JP2001094406A - ドライブ回路 - Google Patents
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Abstract
オンオフ駆動するドライブ回路で、IGBT1のターン
オン時に発生するノイズを低減しながらターンオン損失
の増加を防ぐ。 【解決手段】端子8にオン信号が入るとプリドライバ9
はMOSFET3,4をオフし、5をオンする。よって
MOSFET2のゲートは抵抗6とFET5を介して緩
やかに充電され、FET2のオン抵抗も徐々に低下す
る。コンデンサ10はFET2のミラー効果を高めその
ドレイン電位(IGBT1のゲート電圧)の上昇(下
降)速度を抑えIGBT1のdi/dtや電圧下降初期
のdV/dtを小さくしてノイズを抑える。またターン
オン後期のIGBT1のゲート電圧の変化速度が小さい
領域では逆にミラー効果が働かず、FET2のオン抵抗
の低下速度が早くなり、IGBT1のゲート充電電流が
増えてターンオン後期の期間が短縮され、この期間のタ
ーンオン損失が減る。
Description
モータの可変速制御用インバータなどに使用されるIG
BTなどの電圧駆動型半導体スイッチング素子のドライ
ブ回路(即ち、外部からのオン/オフ信号を入力とし
て、該電圧駆動型半導体スイッチング素子の制御端子に
直接加えるオン/オフ駆動用の信号を生成し印加する回
路)であって、特に駆動対象の電圧駆動型半導体スイッ
チング素子のターンオン時に生ずるノイズを抑制しなが
ら、ターンオンの遅れやターンオン損失の増加を防ぐ機
能を備えたドライブ回路に関する。なお以下各図におい
て同一の符号は同一もしくは相当部分を示す。
構成例を示し、駆動対象素子としてIGBTlをドライ
ブする場合を示している。本例ではIGBTlを充電し
オンさせる手段としてPチャネルMOSFET2を、オ
フする手段としてNチャネルMOSFET4を使用して
いる。
8にオン信号が入力された場合には、先ず出力7bを低
電位(Lとも略記する)としてNチャネルMOSFET
4をオフし、次に出力7aをLとしてPチャネルMOS
FET2をオンし、IGBTlのゲートを充電しこれを
オンする。出力7bと7aに時間差を設ける理由はMO
SFETの遅れ時間などにより両方のMOSFET2,
4が同時にオン状態となり、短絡電流が流れることを防
止するためである。
が入力された場合には、プリドライバ7は先ず出力7a
を高電位(Hとも略記する)としてPチャネルMOSF
ET2をオフし、次に出力7bをHとしてNチャネルM
OSFET4をオンする。これによりIGBTlのゲー
ト電荷は放電されIGBT1はオフする。
パワー素子はオン電圧による定常損失と、スイッチング
損失(ターンオン損失、ターンオフ損失)との総合損失
を低減することが重要であるが、スイッチング損失の低
減のためにスイッチング速度を高めると、一方では急激
なdV/dt、di/dtによるノイズの問題が発生す
る。このノイズ発生は通常、パワー素子のターンオン時
により大きくなる。
失の低減とノイズの低減を両立させるドライブ方式が盛
んに検討されている。このようなドライブ方式として
は、特開昭61−237513号、特開平7−2406
76号が開示されており、これらの技術においては、い
ずれも駆動対象の電界効果型トランジスタの素子自体の
ゲートとドレインの間にオン/オフ速度を緩衝するため
のコンデンサを接続するようにしている。
ングの動作を説明するために、実際のモータのPWM
(パルス幅変調)制御などに使用されるインバータの回
路を簡略化したもので、図6はこのような回路でのIG
BT1のターンオン動作の波形を示している。次に図
5,6を使用してこのターンオン動作を説明する。
インダクタンスLに電流が流れ、このインダクタンスL
と電源電圧Ed〔正確には、Ed−(IGBT1のオン
電圧)=インダクタンスLに印加される電圧〕で決定さ
れるdi/dt(=Ed/L)で電流が増加する。
BT1をオフすると、それまで流れていた電流はフリー
ホイルダイオード31を通じて転流される(図5におけ
るI0からI1への遷移)。
ホイルダイオード31に流れていた電流は、IGBT1
の電流が増加し、インダクタンスLに流れていた電流
(図5におけるIl:実際にはフリーホイルダイオード
31のオン電圧などによる減衰があるため若干減少して
いるが、インダクタンスLが十分大きいので減衰はわず
かである。)に等しくなった時点で、すべての電流がI
GBT1に移る。
