JP3650295B2 - アコヤ貝由来の化粧料原料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚の細胞を賦活し、肌を生き生きさせ、紫外線による皮膚への悪影響を緩和する化粧料に使用できるアコヤ貝由来の化粧料原料に関する。
【0002】
【従来の技術】
アコヤ貝は真珠養殖用として多量に生産されているが、真珠養殖以外には利用されていない。このため真珠養殖以外にアコヤ貝の用途が見つかれば、真珠養殖業や関連の産業界にとっても有益である。
一方、皮膚の保湿性向上に有効な化粧料原料としてのグリコーゲンは、すでに知られている(特開昭62−178505号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、真珠を摘出した後のアコヤ貝は、貝柱の真珠漬けや貝殻からのCa製剤の原料に使われる程度で、それ以外に有効に利用されておらず、また、貝柱や貝殻以外の部分は、廃棄物として養殖場近海に捨てられ、養殖場における自家汚染の原因の一つにもなっているという問題がある。
また、化粧料原料としてのグリコーゲンは、保湿剤としての用途に用いられるのみであり、特にアコヤ貝由来のグリコーゲンについては、その生理活性効果等について知られていないという問題がある。
【0004】
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、養殖場近海の環境改善を図ることができ、細胞賦活作用に優れ、紫外線による皮膚のダメージ回復性に優れた効果を示す、アコヤ貝から抽出されたグリコーゲンを成分とする化粧料原料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るアコヤ貝由来の化粧料原料は、アコヤ貝を熱水抽出して得られるグリコーゲンを成分とするコラーゲン合成促進作用を有することを特徴とする。
特に、皮膚の細胞を賦活し、肌を生き生きさせ、紫外線による皮膚への悪影響を緩和する生理活性に優れた化粧料に使用できるアコヤ貝由来の化粧料原料であることを特徴とする。
【0006】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、アコヤ貝由来のグリコーゲンが日焼けで皮膚の細胞が受けるダメージの予防と回復を助けることがわかった。また、細胞賦活も高める効果があり、これは起源の異なる他のグリコーゲンより、その作用が強いことが判明し、単に廃棄物として養殖場近海に捨てられている資源の有効利用だけではないことがわかった。
【0007】
【発明の実施の形態】
アコヤ貝由来のグリコーゲンは、アコヤ貝の貝肉等を抽出することにより得られる。
例示すれば、熱水法と言われる方法で、アコヤ貝の貝肉を細断した後、必要により水を加えて加熱する。その後遠心分離する。数回の加熱および遠心分離を繰り返した方がより多量のグリコーゲンが抽出できるので、コストなどを勘案し必要な回数繰り返す。不溶物があれば必要により、濾過などで取り除き、後の工程の効率を考えて濾液を濃縮後、終濃度 5重量%前後になるようにトリクロロ酢酸を加え、低温( 0〜10℃)で静置する。これによって生じた沈殿を遠心分離や濾過などの方法で取り除く。ただし、この工程は主としてタンパク質を除く工程であるため、場合によっては省略することも可能である。上澄みに 3倍量程度のエタノールを加えて撹拌する。これによって生じた沈殿を遠心分離や濾過などの方法で集めたものがグリコーゲンである。必要により水を加え、ついで加えた水の 4倍量程度のエタノールを加え(このとき塩化カルシウム飽和水溶液を少量加えて沈殿を促進することもできる)、これによって生じた沈殿を遠心分離や濾過などの方法で再度沈殿して集める。これを必要回数繰り返すことによって精製できる。また、さらに精製したいときは透析等の方法で低分子物を除くことも有効である。
【0008】
また、他の方法として、アコヤ貝の貝肉にジメチルスルホキシドを加え、細断した後、遠心分離して上澄みを吸引濾過する。残査に対して同様の操作を必要により繰り返し、上澄みを合一する。この上澄みを 0.17重量%程度の塩化ナトリウムを含むメタノール中に注ぎ込む。デカンテーションや遠心分離等により沈殿を集める。この操作を必要により繰り返す。この沈殿に水を加えて溶解し、 3倍量程度のエタノールで沈殿させる。この操作を 3回程度繰り返し沈殿を洗浄する。この間にあるいはこの工程の終了後、タンパク質を除く工程やさらに精製するために、透析等を必要により実施する。
【0009】
