JP2001105433A - タイヤ加硫設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各装置の遊び時間の最小化、搬送時間の短縮
化による生産サイクルの向上と、装置の簡略化、省スペ
ース化によるコストの削減等を図る。 【解決手段】 加硫ステーションＣは、閉状態で移動可
能なタイヤ金型組立体１を載置し、載置したタイヤ金型
組立体１に対して加硫／加熱媒体を給排する配管を備え
た金型台２を同一円周上に複数台配置している。開閉ス
テーションＡは、同一円周上に配置された金型台２と、
金型台２に載置されたタイヤ金型組立体１の開閉を行う
開閉装置６と、タイヤ金型組立体１に対して加硫済タイ
ヤの搬出を行うアンローダ８と、タイヤ金型組立体１に
対して未加硫タイヤの搬入を行うローダ７とを有すると
共に、加硫済タイヤの次工程への搬出ラインと未加硫タ
イヤの搬入ラインとに連絡されている。移載ステーショ
ンＤは、同一円周の中心に配置され、回転動作により同
一円周上における加硫ステーションＣの金型台２と開閉
ステーションＡの金型台２との間でタイヤ金型組立体１
の移し替えを行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、未加硫タイヤを搬
入して加硫し、加硫済タイヤとして搬出するまでの一連
の処理動作を行うタイヤ加硫設備に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、タイヤ加硫プレスで行われる加硫
時間と、タイヤ金型組立体を開閉して、未加硫タイヤの
搬入、シェーピング、並びに加硫済タイヤの取り出しを
行う作業時間とを比べると、後者の作業時間のほうが非
常に短い。従って、タイヤ金型組立体を開閉するタイヤ
金型開閉装置やタイヤ搬出入装置の１台あたりに対する
タイヤ加硫装置の台数を多くして、これら装置の稼働率
を向上させた種々の設備が提案および実施されている。

【０００３】上記のタイヤ加硫設備には、例えば特開平
８─２８１６５５号公報に開示された第１の構成や、特
開平８−１６４５２８号公報に開示された第２の構成の
ものがある。即ち、第１の構成のタイヤ加硫設備は、図
７に示すように、タイヤ金型組立体Ｍを載置する複数の
金型台１０１を円周方向に配置することにより形成され
た加硫ステーション１００を有している。尚、金型台１
０１には、内圧供給装置（タイヤ内部の加熱・加圧媒体
供給装置）１０２または外圧供給装置（タイヤ金型外周
部へ 加熱媒体供給装置）１０３が備えられており、加
硫ステーション１００の上方における２階床には、加硫
済タイヤおよび未加硫タイヤの置台が設けられている。

【０００４】また、加硫ステーションの中心位置には、
１台の開閉ステーション１２０が配置されている。そし
て、開閉ステーション１２０には、タイヤ金型組立体Ｍ
の授受機構および開閉機構と、タイヤ金型組立体Ｍおよ
び置台間における加硫済みタイヤの搬出機構、未加硫タ
イヤの搬入機構と、これら各機構と共にステーション自
体を任意の組立体方向に回転移動させる回転移動機構と
が設けられている。

【０００５】これにより、上記の第１の構成によれば、
開閉ステーション１２０自体を目的のタイヤ金型組立体
Ｍ方向に回転移動させることによって、１台の開閉ステ
ーション１２０で複数台のタイヤ金型組立体Ｍの取り出
し動作と開閉動作とを行うと共に、タイヤ金型組立体Ｍ
に対する加硫済みタイヤの搬出動作と未加硫タイヤの搬
入動作とを行うことが可能になっている。

【０００６】また、第２の構成のタイヤ加硫設備は、図
８および図９に示すように、タイヤ金型組立体Ｍを載置
する載置部１３０ａを床面に対して水平方向および垂直
方向のマトリックス状に配置した収納棚１３０を備えた
加硫ステーション１３１を有している。加硫ステーショ
ン１３１の側方には、加硫済タイヤおよび未加硫タイヤ
を載置するタイヤ支持装置１３５と、未加硫タイヤの供
給等を行う搬送ライン１３４と、加硫済タイヤを次工程
へ搬出するタイヤ搬出装置１３６とが加硫ステーション
１３１に沿って設けられている。

【０００７】また、加硫ステーション１３１とタイヤ支
持装置１３５との間には、加硫ステーション１３１に対
して平行移動するように１台の開閉ステーション１３２
が設けられている。そして、開閉ステーション１３２に
は、タイヤ金型組立体Ｍの授受機構および開閉機構と、
タイヤ金型組立体Ｍに対する加硫済みタイヤの搬出機構
および未加硫タイヤの搬入機構と、授受機構を任意の高
さ位置に位置決めする昇降機構と、これら各機構と共に
ステーション自体を加硫ステーション１３１に沿って進
退移動させる進退移動機構とが設けられている。

【０００８】これにより、上記の第２の構成によれば、
開閉ステーション１３２自体を目的のタイヤ金型組立体
Ｍ方向に進退移動させた後、授受機構を昇降させること
によって、上述の第１の構成と同様に、１台の開閉ステ
ーション１３２で複数台のタイヤ金型組立体Ｍの取り出
し動作等を行うことが可能になっている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の第１の構成や第２の構成では、開閉機構や搬送機構
等を含む開閉ステーション１２０・１３２自体が回転移
動したり、進退移動するため、以下の問題がある。

【００１０】 開閉ステーション１２０・１３２の各
機構に接続された配管や配線を移動時に脱着したり、外
れないように取り回しを行う必要があるため、これら配
管や配線部材により開閉ステーション１２０・１３２が
複雑化し、コストアップを招いているという問題があ
る。

【００１１】 開閉ステーション１２０・１３２が各
機構を含むことにより相当の重量物になる。従って、回
転移動や進退移動に使用される回転移動機構や進退移動
機構を十分に大きな強度および駆動力を発生する構成に
することが必要となり、結果としてこれら移動機構が大
型化およびコストアップを招いているという問題があ
る。

【００１２】 重量物である開閉ステーション１２０
・１３２は、さらに、背の高いものでもあることから、
進退移動や回転移動時に転倒や振動等の危険性があり、
この危険性を回避するように移動スピードを制限する必
要がある。従って、開閉ステーション１２０・１３２が
目的のタイヤ金型組立体Ｍに移動するまでの遊び時間が
長くなると共に、タイヤ金型組立体Ｍを積み込んでから
運搬する際の運搬時間が長くなるため、生産のサイクル
タイムの長時間化を生じているという問題がある。

【００１３】 第１の構成では、図７に示すように、
未加硫タイヤの供給および加硫済タイヤの搬送に使用さ
れる置台が加硫ステーション１００と同様に円形に配置
することが必要であるため、タイヤの制御装置および物
流装置等も含めてタイヤ加硫設備の大型化および複雑化
を招くという問題がある。そこで、上記の置台を１か所
に設定することによって、大型化や複雑化の問題を解消
する方法も考えられるが、この場合には、毎回その位置
で未加硫タイヤのピックアップおよび加硫済タイヤの搬
出を行うことが必要になるため、開閉ステーション１２
０の余分な回転動作が必要となってサイクルタイムの長
時間化が顕著になる。

【００１４】また、上記の問題は、第２の構成でも同様
に生じている。即ち、第２の構成においては、図８およ
び図９に示すように、開閉ステーション１３２の移動位
置に未加硫タイヤを供給すると共に、この移動位置から
加硫済タイヤを搬出することができるように、タイヤ支
持装置１３５、搬送ライン１３４およびタイヤ搬出装置
１３６を加硫ステーション１３１に沿って設けている。
これにより、これらのライン１３４や装置１３５・１３
６によりタイヤ加硫設備が大型化および複雑化してい
る。

【００１５】 さらに、図７に示すように、第１の構
成では、中央に設置された一つの開閉ステーション１２
０が故障すると、タイヤ金型組立体Ｍは、加硫ステーシ
ョン１００から他への逃げ場がなく、一切の移動がスト
ップしてしまう。従って、この場合には、加硫ステーシ
ョン１００に残された多くのタイヤが加硫時間を経過し
た後にも金型内に閉じ込められるため、オーバーキュア
により不良品になってしまうという問題もある。

【００１６】 また、図８および図９に示すように、
第２の構成では、背の高い開閉ステーション１３２が進
退移動するため、少なくとも進退移動する領域において
は上下方向に大きな移動用スペースを確保しておく必要
があることから、建屋内を有効に利用することができな
いという問題もある。

【００１７】そこで、本発明は、上述の各問題を解決す
ることによって、生産のサイクルタイムの短時間化や、
タイヤ加硫設備の小型化およびコストダウン等を実現す
ることができるタイヤ加硫設備を提供するものである。

