JP5993749B2 - 半導体装置のゲート駆動回路およびそれを用いた電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁ゲート型スイッチング素子などの半導体装置のゲート駆動回路およびそれを用いた電力変換装置に関する。
オン電圧低減を目的に、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を用いたパワー素子の開発が進められている。これらの材料はシリコン(Si)より約10倍高い絶縁破壊電界強度を有し、耐圧を確保するためのドリフト層を薄く(約1/10)、かつ高キャリア濃度(100倍)にできる。これにより例えばダイオードの場合、Siではバイポーラ素子であるpnダイオードしか使用されないような高耐圧領域でも、SiCなどの場合は、ユニポーラ素子であるショットキーダイオード(Shottky Barrier Diode,SBDと略記)を使うことができる。
pnダイオードとSBDの違いは、ダイオードのスイッチング波形の差となって現れる。そこで、これらのダイオードを図7に示した電力変換装置(インバータ回路の一相分)に用いた場合を例に、この違いを説明する。
インバータ回路には、半導体スイッチング素子であるSi-IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor;絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)31(または33)、およびこれに逆並列接続した還流ダイオード32(または34)を1つの単位(アーム)とし、上側アームと下側アームを最小の一対として組み込まれる。これまで、還流ダイオード32、34にはSiのpnダイオードが用いられてきた。高耐圧分野において、一般的にpnダイオードにおいては、高濃度のp+と低濃度のn-から成るp+/n-接合が形成される。このため、導通状態においては、電子および正孔がそれぞれ多数キャリアおよび過剰少数キャリアとして電流通電に寄与する。この過剰少数キャリアの存在により、導通状態におけるアノード・カソード間の電圧降下である順電圧降下(VF)が低くなるという、バイポーラ素子の利点が生ずる。
過剰少数キャリアは、導通状態から電圧が逆方向に印加されるブロッキング状態へのスイッチングにおいては、残留キャリアとなり、pnダイオードに見られるリカバリ電流の原因となる。リカバリ電流はダイオード自身のスイッチング損失であるリカバリ損失を生じるとともに、対アームIGBTのターンオン電流に重畳し、IGBTのターンオン損失を増大させる。インバータを高効率化するためには、スイッチング損失は小さい方が好ましいため、リカバリ電流が生じるpnダイオードより、SBDの方が適していると言える。
しかしながら、リカバリ電流の存在は、LCR回路のスイッチング時における電圧、電流の振動を抑制するという効果を有する。このような振動には、下側IGBT31を例に考えると、配線による浮遊インダクタンス(L)と微小な抵抗(R)が関係する。IGBT31自身は等価的に容量(C)となる。リカバリ電流は大きな抵抗として作用するため、ダイオード34は容量として作用する他に、減衰抵抗としても作用することになる。これにより、IBGT31がターンオンした場合、pnダイオードの場合は振動が殆ど発生しないという利点を有する。
これに対しSBDの場合は、リカバリ電流が存在しないために、減衰抵抗の小さなLCR回路におけるスイッチングとなり、ターンオン時に激しい電圧、電流の振動(リンギング)が発生する。以下、図を用いてリンギングについて説明する。
図7は下側IGBT31のスイッチング動作を説明するための回路ブロック図であり、破線741はIGBT31の動作を制御するための、従来のゲート駆動回路を示す。IGBT31には、還流ダイオード32が逆並列に接続される。また、IGBT31のゲートとゲート駆動回路741の出力との間には、ゲート抵抗411が接続されている。外部から入力されるPWM信号に従って、駆動ロジック711からは、ターンオン用のnpnトランジスタ521とターンオフ用のpnpトランジスタ511を相補的にオン・オフさせるための信号が出力される。
