段の故障診断装置 - Google Patents

蒸発燃料処理系圧力検出手段の故障診断装置

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JP2000282973A
JP2000282973A JP11089810A JP8981099A JP2000282973A JP 2000282973 A JP2000282973 A JP 2000282973A JP 11089810 A JP11089810 A JP 11089810A JP 8981099 A JP8981099 A JP 8981099A JP 2000282973 A JP2000282973 A JP 2000282973A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸発燃料処理系圧力検出手段の故障診断装置
において、圧力センサが正常であるのにスロッシュ故障
であると誤って診断するのを防止し、上記圧力センサの
故障診断の精度を向上させること。 【解決手段】 車両の停止状態を検出する停止状態検出
手段と、該停止状態検出手段により車両の停止状態が検
出されているときに、圧力検出手段により検出される圧
力の変動量に基づいてスロッシュ故障を診断するスロッ
シュ故障診断手段と、蒸発燃料処理系内の圧力が変動す
る状態であるか否かを判定する判定手段と、該判定手段
により蒸発燃料処理系内の圧力が変動する状態であると
判定されたときに、上記スロッシュ故障診断手段による
スロッシュ故障診断を禁止または該診断手段による診断
結果を無効にするスロッシュ故障診断禁止手段とを備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンクで発生
した蒸発燃料をエンジンの所定の運転状況時に吸気系へ
放出することにより燃焼させる蒸発燃料処理系に備えら
れる圧力検出手段の故障診断装置に関し、該故障診断装
置の改良技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガソリン等の液体燃料を燃料と
するエンジンが搭載された自動車等には、燃料タンク内
で発生した蒸発燃料を燃焼処理する蒸発燃料処理系が備
えられる。この蒸発燃料処理系には、図9に示すよう
に、上記の蒸発燃料を蒸発燃料通路Aを介して吸着保持
するキャニスタBと、該キャニスタBとエンジンの吸気
系とを連通するパージ通路Cと、該パージ通路Cを開閉
するパージバルブDと、キャニスタBを大気に開放する
大気開放通路Eとが備えられる。そして、エンジンの所
定の運転状態のときに上記パージバルブDが開弁される
ことにより、エンジン吸気系の負圧によって大気開放通
路Eを介して空気がキャニスタBに導入され、この空気
とともにキャニスタB中の活性炭に吸着保持された蒸発
燃料が該活性炭から離脱して、上記パージ通路Cを介し
てエンジンの吸気系に放出されることにより、燃料タン
クFに発生した蒸発燃料を燃焼処理するように構成され
ている。
【0003】また、この種の蒸発燃料処理系には、特開
平9−291855号公報に開示されているように、該
処理系における故障の発生を検出する故障検出システム
が設けられることがある。この故障検出システムには、
上記大気開放通路Eを開閉するドレンカットバルブG
と、上記蒸発燃料処理系内の圧力を検出する圧力センサ
Hとが備えられる。そして、上記ドレンカットバルブG
を閉弁するとともにパージバルブDを開弁して上記処理
系内を減圧し、そのあと上記パージバルブDを閉弁し
て、該バルブDの閉弁時から所定時間経過後の圧力に基
づいて故障の発生を検出するようになっている。
【0004】その場合に、故障検出システムによる上記
処理系の故障検出を正確に行うためには、上記圧力セン
サHが正常に作動していることが不可欠である。特許第
2688674号公報には、上記処理系の故障診断用に
用いられる圧力センサが正常に作動しているか否かを診