ンする際のゲート電圧VGE、コレクタ電流Ic、コレク
タ・エミツタ間電圧VCEの波形を示している。
駆動するものとすると、時刻tlで図4のドライブ回路
はPチヤネルMOSFET2をオンし、IGBTlのゲ
ートに電流供給を開始する。時刻t2でIGBTlのゲ
ート電圧VGEはゲートしきい値に達しコレクタ電流Ic
が流れ始め、ゲート電圧が上昇するにつれてIcが増加
する。
れまでフリーホイルダイオード31が流していた電流に
達すると、IGBTlへはインダクタンスL側からはそ
れ以上の電流は流れない。これはインダクタンスLが十
分大きいため、インダクタンスLに流れる電流の急激な
増加は抑制されるためである。
1には電流が0になっても、電流が流れていた時に伝導
度変調によって生じた過剰キャリアが残っており、IG
BTlのゲート電圧がそれ以上のコレクタ電流Icを流
せる電圧であれば、フリーホイルダイオード31にそれ
まで流れていた方向と逆方向に電流(逆回復電流とい
う)I2が過渡的に流れる。この逆回復電流I2は図5
に示すようにIGBT1を通じて流れ、従ってIGBT
lを流れる電流はIl(=I0)+I2となる。IGB
T1のゲート電圧VGEはPチャネルMOSFET2から
の充電電流によって上昇を続けようとするが、IGBT
1のコレクタ・エミッタ間電圧VCEが低下するに伴い低
下する。これは、この電圧低下によってIGBTlのコ
レクタ・ゲート間容量を通じて電流が流れること(所謂
ミラー効果)に起因する。
電圧VCEの低下開始時期(t4)がフリーホイルダイオ
ード31の逆回復電流I2の流れ開始時期(t3)より
遅れる理由は以下の通りである。フリーホイルダイオー
ド31が内部のキャリア分布の変化に伴う拡散電流によ
ってIGBTlのゲート電圧に見合った電流供給ができ
る領域では空乏層が伸びる必要がなく、フリーホイルダ
イオード31の電圧上昇が起こらず、したがってIGB
Tlのコレクタ・エミッタ間電圧VCEの電圧低下は起こ
らない。
が流れ続け空乏層が伸びることによってしか電流供給で
きない領域になると、フリーホイルダイオード31の逆
回復電圧が増加し、IGBTlのコレクタ・エミッタ間
電圧VCEが低下し始める。このためミラー効果によりI
GBT1のゲート電圧VGEは低下し、IGBTlを流れ
るコレクタ電流Icは時点t4付近でピーク値をとり、
以後それまでフリーホイルダイオード31が流していた
電流Ilまで低下する。この後、時点t5〜t6の期
間、ゲート電圧VGEはそれまでフリーホイルダイオード
31が流していた電流をIGBT1が維持できる値でほ
ぼ一定になる。
6に示すように電圧が低下するに従いdV/dtが小さ
くなっている。これは、VCEの低下に伴いIGBTlの
コレクタ・ゲート間容量を通じて流れる電流がPチヤネ
ルMOSFET2からの充電電流と等しくなる状態でバ
ランスするためで、コレクタ・エミッタ間電圧VCEの低
下にしたがってIGBT1の空乏層が縮むためIGBT
1のコレクタ・ゲート間容量が増加することに対応して
いる。
圧VGEが一定の電圧になった後のコレクタ電流Icの値
は一定となっている。実際にはインダクタンスLの値と
それに印加される電圧できまるdi/dtで電流が増加
するが、インダクタンスLが十分大きいため本図の時間
スケールでは、ほぼ一定と考えて良い。
てインダクタンスLを流れていた電流(I0=I1)以
上の電流がIGBTlに流れる。インダクタンスLを流
れていた電流を上回る分の電流(フリーホイルダイオー
ドの逆回復電流)はフリーホイルダイオード31での損
失となると共にIGBT1での損失の増加にもなる。
いと、図5における浮遊インダクタンスLsにLs・d
i/dtの電圧が発生し、フリーホイルダイオード31
及びこれに並列接続されたIGBT35に過電圧が印加
され、素子の破壊を引き起こす場合や、IGBT35の
誤点弧を引き起こす場合が発生する。また、そのような
ことが発生しないにしても、図6に示すようにコレクタ
電流Icの振動が発生し、放射ノイズの増加などの原因
となる。
を低く押さえ、しかもノイズの発生などの不具合を抑制
する従来の方法について述べる。図7はこのような目的
を持った従来のドライブ回路の例を示し、図4と異なる
ところは、PチヤネルMOSFET2の代わりにPチヤ
ネルMOSFET36および37が接続されている点
と、PチヤネルMOSFET36のゲートがプリドライ
バ7で直接駆動されるのではなく、パルス回路38によ
って駆動される点である。
