JP2001106959A - 球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子、球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子の製造方法、複層塗膜形成方法およびそれから得られる複層塗膜 - Google Patents
球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子、球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子の製造方法、複層塗膜形成方法およびそれから得られる複層塗膜Info
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Abstract
膜の平滑性が良好であり、さらに十分な耐酸性を有して
いる塗膜が得られる球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子を
提供する。 【解決手段】 アクリル樹脂Aとアクリル樹脂Bとを含
む球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子であって、(a)
(アクリル樹脂AのSP値)−(アクリル樹脂BのSP
値)が0.2〜1.5、(b)(アクリル樹脂AのT
g)−(アクリル樹脂BのTg)が10℃以上、(c)
アクリル樹脂AのTgが40〜100℃かつアクリル樹
脂BのTgが20〜50℃、(d)アクリル樹脂Aの数
平均分子量が2000〜4000かつアクリル樹脂Bの
数平均分子量4000〜10000、(e)アクリル樹
脂A/アクリル樹脂Bの固形分重量の比が5/95〜5
0/50であり、体積平均粒子径/個数平均粒子径が2
以下であることを特徴とする、球形熱硬化性粉体クリア
塗料粒子。
Description
クリア塗料粒子、球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子の製
造方法、複層塗膜形成方法およびそれから得られる複層
塗膜に関する。
剤がないことから、環境に対してやさしい塗料として近
年注目を浴びている。その中でも、塗膜の物性及び性能
の点から熱硬化性の粉体塗料の使用が増加している。し
かし、これまでの熱硬化性の粉体塗料では、得られる塗
膜の平滑性と、貯蔵安定性の1つである耐ブロッキング
性の両立が困難である。粉体塗料に用いる樹脂のTgを
増加させれば、耐ブロッキング性が改良することは一般
によく知られているが、樹脂のTgの増加は塗膜の平滑
性の低下につながるため、高外観が要求される自動車車
体等の塗装には、粉体塗料を適用できないのが現実であ
った。
れ、酸性雨に対する耐久性、いわゆる耐酸性が塗膜、特
に自動車用クリアトップコートについて必要とされるよ
うになった。
々の硬化系が用いられているものの、得られる塗膜の架
橋間分子量が低いために耐酸性が十分なものはこれまで
得られていない。
わゆる湿式法が最近、提案されている。例えば、特開平
9−100414号公報では、湿式法を用いた狭い粒子
径分布を有する熱硬化性樹脂粒子の製造が開示されてい
るが、この方法により粉体塗料を製造しても、耐ブロッ
キング性の改良と塗膜の平滑性との両立は解決できてい
なかった。
ング性およびそれから得られる塗膜の平滑性が良好であ
り、さらに十分な耐酸性を有している塗膜が得られる球
形熱硬化性粉体クリア塗料粒子およびその製造方法を提
供するものである。
Aとアクリル樹脂Bとを含む球形熱硬化性粉体クリア塗
料粒子であって、(a)(アクリル樹脂AのSP値)−
(アクリル樹脂BのSP値)が0.5〜1.5、(b)
(アクリル樹脂AのTg)−(アクリル樹脂BのTg)
が10℃以上、(c)アクリル樹脂AのTgが40〜1
00℃かつアクリル樹脂BのTgが20〜50℃、
(d)アクリル樹脂Aの数平均分子量が2000〜40
00かつアクリル樹脂Bの数平均分子量4000〜10
000、(e)アクリル樹脂A/アクリル樹脂Bの固形
分重量の比が5/95〜50/50であり、体積平均粒
子径/個数平均粒子径が2以下であることを特徴とする
球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子を提供するものであ
る。
に熱硬化性樹脂溶液を加えて得られた懸濁液から、球形
熱硬化性粉体クリア塗料粒子を製造する方法であって、
上記熱硬化性樹脂溶液が、アクリル樹脂A、アクリル樹
脂Bおよび有機溶剤を含んでおり、アクリル樹脂Aおよ
びアクリル樹脂Bが、(a)(アクリル樹脂AのSP
値)−(アクリル樹脂BのSP値)が0.5〜1.5、
(b)(アクリル樹脂AのTg)−(アクリル樹脂Bの
Tg)が10℃以上、(c)アクリル樹脂AのTgが4
0〜100℃かつアクリル樹脂BのTgが20〜50
℃、(d)アクリル樹脂Aの数平均分子量が2000〜
4000かつアクリル樹脂Bの数平均分子量4000〜
10000、(e)アクリル樹脂A/アクリル樹脂Bの
固形分重量の比が5/95〜50/50であり、前記水
溶性高分子として、30〜90℃の範囲内に曇点を示す
水溶性高分子を用い、(1)前記曇点未満の温度で懸濁
して一次粒子を含む前記懸濁液を調製する第1の工程、
(2)第1の工程で得られた懸濁液を前記曇点未満の温
度に加熱する第2の工程、及び(3)第2の工程で得ら
れた懸濁液を前記曇点以上の温度に加熱して二次粒子を
得るとともに、前記有機溶剤を系外に留去する第3の工
程を含むことを特徴とする球形熱硬化性粉体クリア塗料
粒子の製造方法を提供するものである。
よび中塗りが施された基板上に、ベース塗料を塗布する
工程、上記工程で得られたベース塗料が塗布された基板
上に、粉体クリア塗料を塗布する工程、および、上記ベ
ース塗料および前記粉体クリア塗料が塗布された基板を
加熱する工程からなる複層塗膜形成方法であって、粉体
クリア塗料が上記球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子であ
ることを特徴とする複層塗膜形成方法およびそれによっ
て得られる複層塗膜を提供するものである。
樹脂Aとアクリル樹脂Bとを含んでおり、(a)(アク
リル樹脂AのSP値)−(アクリル樹脂BのSP値)が
0.5〜1.5、(b)(アクリル樹脂AのTg)−
(アクリル樹脂BのTg)が10℃以上、(c)アクリ
ル樹脂AのTgが40〜100℃かつアクリル樹脂Bの
Tgが20〜50℃、(d)アクリル樹脂Aの数平均分
子量が2000〜4000かつアクリル樹脂Bの数平均
分子量4000〜10000、(e)アクリル樹脂A/
アクリル樹脂Bの固形分重量の比が5/95〜50/5
0であり、体積平均粒子径/個数平均粒子径が2以下で
ある。
により硬化反応するものであるか、または、本発明の球
形熱硬化性粉体クリア塗料粒子がさらに硬化剤を含んで
いる場合には、この硬化剤とアクリル樹脂Aおよび/ま
たはアクリル樹脂Bとが加熱により硬化反応をする性質
を有している。
樹脂BのSP値)が0.5より小さい場合は、貯蔵時の
耐ブロッキング性が低下し、1.5より大きい場合には
硬化後の塗膜の外観が低下する。
アクリル樹脂BのSP値は、上記の関係を満たしている
必要があるが、通常9.0〜12.0であり、好ましく
は9.0〜11.0、さらに好ましくは9.5〜11.
