JP2001093945A - 異方導電性シートおよびその製造方法並びに回路装置の電気的検査装置 - Google Patents

異方導電性シートおよびその製造方法並びに回路装置の電気的検査装置

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JP2001093945A JP27057699A JP27057699A JP2001093945A JP 2001093945 A JP2001093945 A JP 2001093945A JP 27057699 A JP27057699 A JP 27057699A JP 27057699 A JP27057699 A JP 27057699A JP 2001093945 A JP2001093945 A JP 2001093945A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 面積が小さい電極および/または酸化膜が形
成された電極に対して所要の電気的接続が小さい加圧力
で確実に達成され、電極の表面が汚染されない異方導電
性シートおよびその製造方法並びにこの異方導電性シー
トを具えた回路装置の電気的検査装置の提供。 【解決手段】 本発明の異方導電性シートは、厚み方向
に伸びる複数の弾性の導電路形成部が絶縁部によって相
互に絶縁されて配置された本体と、本体の導電路形成部
上に設けられた、錐状または錐台状の接点部材とを具え
てなる。本発明の製造方法は、形成すべき接点部材に適
合する形状の複数の凹所が、形成すべき本体の導電路形
成部に対応して形成されてなる接点部材配列板を用い、
凹所の各々に導電材料を充填して接点部材を形成し、接
点部材が保持された接点部材配列板上に本体を形成して
接点部材配列板を除去する。本発明の電気的検査装置
は、検査用電極を有する検査用回路基板と、上記の異方
導電性シートとを具えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント回路基
板、半導体集積回路装置、液晶表示装置などの回路装置
の電気的検査装置におけるコネクターとして好ましく用
いられる異方導電性シートおよびその製造方法、並びに
この異方導電性シートを具えた回路装置の電気的検査装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】異方導電性エラストマーシートは、厚み
方向にのみ導電性を示すもの、または厚み方向に加圧さ
れたときに厚み方向にのみ導電性を示す加圧導電性導電
部を有するものであり、ハンダ付けあるいは機械的嵌合
などの手段を用いずにコンパクトな電気的接続を達成す
ることが可能であること、機械的な衝撃やひずみを吸収
してソフトな接続が可能であることなどの特長を有する
ため、このような特長を利用して、例えば電子計算機、
電子式デジタル時計、電子カメラ、コンピューターキー
ボードなどの分野において、回路装置、例えばプリント
回路基板とリードレスチップキャリアー、液晶パネルな
どとの相互間の電気的な接続を達成するためのコネクタ
ーとして広く用いられている。
【0003】一方、プリント回路基板、半導体集積回路
装置、液晶表示装置などの回路装置の電気的検査におい
ては、検査対象である回路装置の一面に形成された被検
査電極と、検査用回路基板の表面に形成された検査用電
極との電気的な接続を達成するために、回路装置の被検
査電極領域と検査用回路基板の検査用電極領域との間に
異方導電性エラストマーシートを介在させることが行わ
れている。
【0004】また、近年、半導体集積回路装置の品質保
証を行うためには、当該半導体集積回路装置の電気的検
査を行うことのみならず、キャリア等に搭載される前の
半導体チップ自体の電気的検査を行うことが極めて重要
であることが認識され、更に、半導体チップ自体を集積
回路装置として用い、半導体チップよりなる回路装置を
例えばプリント回路基板に直接実装する実装法が開発さ
れているため、半導体チップ自体の品質保証を行うこと
が要請されている。そして、半導体チップの電気的検査
を行う方法として、従来、プローブカードによってウエ
ハの状態で検査する方法が知られており、更に、半導体
チップの電気的検査を高い効率で行う方法として、半導
体チップの電気的検査をウエハの状態で行うWLBI
(Wafer Level Burn−in)テストが
注目されており、このようなWLBIテストにおいて、
プローブカードとして異方導電性シートを用いることが
提案されている。
【0005】従来、このような異方導電性エラストマー
シートとしては、種々の構造のものが知られており、例
えば特開昭51−93393号公報等には、金属粒子を
エラストマー中に均一に分散して得られる異方導電性エ
ラストマーシート(以下、これを「分散型異方導電性エ
ラストマーシート」という。)が開示され、また、特開
昭53−147772号公報等には、導電性磁性体粒子
をエラストマー中に不均一に分布させることにより、厚
み方向に伸びる多数の導電路形成部と、これらを相互に
絶縁する絶縁部とが形成されてなる異方導電性エラスト
マーシート(以下、これを「偏在型異方導電性エラスト
マーシート」という。)が開示され、更に、特開昭61
−250906号公報等には、導電路形成部の表面と絶
縁部との間に段差が形成された偏在型異方導電性エラス
トマーシートが開示されている。
【0006】そして、偏在型異方導電性エラストマーシ
ートは、回路基板等の電極パターンと対掌のパターンに
従って導電路形成部が形成されているため、分散型異方
導電性エラストマーシートに比較して、接続すべき電極
が小さいピッチで配置されている回路装置などに対して
も電極間の電気的接続を高い信頼性で達成することがで
きる点で、有利であり、特に、導電路形成部が絶縁部か
ら突出する状態に形成されてなるものは、被検査電極に
対する接触が確実に行われるため、より好ましい。
【0007】しかしながら、このような偏在型異方導電
性エラストマーシートを、回路装置の電気的検査におけ
るコネクターとして用いる場合には、以下のような問題
がある。 (1)近年、実装技術の進歩により、検査対象である回
路装置の被検査電極の寸法が微小化する傾向にある。例
えば、フリップチップ実装法においては、回路装置に
は、例えば縦横の寸法がともに50μmの矩形の電極が
例えば100μmの離間距離で格子状に配置された回路
装置が用いられており、更に、回路装置における電極の
寸法および隣接する電極間の離間距離を小さくすること
への要請が高くなってきている。然るに、偏在型異方導
電性エラストマーシートにおいては、導電路形成部に所
要の導電性を確保するために、当該導電路形成部の径を
微小化するには限度がある。従って、上記のような微小
な被検査電極を有する回路装置の電気的検査に適用する
ことは困難である。
【0008】(2)また、半導体集積回路装置の表面電
極は、例えばアルミニウムなどにより構成されており、
このような表面電極には、絶縁性の酸化膜が形成されて
いるため、半導体集積回路装置の表面電極に対する電気
的接続を達成するためには、酸化膜を突き破ることが必
要となる。然るに、異方導電性エラストマーシートの導
電路形成部は、当然のことながらエラストマーにより構
成されているために柔軟なものであることから、酸化膜
が形成された電極に接続する際に、導電路形成部によっ
て酸化膜を突き破ることが困難であり、その結果、所要
の電気的接続を達成することができない。
【0009】また、異方導電性エラストマーシートを構
成する弾性高分子物質としては、一般に、シリコーンゴ
ムが用いられているが、このシリコーンゴム中には、低
分子量のシリコーン(オイル状のもの)が含有されてい
る。そして、このような異方導電性エラストマーシート
を例えば回路装置の検査に長時間使用すると、異方導電
性エラストマーシートの表面に低分子量のシリコーンが
ブリードアウトし、これにより、検査対象である回路装
置の被検査電極の表面が汚染される。その結果、当該回
路装置を実装する際に、ボンディングを行うことができ
なかったり、所要の電気的接続を達成することができな
かったりする。
【0010】このような問題を解決するために、導電路
形成部上に例えば金属よりなる接点部材が設けられた異
方導電性エラストマーシートが提案されている。しかし
ながら、従来の接点部材を有する異方導電性エラストマ
ーシートにおいては、当該接点部材は、膜状または板状
のものであるため、電極の表面に形成された酸化膜を突
き破るためには、相当に大きい加圧力が必要であり、そ
のため、検査対象である回路装置が損傷するおそれがあ
る、という問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであり、本発明の第1の
目的は、例えば回路装置の電気的検査に用いた場合に、
微小な被検査電極に対しても、実用的な電気的検査装置
の位置合わせ精度内で所要の電気的接続を確実に達成す
ることができる異方導電性シートを提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、表面に絶縁性の酸化膜が形
成された電極に対しても所要の電気的接続を小さい加圧
力で確実に達成することができ、接続される電極の表面
を汚染することのない異方導電性シートを提供すること
にある。本発明の第3の目的は、上記の異方導電性シー
トを有利に製造することができる方法を提供することに
ある。本発明の第4の目的は、異方導電性シートを具え
た回路装置の電気的検査装置であって、検査すべき回路
装置の被検査電極が微小なものであっても、当該被検査
電極に対して所要の電気的接続を確実に達成することが
でき、また、検査すべき回路装置の被検査電極がその表
面に絶縁性の酸化膜が形成されたものであっても、当該
被検査電極に対して所要の電気的接続を小さい加圧力で
確実に達成することができ、当該被検査電極の表面を汚
染することのない回路装置の電気的検査装置を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の異方導電性シー
トは、それぞれ厚み方向に伸びる複数の弾性を有する導
電路形成部が、絶縁部によって相互に絶縁された状態で
配置されてなる異方導電性シート本体と、この異方導電
性シート本体における導電路形成部上に一体的に設けら
れた、錐状または錐台状の接点部材とを具えてなること
を特徴とする。
【0013】本発明の異方導電性シートにおいては、前