断することを目的として、該圧力センサの故障を診断す
る故障診断装置を設けたものが開示されている。この公
報に開示されている故障診断装置は、エンジン始動後の
所定時間内における圧力センサの検出値の変化が所定値
より小さい時に圧力センサを異常として判定することに
より、上記圧力センサの故障診断を行なうように構成さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の圧
力センサに発生する故障の一態様として、電気ノイズに
より該圧力センサの出力値が脈動的に変動するスロッシ
ュ故障と称する故障がある。一方、上記圧力センサが正
常である場合においても、圧力センサの出力値が上記ス
ロッシュ故障による変動と同じように変動する場合があ
る。
【0006】例えば、上記蒸発燃料処理系に備えられる
パージバルブが開弁して、パージ通路が開通していると
きには、エンジンの吸気脈動による圧力変動が上記パー
ジ通路を介して蒸発燃料に伝わることにより、上記圧力
センサの出力値が脈動的に変動するのである。
【0007】また、例えば、エンジンの始動直後は、燃
料タンク及び該タンク内の液体燃料に揺れが生じ、液体
燃料の蒸発面積が変動して該燃料の蒸発量が変動するこ
とがある。そして、特に、燃料タンクの温度が高い場合
において上記液体燃料が揺れたときには、蒸発燃料の発
生量、ひいては燃料タンク内圧が比較的大きく変動し
て、圧力センサの出力値が大きく脈動的に変動するので
ある。
【0008】このように、パージバルブが開弁している
場合等のときには、圧力センサが故障していなくても出
力値が脈動的に変動するため、そのような状態のときに
圧力センサの故障診断を行なうと、圧力センサが正常で
あるのに異常であると誤って診断する場合が生じるとい
う不具合が発生する。
【0009】そこで、本発明は、蒸発燃料処理系圧力検
出手段の故障診断装置において、上記のような不具合を
防止して、上記圧力センサの故障診断の精度を向上させ
ることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、上
記課題を解決するため、次のように構成したことを特徴
とする。
【0011】まず、本願の請求項1に記載の発明(以
下、「第1発明」という。)は、燃料タンク内に発生した
蒸発燃料を吸着保持手段により吸着保持し、該吸着保持
手段により吸着保持された蒸発燃料をエンジンの吸気系
に放出して処理する蒸発燃料処理系に備えられ、該処理
系の故障を検出する圧力検出手段の故障診断装置におい
て、車両の停止状態を検出する停止状態検出手段と、該
停止状態検出手段により車両の停止状態が検出されてい
るときに、上記圧力検出手段により検出される圧力の変
動量に基づいてスロッシュ故障を診断するスロッシュ故
障診断手段と、上記蒸発燃料処理系内の圧力が変動する
状態であるか否かを判定する判定手段と、該判定手段に
より蒸発燃料処理系が圧力変動を生じる状態であると判
定されたときに、上記スロッシュ故障診断手段による故
障診断動作を禁止しまたは該診断手段による診断結果を
無効にするスロッシュ故障診断禁止手段とを備えたこと
を特徴とする。
【0012】次に、同じく請求項2に記載の発明(以
下、「第2発明」という。)は、上記第1発明において、
判定手段を、蒸発燃料処理系が蒸発燃料のエンジンの吸
気系に放出中であるときに蒸発燃料処理系内の圧力が変
動する状態であると判定するように構成したことを特徴
とする。
【0013】また、請求項3に記載の発明(以下、「第
3発明」という。)は、上記第1発明において、判定手
段を、エンジン始動時の燃料タンク内における蒸発燃料
の発生量が所定値以上であるときに蒸発燃料処理系内の
圧力が変動する状態であると判定するように構成したこ
とを特徴とする。
【0014】そして、請求項4に記載の発明(以下、
「第4発明」という。)は、上記第3発明において、判
定手段を、燃料タンク内の温度もしくは燃料タンク内の
圧力の少なくとも一方をパラメータとして、エンジン始
