JP3954471B2 - 直流機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ブラシとコンミュテータを備えた直流機では、ブラシとコンミュテータでコイルに通電している電流の方向を切り替える(いわゆる整流)構成であるが、多くの場合切り替え時の最終時点で突然切り替わる現象(不足整流)が発生している。これにより、ブラシでの火花放電が発生し、騒音やブラシ摩耗の原因となる。
【0003】
この対策として、マグネットに磁束変化部を形成することで整流改善する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
図8に示すように、直流機20は、マグネット21,22、電機子23、コンミテータ24及びブラシ25を有している。
【0004】
直流機20は、モータハウジング26内において、2つのマグネット21,22が電機子23を挟んで対向配置されている。電機子23は、電機子コア27とその電機子コア27に巻装される電機子コイル28とを有し、直流電流の供給により回転駆動する。
【0005】
電機子コア27には、等間隔に形成された12個のティース27aが形成されており、そのうちの5つのティース27aの周囲に電機子コイル28が巻き付けられている。
【0006】
コンミテータ24は、電機子23の一端に配設され、複数のコンミ片24aを有して構成されている。又、ブラシ25がコンミテータ24に摺接するように付勢された状態で配設されている。そして、図示しない直流電源から供給される直流電流が、ブラシ25とコンミテータ24のコンミ片24aを経て電機子コイル28に流入される。これによって、電機子コイル28に流れる電流の向きが変更されて、電機子23が時計回り方向(図中、矢印X方向)に回転するようになっている。
【0007】
マグネット21,22は、主磁極部21a,22aと延長部21b,22bとを有している。マグネット21,22における回転方向側の端部に延長部21b,22bが延出形成されている。主磁極部21a,22aは、整流中の電機子コイル28が巻装される5つのティースのうち回転方向側及び回転方向逆側の端部に配置するティース27aの中心線間の角度(=120°の角度)に対応した長さとなるように形成されている。その主磁極部21a,22aの中心と整流中の電機子コイル28が巻装される電機子コア27(5つのティース27a)の中心が一致する回転位置が整流中心となる。つまり、この回転位置において、ブラシ25によって短絡される電機子コイル28の電流の向きが反転する。又、延長部21b,22bは、整流区間の30°の角度に対応する区間で、回転方向に徐々に厚くなるように形成されている。さらに、延長部21b,22bにおける先端側の5°の角度に対応する区間では、徐々に薄くなるよう形成されている。
【0008】
ここで、整流時の電機子コイル28によって巻装される電機子コア27(5つのティース27a)とマグネット21,22との位置関係を図9を用いて説明する。
【0009】
電機子23が回転して電機子コア27の位置が図9(a)のように電機子コア先端がマグネット21,22の弱磁束部21c,22cに位置するとき電機子コイル28の整流が開始される。その状態から図9(b)のように15°回転した位置が整流中心となり、この位置で電機子コイル28を流れる電流の方向が反転する。さらに、図9(c)のように15°回転した回転位置で整流が終了する。つまり、電機子コア27が図9(a)→図9(b)→図9(c)の順に30°回転するときに電機子コイル28の整流が実施される。この整流時において、電機子コア27の先端に対向する延長部21b,22bは、整流区間の30°の角度に対応する部分で徐々に厚くなるように形成されている。
【0010】
従って、図10に示すように、整流中の電機子コイル28を通過する磁束量Φは、電機子23の回転に応じて徐々に増加する。又このとき、磁束量Φの増加率は回転に応じて徐々に増加する。尚、図10で示す磁束量Φの変化は、電機子コイル28に流れる電流による磁束量と、マグネット21,22による磁束量との合成磁束量を示している。
【0011】
このように、整流中の電機子コイル28を通過する磁束量Φが変化するため、電機子コイル28に発生する誘起電圧e(=−dΦ/dt)は、整流初期時が小さく電機子23の回転位置に応じてマイナス側に徐々に大きくなる。
【0012】
