JP6237558B2 - 自動車用エアーホース - Google Patents
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Description
本発明は、自動車用エアーホース(PCVホース、ターボエアーホース、エミッションコントロールホース、バキュームブレーキホース等)に関するものである。
エンジンのシリンダとピストンの隙間からクランクケースに漏れ出したブローバイガス(未燃焼燃料や排気ガスを含む)は、クランクケースで飛散するエンジンオイルのミストと混ざり、オイルパンのエンジンオイルを汚染する。そこで、クランクケースに連通したシリンダヘッドカバーの一部とエンジンの吸気路とをホースで連通させ、クランクケース内のオイルミストを含むブローバイガスを吸気路の負圧により吸引して積極的に換気している。この仕組みをPCV(Positive Crankcase Ventilationの略)といい、前記ホースをPCVホース(又はブローバイホース)と呼んでいる。
よって、PCVホースは、オイルミストを含むブローバイガスが通り、また、熱にも曝されるため、耐油性及び耐熱性が要求される。さらに、外気中のオゾンで劣化しないよう、耐オゾン性も要求される。そして、これらの性能は、PCVホース以外の自動車用エアーホースにもほぼ同様に要求される。
そこで、自動車用エアーホースは、代表的な耐油性ゴムであるブタジエン・アクリロニトリル共重合ゴム(NBR)よりなる内管と、耐オゾン性に優れたクロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)よりなる外皮との、2層構造のものが多い(特許文献1)。
しかし、NBRは主鎖に不安定な不飽和結合(炭素・炭素二重結合)を含み、耐熱性や化学的安定性等には限界があるため、さらなる耐熱性が要求されるエアーホースには、従来のNBRでは耐熱性が不足していた。
しかし、NBRは主鎖に不安定な不飽和結合(炭素・炭素二重結合)を含み、耐熱性や化学的安定性等には限界があるため、さらなる耐熱性が要求されるエアーホースには、従来のNBRでは耐熱性が不足していた。
そこで、不飽和結合部分を水素化することにより飽和結合へと変化させて耐熱性等を高めた水素添加NBR(HNBR)が用いられるようになった。すなわち、内管を、HNBRよりなる内管と、CSMよりなる外皮との2層構造にしたり、図2に示すように、HNBRよりなる内管51と、NBRよりなる中間層52と、外皮53との3層構造にしたものである。
しかし、HNBRはNBRよりも高コストであるため、HNBRを用いないで、NBRの耐熱性を向上させることが求められている。
しかし、HNBRはNBRよりも高コストであるため、HNBRを用いないで、NBRの耐熱性を向上させることが求められている。
NBRの耐熱性を向上させる方法として、従来より加硫促進剤として、ジベンゾチアジルジスルフィドを配合すること(特許文献2)が知られている。また、高温で短時間に加硫する目的で、ジベンゾチアジルジスルフィドおよび/またはテトラメチルチウラムモノスルフィドを配合すること(特許文献3)が知られている。
しかし、本発明者らの検討によると、この方法によってもNBRで十分な耐熱性は得られなかった。
しかし、本発明者らの検討によると、この方法によってもNBRで十分な耐熱性は得られなかった。
そこで、本発明の目的は、耐熱性が良い自動車用エアーホースを低コストに提供することにある。
本発明の自動車用エアーホースは、NBR組成物よりなる内管と、CSM組成物よりなる外皮との2層構造である自動車用エアーホースにおいて、NBR組成物が次の(ア)及び(イ)を満たすものであることを特徴とする。
(ア)AN量が30〜50でありムーニー粘度(ML(1+4)100℃)が50〜90である未加硫NBRが、該未加硫NBR100質量部に対して、加硫促進剤としてのチウラム系化合物0.5〜7.0質量部、4, 4' −ジチオジモルホリン0〜2.5質量部及びチアゾール系化合物2.0〜7.0質量部の存在下で加硫されたものである。
(イ)未加硫NBR100質量部に対して、分子量700〜2000の可塑剤が5〜50質量部配合されたものである。
(ア)AN量が30〜50でありムーニー粘度(ML(1+4)100℃)が50〜90である未加硫NBRが、該未加硫NBR100質量部に対して、加硫促進剤としてのチウラム系化合物0.5〜7.0質量部、4, 4' −ジチオジモルホリン0〜2.5質量部及びチアゾール系化合物2.0〜7.0質量部の存在下で加硫されたものである。
(イ)未加硫NBR100質量部に対して、分子量700〜2000の可塑剤が5〜50質量部配合されたものである。
