JP2001095218A - 直流機 - Google Patents
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- H02K23/00—DC commutator motors or generators having mechanical commutator; Universal AC/DC commutator motors
- H02K23/02—DC commutator motors or generators having mechanical commutator; Universal AC/DC commutator motors characterised by arrangement for exciting
- H02K23/04—DC commutator motors or generators having mechanical commutator; Universal AC/DC commutator motors characterised by arrangement for exciting having permanent magnet excitation
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Abstract
行うことができる直流機を提供する。 【解決手段】ブロアモータ1は、電機子コア8に電機子
コイル9を巻装して構成される電機子4と、その電機子
4を挟んで対向配置されるマグネット2,3とを有して
いる。ブラシ6で短絡される電機子コイル9の電流の向
きが反転する、いわゆる整流時には、電機子コイル9の
インダクタンスによって電流の変化を遅らせるリアクタ
ンス電圧が発生する。マグネット2,3における電機子
4の回転方向側の端部に延長部2b,3bを延出形成す
ることで、整流中の電機子コイル9にリアクタンス電圧
を打ち消す誘起電圧を発生させる。これによって、整流
曲線が理想的な整流の1つである直線整流となる。
Description
て構成される直流機に関するものである。
電動機)20は、マグネット21,22、電機子23、
コンミテータ24及びブラシ25等を有している。この
直流モータ20では、直流電源が供給されることで、電
機子23が図13(a)→(b)→(c)の順に回転す
るように構成されている。
と電機子コイル27とを有している。電機子コア26に
は、複数の歯部26aが形成されており、そのうちの5
つの歯部26aの周囲に電機子コイル27が巻き付けら
れている。なお、図示を省略しているが、5つの歯部2
6a毎に他の電機子コイルが同様に巻き付けられてい
る。つまり、この直流モータ20の巻装方式は分布巻で
ある。
4aを有し、そのセグメント24aに摺接するようにブ
ラシ25が配設されている。そして、直流電流がブラシ
25及びコンミテータ24のセグメント24aを経て電
機子コイル27に流入されるようになっている。これに
より、電機子コイル27に流れる電流の向きが変更され
て電機子23が時計回り方向(図中、X矢印方向)に回
転する。
に流入される電流変化を図14を用いて説明する。先
ず、図14(a)に示すように電機子コイル27に右か
ら左へ電流Iが流れている状態から、電機子23が回転
してコンミテータ24が図14(b)のようにブラシ2
5に対して右側に移動する。すると、ブラシ25によっ
て2つのセグメント24aが短絡されて、電機子コイル
27に短絡電流iが流れる。さらに、電機子23が回転
すると、図14(c)のように、電機子コイル27に
は、左から右へ電流Iが流れるようになる。つまり、図
14(a)→(b)→(c)の順に電機子23が回転す
るとき、その際に電機子コイル27を流れる電流Iの向
きが逆になる。なおこのとき、+Iから−Iまで2Iの
変化をさせるための電流がブラシ25から流入される。
また、図14(a)〜(c)は、図13(a)〜(c)
に対応しており、図13(a)→(b)→(c)のよう
に電機子23が回転する際に、電機子コイル27を流れ
る電流Iの向きが変更され、そのコイル27に巻装され
た電機子コア26内の磁界の向きが反転する。この電機
子コイル27の電磁力と、マグネット21,22からの
磁力とによって回転力が発生し、モータ20が回転駆動
する。
