JP2001107178A - 発錆増加の少ないCa含有鋼 - Google Patents
発錆増加の少ないCa含有鋼Info
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Abstract
起点とした発錆の増加を効果的に抑制する。 【解決手段】 Ca含有鋼中に含まれるCaOを含有する酸
化物系介在物のうち直径が2μm 以上の酸化物系介在物
の80%以上について、その平衡S溶解量(%S)inc.が0.03
wt%以下となるように、介在物組成および鋼中S濃度を
制御する。
Description
いCa含有鋼に関し、特に酸化物系介在物の低融点化によ
るクラスター状の巨大介在物の生成や連続鋳造でのノズ
ル詰まりの発生を防止すると共に、硫化物系介在物の熱
間圧延時における変形能を低下させるために、溶鋼中に
Ca(Ca合金)を添加した場合に懸念される、鋼中に含ま
れるCaOを含有した酸化物系介在物に起因した製品表面
における錆の発生を効果的に防止しようとするものであ
る。
に各種ステンレス鋼、特にそれらの薄鋼板においては、
製品表面が美麗であることが要求されている。これらの
鋼は、AlやTi, Si等による脱酸によって低酸素鋼とする
のが一般的であるが、Al脱酸やTi脱酸後の鋼中には通常
10〜80 ppm程度の酸素量に相当する Al2O3やTi酸化物を
主とする酸化物系介在物が不可避的に残留する。このよ
うな Al2O3やTi酸化物を主とする酸化物系介在物は、連
続鋳造においてタンディッシュからモールドへ注湯する
ために使用するイマージョンノズルの内壁に付着堆積
し、ノズルの閉塞を引き起こして安定鋳造を阻害するだ
けでなく、詰まり物の剥離、混入により、鋳片、製品に
おける介在物性欠陥となる。また、ノズル詰まりによっ
て、鋳型内の溶鋼流動に偏流をきたし、鋳型内湯面のパ
ウダーの巻き込みの原因となる。さらに、 Al2O3やTi酸
化物はクラスター状となって薄鋼板の表層部に残留し、
製品板に筋状欠陥を発生させて表面の美麗さを損なう原
因ともなる。
た問題を解決する方法として、アルミ脱酸した溶鋼にCa
を添加して、CaOとAl2O3 からなる酸化物組成とする方
法が知られている(例えば特開昭61−276756号公報、特
開昭58−154447号公報、特開平6-49523号公報等)。こ
の方法は、Caの添加によって Al2O3とCaを反応させ、 C
aO・Al2O3, 12CaO・7Al2O3, 3CaO・Al2O3 等を主成分と
する低融点の酸化物を形成させることによって所期した
目的を達成しようとするものである。
る薄板用鋼では、鋼中のMnSが耐HIC 特性やバーリング
性に悪影響を及ぼすために、Caを添加してMnSの生成を
抑制する方法が知られている(例えば特開昭56−9317号
公報)。しかしながら、溶鋼中へCaを添加すると、この
Caが鋼中のSと反応してCaSを形成するが、このCaSが
発錆の原因となる。
な発錆を防止するために、鋼中に残留するCa量を5ppm
以上 10ppm未満とすることを提案しているが、たとえCa
量を10 ppm未満にしても、鋼中に残留する酸化物組成が
適正でない場合、特に介在物中のCaO濃度が高い場合に
は、鋼中に残留するCaO含有酸化物の周囲にCaSが生成
し、それが起点となって錆が生成する。その結果、製品
の発錆までの時間が短くなって、錆の発生量が増加し、
製品の表面性状の劣化を余儀なくされる。
ように、ノズル詰まりの防止、 Al2O3やTi酸化物の無害
化および硫化物の制御などを目的としてCaを添加した鋼
において、従来問題となっていた、介在物に起因した発
錆を有利に解決することを目的とする。
の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、鋼中に
残留するCaO含有酸化物系介在物が全てその周囲にCaS
を生成し、発錆の起点となるのではなく、その組成によ
っては酸化物中のSの溶解度が低下し、温度低下時、凝
固時においても介在物周囲でのCaSの生成が少なく、発
錆の起点となりにくい酸化物も存在するという新規知見