タイミング図で、図7におけるA〜D点の波形を示して
いる。プリドライバ7のオンオフ信号入力端子8(A
点)にオン信号が入力されると、プリドライバ7は先ず
出力7b(つまりMOSFET4のゲート(D点)の電
位)をLとしMOSFET4を遮断する。次にプリドラ
イバ7はtdlの遅れ時間後、出力7a(つまりMOS
FET37のゲート及びパルス回路38の入力(B点)
の電位)をLとしMOSFET37をオンさせると共
に、パルス回路38を介して予め決められた期間td
2,td3ずつMOSFET36のゲート(C点)の電
位をL,Hと切り替えた後、さらにLに切り替える。
tlからt2の期間に対応し、td3の期間は図6にお
ける時点t2からt4の期間に対応する。すなわち、時
点t2からt4の期間(期間td3)においてはMOS
FET37だけでIGBTlのゲートを充電し、時点t
lからt2の期間(期間td2)及び時点t4以降(期
間td3の後)はMOSFET36及び37で充電す
る。これによって以下の効果が得られる。
ET36及び37で充電することにより、オン信号の入
力時点からIGBT1のゲート電圧VGEがしきい値に達
するまでの時間(ターンオンの遅れ時間)を短くするこ
とができる。これはIGBT1のスイッチング損失を低
減する効果は無いが、オン信号入力時点から実際にIG
BT1がターンオン(通流開始)するまでの遅れ時間が
短くなり制御性が向上する。
T37だけでIGBT1のゲートを充電するのでIGB
T1のコレクタ電流のdi/dtが小さくなるため、時
点t2からt3の期間のIGBT1のスイッチング損失
は若干増加するものの、ゲート電圧VGEのオーバーシュ
ート(図6の時点t3からt5にかけてのゲート電圧V
GEの山)が低くなることにより、コレクタ電流Icのピ
ーク電流が低減されると共にIcの急激な減少も抑えら
れるため、浮遊インダクタンスLsによるサージ電圧や
電流振動による放射ノイズの発生が抑えられる。
T36及び37で充電することによりミラー効果によっ
てIGBT1のゲート電圧が一定となる期間(図6の時
点t5〜t6の期間)を短くし、IGBT1のコレクタ
・エミッタ間電圧VCEの低下を早めることができ、この
間のターンオン損失を低減できる。
の時点t2〜t3の期間のターンオン損失は増加するも
のの、時点t5からt6の期間のターンオン損失を低減
することができるので、スイッチング損失(この場合、
ターンオン損失)を増加させないで、サージ電圧及びノ
イズの発生を抑えることが可能となる。
dlと同様、MOSFET36又は37と、MOSFE
T4とが同時にオンする期間が存在することを防止する
ためのものである。
を行うインバータ回路ではPWM制御によりインバータ
回路の出力電流が正弦波形になるように制御するため、
IGBT1の電流は一定でない。従って図6における時
点t2からt3の期間は一定でない。従って図7におけ
るMOSFET37をオンしたまま36をオフする期間
(図8の期間td3)は最大電流時を想定した十分長い
期間にする必要がある。
流を大きくすべき図6の時点t5以降の区間の始めの部
分は充電電流が低いままであり、時点t5〜t6の期間
のスイッチング損失を十分低減することができなかっ
た。また、温度特性などにより図6の時点tl、t2な
どの時間が変動した場合についても適切な制御が行えな
いという欠点があった。
合でのIGBT1のターンオンを考える。図9はIGB
T1をオフ状態からその負荷を短絡してオンさせた場合
の電流及び電圧の波形を示す。時点tllでIGBT1
のゲートの充電を開始し、時点t12でゲート電圧VGE
がゲートしきい値に達するとIGBT1に電流が流れ始
める。
タンスによる影響を無視すれば、IGBT1に印加され
る電圧は一定である。従って図6に示すIGBT1のコ
レクタ電圧VCEの低下に伴うミラー効果によって、IG
BT1のゲート電圧VGEが一定となる期間が存在しな
い。従ってゲート電圧VGEは上昇を続け、t13におい
て駆動回路の電源11の電圧Vccに達する。
部のキャリアの振る舞いによってIGBT1のゲートか
らドライブ回路の方向に電流が流れ、駆動回路のインピ
ーダンスやゲート配線のインダクタンスによる電圧降下
により、ゲート電圧VGEが駆動回路の電源電圧Vcc以上
に上昇する。この現象は特に図4には図示されていない
ゲート抵抗(IGBT1のゲートとMOSFET2のド
レイン間に接続)が有る場合に顕著になる。やがてゲー
ト電圧VGEは過渡期間を経て時点t14で最大値をと
