JP2001106848A - ゴム組成物及びホース - Google Patents

ゴム組成物及びホース

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JP2001106848A
JP2001106848A JP2000231348A JP2000231348A JP2001106848A JP 2001106848 A JP2001106848 A JP 2001106848A JP 2000231348 A JP2000231348 A JP 2000231348A JP 2000231348 A JP2000231348 A JP 2000231348A JP 2001106848 A JP2001106848 A JP 2001106848A
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rubber composition
zinc
vulcanization accelerator
vulcanization
epdm
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JP2000231348A
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Ayumi Ikemoto
歩 池本
Eiichi Omi
栄一 大海
Koji Senda
弘二 仙田
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン冷却系等に用いる硫黄加硫系のEP
DMホースにおいて、加硫促進助剤として配合する亜鉛
の冷却液への溶出を抑制し、亜鉛化合物の析出によるホ
ースの目詰まりやシール部からの液漏れ等を防止する。 【解決手段】 ホースに用いる硫黄加硫系のEPDMゴ
ム組成物において、亜鉛低溶出量特性を示すチアゾール
系加硫促進剤と、超促進剤であるチウラム系又はジチオ
カルバミン酸系加硫促進剤とを、好ましくは特定の量的
制約のもとに組み合わせて配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴム組成物及びホー
スに関し、更に詳しくは、EPDMを基材とする硫黄加
硫系のゴム組成物、及び、このゴム組成物を用い、自動
車用等のエンジン冷却系配管に用いられるホースに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車用ラジエーターホース
やヒーターホース等のエンジン冷却系配管としては、E
PDMを基材とするゴム組成物の加硫材を内層に用いた
ホースが良く使用されており、かかるゴム組成物を加硫
成形するに当たっては、いわゆる過酸化物加硫系を用い
ることもできるが、コスト面や実施技術の容易性等か
ら、硫黄加硫系を用いる場合が多かった。
【0003】そして硫黄加硫系の場合、加硫促進剤と、
加硫促進助剤としての亜鉛華(酸化亜鉛)とを配合する
のが通常であるが、EPDMが不飽和結合の少ない構造
を持つことから、EPDM系ゴム組成物の硫黄加硫系に
おいては、上記加硫促進剤として加硫速度が極めて速い
チウラム系やジチオカルバミン酸系等の加硫促進剤(超
促進剤)を主に配合していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記酸化亜
鉛は、ゴム組成物の加硫反応後には亜鉛塩の形態で、架
橋に組み込まれない遊離状態にてゴム材中に存在してお
り、硫黄や加硫促進剤等の加硫反応残渣が加硫材の表面
へ移行/析出すると言うブルーム現象に誘発されて、亜
鉛塩も加硫材の表面へ移行し、常温下でも冷却液中へ溶
出することが知られている。
【0005】そして、溶出した上記亜鉛塩は冷却液中に
含まれるリン酸成分と反応して不溶性の化合物を生成
し、これがホースの内周壁面に析出してホース目詰まり
の原因となったり、ホースと接続用パイプとのシール部
に析出して液漏れの原因になったりすると言う不具合を
起こしていた。
【0006】従って、酸化亜鉛の添加を伴う硫黄加硫系
の使用を前提とする限り、上記不具合を回避するために
は、亜鉛の冷却液中への溶出を有効に抑制する必要があ
る。本願発明者の実験によれば、例えば単にゴム組成物