を得た。この発明は、上記の知見に立脚するものであ
る。
れるCaOを含有する酸化物系介在物のうち直径が2μm
以上の酸化物系介在物の80%以上について、その平衡S
溶解量(%S)inc.が0.03wt%以下となるように、介在物組
成および鋼中S濃度を制御したことを特徴とする、発錆
増加の少ないCa含有鋼である。
としては、前記酸化物系介在物の組成から計算される光
学的塩基度、鋳造温度および鋼の成分をパラメータとし
て下記式(1) によって計算される値を用いることが好ま
しい。 記 log(%S)inc.=(21920-54640Λ)/T+43.6Λ−23.9−log[a0]+log[wt%S] --- (1) ここで、 T:連続鋳造時の鋳造温度(K) [wt%S]:鋼中S濃度 [a0]:連続鋳造時の鋳造温度での溶鋼の酸素活量 ・Al脱酸時 loga0 =(-64000/T+20.57-2log[wt%Al]-0.086[wt%Al]
-0.102[wt%Si]) /3 ・Ti脱酸時 loga0 =(-60709/T+20.97-2log[wt%Ti]-0.084[wt%T
i])/3 ただし、Al, Ti含有時はa0 が小さい方を選択 Λ:酸化物系介在物の光学的塩基度 Λ= 1.0X(CaO)+ 0.605X(Al203)+0.61X(TiO2)+0.78X(MgO)+0.48X(SiO2) +0.55X(Cr203)+0.59X(MnO) --- (2) X(MmOn):酸化物の陽イオン等量 X(MmOn)=n×N(MmOn)/Σ(n×N(MmOn)) --- (3) N(MmOn):酸化物のモル分率 n:酸化物中の酸素の価数
った実験結果について説明する。Ar雰囲気の高周波溶解
炉にて、極低炭素鋼(C:0.0015〜0.0025wt%, Mn:0.
15〜0.22wt%, P:0.008 〜0.015 wt%, S:0.002 〜
0.020 wt%)を、Si脱酸後(Si:0.01〜2.0 wt%)、Al
脱酸またはTi脱酸またはAl−Ti脱酸した後、Ca添加(Fe
−Ca, CaSi, Ca:0.0005〜0.0040wt%)を施して、酸化
物組成を、Al2O3,Ti酸化物,Al2O3-Ti酸化物、またはSi
O2を含有する酸化物から、さらにCaOを含有する酸化物
に制御した。この際、Al, Ti, SiおよびCaの濃度を変え
ることによって、鋼中の酸化物組成を変更した。この溶
鋼を鋳造し、鋼塊中における大きさが2μm 以上の介在
物について、その組成および形態をEPMAおよびSEM-EDX
によって調査した。また、この鋼塊を圧延した薄鋼板か
ら試験片を採取し、この試験片を恒温恒湿槽試験器(温
度:60℃、湿度:95%)にて24時間の曝露試験を行っ
た。そして、暴露試験を行った試験片中の介在物につい
てもその組成および形態をEPMA、SEM-EDX にて調査し、
発錆と酸化物組成との関係を求めた。
示す。同図に示したとおり、低融点のCaO濃度の高い C
aO−Al2O3 介在物(47wt%CaO-51wt%Al2O3-2wt%Ti2O3)で
は、介在物の内部および周囲にCaSが析出しているのに
対し、CaO濃度の低い CaO-Ti2O3-Al2O3介在物(23wt%C
aO-28wt%Al2O3-47wt%Ti2O3) では、介在物の内部および
周囲にCaSはほとんど析出していない。また、酸化物中
にCaSの析出している鋼塊の薄鋼板では、発錆量が多
く、しかも酸化物を起点として錆が生成していることが
判明した。
査し、酸化物組成とCaSの析出状態および発錆状況から
検討を重ねた結果、CaO濃度が高いすなわち酸化物の光
学的塩基度が高いほど酸化物の周囲にCaSが析出し、発
錆の起点となることが判明した。さらに、検討を繰り返
した結果、CaSの生成量、発錆量は、酸化物のサルファ
イドキャパシティが高く、しかも鋳造温度での溶鋼の酸
素活量が小さいほど増加することが判明した。
学的塩基度と、AlまたはTi濃度から求められる鋳造時の
酸素活量を用いD.J.Sosinskyら(D.J.Sosinsky and I.