記接点部材は、異方導電性シート本体における絶縁部の
表面を覆うよう設けられた支持層によって支持されてい
ることが好ましい。また、前記接点部材は、前記異方導
電性シート本体に接する基端面における面積が当該異方
導電性シート本体における導電路形成部の端面の面積よ
り大きいものであり、前記異方導電性シート本体におけ
る導電路形成部の端面が前記接点部材の基端面によって
覆われていることが好ましい。
【0014】本発明の異方導電性シートの製造方法は、
形成すべき接点部材の形状に適合する形状の複数の凹所
が、形成すべき異方導電性シート本体の導電路形成部に
対応するパターンに従って形成されてなる接点部材配列
板を用意し、この接点部材配列板の凹所の各々に導電材
料を充填することにより、当該凹所に保持された接点部
材を形成し、この接点部材が保持された接点部材配列板
の一面上に異方導電性シート本体を形成し、その後、接
点部材配列板を除去する工程を有することを特徴とす
る。
【0015】本発明の異方導電性シートの製造方法にお
いては、前記接点部材配列板は異方性エッチングが可能
な材料よりなり、当該接点部材配列板の凹所は異方性エ
ッチングにより形成されていることが好ましい。また、
前記接点部材配列板は単結晶シリコンよりなることが好
ましい。
【0016】本発明の回路装置の検査装置は、一面に検
査すべき回路装置の被検査電極に対応して配置された検
査用電極を有する検査用回路基板と、この検査用回路基
板の一面上に、異方導電性シート本体の導電路形成部が
検査用電極上に位置するよう配置された上記の異方導電
性シートとを具えてなることを特徴とする。
【0017】このような回路装置の電気的検査装置は、
検査対象である回路装置がウエハ上に形成された半導体
チップまたは液晶表示装置である場合には好適である。
【0018】
【作用】(1)異方導電性シート本体における導電路形
成部上には、錐状または錐台状の接点部材が設けられて
いるため、接続すべき電極が、異方導電性シート本体に
おける導電路形成部の断面積より小さい面積のものであ
っても、当該電極に接点部材の先端を確実に接触させる
ことができる。
【0019】(2)異方導電性シート本体における導電
路形成部上には、錐状または錐台状の接点部材が設けら
れているため、接続すべき電極がその表面に絶縁性の酸
化膜を有するものであっても、当該接点部材によって当
該酸化膜を小さい加圧力で確実に突き破ることができ
る。また、接続すべき電極には、異方導電性シート本体
が直接接触することがないため、当該異方導電性シート
本体を構成する弾性高分子物質中に含有される低分子量
成分により、電極の表面が汚染されることがない。
【0020】(3)異方導電性シート本体の絶縁部の表
面に接点部材を支持する支持層を設けることにより、接
点部材が異方導電性シート本体から容易に脱落すること
がない。しかも、この支持層によって、異方導電性シー
ト本体が直接接触することがないため、当該異方導電性
シート本体を構成する弾性高分子物質中に含有される低
分子量成分により、被接続体の表面が汚染されることが
ない。 (4)接点部材の基端面の面積を異方導電性シート本体
における導電路形成部の端面の面積より大きいものとす
ると共に、導電路形成部の端面を接点部材の基端面によ
って覆うことにより、電気的接続作業において、接続す
べき電極の寸法に関わらず、導電路形成部全体が加圧さ
れる結果、当該導電路形成部に形成される導電路の全部
が有効に利用される。しかも、導電路形成部のみなら
ず、その周辺の絶縁部も加圧されるので、導電路形成部
のみに圧力が集中して加わることがない。
【0021】(5)異方導電性シートの製造において、
形成すべき接点部材に適合する形状の複数の凹所が、形
成すべき異方導電性シート本体の導電路形成部に対応す
るパターンに従って形成されてなる接点部材配列板を用
い、当該接点部材配列板の凹所の各々に導電性材料を充
填することにより、複数の接点部材が目的とするパター
ンに従って配列された状態で形成される。このような接
点部材を形成したうえで、当該接点部材配列板の一面上
に異方導電性シート本体を形成することにより、目的と
する異方導電性シートが確実に得られる。また、接点部
材配列板を形成する材料として、異方性エッチングが可
能な材料を用いることにより、異方性エッチングによっ
て錐状または錐台状の凹所を容易に形成することができ
る。特に、接点部材配列板を形成する材料として、単結
晶シリコンを用いることにより、錐状または錐台状の凹
所を高い寸法精度で確実に形成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。 〈異方導電性シート〉図1は、本発明の異方導電性シー
トの一例における要部の構成を示す説明用断面図であ
る。この異方導電性シート10は、それぞれ厚み方向に
伸びる複数の導電路形成部12と、これらの導電路形成
部12を相互に絶縁する絶縁部13とよりなる異方導電
性シート本体11を有する。この異方導電性シート本体
11における導電路形成部12の各々は、弾性を有する
導電性材料により構成され、当該異方導電性シート本体
10の面方向に沿って、接続すべき電極のパターンに対
応するパターンに従って配置されている。この例では、
導電路形成部12の各々は、絶縁部13の表面から突出
した状態で形成されている。異方導電性シート本体11
における導電路形成部12上には、導電性材料よりなる
四角錐状の接点部材20が一体的に設けられている。こ
の接点部材20における異方導電性シート本体11の導
電路形成部12に接する基端面は、当該導電路形成部1
2の端面の面積より大きい面積を有し、導電路形成部1
2の端面全体が接点部材20の基端面によって覆われて
いる。接点部材20の各々は、絶縁部13の表面を覆う
よう一体的に設けられた絶縁性材料よりなる支持層25
に支持されている。
【0023】異方導電性シート本体11における導電路
形成部12は、絶縁性の弾性高分子物質中に導電性粒子
が含有されて構成され、好ましくは弾性高分子物質中に
導電性粒子が厚み方向に並んだ状態で配向されており、
この導電性粒子により、当該導電路形成部の厚み方向に
導電路が形成される。この導電路形成部12は、厚み方
向に加圧されて圧縮されたときに抵抗値が減少して導電
路が形成される、加圧導電路形成部とすることもでき
る。
【0024】導電路形成部12に用いられる絶縁性の弾
性高分子物質としては、架橋構造を有する高分子物質が
好ましい。架橋高分子物質を得るために用いることので
きる硬化性の高分子物質形成材料としては、種々のもの
を用いることができ、その具体例としては、ポリブタジ
エンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−
ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの
水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共
重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体な
どのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、
クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エ
ピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、
シリコーン変性フッ素ゴム、エチレン−プロピレン共重
合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム
などが挙げられる。 以上において、得られる異方導電
性シートに耐候性が要求される場合には、共役ジエン系
ゴム以外のものを用いることが好ましく、特に、成形加
工性および電気特性の観点から、シリコーンゴム、シリ
コーン変性フッ素ゴムを用いることが好ましい。
【0025】シリコーンゴムとしては、液状シリコーン
ゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコ
ーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105
アズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のも
の、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのい
ずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン
生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニ
ルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
【0026】これらの中で、ビニル基を含有する液状シ
リコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)
は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジア
ルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたは
ジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加
水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の
繰り返しによる分別を行うことにより得られる。また、
ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オ
クタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキ
サンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止
剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、そ
の他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重
合停止剤の量)を適宜選択することにより得られる。こ