0である。なお、本発明におけるSP値は、濁度法など
の当業者によってよく知られた方法によって求められる
ものである。
リル樹脂BのTg)が10℃より小さい場合は、耐ブロ
ッキング性が低下する。このときアクリル樹脂AのTg
は40〜100℃であり、かつ、アクリル樹脂BのTg
は20〜50℃である。ここで、アクリル樹脂AのTg
が40℃よりも小さい場合は、貯蔵時の耐ブロッキング
性が低下し、100℃より大きい場合は塗膜の平滑性が
低下する。また、アクリル樹脂BのTgが20℃以下の
場合は貯蔵時の耐ブロッキング性が低下し、50℃より
大きい場合は塗膜の平滑性が低下する。本発明における
Tgは、ガラス転移温度のことであり、示差走査型熱量
計(DSC)によって求め得るが、アクリル樹脂の場合
には、共重合体を構成する、既知のTgを有するモノマ
ー比から、連立方程式によって得ることも可能である。
均分子量は2000〜4000であり、アクリル樹脂B
の数平均分子量は4000〜10000である。これら
の分子量を下回ると良好な耐酸性が得られず、上回ると
塗膜の平滑性が低下する恐れがある。
脂Bとしては、硬化反応する官能基を有するアクリルモ
ノマーや芳香族モノマーと硬化反応に関与しない中性の
アクリルモノマーや芳香族モノマーとを通常の方法に従
って、共重合したものを利用することができる。このよ
うな硬化反応する官能基を有するモノマーとして、例え
ば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルア
クリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート等を挙げることができる。一方、中性のモノ
マーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブ
チル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、スチレン、
メチルスチレンダイマー、ビニルトルエン、p−クロロ
スチレン等が挙げられる。
中に含まれるアクリル樹脂Aの固形分重量/アクリル樹
脂Bの固形分重量の比は、5/95〜50/50であ
る。この比が5/95より小さい場合は耐ブロッキング
性が低下し、50/50より大きい場合には塗膜の平滑
性が低下する。
は、体積平均粒子径/個数平均粒子径が2以下である。
この値が2より大きい場合は粗粉と微粉が増加し、塗着
効率や搬送性等の塗装作業性が低下する。ここで、搬送
性とは、粉体塗料が収納されている塗料タンクと、塗装
機との間を接続しているホース内における塗料の動きや
すさである。粉体塗料は、塗料タンクから圧縮空気等に
よって塗装機まで運ばれるが、粉体塗料が微粉を含んで
いると、粉体塗料の粒子同士の摩擦が大きくなり、流動
性が低下し、搬送性が悪くなる。本発明の球形熱硬化性
粉体クリア塗料粒子は、体積平均粒子径/個数平均粒子
径が2以下であることにより、良好な搬送性を示す。
個数平均粒子径は一般的に粉体塗料の分野で用いられて
いる電気抵抗法やレーザー光散乱法等による粒子径測定
装置によって決定することができる。
料粒子の体積平均粒子径は5〜30μmであることが好
ましい。5μmより小さいと塗着効率が低下する場合が
あり、30μmより大きいと塗膜の平滑性が低下する場
合がある。
料粒子が硬化剤を含んでいる場合、硬化剤としては、耐
酸性の点からメラミン以外の硬化剤を用いることが好ま
しい。メラミン以外の硬化剤としては、アクリル樹脂A
またはアクリル樹脂Bが有する官能基に応じて、粉体塗
料の分野で周知のものを用いることができるが、融点が
50〜150℃のものを使用することが好ましい。50
℃より低い場合には得られる粒子の耐ブロッキング性が
低下し、150℃より高い場合には、塗膜の平滑性が低
下する恐れがある。具体的な種類としては、耐酸性の点
から脂肪族多価カルボン酸またはブロックイソシアネー
トを用いることが好ましい。脂肪族多価カルボン酸とし
ては、デカンジカルボン酸やセバチン酸等が挙げられ、
ブロックイソシアネートとしては、住友バイエルウレタ
ン社製の商品名「クレランUI」等を挙げることができ
る。得られる塗膜の平滑性の点から、脂肪族多価カルボ
ン酸を用いることがさらに好ましい。
と、本発明の球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子は、樹脂
A及び樹脂Bがエポキシ基を有するアクリル樹脂、及び
硬化剤として多価カルボン酸を含んでいることが好まし
い。さらに、得られる塗膜の耐酸性を向上させるには、
樹脂Aの数平均分子量が2000〜4000、かつ樹脂
Bの数平均分子量が4000〜10000であることが
好ましい。高架橋密度の塗膜を得るためには、樹脂Aは
さらにエポキシ基以外の官能基、例えば水酸基を有して
いることが好ましい。
が硬化剤を含む場合には、アクリル樹脂Aとアクリル樹
脂Bとの固形分重量の和/硬化剤の固形分重量の比率
は、塗膜物性と硬化性の観点から60/40〜90/1
0の範囲が好ましい。
料粒子は必要に応じて粉体塗料に通常用いられる添加剤
を含んでいても構わない。添加剤としては、ジメチルシ
リコーンやメチルシリコーンなどのシリコーン類および
アクリルオリゴマーなどの表面調整剤、ベンゾインやベ
ンゾイン誘導体などのベンゾイン類に代表される発泡防
