JP2001097845A - アコヤ貝由来の化粧料原料 - Google Patents

アコヤ貝由来の化粧料原料

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清資 上田
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啓二 高木
Masanori Mae
真紀 前
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 養殖場近海の環境改善を図ることができ、細
胞賦活作用に優れ、紫外線による皮膚のダメージ回復性
に優れる。 【解決手段】 アコヤ貝を抽出して得られるグリコーゲ
ンを成分とするアコヤ貝由来の化粧料原料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚の細胞を賦活
し、肌を生き生きさせ、紫外線による皮膚への悪影響を
緩和する化粧料に使用できるアコヤ貝由来の化粧料原料
に関する。
【0002】
【従来の技術】アコヤ貝は真珠養殖用として多量に生産
されているが、真珠養殖以外には利用されていない。こ
のため真珠養殖以外にアコヤ貝の用途が見つかれば、真
珠養殖業や関連の産業界にとっても有益である。一方、
皮膚の保湿性向上に有効な化粧料原料としてのグリコー
ゲンは、すでに知られている(特開昭62−17850
5号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、真珠を
摘出した後のアコヤ貝は、貝柱の真珠漬けや貝殻からの
Ca製剤の原料に使われる程度で、それ以外に有効に利
用されておらず、また、貝柱や貝殻以外の部分は、廃棄
物として養殖場近海に捨てられ、養殖場における自家汚
染の原因の一つにもなっているという問題がある。ま
た、化粧料原料としてのグリコーゲンは、保湿剤として
の用途に用いられるのみであり、特にアコヤ貝由来のグ
リコーゲンについては、その生理活性効果等について知
られていないという問題がある。
【0004】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、養殖場近海の環境改善を図ることが
でき、細胞賦活作用に優れ、紫外線による皮膚のダメー
ジ回復性に優れた効果を示す、アコヤ貝から抽出された
グリコーゲンを成分とする化粧料原料を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアコヤ貝由
来の化粧料原料は、アコヤ貝を抽出して得られるグリコ
ーゲンを成分とすることを特徴とする。特に、皮膚の細
胞を賦活し、肌を生き生きさせ、紫外線による皮膚への
悪影響を緩和する生理活性に優れた化粧料に使用できる
アコヤ貝由来の化粧料原料であることを特徴とする。
【0006】本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、アコ
ヤ貝由来のグリコーゲンが日焼けで皮膚の細胞が受ける
ダメージの予防と回復を助けることがわかった。また、
細胞賦活も高める効果があり、これは起源の異なる他の
グリコーゲンより、その作用が強いことが判明し、単に
廃棄物として養殖場近海に捨てられている資源の有効利
用だけではないことがわかった。
【0007】
【発明の実施の形態】アコヤ貝由来のグリコーゲンは、
アコヤ貝の貝肉等を抽出することにより得られる。例示
すれば、熱水法と言われる方法で、アコヤ貝の貝肉を細
断した後、必要により水を加えて加熱する。その後遠心
分離する。数回の加熱および遠心分離を繰り返した方が
より多量のグリコーゲンが抽出できるので、コストなど
を勘案し必要な回数繰り返す。不溶物があれば必要によ
り、濾過などで取り除き、後の工程の効率を考えて濾液
を濃縮後、終濃度 5重量%前後になるようにトリクロロ
酢酸を加え、低温( 0〜10℃)で静置する。これによっ
て生じた沈殿を遠心分離や濾過などの方法で取り除く。
ただし、この工程は主としてタンパク質を除く工程であ
るため、場合によっては省略することも可能である。上
澄みに 3倍量程度のエタノールを加えて撹拌する。これ
によって生じた沈殿を遠心分離や濾過などの方法で集め
たものがグリコーゲンである。必要により水を加え、つ
いで加えた水の4倍量程度のエタノールを加え(このと
き塩化カルシウム飽和水溶液を少量加えて沈殿を促進す
ることもできる)、これによって生じた沈殿を遠心分離
や濾過などの方法で再度沈殿して集める。これを必要回
数繰り返すことによって精製できる。また、さらに精製
したいときは透析等の方法で低分子物を除くことも有効
である。
【0008】また、他の方法として、アコヤ貝の貝肉に
ジメチルスルホキシドを加え、細断した後、遠心分離し
て上澄みを吸引濾過する。残査に対して同様の操作を必