【００１８】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明にかかる
タイヤ加硫設備は、閉状態で移動可能なタイヤ金型組立
体を載置し、載置したタイヤ金型組立体に対して加硫／
加熱媒体を給排する配管を備えた金型台を同一円周上に
複数台配置してなる加硫ステーションと、前記同一円周
上に配置された金型台と、該金型台に載置されたタイヤ
金型組立体の開閉を行う開閉装置と、該タイヤ金型組立
体に対して加硫済タイヤの搬出を行う搬出装置と、該タ
イヤ金型組立体に対して未加硫タイヤの搬入を行う搬入
装置とを有すると共に、加硫済タイヤの次工程への搬出
ラインと未加硫タイヤの搬入ラインとに連絡された開閉
ステーションと、前記同一円周の中心に配置され、回転
動作により該同一円周上における前記加硫ステーション
の金型台と前記開閉ステーションの金型台との間でタイ
ヤ金型組立体の移し替えを行う移載ステーションとを備
えていることを特徴としている。

【００１９】上記の構成によれば、移載ステーション
は、加硫ステーションおよび開閉ステーション間におけ
るタイヤ金型組立体の移し替えを行う機能を備えてい
る。一方、従来においては、開閉ステーションが上記の
機能を備え、開閉ステーション自体が加硫ステーション
に対して移動して移し替えを行っている。これにより、
移載ステーションは、従来の開閉ステーションから一部
を抜き出して構成したものと同一視することができるた
め、従来の全機能を持った開閉ステーションと比較して
大幅に軽量化することができると共に、背を低くして低
重心にすることができる。

【００２０】従って、移載ステーションを軽量化に対応
した小さな強度および駆動力を発生する機構で構成する
ことができるため、結果として移載ステーションを小型
化およびコストダウンすることができる。さらに、移載
ステーションの背を低くして低重心にすると、回転運動
の移動時における転倒や振動の危険性が低減するため、
移動スピードの高速化が可能になり、移載ステーション
が目的のタイヤ金型組立体に移動するまでの遊び時間を
短縮することができると共に、タイヤ金型組立体を積み
込んでから他の場所へ運搬する際の運搬時間を短縮する
ことができることから、生産のサイクルタイムの短時間
化を実現することができる。

【００２１】また、移載ステーションの回転動作によ
り、開閉ステーションおよび加硫ステーション間におけ
るタイヤ金型組立体の移し替えを行うようになっている
ため、開閉ステーションおよび加硫ステーションを同一
円周上に固定しておくことができる。従って、開閉ステ
ーションの各機構に接続される配線や配管を従来の移動
を前提とした引き回しで取り付ける必要がないため、開
閉ステーションを簡単な構成にすることができる。ま
た、移載ステーションにおいては、配線や配管の数量が
タイヤ金型組立体の移し替えに必要な最小限の機構に対
応したものに抑制されるため、これら配線等の引き回し
に伴う複雑化が僅かなものになる。これにより、タイヤ
加硫設備全体として配線等の引き回しによる複雑化を十
分に低減することができる。

【００２２】さらに、加硫済タイヤの搬出および未加硫
タイヤの搬入が一か所の開閉ステーションにおいて行わ
れるため、搬出ラインおよび搬入ラインの物流装置を簡
素化することができると共に、両ラインに対する連絡を
円滑化することができる。

【００２３】請求項２の発明は、請求項１記載のタイヤ
加硫設備であって、さらに、前記同一円周上に配置され
た金型台と、該金型台に載置されたタイヤ金型組立体の
開閉を行う開閉装置とを有した予備ステーションを備え
ており、前記移載ステーションは、該予備ステーション
の金型台と前記加硫ステーションの金型台との間でもタ
イヤ金型組立体の移し替えを行うことを特徴としてい
る。上記の構成によれば、開閉ステーションがトラブル
で停止しても、設備全体の流れをストップさせることな
く、予備ステーションで加硫済タイヤの取り出し等を行
うことができ、オーバーキュアで製品が不良品または廃
品となるようなことはない。

【００２４】請求項３の発明は、請求項１または２記載
のタイヤ加硫設備であって、前記同一円周に対応したス
テーション群が２以上並設されており、これら同一円周
のステーション群同士が、タイヤ金型組立体を行き来可
能にするガイドレールを介して連絡されていることを特
徴としている。上記の構成によれば、一つの同一円周の
ステーション群における開閉ステーションがトラブルで
停止したときに、他の同一円周におけるステーション群
にタイヤ金型組立体をガイドレールを介して搬送するこ
とができるため、設備全体の流れをストップすることな
く加硫済タイヤの取り出し等を行うことができる。さら
に、各同一円周の開閉ステーションを他の同一円周のス
テーション群の予備ステーションとして用いることもで
きる。

【００２５】請求項４の発明は、請求項１ないし３の何
れか１項に記載のタイヤ加硫設備であって、前記移載ス
テーションは、前記タイヤ金型組立体を授受する授受機
構と、前記授受機構による前記タイヤ金型組立体の案内
方向を前記同一円周上の任意の金型台方向に設定するよ
うに回転可能なターンテーブルとを備えていることを特
徴としている。上記の構成によれば、移載ステーション
を簡単な構成で実現することができるため、部品や組み
立てコストを低減することができると共に、故障の少な
い高い信頼性にすることができる。また、移載ステーシ
ョンの重心を低くして回転スピードを速くすることもで
きる。

【００２６】請求項５の発明にかかるタイヤ加硫設備
は、閉状態で移動可能なタイヤ金型組立体を載置し、載
置したタイヤ金型組立体に対して加硫／加熱媒体を給排
する配管を備えた載置部を上下方向に複数段有した収納
棚を備えてなる加硫ステーションと、前記タイヤ金型組
立体を載置する載置部と、該載置部に載置されたタイヤ
金型組立体の開閉を行う開閉装置と、該タイヤ金型組立
体に対して加硫済タイヤの搬出を行う搬出装置と、該タ
イヤ金型組立体に対して未加硫タイヤの搬入を行う搬入
装置とを有し、加硫済タイヤの次工程への搬出ラインと
未加硫タイヤの搬入ラインとに連絡された開閉ステーシ
ョンと、前記加硫ステーションの収納棚に沿った昇降動
作により、該収納棚の任意の段の載置部と前記開閉ステ
ーションの載置部との間でタイヤ金型組立体の移し替え
を行う移載ステーションとを備えていることを特徴とし
ている。

【００２７】上記の構成によれば、移載ステーション
は、加硫ステーションおよび開閉ステーション間におけ
るタイヤ金型組立体の移し替えを行う機能を備えてい
る。一方、従来においては、開閉ステーションが上記の
機能を備え、開閉ステーション自体が加硫ステーション
に対して移動して移し替えを行っている。これにより、
移載ステーションは、従来の開閉ステーションから一部
を抜き出して構成したものと同一視することができるた
め、従来の全機能を持った開閉ステーションと比較して
大幅に軽量化することができる。

【００２８】従って、移載ステーションを軽量化に対応
した小さな強度および駆動力を発生する機構で構成する
ことができるため、結果として移載ステーションを小型
化およびコストダウンすることができる。さらに、移載
ステーションは、昇降動作により移し替えを行うため、
従来のように重量物を進退移動させて移し替えを行う場
合よりも転倒や振動の危険性が大幅に低減する。従っ
て、昇降動作の高速化が可能であるため、移載ステーシ
ョンが目的のタイヤ金型組立体に移動するまでの遊び時
間を短縮することができると共に、タイヤ金型組立体を
積み込んでから他の場所へ運搬する際の運搬時間を短縮
することができ、結果として生産のサイクルタイムの短
時間化を実現することができる。

【００２９】また、移載ステーションの昇降動作によ
り、開閉ステーションおよび加硫ステーション間におけ
るタイヤ金型組立体の移し替えを行うようになっている
ため、開閉ステーションおよび加硫ステーションを固定
しておくことができる。従って、開閉ステーションの各
機構に接続される配線や配管を従来の移動を前提とした
引き回しで取り付ける必要がないため、開閉ステーショ
ンを簡単な構成にすることができる。また、移載ステー
ションにおいては、配線や配管の数量がタイヤ金型組立
体の移し替えに必要な最小限の機構に対応したものに抑
制されるため、これら配線等の引き回しに伴う複雑化が
僅かなものとなる。これにより、タイヤ加硫設備全体と
しては、配線等の引き回しによる複雑化を十分に低減す
ることができる。

【００３０】さらに、開閉ステーションを固定しておく
ことができるため、従来のように開閉ステーションの移
動用スペースを確保しておく必要がなくなり、結果とし
て建屋内を有効に利用することができる。また、加硫済
タイヤの搬出および未加硫タイヤの搬入が一か所の開閉
ステーションにおいて行われるため、搬出ラインおよび
搬入ラインの物流装置を簡素化することができると共
に、両ラインに対する搬入動作および搬出動作を円滑化
することができる。