図8に、駆動ロジック711のターンオン時の出力を示す。PWM信号に従い、時刻t0に駆動ロジック711の出力信号1Aはオフから、オンに変化する。駆動ロジックからオン信号が出力されると、pnpトランジスタ511はオフとなり、同時にnpnトランジスタ521がオンとなる。これにより端子751の電圧であるゲート駆動回路の出力電圧は、ターンオン用の電源62の電圧となる。但し、出力電圧の時間変化率はターンオン用ゲート抵抗441の大きさで調整される。
図9にIGBT31のターンオン時における、コレクタ-エミッタ間電圧Vce、コレクタ電流Ic、ゲート-エミッタ間電圧Vge、ゲート電流Igの波形を示す。ゲート-エミッタ間には、時刻t0のターンオン開始によりIGBT31のゲート-エミッタ間容量を充電するために、大きなIgが流れる。Vgeは閾値電圧Vthを超えるまでほぼ一定の変化率で上昇する。Vge>VthとなるとIGBTのチャネルが開くため、Icが流れ出し、Vceの低下が始まる。
ゲート-エミッタ間が充電されると、次にゲート-コレクタ間の充電期間に移行する。Igはピークを終了して一定値が流れるようになり、Vgeも一定となる。チャネルが開くのでIcは急激に上昇する。この状態がLCR回路においてスイッチをオンさせたことに対応し、Icはピークを生じた後に、図9に示したように、短周期の激しい振動を生ずる。Icの振動はダイオード34のアノード電流にも同様に発生する。アノード電流が変化するとインダクタンスにより電圧を発生する。すなわち、図10に示すように、ダイオード34のカソード-アノード間に激しい振動が生ずることになる。これが還流ダイオードにSBDを用いたことによるリンギングである。
リンギングを抑制するには、ターンオン用のゲート抵抗441を大きくすることでゲート駆動回路から出力される電圧の時間変化を小さくし、Icの時間変化率を小さくすればよいが、ターンオン損失の著しい増大を伴う。そのため、特許文献1では、駆動ロジックの出力を、VgeがVthになるまでパルス状とする技術が提案されている。本技術の主たる目的はVge=Vthとなる時間を調整することであるが、Icが上昇している期間に関しては考慮されておらず、リンギングの抑制に関する配慮が必ずしも十分ではない。
これとは別に、特許文献2ではゲート抵抗441と並列に短絡経路を設ける技術が提案されている。これらの従来技術は、Icの時間変化率が大きい期間のみゲート抵抗の値を大きくすることで、リンギングを低減しつつ、ターンオン損失の増大も抑制しようとするものであるが、Ig>0であり続けることから、ゲートは充電が保持されたままである。このため、IGBT31のチャネルは開いたままであるため、Icの増加率の抑制は十分ではない。
特開2001−286124号公報 特開2008−92663号公報
本発明の課題は、リンギングを効果的に低減でき、かつターンオン損失の増大も抑制できるゲート駆動回路を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明によるゲート駆動回路は、スイッチングを制御するためのゲートを備える半導体スイッチング素子と、半導体スイッチング素子に逆並列に接続されたダイオードとを有する半導体装置を駆動し、半導体スイッチング素子のターンオン期間が、ゲートの初期充電期間、放電期間および再充電期間から成り、放電期間に半導体スイッチング素子の主電流が増加する。
好ましくは、ゲートに流れるゲート電流が、初期充電期間においては正であり、放電期間においては負であり、再充電期間では正である。また、好ましくは、ゲート駆動回路の出力電圧が、初期充電期間においては正であり、放電期間においては負であり、再充電期間では正である。
ここで、出力電圧が、初期充電期間における正から放電期間における負に反転する時刻は、ゲートの電圧が閾値電圧を越える時刻より遅いことが好ましい。さらに、半導体スイッチング素子のターンオン時の主電流が増加している期間において、出力電圧が、放電期間における負から再充電期間における正に反転することが好ましい。
本発明によれば、半導体装置におけるスイッチング損失低減とリンギングの抑制とを両立できる。また、本発明によるゲート駆動回路を電力変換装置に適用すれば、電力変換装置を小型化、高効率化または低ノイズ化することができる。
