JP3937511B2 - 蒸発燃料供給系の故障診断方法およびその装置 - Google Patents

蒸発燃料供給系の故障診断方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されているエンジンの蒸発燃料供給系の故障を工場等において診断する方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平5−256214号公報に示されるように、燃料タンク内で発生した蒸発燃料をエンジンの吸気通路に導入可能とするパージ通路と、この通路中に介設されたキャニスタと、パージ通路中に設けられたパージ調整手段と、キャニスタと大気とを連通する開閉可能な大気開放手段とを備えた蒸発燃料供給系に対し、パージ通路の詰まり、漏れ等の発生を判別する故障判別手段をエンジン制御部に設けた故障検出装置が知られている。この装置において、上記故障判別手段は、通常走行中においてフェイル検出可能な運転領域になったとき、先ず上記パージ調整手段を開状態にするとともに大気開放手段を閉状態にして燃料タンク内に吸気負圧を作用させた状態で燃料タンク内圧力の降下速度を調べ、その降下速度が小さいとき故障と判別し、また上記降下速度が大きい場合はさらに上記パージ調整手段及び大気開放手段をともに閉じた状態で燃料タンク内圧力の上昇速度を調べ、その上昇速度が大きいとき故障と判別するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公報に示されている故障検出装置は、通常走行中の減速時に蒸発燃料供給系の故障を検出するものであるが、製造工場での出荷時等における検査でも、蒸発燃料供給系の配管の外れ等を調べることが要求される。この場合、工場等に設置される外部の検査装置を用いて故障診断を行うことが要求され、また、車両を停車させた状態で診断を行う必要があるので、上記公報に示されるように車載のエンジン制御部に設けられた故障判別手段で減速時に故障の判別を行うというような手法は適用し難い。
【0004】
さらに、工場等で順次多数の車両の故障診断を行っていくような場合、できるだけ診断に要する時間を短くして処理能率を高め、またエンスト等で診断が中断されることのないように配慮する必要がある。
【0005】
なお、特公平7−18776号公報には、車載の制御ユニットがセンサ出力やアクチュエータ動作の異常あるいはコンピュータ処理の異常を自己診断する装置として、通常モード時に実行される第1の診断プログラムと、テストモード時に実行される第2の自己診断プログラムと、表示プログラムとを記憶手段が記憶し、テストスイッチ及び通電スイッチの切換操作に応じて上記3つのプログラムのうちの1つを実行するようにした自己診断装置が示されている。この装置によると修理工場等ではテストモードを選択することができる。しかし、この装置は制御ユニットとこれに接続されたセンサ及びアクチュエータからなる制御系の故障を診断するものであって、蒸発燃料供給系の配管の外れ等の診断に適用されるものではない。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑み、工場等での検査時に蒸発燃料供給系の配管の外れ等の故障を簡単に能率良く、かつ適正に診断することができる蒸発燃料供給系の故障診断方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の故障診断方法は、燃料タンク内で発生した蒸発燃料をエンジンの吸気通路に導入可能とするパージ通路と、燃料タンクと吸気通路との間でのパージ通路の開閉及び大気開放部の開閉をそれぞれ可能とする通路開閉手段と、パージ通路の燃料タンク側の圧力を検出する圧力検出手段と、上記通路開閉手段及び上記圧力検出手段に接続された制御部とを備えた蒸発燃料供給系の故障診断を車両検査時に行う方法であって、エンジンをアイドル状態とするとともに、外部のテスト装置から上記制御部にテスト用の信号を送信することにより、燃料タンクと吸気通路との間で上記パージ通路を開き、かつ大気側開放部を遮断する状態に上記通路開閉手段を制御して、この制御状態をテストモードとし、このテストモードでの所定時間における上記圧力検出手段の出力の変化を上記テスト装置により調べ、この圧力検出手段の出力変化度合に基づいて蒸発燃料供給系の故障の有無を判別する一方、上記テストモードにあるときのエンジン回転数を通常運転時のアイドル回転数よりも高い値に設定し、かつ、エンジンの運転状態が減速運転に相当する所定運転領域にあるときに燃料供給を停止する燃料カット制御手段による燃料供給停止の制御を上記テストモード中は禁止するものである。
【0008】
この方法によると、エンジンが作動されて検査場所等に置かれているときの状態に相当するアイドル状態で、テスト装置からの指令により上記テストモードとされる。そして、このテストモードでは、正常であれば吸気負圧によりガスが吸引されるに伴って燃料タンク側の圧力が低下するので、上記圧力検出手段の出力の変化が上記テスト装置により調べられることにより、蒸発燃料供給系の故障の診断が容易に行われる。
【0009】
また、上記テストモードにあるときのエンジン回転数を通常運転時のアイドル回転数よりも高い値に設定することにより、テストモード中にパージ量が増大してオーバーリッチによる失火が生じ易くなることでエンジン回転数が低下する傾向が生じても、エンストに至ることが避けられる。
【0010】
さらに、エンジンの運転状態が減速運転に相当する所定運転領域にあるときに燃料供給を停止する燃料カット制御手段を備えている場合、上記のようにテストモードにあるときにエンジン回転数が高められると、減速時と同様に無負荷で比較的高回転の状態となって上記所定運転領域に入ることもあり得ることから、上記テストモード中は燃料カット制御手段による燃料供給停止の制御を禁止することにより、テストモード中に燃料カットによって燃焼状態が不安定になることがない。
【0011】