【００３１】請求項６の発明は、請求項５記載のタイヤ
加硫設備であって、さらに、前記タイヤ金型組立体を載
置する載置部と、該載置部に載置されたタイヤ金型組立
体の開閉を行う開閉装置とを有した予備ステーションを
備えており、前記移載ステーションは、前記予備ステー
ションの載置部と前記加硫ステーションの任意の段の載
置部との間でもタイヤ金型組立体の移し替えを行うこと
を特徴としている。上記の構成によれば、開閉ステーシ
ョンがトラブルで停止しても、設備全体の流れをストッ
プさせることなく、予備ステーションで加硫済タイヤの
取り出し等を行うことができ、オーバーキュアで製品が
不良品または廃品となるようなことはない。

【００３２】請求項７の発明は、請求項６記載のタイヤ
加硫設備であって、前記予備ステーションは、さらに、
前記タイヤ金型組立体に対する加硫済タイヤの搬出を行
う搬出装置と、前記タイヤ金型組立体に対する未加硫タ
イヤの搬入を行う搬入装置とを有し、加硫済タイヤの次
工程への搬出ラインと未加硫タイヤの搬入ラインとに連
絡されていることを特徴としている。上記の構成によれ
ば、予備ステーションと開閉ステーションとを同じよう
に用いることができるため、搬送ラインおよび搬入ライ
ンに対する搬入動作および搬出動作をより一層円滑化す
ることができる。

【００３３】請求項８の発明は、請求項５ないし７の何
れか１項に記載のタイヤ加硫設備であって、前記移載ス
テーションは、前記タイヤ金型組立体を授受すると共
に、該タイヤ金型組立体の案内方向を任意の載置部方向
に切替可能な第１授受機構と、前記第１授受機構により
受け取ったタイヤ金型組立体を載置する載置部と、前記
第１授受機構および前記載置部を前記収納棚に沿って昇
降させる昇降機構とを有した昇降移載装置を備えたこと
を特徴としている。上記の構成によれば、移載ステーシ
ョンを簡単な構成で実現することができるため、部品や
組み立てコストを低減することができると共に、故障の
少ない高い信頼性にすることができる。

【００３４】請求項９の発明は、請求項８記載のタイヤ
加硫設備であって、前記移載ステーションは、さらに、
前記タイヤ金型組立体を授受する第２授受機構と、該第
２授受機構により受け取ったタイヤ金型組立体を載置す
る載置部と、前記第２授受機構によるタイヤ金型組立体
の案内方向を任意の載置部方向に設定するように回転可
能なターンテーブルとを有した回転移載装置を備えたこ
とを特徴としている。上記の構成によれば、移載ステー
ションを簡単な構成で実現することができるため、部品
や組み立てコストを低減することができると共に、故障
の少ない高い信頼性にすることができる。さらに、昇降
移載装置と回転移載装置とを組み合わせることによっ
て、設備レイアウトの設計の自由度を拡大することがで
きる。

【００３５】

【発明の実施の形態】〔実施形態１〕本発明の第１の実
施の形態を図１に基づいて以下に説明する。図１は、本
発明のタイヤ加硫設備の平面配置図である。この図１に
おいて、タイヤ加硫設備は、加硫ステーションＣ、移載
ステーションＤ、開閉ステーションＡおよび予備ステー
ションＢを有している。加硫ステーションＣは、タイヤ
金型組立体を載置する金型台２を複数台備えており、開
閉ステーションＡおよび予備ステーションＢは、同様の
金型台２をそれぞれ１台備えている。これらのステーシ
ョンＣ・Ａ・Ｂにおける各金型台２は、移載ステーショ
ンＤを中心とする同一円周（円弧）上に配置されてい
る。そして、開閉ステーションＡに搬入された未加硫タ
イヤは、開閉ステーションＡでタイヤ金型組立体１内に
装着される。開閉ステーションＡで型締めされたタイヤ
金型組立体１は、移載ステーションＤを経て空いている
加硫ステーションＣの金型台２に移される。加硫ステー
ションＣで一定時間経過して加硫終了間近になると、タ
イヤ金型組立体１は、移載ステーションＤを経て開閉ス
テーションＡに戻される。この頃になると加硫は丁度終
了する時間になるので型開きされ、取り出された加硫済
タイヤは、次の冷却工程等への搬出ラインに搬出され
る。

【００３６】加硫ステーションＣは、複数の金型台２を
移載ステーションＤから放射状に配置した形態で備えて
いる。各金型台２には、タイヤ金型組立体１を移載ステ
ーションＤに向けて案内するガイドレール３が設けられ
ている。ガイドレール３の上面には、フリーローラが設
けられており、フリーローラは、ガイドレール３の案内
方向にタイヤ金型組立体１を移動自在に支持する。

【００３７】また、各金型台２には、タイヤ金型組立体
１のタイヤ内部に加熱・加圧媒体（加硫／加熱媒体）を
供給する図示しない内圧供給装置（配管）と、タイヤ金
型外周部に加熱媒体（加硫／加熱媒体）を供給する図示
しない外圧供給装置（配管）とが設けられている。そし
て、内圧供給装置は、金型台２上の所定の位置でタイヤ
金型組立体１に連結され、タイヤ内部に加熱・加圧媒体
を供給することによって、開閉ステーションＡにおける
型締めシェーピング時に一時的にタイヤ内部に封入され
た加熱・加圧媒体と入れ替えるようになっている。これ
により、本実施形態では、後述の移載ステーションＤの
速やかな回転によって開閉ステーションＡから加硫ステ
ーションＣまで速やかにタイヤ金型組立体１が移動する
ので、一時的に封入された加熱・加圧媒体が極めて短時
間で交換されることから、タイヤ品質管理上からも好ま
しいものとなっている。

【００３８】尚、加硫ステーションＣにおける金型台２
の台数は、図１において６台であるが、これに限定され
ることはなく、放射状に配設されていれば何台でもよ
い。

【００３９】移載ステーションＤは、上述の加硫ステー
ションＣと同様に、タイヤ金型組立体１を案内するガイ
ドレール３を有していると共に、ガイドレール３上にタ
イヤ金型組立体１を引き込んだり押し戻したりするため
の金型移載アームおよびその駆動装置（図示せず）を有
している。上記のガイドレール３は、ターンテーブル５
上に設けられている。ターンテーブル５は、その下面に
設けられた旋回軸を中心とする円形の板であり、旋回軸
は、ベアリングに支持されている。床面には、ターンテ
ーブル外周部を支持する数組のローラに対応する円形の
レールが敷設されており、数組のローラは、そのレール
にガイドされながら回転し、ターンテーブル外周部を支
持する。ターンテーブルの回転駆動装置としては、モー
タなど従来から一般に用いられている回転手段を採用す
ることができ、旋回軸に連結される。

【００４０】開閉ステーションＡには、加硫ステーショ
ンＣの金型台２と同様の金型台２と、タイヤ金型組立体
１の開閉を行う開閉装置６と、未加硫タイヤを搬入ライ
ンからタイヤ金型組立体１に搬入するローダ７と、加硫
済タイヤをタイヤ金型組立体１から搬出ラインに搬出す
るアンローダ８とが付設されている。

【００４１】上記の開閉装置６は、金型台２の上方にお
いてタイヤ金型組立体１の上金型部を吊り下げて上下動
する上部可動板９と、上部可動板９を上下動自在に支持
およびガイドするフレーム１０と、下部中心機構（図示
せず）とを有している。下部中心機構は、金型台２の中
央にあって、金型台２上に載置されたタイヤ金型組立体
１の下金型部の中央に下側からブラダを操作する。フレ
ーム１０は、金型台２の側面に立設されており、上部可
動板９の中央には割金型操作シリンダが、外周には金型
連結装置がそれぞれ設けられ、フレーム１０には上部可
動板９を昇降させる昇降用シリンダ（図示せず）が設け
られている。