り、時点t15で電源電圧Vccに戻る。
の上昇に伴い増加し、ゲート電圧V GEが時点t14でピ
ークを迎えたあとは、ゲート電圧の低下に従い減少す
る。なお、コレクタ電流Icがゲート電圧VGEが一定に
なった後も減少しているのはIGBT1の温度上昇の影
響である。
性能化が進んでいるが、高性能なIGBTほど負荷短絡
時のコレクタ電流が大きく、短い時間で破壊し易い。こ
のため、負荷短絡を検知し、ゲート電圧の上昇を抑える
電流制限回路が使用されるのが一般的になりつつある。
く、コレクタ電流の上昇速度が早いと、電流制限回路が
動作する前に破壊が発生する。図4の回路ではIGBT
1の通常のスイッチング速度を低下させないことを前提
にすると、MOSFET2のオン抵抗を大きくできない
のでIGBT1のコレクタ電流の上昇速度が大きくな
り、保護が不可能になる。
期段階での上昇速度は抑えられるものの、一定時間後に
はIGBT1のゲートを急速に充電する。短絡電流を検
出する電流レベルは、通常使用する電流のレベルより高
いので、図7の回路の場合、負荷短絡を検出してから保
護回路が動作するまでの間の電流上昇は、図4の回路よ
りむしろ大きくなり、短絡保護はむしろ困難になる。
路が持つ問題を解消し、駆動対象の電圧駆動型半導体ス
イッチング素子のターンオン時に生ずるノイズを抑制し
ながら、ターンオンの遅れや損失を低減し得ると共に、
負荷短絡状態でのターンオン時の保護も容易なドライブ
回路を提供することを課題とする。
めに、請求項1のドライブ回路では、(プリドライバ9
のオンオフ信号入力端子8への)オン信号の入力に基づ
いて駆動対象の電圧駆動型半導体スイッチング素子(I
GBT1,センスIGBT20など)の制御端子(ゲー
トなど)に電流を供給する手段と、(オンオフ信号入力
端子8への)オフ信号の入力に基づいて該電圧駆動型半
導体スイッチング素子の制御端子から電流を引き抜く手
段(NチャネルMOSFET4など)とを備えたドライ
ブ回路において、前記電流を供給する手段が、前記制御
端子にドレインが接続された電圧駆動型トランジスタ
(PチャネルMOSFET2など)を持ち、該電圧駆動
型トランジスタのゲート・ドレイン間にコンデンサ(1
0)が接続されるようにする。
1に記載のドライブ回路において、前記電流を供給する
手段が、前記オン信号の入力に基づいて前記電圧駆動型
トランジスタのゲートを比較的緩やかに充電する緩充電
手段を持つようにする。
2に記載のドライブ回路において、前記緩充電手段が半
導体スイッチング素子(NチャネルMOSFET5)
と、これに直列接続された抵抗(6)とで構成されるよ
うにする。
2に記載のドライブ回路において、前記緩充電手段が電
流導通能力の低い((チャネル幅/チャネル長)が小さ
く、オン抵抗が高い)半導体スイッチング素子(Nチャ
ネルMOSFET12)で構成されるようにする。する
ドライブ回路。
2に記載のドライブ回路において、前記緩充電手段が定
電流源で構成されるようにする。
1ないし5のいずれかに記載のドライブ回路において、
前記電流を供給する手段がさらに、前記オン信号の入力
時点から前記駆動対象の電圧駆動型半導体スイッチング
素子に電流が流れ始める(時点t2)までの期間、前記
電圧駆動型半導体スイッチング素子の制御端子を急速に
充電する手段(ゲート電圧検出回路13,PチャネルM
OSFET14)を持つようにする。
1ないし5のいずれかに記載のドライブ回路において、
前記電流を供給する手段がさらに、前記駆動対象の電圧
駆動型半導体スイッチング素子と直列に接続されたフリ
ーホイルダイオード(31)の電流が該電圧駆動型半導
体スイッチング素子に転流され終わる転流終了時点(t
3)を検出する手段と、前記オン信号の入力時点から該
転流終了時点までの期間、前記電圧駆動型半導体スイッ
チング素子の制御端子を急速に充電する手段(制御回路
17,PチャネルMOSFET14)とを持つようにす
る。
7に記載のドライブ回路において、前記転流終了時点を
検出する手段が、前回、前記電圧駆動型半導体スイッチ
ング素子に流れた電流をサンプルホールドする手段(サ
ンプルホールド回路15)と、このサンプルホールドさ
れた電流値と、今回該電圧駆動型半導体スイッチング素
子に流れている電流とを比較する電流比較手段(コンパ
レータ16)とを持つようにする。
8に記載のドライブ回路において、前記電流比較手段
が、比較する電流値に前記転流終了時点を早めに検出す
る所定のオフセット(19)を付加するようにする。