また、本発明の故障診断方法は、燃料タンク内で発生した蒸発燃料をエンジンの吸気通路に導入可能とするパージ通路と、燃料タンクと吸気通路との間でのパージ通路の開閉及び大気開放部の開閉をそれぞれ可能とする通路開閉手段と、パージ通路の燃料タンク側の圧力を検出する圧力検出手段と、上記通路開閉手段及び上記圧力検出手段に接続された制御部とを備えた蒸発燃料供給系の故障診断を車両検査時に行う方法であって、エンジンをアイドル状態とするとともに、外部のテスト装置から上記制御部にテスト用の信号を送信することにより、燃料タンクと吸気通路との間で上記パージ通路を開き、かつ大気側開放部を遮断する状態に上記通路開閉手段を制御して、この制御状態をテストモードとし、このテストモードでの所定時間における上記圧力検出手段の出力の変化を上記テスト装置により調べ、この圧力検出手段の出力変化度合に基づいて蒸発燃料供給系の故障の有無を判別する一方、上記パージ通路に設けられた流量調節用のバルブを制御して、このバルブの開度を上記テストモードの開始時点から次第に増大させるとともに、この制御中にエンジン回転数が低下したときは上記バルブの開度の増大を抑制するものである。
この方法によると、蒸発燃料系の故障の診断が容易に行われるとともに、テストモード中にパージ量の急激な増大によるエンジン回転数の低下が抑制される。
【0012】
蒸発燃料供給時に空燃比制御量の学習を行う空燃比制御手段を備えているものにあっては、上記テストモードにあるときに上記学習を禁止することが好ましく、このようにすると、通常走行時と比べパージ量が増大して空燃比が変動し易い傾向にある上記テストモード中に、誤学習が行われることが避けられる。
【0013】
アイドル運転時の回転数を目標アイドル回転数とするように吸入空気量を制御するとともにその制御量の学習を行うISC制御手段を備えているものにあっては、上記テストモードにあるときに上記ISC制御手段による学習を禁止することが好ましく、このようにすると、通常のアイドル時と比べて蒸発燃料供給系からの混合気供給量が変動する上記テストモード中に、ISC制御の誤学習が行われることが避けられる。
【0014】
上記テストモードにして蒸発燃料供給系の故障診断を行っているときは、エンジンに対する他の各種の診断を禁止することが好ましく、このようにすると、上記テストモードとされることが他の診断、例えば失火診断等に影響を及ぼしてその誤診断を招くといった事態が防止される。
【0015】
また、上記方法に使用する故障診断装置は、燃料タンク内で発生した蒸発燃料をエンジンの吸気通路に導入可能とするパージ通路と、燃料タンクと吸気通路との間でのパージ通路の開閉及び大気開放部の開閉をそれぞれ可能とする通路開閉手段と、パージ通路の燃料タンク側の圧力を検出する圧力検出手段と、上記各バルブ及び上記圧力検出手段に接続された制御部とを備えた蒸発燃料供給系の故障診断を行う装置であって、上記制御部にテスト用端子を介して接続される外部のテスト装置を備え、エンジンがアイドル状態にあるときに上記テスト装置からのテスト指令信号に応じて燃料タンクと吸気通路との間で上記パージ通路を開き、かつ大気側開放部を閉じる状態に上記通路開閉手段を制御することによりテストモードとするように上記制御部を構成するとともに、上記テスト装置に、上記制御部に対するテスト指令信号の送信及び上記圧力検出手段の出力の受信を行う送受信手段と、テストモード中に上記圧力検出手段の出力の変化を調べ、その出力変化度合に基づいて蒸発燃料供給系の故障の有無を判別する判別手段とを設ける一方、上記制御部に、上記テストモードにあるときにエンジン回転数を通常運転時のアイドル回転数よりも高い値となるように制御するアイドル回転数変更手段と、エンジンの運転状態が減速運転に相当する所定運転領域にあるときに燃料供給を停止する燃料カット制御手段による燃料供給停止の制御を上記テストモード中は禁止する燃料カット禁止手段とを設けたものである。
【0016】
この装置によると、工場等での検査時に、上記故障診断方法が自動的に実行され、蒸発燃料供給系の故障の診断が容易に行われる。
【0018】
また、本発明の故障診断装置は、燃料タンク内で発生した蒸発燃料をエンジンの吸気通路に導入可能とするパージ通路と、燃料タンクと吸気通路との間でのパージ通路の開閉及び大気開放部の開閉をそれぞれ可能とする通路開閉手段と、パージ通路の燃料タンク側の圧力を検出する圧力検出手段と、上記各バルブ及び上記圧力検出手段に接続された制御部とを備えた蒸発燃料供給系の故障診断を行う装置であって、上記制御部にテスト用端子を介して接続される外部のテスト装置を備え、エンジンがアイドル状態にあるときに上記テスト装置からのテスト指令信号に応じて燃料タンクと吸気通路との間で上記パージ通路を開き、かつ大気側開放部を閉じる状態に上記通路開閉手段を制御することによりテストモードとするように上記制御部を構成するとともに、上記テスト装置に、上記制御部に対するテスト指令信号の送信及び上記圧力検出手段の出力の受信を行う送受信手段と、テストモード中に上記圧力検出手段の出力の変化を調べ、その出力変化度合に基づいて蒸発燃料供給系の故障の有無を判別する判別手段とを設ける一方、上記パージ通路に流量調節用のバルブを設け、このバルブの開度を上記テストモードの開始時点から次第に増大させるとともに、エンジン回転数検出手段の出力を受けて、エンジン回転数が低下したときは上記バルブの開度の増大を抑制するように制御するテストモード進行制御手段を備えたものである。
【0019】
蒸発燃料供給時に空燃比制御量の学習を行う空燃比制御手段を備える場合は、誤学習防止のため、上記テストモードにあるときに上記学習を禁止する手段を備えることが好ましい。また、アイドル運転時の回転数を目標アイドル回転数とするように吸入空気量を制御するとともにその制御量の学習を行うISC制御手段を備える場合は、誤学習防止のため、上記テストモードにあるときに上記ISC制御手段による学習を禁止する手段を備えることが好ましい。
【0020】