【００４２】開閉ステーションＡの一連の動作を説明す
る。 加硫終了間近いタイヤ金型組立体１は、加硫ステー
ションＣから移載ステーションＤに引き込み装置として
機能する金型移載アームにより移され、回転し、同じく
押し込み装置として機能する金型移載アームにより開閉
ステーションＡに移され、開閉装置６内に到達する。 タイヤ金型組立体１が停止し、上部可動板９が下降
して上部可動板９の金型連結装置と割金型操作装置がタ
イヤ金型組立体１の上金型部に連結され、加硫終了後、
上部可動板９の上昇とともに、上金型部が開く。 下金型部上に残された加硫済タイヤは、下部中心機
構によって下金型部から剥がされる。 アンローダ８が下金型部上に移動してきて加硫済タ
イヤのビード部を爪にて把持し、搬出ラインに搬出す
る。 一方、未加硫タイヤが搬入ラインより搬入されてお
り、ローダ７で把持し、開状態のタイヤ金型組立体の下
金型部上に載置する。 下部中心機構が作動して、ブラダが未加硫タイヤ内
へ挿入される。金型閉工程中にシェーピングが行われ、
上下金型部が閉じられたあと、加圧され、タイヤ内方に
加熱加圧媒体が導入され、封入される。 上下金型部が閉じられると、ブラダが金型内に残さ
れた状態で下部中心機構は下方に、上可動板９は上方に
それぞれ退避する。 タイヤ金型組立体１は移載ステーションＤを経て空
いている加硫ステーションＣに運ばれる。

【００４３】予備ステーションＢは、加硫ステーション
Ｃの金型台２と同様の金型台２に、開閉ステーションＡ
と同様の開閉装置６を付設してなるものであり、加硫の
他に、金型２の開閉を行うことができる。尚、開閉装置
６のみを設けて加硫を行わないようにしてもよい。予備
ステーションＢは、開閉ステーションＡのトラブル時の
退避場所として利用されるほか、金型交換ステーション
として利用することもできる。その場合、予備ステーシ
ョンＢの脇には、金型交換／メンテナンス台１１が付設
される。

【００４４】開閉ステーションＡのトラブル時には、 加硫終了間近いタイヤ金型組立体１は、移載ステー
ションＤから予備ステーションＢに移載される。 予備ステーションＢで、タイヤ金型組立体１の上金
型部を開き、加硫済タイヤを取り出す。その後、タイヤ
金型組立体１の上金型部を閉め、移載ステーションＤを
経て加硫ステーションＣにタイヤ金型組立体１を移し、
金型組立体１が冷えないように加熱し、温度を維持コン
トロールする。 開閉ステーションＡが修復されるまで、前記、
の工程を繰り返した後、開閉ステーションが再起動され
ると通常の運転に戻る。このように、予備ステーション
Ｂを設けることにより、開閉ステーションＡでトラブル
が発生しても、加硫ステーションＣでオーバーキュアさ
せることなく、予備ステーションＢで加硫済タイヤを取
り出すことができる。したがって、オーバーキュアによ
る不良品が生じない。

【００４５】また、金型交換時には、開閉ステーション
Ａと加硫ステーションＣとがタイヤ金型組立体１を受け
渡しする通常のタイヤ製造工程が行われている間に、予
備ステーションＢと加硫ステーションＣが金型交換され
たタイヤ金型組立体１の受け渡しを行うことができるの
で、加硫を中断させる必要がなく、時間の有効利用が図
れ、生産計画に影響が生じない。尚、金型交換時には、
その金型（タイヤ金型組立体１）に応じてブラダも交換
されることはいうまでもない。

【００４６】以上のように、本実施形態のタイヤ加硫設
備は、閉状態で移動可能なタイヤ金型組立体１を載置
し、載置したタイヤ金型組立体１に対して加硫／加熱媒
体を給排する配管を備えた金型台２を同一円周上に複数
台配置してなる加硫ステーションＣと、同一円周上に配
置された金型台２と、金型台２に載置されたタイヤ金型
組立体１の開閉を行う開閉装置６と、タイヤ金型組立体
１に対して加硫済タイヤの搬出を行うアンローダ８（搬
出装置）と、タイヤ金型組立体１に対して未加硫タイヤ
の搬入を行うローダ７（搬入装置）とを有すると共に、
加硫済タイヤの次工程への搬出ラインと未加硫タイヤの
搬入ラインとに連絡された開閉ステーションＡと、同一
円周の中心に配置され、回転動作により同一円周上にお
ける加硫ステーションＣの金型台２と開閉ステーション
Ａの金型台２との間でタイヤ金型組立体１の移し替えを
行う移載ステーションＤとを備えた構成にされている。

【００４７】上記の構成によれば、移載ステーションＤ
は、加硫ステーションＣおよび開閉ステーションＡ間に
おけるタイヤ金型組立体１の移し替えを行う機能を備え
ている。一方、従来においては、開閉ステーションＡが
上記の機能を備え、開閉ステーションＡ自体が加硫ステ
ーションＣに対して移動して移し替えを行っている（図
７参照）。これにより、移載ステーションＤは、従来の
開閉ステーションＡから一部を抜き出して構成したもの
と同一視することができるため、従来の全機能を持った
開閉ステーションＡと比較して大幅に軽量化することが
できると共に、背を低くして低重心にすることができ
る。

【００４８】従って、移載ステーションＤを軽量化に対
応した小さな強度および駆動力を発生する機構で構成す
ることができるため、結果として移載ステーションＤを
小型化およびコストダウンすることができる。さらに、
移載ステーションＤの背を低くして低重心にすると、回
転運動の移動時における転倒や振動の危険性が低減する
ため、移動スピードの高速化が可能になり、移載ステー
ションＤが目的のタイヤ金型組立体１に移動するまでの
遊び時間を短縮することができると共に、タイヤ金型組
立体１を積み込んでから開閉ステーションＡ等へ運搬す
る際の運搬時間を短縮することができるため、生産のサ
イクルタイムの短時間化を実現することができる。

【００４９】また、移載ステーションＤの回転動作によ
り、開閉ステーションＡおよび加硫ステーションＣ間に
おけるタイヤ金型組立体１の移し替えを行うようになっ
ているため、開閉ステーションＡの金型台２を同一円周
上に固定しておくことができる。従って、開閉ステーシ
ョンＡの各機構に接続される配線や配管を従来の移動を
前提とした引き回しで取り付ける必要がないため、開閉
ステーションＡを簡単な構成にすることができる。ま
た、移載ステーションＤにおいては、配線や配管の数量
がタイヤ金型組立体１の移し替えに必要な最小限の機構
に対応したものに抑制されるため、これら配線等の引き
回しに伴う複雑化が僅かなものとなる。これにより、タ
イヤ加硫設備全体としては、配線等の引き回しによる複
雑化を十分に低減することができる。

【００５０】さらに、加硫済タイヤの搬出および未加硫
タイヤの搬入が一か所の開閉ステーションＡにおいて行
われるため、搬出ラインおよび搬入ラインの物流装置の
簡素化、設備全体の小型化、および両ラインに対する搬
入動作および搬出動作の円滑化を実現することができ
る。

【００５１】また、本実施形態におけるタイヤ加硫設備
は、さらに、同一円周上に配置された金型台２と、金型
台２に載置されたタイヤ金型組立体１の開閉を行う開閉
装置６とを有した予備ステーションＢを備えており、移
載ステーションＤは、予備ステーションＢの金型台２と
加硫ステーションＣの金型台２との間でもタイヤ金型組
立体１の移し替えを行うように構成されている。

【００５２】上記の構成によれば、開閉ステーションＡ
がトラブルで停止しても、設備全体の流れをストップさ
せることなく、予備ステーションＢで加硫済タイヤの取
り出し等を行うことができるため、オーバーキュアで製
品が不良品または廃品となるようなことはない。

【００５３】尚、この予備ステーションＢに金型交換ラ
インを連結することによって、金型交換ステーションと
して用いることもできる。この場合、金型交換ステーシ
ョンにおいて金型を交換しながら、一方で、タイヤ製造
工程を中断させないように、開閉ステーションＡと加硫
ステーションＣとの間の移載工程や加硫ステーションＣ
での加硫工程を続行させることができるため、金型交換
作業を効率良く行うことができる。

【００５４】また、本実施形態における移載ステーショ
ンＤは、タイヤ金型組立体１を授受する金型移載アーム
（授受機構）と、金型移載アームによるタイヤ金型組立
体１の案内方向を同一円周上の任意の金型台２方向に設
定するように回転可能なターンテーブル５とを備えた構
成にされている。これにより、移載ステーションＤを簡
単な構成で実現することができるため、部品や組み立て
コストを低減することができると共に、故障の少ない信
頼性の高いものにすることができる。また、移載ステー
ションＤの重心を低くして回転スピードを速くすること
もできる。尚、移載ステーションＤには、本実施形態の
ようにガイドレール３上のタイヤ金型組立体１を金型移
載アーム等の別途のアクチュエータにより押し引きして
移し替える方式の他、移動台車にタイヤ金型組立体１を
載置しながら移し替える方式等の公知の各種の方式を採
用することができる。