上記のようにして抽出精製されたアコヤ貝のグリコーゲンは、純度 50 重量%、好ましくは 80 重量%以上であることが生理活性に優れた化粧料原料として好ましい。
化粧料原料としては、種々の化粧料に利用できる。例えばローション類、乳液類、クリーム類、軟膏類、パック類、入浴剤の形態にすることができる。後述するように、アコヤ貝由来のグリコーゲンは、安全性が高く、また細胞賦活作用等の生理活性に優れている。また、紫外線による皮膚のダメージの回復に効果がある。このため、種々の化粧料に好適な化粧料原料となる。
【0010】
これらの化粧料の剤型を処方化するために、アコヤ貝由来のグリコーゲンとともに使用できる原料を以下に挙げる。
天然動植物油脂類としては、例えばオリーブ油、ミンク油、ヒマシ油、パーム油、牛脂、月見草油、ヤシ油、ヒマシ油、カカオ油、マカデミアナッツ油等を、蝋類として、例えばホホバ油、ミツロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等を、高級アルコール類として、例えばラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール等を、高級脂肪酸類として、例えばラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ラノリン脂肪酸等を、高級脂肪族炭化水素類として、例えば流動パラフィン、固形パラフィン、スクワラン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等を、合成エステル油類として、例えばブチルステアレート、ヘキシルラウレート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルセバケート、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテートイソプロピルミリステート、セチルイソオクタノエート、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等を、シリコーン誘導体類として、例えばメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を構成成分とするシリコーン油を例示できる。
【0011】
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤類、例えばアルキル硫酸塩、脂肪酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸塩や硫酸塩等を、非イオン性界面活性剤類、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル等を、両面活性剤類、例えばアルキルベタイン、ホスホベタイン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトールおよびこれらのリゾ体の他、ホスホファチジン酸とその塩を例示できる。
【0012】
多価アルコール類としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、それ以上の炭素数のポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、それ以上の炭素数のポリプロピレングリコール類、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール等のブチレングリコール類、グリセリン、ジグリセリン、それ以上の炭素数のポリグリセリン類、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール等の糖アルコール類、グリセリン類のエチレンオキシド(以下、EOと略記)、プロピレンオキシド(以下、POと略記)付加物、糖アルコール類のEO、PO付加物、ガラクトース、グルコース、フルクトース等の単糖類とそのEO、PO付加物、マルトース、ラクトース等の多糖類とそのEO、PO付加物などの多価アルコールを例示できる。
【0013】
薬剤類としては、トコフェロール、酢酸トコフェロール、ビタミンC、アラントイン、胎盤抽出物、エラスチン、アルブチン、コラーゲン、トリクロサン、トリクロロカルバン、グリチルリチン酸ジカリウム、メチルパラベン、ブチルパラベンなどを例示できる。
【0014】