さらに、他の各種の診断の誤診断を防止するため、上記テストモードにして蒸発燃料供給系の故障診断を行っている期間にエンジンに対する他の各種の診断を禁止する手段を備えることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明が適用される蒸発燃料供給系を備えたエンジン全体の概略構造を示している。この図において、1はシリンダを有するエンジン本体であり、そのシリンダの燃焼室2には吸気弁によって開閉される吸気ポート3及び排気弁によって開閉される排気ポート4が開口している。上記吸気ポート3には吸気通路5が接続され、排気ポート4には排気通路13が接続されている。
【0022】
上記吸気通路5には、その上流側から順にエアクリーナ6,エアフローセンサ7,スロットル弁8及びサージタンク9が設けられるとともに、吸気ポート3の近傍に、燃料を噴射するインジェクタ10が設けられている。さらに、上記スロットル弁8をバイパスするISC通路11が設けられ、このISC通路11には、アイドル回転数制御のためにこの通路11の空気流量を調節するISCバルブ12が設けられている。一方、排気通路13にはO2 センサ14、触媒装置15等が設けられている。また、アイドルスイッチ16、エンジン回転数センサ17が吸気通路5、エンジン本体1にそれぞれ具備されている。
【0023】
上記インジェクタ10に対して燃料を供給する燃料系は、燃料タンク20、燃料ポンプ21、燃料供給通路22及びリターン通路23を備え、上記燃料ポンプ21により燃料タンク20から燃料供給通路22を通してインジェクタ10に燃料が送られるようになっている。上記燃料供給通路22にはフューエルフィルタ24が介設されている。上記リターン通路23には、吸気圧に応じて燃圧を調整するプレッシャレギュレータ25が設けられている。
【0024】
また、上記燃料タンク20内で発生した蒸発燃料を吸気側に供給する蒸発燃料供給系が設けられている。この蒸発燃料供給系はパージ通路30を備えており、このパージ通路30は、上流端が燃料タンク20の上部に接続されるとともに、下流端が吸気通路5のサージタンク9に接続されている。このパージ通路30の途中には蒸発燃料を吸着するキャニスタ31が介設されており、このキャニスタ31に大気開放通路32が接続されている。
【0025】
燃料タンク20とキャニスタ31との間のパージ通路30には、チェックバルブ33と並列にソレノイドバルブからなる開閉バルブ(以下TPCVバルブと称する)34が設けられている。また、上記大気開放通路32には、エアフィルター35及びチェックバルブ36が設けられるとともに、ソレノイドバルブからなる開閉バルブ(以下CDCVバルブと称する)37が設けられている。上記TPCVバルブ34及びCDCVバルブ37により、燃料タンク20と吸気通路5との間でのパージ通路30の開閉及び大気開放部の開閉をそれぞれ可能とする通路開閉手段が構成されている。
【0026】
上記キャニスタ31とサージタンク9との間のパージ通路30には、蒸発燃料の供給量を調節するためのデューティソレノイドバルブからなるパージバルブ38が設けられている。さらに蒸発燃料供給系には、パージ通路30の燃料タンク20側の圧力を検出する圧力検出手段としての燃料タンク内圧力センサ(以下FTPセンサと称する)39が設けられている。
【0027】
上記パージバルブ38、TPCVバルブ34及びCDCVバルブ37は制御部としてのエンジン制御ユニット(ECU)40に接続されている。このエンジン制御ユニット40は、エアフローメータ7、O2 センサ14、アイドルスイッチ16、回転数センサ17、FTPセンサ39等からの信号を受け、上記パージバルブ38、TPCVバルブ34及びCDCVバルブ37を制御し、さらにインジェクタ10の制御やISCバルブ12の制御等も行うようになっている。また、上記制御ユニット40は、テスト用端子41を有し、図2に示すように自動車50に搭載された状態で外部のテスト装置51にカプラ52を介して接続可能となっている。上記テスト装置51は、例えば車両の製造工場において出荷時のエンジン検査のため、工場内の所定箇所に設置されており、このテスト装置51には表示手段53が付設されている。
【0028】
図3はエンジン制御ユニット40及びテスト装置51の機能構成を示している。この図のように、エンジン制御ユニット40は、蒸発燃料系制御手段42、空燃比制御手段43、ISC制御手段44等を有している。
【0029】
上記蒸発燃料系制御手段42は、特定運転域で上記パージバルブ38を開いて吸気通路5への蒸発燃料の導入を行うというように運転状態に応じて蒸発燃料の供給を制御するが、このほかに、上記テスト装置51に接続された状態でこのテスト装置51からテスト指令信号を受け、かつ、アイドルスイッチ16及び回転数センサ17からの信号等に基づいてアイドル運転状態にあることを判別したときに、所定のテストモードとするように上記TPCVバルブ34、CDCVバルブ37及びパージバルブ38を制御する。上記テストモードは、燃料タンク20と吸気通路5との間で上記パージ通路30を開通させ、かつ大気側開放通路32を遮断する状態とするものであり、TPCVバルブ34が開、CDCVバルブ37が閉の状態に制御されることにより上記テストモードとなる。
【0030】
さらに蒸発燃料系制御手段42は、テストモード時のアイドル回転数変更手段45、テストモード進行制御手段46、学習禁止手段47及び他の診断の禁止手段48を含んでいる。
【0031】
上記アイドル回転数変更手段45はテストモード時のエンジン回転数を通常運転時のアイドル回転数よりも高い値に変更する。すなわち、一般にアイドル運転時には上記ISC制御手段44により、エンジン回転数が目標アイドル回転数となるようにISCバルブ12のフィードバック制御が行われるが、その目標アイドル回転数がテストモード時には通常のアイドル運転時(例えば700rpm程度)と比べて高い値(例えば2000rpm程度)に設定される。
【0032】
上記テストモード進行制御手段46は、上記パージバルブ38を上記テストモードの開始時点から次第に開度を増大させるように制御するとともに、その制御中に、回転数センサ17により検出されるエンジン回転数が低下したときは上記パージバルブ38の開度の増大を抑制するようになっている。
【0033】