止剤、硬化促進剤(または硬化触媒)、可塑剤、帯電制
御剤、酸化防止剤、顔料分散剤、難燃剤、流動付与剤、
アミン化合物、イミダゾール化合物、カチオン重合触媒
等の硬化促進剤(または硬化触媒)などを例示すること
ができる。
料、または添加剤が、熱硬化性樹脂溶液の有機溶剤に溶
解しない場合には、これをサンドグラインドミルなどで
粉砕して微粒化し、熱硬化性樹脂溶液中に分散させて用
いることができる。
は、以下に述べる製造方法によって得ることができる。
法 本発明の球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子の製造方法
は、水溶性高分子を含む水溶液に熱硬化性樹脂溶液を加
えて得られた懸濁液から、球形熱硬化性粉体塗料粒子を
製造する方法である。
方法に用いられる熱硬化性樹脂溶液は、アクリル樹脂
A、アクリル樹脂Bおよび有機溶剤を含んでおり、さら
に硬化剤を含んでいてもよい。また、必要に応じて粉体
塗料に通常用いられる添加剤を含んでいても構わない。
ここで、上記アクリル樹脂A、アクリル樹脂B、硬化
剤、顔料および添加剤についての詳細は、球形熱硬化性
粉体クリア塗料粒子のところで述べた各々の説明と同じ
である。
液に含まれる有機溶剤としては、実質的に水不混和性す
なわち水に対する溶解度が10%以下で、常圧での沸点
が100℃未満のもの、または、水と共沸する性質を有
するものを用いる。具体的には、キシレン、トルエン、
シクロヘキサン、酢酸エチル等を例示することができ
る。
の製造方法に用いられる水溶性高分子の1つは、30〜
90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子である。30
〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子としては、
ケン化度が85%より小さいポリビニルアルコール部分
ケン化物、部分ホルマー化物、エチレンービニルアルコ
ール共重合体などの部分的に疎水性基を含有するポリビ
ニルアルコール系重合体、メチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリ
エチレングリコールアルキルエーテルおよび、エチレン
グリコールプロピレングリコールブロック共重合体等、
その水溶液を加温して30〜90℃の範囲内で曇点現象
を示すものが用いられる。また、後述するような、それ
自身では曇点を示さない水溶性高分子に電解質を添加し
て30〜90℃の範囲内に曇点を付与することも可能で
ある。また、上述の30〜90℃の範囲内に曇点を示す
水溶性高分子は必要に応じて2種類以上を組み合わせて
用いてもよい。30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶
性高分子を2種類以上組み合わせて用いる場合には、そ
の混合水溶液の曇点は、一般に温度が低い方の曇点とな
る。
全ケン化ポリビニルアルコール、ケン化度が85%以上
の部分ケン化ポリビニルアルコールや、エチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコ
ール等、その水溶液を加温しても曇点現象を示さないも
のが用いられる。「曇点を示さない」とは、水溶液にし
た状態で曇点を測定するので、100℃以下での曇点が
ないという意味である。このような曇点を示さない水溶
性高分子と、30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性
高分子とを2種類以上組み合わせて用いる場合には、曇
点を示す水溶性高分子の中でも最も低い曇点が、その混
合水溶液の曇点となる。
℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子を用いる。この3
0〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子は、後述
する一次粒子の凝集のために作用すると考えられる。ま
た、さらに水溶性高分子として、曇点を示さない水溶性
高分子を併用することができるが、この曇点を示さない
水溶性高分子は、粒子径制御のために作用すると考えら
れる。本発明の球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子の製造
方法は、以下の3つの工程からなる。
点を示す水溶性高分子を2種類以上混合して用いる場合
には、温度が低い方の曇点が支配的となる。従って、以
下の工程における温度は、使用する水溶性高分子のうち
最も低い曇点により規定される。
性高分子を含む水溶液に、アクリル樹脂A、アクリル樹
脂Bおよび有機溶剤を含む熱硬化性樹脂溶液を加え、上
記曇点未満の温度で懸濁する工程である。
拌機を備えた反応容器に、懸濁安定剤として30〜90
℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子を含む水溶液を用
意する。曇点を示さない水溶性高分子を併用する場合の
配合割合は、曇点を示さない水溶性高分子の固形分重量
/30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子の固
形分重量の比率が99/1〜10/90の範囲となるよ
うにすることが好ましい。この範囲を外れると、二次粒