こで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチ
ルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムな
どのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用
いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃で
ある。このようなビニル基含有ポリジメチルシロキサン
は、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分
子量をいう。以下同じ。)が10000〜40000の
ものであることが好ましい。また、得られる導電路形成
部の耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準ポリスチ
レン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数
平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以下同
じ。)が2.0以下のものが好ましい。
【0027】一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリ
コーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサ
ン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチル
ジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランま
たはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下におい
て、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−
沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン
重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロ
ロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチル
ヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件
(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)
を適宜選択することによっても得られる。ここで、アニ
オン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニ
ウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカ
リまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることが
でき、反応温度は、例えば80〜130℃である。この
ようなヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンは、
その分子量Mwが10000〜40000のものである
ことが好ましい。また、得られる導電路形成部の耐熱性
の観点から、分子量分布指数が2.0以下のものが好ま
しい。本発明においては、上記のビニル基含有ポリジメ
チルシロキサンおよびヒドロキシル基含有ポリジメチル
シロキサンのいずれか一方を用いることもでき、両者を
併用することもできる。
【0028】シリコーン変性フッ素ゴムとしては、フッ
素化ポリエーテル骨格によってシリコーンゴムが複合化
されたものを好ましく用いることができる。フッ素ゴム
成分を導入することにより、弾性高分子物質の耐熱性が
向上するため、得られる異方導電性シート本体の耐熱性
が良好なものとなる。このようなシリコーン変性フッ素
ゴムにおいては、フッ素化ポリエーテル骨格を導入した
こと以外は、上述のシリコーンゴム成分をそのまま使用
することができる。
【0029】高分子物質形成材料中には、当該高分子物
質形成材料を硬化させるための硬化触媒を含有させるこ
とができる。このような硬化触媒としては、有機過酸化
物、脂肪酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを用い
ることができる。硬化触媒として用いられる有機過酸化
物の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジ
シクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャ
リーブチルなどが挙げられる。硬化触媒として用いられ
る脂肪酸アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブ
チロニトリルなどが挙げられる。ヒドロシリル化反応の
触媒として使用し得るものの具体例としては、塩化白金
酸およびその塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプ
レックス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレック
ス、白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン
とのコンプレックス、トリオルガノホスフィンあるいは
ホスファイトと白金とのコンプレックス、アセチルアセ
テート白金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレッ
クスなどの公知のものが挙げられる。硬化触媒の使用量
は、高分子物質形成材料の種類、硬化触媒の種類、その
他の硬化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、
高分子物質形成材料100重量部に対して15重量部以
下である。
【0030】また、高分子物質形成材料中には、必要に
応じて、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲ
ルシリカ、ナルミナなどの無機充填材を含有させること
ができる。このような無機充填材を含有させることによ
り、当該高分子物質形成材料のチクソトロピー性が確保
され、その粘度が高くなり、しかも、導電性粒子の分散
安定性が向上すると共に、得られる導電路形成部12の
強度が高くなる。このような無機充填材の使用量は、特
に限定されるものではないが、多量に使用すると、後述
する製造方法において、磁場による導電性粒子の配向を
十分に達成することができなくなるため、好ましくな
い。
【0031】導電路形成部12に用いられる導電性粒子
としては、非磁性の導電性粒子例えば銅、銀、半田など
の非磁性の金属粒子を使用することも可能であるが、後
述する製造方法により当該導電性粒子を厚み方向に容易
に配向させることができる観点から、磁性を示す導電性
粒子を用いることが好ましい。このような導電性粒子の
具体例としては、ニッケル、鉄、コバルトなどの磁性を
示す金属若しくはこれらの合金からなる粒子またはこれ
らの金属若しくは合金を含有する粒子、またはこれらの
粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に金、銀、パラジ
ウム、ロジウムなどの導電性の良好な金属のメッキを施
したもの、あるいは非磁性金属粒子若しくはガラスビー
ズなどの無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子と
し、当該芯粒子の表面に、ニッケル、コバルトなどの導
電性磁性体のメッキを施したもの、あるいは芯粒子に、
導電性磁性体および導電性の良好な金属の両方を被覆し
たものなどが挙げられる。これらの中では、ニッケル粒
子を芯粒子とし、その表面に金や銀などの導電性の良好
な金属のメッキを施したものを用いることが好ましい。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆する手段としては、特
に限定されるものではないが、例えば化学メッキにより
行うことができる。
【0032】導電性粒子として、芯粒子の表面に導電性
金属が被覆されてなるものを用いる場合には、良好な導
電性が得られる観点から、粒子表面における導電性金属
の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の被覆面
積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに
好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%で
ある。また、導電性金属の被覆量は、芯粒子の0.5〜
50重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜
30重量%、さらに好ましくは3〜25重量%、特に好
ましくは4〜20重量%である。被覆される導電性金属
が金である場合には、その被覆量は、芯粒子の2.5〜
30重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜
20重量%、さらに好ましくは3.5〜15重量%、特
に好ましくは4〜10重量%である。また、被覆される
導電性金属が銀である場合には、その被覆量は、芯粒子
の3〜50重量%であることが好ましく、より好ましく
は4〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%、
特に好ましくは6〜20重量%である。
【0033】また、導電性粒子の粒子径は、1〜100
0μmであることが好ましく、より好ましくは2〜50
0μm、さらに好ましくは2〜100μm、特に好まし
くは2〜50μmである。また、導電性粒子の粒子径分
布(Dw/Dn)は、1〜10であることが好ましく、
より好ましくは1.01〜7、さらに好ましくは1.0
5〜5、特に好ましくは1.1〜4である。このような
条件を満足する導電性粒子を用いることにより、得られ
る導電路形成部12は、加圧変形が容易なものとなり、
また、当該導電路形成部12において導電性粒子間に十