上記原料等を組み合わせて必要な化粧料を得る。なお、これらの原料等は化粧料の必要性に応じて配合される。例えば上記界面活性剤を使用する代わりにコロイド性含水ケイ酸塩と平均分子量 1000〜10000のポリエチレングリコールとを含み、マイクロフルイダイザーにより乳化したクリーム基剤、脂肪酸デキストリンとコロイド性含水ケイ酸塩とを含むクリーム基剤、合成ベントナイトとシリコーン油とを配合した化粧料などを用いることにより、界面活性剤を使用しなくともよい。
【0015】
【実施例】
実施例1
アコヤ貝由来グリコーゲンをつぎの方法で得た。
金網上でアコヤ貝の粘液を除去し、その貝肉 1500g をワーリングブレンダーで 2分間ホモジナイズした。これに蒸留水 2500ml を加え、沸騰水中で 30 分間撹拌しながら加熱した。 350G で 20 分間遠心分離し、残査に 1000ml の蒸留水を加え乳光を示さなくなるまで、同様に数回加熱した。このグリコーゲンの抽出液を合一し、東洋濾紙 NO.1 を用い吸引濾過し、濾液を 3750ml まで減圧濃縮後、終濃度 5容量%になるようにトリクロロ酢酸を加え、 4℃で 12 時間静置した。 4500G で 60 分間遠心分離し、タンパク質を除去後、上澄みに 3倍量のエタノールを加えて終濃度 75容量%とし、沈澱させて粗製グリコーゲンを得た。これを 400ml の蒸留水で溶解し、次いで 1600ml のエタノールを加えて沈澱を集めた。この操作を 3回繰り返しグリコーゲンを洗浄した。なおこのとき、完全に沈澱を形成させるために、塩化カルシウム飽和溶液を 1〜2 滴添加した。得られた沈澱は少量の冷蒸留水に溶解し、同液に対して透析後、 2500G で 10 分間遠心分離を行ない、上澄みを凍結乾燥して、アコヤ貝由来グリコーゲンを得た。
このアコヤ貝由来グリコーゲンは、純度 89 重量%であることがアンスロン濃硫酸法により同定された。
【0016】
得られたアコヤ貝由来グリコーゲンが化粧料原料としてどのように効果があるかを、線維芽細胞賦活試験および紫外線損傷回復能試験で評価した。また、安全性を評価した。試験方法と結果について説明する。
1.線維芽細胞賦活試験
1−1.試験方法
25ml培養フラスコ中で、 37℃で 7日間プレコンフェルトになるまでMEM培地(ニッスイ製薬)で培養したヒト正常線維芽細胞:NHDF(クラボウ)をリン酸緩衝液PBS(−)で 2回洗浄し、トリプシン/EDTA溶液(クラボウ) 2mlを加え軽く洗浄後、素早く吸引、静置した。 10%牛胎児血清含有MEM培地を 10ml 添加し70×g で 5分間遠心分離後、上澄みを除き同培地に懸濁して細胞濃度 100000個/ml の細胞浮遊液を調製した。DNA量とコラーゲン合成量測定用に 1枚ずつ用意した 24 ウェルプレートに 10%牛胎児血清含有MEM培地 1ml を分注し、 10000個/well を分植して 37℃、 5%炭酸ガス培養器中で 3日間培養後、無血清MEM培地 2mlに交換し、さらに 2日間培養した。次に 0.5%牛胎児血清含有MEM培地にサンプルを終濃度 0.01〜0.1%添加した検体 2mlと交換し 37℃、 5%炭酸ガス培養器中で 5日間培養後、細胞数の指標としてのDNA量およびコラーゲン量を測定した。賦活効果は、下記に示す細胞増殖率およびコラーゲン合成能で評価した。
【0017】
1−2.DNA量の測定
エチジウムブロマイド法により細胞数の指標としてDNA量を測定した。すなわち上記の試験後 24 ウェルプレートより培養液を除き、各ウェルにつきリン酸緩衝液PBS(−)溶液 1mlで 2回洗浄した後、0.25%トリプシン−EDTA溶液(Siguma)0.25mlを添加し、 5分間静置して細胞を剥離した。そこへ 0.2mg/ml RNAase(Siguma:EC3.1.27.5)、0.025mg/ml EDTA、0.1 μg/mlアジ化ナトリウム、 2mg/ml Protease(Siguma:EC3.4.24.31)よりなるプロテアーゼリン酸緩衝液PBS(−)溶液 0.25mlを加え、よくピペッティングした後、 5μg/mlエチジウムブロマイド 0.5mlを加え10〜20分間超音波処理を行なった。 50℃の恒温槽中で一晩静置後、励起波長 360nm、蛍光波長 590nmの蛍光強度を測定し、次式により細胞増殖率を測定した。賦活効果は、培地のみを作用させたときのDNA量に対する検体添加時のDNA量の相対値を細胞増殖率として示した。
【0018】
CIR=(A−B)/(C−B)
ここで、CIR:細胞増殖率
A:検体添加ウェルの蛍光強度、
B:ブランクの蛍光強度、