子の粒径制御が困難になる恐れがある。上記水溶液の水
溶性高分子濃度としては、混合性の観点から、0.02
〜20重量%であることが好ましい。
クリル樹脂A、アクリル樹脂Bおよび有機溶剤を含む熱
硬化性樹脂溶液を加える。熱硬化性樹脂溶液中のアクリ
ル樹脂Aの固形分重量/アクリル樹脂Bの固形分重量の
比は、5/95〜50/50の範囲に設定される。この
比が5/95より小さい場合は耐ブロッキング性が低下
し、50/50より大きい場合には塗膜の平滑性が低下
する。熱硬化性樹脂溶液が硬化剤を含む場合には、アク
リル樹脂Aとアクリル樹脂Bとの固形分重量の和/硬化
剤の固形分重量の比率は、塗膜物性と硬化性の観点から
60/40〜90/10の範囲が好ましい。
熱硬化性樹脂溶液の混合比は、混合性の観点から、水溶
性高分子を含む水溶液の重量/熱硬化性樹脂溶液の固形
分重量が0.5/1〜3/1になるように設定されるこ
とが好ましい。
点未満の温度で撹拌することによって懸濁され、一次粒
子が得られる。熱硬化性樹脂溶液に含まれる成分によっ
て、上記水溶性高分子を含む水溶液に熱硬化性樹脂溶液
が懸濁できない場合には、曇点を示さない水溶性高分子
のみまたはそれと界面活性剤を含む水溶液を用いて懸濁
液を作製した後に、上記30〜90℃の範囲内に曇点を
示す水溶性高分子を添加してもよい。このようにして得
られた懸濁液は必要に応じてイオン交換水によって希釈
され、最終的に熱硬化性樹脂溶液を10〜50重量%含
む懸濁液とされる。
未満の温度に加熱する工程である。
料粒子の性質の点から、上記有機溶剤を系外に留去する
ことが好ましい。有機溶剤の留去は、加熱および/また
は減圧によって行いうるが、得られる粒子が熱硬化性を
有していることを考慮すると、系を減圧にすることによ
り、有機溶剤を留去する温度を低くすることが好まし
い。これを第2の工程で実施する場合には、一次粒子内
の有機溶剤量は30重量%以下、好ましくは10重量%
以下、さらに好ましくは5重量%以下にしておくことが
好ましい。
になることが好ましく、10μm以下であることが好ま
しい。一次粒子の粒径は任意にサンプリングして粒径を
測定することによって求められる。
上記曇点未満の一定温度に維持して行うこともできる
が、昇温させながら行うことができる。ここで懸濁液の
温度を昇温させる場合には、その温度が曇点に達した時
点から下記の第3の工程が開始されることとなる。
以上の温度に加熱し、二次粒子を得る工程である。
上の温度に加熱する。この温度は用いられる水溶性高分
子の種類や熱硬化性樹脂組成物を含む樹脂溶液の性質に
依存する。
と、温度上昇に従い経時的に一次粒子が凝集して二次粒
子が形成される。この懸濁液から二次粒子をサンプリン
グして粒径を測定し、目的とする粒径となった時点で第
3の工程を終了することができる。
さない水溶性高分子と30〜90℃の範囲内に曇点を示
す水溶性高分子との重量比率を調整する方法の他に、二
次粒子が所望の粒径に形成された時点で懸濁液を水溶性
高分子の曇点より低い温度に冷却し、凝集による二次粒
子の成長を停止させる方法を用いることができる。
に留去させる。有機溶剤の留去は、加熱および/または
減圧によって行いうるが、得られる粒子が熱硬化性を有
していることを考慮すると、系を減圧にすることによ
り、有機溶剤を留去する温度を低くすることが好まし
い。また、この有機溶剤の留去は、粒子を固化させるま
で行うことが好ましい。
やまたは遠心分離のような通常の固液分離の方法を用い
て単離される。これを水洗・乾燥することにより、最終
的に熱硬化性クリア粉体塗料粒子を得ることができる。
積平均粒子径は5〜40μm、好ましくは5〜30μ
m、さらに好ましくは5〜20μmである。2種の水溶
性高分子を用いる場合には、1種しか用いないときと比
べて、体積平均粒子径/個数平均粒子径を2以下にする
ことが容易となる。この値が1に近いほど粒子径分布が
シャープである。
び中塗りが施された基板上に、ベース塗料を塗布する工
程、上記工程で得られたベース塗料が塗布された基板上
に、本発明の球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子を塗布す
る工程、および、ベース塗料および上記球形熱硬化性粉
体クリア塗料粒子が塗布された基板を加熱する工程から
なる複層塗膜形成方法である。
板は、下塗りまたは下塗りおよび中塗りが施されている
ものである。基板としては、プラスチックおよび鉄板、
鋼板、アルミニウム板等をあげることができる。下塗り
塗料および中塗り塗料としては、電着塗料やチッピング
プライマーなどの公知のものを用いることができる。
に限定されないが、環境保護の観点から水性系のものを
用いることが好ましい。ベース塗料は、上記の下塗りま
たは下塗りおよび中塗りが施された基板に静電塗装機に
より、塗装膜厚10〜20μmで塗装される。
しくは熱風により60〜100℃で約5〜10分間予備
加熱した後、本発明の球形熱硬化性粉体塗料粒子を静電
塗装法等により、塗装膜厚40〜80μmで塗装した
後、これを同時に焼付する、いわゆる2コート1ベーク
法により硬化させる。焼付温度は90〜250℃、好ま
しくは100〜200℃、さらに好ましくは120〜1
80℃である。焼付時間は焼付温度により適宜調節でき
る。このように本発明の複層塗膜形成方法によって、複