に対する酸化亜鉛の配合量を低減させた場合、亜鉛の溶
出抑制効果は酸化亜鉛の配合量低減の程度に対応するに
過ぎないため、酸化亜鉛の添加目的を達成できない程に
その添加量を低減させる必要があって、有効な対策とは
言えない。
【0007】そこで本発明は、EPDMを基材とする硫
黄加硫系のゴム組成物において、酸化亜鉛の添加量を維
持したもとで、冷却液中への亜鉛溶出を有効に抑制する
ことを、解決すべき課題とする。
【0008】本願発明者は実験により、EPDMの硫黄
加硫系に従来使用されて来たチウラム系,ジチオカルバ
ミン酸系等の加硫促進剤が、上記のような亜鉛溶出を抑
制せず、ないしは促進していることを見出した。更に、
加硫速度が比較的速い「強促進剤」であるチアゾール系
の加硫促進剤が、比較的少量の配合で上記のような亜鉛
溶出を強く抑制する亜鉛低溶出量特性を示すことも見出
した。そしてこれらの知見から、特定種類の加硫促進剤
の組合わせ使用により上記課題を解決可能であることに
想到し、本願発明を完成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、EPDM(エチレン−プロピレン−ジ
エン3元共重合体)を基材とし、加硫促進剤と亜鉛とを
含有する硫黄加硫系のゴム組成物であって、該ゴム組成
物のシート状加硫材を10倍量の冷却液(LLCの50
vol%水溶液)に常温で24時間浸漬した場合の前記冷
却液中への亜鉛の溶出量が1ppm未満と言う亜鉛低溶
出量特性を示す、ゴム組成物である。
【0010】(第2発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
EPDMを基材とし、加硫促進剤と亜鉛とを含有する硫
黄加硫系のゴム組成物であって、該ゴム組成物には2種
以上の前記加硫促進剤が組合わせて配合され、これらの
加硫促進剤には、該ゴム組成物に単独で0.005モル
以上配合された場合において第1発明に規定する亜鉛低
溶出量特性を実現できる加硫促進剤と、「超促進剤」に
分類される加硫促進剤とが含まれる、ゴム組成物であ
る。
【0011】(第3発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
EPDMを基材とし、加硫促進剤と亜鉛とを含有する硫
黄加硫系のゴム組成物であって、該ゴム組成物にはチア
ゾール系から選ばれる1種以上の前記加硫促進剤と、チ
ウラム系及びジチオカルバミン酸系から選ばれる1種以
上の前記加硫促進剤が組合わせて配合されている、ゴム
組成物である。
【0012】(第4発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
EPDMを基材とし、加硫促進剤と亜鉛とを含有する硫
黄加硫系のゴム組成物であって、該ゴム組成物にはチア
ゾール系,チウラム系及びジチオカルバミン酸系のそれ
ぞれから選ばれる各1種の前記加硫促進剤が組合わせて
配合されている、ゴム組成物である。
【0013】(第5発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
第2発明〜第4発明に係る前記ゴム組成物における加硫
促進剤の合計配合量が前記EPDM100重量部に対し
て2.0〜7.0重量部であり、その内の第1発明に規
定する亜鉛低溶出量特性を実現できる加硫促進剤又はチ
アゾール系加硫促進剤の配合量が0.1〜3.0重量部
である、ゴム組成物である。
【0014】(第6発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第6発明(請求項6に記載の発明)の構成は、
第1発明〜第5発明のいずれかに係る前記ゴム組成物を
用いたホースであって、エンジン冷却系配管に使用され
る、ホースである。
【0015】
【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)本願発
明者の研究によれば、第1発明に規定する所定の条件下
で亜鉛含有ゴム組成物(加硫材)の亜鉛溶出量が1pp
m未満である場合、溶出亜鉛と冷却液中に含まれるリン
酸成分との反応による不溶性化合物の生成が、実質的に
無害な程度に抑制される。従って第1発明のゴム組成物