この誘起電圧eによって、リアクタンス電圧が打ち消されて、図11に示す不足整流が改善される。つまり、リアクタンス電圧に完全に一致する誘起電圧eを発生させることで、整流曲線が図11の点線で示すような理想的な整流の1つである直線整流になる。尚、図11中の実線は、電機子コイルを通過する磁束量の変化がないマグネットの整流(不足整流)を示している。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−095218号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、直線整流は、理想的な整流の1つではあるが、整流はなるべく穏やかな変化となることが望ましい。整流の変化率は、モータ20のブラシ25の摩耗、騒音及び電磁ノイズの劣化等の原因となっており、より緩やかな変化となる整流を有するモータのニーズが高まっている。
【0015】
又、マグネット21,22は、周方向において150°の角度に対応した長さで形成されているためマグネット21,22間に30°の空隙が形成されてしまい、その空隙間ではモータ20が空転し円滑に回転できないといった問題点があった。
【0016】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、火花の発生を抑制し回転時の円滑な回転及び騒音の低減を図ることができる直流機を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、等角度間隔に設けられた複数のティースを有する電機子コアに電機子コイルを所定数の前記ティースに巻装して構成される電機子を挟んでマグネットが対向配置され、前記電機子コイルが接続されたコンミュテータの隣接する2つのコンミ片がブラシにより短絡される整流期間中に該電機子コイルの電流の向きが反転される直流機において、前記マグネットは、径方向への磁束が周方向に均一である主磁極部と、該主磁極部の回転方向逆側に形成され該主磁極部との境界に弱磁束部を有し前記電機子の回転方向逆側に向かって徐々に磁束が増加する延長部とからなり、整流開始時に前記電機子コイルが巻装される前記所定数のティースのうち回転方向逆側の端部に配置される前記ティースのティースバーの回転方向先端が前記弱磁束部に配置されることをその要旨とする。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の直流機において、前記主磁極部は、前記電機子コイルが巻装された前記複数のティースの回転方向側に隣接するティースの中心線と前記電機子コイルが巻装された前記複数のティースのうち回転方向逆側の端部に配置する前記ティースの中心線との間の第1角度と、1つの前記ティースの中心線間の角度分だけ前記第1角度よりも小さくした第2角度との間の円弧角度に対応した長さで形成されることをその要旨とする。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の直流機において、前記延長部は、少なくとも1つの前記ティースのティースバーの両端間の角度より大きい角度で形成されることをその要旨とする。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の直流機において、前記整流中の電機子コイルに発生させる誘起電圧は、初期が小さく、前記電機子の回転位置に応じてマイナス側に徐々に大きくしたことをその要旨とする。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の直流機において、前記電機子を挟んで対向配置されるマグネットは2つ設けられ、該2つのマグネットは電機子中心軸を対称点とする点対称に形成されていることをその要旨とする。
【0022】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、マグネットは、径方向への磁束が周方向に均一である主磁極部と、該主磁極部の回転方向逆側に形成され該主磁極部との境界に弱磁束部を有し前記電機子の回転方向逆側に向かって徐々に磁束が増加する延長部とから形成される。そして、整流開始時に電機子コイルが巻装される前記所定数のティースのうち回転方向逆側の端部に配置されるティースのティースバーの回転方向先端が弱磁束部に配置される。従って、整流時において、滑らかな曲線を描く理想の整流波形を得ることができる。つまり、直流機の火花の発生を抑制し、又、回転時の円滑な回転及び騒音の低減を図ることができる。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、主磁極部は、電機子コイルが巻装された複数のティースの回転方向側に隣接するティースの中心線と電機子コイルが巻装された複数のティースのうち回転方向逆側の端部に配置するティースの中心線との間の第1角度と、1つの前記ティースの中心線間の角度分だけ第1角度よりも小さくした第2角度との間の円弧角度に対応した長さで形成される。