上記学習禁止手段47は、上記テストモードにあるときに、空燃比制御手段43による蒸発燃料供給時の学習と、ISC制御手段44による学習とを禁止するようになっている。つまり、上記空燃比制御手段43は、O2 センサ14の出力に基づいてインジェクタ10からの燃料噴射量のフィードバック補正(空燃比のフィードバック制御)を行うとともに、蒸発燃料供給時にはそれに応じた燃料噴射量補正の学習を行うようになっており、また、上記ISC制御手段44は上記のようにアイドル運転時にはISCバルブ12のフィードバック制御を行うとともにその学習を行うようになっているが、上記テストモードにあるときにはこれらの学習が禁止されるようになっている。
【0034】
また、他の診断の禁止手段48は、上記テストモードにあるときに、他の各種の診断、例えば失火診断や燃料系、ISC系等の診断を禁止するようになっている。
【0035】
一方、上記テスト装置51には、送受信手段54と、判別手段55とが設けられている。上記送受信手段54は、上記エンジン制御ユニット40に対するテスト指令信号の送信及び上記FTPセンサ39の出力の受信等を行うようになっている。また、上記判別手段55は、テストモード中に上記FTPセンサ39の出力の変化を調べ、その出力変化度合に基づいて蒸発燃料供給系の故障の有無を判別するものであり、後述の図4のフローチャートに示す例では、テスト指令信号の送信の際及び所定時間後にそれぞれ受信した上記FTPセンサ39の出力の偏差に基づいて蒸発燃料供給系の故障の有無を判別するようになっている。また、テスト装置51に付設された表示手段53は、上記判別手段55によって蒸発燃料供給系の故障が判別されたときにその故障の表示を行うようになっている。
【0036】
上記テスト装置及びエンジン制御ユニットによって行われる故障診断の方法を、図5のタイムチャートを参照しつつ、図4のフローチャートによって説明する。
【0037】
自動車製造工場での出荷時等に上記エンジン制御ユニット40と上記テスト装置51とが接続された状態で、テスト装置51側で蒸発燃料供給系の故障診断の開始のための入力操作が行われると、テスト装置51はFTPセンサ出力の送信要求(図5中の信号PA1)をエンジン制御ユニット40に送信し、それに応じてエンジン制御ユニット40はステップS101でFTPセンサ39の検出値(FTP1)を送信する(図5中の信号PB1)。テスト装置51はステップS1でこの信号を受信してFTPセンサ39の検出値(FTP1)を読み出す。続いてテスト装置51は、ステップS2で、テスト指令(図5中の信号PC)をエンジン制御ユニット40に送信し、それに応じてエンジン制御ユニット40はステップS102でテストモードを起動する。
【0038】
エンジン制御ユニット40によるテストモード起動後の処理としては、ステップS103でアイドルスイッチ16、回転数センサ17等からの信号に基づいてアイドル状態か否かを調べ、アイドル状態でなければそのまま終了するが、アイドル状態であれば、ステップS104以降の処理を行う。
【0039】
ステップS104では、パージ学習(蒸発燃料供給時の空燃比制御量の学習)と、ISC学習(アイドル回転数制御量の学習)と、蒸発燃料供給系故障診断以外の各種のエンジン診断とをいずれも禁止する。続くステップS105では、アイドル回転数を所定の回転数にまで上げ、つまり図5中に示すように、ISC制御手段により行われるアイドル時の回転数フィードバック制御における目標回転数nOを所定回転数まで高める。さらに、ステップS106ではCDCVバルブ37を閉じるとともにTPCVバルブ34を開き、ステップS107ではパージバルブ38を所定値まで徐々に開く。
【0040】
そして、パージバルブ38を徐々に開いていく期間にエンジン回転数が低下したか否かをステップS108で調べ、低下していればステップS109でパージバルブ38の開度を一定に保持し、又はパージ減量方向(開度を小さくする方向)にパージバルブ38を作動する。つまり、図5にも示すように、テストモード起動直後からエンジン回転数neが高い目標アイドル回転数nOへ向けて次第に上昇する(符号61で示す部分)一方、これと同時もしくはこれより多少遅れた時期から、上記パージバルブ38の制御デューティが次第に増大される(符号71で示す部分)ことでパージバルブ38が徐々に開かれていくが、その制御デューティの増大途中でエンジン回転数が基準値nA以下にまで落ち込む(符号62で示す部分)と、制御デューティが保持もしくは減少される(符号72で示す部分)。その後、エンジン回転数が再上昇して上記基準値nAを越えると(符号63で示す部分)、上記制御デューティが再び増大されて(符号73で示す部分)、所定値になるまでパージバルブ38が開かれる。
【0041】
エンジン回転数が目標アイドル回転数に達するとともに制御デューティが所定値になると、テストモード起動後にタイマーで設定された時間Tb(Taより多少長い時間)が経過するまで、この状態が保たれる(図5中の符号64,74の部分)。なお、後述のようにテストモード中に燃料タンク内圧力が次第に低下する(図5中の線81)が、その圧力低下が過大になるような場合(図5中の二点鎖線82)は、所定圧力まで低下したときに上記デューティを0%としてパージバルブ38を閉じるようにしてもよい(図5中の二点鎖線76)。
【0042】
また、上記テスト装置51は、テスト指令送信後にタイマーで設定された時間Taが経過したか否かを調べ(ステップS3)、設定時間Taが経過したときにはFTPセンサ出力の送信要求(図5中の信号PA2)をエンジン制御ユニット40に送信する。これに応じてエンジン制御ユニット40は、ステップS110でFTPセンサ39の検出値(FTP2)を送信する(図5中の信号PB2)。テスト装置51はステップS4でこの信号を受信してFTPセンサ39の検出値(FTP2)を読み出す。
【0043】
続いてテスト装置51は、ステップS5で、上記ステップS2及びステップS4でそれぞれ読み出したFTPセンサ39の検出値の偏差(FTP1−FTP2)の絶対値が所定値αより小さいか否かを調べる。そして、所定値αより小さければステップS6で蒸発燃料供給系の故障(NG)と判定して、表示手段53に故障の表示を行わせ、また、所定値α以上であれば、ステップS7で蒸発燃料供給系が正常(OK)と判定する。