れた電機子コイル27を流れる電流が、その短絡期間中
に反転することを、「整流」という。また、この整流時
の関係は、次式の整流方程式によって示される。
+i)−R1(I−i)=0 ここで、L(di/dt)は、ブラシ25で短絡される
電機子コイル27のインダクタンスLの影響で生じるリ
アクタンス電圧を示し、eは、電機子23の回転に伴い
電機子コイル27に発生する誘起電圧を示す。また、R
cは、ブラシ25で短絡される電機子コイル27の抵抗
を示し、R1,R2は、ブラシ25とコンミテータ24
との接触抵抗を示す。なお、Iはブラシ25から流入さ
れる電流であり、iはブラシ25で短絡される電機子コ
イル27の短絡電流である。
クタンス電圧と誘起電圧eが小さく無視することができ
れば、短絡電流iは、図15の点線で示すように直線的
に変化して、整流を良好に行うことができる。なお、こ
の直線状の整流は、理想的な整流の一つであって直線整
流という。
タンス電圧及び誘起電圧eが発生するため、短絡電流i
は、図15の実線で示すように直線整流から遅れて変化
する、いわゆる不足整流が発生する。この不足整流によ
って整流の終わり、即ち、ブラシ後端での火花放電が発
生し、騒音及びブラシ摩耗の原因となってしまう。その
対策として、ブラシ位置を図13の反時計回り方向に移
動させて、整流を改善させる方法がとられている。
の影響を小さくするために実施されるものである。詳し
くは、誘起電圧eは、電機子コイル27を通過する磁束
量Φの変化によって同コイル27に誘起される逆起電力
であって、次式のように示される。
束量Φが減少する速さに比例して発生する。
7に誘起される誘起電圧eを図16を用いて説明する。
図16には、電機子コイル27を通過する磁束量Φ、つ
まり、電機子コイル27が巻き付けられた電機子コア2
6(5つの歯部26a)内を通過する磁束量Φの変化
と、その磁束量Φの変化に応じて発生する電機子コイル
27の誘起電圧e(=−dΦ/dt)を示している。な
お、図16では、図13(b)の状態を基準位置0°と
している。即ち、電機子コイル27により巻装された電
機子コア26(5つの歯部26a)の中心が、マグネッ
ト21,22の中心と一致するときを基準位置0°とし
て示している。
は、電機子コイル27を通過する磁束量Φは、マグネッ
ト21,22からの磁束のみを考慮すればよく、図16
の(A)のように電機子23の回転位置が基準位置0°
(図13(b)の回転位置)のとき最も大きくなる。
ル27に電流が流れ、その電流によって起磁力が生じ
て、マグネット21,22の磁束に影響をおよぼすよう
になる。詳しくは、電機子コイル27に流れる電流は、
整流時、即ち、図13(a)→(b)→(c)の順に電
機子23が回転するときに反転するため、電機子コイル
27による磁束量Φは、電機子23の回転位置に応じて
図16の(B)のように変化する。つまり、電機子23
の回転位置が基準位置0°となるとき正から負へ変化す
る。その結果、マグネット21,22の磁束量(A)と
電機子コイル27の磁束量(B)が合成されて実際に電
機子コイル27を通過する磁束量Φは、電機子23の回
転位置に応じて図16の(C)(=(A)+(B))の
ように変化する。つまり、電機子23が基準位置0°に
到達する前に、合成磁束量(C)は最も大きくなる。よ
って、電機子コイル27の誘起電圧eは、この磁束量
(C)が最大となる位置で、負から正へ変化する。
方向に誘起され、短絡電流iの反転が遅れて不足整流の
原因となってしまう。従って、ブラシ25の位置を、電
機子23の回転方向と反対方向、つまり、図13の反時
計回り方向に移動させることで、電機子コイル27の誘
起電圧eの影響を小さくし整流を良好に行うようにして
いる。なお実際には、この合成磁束量(C)による誘起
電圧eだけではなく前記リアクタンス電圧も考慮した上
で、ブラシ25の位置を決定している。
が変動する場合では、電機子コイル27を流れる電流が
変わり、モータ回転数も変化するため、良好な整流を保
つことが困難となってしまう。具体的には、例えば、自
動車用エアコンユニットで使用されるブロアモータにお
いて、高負荷となる高回転時では、電流が大きくなるた
め合成磁束量(C)が最大となる位置が回転方向に対し
て反対側(図16のマイナス側)に移動することとな
る。また、回転数が高くなるため合成磁束量(C)によ