D.Sommerville, Met.Trans.B., 1986, Vol.17B, pp.33
1-337)が下記式(1) により求めた鋳造温度での酸化物
の平衡S溶解量(%S)inc.を指標として調査したところ、
その値が大きくなるほど酸化物の周囲に多量のCaSが生
成し、その結果、発錆量が増加することが判明した。な
お、式中の酸化物の光学的塩基度Λの値は、酸化物の組
成より次式(2) からJ.A.Duffy ら(J.A.Duffy and M.D.
Ingram, J.Inor. Nuclear Chem.,1975, Vol.37, pp.120
3-1206)による各酸化物の係数を用いて求めた。
-0.102[wt%Si]) /3 ・Ti脱酸時 loga0 =(-60709/T+20.97-2log[wt%Ti]-0.084[wt%T
i])/3 ただし、Al, Ti含有時はa0 が小さい方を選択 Λ:酸化物系介在物の光学的塩基度 Λ= 1.0X(CaO)+ 0.605X(Al203)+0.61X(TiO2)+0.78X(MgO)+0.48X(SiO2) +0.55X(Cr203)+0.59X(MnO) --- (2) X(MmOn):酸化物の陽イオン等量 X(MmOn)=n×N(MmOn)/Σ(n×N(MmOn)) --- (3) N(MmOn):酸化物のモル分率 n:酸化物中の酸素の価数 なお、介在物中のTiの酸化物の存在形態としては、前述
のEPMA測定結果に示すようにTi2O3 が主であるが、(2)
式によってΛを計算する場合には、これをTiO2に換算し
てX(TiO2)を算出して差し支えない。
温度での酸化物の平衡S溶解量(%S)inc.と恒温恒湿槽試
験器(温度:60℃、湿度:95%)を用いた発錆試験での
酸化物周囲の発錆確率との関係について調べた結果を示
す。 同図に示したとおり、酸化物の平衡S溶解量(%S)inc.が
大きくなるに従って酸化物周囲の発錆確率は増加し、0.
03wt%超になると急激に発錆確率が増加している。
wt%超の介在物の周囲には、CaSが発生している割合が
非常に高い。これは、介在物の周囲に生成したCaSは加
水分解性の介在物で、「鉄と鋼第57年第13号 P.301」に
示すように 2CaS +2H2O → Ca(OH)2+Ca(HS)2 Ca(HS)2+2H2O → Ca(OH)2+2H2S なる加水分解が起こり、またH2Sの解離によって鋼の腐
食が促進されるためである。
物組成から求めた鋳造温度での酸化物の平衡S溶解量(%
S)inc.と屋内曝露発錆試験(2週間、平均気温:18℃、
平均湿度:62%)での薄鋼板の発生点錆個数との関係に
ついて調べた結果を示す。 同図に示したとおり、酸化物の平衡S溶解量(%S)inc.が
大きくなるに従って鋼板での点錆個数は増加し、0.03wt
%超になると点錆個数が急激に増加する。
おけるCaSの発生に大きく依存しており、一方このCaS
の生成については、酸化物系介在物の組成、鋳造時の温
度および溶鋼酸素活量から求められる鋳造温度での酸化
物の平衡S溶解量によって評価することができ、その値
が0.03wt%超になるとCaSの生成量が増加し、その結
果、著しく発錆が増加することが、数多くの実験により
解明されたのである。
Ca含有鋼であれば全てに適合し、特に高炭素鋼、低炭素
鋼および極低炭素鋼等の普通鋼ならびにフェライト系、
マルテンサイト系およびオーステナイト系のステンレス
鋼等で、CaOを含む2μm 以上の酸化物系介在物を含有
している鋼に有利に適用することができる。ここで、Ca
含有鋼とは、Ca濃度が0.0005wt%以上の鋼を指す。この
ようなCa含有鋼において、Al脱酸鋼ではCaO-Al2O3 を主
とした酸化物が、Ti脱酸鋼では CaO−Ti酸化物を主とし
た酸化物が、Al−Ti脱酸鋼ではCaO-Al2O3-Ti酸化物を主
とした酸化物が、それぞれ鋼中に存在する。また、低A
l、低Ti鋼でSi脱酸鋼ではSiO2が、高Mn鋼ではMnOが、
ステンレス等の高Cr鋼ではCr2O3 が、Mg含有鋼では MgO