【0044】
一方、エンジン制御ユニット40においては、テストモード起動後にタイマーで設定された時間Tb(Taより多少長い時間)が経過したことをステップS111で判定したときに、ステップS112でCDCVバルブ37を開き、TPCVバルブ34を閉じ、かつパージバルブ38を閉じるとともに、ステップS113で学習、診断の禁止を解除してから、終了する。
【0045】
以上のような方法によると、製造工場での出荷時検査等において、蒸発燃料供給系の故障診断が簡単に効率良く、しかも適正に行われる。
【0046】
すなわち、出荷時検査の工程でエンジンが作動されて検査場所に置かれているときはアイドル状態にあり、この状態で上記テスト装置51からの指令があれば自動的にテストモードが起動されて、CDCVバルブ37が閉、TPCVバルブ34が開とされるとともにパージバルブ38が次第に開かれる。これにより、パージ通路30及びこれに通じる燃料タンク20が大気側から密閉された状態でサージタンク9に接続され、アイドル運転中のサージタンク9内の負圧によりパージ通路30及び燃料タンク20内のガスが吸引される。
【0047】
このため、蒸発燃料供給系が正常であれば、燃料タンク20内の圧力が図5中に線81で示すように次第に低下し、テスト装置51によりテスト開始の際に読み出された圧力検出値(FTP1)と設定時間Taの経過後に読み出された圧力検出値(FTP2)との偏差の絶対値が所定値αよりも大きくなる。一方、蒸発燃料供給系に配管の外れ等の故障があった場合、燃料タンク20内の圧力が充分に低下しなくて上記偏差の絶対値が所定値αよりも小さくなるため、故障が判別される。このような故障の診断がテスト装置51により自動的に行われる。
【0048】
また、このような故障診断中のテストモードでは、パージ通路30が大気側から密閉された状態でサージタンク9に接続されるため、CDCVバルブ37が開かれた状態でパージが行われるような通常運転中の制御状態と比べるとパージ量が増加してオーバーリッチによる失火が生じ易くなり、また、故障診断中に失火によりエンジン回転数が低下してエンストに至ると、エンジン再始動に時間を要するため、処理能率が低下し、工場等で多数の自動車の故障診断を行っていく場合に大きな問題となるが、当実施形態ではこのような事態が確実に防止される。
【0049】
すなわち、テストモードとなったときにエンジン回転数が高められることにより、テストモード中にパージ量が増大してオーバーリッチによりエンジン回転数が多少低下する傾向が生じてもエンストに至ることが避けられる。さらに、テストモードとなってからパージバルブ38が次第に開かれるとともに、エンジン回転数の低下が生じればパージバルブ38の開度が保持され、またはパージ量減少方向にパージバルブ38が作動されるようになっていることにより、急激なパージ量の増大に伴うオーバーリッチ化によるエンジン回転低下が抑制され、より確実にエンストが防止される。
【0050】
また、上記テストモード中には、上記のようにパージ通路30が大気側から密閉されていてパージ量が増大し易い等、通常時とは条件が著しく相違し、これが空燃比制御やISC制御に影響を及ぼすので、このテストモード中にパージ学習やISC学習を行うとその学習値は通常制御時に不適正な値となる。そこで当実施形態では、テストモード中はパージ学習及びISC学習を禁止し、誤学習を防止している。また、上記テストモード中は、失火が生じ易くなることから、エンジンの失火診断を行うと正常なエンジンでも診断結果が悪くなり、さらに空燃比制御やISC制御等に関する診断を行った場合もその診断結果に影響を及ぼし、誤診断を招き易い。そこで当実施形態では、テストモード中は他の診断を禁止し、誤診断を防止している。
【0051】
テスト装置51及びエンジン制御ユニット40によって行われる故障診断の方法の別の実施形態を、図6〜図8によって説明する。この実施形態においてエンジン制御ユニット40は、エンジンの運転状態が減速運転に相当する所定運転領域にあるときに燃料供給を停止する燃料カット制御手段としての機能と、上記テストモード中は燃料カット制御手段による燃料供給停止の制御を禁止する燃料カット禁止手段としての機能とを有している。なお、これらフローチャートに示す制御は、故障診断そのものの具体的方法も前記の図4に示した例とは多少相違していて、スモールリークを調べるのに適したものとなっている。
【0052】
図6及び図7は故障診断のためのフローチャートであり、このフローチャートにおいては、先ず、エンジン制御ユニット40とテスト装置51とが接続された状態(図2参照)で、テスト装置側で故障診断開始のための入力操作が行なわれることにより、テスト装置51がステップS201でテスト指令を送信し、エンジン制御ユニット40は、ステップS301で上記テスト指令を受診し、それに応じてテストモードを起動する。
【0053】
エンジン制御ユニット40によるテストモード起動後の処理としては、ステップS302でアイドル状態か否かを調べ、アイドル状態でなければそのまま終了するが、アイドル状態であれば、ステップS303以降の処理を行う。
【0054】
ステップS303では、燃料カット(燃料供給停止)を禁止する処理として、燃料カット禁止フラッグF1を「1」にセットする。
【0055】
続くステップS304では、エンジン回転数を所定値にまで上げ、つまりISC制御手段により行われるアイドル時の回転数フィードバック制御における目標回転数を所定回転数まで高める。さらに、ステップS305ではCDCVバルブ37を閉じるとともにTPCVバルブ34を開き、ステップS306ではパージバルブ38を所定値まで徐々に開く。そして、パージバルブ38を徐々に開いていく期間にエンジン回転数が低下したか否かをステップS307で調べ、低下していればステップS308でパージバルブ38の開度を一定に保持し、又はパージ減量方向(開度を小さくする方向)にパージバルブ38を作動する。これらステップS304〜S308の処理は、図4中のステップS105〜S109と同様である。
