JP6334269B2 - ゴム組成物およびホース - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物およびホースに関する。
トラック、バスなどの自動車および鉄道車両などのブレーキとして利用されているエアブレーキ(空気式制動装置ともいう)は、空気圧のシステムにより作動するブレーキである。そのような空気圧のシステム中のエアは、ホースの中を伝送されるオイル媒体により制御されている。
一般に、オイル媒体が伝送されるこのようなホースは、内面ゴム層と、この内面ゴム層の外周面に配置した、補強層と、その補強層の外周面に配置した外面ゴム層とを備えた構造を有する。
この内面ゴム層には、例えば、特許文献1に開示されるように、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)とアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)などのブレンドゴムが使用されている。
特開2008−101681号公報
オイル媒体を使用するホースの内面ゴム層には、耐油耐久性、引張破壊に対する強度、耐インパルス性能などが要求されるが、特に内面ゴム層は、オイル媒体に接触することから、高い耐油耐久性が要求される。
そこで、本発明は、高い耐油耐久性を備えたホースなどの加硫ゴムを得ることができるゴム組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、高い耐油耐久性を備えたホースを提供することを目的とする。
本発明に係るゴム組成物は、極性の異なる少なくとも2種類のゴム成分のブレンドであって、当該ブレンドの総質量に対する、極性の最も大きいゴム成分の質量の割合が50%より大きいブレンドと、分子量が350以下である粘度低下剤と、を含有することを特徴とする。
本発明に係るゴム組成物によれば、高い耐油耐久性を備えたホースなどの加硫ゴムを得ることができる。
本発明におけるゴム成分の極性は、ゴム成分の分子構造に基づいて、Hansen法(C.M.Hansen, J. Paint Tech., 39, (505),p.104-117, (1967))により算出される溶解度パラメーター(以下、「SP値」という)(δ)をいう。より具体的には、δは、以下の式により算出される。
Figure 0006334269
式中、ΔEは凝集エネルギーであり、Vはモル体積であり、添字d、pおよびhは、それぞれ、London分散力項、双極子力項および水素結合力項である。
また、本明細書における粘度低下剤のSP値も、上記Hansen法により算出したものをいう。
本発明における粘度低下剤の粘度を低下する作用について、粘度(poise)の測定は、例えば、株式会社島津製作所製のフローテスターを用いて、温度80℃、荷重100kgf(980N)にて行うことができる。
本発明に係るゴム組成物は、前記粘度低下剤が、エステル結合を有しないポリエーテル化合物であることが好ましい。
これにより、ホースなどの加硫ゴムの耐油耐久性をより向上させることができる。
本発明に係るゴム組成物は、前記粘度低下剤が、5,8,11,13,16,19−ヘキサオキサトリコサンであることが好ましい。
これにより、ホースなどの加硫ゴムの耐油耐久性をより向上させることができる。
本発明に係るゴム組成物は、前記ブレンド100質量部に対して、粘度低下剤を30質量部以下含有することが好ましい。
これにより、耐油耐久性に加えて、ホースなどの加硫ゴムの製品耐久性能(耐インパルス性能)も優れたものとすることができる。
本発明に係るゴム組成物は、さらに、カーボンブラックを含有することが好ましい。
これにより、効果的にホースなどの加硫ゴムの機械特性および耐久性が向上する。
本発明に係るゴム組成物は、前記ブレンドが、アクリロニトリル−ブタジエン(NBR)とスチレン−ブタジエンゴム(SBR)との2種類のゴム成分のブレンドであることが好ましい。
これにより、ホースなどの加硫ゴムの耐油耐久性と低温性との優れたバランスを得ることができる。
本発明に係るホースは、上記ゴム組成物を少なくとも最内層に用いたことを特徴とする。
本発明に係るホースは、高い耐油耐久性を備える。
本発明によれば、高い耐油耐久性を備えたホースなどの加硫ゴムを得ることができるゴム組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、高い耐油耐久性を備えたホースを提供することができる。
本発明に係るホースの一実施形態を示す、一部を断面とした斜視図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。これらの記載は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
(ゴム組成物)