実施形態1における駆動ロジックの出力信号波形である。 実施形態1におけるIGBTのターンオン動作波形である。 実施形態1におけるSiC-SBDのリカバリ電圧波形である。 実施形態1におけるインバータの一部とゲート駆動回路である。 実施形態2における駆動ロジックの出力信号波形である。 実施形態2におけるインバータの一部とゲート駆動回路である。 従来技術における、インバータの一部とゲート駆動回路の回路ブロック図である。 従来技術のゲート駆動回路における駆動ロジックの出力波形である。 従来技術のゲート制御方法で駆動した場合における、IGBTのターンオン動作波形である。 従来技術におけるSiC-SBDのリカバリ電圧波形である。 実施形態の効果を説明するための、ターンオン損失とダイオード振動ピークの関係を示す図である。 実施形態の効果を説明するための、放電期間とダイオード振動ピークの関係を示す図である。 実施形態の効果を説明するための、放電期間とターンオン損失の関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図中同じ符号は、同等の構成要素を示す。
(実施形態1)
図4は、本発明の実施形態1である電力変換装置例(インバータ装置)の1相分およびゲート駆動回路の概略構成を示す。図4において、31が絶縁ゲート(例えば、MOSゲート)によってスイッチング動作するIGBTであり、32がIGBTと対となる逆並列接続された還流ダイオードとなるSiC-SBDである。33は対アームのIGBTである。なお、IGBTとダイオードの逆並列回路をアームと称し、図4中、上側および下側の各アームをそれぞれ上アームおよび下アームと称する。
本実施形態において、IGBT33はオフ状態のまま保持されているため、図示していないゲート駆動回路によって、IGBT33のゲートにはオフ信号が入力され続けている。34はIGBT31,33のスイッチング動作に伴い、電流の還流とリカバリ動作が発生するSiC-SBDである。本実施形態では、IGBT、ダイオードともに耐圧は3300Vであり、定格電流は1200Aである。74はIGBT31を制御するためのゲート駆動回路を示している。ゲート駆動回路74内には、オン用のゲート電源62とオフ用のゲート電源61を備えている。本実施形態では、ゲート電源62の電圧を15V、ゲート電源61の電圧を−10Vとしている。
図1に駆動ロジック71の出力信号を示す。以下で説明するように、図1に示す駆動ロジック71の出力信号に応じて、ゲート駆動回路74の出力端子75にIGBTをゲート制御するための電圧が出力される。時刻がt0以前では、信号はオフ(V_off)であることから、オン用のnpnトランジスタ52がオフ状態、オフ用のpnpトランジスタ51がオン状態となり、ゲート駆動回路の出力端子75の出力電圧は電源61と等しい−10Vいなり、IGBT31はオフ状態が保持されている。
時刻t0で駆動ロジック71からオン(V_on)が出力されると、pnpトランジスタ51はオフとなり、電源61との経路が遮断される。同時にnpnトランジスタ52がオンとなるため、出力端子75と電源62が接続され、ゲート駆動回路の出力電圧は−10Vから15Vまで上昇する。上昇の速度はターンオン用の外部ゲート抵抗42と内蔵抵抗41で制限される。
本実施形態では内蔵抵抗1.3Ω、外部抵抗0.5Ωとしている。なお、本実施形態においては、外部抵抗42はゲート駆動回路74に含まれ、内蔵抵抗41はインバータ装置、あるいは図4に示された上下アームを格納するパワー半導体モジュールに内蔵される。
図2にターンオンにおけるIGBT31のコレクタ-エミッタ間電圧Vce、主電流であるコレクタ電流Ic、ゲート-エミッタ間電圧Vge、ゲート電流Igの時間変化を示す。時刻t0からターンオンが開始されるため、Igには、ゲート-エミッタ間容量Cgeを充電するための電流が流れる。Vgeはほぼ一定の変化率で上昇し、Vge>Vthとなると上昇は緩やかとなる。Igはピークを経た後、減少に転ずる。Cgeの充電は終了していないが、チャネルが開くのでIcが流れ始め、Vceが減少し始める。これ以降、駆動ロジック71の出力信号が変わらなければ、Cgeの充電が終了し、ゲート-コレクタ間容量Cgcの充電が始まり、この間、IgおよびVgeともにほぼ一定となる期間となる。