【００５５】尚、本実施形態においては、同一円周上に
複数台の金型台２を配置することにより加硫ステーショ
ンＣを構成し、加硫ステーションＣと開閉ステーション
Ａとのタイヤ金型組立体１の受渡しを移載ステーション
Ｄの回転動作により行うようになっているが、これに限
定されることはない。即ち、後述の実施形態３の図４に
示すように、上下方向に複数段の載置部を有した収納棚
を金型台２に代えて配置することによって、複数台の収
納棚を垂直方向に配置した加硫ステーションＣとし、各
収納棚の任意の段の載置部と開閉ステーションＡとのタ
イヤ金型組立体１の受渡しを移載ステーションＤの回転
動作と昇降動作とで行うようにしても良い。そして、こ
の場合には、移載ステーションＤの軽量化および簡単化
による効果を維持しながら、タイヤ金型組立体１を立体
的に収納して加硫を行うことができるため、より一層建
屋内を有効に利用することができる。

【００５６】〔実施形態２〕本発明の第２の実施の形態
を図２に基づいて以下に説明する。尚、実施形態１と同
一の部材には、同一の符号を付記してその説明を省略す
る。

【００５７】図２は、本発明のタイヤ加硫設備の平面配
置図である。この図２において、タイヤ加硫設備は、図
１のタイヤ加硫設備２１、２２を２つ並べて配置し、ガ
イドレール２３の跨設によってタイヤ金型組立体１が双
方の設備間を行き来することができるように構成されて
いる。

【００５８】即ち、タイヤ加硫設備は、移載ステーショ
ンＤを中心として各ステーションＡ〜Ｃを配置した同一
円周に対応するステーション群（開閉ステーションＡ、
予備ステーションＢ、加硫ステーションＣ、移載ステー
ションＤ）を２つ並設し、これら同一円周のステーショ
ン群同士をタイヤ金型組立体１の行き来を可能にするガ
イドレール２３を介して連絡した構成にされている。そ
の他の構成は、実施形態１と同一である。尚、ステーシ
ョン群とは、開閉ステーションＡ、加硫ステーションＣ
および移載ステーションＤを含み、必要に応じて予備ス
テーションＢを含んだ構成を意味している。また、タイ
ヤ加硫設備は、３つ以上のステーション群を並設した構
成であっても良い。

【００５９】上記の構成によれば、一つの同一円周のス
テーション群における開閉ステーションＡがトラブルで
停止したときに、他の同一円周のステーション群にタイ
ヤ金型組立体１をガイドレール２３を介して搬送するこ
とができるため、設備全体の流れをストップすることな
く加硫済タイヤの取り出し等を行うことができる。さら
に、各同一円周の開閉ステーションＡを他の同一円周の
ステーション群の予備ステーションＢとして用いること
もできる。これにより、予備ステーションＢをそれぞれ
のステーション群に設けなくても、開閉ステーションＡ
のうちの何れか一方にタイヤ金型組立体１を搬送してト
ラブルを回避することができる。

【００６０】〔実施形態３〕本発明の第３の実施の形態
を図３および図４に基づいて以下に説明する。尚、実施
形態１と同一の部材には、同一の符号を付記してその説
明を省略する。

【００６１】本実施形態のタイヤ加硫設備は、図３に示
すように、前後方向（図中上下方向）に連結された２基
の移載ステーションＤ’と、これら移載ステーション
Ｄ’の連結方向の一端側および他端側にそれぞれ配置さ
れた開閉ステーションＡおよび予備ステーションＢと、
各移載ステーションＤ’を中心として左右対称に配置さ
れた加硫ステーションＣ’とを有している。

【００６２】上記の加硫ステーションＣ’は、図４に示
すように、収納棚３１を備えている。収納棚３１は、閉
状態で移動可能なタイヤ金型組立体１を載置し、載置し
たタイヤ金型組立体１に対して加硫／加熱媒体を給排す
る図示しない配管を備えた載置部３１ａを上下方向に３
段有している。

【００６３】上記の加硫ステーションＣ’には、上述の
ように移載ステーションＤ’が隣接されている。移載ス
テーションＤ’は、収納棚３１の任意の段の載置部３１
ａに対してタイヤ金型組立体１を移し替える昇降移載装
置３２を有している。昇降移載装置３２は、収納棚３１
に沿って設けられた支持フレーム３３と、支持フレーム
３３内に昇降自在に設けられ、タイヤ金型組立体１を載
置する昇降架台３４と、支持フレーム３３の上面に設け
られ、昇降架台３４をチェーン３５を介して昇降可能に
懸吊する昇降駆動装置３６とを有している。また、昇降
架台３４には、第１授受機構が設けられている。そし
て、第１授受機構は、タイヤ金型組立体１を授受すると
共に、タイヤ金型組立体１の案内方向を前後左右の四方
向に切替え可能にすることによって、隣接するステーシ
ョンＡ・Ｂ・Ｃ’・Ｄ’の任意の載置部方向に案内方向
を切替え可能になっている。尚、第１授受機構として
は、実施形態１のように、ガイドレール上のタイヤ金型
組立体１を金型移載アーム等の別途のアクチュエータに
より押し引きして移し替える方式の他、移動台車にタイ
ヤ金型組立体１を載置しながら移し替える方式等の公知
の各種の方式を採用することができる。また、上記の昇
降移載装置３２には、上述のチェーン３５および昇降駆
動装置３６により昇降架台３４を昇降させるエレベータ
方式の他、液体圧（油圧）シリンダ等を垂直またはクロ
スに組み合わせて昇降架台３４を昇降させるリフター方
式を採用することができる。

【００６４】上記の移載ステーションＤ’には、図３に
示すように、開閉ステーションＡまたは予備ステーショ
ンＢが隣接されている。これらの両ステーションＡ・Ｂ
は、収納棚３１の最下段（１段目）に対応した高さ位置
に設定され、タイヤ金型組立体１を載置する図示しない
金型台からなる載置部と、載置部に載置されたタイヤ金
型組立体１の開閉を行う開閉装置６とを有している。さ
らに、開閉ステーションＡは、タイヤ金型組立体１に対
して未加硫タイヤ３９の搬入を行うローダ７（搬入装
置）と、タイヤ金型組立体１に対して加硫済タイヤ４０
の搬出を行うアンローダ８（搬出装置）とを有してお
り、未加硫タイヤ３９の搬入ライン３７と加硫済タイヤ
４０の次工程への搬出ライン３８とに連絡されている。
その他の構成は、実施形態１と同一である。

【００６５】上記の構成において、タイヤ加硫設備の動
作について説明する。図３に示すように、開閉ステーシ
ョンＡにおいて、開閉装置６により型開きされたタイヤ
金型組立体１が空の状態であることが確認されると、ロ
ーダ７が搬入ライン３７方向に旋回され、搬入ライン３
７の待機位置に搬送されていた未加硫タイヤ３９がロー
ダ７により把持される。この後、未加硫タイヤ３９がロ
ーダ７により把持されながらローダ７の逆方向の旋回に
よりタイヤ金型組立体１に運搬されて装着される。そし
て、開閉装置６の上部可動板９が下降されることによっ
て、タイヤ金型組立体１が未加硫タイヤ３９を収容した
状態で型締めされる。

【００６６】また、上記のようにしてタイヤ金型組立体
１における未加硫タイヤ３９の装着および型締めが行わ
れている間、開閉ステーションＡに近い一方側（図中下
側）の移載ステーションＤ’においては、図４の昇降駆
動装置３６が駆動され、昇降架台３４が最下段の高さ位
置まで下降されることによって、昇降架台３４が開閉装
置６の図示しない金型台（載置部）と同一の高さ位置に
設定される。そして、上述のようにしてタイヤ金型組立
体１が型締めされると、昇降架台３４に設けられた第１
授受機構が開閉装置６のタイヤ金型組立体１を昇降架台
３４方向に引き込むことによって、タイヤ金型組立体１
が一方側の移載ステーションＤ’の昇降架台３４上に移
動される。

【００６７】次に、各加硫ステーションＣ’において、
タイヤ金型組立体１を収納していない載置部３１ａが検
出され、この未収納の載置部３１ａが存在する加硫ステ
ーションＣ’および段数が特定される。特定された加硫
ステーションＣ’が一方側の移載ステーションＤ’の左
右方向に隣接している場合には、図４に示すように、特
定された載置部３１ａの段数の高さ位置となるように昇
降架台３４が昇降された後、図示しない第１授受機構に
よりタイヤ金型組立体１が昇降架台３４から引き出され
て加硫ステーションＣ’の載置部３１ａに移載される。
一方、特定された加硫ステーションＣ’が一方側の移載
ステーションＤ’の左右方向に隣接していない場合に
は、一方側の移載ステーションＤ’の昇降架台３４から
他方側（図中上側）の移載ステーションＤ’の昇降架台
３４にタイヤ金型組立体１が移し替えられた後、上述と
同様の動作によって、特定された載置部３１ａにタイヤ
金型組立体１が移載される。そして、載置部３１ａに移
載されたタイヤ金型組立体１に加硫／加熱媒体が供給さ
れ、未加硫タイヤ３９の加硫成形が継続して行われる。