従って、従来と比べ、各マグネットは、円弧角度が大きくなるように形成されるためマグネット間の空隙が小さくなり、その結果、電機子コイルの空転距離が短くなるので、直流機は円滑に回転することができる。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、延長部は、少なくとも1つのティースのティースバーの両端間の角度より大きい角度で形成される。従って、電機子コイルが巻回されるティースの1つは、整流区間において、マグネットの延長部の対向を回転することにより、リアクタンス電圧を打ち消す誘起電圧を発生することができる。つまり、直流機の火花の発生を抑制し、又、騒音の低減を図ることができる。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、整流中の電機子コイルに発生させる誘起電圧は、初期が小さく、電機子の回転位置に応じて徐々に大きくしている。従って、整流時において、緩やかな整流を有する直流機を形成することができる。即ち、直流機の火花の発生を抑制し、又、回転時の円滑な回転及び騒音の低減を図ることができる。
【0026】
請求項5に記載の発明によれば、電機子を挟んで対向配置されるマグネットは2つ設けられ、該2つのマグネットは電機子中心軸を対称点とする点対称に形成されている。従って、直流機の磁気発生がバランス良く保たれ、直流機は円滑に回転することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の直流機としてのブロアモータ1の概略構造を示す部分断面図である。
【0028】
ブロアモータ1は、2極の直流機であって、モータハウジングヨーク2内には、電機子3が回転可能に軸支され、該電機子3を挟んでN極及びS極を形成する2つのマグネット4,5が対向配置されている。電機子3は、電機子コア6とその電機子コア6に巻装される電機子コイル7とを有し、直流電流の供給により回転駆動する。
【0029】
電機子コア6には、複数のティース6aが形成されており、複数の電機子コイル7は、それぞれ隣接するn個のティース6aの周囲に電機子コイル7が巻き付けられている。尚、本実施形態では、ティース6aの個数は12個であり、そのティース6aが、電機子3の周方向に30°毎に形成されている。つまり、隣り合うティース6aは、その中心線のなす角(モータ電機子スロット角、以下、ティース6a間の角度という)θ1が30°となるように形成されている。又、各ティース6aは、その両端間の角度θ2=25°となるように形成されている。つまり、各ティース6aは、角度α(=5°)に対応する距離だけ離れて形成されている。又、図示を省略しているが、複数の電機子コイル7がそれぞれ5つ(n=5)のティース6a毎に同様に巻き付けられている。つまり、巻線の巻装方式は分布巻である。以下、1つの電機子コイル7が巻き付けられている5つのティース6aのうち、回転方向逆側の端部に配置されるティースをティースAとして説明する。
【0030】
電機子3の一端には、複数のコンミ片8aを有するコンミュテータ8が配設されている。複数(図において2つ)のブラシ9がコンミュテータ8の各コンミ片8aに摺接するように付勢された状態で配設されている。そして、図示しない直流電源から供給される直流電流が、ブラシ9とコンミュテータ8のコンミ片8aを経て電機子コイル7に流入すると、電機子3が回転し始める。そして、いずれかのブラシ9に対して隣接する一対のコンミ片8aが接触して、それらのコンミ片8a間がブラシ9を介して短絡することにより、電機子コイル7に流れる電流の向きが変更されて、電機子3が時計回り方向(図中、矢印Y方向)に回転し続ける。
【0031】
本実施形態では、12個のコンミ片8aが周方向に30°毎に設けられており、電機子3がブラシ9に対して略30°回転するとき、電機子コイル7の電流の向きが変更される。この時、電機子コイル7が整流中であるといい、この回転する区間が書く電機子コイル7に対する整流区間である。つまり、電機子3の30°の回転によって電機子コイル7の整流が行われる。尚、本実施形態では、コンミ片8a間角度は前記ティース6a間の角度θ1と同じに設定され、ブラシ9とコンミ片8aとの当接幅に対応する当接幅角度は前記ティース6a間の角度θ1と同じに設定されている。
【0032】
前記マグネット4,5は、主磁極部4a,5aと延長部4b,5bとを有し、主磁極部4a,5aは、その主磁極部4a,5aの回転方向逆側に延長部4b,5bが形成されている。つまり、マグネット4,5における回転方向逆側の端部に延長部4b,5bが延出形成されている。
【0033】