る誘起電圧eも大きくなる。さらに、電機子コイル27
の電流に応じてリアクタンス電圧も大きくなる。従っ
て、ブラシ位置の移動量を大きくしないと良好な整流を
得ることができない。また逆に、低負荷となる低回転時
では、ブラシ位置の移動量を小さくしないと良好な整流
を得ることができない。このように、モータ負荷の変動
に応じてブラシ位置をたえず移動する必要があり、良好
な整流を保つことが困難となってしまう。
れたものであって、その目的は、負荷の影響を受けるこ
となく常に良好な整流を行うことができる直流機を提供
することにある。
めに、請求項1に記載の発明は、電機子コアに電機子コ
イルを巻装して構成される電機子と、前記電機子を挟ん
で対向配置されるマグネットとを備え、整流中にブラシ
で短絡される前記電機子コイルの電流の向きが反転する
直流機において、前記マグネットの端部に、整流中の前
記電機子コイルにリアクタンス電圧を打ち消す誘起電圧
を発生させるための延長部を形成したことを要旨とす
る。
の直流機において、前記整流中の電機子コイルに発生さ
せる誘起電圧は、初期が小さく徐々に大きくしたことを
要旨とする。
の直流機において、前記整流中の電機子コイルに発生さ
せる誘起電圧は、初期が小さく徐々に大きくし、前記リ
アクタンス電圧に完全に一致させたことを要旨とする。
の直流機において、前記整流中の電機子コイルに発生さ
せる誘起電圧は、初期が大きく徐々に小さくしたことを
要旨とする。
の直流機において、前記延長部は、その厚さが異なるよ
う形成されることを要旨とする。請求項6に記載の発明
は、請求項5に記載の直流機において、前記延長部は、
電機子の回転方向側の端部に配設され、その厚さが回転
方向に徐々に厚くなるよう形成されることを要旨とす
る。
の直流機において、前記延長部は、電機子の回転方向側
の端部に配設され、その厚さが回転方向に徐々に薄くな
るよう形成されることを要旨とする。
の直流機において、前記延長部は、電機子の回転方向側
と回転方向逆側の端部に配設され、そのうちの一方の延
長部の厚さが徐々に薄くなるよう形成されることを要旨
とする。
いずれか一項に記載の直流機において、前記延長部は、
配向の強弱が異なるよう形成されることを要旨とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一
項に記載の直流機において、前記電機子コアには複数の
歯部が形成され、前記マグネットの延長部は、整流時に
電流が供給される電機子コイルが巻装される複数の歯部
のうち回転方向側及び回転方向逆側の端部に配置する歯
部の中心線間の角度よりも延長した部分であることを要
旨とする。
0のいずれか一項に記載の直流機において、前記マグネ
ットは、マグネット開角の中心部及びマグネット背部を
除く部位に目視可能手段を形成したことを要旨とする。
記載の直流機において、前記目視可能手段は、マグネッ
トの上端部又は下端部に形成される凹部であることを要
旨とする。
ルにそのインダクタンスにより電流を妨げる向きにリア
クタンス電圧が発生する。また、電機子の回転に伴って
整流中の電機子コイルを通過する磁束量が変化し、その
変化によって逆起電力である誘起電圧が発生する。従来
では、これらリアクタンス電圧と誘起電圧とによって整
流が遅れ不足整流となってしまうが、請求項1に記載の
発明によれば、マグネットの端部に延長部を形成するこ
とで、整流中の電機子コイルを通過する磁束量が変化し
て所望の誘起電圧が発生する。その誘起電圧によってリ
アクタンス電圧が打ち消される。このようにすれば、負
荷が変動した場合、電機子コイルの電流に応じてリアク
タンス電圧が変化するが、誘起電圧も電機子の回転に応
じて変化する。つまり、負荷が変動したとしても、常に
リアクタンス電圧を打ち消す誘起電圧が発生して整流が
良好に行われる。その結果、ブラシ火花の発生が防止さ
れるので、騒音が低減されるとともに耐久性が向上され
る。
が小さく徐々に大きくなる誘起電圧によってリアクタン
ス電圧が打ち消され、整流が良好に行われる。請求項3
に記載の発明によれば、整流初期が小さく徐々に大きく
なる誘起電圧によってリアクタンス電圧が完全に打ち消
され、理想的な直線整流となる。
が大きく徐々に小さくなる誘起電圧によってリアクタン
ス電圧が打ち消され、整流が良好に行われる。請求項5
に記載の発明によれば、整流中の電機子コイルを通過す