層塗膜を得ることができる。
レン63重量部を仕込み、130℃に加熱し、窒素雰囲
気下で3時間かけて以下の混合物を滴下した。
液(固形分濃度60重量%)を得た。また樹脂A−1溶
液の一部を減圧下で加熱しキシレンを留去することで樹
脂A−1を得た。得られた樹脂A−1のTgをDSC
(示差走査型熱量計)で測定したところ60℃であり、
またSP値を濁度法で測定したところ10.9であっ
た。またGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー)で測定した数平均分子量は3500であった。
み、130℃に加熱し、窒素雰囲気下で3時間かけて以
下の混合物を滴下した。
液(固形分濃度60重量%)を得た。また樹脂B−1溶
液の一部を減圧下で加熱しキシレンを留去することで樹
脂B−1を得た。得られた樹脂B−1のTgをDSC
(示差走査型熱量計)で測定したところ35℃であり、
またSP値を濁度法で測定したところ9.8であった。
またGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)で測定した数平均分子量は8500であった。
4の製造 製造例1および2と同様の方法で製造例3〜製造例7
(樹脂A−2およびA−3、樹脂B−2、B−3および
B−4)を得た。得られた各樹脂について、製造例1と
同様の方法で樹脂の特数値を測定した。各樹脂の配合お
よび特数値を表1に示す。
し、熱硬化性樹脂溶液を調製した。
化学社製ポリビニルアルコール、ケン化度88%、曇点
なし)6重量部、ゴーセノールKL−05(日本合成化
学社製ポリビニルアルコール、ケン化度80%、曇点約
80℃)3重量部及びヒドロキシプロピルセルロース
(曇点約50℃)1重量部、イオン交換水90重量部か
らなる高分子水溶液に加えた。得られた混合物をホモジ
ナイザーを用いて混合することで体積平均粒子径4.2
μmの一次粒子を含む懸濁液を調製した。ついで得られ
た懸濁液にイオン交換水300重量部を加えて希釈し、
これを攪拌装置、温度調節器、還流管、減圧装置を備え
た容器に移した。
後、35℃まで加熱した。その後さらに、140Tor
rまで減圧した後、60℃まで加熱し分散相中の溶剤を
完全に留去した。この懸濁液を冷却した後、吸引濾過に
より得られた粒子(二次粒子)を真空乾燥器を用い30
℃で乾燥して球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子を得た。
得られた粉体塗料粒子の粒径をコールターカウンター
(ベックマンコールター社製)を用いて測定したところ
体積平均粒子径が13.9μm、個数平均粒子径が1
0.5μmであった。従って、体積平均粒子径/個数平
均粒子径の値は1.3であった。
性粉体クリア塗料粒子の製造 実施例1で製造した熱硬化性樹脂溶液を、ゴーセノール
GH−20(日本合成化学社製ポリビニルアルコール、
ケン化度88%、曇点なし)8重量部、イオン交換水9
0重量部からなる高分子水溶液に上記の熱硬化性樹脂溶
液を加えた。得られた混合物を25℃にてホモジナイザ
ーを用いて混合することで懸濁液を調製した。ついで得
られた懸濁液にイオン交換水300重量部を加えて希釈
し、これを攪拌装置、温度調節器、還流管、減圧装置を
備えた容器に移した。
後、35℃まで加熱し分散相中の溶剤を系外に完全に留
去した。この懸濁液を冷却した後、吸引濾過により得ら
れた粒子を真空乾燥器を用い30℃で乾燥して球形熱硬
化性粉体クリア塗料粒子を得た。得られた粉体塗料粒子
の粒径を実施例1と同様の方法で測定したところ体積平
均粒子径が10.8μm、個数平均粒子径が3.3μm
であった。従って、体積平均粒子径/個数平均粒子径の
値は3.3であった。
子の製造 樹脂A−1溶液の代わりに、樹脂A−1溶液と同じ固形
分重量に相当する樹脂A−2溶液を用いる以外は、実施
例1と同様の方法で熱硬化性樹脂溶液を製造した。この
熱硬化性樹脂溶液を用いて、実施例1と同様の方法で球
形熱硬化性粉体クリア塗料粒子を製造した。なお、一次
粒子の体積平均粒子径は3.7μmであり、得られた粉
体塗料粒子の体積平均粒子径は13.2μm、個数平均
粒子径は8.0μmであった。従って、体積平均粒子径
/個数平均粒子径の値は1.7であった。
性粉体クリア塗料粒子の製造 樹脂A−1溶液の代わりに、樹脂A−1溶液と同じ固形
分重量に相当する樹脂A−3溶液を用いる以外は、実施
例1と同様の方法で熱硬化性樹脂溶液を製造した。この
熱硬化性樹脂溶液を用いて、実施例1と同様の方法で熱
硬化性粉体塗料粒子を作製した。なお、一次粒子の体積
平均粒子径は4.2μmであり、得られた粉体塗料粒子
の粒径を実施例1と同様の方法で測定したところ、体積
平均粒子径は14.1μm、個数平均粒子径は9.9μ
mであった。従って、体積平均粒子径/個数平均粒子径
の値は1.4であった。
性粉体クリア塗料粒子の製造 樹脂B−1溶液のかわりに、樹脂B−1溶液と同じ固形
分重量に相当する樹脂B−2溶液を用いる以外は、実施
例1と同様の方法で熱硬化性樹脂溶液を製造した。この
熱硬化性樹脂溶液を用いて、実施例1と同様の方法で球
形熱硬化性粉体塗料粒子を製造した。なお、一次粒子の
体積平均粒子径は3.8μmであり、得られた粉体塗料
粒子の粒径を実施例1と同様の方法で測定したところ、
体積平均粒子径は15.1μm、個数平均粒子径は9.