動時の燃料タンク内における蒸発燃料の発生量が所定値
以上であると推定するように構成したことを特徴とす
る。
【0015】上記第1〜第4発明の構成によれば、それ
ぞれ次のような作用が得られる。
【0016】まず、第1発明の蒸発燃料処理系圧力検出
手段の故障診断装置によれば、当該車両の停止状態であ
っても蒸発燃料処理系内の圧力が変動する状態であると
判定されたときには、スロッシュ故障診断が禁止され、
または診断結果が無効にされるから、圧力検出手段の出
力値の変動が、蒸発燃料処理系内の圧力が変動する状態
であることによるものであるのにスロッシュ故障である
と誤って診断するということが防止することができ、そ
の一方で、上記のような条件が成立していないときに
は、故障診断が実行されることになる。これにより、圧
力検出手段の故障診断の診断精度が向上することにな
る。
【0017】次に、第2発明の蒸発燃料処理系圧力検出
手段の故障診断装置によれば、判定手段を、蒸発燃料処
理系が蒸発燃料のエンジンの吸気系に放出中であるとき
に蒸発燃料処理系内の圧力が変動する状態であると判定
するように構成したので、蒸発燃料処理系が蒸発燃料の
放出中であるときには、スロッシュ故障診断が禁止さ
れ、または診断結果が無効にされることになり、誤診断
を防止することができる。その一方で、蒸発燃料処理系
が蒸発燃料の放出中でないときには、故障診断が実行さ
れることになる。これにより、圧力検出手段の故障診断
の診断精度が向上する。
【0018】また、第3発明の蒸発燃料処理系圧力検出
手段の故障診断装置によれば、判定手段を、エンジン始
動時の燃料タンク内における蒸発燃料の発生量が所定値
以上であるときに蒸発燃料処理系内の圧力が変動する状
態であると判定するように構成したので、エンジン始動
時の燃料タンク内における蒸発燃料の発生量が所定値以
上であるときには、スロッシュ故障診断が禁止され、ま
たは診断結果が無効にされることになり、誤診断を防止
することができる。その一方で、蒸発燃料の発生量が所
定値より少ないときには故障診断が実行されることにな
る。これにより、圧力検出手段の故障診断の診断精度が
向上する。
【0019】そして、第4発明の蒸発燃料処理系圧力検
出手段の故障診断装置によれば、判定手段を、燃料タン
ク内の温度もしくは燃料タンク内の圧力の少なくとも一
方をパラメータとして、エンジン始動時の燃料タンク内
における蒸発燃料の発生量が所定値以上であると推定す
るように構成したので、この燃料タンク内の温度もしく
は燃料タンク内の圧力が所定値以上であるときには、ス
ロッシュ故障診断が禁止され、または診断結果が無効に
されることになり、誤診断を防止することができる。そ
の一方で、燃料タンク内の温度もしくは燃料タンク内の
圧力が所定値より少ないときには故障診断が実行される
ことになる。これにより、圧力検出手段の故障診断の診
断精度が向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0021】図1に示すように、エンジン1は、吸、排
気弁2,3を介してそれぞれ燃焼室4に通じる吸気通路
5及び排気通路6を有する。吸気通路5には、上流側か
らエアクリーナ7と、燃焼室4への吸入空気量を検出す
るエアフローセンサ8と、吸入空気量ないしエンジン出
力を調整するスロットルバルブ9と、該バルブ9の開度
を検出するスロットル開度センサ10とが配備されてい
ると共に、燃焼室4に燃料を噴射供給する燃料噴射弁1
1が、上記スロットルバルブ9の下流に設けられたサー
ジタンク12の下流側に設置されている。
【0022】このエンジン1には、上記燃料噴射弁11
に燃料を供給する燃料供給システムが備えられている。
この燃料供給システムは、燃料を貯留する燃料タンク1
3と、該タンク13内に設置された燃料ポンプ14と、
該ポンプ14から吐出された燃料を燃料噴射弁11に導
く燃料供給通路15と、燃料噴射弁11で噴射されなか
った余分な燃料を回収する燃料回収通路16とを有す