本発明によれば、加硫促進剤を上記のとおり特定することにより、NBR組成物よりなる内管の耐熱性の向上、特に熱による伸び減少の抑制を図ることができる。
また、可塑剤を上記のとおり特定することにより、NBR組成物よりなる内管の耐熱性の向上、特に熱による硬さ増大の抑制を図ることができる。
また、可塑剤を上記のとおり特定することにより、NBR組成物よりなる内管の耐熱性の向上、特に熱による硬さ増大の抑制を図ることができる。
本発明は、NBR組成物がさらに次の(ウ)を満たすものであることが好ましい。
(ウ)空気中での120℃×20日の熱老化試験後の物性として、硬さHS90以下、切断時伸びEB140%以上である。
(ウ)空気中での120℃×20日の熱老化試験後の物性として、硬さHS90以下、切断時伸びEB140%以上である。
本発明における各要素の詳細、態様等を以下に説明する。なお、NBR以外の材料の配合量について記すときは、未加硫NBR100質量部に対する質量部である。
<NBR組成物よりなる内管>
1.NBR
未加硫NBRのAN(アクリロニトリル)量を30〜50とするのは、30未満になると要求特性の耐油性に劣り、50を超えるとゴムとしての特性に劣るからである。AN量は、NBRの全体質量を100質量%としたときのアクリロニトリルの質量割合である。
未加硫NBRのムーニー粘度を50〜90とするのは、ホース製造時の押し出し性の観点からであり、50未満になると押し出し速度が速くなりすぎ、90を超えると押し出し速度が遅くなりすぎるからである。
1.NBR
未加硫NBRのAN(アクリロニトリル)量を30〜50とするのは、30未満になると要求特性の耐油性に劣り、50を超えるとゴムとしての特性に劣るからである。AN量は、NBRの全体質量を100質量%としたときのアクリロニトリルの質量割合である。
未加硫NBRのムーニー粘度を50〜90とするのは、ホース製造時の押し出し性の観点からであり、50未満になると押し出し速度が速くなりすぎ、90を超えると押し出し速度が遅くなりすぎるからである。
2.加硫薬品
2−1.加硫剤
加硫剤は、特に限定されず、硫黄、硫黄化合物、マレイミド類、有機加硫剤等を例示することができる。これらの一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。例えば、硫黄を用いる場合、その配合量は0.1〜1.0質量部が好ましい。
2−1.加硫剤
加硫剤は、特に限定されず、硫黄、硫黄化合物、マレイミド類、有機加硫剤等を例示することができる。これらの一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。例えば、硫黄を用いる場合、その配合量は0.1〜1.0質量部が好ましい。
2−2.加硫促進剤
加硫促進剤は、上記のとおり、チウラム系化合物と、チアゾール系化合物とを併用し、4, 4' −ジチオジモルホリンは併用しないか又は配合量を抑制して併用する。
加硫促進剤は、上記のとおり、チウラム系化合物と、チアゾール系化合物とを併用し、4, 4' −ジチオジモルホリンは併用しないか又は配合量を抑制して併用する。
(1)チウラム系化合物としては、特に限定はされないが、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等を例示することができる。
チウラム系化合物の配合量を0.5〜7.0質量部とするのは、0.5質量部未満になると加硫不足となり、7.0質量部を超えるとブルームを起こして外観不良となるおそれがあるからである。より好ましくは0.5〜5.0質量部である。
チウラム系化合物の配合量を0.5〜7.0質量部とするのは、0.5質量部未満になると加硫不足となり、7.0質量部を超えるとブルームを起こして外観不良となるおそれがあるからである。より好ましくは0.5〜5.0質量部である。
(2)4, 4' −ジチオジモルホリンの配合量を2.5質量部以下とするのは、2.5質量部を超えると耐熱性が劣るようになるからである。
(3)チアゾール系化合物としては、特に限定はされないが、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(N,N’−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等を例示することができる。
チアゾール系化合物の配合量を1.5〜7.0質量部とするのは、1.5質量部未満になると耐熱性が劣るようになり、7.0質量部を超えるとブルームを起こして外観不良となるおそれがあるからである。より好ましくは2.0〜5.0質量部である。