【００６８】この後、加硫終了間近の時間になると、図
３に示すように、上述とは逆の動作によって、加硫ステ
ーションＣ’の載置部３１ａから移載ステーションＤ’
の昇降架台３４にタイヤ金型組立体１が移載された後、
移載ステーションＤ’の昇降架台３４から開閉ステーシ
ョンＡの図示しない金型台に移載される。この後、開閉
ステーションＡの開閉装置６によりタイヤ金型組立体１
が型開きされ、加硫済タイヤ４０がアンローダ８により
取り出されて搬出ライン３８に移載される。また、開閉
ステーションＡのトラブル時においては、他方側の移載
ステーションＤ’を介して予備ステーションＢにタイヤ
金型組立体１が移載され、加硫済タイヤ４０が取り出さ
れる。尚、開閉ステーションＡおよび予備ステーション
Ｂの動作は、実施形態１と同一であるので、その説明を
省略する。

【００６９】以上のように、本実施形態のタイヤ加硫設
備は、閉状態で移動可能なタイヤ金型組立体１を載置
し、載置したタイヤ金型組立体１に対して加硫／加熱媒
体を給排する配管を備えた載置部３１ａを上下方向に３
段有した収納棚３１を備えてなる加硫ステーションＣ’
と、タイヤ金型組立体１を載置する図示しない金型台か
らなる載置部と、載置部に載置されたタイヤ金型組立体
１の開閉を行う開閉装置６と、タイヤ金型組立体１に対
して加硫済タイヤ４０の搬出を行うアンローダ８（搬出
装置）と、タイヤ金型組立体１に対して未加硫タイヤ３
９の搬入を行うローダ７（搬入装置）とを有し、加硫済
タイヤ４０の次工程への搬出ライン３８と未加硫タイヤ
３９の搬入ライン３７とに連絡された開閉ステーション
Ａと、加硫ステーションＣ’の収納棚３１に沿った昇降
動作により、収納棚３１の任意の段の載置部と開閉ステ
ーションＡの載置部との間でタイヤ金型組立体１の移し
替えを行う移載ステーションＤ’とを備えた構成にされ
ている。

【００７０】尚、本実施形態においては、収納棚３１に
おける載置部３１ａの段数が３段に設定されているが、
これに限定されることはなく、任意の段数を設定するこ
とができる。また、本実施形態においては、移載ステー
ションＤ’を中心として左右対称に加硫ステーション
Ｃ’を配置しているが、移載ステーションＤ’の左右方
向の何れか一方のみに加硫ステーションＣ’が配置され
ていても良い。さらに、移載ステーションＤ’の四方向
の内の三方向に加硫ステーションＣ’が配置されていて
も良い。

【００７１】さらに、本実施形態においては、２基の移
載ステーションＤ’を前後方向に連結した構成にされて
いるが、これに限定にされることもなく、生産能力や設
備レイアウトに応じて３基以上の移載ステーションＤ’
を前後方向および左右方向に連結した構成にされていて
も良い。そして、この場合においても、隣接する移載ス
テーションＤ’・Ｄ’同士でタイヤ金型組立体１を受渡
しながら開閉ステーションＡや予備ステーションＢまで
搬送することができる。また、移載ステーションＤ’を
前後方向に移動可能な構造とし、一基の移載ステーショ
ンで構成しても良い。

【００７２】上記の構成によれば、実施形態１の場合と
同様に、従来の開閉ステーション自体が移動する場合よ
りも、移載ステーションＤ’を大幅に軽量化することが
できるため、移載ステーションＤ’を小型化およびコス
トダウンすることができる。また、移載ステーション
Ｄ’における配線や配管の数量がタイヤ金型組立体１の
移し替えに必要な最小限の機構に対応したものに抑制さ
れるため、これら配線等の引き回しに伴う複雑化が僅か
なものとなる。また、移載ステーションＤ’により開閉
ステーションＡを固定しておくことができるため、開閉
ステーションＡにおける配線等の引き回しに伴う複雑化
も僅かなものとなる。

【００７３】さらに、移載ステーションＤ’は、昇降動
作により移し替えを行うため、従来のように重量物を進
退移動させて移し替えを行う場合よりも転倒や振動の危
険性が大幅に低減する。従って、昇降動作の高速化が可
能であるため、移載ステーションＤ’が目的のタイヤ金
型組立体１に移動するまでの遊び時間を短縮することが
できると共に、タイヤ金型組立体１を積み込んでから開
閉ステーションＡへ運搬する際の運搬時間を短縮するこ
とができ、結果として生産のサイクルタイムの短時間化
を実現することができる。

【００７４】〔実施形態４〕本発明の第４の実施の形態
を図５および図６に基づいて以下に説明する。尚、実施
形態３と同一の部材には、同一の符号を付記してその説
明を省略する。

【００７５】本実施形態のタイヤ加硫設備は、図５に示
すように、昇降移載装置３２と回転移載装置４１とで構
成された移載ステーションＤ’を２基備えている。両移
載ステーションＤ’は、回転移載装置４１を中心として
左右対称に昇降移載装置３２を配置することによって、
１台の回転移載装置４１を共用している。各移載ステー
ションＤ’の昇降移載装置３２の前後方向には、図６に
も示すように、加硫ステーションＣ’が配置されてお
り、回転移載装置４１の前後方向には、開閉ステーショ
ンＡおよび予備ステーションＢがそれぞれ配置されてい
る。

【００７６】上記の回転移載装置４１は、タイヤ金型組
立体１の案内方向を設定するガイドレール４２と、ガイ
ドレール４２上のタイヤ金型組立体１を押し引きして移
し替える金型移載アームとを備えた第２授受機構を有し
ている。尚、第２授受機構としては、移動台車にタイヤ
金型組立体１を載置しながら移し替える方式等の公知の
各種の方式を採用することができる。

【００７７】上記のガイドレール４２は、収納棚３１の
最下段の高さ位置に設定されており、タイヤ金型組立体
１を載置する載置部としても機能している。そして、ガ
イドレール４２は、ターンテーブル４３に設けられてお
り、ターンテーブル４３は、案内方向を任意の載置部方
向に設定するように回転可能にされている。その他の構
成は、実施形態３と同一である。

【００７８】上記の構成において、タイヤ加硫設備の動
作について説明する。開閉ステーションＡにおいて、開
閉装置６により型開きされたタイヤ金型組立体１が空の
状態であることが確認されると、ローダ７が搬入ライン
３７方向に旋回され、搬入ライン３７の待機位置に搬送
されていた未加硫タイヤ３９がローダ７により把持され
る。この後、未加硫タイヤ３９がローダ７により把持さ
れながらローダ７の逆方向の旋回によりタイヤ金型組立
体１に運搬されて装着される。そして、開閉装置６の上
部可動板９が下降されることによって、タイヤ金型組立
体１が未加硫タイヤ３９を収容した状態で型締めされ
る。

【００７９】また、上記のようにしてタイヤ金型組立体
１における未加硫タイヤ３９の装着および型締めが行わ
れている間、移載ステーションＤ’の回転移載装置４１
においては、ターンテーブル４３が回転されることによ
って、ガイドレール４２による案内方向が開閉ステーシ
ョンＡ方向に設定される。そして、図示しない第２授受
機構により開閉装置６のタイヤ金型組立体１がガイドレ
ール４２方向に引き込まれた後、ターンテーブル４３が
９０°回転されることによって、ガイドレール４２によ
るタイヤ金型組立体１の案内方向が昇降移載装置３２方
向に設定される。

【００８０】そして、昇降移載装置３２において、昇降
架台３４が最下段の高さ位置まで下降されることにより
ガイドレール４２と同一の高さ位置に設定されると、昇
降架台３４に設けられた図示しない第１授受機構により
タイヤ金型組立体１が昇降架台３４方向に引き込まれ
る。この後、図６に示すように、未収納の載置部３１ａ
の段数の高さ位置となるように昇降架台３４が昇降され
た後、第１授受機構によりタイヤ金型組立体１が昇降架
台３４から引き出されて加硫ステーションＣ’の載置部
３１ａに移載される。そして、載置部３１ａに移載され
たタイヤ金型組立体１に加硫／加熱媒体が供給され、未
加硫タイヤ３９の加硫成形が行われる。