これに対し本実施形態では、Cgeの充電からCgcの充電に移行する時刻であるt1に、駆動ロジックからオフ信号が出力されるようにした。これによりnpnトランジスタ52がオフし、pnpトランジスタ51がオンとなるため、出力端子75とゲート電源61が接続され、ゲート駆動回路の出力電圧はVthよりやや高い電圧から−10Vに向けて下降が始まる。
通常のターンオフ動作においては、ターンオフ用の外部抵抗43により、急激な電流・電圧の変化が防止される。本実施例では、外部抵抗43の値は5Ωとしている。この場合、外部抵抗43の存在により、出力端子75の電圧低下速度が抑えられてしまう。そのため本実施形態では、外部抵抗43と並列にnMOSFET53を接続している。
通常のターンオフ動作の場合はnMOSFET53をオンさせず、ターンオンの途中においてのみオンするように、駆動ロジックからは、pnpトランジスタ用とは独立のオン・オフ信号が入力される。これにより、外部抵抗43を介さずにゲート電源61と接続されるので、出力端子75の出力電圧を急速に−10Vまで低下させることができる。この結果Cgeの放電が始まり、Igを負にすることができる。現在の時刻がt1に対応するか否かは、本実施形態では、Vge,Ig検出回路72によりIgを検出し、ピークを終了してほぼ平坦部に移行する時刻であるか否かにより判定する。
なお、時刻t1については、Vge,Ig検出回路72によりVgeを検出し、ほぼ平坦部に移行する時刻であるか否かにより判定しても良い。また、Vce,Ic検出回路73によりVceまたはIcを検出して、Vceの下降開始時点あるいはIcの上昇開始時点をt1と判定しても良い。
耐圧3300V、電流1200Aのパワー半導体モジュールの場合、図7に示した従来のゲート駆動回路ではターンオン外部抵抗441に3Ω程度を用いているが、図9及び図10に示したような激しいリンギングが発生する。これに対し本実施形態では、ターンオン途中にCgeを放電させることにより、ターンオン外部抵抗42が0.5Ωと従来例より小さいにもかかわらず、Icの上昇率が抑えられ、かつピークも小さくすることができる。これにより、ダイオード34のカソード-アノード間電圧Vka波形においても、図10に示した従来例で見られたような激しい振動を抑制することができる。図3に本実施形態で得られたVka波形を示すように、振動は存在するものの、電源電圧Vccを上回るような振動ピークはなくなる。
Cgeの放電はターンオフ動作させることと同じであるため、放電期間においてVceは減少から増加に転じる。そのためIcがピークを過ぎた後、駆動ロジック71の出力信号がオンになるようにする。すなわちCgeを再充電させる。このようなゲート制御により、Vceは再度減少する波形になる。ターンオン外部抵抗42が小さいために、Vceの減少は速く、これによりターンオン損失の増大を効果的に抑制することができる。放電期間はターンオン損失の増分をどこまで許容するかで設定されることから、再充電時刻を設定するための、専用の検出回路は必須ではなく、事前に所定の値に設定することで対応できる。
放電期間である時刻t1とt2の間で、Vgeの波形が減少しないのは、放電期間が短いためにチャネルが閉じないためである。放電の影響は、放電期間で上昇率が低減する程度である。
図11は、IGBT31のターンオン損失とダイオード34の振動ピークの関係について本発明者が検討した結果を示す。ここで、電源電圧Vccは1500Vにしている。図中、点線で示した従来技術1のゲート駆動回路(1段ゲート)では、ターンオン損失は0.33Jと小さいが、1850Vの振動ピークが生じる。点線で示した関係はターンオン外部抵抗441(図7)を大きくした結果であり、ターンオン損失が5倍になったとしても、振動ピークの抑制効果は35%程度である。
図11中の破線で示した従来技術2のゲート駆動回路を用いた場合の関係は、特許文献2のような従来技術を用いた場合の振動低減効果を示したものである。1段ゲートと比較し、ターンオン損失が同一の場合は、約15%の振動低減効果が得られる。しかしながら、振動ピークを1/3まで低減させようとすると、ターンオン損失は約3.5倍となり、SiC-SBDを導入することによる損失低減効果は小さい。