主磁極部4a,5aは、円弧角度σに対応した長さとなるように、略均一の厚みにて形成されている。従って、主磁極部4a,5aにおける径方向に向かう磁束の磁束量は、周方向に均一である。円弧角度σは、電機子コイル7が巻回されたn個のティース6aの回転方向側に隣接するティース6aの中心線と電機子コイル7が巻回されたn個のティース6aのうち回転方向逆側の端部に配置するティース6aの中心線との間の第1角度(θ1×n=30°×5=150°)からn個のティース6aのうち回転方向側及び回転方向逆側の端部に配置するティース6aの中心線間の第2角度(θ1×(n−1)=30°×4=120°)の範囲で設定される。円弧角度σは、できるだけ大きいことが望ましく、本実施形態では円弧角度σ=150°で主磁極部4a,5aが形成されている。
【0034】
延長部4b,5bは、少なくとも1つのティース6aのティースバーの両端間の角度θ2(=25°)以上の角度に対応する長さにて、回転方向逆側に向かって徐々に厚くなるように形成されている。従って、延長部4b,5bにおける磁束量は、回転方向逆側に向かって徐々に増加する、言い換えれば回転方向に沿って徐々に減少する。本実施形態において、延長部4b,5bは、θ2=25°に対応する長さで形成されている。
【0035】
又、マグネット4,5は、主磁極部4a,5aと延長部4b,5bとの境界近傍に弱磁束部4c,5cが形成されている。そして、着磁されたマグネット4,5は、前記主磁極部4a,5aと延長部4b,5bとの境界において最小の磁束密度を有し、その磁束密度は延長部4b,5bの弱磁束部4c,5cに沿って徐々に減少するように変化する。
【0036】
ここで、整流時の電機子コイル7によって巻装される電機子コア6(5つのティース6a)とマグネット4,5との位置関係を図1,2を用いて説明する。尚、マグネット4とマグネット5は電機子3の中心に対して点対称に配置されているため、説明の便宜上、電機子コア6(5つのティース6a)とマグネット4との位置関係のみ説明する。
【0037】
図1に示すように、電機子3が回転して回転方向逆側の端部に配置するティースAのティースバーBの回転方向先端Cがマグネット4の弱磁束部4cに位置する。この時、1つのコンミ片8a(前コンミ片8aという)に当接しているブラシ9が隣接する他のコンミ片8a(後コンミ片8aという)に当接し始め、電機子コイル7の整流が開始される。言い換えれば、ブラシ9が整流状態に入る瞬間にティースAのティースバーBの回転方向先端Cがマグネット4の弱磁束部4cにさしかかる。
【0038】
そして、電機子3が図1の回転位置から所定角度にて時計回り方向へ回転した位置が整流中心(図2の回転位置)となり、この位置で電機子コイル7を流れる電流の方向が反転しつつある状態である。このとき、前記主磁極部4aの回転方向逆側の端部、即ち弱磁束部4cが前記ティースAの中心線に対応する位置に位置している。さらに、電機子3がこの状態(図2の回転位置)から所定角度にて時計回り方向へ回転した回転位置(前コンミ片8aからブラシ9が離間した位置)で整流が終了する。
【0039】
この整流時において、ティースAに対向する延長部4bは、ティースAのティースバーBの両端間の角度θ2に対応する部分で徐々に薄くなるように形成されている。従って、図3に示すように、整流中の電機子コイル7を通過する磁束量Φは、電機子3の回転に応じて徐々に減少する。又、このとき、磁束量Φの減少率は回転に応じて徐々に増加する。尚、ここで示す磁束量Φは、電機子コイル7に流れる電流による磁束量と、マグネット4,5による磁束量との合成磁束量を示している。
【0040】
このように、整流中の電機子コイル7を通過する磁束量Φが変化するため、電機子コイル7に発生する誘起電圧e(=−dΦ/dt)は、整流初期時が小さく電機子3の回転位置に応じてマイナス側に徐々に大きくなる。
【0041】
この誘起電圧eによって、リアクタンス電圧が打ち消されて、図4に示す不足整流が改善される。つまり、この誘起電圧eによって、リアクタンス電圧が打ち消されて、図4に実線で示すように、不足整流が改善され、略正弦波のような緩やかな曲線波形が描かれる。尚、図4において、1点鎖線は電機子コイルを通過する磁束量の変化がない直流機の整流の波形(不足整流)を示し、破線は直線整流の波形を示す。
【0042】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)ブロアモータ1は、マグネット4,5と12個のティース6aと有する電機子コア6とを備えている。マグネット4,5は、径方向の磁束が周方向に沿って均一な主磁極部4a,5aと、該主磁極部4a,5aの回転方向逆側に向かって徐々に厚くなる延長部4b,5bとから形成されている。マグネット4,5は、主磁極部4a,5aと延長部4b,5bとの境界近傍に弱磁束部4c,5cが形成されている。電機子コア6には、12個のティース6aが形成されており、5つのティース6aの周囲に1つの電機子コイル7が巻き付けられている。5つのティース6aのうち、回転方向逆側の端部に配置するティースAのティースバーBの回転方向先端Cがマグネット4の弱磁束部4cに位置するとき、そのティースAに巻回された電機子コイル7の整流が開始される。従って、ブロアモータ1は、モータ負荷に応じてリアクタンス電圧を打ち消す誘起電圧eが発生するので、常に良好な整流を行うことができる。具体的には、整流時の整流曲線が理想的な略正弦波を描く整流となる。従って、火花の発生が防止され、騒音を低減できるとともにブラシ摩耗を抑制できる。