が、それぞれ酸化物中に含有するが、この発明は、いず
れの酸化物を含有する複合酸化物においても適用可能で
ある。また、その他の不可避的酸化物を含有していても
(≦5wt%)適用可能である。
のうちでも、粒径が2μm 以上の粒子だけを対象とした
のは、粒径が2μm 未満の微細粒子は発錆の起点になり
難いからである。なお、粒径が2μm 以上の酸化物系介
在物について、その全てを、上述したような組成範囲に
する必要はなく、少なくとも80%以上の酸化物粒子が適
正範囲にあれば良い。
在物について、前掲(1) 式で計算した酸化物の平衡S溶
解量(%S)inc.が0.03wt%以下になるように、介在物組成
および鋼中S濃度を制御することを特徴とするものであ
るが、酸化物の組成は、脱酸剤の選択、添加量の変更な
どにより制御可能である。
のCaO濃度との関係について調べた結果を例示する。同
図に示したとおり、平衡S溶解量(%S)inc.と酸化物中の
CaO濃度との関係は、鋼中S濃度や脱酸手段の違いによ
って幾分変化するけれども、いずれにしても平衡S溶解
量(%S)inc.が0.03wt%以下となるように酸化物中のCaO
濃度を制御することにより、製品表面における錆の発生
を効果的に防止することができる。
連続鋳造でのノズル詰まりの発生を防止するためには、
酸化物系介在物の低融点化が必要であり、概ね酸化物の
融点を1650℃以下とする必要である。従って、クラスタ
ー状の巨大介在物の生成防止、連続鋳造でのノズル詰ま
りの発生防止および製品の発錆抑制の両面から、酸化物
組成、鋼中S濃度を選択することが重要である。また、
連続鋳造時の鋳造温度は、鋼の凝固温度に加えて10〜80
℃程度の範囲が一般的である。
炭処理し、成分をC:0.0020wt%, Mn:0.20wt%,P:
0.015 wt%,S:0.010 wt%にすると共に、温度を1600
℃に調整した。この溶鋼中に、Alを0.5 kg/ton添加し、
溶鋼中の溶存酸素濃度を 150 ppmまで低下させた。つい
で、この溶鋼に、 70wt%Ti−Fe合金を1.2 kg/ton添加
し、脱酸した。その後、溶鋼中に、30wt%Ca-60wt%Si 合
金ワイヤーを0.3 kg/ton添加し、成分調整を行った。処
理後のTi濃度は 0.050wt%、Al濃度は 0.002wt%、Ca濃
度は15 ppmであった。
て鋳造を行った。この時の、タンディッシュ内の溶鋼成
分は、Ti濃度は 0.050wt%、Al濃度は 0.002wt%、Ca濃
度は15 ppm、S濃度は 0.010wt%であり、鋳造温度は15
60℃であった。Arガス吹き無しで5チャージ連続鋳造後
のイマージョンノズル内には付着物はほとんど無かっ
た。この 220mm厚スラブを、3.5mm まで熱間圧延し、つ
いで 0.8mmまで冷間圧延したのち、 780℃で45秒間の焼
鈍を行った。
wt%、Al濃度:0.001 wt%、Ca濃度:15 ppm,S濃度:
0.010 wt%であり、EPMAで測定したコイル中の30個の平
均酸化物組成は (CaO):20wt%、 (Al2O3):20wt%、(T
iO2):60wt%であった。これより、鋳造温度での [a0]
=0.00076 、酸化物系介在物の光学的塩基度Λ=0.634
、[wt%S]=0.010 wt%となり、前掲(1) 式により求め
た酸化物の計算平衡S溶解量(%S)inc.は0.0084wt%であ
った。このコイルを、屋内曝露発錆試験(2週間、平均
気温:20℃、平均湿度:65%)に共し、発生した点錆個
数を測定したところ20個/100cm2で、Ca無添加のAl脱酸
鋼と同レベルであった。
炭処理し、成分をC:0.020 wt%、Mn:0.20wt%,P:
0.015 wt%,S =0.010 wt%にすると共に、温度を1600
℃に調整した。この溶鋼中に、Alを1.5 kg/ton添加し、
ついで 75wt%Ti-25wt%Fe合金を 0.6kg/tonを添加し、脱
酸した。 その後、溶鋼中に、30wt%Ca-60wt%Si ワイヤー