本発明のゴム組成物は、極性の異なる少なくとも2種類のゴム成分のブレンドであって、当該ブレンドの総質量に対する、極性の最も大きいゴム成分の質量の割合が50%より大きいブレンドと、分子量が350以下である粘度低下剤と、を含有することを特徴とする。
以下、本発明の一実施形態に係るゴム組成物の各成分について順に例示説明する。これらの記載は、ゴム組成物の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
<ゴム成分のブレンド>
ゴム成分のブレンドは、極性の異なる少なくとも2種類のゴム成分がブレンドされたものである。
ゴム成分としては、特に限定されず、従来公知のゴム成分を用いることができる。
ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)などのジエン系ゴム;クロロブチルゴム、ブロモブチルゴムなどのハロゲン化ブチルゴム、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロロヒドリンゴム(CO/ECO)、フッ素ゴム(FKM)、多硫化ゴム(T)などの非ジエン系ゴムなどが挙げられるが、これらに限定されない。ゴム成分は、これらの中から少なくとも2種類を選択することができる。
また、例えば、分子中のアクリロニトリルなどの官能基の含有量の違いによって極性が異なるNBRなどの場合、極性の大きいNBRおよび極性の小さいNBRを、極性の異なるゴム成分として用いてもよい。
この他、例えば、特開2013−133386号公報に記載の共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体を用いてもよい。
ゴム成分は、ジエン系ゴムであることが好ましい。ジエン系ゴムは、硫黄加硫が可能であり、過酸化物加硫を主とする他のEPDMなどのゴムに比べて、破壊特性に優れるという利点を有する。
前記ゴム組成物は、前記ブレンドが、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)とスチレン−ブタジエンゴム(SBR)との2種類のゴム成分のブレンドであることが好ましい。
これにより、ホースなどの加硫ゴムの耐油耐久性と低温性との優れたバランスを得ることができる。
ゴム成分のブレンドにおいて、極性の異なる少なくとも2種類のゴム成分がブレンドされているが、ゴム成分の極性のコントラストが強くなり、ブレンドの明確な海島構造が形成されて物性(耐油耐久性と低温性)のバランスが取れることから、2種類のゴム成分のブレンドが好ましい。
前記ブレンドでは、ブレンドの総質量に対する、極性の最も大きいゴム成分の質量の割合が50%より大きいことが必須である。理論に拘束されることを望むものではないが、当該割合が50%より大きいことにより、当該ブレンドが、前記極性の最も大きいゴム成分がゴム組成物の加硫物中で海相となる、海島構造のモルフォロジー(微細構造)を形成することができると推測される。当該割合が50%以下では、前記海島構造のモルフォロジーが十分に形成されないおそれがある。
前記割合は、50%より大きいが、60〜95%であることが好ましく、60〜85%であることがより好ましい。60%以上であることにより、耐油耐久性に優れることに加えて、引張破壊強度および製品耐久性能(耐インパルス性能)も優れ、一方、95%以下であることにより、ホースなどの加硫ゴムの低温性も高めることができる。
<粘度低下剤>
本発明では、分子量350以下の粘度低下剤は、ホースなどの加硫ゴムの耐油耐久性を向上させる働きを有する。
理論に拘束されることを望むものではないが、この理由は、分子量が350以下と低いことにより、粘度低下剤が、前記ブレンドの分散性を高めるためと推測される。
粘度低下剤の分子量は、分子への拡散性と混練時の分散性を高めるため、340以下であることが好ましい。
粘度低下剤は、分子量が350以下であればよく、分子量350以下の、ゴム組成物の粘度を低下し得る物質を使用することができる。このような粘度を低下し得る物質としては、例えば、ゴム組成物に配合される従来公知の可塑剤、軟化剤、素練り促進剤、分散剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
粘度低下剤としては、例えば、5,8,11,13,16,19−ヘキサオキサトリコサンなどの一般式R1(OR2)nOR3O(R2O)nR1(式中、各R1は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜6個の直鎖または分岐のアルキル基であり、各R2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜6個の直鎖または分岐のアルキレン基であり、R3は、炭素原子数1〜6個の直鎖または分岐のアルキレン基であり、各nは、それぞれ独立して、1〜4の整数である)などで表される、エステル結合(−COO−)を有しないポリエーテル化合物、ジブチルアジペートなどの脂肪族二塩基酸エステル、グリセリントリアセタートなどの酢酸エステル、ジブチルフタレートなどの芳香族エステル、トリメチルホスフェートなどの正リン酸エステル、N−ブチルベンゼンスルホンアミドなどのスルホンアミドが挙げられるが、これらに限定されない。