チアゾール系化合物の配合量を1.5〜7.0質量部とするのは、1.5質量部未満になると耐熱性が劣るようになり、7.0質量部を超えるとブルームを起こして外観不良となるおそれがあるからである。より好ましくは2.0〜5.0質量部である。
3.可塑剤
可塑剤に分子量700〜2000のものを用いるのは、700未満になると可塑剤の揮発性が大きくなり、2000を超えると可塑剤の粘度が高くなり混練加工性等に劣るようになるからである。
可塑剤の配合量を5〜50質量部とするのは、5質量部未満になると硬さが過剰になり、50質量部を超えるとブルームを起こして外観不良となるおそれがあるからである。より好ましくは15〜40質量部である。
可塑剤の種類は、特に限定されないが、NBRに適応するSP値8.5〜10.5のアジピン酸系、エーテル系、エステル系、フォスフェート系等の組成からなるものを例示することができる。
可塑剤に分子量700〜2000のものを用いるのは、700未満になると可塑剤の揮発性が大きくなり、2000を超えると可塑剤の粘度が高くなり混練加工性等に劣るようになるからである。
可塑剤の配合量を5〜50質量部とするのは、5質量部未満になると硬さが過剰になり、50質量部を超えるとブルームを起こして外観不良となるおそれがあるからである。より好ましくは15〜40質量部である。
可塑剤の種類は、特に限定されないが、NBRに適応するSP値8.5〜10.5のアジピン酸系、エーテル系、エステル系、フォスフェート系等の組成からなるものを例示することができる。
4.その他の配合材料
NBR組成物には、上記の配合材料に加えて、カーボンブラック、フィラー、加硫助剤、老化防止剤、加工助剤、充填材、軟化剤、受酸剤、着色剤、スコーチ防止剤等を適宜配合してもよい。
NBR組成物には、上記の配合材料に加えて、カーボンブラック、フィラー、加硫助剤、老化防止剤、加工助剤、充填材、軟化剤、受酸剤、着色剤、スコーチ防止剤等を適宜配合してもよい。
5.120℃×20日の熱老化試験後の物性
「耐熱性が良い」とは、すなわち、熱老化後の硬さの変化(増大)や伸びの変化(減少)が小さいということである。空気中での120℃×20日の熱老化試験後の物性として、硬さHS90以下、切断時伸びEB140%以上であれば、十分に耐熱性が良いと評価することができ、好ましくは硬さHS60〜90、伸びEB150〜300%である。
より好ましくは、120℃×20日の熱老化試験において、硬さHSが試験前に50〜70、試験後に75〜90であり、切断時伸びEBが試験前に300〜800%、試験後に150〜250%である。
「耐熱性が良い」とは、すなわち、熱老化後の硬さの変化(増大)や伸びの変化(減少)が小さいということである。空気中での120℃×20日の熱老化試験後の物性として、硬さHS90以下、切断時伸びEB140%以上であれば、十分に耐熱性が良いと評価することができ、好ましくは硬さHS60〜90、伸びEB150〜300%である。
より好ましくは、120℃×20日の熱老化試験において、硬さHSが試験前に50〜70、試験後に75〜90であり、切断時伸びEBが試験前に300〜800%、試験後に150〜250%である。
<CSM組成物よりなる外皮>
CSM組成物の配合材料や物性については、特に限定されない。
CSM組成物の配合材料や物性については、特に限定されない。
<自動車用エアーホースの製造方法>
自動車用エアーホースの製造方法は、特に限定されず、一般的に用いられている製造方法によることができる。例えば、NBR組成物よりなる内管を押出成形し、その内管の外周にCSM組成物よりなる外皮を押出成形した後、蒸気加硫、熱風加硫、電子線加硫等の各種加硫方法により加硫することができる。
自動車用エアーホースの製造方法は、特に限定されず、一般的に用いられている製造方法によることができる。例えば、NBR組成物よりなる内管を押出成形し、その内管の外周にCSM組成物よりなる外皮を押出成形した後、蒸気加硫、熱風加硫、電子線加硫等の各種加硫方法により加硫することができる。
<自動車用エアーホース>
自動車用エアーホースとしては、PCVホース、ターボエアーホース、エミッションコントロールホース、バキュームブレーキホース等を例示することができる。
自動車用エアーホースとしては、PCVホース、ターボエアーホース、エミッションコントロールホース、バキュームブレーキホース等を例示することができる。
本発明によれば、耐熱性が良い自動車用エアーホースを低コストに提供することができる。
NBR組成物よりなる内管と、CSM組成物よりなる外皮との2層構造である自動車用エアーホースにおいて、NBR組成物が次の(ア)、(イ)及び(ウ)を満たす。