を0.4 kg/ton添加した。処理後のTi濃度は 0.050wt
%、Al濃度は0.035 wt%、Ca濃度は20 ppmであった。
て鋳造を行った。この時の、タンディッシュ内の介在物
を調査した結果、2wt%Ti2O3-52wt%CaO-46wt%Al2O3 の球
状介在物であった。また、この時のタンディッシュ内の
溶鋼成分は、Ti濃度は 0.050wt%、Al濃度は 0.030wt
%、Ca濃度は25 ppm、S濃度は 0.010wt%であり、鋳造
温度は1560℃であった。Arガス吹き無しで5チャージ鋳
造後、イマージョンノズル内には付着物はほとんど無か
った。このスラブを 3.5mmまで熱間圧延し、0.8 mmまで
冷間圧延したのち、 780℃で45秒間の焼鈍を行った。
wt%、Al濃度:0.030 wt%、Ca濃度:20 ppm、S濃度:
0.010 wt%であり、EPEAで測定したコイル中の30個の平
均酸化物組成は (CaO):50wt%、 (Al2O3):48wt%、(T
iO2):2wt%であった。これより、鋳造温度での [a0]
=0.00076 、酸化物系介在物の光学的塩基度Λ=0.666
7、[wt%S]=0.010 wt%となり、前掲(1) 式により求め
た酸化物の計算平衡S溶解量(%S)inc.は 0.106wt%であ
った。このコイルを、屋内曝露発錆試験(2週間、平均
気温:20℃、平均湿度:65%)に共し、発生した点錆個
数を測定したところ 252個/100cm2で、Ca無添加のAl脱
酸鋼や実施例1に比べると発錆個数の著しい増加を招い
た。
において従来懸念された、介在物を起点とした発錆の増
加を効果的に抑制することができる。
定結果を示したものである。
と恒温恒湿槽試験器(温度:60℃、湿度:95%)を用い
た発錆試験での酸化物周囲の発錆確率との関係を示した
グラフである。
度での酸化物の平衡S溶解量(%S)inc.と屋内曝露発錆試
験(2週間、平均気温:18℃、平均湿度:62%)での薄
鋼板の発生点錆個数との関係を示したグラフである。
との関係を示したグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 Ca含有鋼中に含まれるCaOを含有する酸
化物系介在物のうち直径が2μm 以上の酸化物系介在物
の80%以上について、その平衡S溶解量(%S)inc.が0.03
wt%以下となるように、介在物組成および鋼中S濃度を
制御したことを特徴とする、発錆増加の少ないCa含有
鋼。 - 【請求項2】 請求項1において、平衡S溶解量(%S)in
c.として、前記酸化物系介在物の組成から計算される光
学的塩基度、鋳造温度および鋼の成分をパラメータとし
て下記式(1) によって計算される値を用いることを特徴
とする、発錆増加の少ないCa含有鋼。 記 log(%S)inc.=(21920-54640Λ)/T+43.6Λ−23.9−log[a0]+log[wt%S] --- (1) ここで、 T:連続鋳造時の鋳造温度(K) [wt%S]:鋼中S濃度 [a0]:連続鋳造時の鋳造温度での溶鋼の酸素活量 ・Al脱酸時 loga0 =(-64000/T+20.57-2log[wt%Al]-0.086[wt%Al]
-0.102[wt%Si]) /3 ・Ti脱酸時 loga0 =(-60709/T+20.97-2log[wt%Ti]-0.084[wt%T
i])/3 ただし、Al, Ti含有時はa0 が小さい方を選択 Λ:酸化物系介在物の光学的塩基度 Λ= 1.0X(CaO)+ 0.605X(Al203)+0.61X(TiO2)+0.78X(MgO)+0.48X(SiO2) +0.55X(Cr203)+0.59X(MnO) --- (2) X(MmOn):酸化物の陽イオン等量 X(MmOn)=n×N(MmOn)/Σ(n×N(MmOn)) --- (3) N(MmOn):酸化物のモル分率 n:酸化物中の酸素の価数
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