る磁束量が電機子の回転に伴い変化し、その変化に応じ
て誘起される誘起電圧によりリアクタンス電圧が打ち消
されて整流が良好に行われる。
電機子コイルを通過する磁束量が電機子の回転に伴い増
加し、その増加に応じて誘起される誘起電圧は、整流初
期が小さく徐々に大きくなる。この誘起電圧によりリア
クタンス電圧が打ち消されて整流が良好に行われる。
ば、整流中の電機子コイルを通過する磁束量が電機子の
回転に伴い増加し、その増加に応じて誘起される誘起電
圧は、整流初期が大きく徐々に小さくなる。この誘起電
圧によりリアクタンス電圧が打ち消されて整流が良好に
行われる。
電機子コイルを通過する磁束量が電機子の回転に伴い変
化し、その変化に応じて誘起される誘起電圧によってリ
アクタンス電圧が打ち消される。
に電流が供給される電機子コイルが巻装される複数の歯
部のうち回転方向側及び回転方向逆側の端部に配置する
歯部の中心線間の角度よりも延長してマグネットの延長
部が形成される。
ットにおいて、マグネット開角の中心部(マグネットの
磁極幅の中心部)及びマグネット背部を除く部位、つま
りマグネットの組み付け後に、その組み付け状態を確認
できる部位に目視可能手段が形成される。従って、マグ
ネットの逆組み付けが防止され、マグネットの整流機能
が的確に発揮される。
能手段としての凹部は、マグネットの成形と同時に形成
される。また、凹部は、マグネットの上端部又は下端部
に形成されるので、マグネットの組み付け後において目
視可能であり、同凹部によってマグネットの組み付け状
態が確認される。
自動車用エアコンユニットのブロアモータに具体化した
第1実施形態を図面に従って説明する。なお、エアコン
ユニットでは、操作スイッチの位置によってブロアモー
タに流れる電流の大きさが変更される。具体的には、操
作スイッチが、Hi位置(高出力位置)に操作されたと
き、モータの電機子に18Aの電流が流れ、Lo位置
(低出力位置)に操作されたとき、モータの電機子に4
Aの電流が流れるように構成されている。この電流変化
によって、モータ回転数が変更されてエアコンユニット
に送り込まれる風量が調節される。
概略構造を示す部分断面図である。図1に示すように、
ブロアモータ1は、マグネット2,3、電機子4、コン
ミテータ(整流子)5及びブラシ6を有している。
は、2極の直流モータであって、モータハウジング7内
において、N極及びS極を形成する2つのマグネット
2,3が電機子4を挟んで対向配置されている。電機子
4は、電機子コア8とそのコア8に巻装される電機子コ
イル9とを有し、直流電流の供給により回転駆動する。
電機子コア8には、複数の歯部8aが形成されており、
そのうちの5つの歯部8aの周囲に電機子コイル9が巻
き付けられている。なお、本実施形態では、歯部8aの
個数は12個であり、その歯部8aが、電機子4の周方
向に30°毎に形成されている。つまり、隣り合う歯部
8aは、その中心線のなす角が30°(=360°/1
2)となるように形成されている。また、図示を省略し
ているが、複数の他の電機子コイルが5つの歯部8a毎
に同様に巻き付けられている。つまり、巻線の巻装方式
は分布巻である。
され、複数のセグメント(整流子片)5aを有して構成
されている。また、ブラシ6がコンミテータ5に摺接す
るように付勢された状態で配設されている。そして、図
示しない直流電源から供給される直流電流が、ブラシ6
とコンミテータ5のセグメント5aを経て電機子コイル
9に流入される。これによって、電機子コイル9に流れ
る電流の向きが変更されて、電機子4が時計回り方向
(図中、X矢印方向)に回転するようになっている。本
実施形態では、12個のセグメント5aが周方向に30
°毎に設けられており、電機子4がブラシ6に対して3
0°回転するとき、電機子コイル9の電流の向きが変更
される。つまり、電機子4の30°の回転によって電機
子コイル9の整流が行われる。
部2a,3aと延長部2b,3bとを有し、主磁極部2
a,3aは、図13に示す従来のマグネット21,22
に相当する部分であって、その主磁極部2a,3aの回
転方向側に延長部2b,3bが形成されている。つま
り、マグネット2,3における回転方向側の端部に延長
部2b,3bが延出形成されている。主磁極部2a,3
aは、図1及び図2に示すように、整流中の電機子コイ