分な電気的接触が得られる。また、導電性粒子の形状
は、特に限定されるものではないが、高分子物質用材料
中に容易に分散させることができる点で、球状のもの、
星形状のものあるいはこれらが凝集した2次粒子による
塊状のものであることが好ましい。
【0034】また、導電性粒子の含水率は、5%以下で
あることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに
好ましくは2%以下、とくに好ましくは1%以下であ
る。このような条件を満足する導電性粒子を用いること
により、後述する製造方法において、導電路形成部用材
料層を硬化処理する際に、当該導電路形成部用材料層内
に気泡が生ずることが防止または抑制される。
【0035】また、導電性粒子として、その表面がシラ
ンカップリング剤などのカップリング剤で処理されたも
のを適宜用いることができる。導電性粒子の表面がカッ
プリング剤で処理されることにより、当該導電性粒子と
弾性高分子物質との接着性が高くなり、その結果、得ら
れる導電路形成部12は、繰り返しの使用における耐久
性が高いものとなる。カップリング剤の使用量は、導電
性粒子の導電性に影響を与えない範囲で適宜選択される
が、導電性粒子表面におけるカップリング剤の被覆率
(導電性芯粒子の表面積に対するカップリング剤の被覆
面積の割合)が5%以上となる量であることが好まし
く、より好ましくは上記被覆率が7〜100%、さらに
好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜10
0%となる量である。
【0036】このような導電性粒子は、導電路形成部1
2中に体積分率で30〜60%、好ましくは35〜50
%となる割合で含有されていることが好ましい。この割
合が30%未満の場合には、十分に電気抵抗値の小さい
導電路形成部12が得られないことがある。一方、この
割合が60%を超える場合には、得られる導電路形成部
12は脆弱なものとなりやすく、導電路形成部として必
要な弾性が得られないことがある。
【0037】異方導電性シート本体11における絶縁部
13は、絶縁性を有する弾性高分子物質により構成され
ている。かかる弾性高分子物質を得るために用いること
のできる硬化性の高分子物質形成材料としては、ポリブ
タジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれ
らの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロッ
ク共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合
体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加
物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴ
ム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素
ゴム、シリコーン変性フッ素ゴム、エチレン−プロピレ
ン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体ゴムなどが挙げられ、得られる異方導電性シートに耐
候性が要求される場合には、共役ジエン系ゴム以外のも
のを用いることが好ましい。
【0038】絶縁部13を構成する弾性高分子物質とし
ては、導電路形成部12を構成する弾性高分子物質と同
一の種類のものあるいは異なる種類のものを用いること
ができる。また、絶縁部13は、導電路形成部12と一
体であってもよく、また、別体のものであってもよい。
【0039】導電路形成部12における絶縁部13の表
面からの突出高さは、例えば0.01〜0.1mmであ
り、好ましくは0.01〜0.05mmである。また、
導電路形成部12の径は、例えば0.02〜1mmであ
り、好ましくは0.03〜0.5mmである。また、絶
縁部13の厚みは、例えば0.1〜2mmであり、好ま
しくは0.2〜1mmである。
【0040】接点部材20を構成する導電性材料として
は、接続すべき電極に形成された酸化膜を突き破ること
ができる程度に硬質の材料であれは特に限定されるもの
ではなく、例えば金属、導電性ポリマー、ポリマー中に
導電性物質が含有されてなるものなどを用いることがで
きる。これらの中でも、接続すべき電極の表面に形成さ
れた酸化膜を確実に突き破ることができる点で、金属よ
りなるものを用いることが好ましく、かかる金属の具体
例としては、銅、金、ロジウム、タングステン、モリブ
デン、白金、パラジウム、ニッケル若しくはこれらの合
金などを用いることができる。また、接点部材20とし
ては、複数の導電性材料が積層されてなるものあるいは
導電性材料よりなる芯材に導電性材料よりなる被覆層が
形成されてなるものを用いることができる。特に、接点
部材20の耐久性の観点から、接点部材20の先端を形
成する層または被覆層がロジウム、ニッケル、パラジウ
ム、タングステン、モリブデンなどの高硬度金属により
構成されていることが好ましい。
【0041】この例における接点部材20の基端面の面
積は、異方導電性シート本体11の導電路形成部12の
端面の面積より大きいものとされているが、具体的に
は、導電路形成部12の端面の面積の110%以上、特
に120〜180%であることが好ましい。また、接点
部材20の突出高さ(図示の例では支持層25の表面か
らの突出高さ)は、例えば0.01〜0.5mm、好ま
しくは0.02〜0.3mmである。
【0042】支持層25を構成する材料としては、ポリ
イミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエス
テル樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂または放射
線硬化性樹脂を用いることができる。また、支持層25
の厚みは、例えば0.01〜0.2mm、好ましくは
0.02〜0.05mmである。
【0043】このような異方導電性シート10によれ
ば、異方導電性シート本体11における導電路形成部1
2上に設けられた接点部材20は四角錐状のものである
ため、接続すべき電極がその面積が小さいものであって
も、当該接点部材20によって所要の電気的接続を確実
に達成することができる。また、接続すべき電極がその
表面に絶縁性の酸化膜を有するものであっても、当該接
点部材20によって当該酸化膜を小さい加圧力で確実に
突き破ることができ、その結果、所要の電気的接続を確
実に達成することができる。また、接続すべき電極に
は、接点部材20が接触するため、異方導電性シート本
体11が直接接触することがなく、その結果、当該異方
導電性シート本体11を構成する弾性高分子物質中に含
有される低分子量成分により、電極の表面が汚染される
ことを防止することができる。
【0044】また、接点部材20は、異方導電性シート
本体11の絶縁部13の表面に設けられた支持層25に
よって支持されているため、接点部材20が異方導電性
シート本体11から容易に脱落することを防止すること
ができる。しかも、この支持層25は絶縁部13の表面
を覆うよう設けられているため、被接続体には、異方導
電性シート本体11が直接接触することがなく、その結
果、当該異方導電性シート本体11を構成する弾性高分
子物質中に含有される低分子量成分により、被接続体の
表面が汚染されることを防止することができる。
【0045】また、接点部材20の基端面の面積が異方
導電性シート本体11における導電路形成部12の端面
の面積より大きいものであり、導電路形成部12の端面
全体が接点部材20の基端面によって覆われているた
め、電気的接続作業において、接続すべき電極の寸法に
関わらず、導電路形成部12全体が加圧され、その結
果、当該導電路形成部12に形成される導電路の全部を
有効に利用することができるので、所要の導電性が確実
に得られる。しかも、導電路形成部12のみならず、そ
の周辺の絶縁部13も加圧されるので、導電路形成部1
2のみに圧力が集中して加わることを防止することがで
き、従って、導電路形成部12が早期に破損することを
防止することができる。更に、接点部材20の基端面に
よって導電路形成部12の端面が覆われることにより、
当該導電路形成部12から導電性粒子が脱落することを
防止することができる。
【0046】〈異方導電性シートの製造方法〉上記の異
方導電性シートは、例えば次のような方法によって製造
することができる。図2は、図1に示す異方導電性シー
トを製造するために用いられる接点部材配列板の一例に
おける構成を示す説明用断面図である。この接点部材配
列板40は、異方性エッチングが可能な材料よりなり、
その一面(図2において上面)には、製造すべき異方導
電性シート10における接点部材20を形成するための
接点部材形成用凹所41が形成されている。この接点部
材形成用凹所41は、異方性エッチングによって形成さ
れたものであり、当該接点部材形成用凹所41の形状
は、接点部材20の形状に適合する形状すなわち当該接
点部材配列板40の一面から他面に向かうに従って断面
積が小さくなる四角錐状である。また、この例において
は、接点部材配列板40の一面における接点部材形成用
凹所41以外の領域および当該磁性部材配列板40の他
面には、保護膜42,43が形成されている。この保護
膜42,43は、磁性部材形成用凹所41を異方性エッ
チングによって形成するためのレジストとして利用され
たものである。
【0047】接点部材配列板40を構成する材料として
は、異方性エッチングが可能なものであれば特に限定さ
れず、例えば単結晶シリコン、ゲルマニウムなどを用い
ることができるが、異方性エッチングによって所期の寸
法精度を有する接点部材形成用凹所41が確実に得られ
ると共に、高い耐久性が得られる点で、単結晶シリコン
を用いることが好ましく、さらに、異方性エッチングに
よって一層高い寸法精度を有する接点部材形成用凹所4
1が得られ、かつ面精度の高い表面が得られる点で、純
度の高いものを用いることが好ましく、特に、接点部材
配列板40としては、結晶面(1,0,0)を表面とす
るシリコンウエハを加工することにより得られるものを
用いることが好ましい。接点部材配列板40の厚み(接
点部材形成用凹所41が形成されていない個所の厚み)
は、例えば0.2〜1mm、好ましくは0.25〜0.