要により繰り返し、上澄みを合一する。この上澄みを
0.17重量%程度の塩化ナトリウムを含むメタノール中に
注ぎ込む。デカンテーションや遠心分離等により沈殿を
集める。この操作を必要により繰り返す。この沈殿に水
を加えて溶解し、 3倍量程度のエタノールで沈殿させ
る。この操作を 3回程度繰り返し沈殿を洗浄する。この
間にあるいはこの工程の終了後、タンパク質を除く工程
やさらに精製するために、透析等を必要により実施す
る。
【0009】上記のようにして抽出精製されたアコヤ貝
のグリコーゲンは、純度 50 重量%、好ましくは 80 重
量%以上であることが生理活性に優れた化粧料原料とし
て好ましい。化粧料原料としては、種々の化粧料に利用
できる。例えばローション類、乳液類、クリーム類、軟
膏類、パック類、入浴剤の形態にすることができる。後
述するように、アコヤ貝由来のグリコーゲンは、安全性
が高く、また細胞賦活作用等の生理活性に優れている。
また、紫外線による皮膚のダメージの回復に効果があ
る。このため、種々の化粧料に好適な化粧料原料とな
る。
【0010】これらの化粧料の剤型を処方化するため
に、アコヤ貝由来のグリコーゲンとともに使用できる原
料を以下に挙げる。天然動植物油脂類としては、例えば
オリーブ油、ミンク油、ヒマシ油、パーム油、牛脂、月
見草油、ヤシ油、ヒマシ油、カカオ油、マカデミアナッ
ツ油等を、蝋類として、例えばホホバ油、ミツロウ、ラ
ノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等を、高級
アルコール類として、例えばラウリルアルコール、ステ
アリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコ
ール等を、高級脂肪酸類として、例えばラウリン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、
ラノリン脂肪酸等を、高級脂肪族炭化水素類として、例
えば流動パラフィン、固形パラフィン、スクワラン、ワ
セリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等
を、合成エステル油類として、例えばブチルステアレー
ト、ヘキシルラウレート、ジイソプロピルアジペート、
ジイソプロピルセバケート、ミリスチン酸オクチルドデ
シル、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミ
テートイソプロピルミリステート、セチルイソオクタノ
エート、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等を、シ
リコーン誘導体類として、例えばメチルシリコーン、メ
チルフェニルシリコーン等を構成成分とするシリコーン
油を例示できる。
【0011】界面活性剤としては、アニオン性界面活性
剤類、例えばアルキル硫酸塩、脂肪酸塩、アルキルリン
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸塩
や硫酸塩等を、非イオン性界面活性剤類、例えばグリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル等を、両面活性
剤類、例えばアルキルベタイン、ホスホベタイン、ホス
ファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、
ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、
ホスファチジルイノシトールおよびこれらのリゾ体の
他、ホスホファチジン酸とその塩を例示できる。
【0012】多価アルコール類としては、例えばエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、それ以上の炭素数のポリエチレングリコール
類、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
それ以上の炭素数のポリプロピレングリコール類、1,
3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール
等のブチレングリコール類、グリセリン、ジグリセリ
ン、それ以上の炭素数のポリグリセリン類、ソルビトー
ル、マンニトール、キシリトール、マルチトール等の糖
アルコール類、グリセリン類のエチレンオキシド(以
下、EOと略記)、プロピレンオキシド(以下、POと
略記)付加物、糖アルコール類のEO、PO付加物、ガ
ラクトース、グルコース、フルクトース等の単糖類とそ
のEO、PO付加物、マルトース、ラクトース等の多糖
類とそのEO、PO付加物などの多価アルコールを例示
できる。