5μmであった。従って、体積平均粒子径/個数平均粒
子径の値は1.6であった。
し、熱硬化性樹脂溶液を調製した。
化学社製ポリビニルアルコール、ケン化度88%、曇点
なし)5重量部、ゴーセノールKL−05(日本合成化
学社製ポリビニルアルコール、ケン化度80%、曇点約
80℃)4重量部及びヒドロキシプロピルセルロース
(曇点約50℃)2重量部、イオン交換水90重量部か
らなる高分子水溶液を熱硬化性樹脂溶液に加えた。得ら
れた混合物を25℃にてホモジナイザーを用いて混合す
ることで懸濁液を調製した。ついで得られた懸濁液にイ
オン交換水300重量部を加えて希釈し、これを攪拌装
置、温度調節器、還流管、減圧装置を備えた容器に移し
た。
を含む懸濁液を40Torrまで減圧した後、35℃ま
で加熱し、その後さらに、140Torrまで減圧した
後60℃まで加熱し分散相中の溶剤を完全に留去した。
この懸濁液を冷却した後、吸引濾過により得られた粒子
(二次粒子)を真空乾燥器を用い30℃で乾燥して球形
熱硬化性粉体塗料粒子を得た。得られた粉体塗料粒子の
粒径を実施例1と同様の方法で測定したところ体積平均
粒子径が11.9μm、個数平均粒子径が8.2μmで
あった。従って、体積平均粒子径/個数平均粒子径の値
は1.5であった。
し、熱硬化性組成物を調整した。
用い溶融混練分散したのち、再びヘンシェルミキサーで
粗砕し、次いでハンマーミルで粉砕した後、ジェットミ
ルを用いて微粉砕し、熱硬化性粉体塗料粒子を作製し
た。得られた粉体塗料粒子の粒径を実施例1と同様の方
法で測定したところ、体積平均粒子径13.2μm、個
数平均粒子径2.9μmであった。従って、体積平均粒
子径/個数平均粒子径の値は4.6であった。
し、熱硬化性樹脂溶液を調製した。
化学社製ポリビニルアルコール、ケン化度88%、曇点
なし)5重量部、ゴーセノールKL−05(日本合成化
学社製ポリビニルアルコール、ケン化度80%、曇点約
80℃)4重量部及びヒドロキシプロピルセルロース
(曇点約50℃)2重量部、イオン交換水90重量部か
らなる高分子水溶液を熱硬化性樹脂溶液に加えた。得ら
れた混合物を25℃にてホモジナイザーを用いて混合す
ることで懸濁液を調製した。ついで得られた懸濁液にイ
オン交換水300重量部を加えて希釈し、これを攪拌装
置、温度調節器、還流管、減圧装置を備えた容器に移し
た。
を含む懸濁液を30Torrまで減圧した後、35℃ま
で加熱した。その後さらに、140Torrまで減圧し
た後60℃まで加熱し分散相中の溶剤を完全に留去し
た。この懸濁液を冷却した後、吸引濾過により得られた
粒子(二次粒子)を真空乾燥器を用い30℃で乾燥して
球形熱硬化性粉体塗料粒子を得た。得られた粉体塗料粒
子の粒径を実施例1と同様の方法で測定したところ体積
平均粒子径が12.4μm、個数平均粒子径が9.8μ
mであった。従って、体積平均粒子径/個数平均粒子径
の値は1.3であった。
し、熱硬化性樹脂溶液を調製した。
化学社製ポリビニルアルコール、ケン化度88%、曇点
なし)6重量部、ゴーセノールKL−05(日本合成化
学社製ポリビニルアルコール、ケン化度80%、曇点約
80℃)3重量部及びヒドロキシプロピルセルロース
(曇点約50℃)1重量部、イオン交換水90重量部か
らなる高分子水溶液を熱硬化性樹脂溶液に加えた。得ら
れた混合物を25℃にてホモジナイザーを用いて混合す
ることで懸濁物を調製した。ついで得られた懸濁液にイ
オン交換水300重量部を加えて希釈し、これを攪拌装
置、温度調節器、還流管、減圧装置を備えた容器に移し
た。
を含む懸濁液を30Torrまで減圧した後、35℃ま
で加熱し、その後さらに、140Torrまで減圧した
後60℃まで昇温し分散相中の溶剤を完全に留去した。
この懸濁液を冷却した後、吸引濾過により得られた粒子
(二次粒子)を真空乾燥器を用い30℃で乾燥して球形
熱硬化性粉体塗料粒子を得た。得られた球形粉体塗料粒
子の粒径を実施例1と同様の方法で測定したところ体積
平均粒子径が15.3μm、個数平均粒子径が10.5
μmであった。従って、体積平均粒子径/個数平均粒子
径の値は1.5であった。
し、熱硬化性樹脂溶液を調製した。
て、比較例1と同様の方法で球形熱硬化性粉体クリア塗
料粒子を作製した。得られた粉体クリア塗料粒子の粒径
を実施例1と同様の方法で測定したところ体積平均粒子
径が12.1μm、個数平均粒子径が3.8μmであっ
た。従って、体積平均粒子径/個数平均粒子径の値は
3.2であった。
化性粉体クリア塗料粒子及び熱硬化性粉体クリア塗料粒
子を下記の項目について評価した。結果を表2に示す。
ア塗料粒子を静電塗装により鉄板に塗装し、145℃で
25分間焼き付けて膜厚50μmの塗膜を形成した。得