C:コントロール(検体無添加)の蛍光強度をそれぞれ表す。
【0019】
1−3.コラーゲン合成量測定
DNA量の測定と同様に、24ウェルプレートより培養液を除去し冷メタノール:エタノール(1:1 )0.5mlを添加し、 4℃で30分間静置して固定後、冷リン酸緩衝液PBS(−) 1mlで 2回洗浄した。次に、コラーゲン染色試薬(コスモ・バイオ)0.3ml を添加して30分間染色し、染色液を除去後、脱イオン水で4 〜5 回洗浄した。次いで 0.1%水酸化ナトリウム:メタノール(1:1 ) 1mlを加えて色素を抽出し、波長 530nm、 605nmにおける吸光度を測定した。次式により単位細胞数当たりのコラーゲン合成量を求めた。コラーゲン合成能はコントロールのコラーゲン合成量に対するグリコーゲン添加時のコラーゲン合成量とした。なお細胞増殖率は上記DNA合成量から算出した結果を用いた。
【0020】
a)単位細胞数当たりの
コラーゲン合成量(mg)=(O.D.530-0.254 ×O.D.605)/(40.8×CIR)
b)コラーゲン合成能=(グリコーゲン添加時の単位細胞数当たりのコラーゲン合成量)/(コントロールの単位細胞数当たりのコラーゲン合成量)
【0021】
結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0003650295
なお、比較例1はアコヤ貝に変えてムラサキイガイから実施例1と同様な操作をして得たグリコーゲンである。
表1に示すように、実施例1は、線維芽細胞賦活試験および紫外線損傷回復能試験に優れていた。
【0022】
2.紫外線損傷回復能試験
2−1.試験方法
1)ヒト正常表皮細胞(クラボウ社製NHEK)を継代操作し、 35mmシャーレに分植する。( 2〜5万)
2) 50〜60%コンフルエントになるまで培養する。
3)シャーレをPBS(−)で 2回洗浄後、リン酸緩衝液PBS(−)を 0.5ml添加する。
4)紫外線を 1.5 J/cm2 照射する。(強度 2.0〜2.5mW/cm2
5)培地にて調製した試験品溶液を 0.5ml添加し、 2時間培養する。
6)培養液をサンプリングし、 1.5mlチューブに入れて遠心分離する。上澄みを遊離脱水素酵素として脱水素酵素活性を測定する。
7)シャーレをPBS(−)で 2回洗浄した後 0.1%モノラウリル酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)を1ml添加する。
8)シャーレに残った細胞をスクレパーで剥がし、1.5mlチューブに入れる。
9)遠心分離を行ない、上澄みを生存細胞として脱水素酵素活性を測定する。
10)回復率はシャーレ中の全脱水素酵素活性量における生存細胞脱水素酵素活性量の占める割合を算出し、無添加コントロールとの相対値で表した。
【0023】
2−2.脱水素酵素活性の測定方法
極東製薬社製脱水素酵素測定キットを用いて測定した。
1) 96ウェルプレートの各ウェルにリン酸緩衝液PBS(−)を 0.025ml加える。
2)遊離脱水素酵素活性測定用のサンプルを 0.025ml加える。
3)生存細胞測定用の上澄みは適時希釈して 0.025ml加える。
4)反応液を 0.05ml添加し、 37℃で 30 分間インキュベートする。
5)反応停止液を 0.1ml添加し、プレートリーダーで波長 540nmにおける吸光度を測定した(リファレンスなし)。実験結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
Figure 0003650295
なお、比較例1はアコヤ貝に変えてムラサキイガイから実施例1と同様な操作をして得たグリコーゲンである。
表2に示すように、実施例1は、紫外線による細胞のダメージが回復していることがわかった。
【0025】
3.安全性試験
アコヤ貝由来グリコーゲンの安全性を、アレルギー性試験、皮膚一次刺激性試験および累積刺激性試験で評価した。
3−1.アレルギー性試験
使用動物としてハートレー系モルモットを選び、アジュバンド・アンド・パッチ法により、感作濃度 1%、誘発濃度 1%で行なった。24時間、48時間、72時間後の検体塗布部位にて、感作反応はでなかった。
3−2.皮膚一次刺激性試験
使用動物として白色うさぎを選び、クローズドパッチ法により、 1時間、24時間、48時間、72時間後の検体貼布部位において、紅斑、痂皮の発生は見られなかった。
3−3.累積刺激性試験
使用動物としてハートレー系モルモットを選び、検体への連続塗布により、24時間、48時間、72時間、96時間、168時間後の検体貼布部位において、紅斑、痂皮の発生は見られなかった。