る。この燃料回収通路16には燃料噴射圧力を調整する
プレッシャレギュレータ17が設置されており、このプ
レッシャレギュレータ17に、上記吸気通路5における
サージタンク12から負圧通路18を介して吸気負圧が
導入されることにより、該負圧に応じて上記燃料噴射圧
力を調整するようになっている。
【0023】また、上記エンジン1には、燃料タンク1
3で発生した蒸発燃料を処理する蒸発燃料処理系が備え
られている。この処理系は、例えば、次のように構成さ
れている。
【0024】すなわち、上記燃料タンク13の上部に
は、該タンク13内で発生した蒸発燃料を収集してキャ
ニスタ20に導く蒸発燃料収集通路21が接続されてい
ると共に、該キャニスタ20に上流端側が接続されたパ
ージ通路22が、通電時に開弁するパージバルブ23を
介して吸気通路5における上記サージタンク12に接続
されている。上記キャニスタ20の下部には、該キャニ
スタ20を大気に開放する大気開放通路24が接続され
ていると共に、該大気開放通路24には、該通路24を
開閉するドレンカットバルブ25が配設されている。そ
して、上記蒸発燃料収集通路21を介してキャニスタ2
0に導かれた蒸発燃料が、該キャニスタ20に内蔵され
た活性炭に一旦吸着された上で、上記ドレンカットバル
ブ25及びパージバルブ23が開弁しているときに上記
パージ通路22を介して吸気通路5に放出されるように
なっている。
【0025】上記蒸発燃料収集通路21の燃料タンク1
3側の端部には、車両の旋回等により上記収集通路21
に燃料タンク13内の液体燃料が浸入するのを防止する
ためのフロートバルブ26〜28が配設されていると共
に、上記液体燃料の油面レベルを検出する油面レベルセ
ンサ29が設けられている。
【0026】このエンジン1には、図2に示すように、
電子制御式のコントロールユニット30が備えられてい
る。このコントロールユニット30は、上記エアフロー
センサ8からの吸入空気量信号と、上記スロットル開度
センサ10からの開度信号と、エンジン水温を検出する
水温センサ31からの水温信号と、エンジン回転数を検
出するエンジン回転数センサ32からのエンジン回転数
信号とを入力して、これらの信号に基づいて燃料噴射弁
11からの噴射制御と、上記パージバルブ23とドレン
カットバルブ25とを用いた蒸発燃料のパージ制御とを
行なうようになっている。
【0027】また、上記コントロールユニット30は、
上記の信号に加えて、大気開放通路24に配備された大
気圧センサ33からの大気圧信号と、上記キャニスタ2
0と燃料タンク13との間に配備された圧力センサ34
からの圧力信号と、車速を検出する車速センサ35から
の車速信号とを入力して、パージバルブ23とドレンカ
ットバルブ25とを用いた蒸発燃料処理系の故障検出処
理と、上記圧力センサ34の故障診断処理とを行なうよ
うになっている。
【0028】ここで、コントロールユニット30が行う
蒸発燃料のパージ制御と、蒸発燃料処理系の故障診断処
理の概略を説明すると、上記パージ制御は例えば次のよ
うに行われる。
【0029】すなわち、コントロールユニット30は、
所定のパージ条件が成立しているか否かを判定する。コ
ントロールユニット30は、例えばスロットル開度セン
サ10からの信号が示すエンジン1のスロットル開度と
エンジン回転数センサ32からの信号が示すエンジン回
転数とが低負荷低回転領域に設定されたパージ領域に属
すると判定したときにパージ条件が成立したと判定し
て、パージフラグを1にセットすると共に、上記パージ
バルブ23とドレンカットバルブ25とをともに開状態
とする。これにより、エンジン1の負圧により大気中の
空気が開放状態の大気開放通路24を介してキャニスタ
20に導かれると共に、この空気とともにキャニスタ2
0中の活性炭に吸着された蒸発燃料が、上記パージ通路
22を介してエンジン1の吸気通路5に放出されること
になる。なお、コントロールユニット30は、パージ条