6mmである。また、接点部材形成用凹所41の深さ
は、形成すべき接点部材20の高さに応じて適宜設定さ
れる。保護膜42,43を形成する材料としては、二酸
化珪素(SiO2 )、窒化珪素(Si3 4 )、クロム
(Cr)、金(Au)などを用いることができるが、最
も使用しやすい点で、二酸化珪素(SiO2 )を用いる
ことができる。
【0048】この接点部材配列板40は、例えば以下の
ようにして製造することができる。先ず、図3に示すよ
うに、両面に二酸化珪素よりなる保護膜42,43が形
成された、単結晶シリコンよりなる結晶面(1,0,
0)を表面とする板状の配列板形成材料40Aを用意
し、図4に示すように、この配列板形成材料40Aの両
面に形成された保護膜42,43の各々の表面に、フォ
トリソグラフィーの手法により、当該保護膜42,43
をエッチング処理するためのレジスト膜45,46を形
成する。ここで、配列板形成材料40Aの一面(図4に
おいて上面)側に形成されたレジスト膜45には、形成
すべき接点部材形成用凹所41に対応して複数の矩形の
開口45Kが形成されている。
【0049】次いで、図5に示すように、配列板形成材
料40Aの一面に形成された保護膜42に対して、レジ
スト膜45の開口45Kを介してエッチング処理を行う
ことにより、当該保護膜42にレジスト膜45の開口4
5Kに連通する矩形の開口42Kを形成する。そして、
図6に示すように、レジスト膜45,46を除去した
後、配列板形成材料40Aの一面に対して、保護膜4
2,43をレジストとして利用し、当該保護膜42の開
口42Kを介して異方性エッチング処理を行うことによ
り、四角錐状の接点部材形成用凹所41を形成し、以
て、図2に示す接点部材配列板40が得られる。
【0050】以上において、配列板形成材料40Aとし
ては、結晶面(1,0,0)を表面とするシリコンウエ
ハをそのままの状態で或いは適宜の形状に加工した状態
で用いることが好ましい。保護膜42をエッチング処理
するためのエッチング液としては、フッ酸などを用いる
ことができる。配列板形成材料40Aを異方性エッチン
グ処理するためのエッチング液としては、水酸化カリウ
ム、エチレンジアミンなどの水溶液を用いることができ
る。また、配列板形成材料40Aの異方性エッチング処
理の条件、例えば処理温度、処理時間は、エッチング液
の種類、形成すべき接点部材形成用凹所41の深さなど
に応じて適宜設定されるが、例えば処理温度は60〜8
5℃である。
【0051】そして、上記のような構成の接点部材配列
板40を用い、以下のようにして異方導電性シートが製
造される。先ず、図7に示すように、接点部材配列板4
0の一面における接点部材形成用凹所41以外の領域
に、レジスト膜47を形成する。その後、接点部材配列
板40の接点部材形成用凹所41の内面に対して、金属
のメッキ処理、スパッタ処理あるいは蒸着処理を行うこ
とにより、当該接点部材形成用凹所41の内面に、形成
すべき接点部材20における被覆層となる金属層20A
が形成され、更に、この金属層20Aの表面に対して、
金属のメッキ処理、スパッタ処理あるいは蒸着処理を行
うことにより、接点部材形成用凹所41内に金属が充填
され、図9に示すように、接点部材形成用凹所41に保
持された接点部材20が形成される。以上において、金
属層20を形成する手段および接点部材形成用凹所41
内に金属を充填する手段としては、安価に行うことがで
きる点で、メッキ処理が好ましい。
【0052】次いで、接点部材配列板40の一面からレ
ジスト膜47を除去した後、当該接点部材配列板40の
一面および接点部材20の基端面を覆うよう支持層25
を形成する。具体的には、未硬化の液状の熱硬化性樹脂
材料若しくは放射線硬化性材料を接点部材配列板40の
一面および接点部材20の基端面に塗布して当該熱硬化
性樹脂材料若しくは放射線硬化性材料硬化処理を行うこ
とにより、或いは、半硬化状態の熱硬化性樹脂材料若し
くは放射線硬化性材料よりなるシートを接点部材配列板
40の一面および接点部材20の基端面上に配置して当
該シートの硬化処理を行うことにより、支持層25が形
成される。その後、図11に示すように、支持層25上
に絶縁部13を一体的に形成すると共に、当該絶縁部1
3上に金属層16を一体的に形成することにより、支持
層25上に絶縁部13および金属層16がこの順で積層
されてなる積層体10Aを形成する。具体的には、支持
層25上に、例えば液状ゴムよりなる絶縁部用材料を塗
布して絶縁部用材料層を形成し、更に、この絶縁部用材
料層上に金属箔を配置し、この状態で、絶縁部用材料層
の硬化処理を行うことにより、支持層25上に絶縁部1
3が一体的に形成されると共に、当該絶縁部13上に金
属層16が一体的に形成される。
【0053】次いで、積層体10Aにおける金属層16
に対してエッチング処理を施すことにより、当該金属層
16における接点部材20の上方に位置する個所に開口
16Kを形成し、その後、この開口16Kを介して絶縁
部13にレーザーを照射することにより、図13に示す
ように、積層体10A全体をその厚み方向に貫通する貫
通孔12Hを形成する。以上において、レーザーとして
は、炭酸ガスレーザー、YAGレーザーの第3高調波ま
たは第4高調波、KrFまたはArFを用いたエキシマ
レーザーを使用することができ、これらは積層体10A
の光収縮率によって適宜選択される。これらの中では、
安価なレーザーである点では炭酸ガスレーザーが好まし
く、一方、小さい径例えば10〜30μmの径の貫通孔
12Hを形成することができる点ではエキシマレーザー
が好ましい。その後、図14に示すように、積層体10
Aに形成された貫通孔12H内に、硬化されて弾性高分
子物質となる高分子物質形成材料中に磁性を示す導電性
粒子が分散されてなる導電路形成部用材料を充填するこ
とにより、当該積層体10Aの貫通孔12H内に導電路
形成部用材料層12Aを形成する。以上において、導電
路形成部用材料を充填する方法としては、真空減圧の状
態で、積層体10Aの表面に導電路形成部用材料を印刷
法により塗布し、その後、加圧することにより、導電路
形成部用材料を貫通孔12H内に充填し、更に余剰の導
電路形成部用材料をかき取る方法、或いは磁性を示す導
電性粒子が含有されてなるを用いる場合には、永久磁石
を用いて充填する方法などを利用することができる。
【0054】そして、図15に示すように、積層体10
Aの上面および接点部材配列板40の下面に一対の電磁
石48,49を配置し、当該電磁石48,49を作動さ
せることにより、導電路形成部用材料層12Aにその厚
み方向に平行磁場が作用する。その結果、導電路形成部
用材料層12Aにおいては、当該導電路形成部用材料層
12A中に分散されていた導電性粒子が、当該導電路形
成部用材料層12Aの厚み方向に並ぶよう配向する。そ
して、この状態において、導電路形成部用材料層12A
を硬化処理することにより、図16に示すように、積層
体10Aの貫通孔12A内に導電路形成部12が一体的
に形成される。
【0055】以上において、導電路形成部用材料層12
Aの硬化処理は、平行磁場を作用させたままの状態で行
うこともできるが、平行磁場の作用を停止させた後に行
うこともできる。導電路形成部用材料層12Aに作用さ
れる平行磁場の強度は、平均で200〜20000ガウ
スとなる大きさが好ましい。また、平行磁場を作用させ
る手段としては、電磁石の代わりに永久磁石を用いるこ
ともできる。このような永久磁石としては、上記の範囲