以上の安全性試験の結果、アコヤ貝由来グリコーゲンは、アレルギー性試験、皮膚一次刺激性試験および累積刺激性試験で異常が見られなかった。
【0026】
実施例2
実施例1で得られたアコヤ貝由来グリコーゲンを配合したローションを得た。
配合成分と配合量(重量部)を以下に示す。
オリーブ油 0.5
実施例1で得られたアコヤ貝由来グリコーゲン 0.5
ポリオキシエチレン(20E.O) ソルビタンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(60E.0) 硬化ヒマシ油 2.0
エタノール 10.0
1.0 重量%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0
精製水 80.0
【0027】
精製水にヒアルロン酸ナトリウム水溶液加え 70 ℃に加熱調整する。オリーブ油にポリオキシエチレン( 20 E.0 )ソルビタンモノステアレートおよびポリオキシエチレン( 60 E.0 )硬化ヒマシ油を加え 70 ℃に加熱調整する。この油相を先に調整した水相に加え予備乳化し、さらに実施例1の化粧品原料およびエタノールを加えてホモミキサーにて乳化粒子を均一にした後、脱気、濾過、冷却して実施例1のローションを得た。
【0028】
実施例3
実施例1で得られたアコヤ貝由来グリコーゲンを配合したクリームを得た。配合成分と配合量(重量部)を以下に示す。
A成分
スクワラン 20.0
オリーブ油 2.0
ミンク油 1.0
ホホバ油 5.0
ミツロウ 5.0
セトステアリルアルコール 2.0
グリセリンモノステアレート 1.0
ソルビタンモノステアレート 2.0
実施例1で得られたアコヤ貝由来グリコーゲン 1.0
B成分
精製水 47.9
ポリオキシエチレン(20E.0) ソルビタンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(60E.0) 硬化ヒマシ油 1.0
グリセリン 5.0
1.0 重量%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
A成分とB成分とをそれぞれ計量し、それぞれ 70 ℃まで加温し、B成分にA成分を撹拌しつつ徐々に加えたのち、ゆっくり撹拌しつつ 30 ℃まで冷却して実施例3のクリームを得た。
【0029】
実施例2および実施例3で得られた化粧品を用いて以下の使用テストを行なった。
女性 6名づつの顔面を左右に分け、片側の顔面を実施例、もう片側の顔面を比較例として毎日、上記実施例のローションおよびクリームを 1回以上使用してもらって 3月後、使用後の肌のはり、日焼け防止および肌荒れ防止についてアンケートした。比較例はアコヤ貝由来グリコーゲンを精製水に代えたローションおよびクリームである。判定基準を以下に示す。また、アンケートの結果をまとめて表3に示す。
判定基準は以下に示す点数で表し、その結果を集計した。
実施例が比較例より非常によい 3
実施例が比較例よりかなりよい 2
実施例が比較例よりややよい 1
実施例と比較例と差がない 0
比較例が実施例よりややよい −1
比較例が実施例よりかなりよい −2
比較例が実施例より非常によい −3
【0030】
【表3】
Figure 0003650295
【0031】
表3に示すように、本発明のアコヤ貝由来グリコーゲンを配合した化粧品は、肌のはり、日焼け防止および肌荒れ防止肌に顕著な効果が認められた。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、アコヤ貝を抽出して得られるグリコーゲンを成分とする化粧料原料であるので、生理活性効果および安全性が高い。また、真珠を摘出した後のアコヤ貝の有効利用、および養殖場近海の環境改善が図れる。
この原料を配合した化粧品は安全性も高く、また、細胞賦活作用や、紫外線による皮膚のダメージの回復に効果があり、他の起源のグリコーゲンより効果が高く、化粧品に求められる安全性、有効性を備えている。また、化粧品に配合しても安全性、安定性に影響を及ぼすことなく、エマルジョン、パック、洗浄料等各種剤型で利用できる。

Claims (1)

  1. アコヤ貝を熱水抽出して得られるグリコーゲンを成分とするコラーゲン合成促進作用を有するアコヤ貝由来の化粧料原料。
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