【0056】
次いでステップS309では、FTPセンサ出力(FTP)が設定値aよりも低くなったか否か、つまり燃料タンク内圧力が充分に負圧となったか否かを判定し、その判定がNOのときは、ステップS310で、ステップS305,S306の処理の開始から所定時間が経過したか否かを判定し、その判定がNOのときはステップS305からの処理を繰り返す。この所定時間は、燃料タンク内圧力が充分に負圧となるまでに要する時間であって、例えば30秒程度である。
【0057】
ステップS309,310のいずれかがYESになると、ステップS311でその時のFTPセンサ39の検出値FTP11を送信する。
【0058】
次に、ステップS312でパージバルブ38を閉じ、ステップS313でパージバルブ38を閉じてから所定時間が経過したか否かを調べ、所定時間が経過するまではCDCVバルブ37が閉、TPCVバルブ34が開、パージバルブ38が閉の状態を維持する。このときの所定時間は、蒸発燃料供給系に比較的小さな洩れ(スモールリーク)がある場合にそのスモールリークによる圧力上昇を判別できる程度の時間であって、例えば30秒程度である。
【0059】
ステップS313で所定時間が経過したことを判定すると、ステップS314でその時のFTPセンサ39の検出値FTP12を送信する。それ後、ステップS315でCDCVバルブ37を開くとともにTPCVバルブ34を閉じ、ステップS316でエンジン回転数を通常のアイドル回転数に復帰させ、さらにステップS317で、燃料カットを許可する処理として、燃料カット禁止フラッグF1を「0」としてから、エンジン制御ユニット40側のテストモードの処理を終了する。
【0060】
一方、テスト装置51は、エンジン制御ユニット40からステップS311でで送信されたFTPセンサ検出値FTP11とステップS314で送信されたFTPセンサ検出値FTP12とをステップS202,S203でそれぞれ受診し、ステップS204で、上記両検出値FTP11,FTP12の偏差の絶対値が所定値βより大きいか否かを判定することにより、スモールリークの有無を調べる。すなわち、CDCVバルブ37を閉、TPCVバルブ34を開とした状態でパージバルブ38を開いて負圧を導入するときにはリークが小さければ燃料タンク内が充分に負圧になるが、その後にパージバルブ38を閉じて燃料タンク側に負圧を閉じ込める状態を所定時間維持すると、スモールリークがある場合に燃料タンク内の圧力は次第に上昇し、両検出値FTP11,FTP12の偏差の絶対値が所定値βより大きくなることにより、スモールリークが判別される。
【0061】
そして、所定値βより大きければステップS205で蒸発燃料供給系の故障(NG)と判定して、表示手段53に故障の表示を行わせ、また、所定値β以下であれば、ステップS206で蒸発燃料供給系が正常(OK)と判定する。
【0062】
また、図8は燃料噴射制御のフローチャートである。このフローチャートの処理は所定クランク角毎にスタートし、先ずステップS401で運転状態を検出し、ステップS402で、エアフローセンサ7により検出される吸入空気量とエンジン回転数センサ17により検出されるエンジン回転数とに基づき、基本燃料噴射量TBASEを設定するとともに、ステップS403で各種補正量Tcを設定する。そして、ステップS404で、上記基本燃料噴射量TBASEに上記補正量Tcを加算することにより燃料噴射量TTOTALを求める。
【0063】
次に、ステップS405でエンジンの運転状態が燃料カットゾーンにあるか否かを判定する。この燃料カットゾーンは減速運転に相当する所定運転領域であり、例えばスロットル弁全閉で、かつ、エンジン回転数が燃料カット判定用の基準回転数以上となる領域が燃料カットゾーンとされている。
【0064】
燃料カットゾーンにない場合は、ステップS406で噴射タイミングになるまで待ってから、ステップS407で、上記ステップS404において求められた燃料噴射量TTOTALでインジェクタ10からの燃料噴射を実行する。
【0065】
燃料カットゾーンにある場合は、ステップS408で燃料カット禁止フラッグF1が「0」か否かを判定する。そして、この判定がYESのときは、ステップS409で燃料噴射量TTOTALを「0」とすることにより、燃料カットを行なう。一方、燃料カット禁止フラッグF1が「1」のとき(ステップS408がNOのとき)には、燃料カットゾーンにない場合と同様にステップS406,S407の処理を行なうことにより、燃料噴射を実行する。
【0066】
上記のような図6〜図8に示す制御によると、テストモードで故障診断が行なわれているとき、エンジン回転数が高められつつ、不必要に燃料カット制御が行なわれることが確実に避けられ、運転状態が良好に保たれる。
【0067】
この作用を具体的に説明する。テスト装置51からテスト指令の信号が送信されるとともにアイドル運転状態にある時にテストモードが起動されるが、テストモードになるとエンジン回転数が通常のアイドル回転数よりも高められる(ステップS303)ため、エンジン回転数が燃料カット判定用の基準回転数以上となって、エンジンの運転状態が燃料カットゾーンに入ってしまうことがある。そして、この場合に燃料カット制御が実行されると、テストモード中はエンストを防止してエンジンの作動の安定性を確保するためにエンジン回転数を上昇させるようにしているにもかかわらず、燃料供給の停止によりエンジン回転数が低下してエンストを招き易くなる。
【0068】
そこでテストモード中は、燃料カット禁止のためのステップS303の処理と、それに応じた燃料噴射量制御の中のステップS408等の処理により、燃料カットが禁止され、エンジンの運転状態が燃料カットゾーンに入っても燃料供給が実行される。このため、エンジン回転数が高い状態でエンジンの作動の安定性が確保され、エンストが確実に防止される。
【0069】