【0013】薬剤類としては、トコフェロール、酢酸ト
コフェロール、ビタミンC、アラントイン、胎盤抽出
物、エラスチン、アルブチン、コラーゲン、トリクロサ
ン、トリクロロカルバン、グリチルリチン酸ジカリウ
ム、メチルパラベン、ブチルパラベンなどを例示でき
る。
【0014】上記原料等を組み合わせて必要な化粧料を
得る。なお、これらの原料等は化粧料の必要性に応じて
配合される。例えば上記界面活性剤を使用する代わりに
コロイド性含水ケイ酸塩と平均分子量 1000〜10000のポ
リエチレングリコールとを含み、マイクロフルイダイザ
ーにより乳化したクリーム基剤、脂肪酸デキストリンと
コロイド性含水ケイ酸塩とを含むクリーム基剤、合成ベ
ントナイトとシリコーン油とを配合した化粧料などを用
いることにより、界面活性剤を使用しなくともよい。
【0015】
【実施例】実施例1 アコヤ貝由来グリコーゲンをつぎの方法で得た。金網上
でアコヤ貝の粘液を除去し、その貝肉 1500g をワーリ
ングブレンダーで 2分間ホモジナイズした。これに蒸留
水 2500ml を加え、沸騰水中で 30 分間撹拌しながら加
熱した。 350G で 20 分間遠心分離し、残査に 1000ml
の蒸留水を加え乳光を示さなくなるまで、同様に数回加
熱した。このグリコーゲンの抽出液を合一し、東洋濾紙
NO.1 を用い吸引濾過し、濾液を 3750ml まで減圧濃縮
後、終濃度 5容量%になるようにトリクロロ酢酸を加
え、 4℃で 12 時間静置した。 4500G で 60 分間遠心
分離し、タンパク質を除去後、上澄みに 3倍量のエタノ
ールを加えて終濃度 75容量%とし、沈澱させて粗製グ
リコーゲンを得た。これを 400ml の蒸留水で溶解し、
次いで 1600ml のエタノールを加えて沈澱を集めた。こ
の操作を 3回繰り返しグリコーゲンを洗浄した。なおこ
のとき、完全に沈澱を形成させるために、塩化カルシウ
ム飽和溶液を 1〜2 滴添加した。得られた沈澱は少量の
冷蒸留水に溶解し、同液に対して透析後、 2500G で 10
分間遠心分離を行ない、上澄みを凍結乾燥して、アコ
ヤ貝由来グリコーゲンを得た。このアコヤ貝由来グリコ
ーゲンは、純度 89 重量%であることがアンスロン濃硫
酸法により同定された。
【0016】得られたアコヤ貝由来グリコーゲンが化粧
料原料としてどのように効果があるかを、線維芽細胞賦
活試験および紫外線損傷回復能試験で評価した。また、
安全性を評価した。試験方法と結果について説明する。 1.線維芽細胞賦活試験 1−1.試験方法 25ml培養フラスコ中で、 37℃で 7日間プレコンフェル
トになるまでMEM培地(ニッスイ製薬)で培養したヒ
ト正常線維芽細胞:NHDF(クラボウ)をリン酸緩衝
液PBS(−)で 2回洗浄し、トリプシン/EDTA溶
液(クラボウ)2mlを加え軽く洗浄後、素早く吸引、静
置した。 10%牛胎児血清含有MEM培地を 10ml 添加
し70×g で 5分間遠心分離後、上澄みを除き同培地に懸
濁して細胞濃度 100000個/ml の細胞浮遊液を調製し
た。DNA量とコラーゲン合成量測定用に 1枚ずつ用意
した 24 ウェルプレートに 10%牛胎児血清含有MEM
培地1ml を分注し、 10000個/well を分植して 37℃、
5%炭酸ガス培養器中で 3日間培養後、無血清MEM培
地 2mlに交換し、さらに 2日間培養した。次に 0.5%牛
胎児血清含有MEM培地にサンプルを終濃度 0.01〜0.1
%添加した検体 2mlと交換し 37℃、 5%炭酸ガス培養
器中で 5日間培養後、細胞数の指標としてのDNA量お
よびコラーゲン量を測定した。賦活効果は、下記に示す
細胞増殖率およびコラーゲン合成能で評価した。
【0017】1−2.DNA量の測定 エチジウムブロマイド法により細胞数の指標としてDN
A量を測定した。すなわち上記の試験後 24 ウェルプレ
ートより培養液を除き、各ウェルにつきリン酸緩衝液P
BS(−)溶液 1mlで 2回洗浄した後、0.25%トリプシ
ン−EDTA溶液(Siguma)0.25mlを添加し、 5
分間静置して細胞を剥離した。そこへ 0.2mg/ml RNA
ase(Siguma:EC3.1.27.5)、0.02
5mg/mlEDTA、0.1 μg/mlアジ化ナトリウム、 2mg/m
l Protease(Siguma:EC3.4.2
4.31)よりなるプロテアーゼリン酸緩衝液PBS
(−)溶液 0.25mlを加え、よくピペッティングした
後、 5μg/mlエチジウムブロマイド 0.5mlを加え10〜20
分間超音波処理を行なった。 50℃の恒温槽中で一晩静
置後、励起波長 360nm、蛍光波長 590nmの蛍光強度を測
定し、次式により細胞増殖率を測定した。賦活効果は、
培地のみを作用させたときのDNA量に対する検体添加