ル9が巻装される5つの歯部のうち回転方向側及び回転
方向逆側の端部に配置する歯部8aの中心線間の角度
(=120°の角度)に対応した長さとなるように形成
されている。その主磁極部2a,3aの中心と整流中の
電機子コイル9が巻装される電機子コア8(5つの歯部
8a)の中心が一致する回転位置(図1の回転位置)が
整流中心となる。つまり、この回転位置において、ブラ
シ6によって短絡される電機子コイル9の電流の向きが
反転する。また、延長部2b,3bは、整流区間の30
°の角度に対応する区間で、回転方向に徐々に厚くなる
ように形成されている。さらに、延長部2b,3bにお
ける先端側の5°の角度に対応する区間では、徐々に薄
くなるよう形成されている。ただし、この延長部2b,
3bにおける先端側の区間は、モータ1の性能上最適化
がはかれれば、特に5°の角度に限定する必要はない。
巻装される電機子コア8(5つの歯部8a)とマグネッ
ト2との位置関係を図2を用いて説明する。なお、図2
は、断面円弧状に形成されたマグネット2を直線上に展
開して示した模式図である。また、図2において、マグ
ネット2の周方向の幅を角度で示し、整流時の電機子コ
イル9によって巻装される電機子コア8(5つの歯部8
a)を150°(5×30°)の幅で示している。
図2の(a)のようにコア先端がマグネット2の薄肉部
2cに位置するとき電機子コイル9の整流が開始され
る。その状態から(b)のように15°回転した位置が
整流中心(図1の回転位置)となり、この位置で電機子
コイル9を流れる電流の方向が反転する。さらに、
(c)のように15°回転した回転位置で整流が終了す
る。つまり、電機子コア8が(a)→(b)→(c)の
順に30°回転するときに電機子コイル9の整流が実施
される。この整流時において、電機子コア8の先端に対
向する延長部2bは、整流区間の30°の角度に対応す
る部分で徐々に厚くなるように形成されている。
子コイル9を通過する磁束量Φは、電機子4の回転に応
じて徐々に増加する。またこのとき、磁束量Φの増加率
は回転に応じて徐々に増加する。なお、ここで示す磁束
量Φの変化は、電機子コイル9に流れる電流による磁束
量と、マグネット2,3による磁束量との合成磁束量を
示しており、図中の点線は、図16における合成磁束量
(C)に対応するものである。
過する磁束量Φが変化するため、電機子コイル9に発生
する誘起電圧e(=−dΦ/dt)は、整流初期時が小
さく電機子4の回転位置に応じてマイナス側に徐々に大
きくなる。なお、図3では、電機子コイル9により巻装
される電機子コア8(5つの歯部8a)の中心とマグネ
ット2,3の主磁極部2a,3aの中心とが一致すると
き、即ち、図1における電機子23の回転位置を基準位
置0°として示している。
圧が打ち消されて、図15に示す不足整流が改善され
る。つまり、リアクタンス電圧に完全に一致する誘起電
圧eを発生させることで、整流曲線が図15の点線で示
すような理想的な整流の1つである直線整流になる。
ロアモータ1の負荷が変更された場合では、電機子コイ
ル9を流れる電流が変化してリアクタンス電圧が増減す
るが、誘起電圧eはモータ負荷に応じてリアクタンス電
圧を打ち消すように変化する。
され、電機子コイル9に18Aの電流が流れると、電機
子コイル9の電流に応じてリアクタンス電圧が増加す
る。この場合、モータ回転数が高くなって誘起電圧eが
増加する。また、操作スイッチがLo位置に操作され、
電機子コイル9に4Aの電流が流れると、電機子コイル
9の電流に応じてリアクタンス電圧が減少する。この場
合、モータ回転数が低くなり、誘起電圧eが小さくな
る。このようにモータ負荷に応じて、リアクタンス電圧
が変化するが、そのリアクタンス電圧を打ち消すように
誘起電圧eも変化する。従って、モータ負荷が変動する
場合でも、良好な整流が保たれるので安定した運転が継
続される。
ば、下記のような特徴を有する。 (1)ブラシ位置を変更し整流を改善させる方法では、
負荷の変動に応じてブラシ位置をたえず移動する必要が
あり、負荷の変動に伴い過整流や不足整流となる虞があ
った。しかしながら、本実施形態のブロアモータ1で
は、ブラシ位置を移動することなくモータ負荷に応じて
リアクタンス電圧を打ち消す誘起電圧eが発生するの
で、常に良好な整流を行うことができる。具体的には、
整流時の整流曲線が理想的な直線整流となる。従って、
