JP2001106832A - 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体

Info

Publication number
JP2001106832A
JP2001106832A JP2000220509A JP2000220509A JP2001106832A JP 2001106832 A JP2001106832 A JP 2001106832A JP 2000220509 A JP2000220509 A JP 2000220509A JP 2000220509 A JP2000220509 A JP 2000220509A JP 2001106832 A JP2001106832 A JP 2001106832A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic elastomer
butyl
elastomer composition
group
copolymer rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000220509A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihito Miyake
邦仁 三宅
Kanako Fukuda
加奈子 福田
Hiroyuki Sugimoto
博之 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2000220509A priority Critical patent/JP2001106832A/ja
Publication of JP2001106832A publication Critical patent/JP2001106832A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融混練時の熱劣化が防止され、また長期間
保存しても表面の外観不良が発生しない成形体を与え得
る熱可塑性エラストマー組成物を提供する。 【解決手段】 熱可塑性エラストマー100重量部に対
して一般式(I) で示されるフェノール系化合物0.01〜5重量部を含
有することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー組成物およびその成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマーは、柔軟性に優れ
ているため、その成形体は、例えばインストルメントパ
ネル、ドアトリムなどの自動車内装部品、バンパーなど
の自動車外装部品、家電製品、パッキン、文房具類、ス
ポーツ用品、玩具、ホース、発泡体などとして広く用い
られている。かかる熱可塑性エラストマーは、その酸化
劣化を防止するために、安定剤としてn-オクタデシル-3
-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート、3,9-ビス(2-(3-(3-t-ブチル−4-ヒドロキシ-5-メ
チルフェニル)プロピオニルオキシ)-1,1-ジメチルエチ
ル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなど
のフェノール系安定剤を含有する熱可塑性エラストマー
組成物として用いられている。
【0003】しかし、前者のn-オクタデシル-3-(3,5-ジ
-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートで
は、成形工程において熱可塑性エラストマー組成物を溶
融混練する際の熱劣化に対しては殆ど効果を示さないと
いう問題があり、また、後者の3,9-ビス(2-(3-(3-t-ブ
チル−4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオ
キシ)-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサス
ピロ[5.5]ウンデカンは、熱可塑性エラストマー組成物
を成形して得られた成形体を長期間保存した場合にその
表面にブリードして外観不良を招き易いという問題があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、溶融混練時の熱劣化が防止され、また長期間保存し
ても表面に外観不良を発生しない成形体を与え得る熱可
塑性エラストマー組成物を開発するべく鋭意検討した結
果、特定のフェノール系化合物を含有する熱可塑性エラ
ストマー組成物は溶融混練時に熱可塑性エラストマーの
熱劣化が生じず、しかもこれを成形して得られる成形体
は表面に外観不良が発生しないことを見出し、本発明に
至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、熱
可塑性エラストマー100重量部に対して一般式(I) 〔式中、R1、R2、R4、R5はそれぞれ独立に水素原
子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロ
アルキル基、炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル
基、炭素数7〜12のアラルキル基またはフェニル基を
示し、R3は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基
を示す。Xは単結合、硫黄原子または一般式(I−1) −CHR6− (I−1) (式中、R6は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基ま
たは炭素数5〜8のシクロアルキル基を示す。)で示さ
れる2価の残基を示す。Aは炭素数2〜8のアルキレン
基または一般式(I−2) *−COR7− (I−2) (式中、R7は単結合または炭素数1〜8のアルキレン
基を示し、*は酸素原子に結合していることを示す。)
で示される2価の残基を示す。Y、Zは一方がヒドロキ
シル基を示し、他方が水素原子または炭素数1〜8のア
ルキル基を示す。〕で示されるフェノール系化合物0.
01〜5重量部を含有することを特徴とする熱可塑性エ
ラストマー組成物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の熱可塑性エラストマー組成物における熱
可塑性エラストマーとしては、例えばオレフィン系熱可
塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、
ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル
系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0007】オレフィン系熱可塑性エラストマーとして
は、例えばエチレンおよびα−オレフィンの共重合体ゴ
ム、プロピレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンの
共重合体ゴム、共役ジエン系重合体、共役ジエン系重合
体の水添物などが挙げられる。
【0008】エチレンおよびα−オレフィンの共重合体
ゴムにおけるα−オレフィンとしては、プロピレン、1
−ブテン、3−メチル−1−ブテンなどの炭素原子数3
〜10のα−オレフィンが通常用いられる。これらのα
−オレフィンはそれぞれ単独または2種以上を組合わせ
て用いられ、例えばプロピレンと炭素数4以上のα−オ
レフィンとを組合わせて用いられてもよい。
【0009】かかるエチレンおよびα−オレフィンの共
重合体ゴムにおけるエチレン単位の含有量は通常5〜9
5重量%、好ましくは10〜85重量部程度であり、α
−オレフィン含有量は通常5〜95重量%、好ましくは
10〜85重量%である。エチレン単位含有量、α−オ
レフィン単位含有量は13C−NMR法、赤外線吸光分光
法などの方法により測定することができる。
【0010】かかるエチレンおよびα−オレフィンの共
重合体ゴムは、他の単量体単位を含有していてもよい。
他の単量体としては、例えばジシクロペンタジエン、5
−エチリデン−2−ノルボルネン,1,4−ヘキサジエ
ン、1,5−ジシクロオクタジエンなどの炭素原子数5
〜15の非共役ジエン、酢酸ビニルなどのビニルエステ
ル化合物、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ルなどのエチレン性不飽和カルボン酸エステル化合物、
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニルニ
トリル化合物などが挙げられる。これらの他の単量体単
位はそれぞれ1種または2種以上を組合わせて用いられ
る。
【0011】かかるエチレンおよびα−オレフィンの共
重合体ゴムとしては、例えばエチレン・プロピレン共重
合体ゴム、エチレン・1−ブテン共重合体ゴム、エチレ
ン・1−ヘキセン共重合体ゴム、エチレン・1−オクテ
ン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・5−エチリデ
ン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(EPDM)、プロ
ピレン・1−ブテン・エチレン共重合体ゴム、プロピレ
ン・1−ヘキセン・エチレン共重合体ゴム、プロピレン
・1−オクテン・エチレン共重合体ゴムなどが挙げられ
る。
【0012】かかるエチレンおよびα−オレフィンの共
重合体ゴムの中でも、エチレンとプロピレンと炭素数4
以上のα−オレフィンとの共重合体ゴムは、キシレン溶
媒による極限粘度[η]が0.3dl/g以上であるこ
とが、得られた成形体において粘着感が生じない点で、
好ましい。かかるエチレンおよびα−オレフィンの共重
合体ゴムは、架橋されていてもよい。
【0013】プロピレンおよび炭素数4以上のα−オレ
フィンの共重合体ゴムにおけるα−オレフィンとして
は、例えば1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、
3−メチル−1−ブテンなどの炭素原子数4〜10のα
−オレフィンなどが挙げられる。これらのα−オレフィ
ンはそれぞれ単独または2種以上を組合わせて用いられ
る。かかるプロピレンおよび炭素数4以上のα−オレフ
ィンの共重合体ゴムは、他の単量体単位を含有していて
もよい。他の単量体としては、エチレンおよびα−オレ
フィンの共重合体ゴムにおいて上記したと同様の他の単
量体が挙げられる。かかるプロピレンおよび炭素数4以
上のα−オレフィンの共重合体ゴムは、キシレン溶媒に
よる極限粘度[η]が0.3dl/g以上であること
が、得られた成形体において粘着間が生じない点で、好
ましい。
【0014】かかるプロピレンおよび炭素数4以上のα
−オレフィンの共重合体ゴムとしては、例えばプロピレ
ン・1−ブテン共重合体ゴム、プロピレン・1−ヘキセ
ン共重合体ゴム、プロピレン・1−オクテン共重合体ゴ
ムなどが挙げられる。かかるプロピレンおよび炭素数4
以上のα−オレフィンの共重合体ゴムは、架橋されてい
てもよい。
【0015】共役ジエン系重合体とは、少なくとも1種
類の共役ジエンの重合体であって、共役ジエンとして
は、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−
ブタジエン(イソプレン)、1,3−ペンタジエン、
2,3−ジメチルブタジエンなどの炭素数4〜8の共役
ジエンなどが挙げられる。かかる共役ジエン単位は1種
であってもよいし、2種以上であってもよい。共役ジエ
ン系重合体は、他の単量体単位を含有していてもよい。
他の単量体としては、例えばアクリル酸メチル、メタク
リル酸メチルなどのエステル基を有するビニル化合物な
どが挙げられる。かかる共役ジエン系重合体としては、
例えばポリブタジエン、ポリイソプレンなどが挙げられ
る。
【0016】共役ジエン系重合体の水添物とは、共役ジ
エン系重合体が水添された構造の重合体であって、例え
ば水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレンなどが挙げ
られる。共役ジエン系重合体の水添物には、水添された
共役ジエン単位が存在し、該単位には炭素数2以上の側
鎖を有する単位も存在するが、かかる水添された共役ジ
エン単位のうちの60%以上の単位が炭素数2以上の側
鎖を有する共役ジエン単位であることが、熱可塑性エラ
ストマー組成物がポリオレフィン樹脂を含有する場合に
得られる成形体の柔軟性の点で好ましい。共役ジエン系
重合体の水添物は、炭素数2以上の側鎖を有する共役ジ
エン単位の割合が異なる2以上のブロックから構成され
ていてもよい。
【0017】スチレン系熱可塑性エラストマーとして
は、例えばビニル芳香族化合物および共役ジエンの共重
合体ゴムおよびその水添物などが挙げられる。
【0018】ビニル芳香族化合物としては、例えばスチ
レン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどの
炭素数8〜12のビニル芳香族化合物などが挙げられ
る。共役ジエンとしては、共役ジエン系重合体において
上記したと同様の炭素数4〜8の共役ジエンなどが挙げ
られる。かかる共役ジエンは1種であってもよいし、2
種以上を組合わせて用いられてもよい。
【0019】ビニル芳香族化合物および共役ジエンの共
重合体としては、例えばスチレン・ブタジエン共重合体
ゴム、スチレン・イソプレン共重合体ゴム、スチレン・
ブタジエン・イソプレン共重合体ゴムなどが挙げられ、
これらは公知の方法により製造することができる。
【0020】ビニル芳香族化合物および共役ジエンの共
重合体は、構成の異なる2以上のブロックから構成され
ていてもよい。かかる2以上のブロックから構成されて
いるビニル芳香族化合物および共役ジエンの共重合体と
しては、例えばスチレン単独重合体ブロック−ブタジエ
ン単独重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックか
らなる構造の共重合体ゴム(一般にSBSと称され
る。)、スチレンとブタジエンとがランダムに配列した
構造の共重合体ゴム(スチレン・ブタジエンランダム共
重合体、一般にSBRと称される。)などが挙げられ
る。また、スチレン単独重合体ブロック−スチレン・ブ
タジエン共重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロッ
クからなる構造の共重合体ゴムも挙げられ、かかる共重
合体ゴムにおいてスチレン・ブタジエン共重合体ゴムは
スチレンとブタジエンとがランダムに共重合した構造の
ブロックであってもよいし、スチレン単位の含有量が徐
々に増加するテーパー状ブロックであってもよい。
【0021】ビニル芳香族化合物および共役ジエンの共
重合体ゴムの水添物としては、ビニル芳香族化合物およ
び共役ジエンの共重合体ゴムを水素添加処理して共役ジ
エン単位が水素添加されて得られるものが挙げられ、例
えば水添スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、水添スチ
レン・イソプレン共重合体ゴム、水添スチレン・ブタジ
エン・イソプレン共重合体ゴムなどが挙げられる。
【0022】かかる水添物は、構成の異なる2以上のブ
ロックから構成されていてもよい。かかる2以上のブロ
ックから構成されているビニル芳香族化合物および共役
ジエンの共重合体としては、例えばスチレン単独重合体
ブロック−水添ブタジエン単独重合体ブロック−スチレ
ン単独重合体ブロックからなる構造の共重合体ゴムの水
添物(一般にはSEBSと称される。)などが挙げられ
る。またスチレン単独重合体ブロック−水添ブタジエン
・スチレン共重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロ
ックからなる構造の共重合体ゴムの水添物も挙げられ、
かかる共重合体ゴムの水添物において水添ブタジエン・
スチレン共重合体ブロックは水添ブタジエンとスチレン
とがランダムに共重合した構造のブロックであってもよ
いし、スチレン単位の含有量が徐々に増加するテーパー
状ブロックであってもよい。かかる水添物は、スチレン
・ブタジエンランダム共重合体(一般にはHSBRと称
される。)であってもよい。
【0023】かかる水添物において、架橋されていない
場合には、共役ジエン単位のうちの80%以上が水添さ
れていることが好ましく、90%以上が水添されている
ことがさらに好ましい。水添率が80%未満であると、
得られる成形体は耐熱性(耐黄変性)に劣る場合があ
る。また、水添された共役ジエン単位のうちの60%以
上の単位が炭素数2以上の側鎖を有する共役ジエン単位
であることが、熱可塑性エラストマー組成物がポリオレ