時のDNA量の相対値を細胞増殖率として示した。
【0018】CIR=(A−B)/(C−B) ここで、CIR:細胞増殖率 A:検体添加ウェルの蛍光強度、 B:ブランクの蛍光強度、 C:コントロール(検体無添加)の蛍光強度をそれぞれ
表す。
【0019】1−3.コラーゲン合成量測定 DNA量の測定と同様に、24ウェルプレートより培養液
を除去し冷メタノール:エタノール(1:1 )0.5mlを添加
し、 4℃で30分間静置して固定後、冷リン酸緩衝液PB
S(−) 1mlで 2回洗浄した。次に、コラーゲン染色試
薬(コスモ・バイオ)0.3ml を添加して30分間染色し、
染色液を除去後、脱イオン水で4 〜5 回洗浄した。次い
で 0.1%水酸化ナトリウム:メタノール(1:1 ) 1mlを
加えて色素を抽出し、波長 530nm、 605nmにおける吸光
度を測定した。次式により単位細胞数当たりのコラーゲ
ン合成量を求めた。コラーゲン合成能はコントロールの
コラーゲン合成量に対するグリコーゲン添加時のコラー
ゲン合成量とした。なお細胞増殖率は上記DNA合成量
から算出した結果を用いた。
【0020】a)単位細胞数当たりの コラーゲン合成量(mg)=(O.D.530-0.254 ×O.D.605)/
(40.8×CIR)b)コラーゲン合成能=(グリコーゲン
添加時の単位細胞数当たりのコラーゲン合成量)/(コ
ントロールの単位細胞数当たりのコラーゲン合成量)
【0021】結果を表1に示す。
【表1】 なお、比較例1はアコヤ貝に変えてムラサキイガイから
実施例1と同様な操作をして得たグリコーゲンである。
表1に示すように、実施例1は、線維芽細胞賦活試験お
よび紫外線損傷回復能試験に優れていた。
【0022】2.紫外線損傷回復能試験 2−1.試験方法 1)ヒト正常表皮細胞(クラボウ社製NHEK)を継代
操作し、 35mmシャーレに分植する。( 2〜5万) 2) 50〜60%コンフルエントになるまで培養する。
3)シャーレをPBS(−)で 2回洗浄後、リン酸緩衝
液PBS(−)を 0.5ml 添加する。 4)紫外線を 1.5 J/cm2 照射する。(強度 2.0〜2.5mW
/cm2 ) 5)培地にて調製した試験品溶液を 0.5ml添加し、 2時
間培養する。 6)培養液をサンプリングし、 1.5mlチューブに入れて
遠心分離する。上澄みを遊離脱水素酵素として脱水素酵
素活性を測定する。 7)シャーレをPBS(−)で 2回洗浄した後 0.1%モ
ノラウリル酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)を
1ml添加する。 8)シャーレに残った細胞をスクレパーで剥がし、1.5m
lチューブに入れる。 9)遠心分離を行ない、上澄みを生存細胞として脱水素
酵素活性を測定する。 10)回復率はシャーレ中の全脱水素酵素活性量における
生存細胞脱水素酵素活性量の占める割合を算出し、無添
加コントロールとの相対値で表した。
【0023】2−2.脱水素酵素活性の測定方法 極東製薬社製脱水素酵素測定キットを用いて測定した。 1) 96ウェルプレートの各ウェルにリン酸緩衝液PB
S(−)を 0.025ml加える。 2)遊離脱水素酵素活性測定用のサンプルを 0.025ml加
える。 3)生存細胞測定用の上澄みは適時希釈して 0.025ml加
える。 4)反応液を 0.05ml添加し、 37℃で 30 分間インキュ
ベートする。 5)反応停止液を 0.1ml添加し、プレートリーダーで波
長 540nmにおける吸光度を測定した(リファレンスな
し)。実験結果を表2に示す。
【0024】
【表2】 なお、比較例1はアコヤ貝に変えてムラサキイガイから
実施例1と同様な操作をして得たグリコーゲンである。
表2に示すように、実施例1は、紫外線による細胞のダ
メージが回復していることがわかった。
【0025】3.安全性試験 アコヤ貝由来グリコーゲンの安全性を、アレルギー性試
験、皮膚一次刺激性試験および累積刺激性試験で評価し
た。 3−1.アレルギー性試験 使用動物としてハートレー系モルモットを選び、アジュ
バンド・アンド・パッチ法により、感作濃度 1%、誘発
濃度 1%で行なった。24時間、48時間、72時間後の検体
塗布部位にて、感作反応はでなかった。 3−2.皮膚一次刺激性試験 使用動物として白色うさぎを選び、クローズドパッチ法
により、 1時間、24時間、48時間、72時間後の検体貼布
部位において、紅斑、痂皮の発生は見られなかった。 3−3.累積刺激性試験 使用動物としてハートレー系モルモットを選び、検体へ
の連続塗布により、24時間、48時間、72時間、96時間、
168時間後の検体貼布部位において、紅斑、痂皮の発生
は見られなかった。以上の安全性試験の結果、アコヤ貝
由来グリコーゲンは、アレルギー性試験、皮膚一次刺激
性試験および累積刺激性試験で異常が見られなかった。