これに対し本実施形態では、ターンオン損失同一で振動を約35%低減できる。さらに、振動ピークを1/3まで低減させた場合であっても、ターンオン損失は約1.3倍となり、損失増大の影響を大幅に低減することができる。これにより、振動を抑制し、かつSiC-SBD導入することによる損失低減効果も発揮できる。
(実施形態2)
前述した実施形態1は、放電開始時刻t1と放電期間t1〜t2が好適に設定できる場合である。実際には、検出精度が関係するため、好ましいタイミングからのズレが生じる場合がある。本実施形態2は、以下に説明するように、検出精度と振動ピークの関係について考慮したものである。なお、本実施形態2では、実施形態1における振動ピークが従来比1/3を条件としている。
図12は、放電開始時刻t1とターンオン開始時刻t0との時間差をパラメータとした場合における、放電期間の設定値とダイオード34の電圧の振動ピークの関係について本発明者が検討した結果を示す。放電期間100nsで比較すると、t1とt0の時間差が好適値の一例である515nsから±10nsずれた場合、振動ピーク電圧は800V±20%となる。好適には、600〜700Vまで低減可能であるのに対し、実際には1000V近い値になる。しかしながら、従来条件からは45%程度低減できる。但し、±10nsの検出精度が好ましい。
放電期間の設定値は、ターンオン損失の増分をどこまで許容するかで設定される。図13に示すように、ターンオン損失は放電期間に対し単調に増加する。振動抑制を優先する場合は、放電期間をより長く設定すればよく、本実施形態の100nsに限定されない。
(実施形態3)
本実施形態では、充電期間と放電期間における駆動ロジックの出力信号を、幅Δpwの多パルスで構成する。なお、本実施形態では、Δpwは1nsとする。
図5は、本実施形態における駆動ロジックの出力信号波形である。実施形態1と同様に、図5に示す駆動ロジック71の出力信号に応じて、ゲート駆動回路74の出力端子75にIGBTをゲート制御するための電圧が出力される。
駆動ロジックは、ターンオン開始時刻t0からゲートを充電するために、信号の振幅が0およびV_on(>0)の2値を繰り返す複数パルスからなるオン信号を出力する。オン信号が0の期間であっても、0信号幅が短時間であり、ゲートの充電は継続するため、Vge波形は上昇を続ける。次に駆動ロジックは、時刻t1から放電を開始するため、振幅が0とV_off(<0)の2値を繰り返す複数パルスからなるオフ信号を出力する。時刻t2からの再充電に関しては、駆動ロジックは、パルスではなく、一様なオン信号V_onを出力する。
図6は、上記動作を実現するための回路ブロック図である。パルス状のオン信号は、電源62に直列接続したnMOSFET84とこれに並列接続したpMOSFET83に対し、駆動ロジック71から制御信号が入力されることにより生成される。nMOSFET84にオン信号が入力されるとpMOSFET83はオフとなり、ゲート電源62によってターンオン外部抵抗42に+15Vの電圧が印加される。nMOSFET84にオフ信号が入力された場合は、pMOSFET83はオンとなり、ターンオン外部抵抗42は、ゲート電源62と非接続となるとともにグランド電位側と導通するため、ターンオン外部抵抗42に印加される電圧は0Vとなる。パルス状のオフ信号は、ゲート電源61に直列接続したnMOSFET82とこれに並列接続したpMOSFET81に対し、駆動ロジック71から制御信号が入力されることにより生成される。
本実施形態においても、実施形態1と同様のターンオン波形を実現することができ、振動の低減とターンオン損失増大抑制を両立することができる。
なお、上記実施形態1及び実施形態3では、ゲート駆動回路における主たる切替トランジスタとして、電流駆動に優れたnpnトランジスタ52とpnpトランジスタ51とを用いたが、高速にオン・オフを切り替えるには、npnトランジスタに代えてnMOSFETを、pnpトランジスタに代えてpMOSFETを、それぞれ用いても良い。
(実施形態4)