件が成立していないと判定したときには、上記パージバ
ルブ23とドレンカットバルブ25とをそれぞれ閉とす
ると共に、パージフラグを0にクリアする。
【0030】また、上記故障検出処理は、例えば次のよ
うに行われる。すなわち、コントロールユニット30
は、上記ドレンカットバルブ25を閉弁するとともにパ
ージバルブ23を開弁して上記処理系内を減圧し、その
あと上記パージバルブ23を閉弁する。そして、該バル
ブ23の閉弁時から所定時間経過後の圧力に基づいて故
障を検出する。すなわち、上記所定時間経過後の圧力が
所定のリーク判定値より低いときにはリークが発生して
いないものと判定する一方、上記圧力がリーク判定値よ
り高いときには、リークが発生しているものと判定し、
該処理系の故障を検出する。
【0031】次に、本発明の特徴部分である圧力センサ
34の故障診断処理は、具体的には、図3、図4に示す
フローチャートにしたがって行われる。
【0032】まず、コントロールユニット30は、ステ
ップS1で上記圧力センサ34や車速センサ35等から
の各種信号を読み取ると共に、非パージ中か否かの状態
を判定するためのパージフラグを入力し、ステップS2
で車速Vが0であるか否かを判定する。そして、車速V
が0であるときにはステップS3に進んで蒸発燃料処理
系が非パージ状態であるか否かを判定し、車速Vが0で
ないときには、ステップS14で第1タイマT1、第2
タイマT2、第3タイマT3、圧力最大値Pmax、圧
力最小値Pminをすべて0にする。車速Vが0でない
とき、つまり、車両が走行しているときには、燃料タン
ク内の液体燃料が揺れており、液体燃料が非常に蒸発し
やすい状態にあり、圧力センサ34の検出値が変動しや
すい。このようときに、圧力センサ34の故障診断を実
行すると、故障であるのか、液体燃料の蒸発量の変動に
よるものであるのか区別がつかないので、故障診断は行
なわない。
【0033】コントロールユニット30は、ステップS
3においてパージフラグが蒸発燃料処理系の非パージ状
態であると判定したときには、ステップS4を実行し
て、圧力最大値Pmaxが圧力検出値Pより小さいか否
かを判定し、非パージ状態でないと判定したときには上
記ステップS14に進む。上記処理系がパージ中である
ときには、エンジン1の吸気脈動がパージ通路22を介
して圧力センサ34に伝わり、圧力センサ34の検出値
が変動しやすい。このようなときに、上記と同様に圧力
センサ34の故障診断を実行すると、故障であるのか、
吸気脈動に起因するものであるのか区別がつかないの
で、上記と同様に故障診断は行なわない。
【0034】コントロールユニット30は、ステップS
4で圧力最大値Pmaxが圧力検出値Pより小さいとき
には、ステップS5で圧力検出値Pを圧力最大値Pma
xとして更新し、ステップS6で第1タイマT1をTa
にセットする。一方、上記圧力最大値Pmaxが圧力検
出値Pより小さくないときには、ステップS15に進ん
で第1タイマT1が0でないか否かを判定し、0でない
ときにはステップS16で上記第1タイマT1をカウン
トダウンしてステップS7に進み、第1タイマT1が0
であるときにはステップS17で第1タイマT1をTa
にして、ステップ18で圧力最大値Pmaxが圧力検出
値Pより大きいか等しいかを判定する。そして、大きい
ときにはステップS19で圧力最大値Pmaxから所定
量ΔPだけ減算した値を新たな圧力最大値Pmaxとし
て更新してステップS7に進み、等しいときにはステッ
プS20で圧力検出値Pを圧力最大値Pmaxとして更
新して、ステップS7に進む。
【0035】また、コントロールユニット30は、ステ
ップS7で圧力最小値Pminが圧力検出値Pより大き
いか否かを判定し、大きいときには、ステップS8で圧
力検出値Pを新たな圧力最小値Pminとして更新し、
ステップS9で第2タイマT2をTbにセットしてステ
ップS10に進む。一方、上記圧力最小値Pminが圧
力検出値Pより大きくないときには、ステップS21で