の平行磁場の強度が得られる点で、アルニコ(Fe−A
l−Ni−Co系合金)、フェライトなどよりなるもの
が好ましい。このようにして得られる導電路形成部12
は、導電性粒子が当該導電路形成部12の厚み方向に並
ぶよう配向しているため、導電性粒子の割合が小さくて
も良好な導電性が得られる。
【0056】導電路形成部用材料層20Aの硬化処理
は、使用される材料によって適宜選定されるが、通常、
加熱処理によって行われる。加熱により導電路形成部用
材料層12Aの硬化処理を行う場合には、電磁石48,
49にヒーターを設ければよい。具体的な加熱温度およ
び加熱時間は、導電路形成部用材料層12Aを構成する
高分子物質形成材料などの種類、導電性粒子の移動に要
する時間などを考慮して適宜選定される。
【0057】そして、このようにして導電路形成部12
が形成された積層体10Aから接点部材配列板40を剥
離すると共に、積層体10Aにおける金属層16を例え
ばエッチング処理によって除去することにより、図1に
示す構成の異方導電性シートが得られる。
【0058】このような製造方法によれば、形成すべき
接点部材20に適合する四角錐状の複数の接点部材形成
用凹所41が、形成すべき異方導電性シート本体10の
導電路形成部12に対応するパターンに従って形成され
てなる接点部材配列板40を用い、当該接点部材配列板
40の接点部材形成用凹所41の各々に導電性材料を充
填するため、複数の接点部材20を目的とするパターン
に従って配列された状態で形成することができ、このよ
うな接点部材20を形成したうえで、当該接点部材配列
板40の一面上に異方導電性シート本体11を形成する
ため、目的とする異方導電性シート10を確実に形成す
ることができる。
【0059】また、接点部材配列板40を形成するため
の配列板形成材料40Aとして、異方性エッチングが可
能な材料を用い、当該配列板形成材料40Aに対して異
方性エッチングを行うことにより、四角錐状の接点部材
形成用凹所41を容易に形成することができる。特に、
配列板形成材料40Aとして、単結晶シリコンを用いる
ことにより、四角錐状の接点部材形成用凹所41を高い
寸法精度で確実に形成することができる。
【0060】〈回路装置の電気的検査装置〉図17は、
本発明に係る回路装置の電気的検査装置の一例における
要部の構成を示す説明用断面図である。この回路装置の
電気的検査装置は、例えばウエハ上に形成された半導体
チップよりなる回路装置の電気的検査を行うためのもの
である。この回路装置の電気的検査装置は、検査用回路
基板30の一面(図17において下面)上に、図1に示
す構成の異方導電性シート10が配置されて構成されて
いる。検査用回路基板30においては、その一面に検査
対象である回路装置の被検査電極2の配置パターンと対
掌なパターンに従って複数の検査用電極31が配置さ
れ、検査用電極31の各々は、当該検査用回路基板30
に形成された配線部(図示省略)を介して端子電極(図
示省略)に電気的に接続されている。この端子電極は、
適宜の手段によってテスター(図示省略)に電気的に接
続されるものである。そして、この検査回路基板30の
一面上に、異方導電性シート10が、その異方導電性シ
ート本体11における導電路形成部12の各々がこれに
対応する検査用電極31上に位置された状態で配置され
ている。
【0061】以上のような構成の電気的検査装置は、例
えばウエハ上に形成された検査対象である回路装置1に
おける被検査電極2が配置された電極配置領域上に、当
該被検査電極2の各々の上方にこれに対応する異方導電
性シート10の接点部材20が位置するよう配置され
る。その後、例えば検査用回路基板30を回路装置1に
接近する方向に移動させることにより、異方導電性シー
ト10の接点部材20の各々が、回路装置1の被検査電
極2の各々に接触し、更に押圧されることにより、被検
査電極2の表面に形成された絶縁性の酸化膜が突き破ら
れる。一方、異方導電性シート10においては、異方導
電性シート本体11の導電路形成部12が接点部材20
を介して回路装置1の被検査電極2によって加圧された
状態となり、この加圧力により、異方導電性シート10
における異方導電性シート本体11の導電路形成部12
にその厚み方向に伸びる導電路が形成される。このよう
にして、回路装置1の被検査電極2の各々とこれに対応
する検査用回路基板30の検査用電極31の各々とが、
接点部材20および異方導電性シート本体11の導電路
形成部12を介して電気的に接続され、この状態で所要
の電気的検査が実行される。
【0062】このような電気的検査装置によれば、四角
錐状の接点部材20を有する異方導電性シート10が設
けられているため、検査対象である回路装置1の被検査
電極2がその面積が小さいものであっても、当該接点部
材20によって所要の電気的接続を確実に達成すること
ができる。また、検査対象である回路装置1の被検査電
極2がその表面に絶縁性の酸化膜を有するものであって
も、当該接点部材20によって当該酸化膜を小さい加圧
力で確実に突き破ることができ、その結果、所要の電気
的接続を確実に達成することができる。また、被検査電
極2には、接点部材20が接触するため、異方導電性シ
ート本体11が直接接触することがなく、その結果、当
該異方導電性シート本体11を構成する弾性高分子物質
中に含有される低分子量成分により、被検査電極2の表
面が汚染されることを防止することができる。そして、
このような電気的検査装置は、厚み方向に容易に変形す
る異方導電性シート本体11を有すると共に、被検査電
極2の表面に形成された絶縁性の酸化膜を小さい加圧力
で突き破ることができる四角錐状の接点部材20を有す
る異方導電性シート10を具えてなるため、半導体チッ
プよりなる回路装置の電気的特性をウエハの状態で検査
するために好適なものである。
【0063】図18は、本発明に係る回路装置の電気的
検査装置の他の例における要部の構成を示す説明用断面
図であり、図19は、図18に示す回路装置の電気的検
査装置の一部を破断して示す平面図である。この回路装
置の電気的検査装置は、互いに離間して並ぶよう配置さ
れた複数の線状の被検査電極を有する回路装置例えば液
晶表示装置の電気的検査を行うためのものである。図1
8および図19に示す回路装置の電気的検査装置は、検
査用回路基板30の一面(図18において下面)上に、
異方導電性シート10が配置されて構成されている。
【0064】検査用回路基板30においては、その表面
に検査対象である回路装置の被検査電極(図19におい
て一点鎖線で示す)2の各々に電気的に接続される複数
の検査用電極31が形成され、検査用電極31の各々
は、当該検査用回路基板30の表面に形成された配線部
32を介して端子電極(図示省略)に電気的に接続され
ている。この端子電極は、適宜の手段によってテスター
(図示省略)に電気的に接続されるものである。そし
て、検査用電極31の各々は、検査対象である回路装置
における一の被検査電極2に電気的に接続される検査用
電極31と、当該一の被検査電極2に隣接する他の被検
査電極2に電気的に接続される検査用電極31とを結ぶ
直線の方向xが、被検査電極2の伸びる方向yと直交し
ない状態に配置されている。
【0065】異方導電性シート10は、基本的には図1
に示すものと同様の構成であり、その異方導電性シート
本体11は、検査用回路基板30の検査用電極31に対
応して配置された複数の導電路形成部12を有し、これ
らの導電路形成部12は絶縁部13によって相互に絶縁