フィン樹脂を含有する場合に得られる成形体の柔軟性、
耐傷付き性、強度、透明性などの点で好ましい。
【0024】かかるビニル芳香族化合物および共役ジエ
ンの共重合体ゴムの水添物は、例えば特開平2−362
44号公報、特開平3−725123号公報、特開平7
−118335号公報、特開昭56−38338号公
報、特開昭61−60739号公報などに記載された方
法で製造することができる。
【0025】ビニル芳香族化合物および共役ジエンの共
重合体ゴムやその水添物におけるビニル芳香族化合物単
位の含有量は50重量%以下、さらには20重量%以下
であることが、柔軟性に優れた成形体が得られる点で好
ましい。含有量が50重量%を超えると、得られる成形
体の強度が不十分となる傾向にある。
【0026】ビニル芳香族化合物および共役ジエンの共
重合体ゴムやその水添物は、1種以上の官能基が導入さ
れた変性体であってもよい。官能基としては、例えばカ
ルボキシル基、酸無水物基、水酸基、エポキシ基、アミ
ノ基、ハロゲン原子を含有する官能基、およびこれらの
官能基から誘導されるエステル基、アミド基などのよう
な官能基などが挙げられる。かかる官能基は、共重合体
ゴムを製造する際の重合時に導入することもできるし、
重合により得られた共重合体ゴムに導入することもでき
るし、水添後の水添物に導入することもできる。
【0027】本発明における熱可塑性エラストマーは、
JIS K−7210に準拠して230℃、荷重2.1
6kgfで測定したメルトフローレート(MFR)が通
常は0.1g/10分以上、好ましくは1g/10分以
上である。MFRが0.1g/10分未満であると得ら
れる成形体はその強度が劣る場合がある。
【0028】熱可塑性エラストマーの結晶化度は通常5
0%未満である。ここで、結晶化度とは、熱可塑性エラ
ストマーを構成する単量体単位のうちで最も含有量の多
い単量体単位のみからなり、熱可塑性エラストマーを製
造する際に用いたと同一の触媒系を用い、同一の重合条
件で製造された単独重合体の融解熱に対する、熱可塑性
エラストマーの融解熱の割合であり、熱可塑性エラスト
マーとして水添物を用いた場合には、水添前の共役ジエ
ン系重合体またはビニル芳香族化合物および共役ジエン
の共重合体ゴムを構成する単量体単位のうちで最も含有
量の多い単量単位のみからなり、該重合体またはゴムを
製造する際に用いたと同一の触媒を用い、同一の重合条
件で製造された単独重合体または単独重合体ゴムを水添
して得られる水添物の融解熱に対する、熱可塑性エラス
トマーの融解熱の割合を示す。融解熱はDSC法により
測定することができる。
【0029】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
ポリオレフィン系樹脂を含有していてもよい。ポリオレ
フィン系樹脂を含有することにより、熱可塑性エラスト
マー組成物の強度を調整したり、溶融粘度を調整して成
形性をコントロールしたり、得られる成形体に耐熱保持
性を付与することができる。
【0030】ポリオレフィン系樹脂は、高い結晶性を有
する重合体であって、オレフィンの少なくとも1種の重
合体または共重合体である。オレフィンとしては、例え
ばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、
1−オクテンなどの炭素原子数2〜8のオレフィンなど
が挙げられる。オレフィン系樹脂としては、例えばポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、プロ
ピレンと炭素原子数4以上のα−オレフィン、例えば1
−ブテンとの共重合体などが挙げられる。かかるポリオ
レフィン系樹脂はそれぞれ単独または2種以上を組合わ
せて用いられる。
【0031】ポリオレフィン系樹脂は、エチレンおよび
炭素原子数3〜8のα−オレフィンから選ばれる2種以
上のオレフィンが2段階以上で共重合された共重合体で
あってもよい。かかる共重合体としては、例えば第一段
階でプロピレンを単独重合させ、第二段階でプロピレン
とエチレンとを共重合させて得られる共重合体、第二段
階でプロピレンと炭素原子数4以上のα−オレフィンと
を共重合させて得られる共重合体などが挙げられる。
【0032】ポリオレフィン系樹脂は、他の単量体単位
を含有していてもよい。他の単量体としては、例えばジ
シクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン,1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタジ
エンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエン、酢酸ビ
ニルなどのビニルエステル化合物、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチルなどのエチレン性不飽和カ
ルボン酸エステル化合物、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリルなどのビニルニトリル化合物などが挙げられ
る。これらの他の単量体単位はそれぞれ1種または2種
以上を組合わせて用いられる。
【0033】ポリオレフィン系樹脂の結晶化度は、得ら
れる成形体の耐熱保持性の点で50%以上であることが
好ましい。ここで、結晶化度とは、ポリオレフィン系樹
脂を構成する単量体単位のうちで最も含有量の多い単量
体単位のみからなり、ポリオレフィン系樹脂を製造する
際に用いたと同一の触媒系を用い、同一の重合条件で製
造された単独重合体の融解熱に対する、ポリオレフィン
系樹脂の融解熱の割合を示す。融解熱はDSC法により
測定することができる。
【0034】かかるポリオレフィン系樹脂の含有量は、
熱可塑性エラストマー100重量部あたり通常は100
0重量部以下、好ましくは10〜500重量部程度であ
る。ポリオレフィン系樹脂の含有量が1000重量部を
超えると得られる成形体の柔軟性が低下する傾向にあ
る。
【0035】ポリオレフィン系樹脂は、得られる成形体
の強度の点で、JIS K−7210に準拠して230
℃、荷重2.16kgfで測定したメルトフローレート
(MFR)が0.1〜500g/10分、さらには0.
5〜300g/10分程度であることが好ましい。MF
Rが0.1g/10分未満であると得られる成形体はそ
の外観に劣ったり、強度に劣る場合がある。
【0036】本発明の熱可塑性エラストマー組成物にお
いて、熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィン系樹
脂として、熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィン
系樹脂からなる重合体粒子を用いることもできる。かか
る重合体粒子は通常リアクターTPO(R−TPO)と
呼ばれており、例えば特開平4−21408号公報など
にその製造方法が記載されている。
【0037】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
例えば天然ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エピ
クロロヒドリンゴム、アクリルゴムなどのゴム質重合体
などを含有していてもよい。
【0038】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
一般式(I)で示されるフェノール系化合物を含むもの
であるが、一般式(I)における置換基R1、R2、R4
およびR5はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8の
アルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数
6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素数7〜12
のアラルキル基またはフェニル基を示す。R1、R2、R
4は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8の
シクロアルキル基、炭素数6〜12のアルキルシクロアル
キル基であることが好ましく、R5は、水素原子、炭素
原子数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアル
キル基であることが好ましい。
【0039】炭素原子数1〜8のアルキル基のとして
は、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロ
ピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブ
チル基、t-ペンチル基、i-オクチル基、t-オクチル基、
2-エチルヘキシル基などが挙げられる。炭素数5〜8の
シクロアルキル基としては、例えばシクロペンチル基、
シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル
基などが挙げられる。炭素数6〜12のアルキルシクロア
ルキル基としては、例えば1-メチルシクロペンチル基、
1-メチルシクロヘキシル基、1-メチル-4-i-プロピルシ
クロヘキシル基などが挙げられる。炭素数7〜12のアラ
ルキル基としては、例えばベンジル基、α-メチルベン
ジル基、α,α−ジメチルベンジル基などが挙げられ
る。
【0040】R1、R4はt-ブチル基、t-ペンチル基、t-
オクチル基などのt-アルキル基、シクロヘキシル基、1-
メチルシクロヘキシル基などであることが好ましい。R
2は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル
基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル
基、t-ペンチル基の炭素数1〜5のアルキル基であるこ
とが好ましく、とりわけメチル基、t-ブチル基、t-ペン
チル基であることが好ましい。R5は水素原子、メチル
基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル
基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、t-ペンチ
ル基などの炭素数1〜5のアルキル基であることが好ま
しい。置換基R3は水素原子または炭素原子数1〜8の
アルキル基を表すが、炭素数1〜8のアルキル基として
は、例えば前記と同様のアルキル基が挙げられ、好まし
くは水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基であ
り、とりわけ水素原子またはメチル基であることが好ま
しい。
【0041】Xは単結合、硫黄原子または一般式(I−
1)で示される2価の残基を示す。一般式(I−1)に
おける置換基R6は水素原子、炭素数1から8のアルキ
ル基または炭素数5から8のシクロアルキル基を示し、
一般式(I−1)で示される2価の残基は、炭素数1〜
8のアルキル基または炭素数5〜8のシクロアルキル基
が置換していることもあるメチレン基を示すことにな
る。ここで、メチレン基に置換している炭素原子数1〜
8のアルキル、炭素数5〜8のシクロアルキルとして
は、それぞれ前記と同様のアルキル基、シクロアルキル
基が挙げられる。Xは単結合、メチレン基またはメチル
基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル
基、i-ブチル基、t-ブチル基などが置換したメチレン基
であることが好ましく、とりわけ単結合が好ましい。
【0042】置換基Aは、炭素数2〜8のアルキレン基
または一般式(I−2)で示される2価の残基を示す
が、好ましくは炭素数2〜8のアルキレン基である。こ
こで、炭素数2〜8のアルキレン基としては、例えばエ
チレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン
基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2,2-ジメチ
ル-1,3-プロピレン基が挙げられ、好ましくはプロピレ
ン基である。
【0043】一般式(I−2)において、*は、カルボ
ニルがホスファイトの酸素と結合していることを示す。
7における炭素数1〜8のアルキレン基としては、例
えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン
基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチ
レン基、2,2-ジメチル-1,3-プロピレン基などが挙げら
れる。R7は、単結合、エチレンなどが好ましい。Y、
Zは、いずれか一方がヒドロキシル基を示し、もう一方
が水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。炭
素数1〜8のアルキル基としては、例えば前記と同様の
アルキル基などが挙げられる。
【0044】前記一般式(I)で示されるフェノール系
化合物は、例えば一般式(II) (式中、R1、R2、R3、Xはそれぞれ前記と同じ意味
を示す。)で示されるビスフェノール類と三ハロゲン化
リンと一般式(III) (式中、R4、R5、A、Y、Zはそれぞれ前記と同じ意
味を示す。)で示されるヒドロキシ化合物とを反応させ
ることにより製造することができる。
【0045】三ハロゲン化リンとしては、例えば、三塩
化リン、三臭化リンなどが挙げられる。とりわけ三塩化
リンが好ましく用いられる。
【0046】反応させるにあたっては、例えばアミン
類、ピリジン類、ピロリジン類、アミド類などの脱ハロ
ゲン化水素剤、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属
の水酸化物を共存させることにより、反応を促進させる
こともできる。
【0047】アミン類としては、一級アミン、二級アミ
ン、三級アミンいずれでもよく、例えばt-ブチルアミ
ン、t-ペンチルアミン、t-ヘキシルアミン、t-オクチル
アミン、ジ-t-ブチルアミン、ジ-t-ペンチルアミン、ジ
-t-ヘキシルアミン、ジ-t-オクチルアミン、トリメチル
アミン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,
N-ジエチルアニリンなどが挙げられるが、好ましくはト
リエチルアミンである。ピリジン類としては、例えばピ
リジン、ピコリンなどが挙げられるが、好ましくはピリ
ジンである。ピロリジン類としては、例えば1-メチル-2
-ピロリジンなどが挙げられる。またアミド類として
は、例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルア
セトアミドなどが挙げられるが、N,N-ジメチルホルムア
ミドが好ましく使用される。アルカリ金属もしくはアル
カリ土類金属の水酸化物としては、例えば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カルシウムなどが挙げられるが、好ましく
は水酸化ナトリウムである。
【0048】反応は通常、有機溶媒中で行われる。かか
る有機溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特
に限定はないが、例えば芳香族炭化水素、脂肪族炭化水
素、含酸素系炭化水素、ハロゲン化炭化水素などが挙げ
られる。芳香族炭化水素としては、例えばベンゼン、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼンなどが、脂肪族炭化
水素としては、例えばn-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オク
タンなどが、含酸素系炭化水素としては、例えばジエチ
ルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,4-ジオキサンなどが、ハロゲン化炭化水素としては、
例えばクロロホルム、四塩化炭素、モノクロルベンゼ
ン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、ジクロロベ
ンゼンなどがそれぞれ挙げられる。これらの中でも、ト
ルエン、キシレン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、クロ
ロホルム、ジクロロメタンなどが好ましく使用される。
【0049】反応方法としては、通常、先ずビスフェノ
ール類(II)と三ハロゲン化リンとを応させて中間体を
生成し、次いでヒドロキシ化合物(III)を反応させると
いう二段反応法が採用される。この方法の場合、三ハロ
ゲン化リンは、ビスフェノール類(II)に対して1〜1.