られた塗膜の外観は写像鮮明度測定器(スガ試験機社
製)で測定されたNSIC値(%)で評価し、70%を
合格とした。
イント社製、商品名「スーパーラックM260シルバ
ー」)を乾燥膜厚が10〜20μmとなるように静電塗
装し、80℃の熱風乾燥炉で10分間予備加熱した。基
板を室温まで冷却した後、熱硬化性粉体クリア塗料粒子
を膜厚50μmになるよう静電塗装し、145℃の熱風
乾燥炉で25分間焼き付けた。焼き付け終了後、基板を
取り出し、基板温度が室温になった時点で、得られた塗
膜の平滑性を、写像鮮明度測定器(スガ試験機社製)で
測定されたNSIC値(%)で評価し、65%以上を合
格とした。
処理したダル鋼板に、自動車用電着塗料(日本ペイント
社製、商品名「パワートップU−50」)を乾燥膜厚が
約25μmとなるように電着塗装し、160℃で30分
間焼き付けた後、中塗り塗料(日本ペイント社製、商品
名「オルガP−2」)を乾燥膜厚が約40μmになるよ
うに静電塗装し、140℃で30分間焼き付けることで
作製した。
ア塗料粒子をインキュベーターにて30℃で2ヶ月貯蔵
した後のものについて振動篩を用いて篩を行い、150
メッシュを95%以上通過した塗料を合格とした。
子及び熱硬化性粉体クリア塗料粒子について、重量平均
分子量の変化率をGPCで評価するとともに、また上述
の鉄板上の塗膜の平滑性の評価を行い、NSIC値が5
%以上低下しないものを合格とした。
ア塗料粒子を145℃で25分間焼き付けて得られた膜
厚50μmの塗膜から、幅5mm×長さ20mmのサイ
ズのフリーフィルムを作製し、強制伸縮振動型粘弾性測
定装置(東洋ボールドウィン社製、商品名「バイブロン
DDV−II」)を用いて、11Hz、2℃/分の条件
で塗膜の架橋密度を測定した。
上に、直径2cm〜3cmのポリエチレン製のリングを
固定し、開口部に1/10Nの硫酸水溶液を2ml滴下
し20±2℃、実効湿度75%かつ無風条件で24時間
静置した後、リングを外し塗膜を水洗風乾し、目視にて
下記の評価基準に基づき耐酸性を判定した。 評価基準 ○ : 痕跡がほとんど見えない △ : 痕跡が見える × : 痕跡が見え、塗膜が著しく変色している
タを経由してホースにより塗装機に送られる粉体塗料の
塗装システムを用い、各粉体塗料を1時間連続的に搬送
した後、インジェクタ及びホース内での粉体塗料の堆積
状態を目視にて以下の評価基準で評価した。 ◎:堆積が全くなかった。 ○:堆積がほとんどなかった。 ×:堆積が多く、インジェクタまたはホースを閉塞し
た。
IC低下率の欄の×印は、塗料中に粗大粒子が多量に含
まれるため塗装が困難であり、外観評価ができなかった
ことを意味しており、水溶性高分子の欄の「2種」は、
曇点を示す水溶性高分子と曇点を示さない水溶性高分子
を併用したことを意味している。
子は、特定の特数値を有する2種のアクリル樹脂を用い
て水性媒体中で合成されていることから、耐ブロッキン
グ性が良好であるとともに、これを用いて得られた塗膜
の平滑性は良好であり、また十分な耐酸性を有してい
る。
塗料粒子の製造方法で得られる粒子が、以下に示すよう
な構造を有しているためではないかと考察される。すな
わち、分散媒である水に接触している粒子の外殻では、
アクリル樹脂Bより高いSP値を持つアクリル樹脂Aの
濃度は、アクリル樹脂Bの濃度に比べて高くなっている
ものと思われる。結果的に本発明の球形熱硬化性粉体ク
リア塗料粒子の外殻は、内部よりも高いTgを持ち、こ
のことによって耐ブロッキング性が良好になっているも
のと予想される。一方、球形熱硬化性粉体クリア塗料粒
子全体としてみた場合のTgは、当然外殻のTgよりも
低下するため、塗膜の平滑性を維持できていると考えら
れる。また、通常の粉体塗料よりも高い分子量を持つ樹
脂を用いているため、耐酸性にも優れた塗膜が得られ
る。
料粒子の製造方法では、水溶性高分子の曇点を利用し
て、一次粒子を凝集させて二次粒子を形成しているの
で、粒子径を制御することができる。従って、体積平均
粒子径/個数平均粒子径を2以下に制御することがで
き、粒子径分布がシャープな球形熱硬化性粉体塗料粒子
を製造することができる。体積平均粒子径/個数平均粒
子径を2以下に制御することにより、塗着効率や搬送性
等の塗装作業性を改善することができる。
塗料粒子は水性媒体中で製造するため、従来よく知られ
ている溶融混練法に比べて製造時の粉体塗料原料への加
熱が少ないため、耐固相反応性にも優れている。また、
本発明の球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子は、形状が球
状で整っており、粒径分布が狭いことから、微粉の量が