ブラシ火花が防止され、騒音を低減できるとともにブラ
シ摩耗を抑制できる。つまり、負荷が変更される場合で
も安定な運転が行われて騒音を防止でき、耐久性を向上
できる。
るので、適正な回転駆動力を得ることができ、エアコン
ユニットを好適に制御できる。 (3)ブラシ火花が発生すると、電気ノイズが発生して
他の装置の誤動作を招く虞がある。このため、ノイズ対
策が必要となる場合があるが、本実施形態のブロアモー
タ1を採用すれば、モータ1の使用全領域にわたって無
火花の良好な整流を得ることができるので、電気ノイズ
のための対策が不要となり、実用上好ましいものとな
る。
改善することができ、製造も容易でコスト的にも有利で
ある。 (第2実施形態)以下、本発明を具体化した第2実施形
態を図面に従って説明する。本実施形態のブロアモータ
は、図2に示す形状のマグネット2,3に代えて、図4
に示す形状のマグネット11を有して構成される。つま
り、マグネット11の形状以外は、図1のブロアモータ
1と同一構成であるので、その説明及び図面を省略す
る。なお、図4は、断面円弧状に形成されたマグネット
11を直線上に展開して示した模式図である。
磁極部11aと、その主磁極部11aに対して電機子コ
ア8の回転方向側の端部に延出形成された延長部11b
とを有している。延長部11bは、整流区間の30°の
角度に対応する長さを有し、その厚さが回転方向に徐々
に薄くなるよう形成されている。また、主磁極部11a
における回転方向逆側の端部11cもその厚さが徐々に
薄くなるよう形成されている。なお、マグネット11の
長手方向の長さに対する厚さの変化割合は、端部11c
よりも延長部11bの方が小さくなっている。
(c)の順に回転する整流時において、電機子コイル9
を通過する磁束量Φは、図5に示すように、電機子4の
回転に応じて徐々に増加する。電機子4の回転に対する
磁束量Φの増加割合は、整流初期が最も大きく、電機子
4の回転に応じて徐々に小さくなる。その結果、電機子
コイル9に発生する誘起電圧e(=−dΦ/dt)は、
整流初期でマイナス側に最も大きく、電機子4の回転に
応じて徐々に増加して整流の終了時に0となる。
圧が打ち消されて、図6に示すように、整流が改善され
る。つまり、一点鎖線で示す不足整流に対して、実線で
示すように整流が改善され、点線で示す直線整流に近づ
けることができる。
てリアクタンス電圧を打ち消す誘起電圧eが発生するの
で、負荷の影響を受けることなく、常に良好な整流をお
こなうことができる。さらに、マグネット11は、従来
のマグネット21,22に対して延長部11bを設け、
端面形状を変更した単純な形状であるので、製造が容易
となりコスト的にも有利である。
てもよい。 ○上記各実施形態のマグネット2,3,11では、回転
方向側の端部に延長部2b,3b,11bを配設するも
のであったが、これに限定するものではない。つまり、
図7及び図8に示すマグネット12,13のように、電
機子コア8の回転方向側と回転方向逆側の端部に延長部
12b,12c,13b,13cを配設し、そのうちの
一方の延長部12c,13bの厚さが徐々に薄くなるよ
うに形成してもよい。
ように、主磁極部12aと、その両端部に延出形成され
た延長部12b,12cを備えている。延長部12b,
12cは、整流区間の30°の角度に対応する長さを有
している。また、延長部12bは、主磁極部12aと同
じ厚さで形成され、延長部12cは、回転方向逆側に向
かって徐々に薄くなるよう形成されている。このように
マグネット12を形成した場合、電機子コア8が(a)
→(b)→(c)の順に回転する整流時において、電機
子コイル9を通過する磁束量Φは、図5のように変化す
る。そして、この磁束量Φの変化によって発生する誘起
電圧eによって、リアクタンス電圧が打ち消されて、図
6に示すように、整流を改善できる。
に、主磁極部13aと、その両端部に延出形成された延
長部13b,13cを備えている。延長部13b,13
cは、整流区間の30°の角度に対応する長さを有して
いる。延長部13bは、回転方向に向かって徐々に薄く
なるよう形成され、延長部13cは、主磁極部13aよ
りも薄く等幅で形成されている。このようにマグネット
13を形成した場合も、電機子コア8が(a)→(b)
→(c)の順に回転する整流時において、電機子コイル