されている。導電路形成部12上には、導電性材料より
なる四角錐状の接点部材20が一体的に設けられてお
り、接点部材20の各々は、絶縁部13上に一体的に設
けられた絶縁性材料よりなる支持層25に支持されてい
る。そして、この異方導電性シート10は、導電路形成
部12の各々がこれに対応する検査用電極31上に位置
された状態で、検査回路基板30の一面上に配置されて
いる。
【0066】上記の回路装置の電気的検査装置によれ
ば、異方導電性シート10の接点部材20は四角錐状で
あるため、その先端部が微小であり、しかも、検査用回
路基板30の検査用電極31の各々が、検査対象である
回路装置1における一の被検査電極2に電気的に接続さ
れる検査用電極31と、当該一の被検査電極2に隣接す
る他の被検査電極2に電気的に接続される検査用電極3
1とを結ぶ直線の方向xが、被検査電極2の伸びる方向
yと直交しない状態で配置されているため、当該検査用
電極31のピッチを十分に大きく設定することができ
る。従って、被検査電極2が極めて小さいピッチで配置
された回路装置1に対しても、当該被検査電極2と異方
導電性シート10の接点部材20とを1対1の対応関係
で接触させることができるので、当該回路装置について
所期の電気的接続を達成することができ、その結果、所
要の電気的検査を確実に実行することができる。このよ
うな回路装置の電気的検査装置は、液晶表示装置などの
回路装置の電気的特性を検査するために好適なものであ
る。
【0067】本発明は、上記の実施の形態に限定され
ず、種々の変更を加えることが可能である。例えば、接
点部材20は、四角錐状以外の錐状のものであってもよ
く、また、図20に示すように、四角錐台状などの錐台
状のものであってもよい。このような錐台状の接点部材
20を用いる場合には、当該接点部材20の先端面の面
積は、その基端面の面積の50%以下、特に30%以下
であることが好ましい。具体的には、接点部材20の先
端面の面積は、5×10-4cm2 以下、特に1×10-4
cm2 以下であることが好ましい。
【0068】
【発明の効果】請求項1乃至請求項3に記載の異方導電
性シートによれば、異方導電性シート本体における導電
路形成部上に設けられた接点部材は錐状または錐台状の
ものであるため、接続すべき電極がその面積が小さいも
のであっても、当該接点部材によって所要の電気的接続
を確実に達成することができ、また、接続すべき電極が
その表面に絶縁性の酸化膜を有するものであっても、当
該接点部材によって当該酸化膜を小さい加圧力で確実に
突き破ることができ、その結果、所要の電気的接続を確
実に達成することができる。また、接続すべき電極に
は、接点部材が接触するため、異方導電性シート本体が
直接接触することがなく、その結果、当該異方導電性シ
ート本体を構成する弾性高分子物質中に含有される低分
子量成分により、電極の表面が汚染されることを防止す
ることができる。
【0069】請求項2に記載の異方導電性シートによれ
ば、接点部材は、異方導電性シート本体の絶縁部の表面
に設けられた支持層によって支持されているため、接点
部材が異方導電性シート本体から容易に脱落することを
防止することができる。しかも、この支持層は絶縁部1
3の表面を覆うよう設けられているため、被接続体に
は、異方導電性シート本体が直接接触することがなく、
その結果、当該異方導電性シート本体を構成する弾性高
分子物質中に含有される低分子量成分により、被接続体
の表面が汚染されることを防止することができる。
【0070】請求項3に記載の異方導電性シートによれ
ば、接点部材の基端面の面積が異方導電性シート本体に
おける導電路形成部の端面の面積より大きいものであ
り、導電路形成部の端面が接点部材の基端面によって覆
われているため、電気的接続作業において、接続すべき
電極の寸法に関わらず、導電路形成部全体が加圧され、
その結果、当該導電路形成部に形成される導電路の全部
を有効に利用することができるので、所要の導電性が確
実に得られる。しかも、導電路形成部のみならず、その
周辺の絶縁部も加圧されるので、導電路形成部のみに圧
力が集中して加わることを防止することができ、従っ
て、当該導電路形成部が早期に破損することを防止する
ことができる。
【0071】請求項4乃至請求項6に記載の異方導電性
シートの製造方法によれば、形成すべき接点部材に適合
する形状の複数の凹所が、形成すべき異方導電性シート
本体の導電路形成部に対応するパターンに従って形成さ
れてなる接点部材配列板を用い、当該接点部材配列板の
凹所の各々に導電性材料を充填するため、複数の接点部
材を目的とするパターンに従って配列された状態で形成
することができ、このような接点部材を形成したうえ
で、当該接点部材配列板の一面上に異方導電性シート本
体を形成するため、目的とする異方導電性シートを確実
に形成することができる。
【0072】請求項5乃至請求項6に記載の異方導電性
シートの製造方法によれば、接点部材配列板を形成する
ための材料として、異方性エッチングが可能な材料を用
いるため、当該材料に対して異方性エッチングを行うこ
とにより、錐状または錐台状の凹所を有する接点部材配
列板を容易に製造することができる。
【0073】請求項6に記載の異方導電性シートの製造
方法によれば、接点部材配列板を形成するための材料と
して、単結晶シリコンを用いるため、接点部材配列板に
おける錐状または錐台状の凹所を高い寸法精度で確実に
形成することができる。
【0074】請求項7乃至請求項8に記載の回路装置の
電気的検査装置によれば、錐状または錐台状の接点部材
を有する異方導電性シートが設けられているため、検査
対象である回路装置の被検査電極がその面積が小さいも
のであっても、当該接点部材によって所要の電気的接続
を確実に達成することができ、また、検査対象である回
路装置の被検査電極がその表面に絶縁性の酸化膜を有す
るものであっても、当該接点部材によって当該酸化膜を
小さい加圧力で確実に突き破ることができ、その結果、
所要の電気的接続を確実に達成することができる。ま
た、検査対象である回路装置の被検査電極には、接点部
材が接触するため、異方導電性シート本体が直接接触す
ることがなく、その結果、当該異方導電性シート本体を
構成する弾性高分子物質中に含有される低分子量成分に
より、被検査電極の表面が汚染されることを防止するこ
とができる。そして、このような電気的検査装置は、厚
み方向に容易に変形する異方導電性シート本体を有する
と共に、被検査電極の表面に形成された絶縁性の酸化膜
を小さい加圧力で突き破ることができる錐状または錐台
状の接点部材を有する異方導電性シートを具えてなるた
め、半導体チップよりなる回路装置の電気的特性をウエ
ハの状態で検査するために好適なものである。
【0075】請求項7および請求項9に記載の回路装置
の電気的検査装置によれば、錐状または錐台状の接点部
材を有する異方導電性シートが設けられており、当該異
方導電性シートにおける接点部材の先端部が微小化が可
能であるため、液晶表示装置などの回路装置の電気的特
性を検査するために好適なものである。特に、検査用回
路基板の検査用電極の各々が、検査対象である回路装置
における一の被検査電極に電気的に接続される検査用電
極と、当該一の被検査電極に隣接する他の被検査電極に
電気的に接続される検査用電極とを結ぶ直線の方向x
が、被検査電極の伸びる方向yと直交しない状態で配置
されることにより、当該検査用電極のピッチを十分に大