においては、その加硫材からの溶出亜鉛と冷却液中に含
まれるリン酸成分との反応による不溶性化合物の析出が
実質的に防止される。
【0016】このため、該ゴム組成物の加硫材をエンジ
ン冷却液との接触部に用いた各種部材において、上記不
溶性化合物の析出に基づく種々の不具合を有効に防止す
ることができる。例えば、該加硫材を内層に用いたエン
ジン冷却系配管ホースにおいては、上記不溶性化合物が
ホースの内周壁面に析出してホース目詰まりの原因とな
ったり、ホースと接続用パイプとのシール部に析出して
液漏れの原因になったりすると言う不具合を防止するこ
とができる。
【0017】(第2発明の作用・効果)第2発明のゴム
組成物においては、該ゴム組成物に単独で0.005モ
ル以上配合された場合において第1発明に規定する亜鉛
低溶出量特性を実現できる加硫促進剤によって、前記第
1発明と同様の作用・効果を確保することができる。
又、これと組み合わせて配合される「超促進剤」に分類
される加硫促進剤によって、ゴム組成物の加硫材におけ
る例えば初期物性や圧縮永久歪み等の要求物性を有効に
満足させることができるそして、硫黄加硫系における加
硫促進剤の合計配合量が余りに多くなることは、過剰添
加された加硫促進剤によるブルームの発生等の点で好ま
しくないが、仮に上記亜鉛低溶出量特性に優れた加硫促
進剤が十分に強い加硫促進効果を持たない場合でも、そ
の配合量が0.005モルと言う比較的少量で足りるた
め、「超促進剤」の配合量を十分に確保することができ
るのである。
【0018】(第3発明の作用・効果)本願発明者は、
チアゾール系加硫促進剤が、EPDMを基材とする硫黄
加硫系の亜鉛含有ゴム組成物に単独で0.005モル以
上配合された場合において第1発明に規定する亜鉛低溶
出量特性を実現できる加硫促進剤であることを実験的に
見出した。
【0019】従って第3発明において、チアゾール系加
硫促進剤と、「超促進剤」に分類されるチウラム系やジ
チオカルバミン酸系の加硫促進剤とを組合わせて配合す
ることにより、上記第2発明の作用・効果を確保するこ
とができる。
【0020】(第4発明の作用・効果)第4発明のよう
に、EPDMを基材とする硫黄加硫系の亜鉛含有ゴム組
成物にチアゾール系,チウラム系及びジチオカルバミン
酸系のそれぞれから選ばれる各1種の加硫促進剤を組合
わせて配合した場合に、その加硫材において特に好まし
く亜鉛低溶出量特性と各種要求物性とを両立させること
ができる。その理由は、上記加硫促進剤の組み合わせに
おいては、加硫反応が促進される上に、加硫反応残渣が
少ないためブルームの発生に誘発された亜鉛塩の溶出が
抑制されるためである、と推定される。
【0021】(第5発明の作用・効果)EPDMを基材
とする硫黄加硫系の亜鉛含有ゴム組成物における加硫促
進剤の合計配合量、及び、第1発明に規定する亜鉛低溶
出量特性を実現できる加硫促進剤又はチアゾール系加硫
促進剤の配合量が第5発明のように設定されている場
合、その加硫材においてとりわけ優れた亜鉛低溶出量特
性と各種要求物性とを両立させることができ、かつ、過
剰添加された加硫促進剤によるブルームの発生等の問題
を生じない。
【0022】(第6発明の作用・効果)第6発明のホー
スは、第1発明〜第5発明のいずれかに係るゴム組成物
を用いてなり、エンジン冷却系配管に使用されるので、
ホースとしての各種要求物性を満足させたもとで、ホー
スからの亜鉛溶出と不溶性化合物の析出に基づくエンジ
ン冷却系配管ホースの目詰まりや、ホースと接続用パイ
プとのシール部における液漏れを有効に防止することが
できる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、第1発明〜第6発明の実施
の形態について説明する。以下において単に「本発明」
と言うときは、第1発明〜第6発明を一括して指してい
る。
【0024】〔ゴム組成物〕本発明に係るゴム組成物
は、EPDMを基材とし、少なくとも硫黄加硫系を用い
ると共に、加硫促進剤と、加硫促進助剤としての亜鉛華
(酸化亜鉛)とを配合したものである。ここに「EPD
Mを基材とする」とは、EPDMからなり、あるいはE
PDMを主材として含むブレンド材からなることを言
う。EPDMの種類は特段に限定されない。
【0025】第1発明に係るゴム組成物は、該ゴム組成