動対象の半導体スイッチング素子(説明の便宜上、主パ
ワー素子という)のターンオン時にその制御端子の充電
に用いるMOSFETのゲート・ドレイン間にコンデン
サを挿入することにより、主パワー素子のターンオン時
に、制御端子充電用のMOSFETのドレイン電圧(つ
まり、主パワー素子の制御端子の電圧)が変化する場合
に発生するミラー効果が大きくなるようにし、主パワー
素子の制御端子の電圧上昇(下降)速度が大きい領域で
は、制御端子充電用MOSFETのオン抵抗の低下速度
が遅く(速く)なるようにして、主パワー素子の制御端
子の電圧変化速度、従って図6の時点t2〜t5の期間
の主パワー素子の電流のdi/dt及びコレクタ・エミ
ッタ間電圧の下降初期のdV/dtを小さく、且つ電流
のピークを抑えてノイズを抑制し、さらに、主パワー素
子の負荷が短絡した場合でのターンオンの際も電流の増
加速度を低減し、保護回路により主パワー素子を保護す
ることを容易にする。
速度が小さい領域では、逆にミラー効果が働かず、制御
端子充電用MOSFETのオン抵抗の低下速度が早くな
るようにして、図6の時点t5〜t6の期間を短縮し、
ターンオン後期の損失を低減する(請求項1)。
ートを比較的緩やかに充電する手段を設け、上記の主パ
ワー素子のdi/dtやdV/dtを小さくする効果を
高める(請求項2〜5)。
とを防ぐためには、オン信号の入力時点から主パワー素
子に電流が流れ始める図6の時点t2までの期間、主パ
ワー素子の制御端子を急速に充電する手段を別に設ける
(請求項6)。
(図6の時点t2〜t3の期間)が長引き、この期間の
損失が増加することを防ぐためには、オン信号の入力時
点から主パワー素子と直列に接続されたフリーホイルダ
イオードの電流が主パワー素子に転流され終わる図6の
時点(転流終了時点)t3までの期間、主パワー素子の
制御端子を急速に充電する手段を別に設ける(請求項
7)。
して、前回、主パワー素子に流れた電流をサンプルホー
ルドする手段、このサンプルホールドされた電流値と、
今回該電圧駆動型半導体スイッチング素子に流れている
電流とを比較する電流比較手段を設ける(請求項8)。
等による主パワー素子の制御端子の急速充電の終了が遅
れることを防ぐには前記電流比較手段にオフセットを付
加する(請求項9)。
ての回路図で、図4と異なるところはMOSFET2の
ゲート・ドレイン間にコンデンサ10が接続されている
点、プリドライバ7の代わりにプリドライバ9が設けら
れ、その出力9aの信号論理が、プリドライバ7の出力
7aの信号論理と反対である点、プリドライバ9の出力
端9aとMOSFET2のゲートの間に、MOSFET
2をドライブするためのMOSFET3及び5と、抵抗
6が設けられている点である。
を図1のIGBTlに置き換えて、図5,図6を参照し
つつ図1の動作を説明する。
ると、プリドライバ9はまず出力9bをLにしてMOS
FET4をオフし、次にMOSFET2をオンするため
に出力9aをHにしてMOSFET3をオフし、MOS
FET5をオンする。
T2のゲートから抵抗6を通して電流が流れ、MOSF
ET2のゲート電位が低下し、MOSFET2がオンす
ることにより、IGBTlのゲート電位は上昇し始め
る。
IGBT1のゲート電圧VGEは上昇するので、コンデン
サ10を通じてMOSFET2のドレインからゲート方
向に電流が流れる。従って、MOSFET2のゲート電
位は緩やかにしか低下しない。
々にしか低下せず、IGBTlのゲート電圧VGEの上昇
は緩やかになる。このことを図7の回路と比べると、図
6の時点tlからt2の期間もIGBTlのゲート電圧
VGEの上昇速度が減少することが異なるが、図6の時点
t2〜t4の期間のIGBTlのゲート電圧VGEの上昇
速度を低下させる点で図7の回路と同様の効果がある。
とは、先に述べたようにターンオンディレイ時間が長く
なる短所があるものの、スイッチング損失には影響しな
いので問題は小さい。また、図1の回路では、図8にお
ける期間tdlを無くしてもよくなる、つまり図1では
プリドライバ9の出力9aと9bとが同時に出力されて
もよくなるので実質上の問題は少ない。
IGBTlのゲート電圧VGE、すなわちMOSFET2
のドレイン電位のdV/dtが負となるため、コンデン
サ10にはMOSFET2のゲートからドレインに向か
って電流が流れ、IGBTlのゲート電位の低下を抑制
する方向に働くと同時に、MOSFET2のゲート電位
は、より低下する方向に遷移する。このため、MOSF