上記の図6〜図8に示す例では、テストモードにあるときに燃料カットを禁止する処理として、燃料カット禁止フラッグF1をセットするようにしているが、テストモード中だけ燃料カット判定用の基準回転数を高くして燃料カットゾーンを狭めることにより、エンジン回転数を所定値まで上昇させても燃料カットゾーンに入らないようにし、あるいは、エンジン回転数検出信号やアイドルスイッチ等の信号を燃料カットゾーンから外れるような擬似信号に置き換えるようにしてもよい。
【0070】
また、このようにテストモードにあるときに燃料カットを禁止する処理は、図4のフローチャート中に示すパージ学習禁止、ISC学習禁止及び他の診断の禁止の各処理と併せて行なうようにしてもよい。
【0071】
なお、本発明の方法及び装置は、製造工場での出荷時の検査に適用されるほかに、修理工場等での検査、診断にも適用することができる。また、通常走行時中には前述の特開平5−256214号に示されるような方法で蒸発燃料供給系の故障診断を行うようにする一方、工場等での検査時には上記実施形態に示すような方法で故障診断を行うようにすることが望ましい。
【0072】
【発明の効果】
本発明の方法及び装置は、蒸発燃料供給系の通路開閉手段等を制御する制御部と外部のテスト装置とがテスト用端子を介して接続されるようにし、エンジンをアイドル状態とするとともに上記テスト装置からの指令信号により燃料タンクと吸気通路との間で上記パージ通路を開き、かつ大気側開放部を閉じる状態に通路開閉手段を制御するテストモードとし、このテストモードでの所定時間における上記圧力センサの出力の変化を上記テスト装置により調べて、蒸発燃料供給系の故障の有無を判別するようにしているため、工場等でテスト装置を用いて簡単に能率良く蒸発燃料供給系の故障を診断し、かつ、適正な診断を行うことができる。
【0073】
また、テストモードにあるときのアイドル回転数を通常運転時のアイドル回転数よりも高い値に設定しておくことにより、テストモード中にパージ量の増大によるオーバーリッチ化で失火し易い状態となっても、エンストを防止し、エンストにより診断が中断されて処理能率の低下を招くといった事態を防止することができる。さらに、上記テストモード中は燃料カット制御手段による燃料供給停止の制御を禁止することにより、テストモード中に燃料カットによって燃焼状態が不安定になることがない。
【0074】
また、パージ通路に設けられた流量調節用のバルブの開度を上記テストモードの開始時点から次第に増大させるとともに、この制御中にエンジン回転数が低下したときは上記バルブの開度の増大を抑制するようにした方法及び装置によると、テストモードとなってからの急激なパージ量の増大によるオーバーリッチ化によるエンジン回転数の低下を避けて、エンストを防止することができる。
【0075】
また、上記テストモードにあるときに蒸発燃料供給時の空燃比制御量の学習やISC制御の学習を禁止するようにしておけば、通常運転中とは異なる条件下にあるテストモード中に誤学習が行われることを防止することができる。
【0076】
また、上記テストモード中にエンジンに対する他の各種の診断を禁止するようにしておけば、上記テストモードとされることが他の各種の診断に及ぼす影響で誤診断を招くといった事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法及び装置が適用される蒸発燃料供給系を備えたエンジンの一例を示す概略図である。
【図2】エンジン制御ユニットと外部のテスト装置との接続関係を示す概略図である。
【図3】故障診断装置を構成する部分の機能ブロック図である。
【図4】故障診断方法の一例を示すフローチャートである。
【図5】故障診断のための各種信号、バルブの作動、センサ出力値等の時間的変化を示すタイムチャートである。
【図6】別の実施形態による故障診断方法のフローチャートの一部を示すものである。
【図7】同フローチャートの残りの部分を示すものである。
【図8】燃料噴射制御のフローチャートである。
【符号の説明】
5 吸気通路
10 インジェクタ
20 燃料タンク
30 パージ通路
34 TPCVバルブ
37 CDCVバルブ
38 パージバルブ
39 圧力センサ
40 エンジン制御ユニット
42 蒸発燃料系制御手段
45 アイドル回転数変更手段
46 テストモード進行制御手段
47 学習禁止手段
48 他の診断の禁止手段
51 テスト装置
54 送受信手段
55 判別手段

Claims (10)

  1. 燃料タンク内で発生した蒸発燃料をエンジンの吸気通路に導入可能とするパージ通路と、燃料タンクと吸気通路との間でのパージ通路の開閉及び大気開放部の開閉をそれぞれ可能とする通路開閉手段と、パージ通路の燃料タンク側の圧力を検出する圧力検出手段と、上記通路開閉手段及び上記圧力検出手段に接続された制御部とを備えた蒸発燃料供給系の故障診断を車両検査時に行う方法であって、
    エンジンをアイドル状態とするとともに、外部のテスト装置から上記制御部にテスト用の信号を送信することにより、燃料タンクと吸気通路との間で上記パージ通路を開き、かつ大気側開放部を遮断する状態に上記通路開閉手段を制御して、この制御状態をテストモードとし、
    このテストモードでの所定時間における上記圧力検出手段の出力の変化を上記テスト装置により調べ、この圧力検出手段の出力変化度合に基づいて蒸発燃料供給系の故障の有無を判別する一方、
    上記テストモードにあるときのエンジン回転数を通常運転時のアイドル回転数よりも高い値に設定し、かつ、エンジンの運転状態が減速運転に相当する所定運転領域にあるときに燃料供給を停止する燃料カット制御手段による燃料供給停止の制御を上記テストモード中は禁止することを特徴とする蒸発燃料供給系の故障診断方法。
  2. 燃料タンク内で発生した蒸発燃料をエンジンの吸気通路に導入可能とするパージ通路と、燃料タンクと吸気通路との間でのパージ通路の開閉及び大気開放部の開閉をそれぞれ可能とする通路開閉手段と、パージ通路の燃料タンク側の圧力を検出する圧力検出手段と、上記通路開閉手段及び上記圧力検出手段に接続された制御部とを備えた蒸発燃料供給系の故障診断を車両検査時に行う方法であって、