1モル倍程度用いるのが好ましく、より好ましくは1〜
1.05モル倍程度用いる。また脱ハロゲン化水素剤を用い
る場合は、三ハロゲン化リンに対して0.05〜2.4モル倍
程度用いるのが好ましく、より好ましくは2〜2.1モル
倍程度である。
【0050】ビスフェノール類(II)と三ハロゲン化リ
ンとの反応は、通常0〜200℃程度で実施される。この
反応により、中間体ハロゲノホスファイトが生成すると
考えられ、これを単離してから次の反応に供してもよい
が、通常は反応混合物のままヒドロキシ化合物(III)と
の反応に供される。
【0051】次いで、ヒドロキシ化合物(III)を反応さ
せるにあたっては、ビスフェノール類(II)に対して通
常1〜1.1モル倍程度用いられる。この反応において
も、脱ハロゲン化水素剤を用いることができ、その場合
の脱ハロゲン化水素剤の量は、ヒドロキシ化合物(III)
に対して0.05〜1.2モル倍程度が好ましい。この追加す
る脱ハロゲン化水素剤の量は、最初の反応で脱ハロゲン
化水素剤を過剰に用いた場合は、残存する脱ハロゲン化
水素剤を含めて計算するのが通常である。反応は、通常
0〜200℃程度の温度で実施される。
【0052】反応完了後は、脱ハロゲン化水素剤を用い
た場合には、反応により生成する脱ハロゲン化水素剤の
ハロゲン化水素酸塩を除去し、さらに溶媒を除去したあ
と、例えば晶析やカラムクロマトグラフィーのような適
当な後処理を施すことによって、本発明のフェノール系
化合物(I)を得ることができる。
【0053】ここで、フェノール系化合物(I)の原料
であるビスフェノール類(II)は、公知の方法、例えば
特開昭52-122350号公報、米国特許第2,538,355号明細
書、特公平2-47451号公報に記載された方法などに準拠
して、アルキルフェノール類を縮合させることにより製
造することもできる。またビスフェノール類(II)は、
市販されているものであれば、それを用いることもでき
る。
【0054】ビスフェノール類(II)としては、例えば
2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、
2,2'-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノー
ル)、2,2'-メチレンビス(4-n-プロピル-6-t-ブチルフ
ェノール)、2,2'-メチレンビス(4-i-プロピル-6-t-ブ
チルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-n-ブチル-6-t
-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-i-ブチル-
6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t
-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-t-ペンチ
ル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-ノ
ニル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-t
-オクチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビ
ス(4-メチル-6-t-ペンチルフェノール)、2,2'-メチレ
ンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2'
-メチレンビス[4-メチル-6-(α−メチルシクロヘキシ
ル)フェノール)]、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-ノ
ニルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-
オクチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-
ペンチルフェノール)、2,2'-メチレンビス[4-ノニル-6
-(α−メチルベンジル)フェノール]、2,2'-メチレン
ビス[4-ノニル-6-(α,α−ジメチルベンジル)フェノ
ール]、2,2'-エチリデンビス(4-メチル-6-ブチルフェ
ノール)、
【0055】2,2'-エチリデンビス(4-エチル-6-t-ブチ
ルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(4-n-プロピル-6
-t-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(4-i-プ
ロピル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス
(4-n-ブチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデ
ンビス(4-i-ブチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-エ
チリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-エ
チリデンビス(4-t-ペンチル-6-t-ブチルフェノール)、
2,2'-エチリデンビス(4-ノニル-6-t-ブチルフェノー
ル)、2,2'-エチリデンビス(4-t-オクチル-6-t-ブチル
フェノール)、2,2'-エチリデンビス(4-メチル-6-t-ペ
ンチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(4-メチル-6
-シクロヘキシルフェノール)、2,2'-エチリデンビス[4
-メチル-6-(α−メチルシクロヘキシル)フェノー
ル)]、2,2'-エチリデンビス(4-メチル-6-ノニルフェノ
ール)、2,2'-エチリデンビス(4-メチル-6-t-オクチル
フェノール)、2,2'-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ペンチ
ルフェノール)、2,2'-エチリデンビス[4-ノニル-6-(α
−メチルベンジル)フェノール]、2,2'-エチリデンビ
ス[4-ノニル-6-(α,α−ジメチルベンジル)フェノー
ル]、2,2'-プロピリデンビス(4-メチル-6-t-ブチルフ
ェノール)、2,2'-プロピリデンビス(4-エチル-6-t-ブ
チルフェノール)、
【0056】2,2'-プロピリデンビス(4-n-プロピル-6-t
-ブチルフェノール)、2,2'-プロピリデンビス(4-i-プ
ロピル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-プロピリデンビ
ス(4-n-ブチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-プロピ
リデンビス(4-i-ブチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'
-プロピリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,
2'-プロピリデンビス(4-t-ペンチル-6-t-ブチルフェノ
ール)、2,2'-プロピリデンビス(4-ノニル-6-t-ブチル
フェノール)、2,2'-プロピリデンビス(4-t-オクチル-6
-t-ブチルフェノール)、2,2'-プロピリデンビス(4-メ
チル-6-t-ペンチルフェノール)、2,2'-プロピリデンビ
ス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2'-プ
ロピリデンビス[4-メチル-6-(α−メチルシクロヘキシ
ル)フェノール)]、2,2'-プロピリデンビス(4-メチル-6
-ノニルフェノール)、2,2'-プロピリデンビス(4-メチ
ル-6-t-オクチルフェノール)、2,2'-プロピリデンビス
(4,6-ジ-t-ペンチルフェノール)、2,2'-プロピリデン
ビス[4-ノニル-6-(α−メチルベンジル)フェノー
ル]、2,2'-プロピリデンビス[4-ノニル-6-(α,α−ジ
メチルベンジル)フェノール]、2,2'-ブチリデンビス
(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-ブチリデン
ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-ブチリ
デンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-ブチリ
デンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、
【0057】2,2'-ブチリデンビス[4-メチル-6-(α−メ
チルシクロヘキシル)フェノール)]、2,2'-ブチリデン
ビス(4,6-ジ-t-ペンチルフェノール)、2,2'-i-ブチリ
デンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-i-
ブチリデンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,
2'-i-ブチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、
2,2'-i-ブチリデンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフ
ェノール)、2,2'-i-ブチリデンビス[4-メチル-6-(α−
メチルシクロヘキシル)フェノール)]、2,2'-i-ブチ
リデンビス(4,6-ジ-t-ペンチルフェノール)、2,2'-ペ
ンチリデンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,
2'-ペンチリデンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノー
ル)、2,2'-ペンチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノ
ール)、2,2'-ペンチリデンビス(4-メチル-6-シクロヘ
キシルフェノール)、2,2'-ペンチリデンビス[4-メチル
-6-(α−メチルシクロヘキシル)フェノール)]、2,2'-
ペンチリデンビス(4,6-ジ-t-ペンチルフェノール)、ビ
フェニル-2,2'-ジオール、3,3',5,5'-テトラ-t-ブチル
ビフェニル-2,2'-ジオール、1,1'-ビナフチル-2,2'-ジ
オールなどげられる。
【0058】もう一方の原料であるヒドロキシ化合物(I
II)は、Aが炭素数2〜8のアルキレンである場合は、
例えば対応するフェニルカルボン酸類またはそのエステ
ル類、ベンズアルデヒド類などを公知方法に準拠して、
これを還元することにより製造し得る。還元剤として
は、例えばアルミニウムリチウムハイドライド、アルミ
ニウムナトリウムハイドライド、リチウムボロハイドラ
イド、ナトリウムボロハイドライド、カルシウムボロハ
イドライド、アルミニウムナトリウムトリエトキシハイ
ドライド、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライ
ド、トリブチルスズハイドライド、9-BBN-ピリジン、三
水素化ホウ素、ナトリウム、アルコール共存下にてナト
リウム/アンモニア、アルコール共存下にてリチウム/
アンモニア、ジ−iso−ブチルアルミニウムハイドライ
ドなどが挙げられる。
【0059】Aが炭素数2〜8のアルキレンである場合
におけるヒドロキシ化合物(III)の代表例としては、例
えば2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
エタノール、2−(3−t−ペンチル−4−ヒドロキシ
フェニル)エタノール、2−(3−t−オクチル−4−
ヒドロキシフェニル)エタノール、2−(3−シクロヘ
キシル−4−ヒドロキシフェニル)エタノール、2−
[3−(1−メチルシクロヘキシル)−4−ヒドロキシ
フェニル]エタノール、2−(3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)エタノール、2−(3
−t−ペンチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)エタノール、2−(3−t−オクチル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)エタノール、2−(3−シ
クロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)
エタノール、2−[3−(1−メチルシクロヘキシル)
−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]エタノール、
2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−エチルフ
ェニル)エタノール、2−(3−t−ペンチル−4−ヒ
ドロキシ−5−エチルフェニル)エタノール、2−(3
−t−オクチル−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニ
ル)エタノール、2−(3−シクロヘキシル−4−ヒド
ロキシ−5−エチルフェニル)エタノール、2−[3−
(1−メチルシクロヘキシル)−4−ヒドロキシ−5−
エチルフェニル]エタノール、
【0060】2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)エタノール、2−(3−t−ペンチル
−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)エタノー
ル、2−(3−t−オクチル−4−ヒドロキシ−5−t
−ブチルフェニル)エタノール、2−(3−シクロヘキ
シル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)エタ
ノール、2−[3−(1−メチルシクロヘキシル)−4
−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル]エタノール、
3−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)プロ
パノール、3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパノール、3−(5−t−ブチル−2−ヒド
ロキシフェニル)プロパノール、3−(3−t−ペンチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロパノール、3−(3
−t−オクチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパノー
ル、3−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパノール、3−[3−(1−メチルシクロヘキ
シル)−4−ヒドロキシフェニル]プロパノール、3−
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロパノール、3−(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)プロパノール、3−(5−
t−ブチル−2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プ
ロパノール、3−(3−t−ペンチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロパノール、3−(3−t−
オクチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
パノール、3−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロパノール、 3−[3−
(1−メチルシクロヘキシル)−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル]プロパノール、3−(3−t−ブチル
−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル)プロパノー
ル、
【0061】3−(3−t−ペンチル−4−ヒドロキシ
−5−エチルフェニル)プロパノール、3−(3−t−
オクチル−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル)プロ
パノール、3−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ
−5−エチルフェニル)プロパノール、3−[3−(1
−メチルシクロヘキシル)−4−ヒドロキシ−5−エチ
ルフェニル]プロパノール、3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−2−ヒドロキシフェニル)プロパノール、3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパノール、3−(3−t−ペンチル−4−ヒドロキ
シ−5−t−ブチルフェニル)プロパノール、3−(3
−t−オクチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェ
ニル)プロパノール、3−(3−シクロヘキシル−4−
ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロパノール、
3−[3−(1−メチルシクロヘキシル)−4−ヒドロ
キシ−5−t−ブチルフェニル]プロパノール、4−
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタノー
ル、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
ブタノール、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)ブタノール、4−(3−t−ブチ
ル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタノー
ル、4−(5−t−ブチル−2−ヒドロキシ−3−メチ
ルフェニル)ブタノール、4−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)ブタノール、4−(3,
5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタノ
ール、
【0062】5−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)ペンタノール、5−(3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)ペンタノール、5−(3−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ペンタノー
ル、5−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)ペンタノール、5−(5−t−ブチル−2
−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ペンタノール、5
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタノール、6−(3,5−ジ−t−ブチル−2
−ヒドロキシフェニル)ヘキサノール、6−(3−t−
ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ヘキサノール、6−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ
ール、6−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メ
チルフェニル)ヘキサノール、6−(3−t−ブチル−
2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ヘキサノール、
6−(5−t−ブチル−2−ヒドロキシ−3−メチルフ
ェニル)ヘキサノール、6−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサノール、6−(3,
5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ノールなどが挙げられる。
【0063】またヒドロキシ化合物(III)は、Aが一般
式(I−2)で示される2価の残基である場合は、例え
ば公知の方法に準拠して製造し得る。具体的には、R7
が単なる結合である場合には、例えば対応するヒドロキ
シ安息香酸、アルコキシ安息香酸、アラルキルオキシ安
息香酸などを、塩化アルミニウムや塩化亜鉛などの触媒
を用いて、フリーデルクラフツ反応することにより製造
し得るし、Zがヒドロキシ基のときは、対応するフェノ
ール類と、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのア
ルカリ金属水酸化物と二酸化炭素とを用いて、特開昭62
-61949号公報、特開昭63-165341号公報に記載の方法に
準拠して、コルベ・シュミット反応させることにより製
造し得る。