【００８１】次に、加硫終了間近になると、図５に示す
ように、上述とは逆の動作によって、加硫ステーション
Ｃ’の載置部３１ａから移載ステーションＤ’の昇降移
載装置３２にタイヤ金型組立体１が移載された後、回転
移載装置４１を介して開閉ステーションＡの図示しない
金型台に移載される。この後、開閉ステーションＡの開
閉装置６によりタイヤ金型組立体１が型開きされ、加硫
済タイヤ４０がアンローダ８により取り出されて搬出ラ
イン３８に移載される。また、開閉ステーションＡのト
ラブル時においては、回転移載装置４１を介して予備ス
テーションＢにタイヤ金型組立体１が移載され、加硫済
タイヤ４０が取り出される。尚、開閉ステーションＡお
よび予備ステーションＢの動作は、実施形態１と同一で
あるので、その説明を省略する。

【００８２】以上のように、本実施形態のタイヤ加硫設
備は、実施形態３の構成と同等の作用効果を奏している
と共に、移載ステーションＤ’が昇降移載装置３２と回
転移載装置４１とで構成されているため、昇降移載装置
３２と回転移載装置４１とを組み合わせることによっ
て、設備レイアウトの設計の自由度を一層拡大すること
が可能になっている。

【００８３】

【発明の効果】請求項１の発明にかかるタイヤ加硫設備
は、閉状態で移動可能なタイヤ金型組立体を載置し、載
置したタイヤ金型組立体に対して加硫／加熱媒体を給排
する配管を備えた金型台を同一円周上に複数台配置して
なる加硫ステーションと、前記同一円周上に配置された
金型台と、該金型台に載置されたタイヤ金型組立体の開
閉を行う開閉装置と、該タイヤ金型組立体に対して加硫
済タイヤの搬出を行う搬出装置と、該タイヤ金型組立体
に対して未加硫タイヤの搬入を行う搬入装置とを有する
と共に、加硫済タイヤの次工程への搬出ラインと未加硫
タイヤの搬入ラインとに連絡された開閉ステーション
と、前記同一円周の中心に配置され、回転動作により該
同一円周上における前記加硫ステーションの金型台と前
記開閉ステーションの金型台との間でタイヤ金型組立体
の移し替えを行う移載ステーションとを備えている構成
である。

【００８４】上記の構成によれば、移載ステーション
は、従来の開閉ステーションから一部を抜き出して構成
したものと同一視することができるため、従来の全機能
を持った開閉ステーションと比較して大幅に軽量化する
ことができると共に、背を低くして低重心にすることが
できる。従って、移載ステーションを軽量化に対応した
小さな強度および駆動力を発生する機構で構成すること
ができるため、結果として移載ステーションを小型化お
よびコストダウンすることができる。さらに、移載ステ
ーションの背を低くして低重心にすると、回転運動の移
動時における転倒や振動の危険性が低減するため、移動
スピードの高速化が可能になり、移載ステーションが目
的のタイヤ金型組立体に移動するまでの遊び時間を短縮
することができると共に、タイヤ金型組立体を積み込ん
でから他の場所へ運搬する際の運搬時間を短縮すること
ができることから、生産のサイクルタイムの短時間化を
実現することができる。

【００８５】また、移載ステーションの回転動作によ
り、開閉ステーションおよび加硫ステーション間におけ
るタイヤ金型組立体の移し替えを行うようになっている
ため、開閉ステーションおよび加硫ステーションを同一
円周上に固定しておくことができる。従って、開閉ステ
ーションの各機構に接続される配線や配管を従来の移動
を前提とした引き回しで取り付ける必要がないため、開
閉ステーションを簡単な構成にすることができる。ま
た、移載ステーションにおいては、配線や配管の数量が
タイヤ金型組立体の移し替えに必要な最小限の機構に対
応したものに抑制されるため、これら配線等の引き回し
に伴う複雑化が僅かなものになる。これにより、タイヤ
加硫設備全体として配線等の引き回しによる複雑化を十
分に低減することができる。

【００８６】さらに、加硫済タイヤの搬出および未加硫
タイヤの搬入が一か所の開閉ステーションにおいて行わ
れるため、搬出ラインおよび搬入ラインの物流装置を簡
素化することができると共に、両ラインに対する連絡を
円滑化することができるという効果を奏する。

【００８７】請求項２の発明は、請求項１記載のタイヤ
加硫設備であって、さらに、前記同一円周上に配置され
た金型台と、該金型台に載置されたタイヤ金型組立体の
開閉を行う開閉装置とを有した予備ステーションを備え
ており、前記移載ステーションは、該予備ステーション
の金型台と前記加硫ステーションの金型台との間でもタ
イヤ金型組立体の移し替えを行う構成である。上記の構
成によれば、開閉ステーションがトラブルで停止して
も、設備全体の流れをストップさせることなく、予備ス
テーションで加硫済タイヤの取り出し等を行うことがで
き、オーバーキュアで製品が不良品または廃品となるよ
うなことはないという効果を奏する。

【００８８】請求項３の発明は、請求項１または２記載
のタイヤ加硫設備であって、前記同一円周に対応したス
テーション群が２以上並設されており、これら同一円周
のステーション群同士が、タイヤ金型組立体を行き来可
能にするガイドレールを介して連絡されている構成であ
る。上記の構成によれば、一つの同一円周のステーショ
ン群における開閉ステーションがトラブルで停止したと
きに、他の同一円周におけるステーション群にタイヤ金
型組立体をガイドレールを介して搬送することができる
ため、設備全体の流れをストップすることなく加硫済タ
イヤの取り出し等を行うことができる。さらに、各同一
円周の開閉ステーションを他の同一円周のステーション
群の予備ステーションとして用いることもできるという
効果を奏する。

【００８９】請求項４の発明は、請求項１ないし３の何
れか１項に記載のタイヤ加硫設備であって、前記移載ス
テーションは、前記タイヤ金型組立体を授受する授受機
構と、前記授受機構による前記タイヤ金型組立体の案内
方向を前記同一円周上の任意の金型台方向に設定するよ
うに回転可能なターンテーブルとを備えている構成であ
る。上記の構成によれば、移載ステーションを簡単な構
成で実現することができるため、部品や組み立てコスト
を低減することができると共に、故障の少ない信頼性の
高いものにできる。また、移載ステーションの重心を低
くして回転スピードを速くすることもできるという効果
を奏する。

【００９０】請求項５の発明にかかるタイヤ加硫設備
は、閉状態で移動可能なタイヤ金型組立体を載置し、載
置したタイヤ金型組立体に対して加硫／加熱媒体を給排
する配管を備えた載置部を上下方向に複数段有した収納
棚を備えてなる加硫ステーションと、前記タイヤ金型組
立体を載置する載置部と、該載置部に載置されたタイヤ
金型組立体の開閉を行う開閉装置と、該タイヤ金型組立
体に対して加硫済タイヤの搬出を行う搬出装置と、該タ
イヤ金型組立体に対して未加硫タイヤの搬入を行う搬入
装置とを有し、加硫済タイヤの次工程への搬出ラインと
未加硫タイヤの搬入ラインとに連絡された開閉ステーシ
ョンと、前記加硫ステーションの収納棚に沿った昇降動
作により、該収納棚の任意の段の載置部と前記開閉ステ
ーションの載置部との間でタイヤ金型組立体の移し替え
を行う移載ステーションとを備えている構成である。

【００９１】上記の構成によれば、請求項１の発明と同
様に、移載ステーションが従来の全機能を持った開閉ス
テーションと比較して大幅に軽量化および簡単化した構
造になるため、タイヤ加硫設備をコストダウンすること
ができると共に、加硫済タイヤの搬出および未加硫タイ
ヤの搬入が一か所の開閉ステーションにおいて行われる
ため、搬出ラインおよび搬入ラインの物流装置を簡素化
し、両ラインに対する搬入動作および搬出動作を円滑化
することができるという効果を奏する。

【００９２】また、移載ステーションが昇降動作により
移し替えを行うため、従来のように重量物を進退移動さ
せて移し替えを行う場合よりも転倒や振動の危険性が大
幅に低減することから、昇降動作の高速化が可能とな
り、生産のサイクルタイムの短時間化を実現することが
できる。さらに、開閉ステーションを固定しておくこと
ができるため、従来のように開閉ステーションの移動用
スペースを確保しておく必要がなくなり、結果として建
屋内を有効に利用することができるという効果を奏す
る。

【００９３】請求項６の発明は、請求項５記載のタイヤ
加硫設備であって、さらに、前記タイヤ金型組立体を載
置する載置部と、該載置部に載置されたタイヤ金型組立
体の開閉を行う開閉装置とを有した予備ステーションを
備えており、前記移載ステーションは、前記予備ステー
ションの載置部と前記加硫ステーションの任意の段の載
置部との間でもタイヤ金型組立体の移し替えを行う構成
である。上記の構成によれば、開閉ステーションがトラ
ブルで停止しても、設備全体の流れをストップさせるこ
となく、予備ステーションで加硫済タイヤの取り出し等
を行うことができ、オーバーキュアで製品が不良品また
は廃品となるようなことはないという効果を奏する。