この他、例えば、株式会社ジェイ・プラス製の商品名D931(分子量346)などのポリエーテルエステル化合物、株式会社ジェイ・プラス製の商品名JP120(分子量314)などの芳香族エステル、大八化学工業株式会社製の商品名TPP(分子量326)などのホスフェートも用いることができる。
前記粘度低下剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
粘度低下剤は、環境対応の観点から、芳香族エステル以外であることが好ましい。
粘度低下剤は、ホースの耐油耐久性の観点から、エステル結合を有しないポリエーテル化合物、ポリエーテルエステル系化合物および脂肪族二塩基酸エステルから選択される1種以上であることが好ましい。
ゴム組成物は、前記粘度低下剤が、エステル結合を有しないポリエーテル化合物であることが好ましい。
これにより、ホースなどの加硫ゴムの耐油耐久性をより向上させることができる。
ゴム組成物は、前記粘度低下剤が、上記一般式R1(OR2)nOR3O(R2O)nR1で表されるポリエーテル化合物であることが好ましい。
これにより、ホースなどの加硫ゴムの耐油耐久性をより向上させることができる。
ゴム組成物は、前記粘度低下剤が、5,8,11,13,16,19−ヘキサオキサトリコサンであることが好ましい。
これにより、ホースなどの加硫ゴムの耐油耐久性をより向上させることができる。
また、粘度低下剤は、SP値が18(J/cm31/2以上であることが好ましく、18〜35(J/cm31/2であることがより好ましい。18(J/cm31/2以上であることにより、極性が適度に高く、海相を形成する高極性のゴムとの相溶性が高まり、ブリードアウトが抑制され、35(J/cm31/2以下であることにより、極性が適度に低く、島相を形成する低極性のゴムとの相溶性が高まり、島相の高い柔軟性、および高い破壊特性が得られる。
粘度低下剤の含有量は、特に限定されず、所望の耐油耐久性などの物性、用途、使用態様などに応じて適宜調節すればよい。
ゴム組成物は、前記ブレンド100質量部に対して、粘度低下剤を30質量部以下含有することが好ましく、1〜30質量部含有することがより好ましい。粘度低下剤の含有量を30質量部以下とすることにより、耐油耐久性に加えて、ホースなどの加硫ゴムの製品耐久性能(耐インパルス性能)も優れたものとすることができる。粘度低下剤を1質量部以上含有することにより、十分に耐油耐久性を向上させやすい。
また、耐油耐久性に加えて、引張破壊強度および製品耐久性能(耐インパルス性能)も優れることから、前記ブレンド100質量部に対して、粘度低下剤を1〜20質量部含有することがさらに好ましい。
<その他の成分>
ゴム組成物には、上述したゴムブレンド、粘度低下剤の他に、機械特性などの向上のために、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば、カーボンブラック、シリカ、クレーなどの補強性充填剤を添加してもよい。
また、さらに、ゴム組成物には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、所望の耐油耐久性などの物性、用途、使用態様などに応じて、例えば、ゴム組成物において用いられている従来公知の、ステアリン酸、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤などの成分を添加してもよい。
以下、カーボンブラックについて例示説明する。
<カーボンブラック>
カーボンブラックとしては、特に制限はなく、所望の機械特性などの物性、用途、使用態様などに応じて、従来公知のカーボンブラックを適宜選択することができる。
カーボンブラックの含有量は、特に制限はなく、例えば、前記ブレンド100質量部に対して、50〜100質量部であることが好ましい。この範囲であることにより、ゴム組成物の加工性を確保しながら、ホースなどの加硫ゴムの機械特性を向上させることができる。
<ゴム組成物の調製方法>
ゴム組成物は、上記各成分を、たとえば、開放混合式の練りロール機、密閉混合式のバンバリーミキサー、ニーダーなどの混練機を用いて混練りすることにより調製することができる。
<ゴム組成物の用途>
本発明に係るゴム組成物の用途は特に限定されず、例えば、ホース、ガスケット、オイルシール、パッキン、Oリング、Vリング、ダイヤフラム、耐油ベルト、ゴムライニング、紡績ロール、印刷ロールなどの用途に利用することができるが、上述したように、高い耐油耐久性を発揮し得るため、特に好適にホースに利用可能である。