【0064】またR7が、炭素数1〜8のアルキレンで
ある場合には、例えばラバー ケミストリー アンド
テクノロジー 46,96(1973)に記載の方法に準拠して、
対応するフェノールを、塩化アルミニウムや塩化亜鉛な
どのフリーデル・クラフツ触媒、カルボアルコキシアル
カノイルハロゲノイドを用いてアシル化した後、パラジ
ウム炭、白金炭などの水素化触媒により、ベンジル位の
カルボニル基を還元してアルキレンにし、次いで酸また
はアルカリによりエステルを加水分解することにより製
造し得る。
【0065】Aが、一般式(I−2)で示される2価の
残基である場合におけるヒドロキシ化合物(III)の代表
例としては、例えば3−t−ブチル−2−ヒドロキシ安
息香酸、3−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、5
−t−ブチル−2−ヒドロキシ安息香酸、3−t−ペン
チル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−t−オクチル−4
−ヒドロキシ安息香酸、3−シクロヘキシル−4−ヒド
ロキシ安息香酸、3−(1−メチルシクロヘキシル)−
4−ヒドロキシ安息香酸、3−t−ブチル−2−ヒドロ
キシ−5−メチル安息香酸、3−t−ブチル−4−ヒド
ロキシ−5−メチル安息香酸、5−t−ブチル−2−ヒ
ドロキシ−3−メチル安息香酸、3−t−ペンチル−4
−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸、3−t−オクチル
−4−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸、3−シクロヘ
キシル−4−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸、3−
(1−メチルシクロヘキシル)−4−ヒドロキシ−5−
メチル安息香酸、3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5
−エチル安息香酸、3−t−ペンチル−4−ヒドロキシ
−5−エチル安息香酸、3−t−オクチル−4−ヒドロ
キシ−5−エチル安息香酸、3−シクロヘキシル−4−
ヒドロキシ−5−エチル安息香酸、
【0066】3−(1−メチルシクロヘキシル)−4−
ヒドロキシ−5−エチル安息香酸、3,5−ジ−t−ブ
チル−2−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−t−ペンチル−4−
ヒドロキシ−5−t−ブチル安息香酸、3−t−オクチ
ル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル安息香酸、 3−
シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル安息
香酸、3−(1−メチルシクロヘキシル)−4−ヒドロ
キシ−5−t−ブチル安息香酸、(3−t−ブチル−2
−ヒドロキシフェニル)酢酸、(3−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)酢酸、(5−t−ブチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)酢酸、(3−t−ペンチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)酢酸、(3−t−オクチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)酢酸、(3−シクロヘキシル−4−
ヒドロキシフェニル)酢酸、[3−(1−メチルシクロ
ヘキシル)−4−ヒドロキシフェニル]酢酸、(3−t
−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)酢
酸、(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)酢酸、
【0067】(5−t−ブチル−2−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)酢酸、(3−t−ペンチル−4−ヒド
ロキシ−5−メチルフェニル)酢酸、(3−t−オクチ
ル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)酢酸、(3
−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)酢酸、[3−(1−メチルシクロヘキシル)−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル]酢酸、(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル)酢酸、
(3−t−ペンチル−4−ヒドロキシ−5−エチルフェ
ニル)酢酸、(3−t−オクチル−4−ヒドロキシ−5
−エチルフェニル)酢酸、(3−シクロヘキシル−4−
ヒドロキシ−5−エチルフェニル)酢酸、[3−(1−
メチルシクロヘキシル)−4−ヒドロキシ−5−エチル
フェニル]酢酸、(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒド
ロキシフェニル)酢酸、(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)酢酸、(3−t−ペンチル−4
−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)酢酸、(3−
t−オクチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)酢酸、(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5
−t−ブチルフェニル)酢酸、
【0068】[3−(1−メチルシクロヘキシル)−4
−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル]酢酸、3−
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ン酸、3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸、3−(5−t−ブチル−2−ヒドロ
キシフェニル)プロピオン酸、3−(3−t−ペンチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3−(3−
t−オクチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン
酸、3−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸、3−[3−(1−メチルシクロヘキ
シル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、3−
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオン酸、3−(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸、3−(5−
t−ブチル−2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プ
ロピオン酸、
【0069】3−(3−t−ペンチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオン酸、3−(3−t−
オクチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
ピオン酸、3−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオン酸、3−[3−(1
−メチルシクロヘキシル)−4−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル]プロピオン酸、3− (3−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル)プロピオン酸、
3−(3−t−ペンチル−4−ヒドロキシ−5−エチル
フェニル)プロピオン酸、3−(3−t−オクチル−4
−ヒドロキシ−5−エチルフェニル)プロピオン酸、3
−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−エチル
フェニル)プロピオン酸、3−[3−(1−メチルシク
ロヘキシル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]
プロピオン酸、3−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオン酸、3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、
3−(3−t−ペンチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェニル)プロピオン酸、3−(3−t−オクチル
−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロピオ
ン酸、3−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5
−t−ブチルフェニル)プロピオン酸、
【0070】3−[3−(1−メチルシクロヘキシル)
−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル]プロピオ
ン酸、3−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ブタノイックアシッド、3−(3−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)ブタノイックアシッド、3−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)ブタノイックアシッド、3−(3−t−ブチル−2
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタノイックアシ
ッド、3−(5−t−ブチル−2−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)ブタノイックアシッド、3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタノイッ
クアシッド、3−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒド
ロキシフェニル)ブタノイックアシッドなどが挙げられ
る。
【0071】かくして、フェノール系化合物(I)が得
られるが、かかるフェノール系化合物(I)は、アミン
類、酸結合金属塩などを含有させることにより、耐加水
分解性を向上せしめることができる。かかるアミン類の
代表例としては、例えばトリエタノールアミン、トリプ
ロパノールアミン、トリ-i-プロパノールアミンなどの
トリアルカノールアミン類、ジエタノールアミン、ジプ
ロパノールアミン、ジ-i-プロパノールアミン、テトラ
エタノールエチレンジアミン、テトラ-i-プロパノール
エチレンジアミンなどのジアルカノールアミン類、ジブ
チルエタノールアミン、ジブチル-i-プロパノールアミ
ンなどのモノアルカノールアミン類、1,3,5-トリメチル
-2,4,6-トリアジンなどの芳香族アミン類、ジブチルア
ミン、ピペリジン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、
4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンなどの
アルキルアミン類、ヘキサメチレンテトラミン、トリエ
チレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミンなどのポリアルキレンポリアミン類、後
述のヒンダードアミン系光安定剤などが挙げられる。
【0072】さらに、特開昭61-63686号公報に記載の長
鎖脂肪族アミン、特開平6-329830号公報に記載の立体障
害アミン基を含む化合物、特開平7-90270号公報に記載
のヒンダードピペリジニル系光安定剤、特開平7-278164
号公報に記載の有機アミンなども使用し得る。アミン類
のフェノール系化合物(I)に対する含有比率は、通常
0.01〜25重量%程度である。
【0073】酸結合金属塩の代表例としては、ハイドロ
タルサイト類などが挙げられる。ハイドロタルサイト類
としては、例えば次の式(1)で示される複塩化合物が
挙げられる。 M2+ 1-x・M3+ x・(OH-)2・(An-)x/n・pH2O (1) (式中、M2+はMg,Ca,Sr,Ba,Zn,Pb,Snおよび/またはNi
を示し、M3+はAl,BまたはBiを示し、nは1〜4の数値
を示し、xは0〜0.5の数値を示し、pは0〜2の数値
を示し。An-は価数nのアニオンを示す。) ここで、An-で示される価数nのアニオンの具体例とし
ては、例えばOH-、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、HCO3 -、C6H5C
OO-、CO3 2-、SO2--OOCCOO-、(CHOHCO0)2 2-、C2H4(CO
O)2 2-、(CH2COO)2 2-、CH3CHOHCOO-、SiO3 2-、SiO4 4-、F
e(CN)6 4-、BO-3、PO3 3-、HPO4 2-などが挙げられる。上
記一般式(1)で表される複塩化合物の中で、特に好ま
しいものとしては、例えば下式(2)で表されるハイド
ロタルサイト類が挙げられる。 Mg1-xAlx(OH)2(CO3)x/2・pH2O (2) (式中、x、pは前記と同じ意味を示す。)
【0074】ハイドロタルサイト類は、天然物であって
もよいし、合成品であってもよく、またその結晶構造、
結晶粒子径などを問わず使用することができる。さらに
特開平6-329830号公報に記載の超微細酸化亜鉛、特開平
7-278164号公報に記載の無機化合物なども使用すること
ができる。酸結合金属塩のフェノール系化合物(I)に
対する含有比率は、通常0.01〜25重量%程度である。
【0075】本発明の熱可塑性エラストマー組成物にお
いて、かかるフェノール系化合物(I)は、熱可塑性エ
ラストマー100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部
程度、好ましくは、0.03〜3重量部程度含有される。含
有量が、0.01重量部未満では、効果が必ずしも充分では
なく、また、5重量部を超えて含有してもそれに見合う
だけの効果の向上が得られず、経済的に不利である。
【0076】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
上記のフェノール系化合物(I)の他に、ヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系安定
剤、ベンゾフラノン系安定剤などの安定剤も含有し得
る。
【0077】ここで、フェノール系酸化防止剤として
は、例えば2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,4,
6-トリ-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチルフェノー
ル、2-t-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-t-ブ
チル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-n-ブチ
ルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-イソブチルフェノー
ル、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α
−メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,
6-ジオクダデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシ
クロヘキシルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メトキシ
メチルフェノール、2,6-ジ−ノニル-4-メチルフェノー
ル、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルウンデシル-1'-イル)
フェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルヘプタデシル-
1'-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルトリ
デシル-1'-イル)フェノールおよびそれらの混合物など
のアルキル化モノフェノール、
【0078】2,4-ジオクチルチオメチル-6-t-ブチルフ
ェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノ
ール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノー
ル、2,6-ジドデシルチオメチル-4-ノニルフェノールお
よびそれらの混合物などのアルキルチオメチルフェノー
ル、
【0079】2,6-ジ-t-ブチル-4-メトキシフェノール、
2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-t-アミルヒドロ
キノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノ
ール、2,6-ジ-t-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-t-ブチル
-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロ
キシフェニル ステアレート、ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4
-ヒドロキシフェニル) アジペートおよびそれらの混
合物などのヒドロキノンまたはアルキル化ヒドロキノ
ン、
【0080】α−トコフェロール、β−トコフェロー
ル、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびそ
れらの混合物などのトコフェロール、2,2'-チオビス(6-
t-ブチルフェノール)、2,2'-チオビス(4-メチル-6-t-
ブチルフェノール)、2,2'-チオビス(4-オクチルフェノ
ール)、4,4'-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノー
ル)、4,4'-チオビス(2-メチル-6-t-ブチルフェノー
ル)、4,4'-チオビス(3,6-ジ-t-アミルフェノール)、
4,4'-(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ジスルフ
ィドなどのヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、
【0081】2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチル
フェノール)、2,2'-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチ
ルフェノール)、2,2'-メチレンビス[4-メチル-6-(α−
メチルシクロヘキシル)フェノール)]、2,2'-メチレン
ビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2'-
メチレンビス(4-メチル-6-ノニルフェノール)、2,2'-
メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-エ
チリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-エ
チリデンビス(4-イソブチル-6-t-ブチルフェノール)、
2,2'-メチレンビス[6-(α−メチルベンジル)-4-ノニル
フェノール]、2,2'-メチレンビス[6-(α,α−ジメチ
ルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4'-メチレンビ
ス(6-t-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4'-メチレン
ビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4'-ブチリデン
ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,1-ビス(4-
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(5-t-
ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-
ビス(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-
メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-t-ブチル-4-ヒドロ
キシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-t-ブチル
-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-n-ドデシルメルカ
プトブタン、エチレングリコール ビス[3,3-ビス-3'-t
-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス
(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ジシク
ロペンタジエン、ビス[2-(3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシ-
5'-メチルベンジル)-6-t-ブチル-4-メチルフェニル]テ
レフタレート、1,1-ビス(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2-ビス(5-t-ブチル-4-ヒド
ロキシ-2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブ
タン、1,1,5,5-テトラ(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メ
チルフェニル)ペンタン、2-t-ブチル-6-(3'-t-ブチル-
5'-メチル-2'-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェニル
アクリレート、2,4-ジ-t-ペンチル-6-[1-(2-ヒドロキ
シ-3,5-ジ-t-ペンチルフェニル)エチル]フェニルアク
リレートおよびそれらの混合物などのアルキリデンビス
フェノールおよびその誘導体、
【0082】3,5,3',5'-テトラ-t-ブチル-4,4'-ジヒド
ロキシジベンジルエーテル、オクタデシル-4-ヒドロキ
シ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリ
ス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、
ビス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジ
ル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-
ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル-3,5-
ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテー
トおよびそれらの混合物などのO−ベンジル誘導体、N
−ベンジル誘導体およびS−ベンジル誘導体、
【0083】ジオクタデシル-2,2-ビス(3,5-ジ-t-ブチ
ル-2-ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシ
ル-2-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)マ
ロネート、ジドデシルメルカプトエチル-2,2-ビス(3,5-
ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス
[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-2,2-ビス
(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート
およびそれらの混合物などのヒドロキシベンジル化マロ
ネート誘導体、
【0084】1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t
-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,4-ビス
(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テ
トラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-t-ブチル-4-ヒ
ドロキシベンジル)フェノールおよびそれらの混合物な
どの芳香族ヒドロキシベンジル誘導体、
【0085】2,4-ビス(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキ
シ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-n-
オクチルチオ-4,6-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチル
アニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-n-オクチルチオ-4,6-
ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェノキシ)-1,3,5
-トリアジン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-フェノ
キシ)-1,3,5-トリアジン、トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロ
キシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、トリ
ス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシア
ヌレート、2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキ
シフェニルエチル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス
(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピル)-1,
3,5-トリアジン、トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒド
ロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[2-(3',5'-
ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシシンナモイルオキシ)エチ
ル]イソシアヌレートおよびそれらの混合物などのトリ
アジン誘導体、
【0086】ジメチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ
ベンジルホスホネート、ジエチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-
ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-3,5
-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジ
オクタデシル-5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベン
ジルホスホネート、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベン
ジルホスホン酸モノエステルのカルシウム塩およびそれ
らの混合物などのベンジルホスホネート誘導体、
【0087】4-ヒドロキシラウリル酸アニリド、4-ヒド
ロキシステアリン酸アニリド、オクチル-N-(3,5-ジ-t-
ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバネートおよびそ
れらの混合物などのアシルアミノフェノール誘導体、
【0088】β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸とメタノール、エタノール、オクタノ
ール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3-プ
ロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジ
オール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、
スピログリコール、トリエチレングリコール、ペンタエ
リスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3
-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリ
メチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-
ヒドロキシメチル-1-ホスファ−2,6,7-トリオキサビシ
クロ[2,2,2]オクタンおよびそれらの混合物などの一価
または多価アルコールとのエステル、
【0089】β-(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフ
ェニル)プロピオン酸とメタノール、エタノール、オク
タノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,
3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサ
ンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコー
ル、スピログリコール、トリエチレングリコール、ペン
タエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミ
ド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、
トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパ
ン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ−2,6,7-トリオキ
サビシクロ[2,2,2]オクタンおよびそれらの混合物など
の一価または多価アルコールとのエステル、
【0090】β-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシ
フェニル)プロピオン酸とメタノール、エタノール、オ
クタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、
1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキ
サンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコー
ル、スピログリコール、トリエチレングリコール、ペン
タエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミ
ド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、
トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパ
ン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ−2,6,7-トリオキ
サビシクロ[2,2,2]オクタンおよびそれらの混合物など
の一価または多価アルコールとのエステル、
【0091】3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢
酸とメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデ
カノール、エチレングリコール、1,3-プロパンジオー
ル、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-
ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレン
グリコール、チオエチレングリコール、スピログリコー
ル、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、
トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-
ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカ
ノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサン
ジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチ
ル-1-ホスファ−2,6,7-トリオキサビシクロ[2,2,2]オク
タンおよびそれらの混合物などの一価または多価アルコ
ールとのエステル、
【0092】N,N'-ビス[3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒド
ロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N'-ビ
ス[3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プ
ロピオニル]ヘキサメチレンジアミン、N,N'-ビス[3-
(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオ
ニル]トリメチレンジアミンおよびそれらの混合物など
のβ-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ
オン酸のアミドなどが挙げられる。
【0093】イオウ系酸化防止剤としては、例えばジラ
ウリル 3,3'-チオジプロピオネート、トリデシル 3,
3'-チオジプロピオネート、ジミリスチル 3,3'-チオジ
プロピオネート、ジステアリル 3,3'-チオジプロピオ
ネート、ラウリル ステアリル 3,3'-チオジプロピオ
ネート、ネオペンタンテトライルテトラキス (3-ラウ
リルチオプロピオネート)などが挙げられる。
【0094】リン系酸化防止剤としては、例えばトリフ
ェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイ
ト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホス
ファイト、ジステアリル ペンタエリスリトール ジホ
スファイト、ジイソデシル ペンタエリスリトール ジ
ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタ
エリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチ
ル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホス
ファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)
ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4,6-
トリ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホ
スファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファ
イト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4'-ジ
フェニレンジホスホナイト、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ
-t-ブチルフェニル) 2-エチルヘキシル ホスファイ
ト、2,2'-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)
フルオロ ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチル-6-
メチルフェニル) エチル ホスファイト、ビス(2,4-
ジ-t-ブチル-6-メチルフェニル) メチル ホスファイ
ト、2-(2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル)-5-エチル-5-ブ
チル-1,3,2-オキサホスホリナン、2,2',2''-ニトリロ
[トリエチル−トリス(3,3',5,5'-テトラ-t-ブチル-1,
1'-ビフェニル-2,2'-ジイル) ホスファイトおよびそ
れらの混合物などが挙げられる。
【0095】ベンゾフラノン系安定剤としては、例えば
5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェ
ニル)3H−ベンゾフラン−2−オンなどが挙げられ
る。
【0096】好ましいフェノール系酸化防止剤として
は、例えば2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,4,
6-トリ-t-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチ
ル-6-メチルフェノール、2,2'-チオビス(6-t-ブチルフ
ェノール)、4,4'-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェ
ノール)、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフ
ェノール)、2,2'-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチル
フェノール)、2,2'-メチレンビス[4-メチル-6-(α−メ
チルシクロヘキシル)フェノール)]、2,2'-メチレン
ビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2'-
メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-エ
チリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4'-メ
チレンビス(6-t-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4'-
メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4'-ブ
チリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,1-
ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビ
ス(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタ
ン、1,1,3-トリス(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチル
フェニル)ブタン、エチレングリコール ビス[3,3-ビ
ス-3'-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)ブチレー
ト]、2-t-ブチル-6-(3'-t-ブチル-5'-メチル-2'-ヒド
ロキシベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2,4-
ジ-t-ペンチル-6-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ペンチル
フェニル)エチル]フェニル アクリレート、2,4-ビス
(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチ
ルアニリノ)-1,3,5-トリアジン
【0097】2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-フェノ
キシ)-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-
ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレー
ト、ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソ
シアヌレート、トリス[2-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒド
ロキシシンナモイルオキシ)エチル]イソシアヌレー
ト、ジエチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル
ホスホネート、ジ-n-オクタデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-
ヒドロキシベンジルホスホネート、3,5-ジ-t-ブチル-4-
ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエステルのカルシウ
ム塩、n-オクタデシル3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキ
シフェニル)プロピオネ−ト、ネオペンタンテトライル
テトラキス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシシンナメー
ト)、チオジエチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロ
キシシンナメート)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス
(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
3,6-ジオキサオクタメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-
ヒドロキシシンナメート)、ヘキサメチレンビス(3,5-
ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシシンナメート)、トリエチレ
ングリコール ビス(5-t-チル-4-ヒドロキシ-3-メチル
シンナメート)、3,9-ビス[2-(3-(3-t-ブチル-4-ヒドロ
キシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ)-1,1-ジ
メチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウ
ンデカン、N,N'-ビス[3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロ
キシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N'-ビス
[3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロ
ピオニル]ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられ、こ
れらはそれぞれ単独または2種以上を組合わせて用いら
れる。
【0098】好ましいリン系酸化防止剤としては、例え
ばトリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4
-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリル
ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4-ジ-
t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファ
イト、ビス(2,4-ジ-t-ブチル-6-メチルフェニル)ペン
タエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブ
チル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホ
スファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,
4'-ジフェニレンジホスホナイト、2,2'-メチレンビス
(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) 2-エチルヘキシル ホス
ファイト、2,2'-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェ
ニル) フルオロ ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチ
ル-6-メチルフェニル) エチルホスファイト、2-(2,4,
6-トリ-t-ブチルフェニル)-5-エチル-5-ブチル-1,3,2-
オキサホスホリナン、2,2',2''-ニトリロ[トリエチル
−トリス(3,3',5,5'-テトラ-t-ブチル-1,1'-ビフェニル
-2,2'-ジイル) ホスファイトなどが挙げられ、これら
はそれぞれ単独または2種以上を組合わせて用いられ
る。
【0099】上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤、
リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、ベンゾフラノ
ン系安定剤などの安定剤は、これを使用する場合にはそ
れぞれ、熱可塑性エラストマー100重量部に対し、通
常、0.01〜10重量部程度、好ましくは、0.05〜5重量部
程度含有させることができる。これらの安定剤の含有量
が0.01重量部未満の場合、安定化効果が必ずしも十分で
はなく、10重量部を超えて含有させてもそれに見合うだ
けの効果の向上が得られず、経済的に不利である。
【0100】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
必要に応じて金属不活性化剤、ヒドロキシルアミン、可
塑剤、難燃剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、界
面活性剤、加工助剤、発泡剤、ステアリン酸カルシウ
ム、ハイドロタルサイトなどの中和剤、滑剤、9,10-ジ
ヒドロ-9- オキサ-10-ホスホフェナンスレン-10-オキシ
ドなどの着色改良剤、鉱物油系軟化剤、顔料、フィラー
などの配合剤を必要量含有することもできる。
【0101】ここで金属不活性化剤としては、例えばN,
N'-ジフェニルオキサミド、N-サリチラル-N'-サリチロ
イルヒドラジン、N,N'-ビス(サリチロイル)ヒドラジ
ン、N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル
プロピオニル)ヒドラジン、3-サリチロイルアミノ-1,
2,4-トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジ
ヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジ
ド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N'-ビス
(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N'-ビス
(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジドおよび
それらの混合物などが挙げられる。
【0102】ヒドロキシアミンとしては、例えばN,N-ジ
ベンジルヒドロキシアミン、N,N-ジエチルヒドロキシア
ミン、N,N-ジオクチルヒドロキシアミン、N,N-ジラウリ
ルヒドロキシアミン、N,N-ジテトラデシルヒドロキシア
ミン、N,N-ジヘキサデシルヒドロキシアミン、N,N-ジオ
クタデシルヒドロキシアミン、N-ヘキサデシル-N-オク
タデシルヒドロキシアミン、N-ヘプタデシル-N-オクタ
デシルヒドロキシアミンおよびそれらの混合物などが挙
げられる。
【0103】中和剤としては、例えばステアリン酸カル
シウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウ
ム、ハイドロタルサイト(塩基性マグネシウム・アルミ
ニウム・ヒドロキシ・カーボネート・ハイドレード)、
メラミン、アミン、ポリアミド、ポリウレタンおよびそ
れらの混合物などが挙げられる。
【0104】滑剤としては、例えばパラフィン、ワック
スなどの脂肪族炭化水素、炭素数8〜22の高級脂肪族
酸、炭素数8〜22の高級脂肪族酸金属(Al、Ca、M
g、Zn)塩、炭素数8〜22の脂肪族アルコール、ポリ
グリコール、炭素数4〜22の高級脂肪酸と炭素数4〜18
の脂肪族1価アルコールとのエステル、炭素数8〜22の
高級脂肪族アマイド、シリコーン油、ロジン誘導体など
が挙げられる。
【0105】顔料としては、例えばアゾ系顔料、フタロ
シアニン系顔料、スレン系顔料、染料レーキなどの有機
顔料、酸化チタンなどの酸化物系顔料、クロモ酸モリブ
デン酸系顔料、硫化セレン化合物、フェロシアン化合
物、カーボンブラックなどの無機顔料などが用いられ
る。
【0106】フィラーとしては、例えばアルミナ、シリ
カ、タルク、炭酸カルシウムなど挙げられる。アルミナ
はそのほとんどが、化学式Al23単位で構成される粉
体であり、シリカはそのほとんどが、化学式SiO2
構成される粉体である。これらのフィラーは、その表面
がジメチルシリコーンオイルなどでコーティングされて
いてもよいし、トリメチルシリル基などで表面処理され
ていてもよい。
【0107】鉱物油系軟化剤は、これを含有する熱可塑
性エラストマー組成物は溶融流動性に優れており、また
柔軟性に優れた成形体を与え得るため好ましく用いられ
る。熱可塑性エラストマーとしてエチレン・α−オレフ
ィン系共重合体ゴムを使用する場合は、エチレン・α−
オレフィン系共重合体ゴムに予め含有された油展エチレ
ン・α−オレフィン系共重合体ゴムを用いることもでき
る。
【0108】発泡剤としては、通常は熱分解型発泡剤が
用いられる。かかる熱分解型発泡剤としては、例えばア
ゾジカルボンアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニ
トリル、ジアゾジアミノベンゼンなどのアゾ化合物、ベ
ンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゼン−1,3−スル
ホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド
などのスルホニルヒドラジド化合物、N,N’−ジニト
ロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジニトロソ
−N,N’−ジメチルテレフタルアミドなどのニトロソ
化合物、テレフタルアジドなどのアジド化合物、重炭酸
ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウムな
どの炭酸塩類などが挙げられる。中でも、アゾジカルボ
ンアミドが好ましく使用される。発泡剤は、熱可塑性エ
ラストマー100重量部に対して、通常0.1〜20重量部程
度、好ましくは0.5〜10重量部程度含有され、通常は発
泡剤の分解温度以下の温度で熱可塑性エラストマーに配
合される。発泡剤の含有量が20重量部を超える場合は、
得られる発泡成形体の発泡セルが粗くなり、反発弾性な
どに劣る場合がある。かかる発泡剤を含有する熱可塑性
エラストマー組成物を発泡させることにより、発泡成形
体を製造することができる。発泡剤を含有する場合は、
公知の発泡助剤やセル調整剤を含有することもできる。
【0109】これらの配合剤のなかでは、鉱物油系軟化
剤、顔料、フィラー、発泡剤などが通常用いられる。
【0110】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
例えば熱可塑性エラストマー、フェノール系化合物
(I)、さらには必要に応じてポリオレフィン系樹脂、安
定剤、配合剤などを溶融混練することによって製造する
ことができる。また、溶融混練の際に架橋剤および必要
に応じて架橋助剤を配合することにより、動的架橋を行
うことも可能である。溶融混練の方法としては、例え
ば、熱可塑性エラストマーにフェノール系化合物(I)、
必要に応じて使用されるポリオレフィン系樹脂、安定
剤、配合剤などを一段で溶融混練してもよいし、一種ま
たは数種を熱可塑性エラストマーに混練した後、残りを
さらに混練することもできる。
【0111】溶融混練により動的架橋をする場合は、例
えば、混練物と架橋剤とを加熱下に混練することにより
行うことができる。架橋剤としては、通常は、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシノ)ヘ
キサン、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物が
用いられる。架橋剤は、熱可塑性エラストマーおよび必
要に応じて使用されるポリオレフィン系樹脂のうち架橋
に付される成分の合計100重量部当たり、通常は3重量
部以下、好ましくは0.01〜2重量部、より好ましくは0.1
〜1重量部の範囲で使用される。架橋剤として有機過酸
化物を用いる場合には、ビスマレイミド化合物などの架
橋助剤の存在下に動的架橋を行うと、優れた耐熱性を有
する成形体を与える熱可塑性エラストマー組成物を得る
ことができる。この場合、有機過酸化物の使用量は、熱
可塑性エラストマーおよび必要に応じて使用されるポリ
オレフィン系樹脂のうち架橋に付される成分の合計100
重量部当たり、通常は0.8重量部以下、好ましくは0.01
〜0.5重量部、より好ましくは0.1〜0.4重量部の範囲で
ある。
【0112】架橋助剤を用いる場合の使用量は、熱可塑
性エラストマーおよび必要に応じて使用されるポリオレ
フィン系樹脂のうち架橋に付される成分の合計100重量
部当たり、通常は1.5重量部以下、好ましくはO.01〜1
重量部、より好ましくは0.2〜0.8重量部の範囲である。
架橋助剤は架橋剤の添加の前に配合されることが好まし
く、通常は架橋に付される前記成分を予備混練する際に
添加される。
【0113】熱可塑性エラストマー、必要に応じて使用
されるポリオレフィン系樹脂の架橋は、これらのうち架
橋に付される成分、架橋剤、および必要に応じて使用さ
れる架橋助剤などを、加熱しながら一軸押出機や二軸押
出機などを用いて加熱下、例えば150〜250℃の温度範囲
で混練することにより行うことができる。かかる混練に
よる架橋によって、ポリオレフィン系樹脂を用いない場
合は、熱可塑性エラストマー分子内および/または分子
間で架橋された熱可塑性エラストマー組成物が得られ
る。またポリオレフィン系樹脂を用いる場合は、熱可塑
性エラストマーが分子内および/または分子間で架橋さ
れたものや、ポリオレフィン系樹脂が分子内および/ま
たは分子間で架橋されたものや、ポリオレフィン系樹脂
と熱可塑性エラストマーとが分子間で架橋されたものな
どを含む熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0114】かくして本発明の熱可塑性エラストマー組
成物が得られるが、該組成物は、種々の公知の成形方
法、例えばプレス成形法、射出成形法、ブロー成形法、
押出成形法、真空成形法、粉末成形法などによって種々
の大きさおよび形状の成形体に加工することができる。
発泡剤を含有する熱可塑性エラストマー組成物を用いる
場合についても同様の成形方法を用いることによって、
柔軟性に優れた発泡成形体を製造することができる。
【0115】本発明の熱可塑性エラストマー組成物を用
いて粉末成形に使用する場合、本発明の熱可塑性エラス
トマー組成物は250℃における複素動的粘度η
*(1)は1×102〜8×104ポイズの範囲が好まし
く、更には3×102〜5×104ポイズ、特には3×1
2〜1×104ポイズの範囲であることが好ましい。こ
こで複素動的粘度η*(ω)とは、温度250℃、振動
周波数ωにおける貯蔵弾性率G’(ω)および損失弾性
率G''(ω)を用いて、下記計算式(1)によって算出
される値であり、複素動的粘度η*(1)とはω=1ラ
ジアン/秒における複素動的粘度である。 η*(ω)={〔G’(ω)〕2+〔G''(ω)〕21/2/ω (1) η*(1)が上記の上限を超えると、熱可塑性エラスト
マー組成物の溶融流動性が劣り、粉末成形法などのよう
な成形時の剪断速度が通常1秒-1以下と低い値の成形方
法によって成形体を製造することが困難となる傾向にあ
る。
【0116】本発明の熱可塑性エラストマー組成物を粉
末成形に使用する場合、ニュートン粘性指数nが0.0
1〜0.35の範囲にあることが好ましく、更には0.
03〜0.25の範囲であることが好ましい。ここでニ
ュートン粘性指数nとは前記の複素動的粘度η*(1)
と温度250℃、振動周波数ω=100ラジアン/秒で
測定される複素動的粘度η*(100)とを用いて下記
計算式(2)によって算出される値である。 n={logη*(1)−logη*(100)}/2 (2) ニュートン粘性指数nが0.35を超えると得られる成
形体の機械的強度が低くなる傾向がある。
【0117】なお、前記した複素動的粘度やニュートン
粘性指数で示される物性値を満足する熱可塑性エラスト
マー組成物を製造するためには、先の混練や動的架橋の
程度、該熱可塑性エラスマー組成物を構成する各成分の
種類やその使用量、動的架橋における架橋剤や架橋助剤
の種類やその使用量、添加剤の種類やその使用量などが
適宜選択される。
【0118】粉末成形は、本発明の熱可塑性エラストマ
ー組成物の粉末を用いて行われるが、かかる粉末は、熱
可塑性エラストマー組成物を機械的に粉砕する方法、ス
トランドカット法、ダイフェースカット法、溶剤処理法
などの方法によって製造することができる。
【0119】本発明の熱可塑性エラストマー組成物を機
械的に粉砕する方法としては、熱可塑性エラストマー組
成物をそのガラス転移温度よりも高い温度で粉砕する常
温粉砕法による粉砕も可能であるが、得られる粉末の粒
径が不揃いとなり、粉末成形が行いにくくなる傾向にあ
るため、冷凍粉砕法により粉砕することが好ましい。冷
凍粉砕法は、該熱可塑性エラストマー組成物をそのガラ
ス転移温度以下、好ましくは−70℃以下、さらに好ま
しくは−90℃以下に冷却し、冷却状態を保ったまま粉
砕する方法である。
【0120】該熱可塑性エラストマー組成物の冷却状態
を保ちながら粉砕するためには、粉砕効率がよく、発熱
が少ない方法で粉砕することが好ましく、例えばボール
ミルなどの衝撃式粉砕機を用いる機械的粉砕法などが用
いられる。この方法での熱可塑性エラストマー組成物の
粉末は通常、タイラー標準篩24メッシュ(目開き70
0μm×700μm)を通過する大きさであり、好まし
くは28メッシュ(目開き590μm×590μm)を
通過する大きさであり、更に好ましくは32メッシュ
(目開き500μm×500μm)、特に好ましくは4
2メッシュ(目開き355μm×355μm)を通過す
る大きさである。
【0121】かくして得られる本発明の熱可塑性エラス
トマー組成物の粉末は、その形状が不均一であるため、
その表面に微細粉体をコーティングすることによって、
その粉体流動性を改良することができる。微細粉体とし
ては、1次粒径が10μm以下である微細粉体が用いら
れる。微細粉体としては、無機酸化物、ペースト用塩化
ビニル樹脂、脂肪酸金属塩、炭酸カルシウム、粉末顔料
などがあげられる。微細粉体の1次粒径は10μm以下
であることが必要であり、好ましくは5μ以下、更には
5nm〜5μmであることが好ましい。ここで1次粒径
とは、透過型電子顕微鏡(TEM)により微細粉体の写
真を撮影し、任意に1000個程度の粒子を選択して粒
子の直径を測定し、これらの粒子の直径を粒子の個数で
除した値である。
【0122】無機酸化物としては、アルミナ、シリカ、
アルミナシリカ、炭酸カルシウムなどがあげられる。ア
ルミナはそのほとんどが、化学式Al23単位で構成さ
れる微細粉体である。アルミナは種々の結晶形態を有す
るが、いずれの結晶形態のものを用いることができる。
これらは結晶形態によって、α―アルミナ、β−アルミ
ナ、γ−アルミナなどと呼ばれている。デグサ社製の
「アルミナC」(γ−アルミナ)、住友化学工業株式会
社製の「AKP−G008」(α−アルミナ)などがあ
げられる。
【0123】シリカは、そのほとんどが化学式SiO2
位で構成される微細粉体である。天然珪草土の粉砕、珪
酸ナトリウムの分解などの方法によって製造される。デ
グサ社製の「OX50」などがあげられる。アルミナシ
リカとは、前述のアルミナおよびシリカを主成分として
含有する無機酸化物である。
【0124】これらの無機酸化物は、その表面がジメチ
ルシリコーンオイルなどでコーティングされていてもよ
いし、トリメチルシリル基などで表面処理されていても
よい。
【0125】粉末顔料としては、アゾ系、フタロシアン
系、スレン系、染色レーキなどの有機顔料、酸化チタン
などの酸化物系、クロモ酸モリブデン酸系、硫化セレン
化合物、フェロシアン化合物、カーボンブラックなどの
無機顔料が用いられる。微細粉末が粉末顔料である場合
に顔料を熱可塑性エラストマー組成物に含有せしめる場
合には、微細粉末として用いられる粉末顔料は熱可塑性
エラストマー組成物に含有される顔料と同色であること
が好ましい。
【0126】これら微細粉体は単独で、あるいは1次粒
径が10μm以下のもの同士を複数組み合わせて使用さ
れることが好ましい。例えば、無機酸化物単独を用いる
こともできるし、粉末顔料と無機酸化物とを組み合わせ
て用いることも可能である。微細粉体として、その1次
粒径が300nm以下のものと、300nm〜10μm
のものを組み合わせて使用した場合、各々を単独で用い
た場合と比較して、さらにかさ比重(パッキング性)お
よび耐凝集性の優れたパウダーを得ることができる。
【0127】また、粉末顔料を用いる場合は、炭酸カル
シウム、金属石鹸、酸化マグネシウムなどの担体に担持
させたものを用いることもできる。この場合、担体の1
次粒径は通常10μm以下、好ましくは1μm〜5μm
である。この場合、粉末顔料と担体との重量比は、通常
20:80〜80:20、好ましくは25:75〜7
5:25である。
【0128】微細粉体の添加量は熱可塑性エラストマー
の粉末100重量部に対して、0.1〜10重量部であ
り、好ましくは0.2〜8重量部である。添加量が0.