【0026】実施例2 実施例1で得られたアコヤ貝由来グリコーゲンを配合し
たローションを得た。配合成分と配合量(重量部)を以
下に示す。 オリーブ油 0.5 実施例1で得られたアコヤ貝由来グリコーゲン 0.5 ポリオキシエチレン(20E.O) ソルビタンモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(60E.0) 硬化ヒマシ油 2.0 エタノール 10.0 1.0 重量%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0 精製水 80.0
【0027】精製水にヒアルロン酸ナトリウム水溶液加
え 70 ℃に加熱調整する。オリーブ油にポリオキシエチ
レン( 20 E.0 )ソルビタンモノステアレートおよびポ
リオキシエチレン( 60 E.0 )硬化ヒマシ油を加え 70
℃に加熱調整する。この油相を先に調整した水相に加え
予備乳化し、さらに実施例1の化粧品原料およびエタノ
ールを加えてホモミキサーにて乳化粒子を均一にした
後、脱気、濾過、冷却して実施例1のローションを得
た。
【0028】実施例3 実施例1で得られたアコヤ貝由来グリコーゲンを配合し
たクリームを得た。配合成分と配合量(重量部)を以下
に示す。 A成分 スクワラン 20.0 オリーブ油 2.0 ミンク油 1.0 ホホバ油 5.0 ミツロウ 5.0 セトステアリルアルコール 2.0 グリセリンモノステアレート 1.0 ソルビタンモノステアレート 2.0 実施例1で得られたアコヤ貝由来グリコーゲン 1.0 B成分 精製水 47.9 ポリオキシエチレン(20E.0) ソルビタンモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(60E.0) 硬化ヒマシ油 1.0 グリセリン 5.0 1.0 重量%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 A成分とB成分とをそれぞれ計量し、それぞれ 70 ℃ま
で加温し、B成分にA成分を撹拌しつつ徐々に加えたの
ち、ゆっくり撹拌しつつ 30 ℃まで冷却して実施例3の
クリームを得た。
【0029】実施例2および実施例3で得られた化粧品
を用いて以下の使用テストを行なった。女性 6名づつの
顔面を左右に分け、片側の顔面を実施例、もう片側の顔
面を比較例として毎日、上記実施例のローションおよび
クリームを 1回以上使用してもらって 3月後、使用後の
肌のはり、日焼け防止および肌荒れ防止についてアンケ
ートした。比較例はアコヤ貝由来グリコーゲンを精製水
に代えたローションおよびクリームである。判定基準を
以下に示す。また、アンケートの結果をまとめて表3に
示す。 判定基準は以下に示す点数で表し、その結果を集計し
た。 実施例が比較例より非常によい 3 実施例が比較例よりかなりよい 2 実施例が比較例よりややよい 1 実施例と比較例と差がない 0 比較例が実施例よりややよい −1 比較例が実施例よりかなりよい −2 比較例が実施例より非常によい −3
【0030】
【表3】
【0031】表3に示すように、本発明のアコヤ貝由来
グリコーゲンを配合した化粧品は、肌のはり、日焼け防
止および肌荒れ防止肌に顕著な効果が認められた。
【0032】
【発明の効果】本発明は、アコヤ貝を抽出して得られる
グリコーゲンを成分とする化粧料原料であるので、生理
活性効果および安全性が高い。また、真珠を摘出した後
のアコヤ貝の有効利用、および養殖場近海の環境改善が
図れる。この原料を配合した化粧品は安全性も高く、ま
た、細胞賦活作用や、紫外線による皮膚のダメージの回
復に効果があり、他の起源のグリコーゲンより効果が高
く、化粧品に求められる安全性、有効性を備えている。
また、化粧品に配合しても安全性、安定性に影響を及ぼ
すことなく、エマルジョン、パック、洗浄料等各種剤型
で利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 啓二 三重県一志郡白山町二本木赤坂1001番地の 240 (72)発明者 前 真紀 三重県津市岩田17番地の4 Fターム(参考) 4C083 AA071 AA072 AA122 AB052 AC022 AC072 AC122 AC422 AC432 AC442 AC482 AD211 AD212 AD332 CC01 CC02 CC05 DD27 DD31 EE12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アコヤ貝を抽出して得られるグリコーゲ
    ンを成分とするアコヤ貝由来の化粧料原料。
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