【0043】
(2)整流開始時に電機子コイル7が巻装される5つのティース6aの回転方向逆側のティースAのティースバーBの回転方向先端Cが弱磁束部4cにさしかかる(配置される)ようになる。言い換えれば、電機子コイル7が巻装される5つのティース6aのうちティースAのティースバーBの回転方向先端Cが弱磁束部4cにさしかかるときに、該電機子コイル7を結線した両コンミ片8aがブラシ9により短絡し始まるようにそのブラシ9の位置を設置されている。従って、弱磁束部4cを有するマグネット4に対してブラシ9を適正な位置に設置したので、整流が良好に行われ、火花の発生を抑制できる。
【0044】
(3)マグネット4,5は、主磁極部4a,5aが最大の円弧角度σ=150°に対応する長さで形成され、延長部4b,5bが最小の円弧角度θ=25°に対応する長さで形成されている。従って、マグネット4,5は、円弧角度σが大きくなるように形成されるので、電機子コイル7の空転距離が短くなり、ブロアモータ1を円滑に回転させることができる。
【0045】
(4)コンミ片8a間角度はティース6a間の角度θ1と同じに設定され、ブラシ9とコンミ片8aとの当接幅に対応する当接幅角度もティース6a間の角度θ1と同じに設定されている。従って、整流開始時に電機子コイル7が巻装される5つのティース6aの回転方向逆側のティースAのティースバーBの回転方向先端Cがマグネット4,5の弱磁束部4c,5cに確実に配置される。言い換えれば、電機子コイル7が巻装される5つのティース6aの回転方向逆側のティースAのティースバーBの回転方向先端Cがマグネット4,5の弱磁束部4c,5cに位置するとき、整流が確実に開始されるようになる。
【0046】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、整流時において、電機子コイル7を通過する合成磁束量を減少させるべく、マグネット4,5の延長部4b,5bの厚さを変更するものであったが、これに限定するものではない。要は、マグネットの端部に延長部を形成して、リアクタンス電圧を打ち消す所望の誘起電圧eを発生させるものであれば良い。
【0047】
例えば、図5に示すように、厚さが一定のマグネット13において、磁気双極子の配向の強弱を変更して具体化しても良い。例えば、図5は、略円弧状に形成されたマグネット13を直線上に展開して示した模式図である。このマグネット13も、主磁極部13aと延長部13bとを有している。そして、配向の強弱が異なるように延長部13bを形成することで、図3に示すように、整流中の電機子コイル7を通過する磁束量Φを変化させ、リアクタンス電圧を打ち消す誘起電圧eを発生させる。従って、負荷の影響を受けることなく常に良好な整流を行うことができる。
【0048】
又、図6に示すように、厚さが一定のマグネット14において、着磁の強弱を変更して具体化しても良い。このマグネット14も、主磁極部14aと延長部14bとを有している。延長部14bは、回転方向先端側(主磁極部14a側)が磁性が弱く、後端側にいくほど磁性が強くなるように形成される。従って、本実施形態と同様の効果を奏する。
【0049】
又、図7に示すように、厚さが一定のマグネット16を、主磁極部16aと、着磁の強弱の異なる多層のマグネット16b,16c,16dとで形成しても良い。
【0050】
○上記実施形態では、マグネット4,5の主磁極部4a,5aは、円弧角度σ=150°で形成されていたが、第1角度と第2角度との間(つまり、120°≦σ≦150°の間)に設定されれば、他の円弧角度σで形成しても良い。
【0051】
又、同様に、マグネット4,5の延長部4b,5bは角度θ2=25°で形成されていたが、マグネット4とマグネット5とが当接しない範囲内において、角度θ2=25°より大きく形成しても良い。この時、マグネット4,5の円弧角度、即ち、主磁極部4a,5aの円弧角度σと延長部4b,5bの角度θ2とをなるべく大きく形成してやれば、ブロアモータ1は、より円滑に駆動することができる。
【0052】
○上記実施形態では、本発明を直流機としてのブロアモータ1に具体化したが、ブロアモータ1以外の直流機に具体化しても良い。