第2タイマT2が0でないか否かを判定し、0でないと
きにはステップS22で上記第2タイマT2をカウント
ダウンしてステップS10に進み、第2タイマT2が0
であるときにはステップS23で第2タイマT2をTb
にして、ステップ24で圧力最小値Pminが圧力検出
値Pと小さいか等しいかを判定する。そして、小さいと
きにはステップS25で圧力最小値Pminから所定量
ΔPだけ増算した値を新たな圧力最小値Pminとして
更新してステップS10に進み、等しいときにはステッ
プS26で圧力検出値Pを新たな圧力最小値Pminと
して更新して、ステップS10に進む。
【0036】コントロールユニット30は、ステップS
10で以上のように設定された圧力最大値Pmaxと圧
力最小値Pminとの差分量Pgを算出し、ステップS
11に進んで該差分量Pgが閾値αより大きいか否かを
判定する。
【0037】コントロールユニット30は、ステップS
11で上記差分量Pgが閾値αより大きくないと判定し
たとき、すなわち差分量Pgが閾値αよりも小さいか等
しいと判定したときには、ステップS27に進んで正常
と判定して診断を終了する。一方、コントロールユニッ
ト30は、上記ステップS11において差分量Pgが閾
値αよりも大きいと判定したときには、ステップ12に
進んで第3タイマT3の値が時間閾値Tcより大きいか
否かを判定し、大きくないと判定したときには、ステッ
プS28で第3タイマT3をカウントアップし、ステッ
プS29で保留にしてステップS1に戻ると共に、第3
タイマT3の値が時間閾値Tcよりも大きいと判定した
ときに、ステップS13に進んで故障と判定して診断を
終了る。
【0038】次に、上述した故障診断を図5のタイムチ
ャートを用いて説明する。
【0039】まず、コントロールユニット30は、非パ
ージ状態であると判定した時点t=0で、圧力検出値P
を圧力最大値Pmaxとして更新すると共に、第1タイ
マT1をTaにセットする(ステップS6参照)。そし
て、第1タイマT1が0になるまで圧力検出値Pが上記
圧力最大値Pmax以下であるときには、上記圧力最大
値Pmaxから所定量ΔPだけ減算し、その減算した値
を新たな圧力最大値Pmaxとして更新する(ステップ
S18参照)。以下、圧力最大値Pmaxが検出値より
小さいときには、上記減算が繰り返し行われる。一方、
図5の矢印アに示すように、圧力検出値Pが圧力最大値
Pmaxより大きくなったときには、その検出値Pを新
たな圧力最大値Pmaxとして更新し、第1タイマT1
をTaにセットする。
【0040】そして、圧力最小値Pminについても上
記と同様な処理を行なって圧力検出値Pの極小値を圧力
最小値Pminに反映させると共に、図示のように出力
波形が短時間の間に収束して、第3タイマT3が時間閾
値Tcよりも大きくなるまでに、上記圧力最大値Pma
xと圧力最小値Pminとの差分量Pgが閾値αより小
さくなったとき、あるいは等しくなったときには圧力セ
ンサ34の正常と判定して(ステップS27参照)、故
障診断を終了する。
【0041】一方、図6に示すように、圧力センサ34
の出力波形が収束せずに、圧力最大値Pmaxと圧力最
小値Pminとの差分量Pgが上記閾値αより大きい状
態が継続し、第3タイマT3が時間閾値Tcよりも大き
くなった時点t1においても上記差分量Pgが閾値αよ
りも大きいときには、圧力センサ34の故障と判定する
(ステップS13参照)。
【0042】以上のように、蒸発燃料処理系のパージ中
には、当該車両の停止状態であっても、圧力センサ34
の故障診断を行わないようにしたから、圧力センサ34
により検出された圧力の変動が、蒸発燃料処理系内の圧
力が変動する状態であることによるものであるのにスロ
ッシュ故障であると誤って診断することが防止すること
ができ、一方、蒸発燃料処理系のパージ中でないときに
は、故障診断が実行されることになる。その結果、圧力
センサ34の故障診断の診断精度が向上することにな
る。