(ホース)
本発明に係るホースは、上記ゴム組成物を少なくとも最内層に用いたことを特徴とする。
図1は、本発明に係るホースの一実施形態を示す、一部を断面とした斜視図である。
ホース1は、例えば、図1に示すように、内面ゴム層2、補強層3、および外面ゴム層4を備え、上記ゴム組成物が最内層(内面ゴム層2)に用いられている。
ホースは、上記ゴム組成物を少なくとも最内層に用いればよく、例えば、図1において、内面ゴム層2に加えて、外面ゴム層4に上記ゴム組成物を用いてもよい。複数層に上記ゴム組成物を用いる場合、各層のゴム組成物の配合組成は同一でもよいし、異なっていてもよい。
ホースが伝送する媒体は、特に限定されず、適宜選択することができる。例えば、オイル、冷媒ガスなどのガス(気体)、水などを媒体とすることができる。
上述したように、ホースは、高い耐油耐久性を備えることから、オイル媒体の伝送に好適に使用することができる。
補強層の材料、構成は従来公知のホースの補強層のものを用いることができる。
補強層に使用する補強糸は、特に限定されず、従来公知の補強糸を使用することができる。補強糸は、例えば、スチールワイヤ、銅ワイヤ、アルミワイヤなどの金属ワイヤでもよいし、ビニロン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、ナイロン、アラミドなどの合成繊維でもよく、これらの組み合わせでもよい。
ホースの補強糸が合成繊維であれば、柔軟性、軽量化、低コストの点で有利である。
補強層の種類は、巻回した補強糸を有するスパイラルタイプ、および編み上げした補強糸を有するブレードタイプのいずれかでもよいし、これらの組み合わせでもよい。
スパイラルタイプであれば、連続一貫生産が可能であり、また、ブレード製造工程が省略できるため、生産設備がコンパクトで低コストであるという利点がある。
一方、ブレードタイプであれば、耐圧性能に優れる。
ホースは、図1の態様に限定されず、図示しないが、内面ゴム層と外面ゴム層との2層構造でもよいし、図示しないが、補強層を2層とし、この2層の補強層の間に中間層(中間ゴム)を配置した5層構造でもよい。また、この5層構造の場合、中間層にも上記ゴム組成物を用いてもよい。
ホースの製造方法は、少なくとも最内層に上記ゴム組成物を用いること以外は特に限定されず、従来公知のホースの製造方法を用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
(実施例1〜14および比較例1〜6)
表1〜4に示す配合組成のゴム組成物を調製した。次いで、各ゴム組成物を150℃、60分間、15MPaの条件でプレス加硫し、加硫ゴムを得た。その加硫ゴムについて、以下に示すように、分散性、引張破壊強度、耐油耐久性および製品耐久性能(耐インパルス性能)を評価した。その結果を表1〜4に合わせて示す。
(分散性)
加硫ゴムを2mm角の立方体に切断し、断面を精密カッターで切断して平滑面を形成した。通常のオスミウム染色法によりその平滑面中の島相を染色して、島相の形態を電子顕微鏡で観察した。5μm角の視野内にて島相の最大サイズ(すなわち、島相の外周上の2点を結ぶ線分のうち最も長いものの長さ)が0.5μm以下を◎、0.5μmより大きく、1μm以下のものを○、1μmより大きいものを△とした。
(引張破壊強度)
加硫ゴムから厚み2mmのゴムシートを作成して、JIS3号ダンベルに打ち抜いたものを試験片とした。次いで、テンシロン万能試験機にて、JIS K−6301に準拠して、引張破壊時の最大強度を求めた。比較例1の引張破壊時の最大強度を100として、指数表示した。値が大きいほど、引張破壊強度に優れることを表す。
(耐油耐久性)
加硫ゴムから厚み2mmのゴムシートを作成して、JIS3号ダンベルに打ち抜いたものを試験片として、JIS3号試験油(IRM−903)に100℃、72時間浸漬した。次いで、テンシロン万能試験機にて、JIS K−6301に準拠して、引張破壊時の最大強度を求めた。比較例1の引張破壊時の最大強度を100として、指数表示した。値が大きいほど、耐油耐久性に優れることを表す。
(製品耐久性能)
上記加硫ゴムを内面ゴム層(最内層)に用いたホースの両端を加締めたものに鉱物油を封入し、温度:100℃、周波数:30cpm、圧力:2MPaのパルス加圧試験を行い、バーストするまでのパルス回数を測定した。そのときの比較例1のパルス回数を100として、指数表示した。値が大きいほど、製品耐久性能に優れることを表す。
Figure 0006334269
Figure 0006334269
Figure 0006334269
Figure 0006334269
表1〜4中の*1〜*12、粘度低下剤P1〜P4の各成分の詳細は以下のとおりである。