(ア)AN量が30〜50でありムーニー粘度(ML(1+4)100℃)が50〜90である未加硫NBRが、該未加硫NBR100質量部に対して、加硫促進剤としてのチウラム系化合物0.5〜7.0質量部、4, 4' −ジチオジモルホリン0〜2.5質量部及びチアゾール系化合物2.0〜7.0質量部の存在下で加硫されたものである。
(イ)未加硫NBR100質量部に対して、分子量700〜2000の可塑剤が5〜50質量部配合されたものである。
(ウ)空気中での120℃×20日の熱老化試験後の物性として、硬さHS90以下、破断時伸びEB140%以上である。
(ア)AN量が30〜50でありムーニー粘度(ML(1+4)100℃)が50〜90である未加硫NBRが、該未加硫NBR100質量部に対して、加硫促進剤としてのチウラム系化合物0.5〜7.0質量部、4, 4' −ジチオジモルホリン0〜2.5質量部及びチアゾール系化合物2.0〜7.0質量部の存在下で加硫されたものである。
(イ)未加硫NBR100質量部に対して、分子量700〜2000の可塑剤が5〜50質量部配合されたものである。
(ウ)空気中での120℃×20日の熱老化試験後の物性として、硬さHS90以下、破断時伸びEB140%以上である。
自動車用エアーホースの内管用のNBR組成物として、次の表1に示す配合組成の実施例1〜7及び比較例1〜5の各NBR組成物を作製した。
表1中の各材料には、次の商品を用いた。
・NBR(AN41)は日本ゼオン株式会社の商品名「Nipol1041」
・NBR(AN34)はJSR株式会社の商品名「N237H」
・NBR(AN18)は日本ゼオン株式会社の商品名「DN401L」
なお、各NBRのAN量と、ムーニー粘度(ML(1+4)100℃)(JIS K6300準拠と考えられる。)は、商品に標記された値である。
・MAFカーボンブラックは東海カーボン株式会社の商品名「シーストG−116」
・炭酸カルシウムは白石工業株式会社の商品名「シルバーW」
・アジピン酸・エーテル・エステル系可塑剤は株式会社ADEKAの商品名「RS107」
・ポリエーテル・エステル系可塑剤は株式会社ADEKAの商品名「RS735」
・亜鉛華は井上石灰工業株式会社の商品名「メタZ102」
・ステアリン酸は花王株式会社の商品名「ルナックS−50V」
・N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミンは大内新興化学工業株式会社の商品名「ノクラック810NA」
・2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体は大内新興化学工業株式会社の商品名「ノクラック224」
・粉末硫黄は鶴見化学工業株式会社の商品名「金華印 微粉硫黄 200メッシュ」
・TMTDは大内新興化学工業株式会社の商品名「ノクセラーTT」
・TMTMは大内新興化学工業株式会社の商品名「ノクセラーTS」
・4,4'−ジチオジモルホリンは大内新興化学工業株式会社の商品名「バルノックR」
・MBTSは大内新興化学工業株式会社の商品名「ノクセラーDM」
・CBSは大内新興化学工業株式会社の商品名「ノクセラーCZ」
・NBR(AN41)は日本ゼオン株式会社の商品名「Nipol1041」
・NBR(AN34)はJSR株式会社の商品名「N237H」
・NBR(AN18)は日本ゼオン株式会社の商品名「DN401L」
なお、各NBRのAN量と、ムーニー粘度(ML(1+4)100℃)(JIS K6300準拠と考えられる。)は、商品に標記された値である。
・MAFカーボンブラックは東海カーボン株式会社の商品名「シーストG−116」
・炭酸カルシウムは白石工業株式会社の商品名「シルバーW」
・アジピン酸・エーテル・エステル系可塑剤は株式会社ADEKAの商品名「RS107」
・ポリエーテル・エステル系可塑剤は株式会社ADEKAの商品名「RS735」
・亜鉛華は井上石灰工業株式会社の商品名「メタZ102」
・ステアリン酸は花王株式会社の商品名「ルナックS−50V」
・N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミンは大内新興化学工業株式会社の商品名「ノクラック810NA」
・2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体は大内新興化学工業株式会社の商品名「ノクラック224」
・粉末硫黄は鶴見化学工業株式会社の商品名「金華印 微粉硫黄 200メッシュ」
・TMTDは大内新興化学工業株式会社の商品名「ノクセラーTT」
・TMTMは大内新興化学工業株式会社の商品名「ノクセラーTS」
・4,4'−ジチオジモルホリンは大内新興化学工業株式会社の商品名「バルノックR」
・MBTSは大内新興化学工業株式会社の商品名「ノクセラーDM」