【0043】なお、他の実施の形態として、図1の2点
鎖線で示すように、燃料タンク13の温度を検出する温
度センサ36を設け、図3におけるステップS3の蒸発
燃料処理系が非パージ状態であるか否かの判定に変え
て、図7に示すように、エンジン始動時の燃料タンク1
3の温度Sが所定値Saより小さいか否かの判定を行な
うようにしてもよい。
【0044】また、図1の2点鎖線で示すように、燃料
タンク13内の圧力を検出する内圧センサ37を設け、
図3におけるステップS3の蒸発燃料処理系が非パージ
状態であるか否かの判定に変えて、図8に示すように、
エンジン始動時の燃料タンク13内の圧力Kが所定値K
aより小さいか否かの判定を行うようにしてもよい。こ
れらの場合にも、上記と同様に、誤診断を防止すること
ができ、圧力センサ34の故障診断の診断精度が向上す
る。
【0045】
【発明の効果】第1発明の蒸発燃料処理系圧力検出手段
の故障診断装置によれば、当該車両の停止状態であって
も蒸発燃料処理系内の圧力が変動する状態であると判定
されたときには、スロッシュ故障診断が禁止され、また
は診断結果が無効にされるから、圧力検出手段の出力値
の変動が、蒸発燃料処理系内の圧力が変動する状態であ
ることによるものであるのにスロッシュ故障であると誤
って診断するということが防止することができ、その一
方で、上記のような条件が成立していないときには、故
障診断が実行されることになる。これにより、圧力検出
手段の故障診断の診断精度が向上することになる。
【0046】次に、第2発明の蒸発燃料処理系圧力検出
手段の故障診断装置によれば、判定手段を、蒸発燃料処
理系が蒸発燃料のエンジンの吸気系に放出中であるとき
に蒸発燃料処理系内の圧力が変動する状態であると判定
するように構成したので、蒸発燃料処理系が蒸発燃料の
放出中であるときには、スロッシュ故障診断が禁止さ
れ、または診断結果が無効にされることになり、誤診断
を防止することができる。その一方で、蒸発燃料処理系
が蒸発燃料の放出中でないときには、故障診断が実行さ
れることになる。これにより、圧力検出手段の故障診断
の診断精度が向上する。
【0047】また、第3発明の蒸発燃料処理系圧力検出
手段の故障診断装置によれば、判定手段を、エンジン始
動時の燃料タンク内における蒸発燃料の発生量が所定値
以上であるときに蒸発燃料処理系内の圧力が変動する状
態であると判定するように構成したので、エンジン始動
時の燃料タンク内における蒸発燃料の発生量が所定値以
上であるときには、スロッシュ故障診断が禁止され、ま
たは診断結果が無効にされることになり、誤診断を防止
することができる。その一方で、蒸発燃料の発生量が所
定値より少ないときには故障診断が実行されることにな
る。これにより、圧力検出手段の故障診断の診断精度が
向上する。
【0048】そして、第4発明の蒸発燃料処理系圧力検
出手段の故障診断装置によれば、判定手段を、燃料タン
ク内の温度もしくは燃料タンク内の圧力の少なくとも一
方をパラメータとして、エンジン始動時の燃料タンク内
における蒸発燃料の発生量が所定値以上であると推定す
るように構成したので、この燃料タンク内の温度もしく
は燃料タンク内の圧力が所定値以上であるときには、ス
ロッシュ故障診断が禁止され、または診断結果が無効に
されることになり、誤診断を防止することができる。そ
の一方で、燃料タンク内の温度もしくは燃料タンク内の
圧力が所定値より少ないときには故障診断が実行される
ことになる。これにより、圧力検出手段の故障診断の診
断精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る蒸発燃料処理系の
故障診断装置の構成図である。
【図2】 エンジンの制御システム図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る圧力センサの故障
診断処理の一部を示すフローチャート図である。
【図4】 同じく故障診断処理の一部を示すフローチャ
ート図である。