本実施形態は、実施例1で説明したゲート駆動回路を、パワー半導体モジュールおよびインバータ装置などの電力変換装置に適用したものである。
SiC-SBDを還流ダイオードに用いたモパワー半導体モジュールをインバータに適用すると、リカバリ損失がなくなり、かつターンオン損失も減少するため、インバータ全体の損失が低減し、効率が向上する。この利点を活用するため、図4に示したゲート駆動回路を用いる。すなわち、耐圧3300V、定格電流1200AのIGBT31およびIGBT33のターンオン動作において、前述したような充電期間、放電期間、再充電期間を設けたゲート駆動回路を適用することにより、ダイオード32および33の電圧振動を抑制でき、振動ピークを電源電圧1500Vより低い800V程度に低減することができる。これにより、電圧サージがなく、かつ電圧の急激な時間変化による影響も排除することが可能となり、高効率かつ高信頼の電力変換装置を実現することができる。
上記各実施形態においては、スイッチング素子の例としてnチャネルIGBTを用いて説明したが、pチャネルIGBTでも同様である。その場合、充・放電のための電圧・電流は逆方向になるが、同様に、リンギングの低減とターンオン損失増大抑制の両立が可能となる。
31、33 IGBT
32、34 SiC-SBD
41、43 ゲート抵抗
51 pnpトランジスタ
52 npnトランジスタ
53、82、84 nチャネルMOSFET
81、83 pチャネルMOSFET
71、711 駆動ロジック
72 Vge,Ig検出回路
73 Vce,Ic検出回路
74 ゲート駆動回路

Claims (7)

  1. スイッチングを制御するためのゲートを備える半導体スイッチング素子と、該半導体スイッチング素子に逆並列に接続されたダイオードとを有する半導体装置を駆動するゲート駆動回路において、
    前記半導体スイッチング素子のターンオン期間が、前記ゲートの初期充電期間、放電期間および再充電期間から成り、上記放電期間に前記半導体スイッチング素子の主電流が増加する
    ことを特徴とするゲート駆動回路。
  2. 請求項1において、
    前記ゲートに流れるゲート電流が、前記初期充電期間においては正であり、前記放電期間においては負であり、前記再充電期間では正である
    ことを特徴とするゲート駆動回路。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記ゲート駆動回路の出力電圧が、前記初期充電期間においては正であり、前記放電期間においては負であり、前記再充電期間では正である
    ことを特徴とするゲート駆動回路。
  4. 請求項3において、
    前記出力電圧が、前記初期充電期間における正から前記放電期間における負に反転する時刻は、前記ゲートの電圧が閾値電圧を越える時刻より遅い
    ことを特徴とするゲート駆動回路。
  5. 請求項4において、
    前記半導体スイッチング素子のターンオン時の主電流が増加している期間において、前記出力電圧が、前記放電期間における負から前記再充電期間における正に反転する
    ことを特徴とするゲート駆動回路。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、
    前記ゲート駆動回路が、少なくとも前記半導体スイッチング素子のゲート電圧を規定するためのトランジスタと、該トランジスタを制御するための駆動ロジックとを含んで構成されており、かつ該駆動ロジックの出力電圧が、前記初期充電期間及び前記放電期間において、複数のパルス電圧からなる
    ことを特徴とするゲート駆動回路。
  7. スイッチングを制御するためのゲートを備える半導体スイッチング素子と、ダイオードとが逆並列に接続されたアームと、前記半導体スイッチング素子を制御するゲート駆動回路とを備える電力変換装置において、
    前記ゲート駆動回路が請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲート駆動回路である
    ことを特徴とする電力変換装置。
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