ET2のオン抵抗は若干減少し、IGBTlのゲート電
圧VGEがピークを迎えたあと急激に低下するのを防止す
る。
上昇速度および下降速度が緩やかになることから、IG
BTlのコレクタ電流Icのピーク電流は抑えられ、ピ
ーク後のIcの急激な減少も抑制されるので、浮遊イン
ダクタンスLsによるサージ電圧やノイズの抑制の効果
が大きい。
ート電圧VGEが一定になる期間では、MOSFET2の
ドレイン電圧の変化がないため、所謂ミラー効果がなく
なり、MOSFET2のゲート電位は急激に低下する。
このため、MOSFET2のオン抵抗は急激に低下し、
図6の時点t5からt6までの期間を短くし、スイッチ
ング損失を低減することができる。
OSFET2のオン抵抗が十分低くはなく、徐々に低抵
抗になるため、図6におけるIGBT1のコレクタ・エ
ミッタ間電圧VCEが初期に急激に低下し、徐々に緩やか
になる特性が改善され、比較的一定のdV/dtで電圧
VCEが低下するため、IGBT1のコレクタ・エミッタ
間電圧VCEのdV/dtによるノイズの低減の効果も期
待できる。
ンオフ入力端子8に印加された際にMOSFET2のオ
フが遅れ、MOSFET4と同時にオンする期間が無い
ように、十分急速にMOSFET2のゲートを充電でき
るように設計する必要がある。
のターンオンを考える。負荷短絡の場合、図9に示した
ようにIGBT1のミラー効果によりIGBT1のゲー
ト電圧VGEが一定になる領域がないため、MOSFET
2に対してはミラー効果が常に発生する。従って、MO
SFET2のゲート電位の低下、すなわちMOSFET
2のオン抵抗の低下は緩やかになり、IGBTlのゲー
ト電圧VGEの上昇速度は図9の破線のように抑制され
る。このため、コレクタ電流Icの上昇速度も図9の破
線に示すように抑えられ短絡保護が容易になる。
図で、図1と異なるところは、MOSFET5の代わ
りにMOSFET12が接続され、抵抗6が無い点、
IGBTlのゲート電圧VGEを検出するゲート電圧検出
回路13と、これにより制御されるMOSFET14が
接続されている点である。
しW/L(チヤネル幅/チャネル長)が小さくオン抵抗
が高いものを使用し抵抗6を省略したものである。
を別の方法で実現したこととなる。但し図2の回路で
は、MOSFET2のゲート電圧が高い領域ではMOS
FET12の定電流領域となり、定電流でMOSFET
2のゲートが放電され、MOSFET2のゲート電圧が
低い領域では抵抗領域となり、MOSFET2のゲート
放電電流が減少する。このように図1の場合とは若干の
特性の違いがあるものの、基本的な動作に違いはない。
MOSFET12の代わりに定電流源によりMOSFE
T2のゲートを放電しても同様である。
説明する。図2では図1におけるIGBT1のゲート電
圧VGEがゲートしきい値に達するまでの時間が長くなる
という欠点を改善するもので、ゲート電圧検出回路13
はプリドライバ9からのHの信号9aによりMOSFE
T14をオンさせる。さらにIGBT1のゲート電圧V
GEを検出し、このゲート電圧VGEがゲートしきい値に達
したことを検出すると、MOSFET14をオフする。
従って、IGBTlのゲート電圧VGEがゲートしきい値
に達するまではIGBTlのゲートを急速に充電し、そ
れ以後は図1と同じ動作を行う。
達したことは、ゲート電圧検出回路13による代わり
に、IGBT1に図3に示すようなセンスIGBT20
等を用いてIGBTにコレクタ電流が流れ始めたことを
検出しても、検出可能である。またIGBT1のゲート
を急速に充電する方法として図2の構成に代わり、電源
11とは別にゲートしきい値電圧以下の電圧の第2の電
源によりターンオン前期(図6の時点tlからt2の期
間)にIGBT1のゲートを充電する方法も考えられ
る。この場合は、IGBT1のゲート電圧VGEがゲート
しきい値に達すると自動的に充電が停止するので、途中
でオフするなどの制御が不要になる。
せないでIGBT1の損失の低減を実現すると共に、I
GBT1がターンオン開始(通流開始)するまでの遅れ
時間、いわゆるストレージ時間の増大を防止し制御性が
悪化することを防止することができる。
図で、図2と異なるところはゲート電圧検出回路13が
無く、IGBTlがエミッタ電極の一部を分離してコレ
クタ電流をセンスできるようにしたセンスIGBT20
に置き換って、センスIGBT20のセンス端子とメイ
ンエミッタ端子間にセンス抵抗18が接続されている
点、さらにセンス抵抗18の電圧降下を保持するための