【図5】 本発明の実施の形態に係る故障診断のタイム
チャート図である。
【図6】 同じく故障診断のタイムチャート図である。
【図7】 別の実施の形態に係る同じく故障診断処理の
一部を示すフローチャート図である。
【図8】 同じく他の実施の形態に係る故障診断処理の
一部を示すフローチャート図である。
【図9】 従来の蒸発燃料処理系の説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン 8 エアフローセンサ 9 スロットルバルブ 10 スロットル開度センサ 11 燃料噴射弁 13 燃料タンク 15 燃料供給通路 16 燃料回収通路 20 キャニスタ 21 蒸発燃料収集通路 22 パージ通路 23 パージバルブ 24 大気開放通路 25 ドレンカットバルブ 26〜28 フロートバルブ 29 油面レベルセンサ 30 コントロールユニット 31 水温センサ 32 エンジン回転数センサ 33 大気圧センサ 34 圧力センサ 35 車速センサ 36 温度センサ 37 内圧センサ
フロントページの続き (72)発明者 牧本 成治 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G084 BA27 DA27 EA11 FA00 FA01 FA05 FA07 FA10 FA11 FA20 FA33 3G301 HA01 HA14 JB01 JB09 LB00 PA01Z PA07Z PA09Z PA11Z PB00Z PB09Z PE01Z PE08Z PF00Z PF01Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンク内に発生した蒸発燃料を吸着
    保持手段により吸着保持し、該吸着保持手段により吸着
    保持された蒸発燃料をエンジンの吸気系に放出して処理
    する蒸発燃料処理系に備えられ、該処理系の故障を検出
    する圧力検出手段の故障診断装置であって、車両の停止
    状態を検出する停止状態検出手段と、該停止状態検出手
    段により車両の停止状態が検出されているときに、上記
    圧力検出手段により検出される圧力の変動量に基づいて
    スロッシュ故障を診断するスロッシュ故障診断手段と、
    上記蒸発燃料処理系内の圧力が変動する状態であるか否
    かを判定する判定手段と、該判定手段により蒸発燃料処
    理系が圧力変動を生じる状態であると判定されたとき
    に、上記スロッシュ故障診断手段による故障診断動作を
    禁止しまたは該診断手段による診断結果を無効にするス
    ロッシュ故障診断禁止手段とが備えられていることを特
    徴とする蒸発燃料処理系圧力検出手段の故障診断装置。
  2. 【請求項2】 判定手段は、蒸発燃料処理系が蒸発燃料
    のエンジンの吸気系に放出中であるときに該処理系内の
    圧力が変動する状態であると判定するように構成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の蒸発燃料処理系
    圧力検出手段の故障診断装置。
  3. 【請求項3】 判定手段は、エンジン始動時の燃料タン
    ク内における蒸発燃料の発生量が所定値以上であるとき
    に蒸発燃料処理系内の圧力が変動する状態であると判定
    するように構成されていることを特徴とする請求項1に
    記載の蒸発燃料処理系圧力検出手段の故障診断装置。
  4. 【請求項4】 判定手段は、燃料タンク内の温度もしく
    は燃料タンク内の圧力の少なくとも一方をパラメータと
    して、エンジン始動時の燃料タンク内における蒸発燃料
    の発生量が所定値以上であると推定するように構成され
    ていることを特徴とする請求項3に記載の蒸発燃料処理
    系圧力検出手段の故障診断装置。
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