○上記実施形態では、ティース6aが12個設けられたブロアモータ1に具体化したが、ティースが12個以外の複数個設けられた直流機に具体化して実施しても良い。
【0053】
○上記実施形態では、各電機子コイル7は5つのティースに巻装されていたが、5個以外のn個のティースに巻装しても良い。
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
【0054】
(イ)等角度間隔に設けられた複数のティースを有する電機子コアに電機子コイルを所定数の前記ティースに巻装して構成される電機子を挟んでマグネットが対向配置され、前記電機子コイルが接続されたコンミュテータの隣接する2つのコンミ片がブラシにより短絡される整流期間中に該電機子コイルの電流の向きが反転される直流機において、
前記マグネットは、径方向への磁束が周方向に均一な主磁極部と、該主磁極部の回転方向逆側に形成され該主磁極部との境界に弱磁束部を有し径方向への磁束が異なる複数の磁束部とからなり、
前記複数の磁束部は、前記電機子の回転方向逆側に向かって徐々に磁束が増加することを特徴とする直流機。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、火花の発生を抑制し回転時の円滑な回転及び騒音の低減を図ることができる直流機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 直流機の断面図である。
【図2】 直流機の断面図である。
【図3】 電機子コアの回転位置と磁束量及び誘起電圧との関係を示す説明図である。
【図4】 整流曲線の説明図である。
【図5】 別例の概略図である。
【図6】 別例の概略図である。
【図7】 別例の説明図である。
【図8】 従来の直流機の断面図である。
【図9】 (a)〜(c)は、従来のマグネットと電機子の回転位置との関係を示す模式図である。
【図10】 従来の電機子コアの回転位置と磁束量及び誘起電圧との関係を示す説明図である。
【図11】 従来の整流曲線の説明図である。
【符号の説明】
1…直流機としてのブロアモータ、3…電機子、4,5…マグネット、4a,5a…主磁極部、4b,5b…延長部、4c,5c…弱磁束部、6…電機子コア、6a,A…ティース、7…電機子コイル、8…コンミュテータ、8a…コンミ片、9…ブラシ、α,θ1,θ2…角度、e…誘起電圧、σ…円弧角度、B…ティースバー、C…回転方向先端。

Claims (5)

  1. 等角度間隔に設けられた複数のティースを有する電機子コアに電機子コイルを所定数の前記ティースに巻装して構成される電機子を挟んでマグネットが対向配置され、前記電機子コイルが接続されたコンミュテータの隣接する2つのコンミ片がブラシにより短絡される整流期間中に該電機子コイルの電流の向きが反転される直流機において、
    前記マグネットは、径方向への磁束が周方向に均一である主磁極部と、該主磁極部の回転方向逆側に形成され該主磁極部との境界に弱磁束部を有し前記電機子の回転方向逆側に向かって徐々に磁束が増加する延長部とからなり、
    整流開始時に前記電機子コイルが巻装される前記所定数のティースのうち回転方向逆側の端部に配置される前記ティースのティースバーの回転方向先端が前記弱磁束部に配置されることを特徴とする直流機。
  2. 請求項1に記載の直流機において、
    前記主磁極部は、前記電機子コイルが巻装された前記複数のティースの回転方向側に隣接するティースの中心線と前記電機子コイルが巻装された前記複数のティースのうち回転方向逆側の端部に配置する前記ティースの中心線との間の第1角度と、1つの前記ティースの中心線間の角度分だけ前記第1角度よりも小さくした第2角度との間の円弧角度に対応した長さで形成されることを特徴とする直流機。
  3. 請求項1又は2に記載の直流機において、
    前記延長部は、少なくとも1つの前記ティースのティースバーの両端間の角度より大きい角度で形成されることを特徴とする直流機。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の直流機において、
    前記整流中の電機子コイルに発生させる誘起電圧は、初期が小さく、前記電機子の回転位置に応じてマイナス側に徐々に大きくしたことを特徴とする直流機。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の直流機において、
    前記電機子を挟んで対向配置されるマグネットは2つ設けられ、該2つのマグネットは電機子中心軸を対称点とする点対称に形成されていることを特徴とする直流機。
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