物のシート状加硫材を作製して、これをその10倍量の
冷却液(通常のLLCの50 vol%水溶液)に常温で2
4時間浸漬した場合に、前記冷却液中への亜鉛の溶出量
が1ppm未満であると言う亜鉛低溶出量特性を示すも
のである。かかる亜鉛低溶出量特性を示すゴム組成物で
ある限りにおいて、ゴム組成物に配合されている加硫促
進剤の種類又は組み合わせ、及び配合量には特段の限定
がない。
【0026】第2発明に係るゴム組成物には、該ゴム組
成物に単独で0.005モル以上配合された場合におい
てゴム組成物に上記の亜鉛低溶出量特性を実現できる加
硫促進剤と、「超促進剤」に分類される加硫促進剤とが
含まれる。第3発明〜第5発明に係るゴム組成物におい
て、上記前者の加硫促進剤はチアゾール系の加硫促進剤
であり、上記後者の加硫促進剤はチウラム系又はジチオ
カルバミン酸系の加硫促進剤である。
【0027】〔加硫促進剤〕ゴム組成物には、上記のよ
うに、優れた亜鉛低溶出量特性を実現できる加硫促進剤
(好ましくはチアゾール系の加硫促進剤)と、「超促進
剤」に分類される加硫促進剤(好ましくはチウラム系又
はジチオカルバミン酸系の加硫促進剤)とが組み合わせ
て配合される。
【0028】チアゾール系の加硫促進剤の種類は限定さ
れないが、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾールで
ある三新化学社製の商品名「サンセラーM」、ジベンゾ
チアジルジスルフィドである三新化学社製の商品名「サ
ンセラーDM」(以下、商品名を挙げるものは、いずれ
も三新化学社製である。)、2−メルカプトベンゾチア
ゾールの亜鉛塩である商品名「サンセラーMZ」等を例
示することができる。
【0029】なお、チアゾール系加硫促進剤と同様に
「強促進剤」に分類されるスルフェンアミド系の加硫促
進剤、例えばN−シクロヘキシルベンゾチアジル−2−
スルフェンアミドである商品名「サンセラーCZ」,
「サンセラーCM」や、Nオキシエチレンベンゾチアジ
ル−2−スルフェンアミドである商品名「サンセラーM
SA」等は、前記の亜鉛低溶出量特性を示さない。
【0030】又、「中庸促進剤」に分類される加硫促進
剤、即ち、グアニジン系加硫促進剤の、例えばN,N’
−ジフェニルグアニジンである商品名「サンセラーD」
や、チオウレア系加硫促進剤の、例えばエチレンチオ尿
素である商品名「サンセラー22−C」等は、前記の亜
鉛低溶出量特性を示さない上に、加硫速度も速くないた
めに、本発明で用いる加硫促進剤としては好ましくな
い。
【0031】次に、チウラム系の加硫促進剤の種類は限
定されないが、例えば、テトラメチルチウラムモノスル
フィドである商品名「サンセラーTS」、テトラメチル
チウラムジスルフィドである商品名「サンセラーT
T」、テトラエチルチウラムジスルフィドである商品名
「サンセラーTET」、テトラブチルチウラムジスルフ
ィドである商品名「サンセラーTBT」等を例示するこ
とができる。
【0032】更に、ジチオカルバミン酸系の加硫促進剤
の種類も限定されないが、例えば、ジメチルジチオカル
バミン酸亜鉛である商品名「サンセラーPZ」、ジエチ
ルジチオカルバミン酸亜鉛である商品名「サンセラーE
Z」、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛である商品名
「サンセラーBZ」等を例示することができる。
【0033】第1発明〜第4発明において、ゴム組成物
に対する上記各種の加硫促進剤の配合量は、各発明の作
用・効果が確保される限りにおいて限定されないが、好
ましくは、第5発明のように、加硫促進剤の合計配合量
がEPDM100重量部に対して2.0〜7.0重量
部、特に好ましくは、2.0〜5.0重量部であり、そ
の内の前記亜鉛低溶出量特性を実現できる加硫促進剤又
はチアゾール系加硫促進剤の配合量が、0.1〜3.0
重量部、特に好ましくは、0.5〜1.5重量部であ
る。
【0034】加硫促進剤の配合量が過剰であると、前記
のようにブルームの発生が懸念され、加硫促進剤の配合
量が過少であると、不十分な加硫となって加硫材の必要
な物性を確保できなくなる恐れがある。
【0035】〔亜鉛華等〕本発明のゴム組成物における
亜鉛華や硫黄の配合量は、通常の硫黄加硫系と比較して