極めて少なく、回収粉も新しい塗料と同様に使用可能で
き、さらに搬送性や塗着効率等の塗装作業性にも優れて
いる。また、薄膜で塗装した際にも外観が良好な塗膜を
得ることができる。
用するため、溶剤使用量を減少させることが可能であ
り、特にベース塗料として水性系のものを用いた場合に
その効果が大きい。
得られる複層塗膜は、塗膜の平滑性が優れているので、
高外観が要求される自動車トップコートに適用すること
ができる。
Claims (10)
- 【請求項1】 アクリル樹脂Aとアクリル樹脂Bとを含
む球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子であって、 (a)(アクリル樹脂AのSP値)−(アクリル樹脂B
のSP値)が0.5〜1.5、 (b)(アクリル樹脂AのTg)−(アクリル樹脂Bの
Tg)が10℃以上、 (c)アクリル樹脂AのTgが40〜100℃かつアク
リル樹脂BのTgが20〜50℃、 (d)アクリル樹脂Aの数平均分子量が2000〜40
00かつアクリル樹脂Bの数平均分子量4000〜10
000、 (e)アクリル樹脂A/アクリル樹脂Bの固形分重量の
比が5/95〜50/50であり、 体積平均粒子径/個数平均粒子径が2以下であることを
特徴とする、球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子。 - 【請求項2】 体積平均粒子径が5〜30μmである、
請求項1に記載の球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子。 - 【請求項3】 さらに硬化剤を含んでいる、請求項1ま
たは2に記載の熱硬化性粉体クリア塗料用粒子。 - 【請求項4】 前記アクリル樹脂Aおよび前記アクリル
樹脂Bがエポキシ基を有しており、前記硬化剤が、多価
カルボン酸である、請求項3に記載の球形熱硬化性粉体
クリア塗料粒子。 - 【請求項5】 水溶性高分子を含む水溶液に熱硬化性樹
脂溶液を加えて得られた懸濁液から、球形熱硬化性粉体
クリア塗料粒子を製造する方法であって、前記熱硬化性
樹脂溶液が、アクリル樹脂A、アクリル樹脂Bおよび有
機溶剤を含んでおり、 前記アクリル樹脂Aおよび前記アクリル樹脂Bが、 (a)(アクリル樹脂AのSP値)−(アクリル樹脂B
のSP値)が0.5〜1.5、 (b)(アクリル樹脂AのTg)−(アクリル樹脂Bの
Tg)が10℃以上、 (c)アクリル樹脂AのTgが40〜100℃かつアク
リル樹脂BのTgが20〜50℃、 (d)アクリル樹脂Aの数平均分子量が2000〜40
00かつアクリル樹脂Bの数平均分子量4000〜10
000、 (e)アクリル樹脂A/アクリル樹脂Bの固形分重量の
比が5/95〜50/50であり、 前記水溶性高分子として、30〜90℃の範囲内に曇点
を示す水溶性高分子を用い、 (1)前記曇点未満の温度で懸濁して一次粒子を含む前
記懸濁液を調製する第1の工程、 (2)第1の工程で得られた懸濁液を前記曇点未満の温
度に加熱する第2の工程、及び (3)第2の工程で得られた懸濁液を前記曇点以上の温
度に加熱して二次粒子を得るとともに、前記有機溶剤を
系外に留去する第3の工程を含むことを特徴とする球形
熱硬化性粉体クリア塗料粒子の製造方法。 - 【請求項6】 前記熱硬化性樹脂溶液が、さらに硬化剤
を含んでいることを特徴とする請求項5に記載の球形熱
硬化性粉体クリア塗料粒子の製造方法。 - 【請求項7】 前記第2の工程において、前記有機溶剤
を系外に留去することを特徴とする請求項5または6に
記載の球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子の製造方法。 - 【請求項8】 前記水溶性高分子として、さらに曇点を
示さない水溶性高分子を併用することを特徴とする請求
項5ないし7のいずれか1項に記載の球形熱硬化性粉体
クリア塗料粒子の製造方法。 - 【請求項9】下塗りまたは下塗りおよび中塗りが施され
た基板上に、ベース塗料を塗布する工程、 前記工程で得られたベース塗料が塗布された基板上に、
粉体クリア塗料を塗布する工程、 及び、前記ベース塗料および前記粉体クリア塗料が塗布
された基板を加熱する工程からなる複層塗膜形成方法で
あって、 前記粉体クリア塗料が請求項1ないし4のいずれか1項
に記載の球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子であることを
特徴とする複層塗膜形成方法。 - 【請求項10】 請求項9に記載の複層塗膜形成方法に
よって得られる複層塗膜。
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