・CBSは大内新興化学工業株式会社の商品名「ノクセラーCZ」
実施例1〜7及び比較例1〜5の各NBR組成物は、混練機により混練した後、次の各試験用の試験片に成形加工し、160℃で15分のプレス加硫をした。
実施例1〜3及び比較例1〜2の各NBR組成物の物性を、次のように試験・測定して評価し、上記の表1に記した。
1.常態特性
JIS K6253に準拠し、常温で硬さ試験を行い、タイプAデュロメータを用いて硬さHSを測定した。また、JIS K6251に準拠し、常温で引張試験を行い、引張強度TB、伸び30%時の引張応力S30、切断時伸びEBをそれぞれ測定した。
2.耐油性
JIS K6258に準拠し、IRM油に120℃×70時間浸漬し、膨潤(体積変化)ΔVを測定した。+5%以下を○と評価した。
3.耐熱性
JIS K6257に準拠し、循環型空気加熱老化試験機にて空気中で120℃に20日加熱し続けた後、室温下に1日放冷する、熱老化試験を行った。
その後、JIS K6253に準拠し、常温で硬さ試験を行い、タイプAデュロメータを用いて硬さHSを測定した。目標値である90以下を○と評価した。硬さ変化ΔHSは上記常態物性からの変化分である。また、JIS K6251に準拠し、常温で引張試験を行い、切断時伸びEBを測定した。目標値である150%以上を○と評価した。切断時伸び変化ΔEBは上記常態物性からの変化分である。
JIS K6253に準拠し、常温で硬さ試験を行い、タイプAデュロメータを用いて硬さHSを測定した。また、JIS K6251に準拠し、常温で引張試験を行い、引張強度TB、伸び30%時の引張応力S30、切断時伸びEBをそれぞれ測定した。
2.耐油性
JIS K6258に準拠し、IRM油に120℃×70時間浸漬し、膨潤(体積変化)ΔVを測定した。+5%以下を○と評価した。
3.耐熱性
JIS K6257に準拠し、循環型空気加熱老化試験機にて空気中で120℃に20日加熱し続けた後、室温下に1日放冷する、熱老化試験を行った。
その後、JIS K6253に準拠し、常温で硬さ試験を行い、タイプAデュロメータを用いて硬さHSを測定した。目標値である90以下を○と評価した。硬さ変化ΔHSは上記常態物性からの変化分である。また、JIS K6251に準拠し、常温で引張試験を行い、切断時伸びEBを測定した。目標値である150%以上を○と評価した。切断時伸び変化ΔEBは上記常態物性からの変化分である。
実施例1〜7は耐油性、耐熱性(硬さ・破断時伸び)の評価が共に○であった。
しかし、比較例1は耐油性の評価が×、比較例2は耐熱性(硬さ・破断時伸び)の評価が×、比較例3〜5は耐熱性(破断時伸び)の評価が×であった。
しかし、比較例1は耐油性の評価が×、比較例2は耐熱性(硬さ・破断時伸び)の評価が×、比較例3〜5は耐熱性(破断時伸び)の評価が×であった。
実施例の自動車用エアーホース(図1参照)は、例えば、次のようにして作製することができる。すなわち、まず、実施例1〜7のNBR組成物により未加硫状態の内管1を押出成形し、次に、この内管1の外周面に対して、CSM組成物(公知のものを用いることができる。)により未加硫状態の外皮2を押出成形する。このようにして得られた未加硫状態のホースに、マンドレル(図示略)を挿入し、所定の条件(例えば140〜165℃で10〜60分)で蒸気加硫を行った後、マンドレルを抜き取ることにより、2層構造の自動車用エアーホースを作製することができる。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
1 内管
2 外皮
2 外皮
Claims (2)
- NBR組成物よりなる内管と、CSM組成物よりなる外皮との2層構造である自動車用エアーホースにおいて、NBR組成物が次の(ア)及び(イ)を満たすものであることを特徴とする自動車用エアーホース。
(ア)AN量が30〜50でありムーニー粘度(ML(1+4)100℃)が50〜90である未加硫NBRが、該未加硫NBR100質量部に対して、加硫促進剤としてのチウラム系化合物0.5〜7.0質量部、4, 4' −ジチオジモルホリン0〜2.5質量部及びチアゾール系化合物2.0〜7.0質量部の存在下で加硫されたものである。
(イ)未加硫NBR100質量部に対して、分子量700〜2000の可塑剤が5〜50質量部配合されたものである。 - NBR組成物がさらに次の(ウ)を満たすものである請求項1記載の自動車用エアーホース。
(ウ)空気中での120℃×20日の熱老化試験後の物性として、硬さHS90以下、切断時伸びEB140%以上である。
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