きく設定することができる。従って、被検査電極が極め
て小さいピッチで配置された液晶表示装置に対しても、
当該被検査電極と異方導電性シートの接点部材とを1対
1の対応関係で接触させることができるので、当該回路
装置について所期の電気的接続を達成することができ、
その結果、所要の電気的検査を確実に実行することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る異方導電性シートの一例における
要部の構成を示す説明用断面図である。
【図2】本発明に係る異方導電性シートの製造方法に用
いられる接点部材配列板の一例における構成を示す説明
用断面図である。
【図3】両面に保護膜が形成された配列板形成材料を示
す説明用断面図である。
【図4】配列板形成材料の保護膜上にレジスト膜が形成
された状態を示す説明用断面図である。
【図5】配列板形成材料の保護膜に開口が形成された状
態を示す説明用断面図である。
【図6】配列板形成材料の保護膜上からレジスト膜が除
去された状態を示す説明用断面図である。
【図7】配列板形成材料の保護膜上にメッキ用のレジス
ト膜が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図8】接点部材配列板の接点部材形成用凹所の内面
に、形成すべき接点部材における被覆層となる金属膜が
形成された状態を示す説明用断面図である。
【図9】接点部材配列板の接点部材形成用凹所に接点部
材が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図10】接点部材配列板の一面および接点部材の基端
面を覆うよう支持層が形成された状態を示す説明用断面
図である。
【図11】支持層上に絶縁部および金属層が形成されて
積層体が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図12】積層体における金属層に開口が形成された状
態を示す説明用断面図である。
【図13】積層体にその厚み方向に貫通する貫通孔が形
成された状態を示す説明用断面図である。
【図14】積層体の貫通孔内に導電路形成部用材料層が
形成された状態を示す説明用断面図である。
【図15】積層体の貫通孔内に形成された導電路形成部
用材料層に対してその厚み方向に平行磁場を作用させた
状態を示す説明用断面図である。
【図16】積層体の貫通孔内に導電路形成部が形成され
た状態を示す説明用断面図である。
【図17】本発明に係る回路装置の電気的検査装置の一
例における要部の構成を示す説明用断面図である。
【図18】本発明に係る回路装置の電気的検査装置の他
の例における要部の構成を示す説明用断面図である。
【図19】図18に示す回路装置の電気的検査装置をそ
の一部を破断して示す平面図である。
【図20】本発明に係る異方導電性シートの他の例にお
ける要部の構成を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
1 回路装置 2 被検査電極 10 異方導電性シート 10A 積層体 11 異方導電性シート本体 12 導電路形成部 12A 導電路形成部用材料層 12H 貫通孔 13 絶縁部 16 金属層 16K 開口 20 接点部材 20A 金属膜 25 支持層 30 検査用回路基板 31 検査用電極 32 配線部 40 接点部材配列板 40A 配列板形成材料 41 接点部材形成用凹所 42,43 保護膜 42K 開口 45 レジスト膜 45K 開口 46 レジスト膜 47 レジスト膜 48,49 電磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G003 AA07 AA10 AG04 AG07 AG12 2G011 AA16 AA21 AB06 AB07 AB08 AC14 AE03 AF04 4M106 AA01 AA02 AA20 BA01 BA14 DD03 DD04 DD10 DD11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ厚み方向に伸びる複数の弾性を
    有する導電路形成部が、絶縁部によって相互に絶縁され
    た状態で配置されてなる異方導電性シート本体と、 この異方導電性シート本体における導電路形成部上に一
    体的に設けられた、錐状または錐台状の接点部材とを具
    えてなることを特徴とする異方導電性シート。
  2. 【請求項2】 接点部材は、異方導電性シート本体にお
    ける絶縁部の表面を覆うよう設けられた支持層によって
    支持されていることを特徴とする請求項1に記載の異方
    導電性シート。
  3. 【請求項3】 接点部材は、異方導電性シート本体に接
    する基端面における面積が当該異方導電性シート本体に
    おける導電路形成部の端面の面積より大きいものであ
    り、前記異方導電性シート本体における導電路形成部の
    端面が前記接点部材の基端面によって覆われていること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の異方導電
    性シート。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の異方導電性シートを製造する方法であって、 形成すべき接点部材の形状に適合する形状の複数の凹所
    が、形成すべき異方導電性シート本体の導電路形成部に
    対応するパターンに従って形成されてなる接点部材配列
    板を用意し、 この接点部材配列板の凹所の各々に導電材料を充填する
    ことにより、当該凹所に保持された接点部材を形成し、 この接点部材が保持された接点部材配列板の一面上に異
    方導電性シート本体を形成し、その後、接点部材配列板
    を除去する工程を有することを特徴とする異方導電性シ
    ートの製造方法。
  5. 【請求項5】 接点部材配列板は異方性エッチングが可
    能な材料よりなり、当該接点部材配列板の凹所は異方性
    エッチングにより形成されていることを特徴とする請求
    項4に記載の異方導電性シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 接点部材配列板は単結晶シリコンよりな
    ることを特徴とする請求項5に記載の異方導電性シート
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 一面に検査すべき回路装置の被検査電極
    に対応して配置された検査用電極を有する検査用回路基
    板と、 この検査用回路基板の一面上に、異方導電性シート本体
    の導電路形成部が検査用電極上に位置するよう配置され
    た、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の異方導電
    性シートとを具えてなることを特徴とする回路装置の電
    気的検査装置。
  8. 【請求項8】 検査対象である回路装置がウエハ上に形
    成された半導体チップであることを特徴とする請求項7
    に記載の回路装置の電気的検査装置。
  9. 【請求項9】 検査対象である回路装置が液晶表示装置
    であることを特徴とする請求項7に記載の回路装置の電
    気的検査装置。
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