9を通過する磁束量Φは、図5のように変化する。そし
て、この磁束量Φの変化によって発生する誘起電圧eに
よって、リアクタンス電圧が打ち消されて、図6に示す
ように、整流を改善できる。
電機子コイル9を通過する合成磁束量Φを増加させるべ
く、マグネット2,3,11,12,13の延長部2
b,3b,11b,12c,13b,13cの厚さを変
更するものであったが、これに限定するものではない。
例えば、図9に示すように、厚さが一定のマグネット1
4において、磁気双極子の配向の強弱を変更して具体化
してもよい。なお、図9は、略円弧状に形成されたマグ
ネット14を直線上に展開して示した模式図である。こ
のマグネット14も、主磁極部14aと延長部14bを
有している。そして、配向の強弱が異なるよう延長部1
4bを形成することで、図3又は図5に示すように、整
流中の電機子コイル9を通過する磁束量Φを変化させ、
リアクタンス電圧を打ち消す誘起電圧eを発生させる。
この場合も、負荷の影響を受けることなく常に良好な整
流を行うことができる。また、厚さが一定のマグネット
において着磁の強弱を変更して具体化してもよい。さら
に、図10に示すように、形状及び配向の強弱を組み合
わせたマグネット15を用いて具体化してもよい。な
お、マグネット15も、主磁極部15aと延長部15b
を有している。要は、マグネットの端部に延長部を形成
して、リアクタンス電圧を打ち消す所望の誘起電圧eを
発生させるものであればよい。
が一定のマグネットでは、磁気双極子の配向の強弱を変
更した延長部14b側をその外観から判別することが不
可能であり、マグネット14の逆組付けのおそれがあ
る。さらに、組み付け時において、マグネット14の位
置ズレが発生すると、整流改善効果が無くなることも考
えられる。そのため、図11に示すように、略円弧形状
の前記マグネット14において、そのマグネット14の
磁極幅の中心線L(マグネット開角の中心部)を避けた
位置に目視可能手段としての凹部16を形成する。図1
1に示すマグネット14では、中心線Lに対して延長部
14bが形成されない側の外側上部に凹部16が形成さ
れている。この凹部16は、マグネット14の成形と同
時に形成可能である。また、凹部16は、マグネット1
4の外側上部に形成されておりマグネット14の組み付
け後において目視可能であるため、マグネット14の逆
組付けや位置ズレを防止でき、マグネット14による整
流機能を確実に発揮できる。
凸部としてもよい。但し、目視可能手段(凸部、凹部)
は、マグネット14の磁束量に影響が無く強度的に問題
の無い箇所及び大きさで形成する。さらに、目視可能手
段は、図12に示すように、マグネット14の端部にお
いて、印刷等により着色されるマーキング17でもよ
い。このようにしても、マグネット14の逆組付けや位
置ズレを防止できる。
箇所に、目視可能な大きさで形成するものであればよ
い。なお、位置決め可能な箇所とは、マグネットの組み
付け状態を確認できる位置、具体的には、マグネット開
角の中心部及びマグネットの背部(モータハウジング7
側となる外側)を避けた位置であり、例えばマグネット
14の内側(電機子4と対向する側)や端部(上部、下
部、側部)等である。
マグネット2,3,11,12,13,15に形成して
もよい。この場合も、マグネットの組み付け性を向上で
きる。
的な整流の一つである直線整流にするよう延長部2b,
3bが形成されていたが、例えば、整流の開始時及び終
了時の電流変化がゆるやかとなる、いわゆる正弦波整流
となるように、マグネットの延長部を形成してもよい。
この場合も、整流が良好に実施されるので、ブラシ前端
及びブラシ後端での火花の発生を抑制できる。
モータ1に具体化したが、直流発電機において、上記の
マグネット2,3,11,12,13,14,15を採
用してもよい。この場合も、整流が良好に実施されるの
で、同発電機において運転状態が変更されたとしても安
定した運転が実現できる。
求項以外の技術的思想について、以下にそれらの効果と
共に記載する。 (イ)直流電源の供給により回転駆動する請求項1〜1
2のいずれか一項に記載の直流機。この構成によれば、
直流電源の供給により回転駆動する、いわゆる直流発動
機において、負荷が変動した場合でも整流を良好に行う
ことができ、適正な回転駆動力を得ることができる。