*1 アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR):日本ゼオン株式会社製の商品名Nipol DN212(結合アクリロニトリル量33.5%)、SP値20.1(J/cm31/2
*2 スチレン−ブタジエンゴム(SBR):JSR株式会社製の商品名SBR#1500、SP値17.3(J/cm31/2
*3 ブタジエンゴム:JSR株式会社製の商品名RB820、SP値17.2(J/cm31/2
*4 アロマオイル(粘度低下剤):出光興産株式会社製の商品名ダイアナプロセスオイル(分子量2500)
*5 ジオクチルアジペート(粘度低下剤):新日本理化株式会社製の商品名サンソサイザーDOA(分子量371)
*6 ジブチルジグリコールアジペート(粘度低下剤):株式会社ADEKA製の商品名アデカサイザー RS−107(分子量435)
*7 ポリエーテルエステル(粘度低下剤):株式会社ADEKA製の商品名アデカサイザー RS−735(分子量850)
*8 ヘキサオキサトリコサン(粘度低下剤):ホールスター社製の商品名TP−90B(5,8,11,13,16,19−ヘキサオキサトリコサン)(分子量336)
*9 カーボンブラック:FEFカーボン
*10 ワックス:ステアリン酸
*11 老化防止剤:精工化学株式会社製の商品名オゾノン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
*12 加硫促進剤:大内新興化学工業株式会社製の商品名ノクセラーCZ(2−[(シクロヘキシルアミノ)チオ]ベンゾチアゾール)
*P1(粘度低下剤):ジェイ・プラス株式会社製の商品名JP120(二安息香酸オキシビスエチレン、分子量314)
*P2(粘度低下剤):ジェイ・プラス株式会社製の商品名D931(アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)、分子量346)
*P3(粘度低下剤):大八化学工業株式会社製の商品名TPP(トリフェニルホスフェート、分子量326)
*P4(粘度低下剤):大八化学工業株式会社製の商品名DBP(フタル酸ジブチル、分子量278)
表1〜4中、ゴム成分および粘度低下剤のSP値は、上記Hansen法により算出した。
表1〜4より、極性の最も大きいゴム成分の質量の割合がブレンドの総質量に対して50%より大きいブレンドと、分子量が350以下の粘度低下剤と、を含有することにより、高い耐油耐久性を備えたホースを得ることができる。
本発明に係るゴム組成物は、ホースの製造において特に好適に利用可能である。
本発明に係るホースは、耐油ホースに好適に利用可能であり、エアブレーキの耐油ホースに特に好適に利用可能である。
1 ホース
2 内面ゴム層
3 補強層
4 外面ゴム層

Claims (8)

  1. 極性の異なる少なくとも2種類のゴム成分のブレンドであって、当該ブレンドの総質量に対する、極性の最も大きいゴム成分の質量の割合が50%より大きいブレンドと、
    分子量が350以下である粘度低下剤と、
    を含有し、
    前記粘度低下剤が、エステル結合を有しないポリエーテル化合物であり、
    前記ブレンドが、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)とスチレンブタジエンゴム(SBR)との2種類のゴム成分のブレンドであることを特徴とする、ゴム組成物。
  2. 前記粘度低下剤が、5,8,11,13,16,19−ヘキサオキサトリコサンであることを特徴とする、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記ブレンド100質量部に対して、粘度低下剤を30質量部以下含有することを特徴とする、請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. さらに、カーボンブラックを含有することを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. ホース用ゴム組成物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. 前記ブレンド100質量部に対して、前記カーボンブラックを50〜100質量部含有することを特徴とする、請求項4または5に記載のゴム組成物。
  7. 前記カーボンブラックが、Fast Extrusion Furnace(FEF)カーボンであることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム組成物を少なくとも最内層に用いたことを特徴とする、ホース。
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