特に変更する必要はなく、例えばEPDM100重量部
に対して、亜鉛華を3〜10重量部程度、硫黄を0.5
〜2.0重量部程度、配合することができる。
【0036】〔その他の配合剤〕本発明のゴム組成物
は、上記の配合剤以外にも、本発明の作用・効果を損な
わない限りにおいて、ゴム組成物に配合されることがあ
る他の配合剤、例えばカーボンブラック,可塑剤,プロ
セスオイル,加工助剤,老化防止剤等を任意に添加する
ことができる。
【0037】〔ホース〕第6発明のホースは、第1発明
〜第5発明のゴム組成物(の加硫材)を用いてなり、そ
の用途は自動車等のエンジン冷却系配管に使用されるも
のである限りにおいて限定されないが、特に自動車用ラ
ジエーターホースやヒーターホース等に好ましく使用さ
れる。
【0038】ホースの構成としては、EPDMを基材と
するゴム組成物の加硫材を内層に用いる限りにおいて限
定されない。かかる内層のみからなる単層のホースであ
っても良いし、該内層の外側に補強層を介してあるいは
介さずに適宜な材料からなる外層を設けても良い。
【0039】
【実施例】〔実施例1〕まず、実施例1として、各種加
硫促進剤を配合した場合におけるゴム組成物の所定条件
下での亜鉛溶出量特性を評価した。
【0040】(ゴム組成物の調製)EPDM100重量
部,酸化亜鉛(ZnO)5重量部,ステアリン酸1重量
部,カーボンブラック130重量部,プロセスオイル8
0重量部,イオウ1重量部を基本配合とし、これに末尾
の表1に示す種類及び配合部数(重量部表記)の加硫促
進剤をそれぞれ単独で配合し、混練したゴム組成物を調
製した。各例に係る加硫促進剤の配合部数は、それぞれ
ゴム組成物中において0.005モルとなるように調節
した。
【0041】なお、上記EPDMとしては住友化学工業
社製の商品名「エスプレン532」を、カーボンブラッ
クとしては東海カーボン社製の商品名「シーストSO」
を、プロセスオイルとしては出光興産社製の商品名「ダ
イアナプロセスPW−380」を、それぞれ用いた。
又、表1における最上欄に表記した「チウラム類」〜
「チオウレア類」に到る各欄の加硫促進剤種は、いずれ
も前記三新化学社製の商品名「サンセラー・・」を示し
ている。例えば、チウラム類における加硫促進剤種「T
T」とは、三新化学社製の前記商品「サンセラーTT」
を示し、カルバミン類における加硫促進剤種「PZ」と
は、三新化学社製の前記商品「サンセラーPZ」を示し
ている。表1の最上欄において「無し」と表記した例
は、加硫促進剤を配合していない。
【0042】(試験片の作成及び亜鉛溶出量特性の評
)上記各例に係る混練したゴム組成物を用いて、15
0°C×30分の加硫条件で、それぞれ厚さ2mmの加
硫試験片を作成した。一方、日本ケミカル工業社製のL
LCの50 vol%濃度蒸留水溶液(エンジン冷却液)を
調製し、該エンジン冷却液10部に対して上記各例に係
る加硫試験片1部の割合で、23°Cにおいて24時間
浸漬した。
【0043】かかる浸漬の終了後、各例に係る浸漬液を
濾過し、常法に従って、濾液中に溶出した亜鉛濃度を定
量した。その結果を表1の「Zn溶解性」の項にppm単
位の数値で表記し、かつ、その数値が1ppm未満のも
のを○(合格)、1ppm以上のものを×(不合格)と
評価した。
【0044】〔実施例2〕前記実施例1に係る基本配合
(硫黄のみは1.5重量部配合に変更)に対して、更に
末尾の表2に示すチウラム系,ジチオカルバミン酸系
(表2において、「カルバミン」と表記),チアゾール
系及びその他の種類の加硫促進剤を、単独で又は2種類
以上組み合わせて配合したゴム組成物を調製した。
【0045】表2において「TS」,「PZ」等の表記
は、表1の場合と同様に三新化学社製の加硫促進剤の商
品名「サンセラー・・」を示している。又、表2中の
「S」の表記は硫黄の配合を確認的に示し、その右側の
項には、EPDM100重量部に対する1種類〜3種類
の加硫促進剤及び硫黄の配合量を重量部数で順次列記し
ている。
【0046】(加硫ゴム材の物性評価)上記各例に係る
ゴム組成物を混練し、150°C×30分の加硫条件で
所定の加硫ゴムシートを作成した後、JIS5号ダンベ
ルを打ち抜き、JIS K6251に準じて引張り強さ
TB(MPa)を評価した。その結果を表2の該当欄に