サンプルホールド回路15と、サンプルホールド回路1
5の出力としてのサンプルホールド値とセンス抵抗18
の電圧降下とを比較するコンパレータ16と、このコン
パレータ16の出力16aとプリドライバ9の出力9a
によってMOSFETの14のゲートを制御する制御回
路17とが付加されている点である。
つ説明する。図1と図2において、図6の時点t2から
t3の間のIGBTのゲート電圧VGEの上昇速度を低下
させるとを実施しているが、実際にゲート電圧VGEの上
昇(下降)速度を低下させることが必要なのは時点t3
から時点t5にかけての期間である。
復時にIGBTに流れる電流がIGBTのゲート電圧V
GEのオーバーシュートによっているためである。従っ
て、図6の時点t2〜t3の期間のIGBTのゲート電
圧VGEの上昇速度を抑えることは必要ではなく、このこ
とは逆にIGBTのコレクタ電流のdi/dt減少によ
りターンオン損失の増大を招く。
は電流を正弦波形に近似するため、インバータの出力電
流は0から定格電流以上まで変化する。インバータ出力
電流が0付近の場合においても、IGBTにはフリーホ
イルダイオードの接合容量に基づくコレクタ電流が流
れ、この場合は始めからゲート電圧VGEの上昇速度を低
減する必要があるが、インバータ出力電流が0でない場
合には、フリーホイルダイオード31に流れていた電流
がIGBTに転流され終わるタイミングでIGBTのゲ
ート電圧VGEの上昇速度を低減する必要がある。
1に流れている電流を前もって検出しないと、どのタイ
ミングで図6の時点t3の領域が終了するか予測できな
い。図3の回路ではフリーホイルダイオード31に流れ
ている電流は、ほぼ前回のターンオン時にIGBTに流
れていた電流であることを利用して制御することを特徴
としている。
5以後のコレクタ電流Icがほぼ一定になったタイミン
グで、図示されてないパルス発生回路により、IGBT
に流れている電流値をセンス抵抗18の電圧降下として
取込んで保持する。コンパレータ16は次回のターンオ
ンのタイミングでIGBT20に流れる電流を検出し、
サンプルホールド回路15の出力と比較することによっ
てフリーホイルダイオード31の電流がIGBT20に
転流され終わったことを検出し、制御回路17に信号を
送出する。
9a(オン信号)により、まずMOSFET14をオン
し、次にコンパレータ16の出力16aによりMOSF
ET14をオフさせる。
た電池の記号で示したオフセット19は、コンパレータ
16、制御回路17等の遅れ時間を考慮し、センスIG
BT20のコレクタ電流がサンプルホールド回路15に
保持された値より低い、すなわち時間的に早い段階でコ
ンパレータ16の出力を16aを反転させるためのもの
である。
か、あるいはコンパレータ16内の入力部の図外のMO
SFET素子のチャネル長/チヤネル幅比を変えるなど
の種々の方法で実現することができる。
イズを増大させないで、さらにIGBTのターンオン損
失を低減することができる。
象の半導体スイッチング素子(説明の便宜上、主パワー
素子という)のターンオン時にその制御端子を充電する
ために用いるMOSFETのゲート・ドレイン間にコン
デンサを挿入するようにしたので、主パワー素子のター
ンオン時、制御端子充電用のMOSFETのドレイン電
圧(つまり、主パワー素子の制御端子の電圧)が変化す
る場合に発生するミラー効果が大きくなり、主パワー素
子の制御端子の電圧上昇(下降)速度が大きい領域で、
制御端子充電用MOSFETのオン抵抗の低下速度が遅
く(速く)なり、主パワー素子の制御端子の電圧変化速
度、従って図6の時点t2〜t5の期間の主パワー素子
の電流のdi/dt及びコレクタ・エミッタ間電圧の下
降初期のdV/dtを小さく、且つ電流のピークを抑え
てノイズを抑制することができ、さらに、主パワー素子
の負荷が短絡した場合でのターンオンの際も電流の増加
速度を低減することができるので保護回路により保護す
ることが容易になる。
速度が小さい領域で、逆にミラー効果が働かず、制御端
子充電用MOSFETのオン抵抗の低下速度が早くな
り、図6の時点t5〜t6の期間が短縮されるので、タ
ーンオン後期の損失を低減することができる。
ば、請求項1に関わる発明において、制御端子充電用の
MOSFETのゲートを比較的緩やかに充電する手段を
設けるようにしたので、上記の主パワー素子のdi/d
tやdV/dtを小さくする効果を高めることができ
る。
求項1〜5に関わる発明において、オン信号の入力時点