の直流機において、前記マグネットは、主磁極部と前記
延長部とを有し、前記電機子コアには複数の歯部が形成
され、前記マグネットの主磁極部は、整流時に電流が供
給される電機子コイルが巻装される複数の歯部のうち回
転方向側と回転方向逆側の端部に配置する歯部の中心間
の角度に対応した幅となるよう形成され、前記マグネッ
トの延長部は、その主磁極部に対して延長形成した部分
である。この構成によれば、マグネットの主磁極部に対
して延長形成した延長部により、リアクタンス電圧を打
ち消す誘起電圧が発生し、整流を良好に行うことができ
る。
リアクタンス電圧を打ち消す誘起電圧が発生するので、
負荷の影響を受けることなく常に良好な整流を行うこと
ができる。
図。
模式図。
の関係を示す図。
との関係を示す模式図。
の関係を示す図。
との関係を示す模式図。
との関係を示す模式図。
との関係を示す図。
ト、2b,3b…延長部、4…電機子、6…ブラシ、8
…電機子コア、9…電機子コイル、11…マグネット、
11b…延長部、12…マグネット、12b,12c…
延長部、13…マグネット、13b,13c…延長部、
14…マグネット、14b…延長部、15…マグネッ
ト、15b…延長部、16…目視可能手段としての凹
部、17…目視可能手段としてのマーキング。
Claims (12)
- 【請求項1】 電機子コアに電機子コイルを巻装して構
成される電機子と、 前記電機子を挟んで対向配置されるマグネットとを備
え、整流中にブラシで短絡される前記電機子コイルの電
流の向きが反転する直流機において、 前記マグネットの端部に、整流中の前記電機子コイルに
リアクタンス電圧を打ち消す誘起電圧を発生させるため
の延長部を形成したことを特徴とする直流機。 - 【請求項2】 請求項1に記載の直流機において、 前記整流中の電機子コイルに発生させる誘起電圧は、初
期が小さく徐々に大きくしたことを特徴とする直流機。 - 【請求項3】 請求項1に記載の直流機において、 前記整流中の電機子コイルに発生させる誘起電圧は、初
期が小さく徐々に大きくし、前記リアクタンス電圧に完
全に一致させたことを特徴とする直流機。 - 【請求項4】 請求項1に記載の直流機において、 前記整流中の電機子コイルに発生させる誘起電圧は、初
期が大きく徐々に小さくしたことを特徴とする直流機。 - 【請求項5】 請求項1に記載の直流機において、 前記延長部は、その厚さが異なるよう形成されることを
特徴とする直流機。 - 【請求項6】 請求項5に記載の直流機において、 前記延長部は、電機子の回転方向側の端部に配設され、
その厚さが回転方向に徐々に厚くなるよう形成されるこ
とを特徴とする直流機。 - 【請求項7】 請求項5に記載の直流機において、 前記延長部は、電機子の回転方向側の端部に配設され、
その厚さが回転方向に徐々に薄くなるよう形成されるこ
とを特徴とする直流機。 - 【請求項8】 請求項5に記載の直流機において、 前記延長部は、電機子の回転方向側と回転方向逆側の端
部に配設され、そのうちの一方の延長部の厚さが徐々に
薄くなるよう形成されることを特徴とする直流機。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の直
流機において、 前記延長部は、配向の強弱が異なるよう形成されること
を特徴とする直流機。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一項に記載の
直流機において、 前記電機子コアには複数の歯部が形成され、 前記マグネットの延長部は、整流時に電流が供給される
電機子コイルが巻装される複数の歯部のうち回転方向側
及び回転方向逆側の端部に配置する歯部の中心線間の角
度よりも延長した部分であることを特徴とする直流機。 - 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか一項に記載
の直流機において、 前記マグネットは、マグネット開角の中心部及びマグネ
ット背部を除く部位に目視可能手段を形成したことを特
徴とする直流機。 - 【請求項12】 請求項11に記載の直流機において、 前記目視可能手段は、マグネットの上端部又は下端部に
形成される凹部であることを特徴とする直流機。
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