示すが、10MPaを超える引張り強さを示した例を○
(優)、8〜10MPaの引張り強さを示した例を△
(良)、8MPa未満の引張り強さを示した例を×(不
良)として表記した。
【0047】次に、混練した上記各例に係るゴム組成物
を用いて、JIS K6262に規定する圧縮永久歪み
試験用のテストピースを作製し、120°C×22時間
の処理後の圧縮永久歪みを測定した。その結果を表2の
該当欄に示すが、圧縮永久歪みが70%以下であった例
を○(優)、71〜79%であった例を△(良)、80
%以上であった例を×(不良)として表記した。
【0048】更に、各例に係るゴム組成物を用いて実施
例1と同様な試験片を作製し、実施例1と同様にして亜
鉛溶出量特性を評価した。その結果を表2の「抽出性」
の項に示す。○,×の表記要領は表1の場合と同じであ
る。
【0049】最後に、各例に係るゴム組成物を用いた加
硫ゴム材を40°C雰囲気下で72時間放置して、ブル
ーム発生の有無を目視観察した。その結果を、ブルーム
が発生したものを○、発生しなかったものを×として表
2の該当欄に表記した。
【0050】表2の左端の項に示す「データ」欄は各例
の総合評価を示し、☆は優れた例であること、○は好ま
しい例であること、×は好ましくない例であることを、
それぞれ示している。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01P 11/04 F01P 11/04 B F16L 11/06 F16L 11/06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 EPDM(エチレン−プロピレン−ジエ
    ン3元共重合体)を基材とし、加硫促進剤と亜鉛とを含
    有する硫黄加硫系のゴム組成物であって、該ゴム組成物
    のシート状加硫材を10倍量の冷却液(LLCの50 v
    ol%水溶液)に常温で24時間浸漬した場合の前記冷却
    液中への亜鉛の溶出量が1ppm未満と言う亜鉛低溶出
    量特性を示すことを特徴とするゴム組成物。
  2. 【請求項2】 EPDMを基材とし、加硫促進剤と亜鉛
    とを含有する硫黄加硫系のゴム組成物であって、該ゴム
    組成物には2種以上の前記加硫促進剤が組合わせて配合
    され、これらの加硫促進剤には、該ゴム組成物に単独で
    0.005モル以上配合された場合において請求項1に
    規定する亜鉛低溶出量特性を実現できる加硫促進剤と、
    「超促進剤」に分類される加硫促進剤とが含まれること
    を特徴とするゴム組成物。
  3. 【請求項3】 EPDMを基材とし、加硫促進剤と亜鉛
    とを含有する硫黄加硫系のゴム組成物であって、該ゴム
    組成物にはチアゾール系から選ばれる1種以上の前記加
    硫促進剤と、チウラム系及びジチオカルバミン酸系から
    選ばれる1種以上の前記加硫促進剤とが組合わせて配合
    されていることを特徴とするゴム組成物。
  4. 【請求項4】 EPDMを基材とし、加硫促進剤と亜鉛
    とを含有する硫黄加硫系のゴム組成物であって、該ゴム
    組成物にはチアゾール系,チウラム系及びジチオカルバ
    ミン酸系のそれぞれから選ばれる各1種の前記加硫促進
    剤が組合わせて配合されていることを特徴とするゴム組
    成物。
  5. 【請求項5】 前記ゴム組成物における加硫促進剤の合
    計配合量が前記EPDM100重量部に対して2.0〜
    7.0重量部であり、その内の請求項1に規定する亜鉛
    低溶出量特性を実現できる加硫促進剤又はチアゾール系
    加硫促進剤の配合量が0.1〜3.0重量部であること
    を特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載のゴ
    ム組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
    ゴム組成物を用いたホースであって、エンジン冷却系配
    管に使用されることを特徴とするホース。
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