から主パワー素子に電流が流れ始める図6の時点t2ま
での期間、主パワー素子の制御端子を急速に充電する手
段を別に設けるようにしたので、請求項1〜5に関わる
発明の実施でターンオンが遅れることを防ぐことができ
る。
求項1〜5に関わる発明において、オン信号の入力時点
から主パワー素子と直列に接続されたフリーホイルダイ
オードの電流が主パワー素子に転流され終わる図6の時
点(転流終了時点)t3までの期間、主パワー素子の制
御端子を急速に充電する手段を別に設けるようにしたの
で、請求項1〜5に関わる発明の実施でターンオン前期
(図6の時点t2〜t3の期間)が長引き、この期間の
損失が増加することを防ぐことができる。
求項7に関わる発明において、前記転流終了時点を検出
する手段として、前回、主パワー素子に流れた電流をサ
ンプルホールドする手段、このサンプルホールドされた
電流値と、今回該電圧駆動型半導体スイッチング素子に
流れている電流とを比較する電流比較手段を設けるよう
にしたので、主パワー素子が正弦波電流を流しつつモー
タをPWM制御するインバータ回路に使用されること
で、主パワー素子の電流レベルが大きく変化しても、そ
の時々の転流終了時点を正しく検出することができる。
求項8に関わる発明において、前記電流比較手段にオフ
セットを付加するようにしたので、前記転流終了時点を
検出する手段等による主パワー素子の制御端子の急速充
電の終了が遅れることを防ぐことができる。
構成図
構成図
構成図
流の波形図
圧電流の波形図
Claims (9)
- 【請求項1】オン信号の入力に基づいて駆動対象の電圧
駆動型半導体スイッチング素子の制御端子に電流を供給
する手段と、オフ信号の入力に基づいて該電圧駆動型半
導体スイッチング素子の制御端子から電流を引き抜く手
段とを備えたドライブ回路において、 前記電流を供給する手段が、前記制御端子にドレインが
接続された電圧駆動型トランジスタを持ち、該電圧駆動
型トランジスタのゲート・ドレイン間にコンデンサが接
続されたことを特徴とするドライブ回路。 - 【請求項2】請求項1に記載のドライブ回路において、 前記電流を供給する手段が、前記オン信号の入力に基づ
いて前記電圧駆動型トランジスタのゲートを比較的緩や
かに充電する緩充電手段を持つことを特徴とするドライ
ブ回路。 - 【請求項3】請求項2に記載のドライブ回路において、 前記緩充電手段が半導体スイッチング素子と、これに直
列接続された抵抗とで構成されたことを特徴とするドラ
イブ回路。 - 【請求項4】請求項2に記載のドライブ回路において、 前記緩充電手段が電流導通能力の低い半導体スイッチン
グ素子で構成されたことを特徴とするドライブ回路。 - 【請求項5】請求項2に記載のドライブ回路において、 前記緩充電手段が定電流源で構成されたことを特徴とす
るドライブ回路。 - 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載のドラ
イブ回路において、 前記電流を供給する手段がさらに、前記オン信号の入力
時点から前記駆動対象の電圧駆動型半導体スイッチング
素子に電流が流れ始めるまでの期間、前記電圧駆動型半
導体スイッチング素子の制御端子を急速に充電する手段
を持つことを特徴とするドライブ回路。 - 【請求項7】請求項1ないし5のいずれかに記載のドラ
イブ回路において、 前記電流を供給する手段がさらに、前記駆動対象の電圧
駆動型半導体スイッチング素子と直列に接続されたフリ
ーホイルダイオードの電流が該電圧駆動型半導体スイッ
チング素子に転流され終わる転流終了時点を検出する手
段と、 前記オン信号の入力時点から該転流終了時点までの期
間、前記電圧駆動型半導体スイッチング素子の制御端子
を急速に充電する手段とを持つことを特徴とするドライ
ブ回路。 - 【請求項8】請求項7に記載のドライブ回路において、 前記転流終了時点を検出する手段が、前回、前記電圧駆
動型半導体スイッチング素子に流れた電流をサンプルホ
ールドする手段と、 このサンプルホールドされた電流値と、今回該電圧駆動
型半導体スイッチング素子に流れている電流とを比較す
る電流比較手段とを持つことを特徴とするドライブ回
路。 - 【請求項9】請求項8に記載のドライブ回路において、
前記電流比較手段が、比較する電流値に前記転流終了時
点を早めに検出する所定のオフセットを付加することを
特徴とするドライブ回路。
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