    エンジンをアイドル状態とするとともに、外部のテスト装置から上記制御部にテスト用の信号を送信することにより、燃料タンクと吸気通路との間で上記パージ通路を開き、かつ大気側開放部を遮断する状態に上記通路開閉手段を制御して、この制御状態をテストモードとし、
    このテストモードでの所定時間における上記圧力検出手段の出力の変化を上記テスト装置により調べ、この圧力検出手段の出力変化度合に基づいて蒸発燃料供給系の故障の有無を判別する一方、
    上記パージ通路に設けられた流量調節用のバルブを制御して、このバルブの開度を上記テストモードの開始時点から次第に増大させるとともに、この制御中にエンジン回転数が低下したときは上記バルブの開度の増大を抑制することを特徴とする蒸発燃料供給系の故障診断方法。
  3. 蒸発燃料供給時に空燃比制御量の学習を行う空燃比制御手段を備えたエンジンにおける蒸発燃料供給系の故障診断方法であって、上記テストモードにあるときに上記学習を禁止することを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸発燃料供給系の故障診断方法。
  4. アイドル運転時の回転数を目標アイドル回転数とするように吸入空気量を制御するとともにその制御量の学習を行うISC制御手段を備えたエンジンにおける蒸発燃料供給系の故障診断方法であって、上記テストモードにあるときに上記ISC制御手段による学習を禁止することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の蒸発燃料供給系の故障診断方法。
  5. 上記テストモードにして蒸発燃料供給系の故障診断を行っているときは、エンジンに対する他の各種の診断を禁止することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の蒸発燃料供給系の故障診断方法。
  6. 燃料タンク内で発生した蒸発燃料をエンジンの吸気通路に導入可能とするパージ通路と、燃料タンクと吸気通路との間でのパージ通路の開閉及び大気開放部の開閉をそれぞれ可能とする通路開閉手段と、パージ通路の燃料タンク側の圧力を検出する圧力検出手段と、上記各バルブ及び上記圧力検出手段に接続された制御部とを備えた蒸発燃料供給系の故障診断を行う装置であって、
    上記制御部にテスト用端子を介して接続される外部のテスト装置を備え、
    エンジンがアイドル状態にあるときに上記テスト装置からのテスト指令信号に応じて燃料タンクと吸気通路との間で上記パージ通路を開き、かつ大気側開放部を閉じる状態に上記通路開閉手段を制御することによりテストモードとするように上記制御部を構成するとともに、
    上記テスト装置に、上記制御部に対するテスト指令信号の送信及び上記圧力検出手段の出力の受信を行う送受信手段と、テストモード中に上記圧力検出手段の出力の変化を調べ、その出力変化度合に基づいて蒸発燃料供給系の故障の有無を判別する判別手段とを設ける一方、
    上記制御部に、上記テストモードにあるときにエンジン回転数を通常運転時のアイドル回転数よりも高い値となるように制御するアイドル回転数変更手段と、エンジンの運転状態が減速運転に相当する所定運転領域にあるときに燃料供給を停止する燃料カット制御手段による燃料供給停止の制御を上記テストモード中は禁止する燃料カット禁止手段とを設けたことを特徴とする蒸発燃料供給系の故障診断装置。
  7. 燃料タンク内で発生した蒸発燃料をエンジンの吸気通路に導入可能とするパージ通路と、燃料タンクと吸気通路との間でのパージ通路の開閉及び大気開放部の開閉をそれぞれ可能とする通路開閉手段と、パージ通路の燃料タンク側の圧力を検出する圧力検出手段と、上記各バルブ及び上記圧力検出手段に接続された制御部とを備えた蒸発燃料供給系の故障診断を行う装置であって、
    上記制御部にテスト用端子を介して接続される外部のテスト装置を備え、
    エンジンがアイドル状態にあるときに上記テスト装置からのテスト指令信号に応じて燃料タンクと吸気通路との間で上記パージ通路を開き、かつ大気側開放部を閉じる状態に上記通路開閉手段を制御することによりテストモードとするように上記制御部を構成するとともに、
    上記テスト装置に、上記制御部に対するテスト指令信号の送信及び上記圧力検出手段の出力の受信を行う送受信手段と、テストモード中に上記圧力検出手段の出力の変化を調べ、その出力変化度合に基づいて蒸発燃料供給系の故障の有無を判別する判別手段とを設ける一方、
    上記パージ通路に流量調節用のバルブを設け、このバルブの開度を上記テストモードの開始時点から次第に増大させるとともに、エンジン回転数検出手段の出力を受けて、エンジン回転数が低下したときは上記バルブの開度の増大を抑制するように制御するテストモード進行制御手段を備えたことを特徴とする蒸発燃料供給系の故障診断装置。
  8. 蒸発燃料供給時に空燃比制御量の学習を行う空燃比制御手段を備えたエンジンにおける蒸発燃料供給系の故障診断装置であって、上記テストモードにあるときに上記学習を禁止する手段を備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載の蒸発燃料供給系の故障診断装置。
  9. アイドル運転時の回転数を目標アイドル回転数とするように吸入空気量を制御するとともにその制御量の学習を行うISC制御手段を備えたエンジンにおける蒸発燃料供給系の故障診断装置であって、上記テストモードにあるときに上記ISC制御手段による学習を禁止する手段を備えたことを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の蒸発燃料供給系の故障診断装置。
  10. 上記テストモードにして蒸発燃料供給系の故障診断を行っている期間にエンジンに対する他の各種の診断を禁止する手段を備えたことを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の蒸発燃料供給系の故障診断装置。
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