1重量部未満では、良好な粉体流動特性および粉末成形
性が得られない。10重量部を超えると粉末成形用熱可
塑性エラストマーの粉末間の熱融着が低下するため、得
られる成形体の強度が乏しくなる傾向がある。
【0129】熱可塑性エラストマーの粉末に微細粉体を
配合する方法としては、微細粉体が粉末成形用熱可塑性
エラストマーの粉末上に均一付着する方法であれば、特
に限定されるものではない。例えば、ジャケットのつい
たブレンダーや高速回転型ミキサーなどを使用してブレ
ンドする方法などがあげられる。中でもヘンシェルミキ
サーやスーパーミキサーのように、せん断力を加えるこ
とによりパウダーの互着を防止して均一に分散させる方
法が好ましい。また、配合は通常室温で行われる。
【0130】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の粉
末は、以下に示す溶剤処理法、ストランドカット法、ダ
イフェースカット法などによっても製造することができ
る。この場合、先述の微細粉体を配合しなくても、粉体
流動性に優れたパウダーを得ることができるが、該微細
粉体を配合すると更に粉体流動性を改良することもでき
る。
【0131】溶剤処理法により粉末を得るには、例えば
熱可塑性エラストマー組成物をそのガラス転移温度以
下、通常は−70℃以下、好ましくは−90℃以下に冷
却し、粉砕すればよい。次いで、上記の冷凍粉砕法によ
って製造された熱可塑性エラストマー組成物の粉末を、
熱可塑性エラストマー組成物との相溶性に劣る溶剤中
で、分散剤と乳化剤の存在下に、熱可塑性エラストマー
組成物の溶融温度以上、好ましくは該溶融温度よりも3
0〜50℃高い温度で攪拌した後、冷却することによ
り、粉末を得ることができる(例えば特開昭62−28
0226号公報参照)。溶剤処理法においては、溶剤と
しては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコールなどが、熱可塑性エ
ラストマー組成物100重量部あたり、通常は300〜
1000重量部、好ましくは400〜800重量部の範
囲で使用される。分散剤としては、例えばエチレン−ア
クリル酸共重合体、無水ケイ酸、酸化チタンなどが、熱
可塑性エラストマー組成物100重量部あたり、通常は
5〜20重量部、好ましくは10〜15重量部の範囲で
使用される。乳化剤としては、例えばポリオキシエチレ
ンソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコール
モノラウレート、ソルビタントリステアレートなどが、
熱可塑性エラストマー組成物100重量部あたり、通常
は3〜15重量部、好ましくは5〜10重量部の範囲で
使用される。
【0132】ストランドカット法により粉末を得るに
は、例えば溶融している熱可塑性エラストマー組成物を
ダイスから空気中に押し出してストランドとし、これを
冷却して切断すればよい(例えば特開昭50−1497
47号公報参照)。ストランドカット法においては、ダ
イスの吐出口径は、通常は0.1〜3mm、好ましくは
0.2〜2mmの範囲にある。ダイスの吐出口1個あた
りの熱可塑性エラストマー組成物の吐出速度は、通常は
0.1〜5kg/時、好ましくは0.5〜3kg/時の
範囲にある。ストランドの引取速度は、通常は1〜10
0m/分、好ましくは5〜50m/分の範囲にある。ま
た、冷却されたストランドは、通常は1.4mm以下、
好ましくは0.3〜1.2mmに切断される。
【0133】ダイフェースカット法により粉末を得るに
は、例えば溶融している熱可塑性エラストマー組成物を
ダイスから水中に押し出しながら切断すればよい。ダイ
フェースカット法においては、ダイスの吐出口径は通常
0.1〜3mm、好ましくは0.2〜2mmの範囲にあ
る。ダイスの吐出口1個あたりの熱可塑性エラストマー
組成物の吐出速度は、通常は0.1〜5kg/時、好ま
しくは0.5〜3kg/時の範囲にある。水の温度は、
通常は30〜70℃、好ましくは40〜60℃の範囲に
ある。
【0134】本発明の熱可塑性エラストマー組成物を粉
末成形法により成形するには、通常の粉末成形法、例え
ば粉末スラッシュ成形法、流動浸漬法、静電塗装法、粉
末溶射法、粉末回転成形法などの方法により成形すれば
よい。
【0135】例えば粉末スラッシュ成形法は以下に第一
工程〜第六工程として示す6工程からなる方法により行
われる。 第一工程:金型の成形面上に、フッ素系および/または
シリコン系離型剤を塗布する工程 第二工程:熱可塑性エラストマー組成物の粉末の溶融温
度以上に加熱された金型の成形面上に、熱可塑性エラス
トマー組成物の粉末を供給する工程 第三工程:第二工程の成形面上で熱可塑性エラストマー
組成物の粉末を所定の時間加熱し、少なくともその表面
が溶融した粉末を、互いに融着させる工程 第三工程:第二工程の成形面上で熱可塑性エラストマー
組成物の粉末を所定の時間加熱し、少なくともその表面
が溶融した粉末を、互いに融着させる工程 第四工程:第三工程における所定時間が経過した後に、
融着しなかった粉末を回収する工程 第五工程:必要に応じて、溶融した熱可塑性エラストマ
ー組成物の粉末がのっている金型をさらに加熱する工程 第六工程:第五工程の後、金型を冷却して、その上に形
成された成形体を金型から取り外す工程
【0136】以下、各工程について詳細に説明する。 第一工程:金型の成形面上に、フッ素系および/または
シリコン系離型剤を塗布する工程 本発明の熱可塑性エラストマー組成物の粉末を用いて粉
末成形を行う際、第六工程において金型から取り外す
際、金型内面との密着力が強い場合があるため、無理に
取り外しを試みると、得られた成形体が破損することが
ある。かかる破損を防止するために、金型内面を予めシ
リコーン系離型剤やフッ素系離型剤などのスプレーでコ
ートしておくことが好ましい。シリコーン系スプレーと
しては、例えば信越シリコーン社製の「KF96SP」
(有機溶剤希釈品)などが、フッ素系スプレーとして
は、ダイキン社製の「ダイフリーGA−6010」(有
機溶剤希釈品)、「ME−413」(水希釈品)などが
あげられる。
【0137】第二工程:熱可塑性エラストマー組成物の
粉末の溶融温度以上に加熱された金型の成形面上に、熱
可塑性エラストマー組成物の粉末を供給する工程 熱可塑性エラストマー組成物の粉末を、該組成物の溶融
温度以上、通常は160〜320℃、好ましくは210
〜300℃に加熱された金型の成形面上に供給する。こ
の工程において、金型は、例えばガス加熱炉方式、熱媒
体油循環方式、熱媒体油内または熱流動砂内への浸漬方
式、高周波誘導加熱方式などによって加熱される。熱可
塑性エラストマー組成物の粉末を熱融着させるための加
熱時間は、目的とする成形体の大きさや厚みなどに応じ
て適宜選択される。
【0138】第三工程:第二工程の成形面上で熱可塑性
エラストマー組成物の粉末を所定の時間加熱し、少なく
ともその表面が溶融した粉末を、互いに融着させる工程 本工程により、成形面上で前記粉末を所定の時間の間加
熱し、少なくとも表面が溶融した粉末を、互いに融着さ
せる。
【0139】第四工程:第三工程における所定時間が経
過した後に、融着しなかった粉末を回収する工程 本工程により、所定時間が経過した後に、融着しなかっ
た粉末を回収する。
【0140】第五工程:必要に応じて、溶融した熱可塑
性エラストマー組成物の粉末が載っている金型をさらに
加熱する工程 溶融した熱可塑性エラストマー組成物の粉末が載ってい
る金型を更に加熱することが好ましい。
【0141】第六工程:金型を冷却して、その上に形成
された成形体を金型から取り外す工程 金型を冷却して、その上に形成された成形体を金型から
取り外す。また、粉末成形用熱可塑性エラストマー組成
物製造の際に、先述の滑剤を内部添加すれば、本工程に
おける成形体の取り外しの際に必要な負荷を軽減する効
果があり、この場合には前述の第一工程を省略すること
もできる。滑剤の添加量は通常、熱可塑性エラストマー
組成物100重量部あたり、5重量部以下、好ましくは
0.1〜2重量部の範囲である。滑剤添加量が5重量部
を超えると、得られる成形体の強度が低下したり、金型
表面が汚染されるなどの問題が生じることがある。
【0142】本発明の熱可塑性エラストマー組成物とし
て、発泡剤を含有する組成物を用いた場合には、受難性
に優れた発泡成形体を得ることができる。具体的には、
発泡剤を含有する熱可塑性エラストマー組成物を粉末成
形法、プレス成形法、射出成形法、押出成形法、真空成
形法などの通常の成形法により成形し、発泡させること
により発泡成形体を製造することができる。
【0143】粉末成形法により発泡成形体を得るには、
例えば発泡剤を含有する本発明の熱可塑性エラストマー
組成物の粉末を粉末成形すればよい。粉末は、発泡剤を
含有する本発明の熱可塑性エラストマー組成物から上記
した方法により製造することもできるし、発泡剤を含有
しない本発明の熱可塑性エラストマー組成物の粉末に配
合して、該粉末の表面にコーティングしてもよい。微細
粉末を配合する場合には、該微細粉末と共に発泡剤を配
合することもできる。発泡剤としては、前記したと同様
の熱分解型発泡剤が通常用いられる。発泡剤と共に発泡
助剤、セル調整剤などを用いることもできる。
【0144】かくして得られる本発明の熱可塑性エラス
トマー組成物からなる成形体は、例えば表皮材として有
用である。かかる表皮材は、本発明の熱可塑性エラスト
マー組成物からなる非発泡層の一方の面に発泡層が積層
されてなる二層成形体であってもよい。かかる二層成形
体は、一体的に製造されたものであってもよいし(特開
平5−473号公報)、別途製造された非発泡成形体と
発泡成形体とを接着剤などを用いて積層したものであっ
てもよい。また、表皮材は、本発明の熱可塑性エラスト
マー組成物からなる非発泡層と発泡層と非発泡層とが積
層された複合成形体であってもよい。2都濃非発泡層
は、互いに同一の組成であってもよいし、互いに異なる
組成であってもよい。
【0145】非発泡層と発泡層とが一体的に積層された
二層成形体は、粉末成形法によって製造することも可能
である。具体的には、その成形面に複雑な模様を有して
いてもよい金型を熱可塑性エラストマー組成物の粉末の
溶融温度以上に加熱したのち、該金型の成形面上に熱可
塑性エラストマー組成物の粉末を供給し、粉末同士を互
いに熱融着させて該成形面上にシート状溶融物を得たの
ち、熱融着しなかった余分の粉末を除去し、次いでこの
シート状溶融物の上に発泡剤を含有する熱可塑性組成物
の粉末を供給し上記シート状溶融物の上で粉末同士を互
いに熱融着させたのち、熱融着しなかった余分の粉末を
除去して成形すればよい。成形後、さらに加熱し発泡さ
せて発泡層を形成すればよい。発泡剤を含有する熱可塑
性組成物としては、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物、本発明で用いると同様の熱可塑性エラストマーから
なる組成物、ポリエチレン系発泡性組成物(特開平7−
228720)などが挙げられる。
【0146】二層成形体を構成する発泡層は、ポリウレ
タンからなる発泡層であってもよい。かかる発泡層が、
本発明の熱可塑性エラストマーからなる非発泡層との接
着性に欠ける場合もあるが、かかる場合には塩素化ポリ
エチレンなどのプライマーを非発泡層の表面に塗布して
おくことにより、接着性を向上することもできる。かか
る表皮材は、熱可塑性樹脂からなる芯材に積層される表
皮材として有用であり、例えば本発明の熱可塑性エラス
トマー組成物からなる成形体は、その一方の面に芯材が
積層された多層成形体に用いることができる。また、二
層積層体は、その発泡層側に芯材が積層された多層成形
体に用いることができる。
【0147】ここで、芯材を構成する熱可塑性樹脂とし
ては、例えばポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリ
オレフィン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体(ABS)樹脂などの熱可塑性樹脂が挙
げられ、ポリプロピレンが好ましく用いられる。
【0148】かかる多層成形体は、例えば本発明の熱可
塑性エラストマー組成物からなる成形体の一方の面に熱
可塑性樹脂溶融体を供給し加圧する方法、二層成形体の
発泡層側に熱可塑性樹脂溶融体を供給し加圧する方法な
どの方法により製造することができる。
【0149】熱可塑性樹脂溶融体とは、その溶融温度以
上に加熱されて溶融状態にある熱可塑性樹脂である。熱
可塑性樹脂溶融体の供給は加圧の前であってもよいし、
加圧と同時的であってもよい。また、加圧は金型などを
用いても行われてもよいし、熱可塑性樹脂溶融体の供給
圧力によって行われてもよい。かかる成形方法として
は、例えば射出成形法、低圧射出成形法、低圧圧縮成形
法などが挙げられる。具体的には、例えば本発明の熱可
塑性エラストマー組成物からなる成形体を開放された一
対の金型間に供給し、次いで該成形体の一方の面側とこ
れに対向する一方の金型との間に熱可塑性樹脂溶融体を
供給した後または供給しながら両金型を型締めすればよ
く、表皮材として二層成形体を用いる場合には、開放さ
れた一対の金型間に二層成形体を供給し、次いで該成形
体の発泡層とこれに対向する一方の金型との間に熱可塑
性樹脂溶融体を供給した後または供給しながら両金型を
型締めすればよい。両金型の開閉方向は特に限定される
ものではなく、上下方向であってもよいし水平方向であ
ってもよい。
【0150】表皮材として粉末成形法により製造された
成形体または二層成形体を用いる場合には、粉末成形に
用いた金型をその成形面上に成形体または二層成形体を
保持したまま上記多層成形体の製造における金型の一方
としてもよい。
【0151】熱可塑性樹脂溶融体は両金型の型締め完了
後に供給してもよいが、表皮材である成形体または二層
成形体の金型内でのずれが少なく、模様の転写度も向上
した多層成形体が得られる点で、両金型が未閉鎖の間に
供給しながら両金型を型締めする、または供給した後に
型締めすることが好ましい。熱可塑性樹脂溶融体の供給
方法は説くに限定されるものではなく、例えば成形体ま
たは二層成形体と対向する一方の金型に設けた樹脂通路
から供給することができる。また、溶融樹脂の供給ノー
ズを両金型間に挿入して溶融樹脂を供給し、その後、供
給ノーズを系外に後退させて両金型を閉鎖してもよい。
一対の金型としては、一方の金型の外周面と他方の金型
の内周面とが摺動可能な一対の雌雄金型を用いることも
できる。この場合、両金型の摺動面のクリアランスを成
形体又は二層成形体の厚みと概ね等しくしておくことに
よって、その端部に余分の表皮材を有する多層成形体を
得ることができ、この余分の表皮材を多層成形体の裏面
に折り返すことによって、その端部が表皮材層で覆われ
た多層成形体を得ることができる。
【0152】表皮材として本発明の熱可塑性エラストマ
ーからなる非発泡層とポリウレタンからなる発泡層とを
用いる場合、本発明の熱可塑性エラストマーからなる成
形体と、熱可塑性樹脂芯材とを予め成形しておき、これ
を一定の間隔を空けて固定しておき、この間隙にポリオ
ールおよびポリイソシアナートの混合物を注入し、加圧
下、発泡させる方法により、多層成形体を製造すること
もできる。
【0153】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、溶融混練時の熱劣化が防止されており、またこれを
成形して得られる成形体は長期間保存しても外観不良が
発生しない。
【0154】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、ほんはつめいはこれら実施例に限定されるもの
ではない。なお、各実施例において使用した原材料およ
び安定剤は、以下のとおりである。
【0155】<使用原材料> プロピレン・エチレン共重合体樹脂:エチレン単位含有
量5重量%、MFR=220g/10分 スチレン−ブタジエン共重合体の水添物:スチレン単位
含有量10重量%、MFR=10g/10分 アルミナ:1次粒径13nmの酸化アルミニウム(Al2
3) カーボンブラック:1次粒径100nm
【0156】<供試安定剤> P-1:2,4,8,10-テトラ-t-フ゛チル-6-[3-(3-メチル-4-ヒト゛ロキシ-5-t-
フ゛チルフェニル)フ゜ロホ゜キシ]シ゛ヘ゛ンソ゛[d.f][1.3.2]シ゛オキサホスフェヒ゜ン AO-1:3,9-ヒ゛ス(2-(3-(3-t-フ゛チル−4-ヒト゛ロキシ-5-メチルフェニル)フ
゜ロヒ゜オニルオキシ)1,1-シ゛メチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスヒ゜ロ[5.5]ウ
ンテ゛カン AO-2: n-オクタテ゛シル 3-(3,5-シ゛-t-フ゛チル-4-ヒト゛ロキシフェニル)フ゜ロヒ
゜オネート AO-3: ヒ゛ス(2,4-シ゛-t-フ゛チルフェニル)ヘ゜ンタエリスリトール シ゛フォスファイ