【００９４】請求項７の発明は、請求項６記載のタイヤ
加硫設備であって、前記予備ステーションは、さらに、
前記タイヤ金型組立体に対する加硫済タイヤの搬出を行
う搬出装置と、前記タイヤ金型組立体に対する未加硫タ
イヤの搬入を行う搬入装置とを有し、加硫済タイヤの次
工程への搬出ラインと未加硫タイヤの搬入ラインとに連
絡されている構成である。上記の構成によれば、予備ス
テーションと開閉ステーションとを同じように用いるこ
とができるため、搬送ラインおよび搬入ラインに対する
搬入動作および搬出動作をより一層円滑化することがで
きるという効果を奏する。

【００９５】請求項８の発明は、請求項５ないし７の何
れか１項に記載のタイヤ加硫設備であって、前記移載ス
テーションは、前記タイヤ金型組立体を授受すると共
に、該タイヤ金型組立体の案内方向を任意の載置部方向
に切替可能な第１授受機構と、前記第１授受機構により
受け取ったタイヤ金型組立体を載置する載置部と、前記
第１授受機構および前記載置部を前記収納棚に沿って昇
降させる昇降機構とを有した昇降移載装置を備えた構成
である。上記の構成によれば、移載ステーションを簡単
な構成で実現することができるため、部品や組み立てコ
ストを低減することができると共に、故障の少ない高い
信頼性にすることができるという効果を奏する。

【００９６】請求項９の発明は、請求項８記載のタイヤ
加硫設備であって、前記移載ステーションは、さらに、
前記タイヤ金型組立体を授受する第２授受機構と、該第
２授受機構により受け取ったタイヤ金型組立体を載置す
る載置部と、前記第２授受機構によるタイヤ金型組立体
の案内方向を任意の載置部方向に設定するように回転可
能なターンテーブルとを有した回転移載装置を備えた構
成である。上記の構成によれば、移載ステーションを簡
単な構成で実現することができるため、部品や組み立て
コストを低減することができると共に、故障の少ない信
頼性を高いものにできる。さらに、昇降移載装置と回転
移載装置とを組み合わせることによって、設備レイアウ
トの設計の自由度を拡大することができるという効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】タイヤ加硫設備の実施形態１の平面配置図であ
る。

【図２】タイヤ加硫設備の実施形態２の平面配置図であ
る。

【図３】タイヤ加硫設備の実施形態３の平面配置図であ
る。

【図４】図３におけるタイヤ加硫設備のＸ−Ｘ線矢視側
面図である。

【図５】タイヤ加硫設備の実施形態４の平面配置図であ
る。

【図６】図５におけるタイヤ加硫設備のＹ−Ｙ線矢視側
面図である。

【図７】従来のタイヤ加硫設備の平面配置図である。

【図８】従来のタイヤ加硫設備の平面配置図である。

【図９】従来のタイヤ加硫設備の正面配置図である。

【符号の説明】

１ タイヤ金型組立体 ２ 金型台 ５ ターンテーブル ６ 開閉装置 ７ ローダ ８ アンローダ ９ 上部可動板 １０ フレーム １１ 金型交換／メンテナンス台 ２３ ガイドレール ３１ 収納棚 ３１ａ 載置部 ３２ 昇降移載装置 ３３ 支持フレーム ３４ 昇降架台 ３５ チェーン ３６ 昇降駆動装置 ３７ 搬入ライン ３８ 搬出ライン ３９ 未加硫タイヤ ４０ 加硫済タイヤ ４１ 回転移載装置 ４２ ガイドレール ４３ ターンテーブル Ａ 開閉ステーション Ｂ 予備ステーション Ｃ 加硫ステーション Ｃ’ 加硫ステーション Ｄ 移載ステーション Ｄ’ 移載ステーション

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 閉状態で移動可能なタイヤ金型組立体を
   載置し、載置したタイヤ金型組立体に対して加硫／加熱
   媒体を給排する配管を備えた金型台を同一円周上に複数
   台配置してなる加硫ステーションと、 前記同一円周上に配置された金型台と、該金型台に載置
   されたタイヤ金型組立体の開閉を行う開閉装置と、該タ
   イヤ金型組立体に対して加硫済タイヤの搬出を行う搬出
   装置と、該タイヤ金型組立体に対して未加硫タイヤの搬
   入を行う搬入装置とを有すると共に、加硫済タイヤの次
   工程への搬出ラインと未加硫タイヤの搬入ラインとに連
   絡された開閉ステーションと、 前記同一円周の中心に配置され、回転動作により該同一
   円周上における前記加硫ステーションの金型台と前記開
   閉ステーションの金型台との間でタイヤ金型組立体の移
   し替えを行う移載ステーションとを備えていることを特
   徴とするタイヤ加硫設備。
2. 【請求項２】 さらに、前記同一円周上に配置された金
   型台と、該金型台に載置されたタイヤ金型組立体の開閉
   を行う開閉装置とを有した予備ステーションを備えてお
   り、 前記移載ステーションは、前記予備ステーションの金型
   台と前記加硫ステーションの金型台との間でもタイヤ金
   型組立体の移し替えを行うことを特徴とする請求項１記
   載のタイヤ加硫設備。
3. 【請求項３】 前記同一円周に対応したステーション群
   が２以上並設されており、これら同一円周のステーショ
   ン群同士が、タイヤ金型組立体を行き来可能にするガイ
   ドレールを介して連絡されていることを特徴とする請求
   項１または２記載のタイヤ加硫設備。
4. 【請求項４】 前記移載ステーションは、 前記タイヤ金型組立体を授受する授受機構と、 前記授受機構による前記タイヤ金型組立体の案内方向を
   前記同一円周上の任意の金型台方向に設定するように回
   転可能なターンテーブルとを備えていることを特徴とす
   る請求項１ないし３の何れか１項に記載のタイヤ加硫設
   備。
5. 【請求項５】 閉状態で移動可能なタイヤ金型組立体を
   載置し、載置したタイヤ金型組立体に対して加硫／加熱
   媒体を給排する配管を備えた載置部を上下方向に複数段
   有した収納棚を備えてなる加硫ステーションと、 前記タイヤ金型組立体を載置する載置部と、該載置部に
   載置されたタイヤ金型組立体の開閉を行う開閉装置と、
   該タイヤ金型組立体に対して加硫済タイヤの搬出を行う
   搬出装置と、該タイヤ金型組立体に対して未加硫タイヤ
   の搬入を行う搬入装置とを有し、加硫済タイヤの次工程
   への搬出ラインと未加硫タイヤの搬入ラインとに連絡さ
   れた開閉ステーションと、 前記加硫ステーションの収納棚に沿った昇降動作によ
   り、該収納棚の任意の段の載置部と前記開閉ステーショ
   ンの載置部との間でタイヤ金型組立体の移し替えを行う
   移載ステーションとを備えていることを特徴とするタイ
   ヤ加硫設備。
6. 【請求項６】 さらに、前記タイヤ金型組立体を載置す
   る載置部と、該載置部に載置されたタイヤ金型組立体の
   開閉を行う開閉装置とを有した予備ステーションを備え
   ており、 前記移載ステーションは、前記予備ステーションの載置
   部と前記加硫ステーションの任意の段の載置部との間で
   もタイヤ金型組立体の移し替えを行うことを特徴とする
   請求項５記載のタイヤ加硫設備。
7. 【請求項７】 前記予備ステーションは、さらに、 前記タイヤ金型組立体に対する加硫済タイヤの搬出を行
   う搬出装置と、前記タイヤ金型組立体に対する未加硫タ
   イヤの搬入を行う搬入装置とを有し、加硫済タイヤの次
   工程への搬出ラインと未加硫タイヤの搬入ラインとに連
   絡されていることを特徴とする請求項６記載のタイヤ加
   硫設備。
8. 【請求項８】 前記移載ステーションは、 前記タイヤ金型組立体を授受すると共に該タイヤ金型組
   立体の案内方向を任意の載置部方向に切替可能な第１授
   受機構と、前記第１授受機構により受け取ったタイヤ金
   型組立体を載置する載置部と、前記第１授受機構および
   前記載置部を前記収納棚に沿って昇降させる昇降機構と
   を有した昇降移載装置を備えていることを特徴とする請
   求項５ないし７の何れか１項に記載のタイヤ加硫設備。
9. 【請求項９】 前記移載ステーションは、さらに、 前記タイヤ金型組立体を授受する第２授受機構と、該第
   ２授受機構により受け取ったタイヤ金型組立体を載置す
   る載置部と、前記第２授受機構によるタイヤ金型組立体
   の案内方向を任意の載置部方向に設定するように回転可
   能なターンテーブルとを有した回転移載装置を備えてい
   ることを特徴とする請求項８記載のタイヤ加硫設備。