【0157】実施例1〜3、比較例1〜3 (熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性評価)下記配合物
を、ラボプラストミル(東洋精機製 形式40-100)を用
いて、180℃、50rpmで5分間混練した後、プレスを
用いてシート化した。得られたシートを用いて、35℃か
ら20℃/minの昇温速度にて昇温し、260℃にて70分ホー
ルド後の重量減(%)を求め結果を表1に示した。重量減
(%)が少ないほど、耐熱性に優れることを意味する。 [配合] プロピレン・エチレン共重合体樹脂 50重量部 スチレン−ブタジエン共重合体の水添物 50重量部 アルミナ 1重量部 供試安定剤 表1参照
【0158】(成形体の耐ブリード性評価)下記配合物
を、ラボプラストミルを用いて、180℃、50rpmで5
分間混練した後、プレスを用いてシート化した。得られ
たシートを、恒温恒湿条件(23℃、50%)で、1000hr
放置後、グロス値を測定し表1に示した。グロス値が高
いほど、耐ブリード性に優れることを意味する。 [配合] プロピレン・エチレン共重合体樹脂 50重量部 スチレン−ブタジエン共重合体の水添物 50重量部 カーボンブラック 1重量部 供試安定剤 表1参照
【0159】
【表1】 ────────────────────────────── 実 施 例 比 較 例 1 2 3 1 2 3 ────────────────────────────── P−1 0.6 1.2 0.6 − − − AO-1 − − − − − 0.4 AO-2 − − 0.6 − 0.6 − AO-3 − − − − − 0.4 重量減 16.6 8.2 10.4 20.9 21.0 9.2 耐フ゛リート゛性 80.3 79.1 77.9 80.3 78.5 13.8 ──────────────────────────────
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/36 C08K 5/36 5/49 5/49 5/524 5/524 C08L 9/00 C08L 9/00 23/08 23/08 23/16 23/16

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性エラストマー100重量部に対し
    て一般式(I) 〔式中、R1、R2、R4、R5はそれぞれ独立に水素原
    子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロ
    アルキル基、炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル
    基、炭素数7〜12のアラルキル基またはフェニル基を
    示し、R3は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基
    を示す。Xは単結合、硫黄原子または一般式(I−1) −CHR6− (I−1) (式中、R6は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基ま
    たは炭素数5〜8のシクロアルキル基を示す。)で示さ
    れる2価の残基を示す。Aは炭素数2〜8のアルキレン
    基または一般式(I−2) *−COR7− (I−2) (式中、R7は単結合または炭素数1〜8のアルキレン
    基を示し、*は酸素原子に結合していることを示す。)
    で示される2価の残基を示す。Y、Zは一方がヒドロキ
    シル基を示し、他方が水素原子または炭素数1〜8のア
    ルキル基を示す。〕で示されるフェノール系化合物0.
    01〜5重量部を含有することを特徴とする熱可塑性エ
    ラストマー組成物。
  2. 【請求項2】ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン
    系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤およびベンゾフラノ
    ン系酸化防止剤から選ばれる少なくとも1種を0.01
    〜10重量部含有する請求項1または請求項2に記載の
    熱可塑性樹脂エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】1000重量部以下のポリオレフィン系樹
    脂を含有する請求項1または請求項3のいずれかに記載
    の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】発泡剤を0.1〜20重量部含有する請求
    項1〜請求項3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマ
    ー組成物。
  5. 【請求項5】熱可塑性エラストマーがオレフィン系熱可
    塑性エラストマーおよびスチレン系熱可塑性エラストマ
    ーから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜請求項
    4のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 【請求項6】オレフィン系熱可塑性エラストマーがエチ
    レンおよびα−オレフィンの共重合体ゴム、プロピレン
    および炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体ゴム、
    共役ジエン系重合体並びに共役ジエン系重合体の水添物
    から選ばれる少なくとも1種である請求項5に記載の熱
    可塑性エラストマー組成物。
  7. 【請求項7】エチレンおよびα−オレフィンの共重合体
    ゴムがエチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・
    1−ブテン共重合体ゴム、エチレン・1−ヘキセン共重
    合体ゴム、エチレン・1−オクテン共重合体ゴムおよび
    エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボル
    ネン共重合体ゴムから選ばれる少なくとも1種である請
    求項6に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  8. 【請求項8】スチレン系熱可塑性エラストマーがスチレ
    ン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン共
    重合体ゴム、スチレン・ブタジエン・イソプレン共重合
    体ゴム、水添スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、水添
    スチレン・イソプレン共重合体ゴムおよび水添スチレン
    ・ブタジエン・イソプレン共重合体ゴムから選ばれる少
    なくとも1種である請求項5に記載の熱可塑性エラスト
    マー組成物。
  9. 【請求項9】熱可塑性エラストマーの少なくとも一部が
    架橋されている請求項1に記載の熱可塑性エラストマー
    組成物。
  10. 【請求項10】請求項1〜請求項8に記載の熱可塑性エ
    ラストマー組成物が成形されてなることを特徴とする成
    形体。
  11. 【請求項11】請求項4に記載の熱可塑性エラストマー
    組成物が成形、発泡されてなることを特徴とする発泡成
    形体。
JP2000220509A 1999-07-23 2000-07-21 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体 Pending JP2001106832A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000220509A JP2001106832A (ja) 1999-07-23 2000-07-21 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20928299 1999-07-23
JP11-209282 1999-07-23
JP21758099 1999-07-30
JP11-217580 1999-07-30
JP2000220509A JP2001106832A (ja) 1999-07-23 2000-07-21 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001106832A true JP2001106832A (ja) 2001-04-17

Family

ID=27328981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000220509A Pending JP2001106832A (ja) 1999-07-23 2000-07-21 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001106832A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002105301A (ja) * 2000-10-03 2002-04-10 Sumitomo Dow Ltd ゴム強化ポリカーボネート樹脂組成物
JP2003192837A (ja) * 2001-12-28 2003-07-09 Nippon Zeon Co Ltd 粉体成形用樹脂組成物
JP2006160809A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Sumitomo Chemical Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法
JP2008184577A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 Sumitomo Chemical Co Ltd エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体の製造方法
JP2010159396A (ja) * 2008-12-12 2010-07-22 Sumitomo Chemical Co Ltd 回転成形体用ポリオレフィン組成物
WO2013015430A1 (ja) * 2011-07-26 2013-01-31 住友化学株式会社 熱可塑性樹脂組成物
JP2017177301A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 富士紡ホールディングス株式会社 研磨パッド
JP2021091795A (ja) * 2019-12-10 2021-06-17 株式会社ブリヂストン 組成物及びポリマー成形体
CN113825648A (zh) * 2019-05-31 2021-12-21 株式会社普利司通 树脂成型体、轮胎、汽车用部件和树脂组合物

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002105301A (ja) * 2000-10-03 2002-04-10 Sumitomo Dow Ltd ゴム強化ポリカーボネート樹脂組成物
JP4535413B2 (ja) * 2000-10-03 2010-09-01 住友ダウ株式会社 ゴム強化ポリカーボネート樹脂組成物
JP2003192837A (ja) * 2001-12-28 2003-07-09 Nippon Zeon Co Ltd 粉体成形用樹脂組成物
JP2006160809A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Sumitomo Chemical Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法
JP2008184577A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 Sumitomo Chemical Co Ltd エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体の製造方法
JP2010159396A (ja) * 2008-12-12 2010-07-22 Sumitomo Chemical Co Ltd 回転成形体用ポリオレフィン組成物
WO2013015430A1 (ja) * 2011-07-26 2013-01-31 住友化学株式会社 熱可塑性樹脂組成物
JP2017177301A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 富士紡ホールディングス株式会社 研磨パッド
CN113825648A (zh) * 2019-05-31 2021-12-21 株式会社普利司通 树脂成型体、轮胎、汽车用部件和树脂组合物
JP2021091795A (ja) * 2019-12-10 2021-06-17 株式会社ブリヂストン 組成物及びポリマー成形体
WO2021117295A1 (ja) * 2019-12-10 2021-06-17 株式会社ブリヂストン 組成物及びポリマー成形体
JP7403297B2 (ja) 2019-12-10 2023-12-22 株式会社ブリヂストン 組成物及びポリマー成形体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2065359B1 (en) Bisphenol Monoester Compound
JPH11222493A (ja) 安定剤組成物、その製造方法及びその用途
JP2001106832A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体
JP5127097B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形体
JP3952797B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JP2001098163A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体
TW201026661A (en) Phenol composition and thermoplastic polymer composition comprising the composition
JP2006016518A (ja) 発泡体用組成物
US8017673B2 (en) Polymer stabilizer
US20100179264A1 (en) Polymer stabilizer
JP2001181495A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物、その製造方法およびポリカーボネート樹脂の白濁防止方法
JP4495387B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物
JP3994495B2 (ja) 芳香族モノビニル系樹脂組成物、その製造方法および芳香族モノビニル系樹脂の熱分解防止方法
US9902747B2 (en) Phosphite compound, method for producing the same and uses thereof
JP2002371157A (ja) 熱可塑性重合体組成物およびその成形品
JP2001114962A (ja) 高分子量芳香族モノビニル系樹脂組成物、その製造方法および高分子量芳香族モノビニル系樹脂の熱分解防止方法
JPH11228957A (ja) 安定剤組成物、その製造法及びその用途
JP2006063183A (ja) 熱可塑性重合体組成物
JPH09226076A (ja) 建装材
EP4317166A1 (en) Phosphorous ester compound, method for producing same, and use application for same
JP2002069260A (ja) 安定化されたエチレン−エチレン系不飽和カルボン酸類共重合体組成物
JP4238395B2 (ja) 共重合体組成物、その製造方法および共重合体の安定化方法
JP2009221196A (ja) キサンテン誘導体及び該キサンテン誘導体を含有する熱可塑性ポリマー組成物
JP4198479B2 (ja) 粉体成形用樹脂組成物
JP2011122131A (ja) 熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂用加工安定化剤、及び熱可塑性樹脂の安定化方法