JP2001089776A - 冷凍機用潤滑油 - Google Patents

冷凍機用潤滑油

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JP2001089776A
JP2001089776A JP26978599A JP26978599A JP2001089776A JP 2001089776 A JP2001089776 A JP 2001089776A JP 26978599 A JP26978599 A JP 26978599A JP 26978599 A JP26978599 A JP 26978599A JP 2001089776 A JP2001089776 A JP 2001089776A
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JP
Japan
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cyclohexanedicarboxylate
ester
cyclohexanedicarboxylic acid
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JP26978599A
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English (en)
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Yasuyuki Kawahara
康行 川原
Koji Takahashi
孝司 高橋
Makiko Takii
真希子 滝井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Japan Chemical Co Ltd
Original Assignee
New Japan Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱安定性、加水分解安定性、電気絶縁性及び
潤滑性に優れた冷凍機用潤滑油を提供する。 【構成】 全酸価が0.1mgKOH/g以下であるフタル酸
ジエステルを核水素化して得られる、一般式(1) [式中、R、Rは同一又は異なって、炭素数3 〜
11の分岐状のアルキル基、炭素数3〜10のシクロア
ルキル基、炭素数1〜11の直鎖状のアルキル基を表
す。]で表される1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
ジエステルを含有する冷凍機用潤滑油。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍機用潤滑油に
関し、更に詳しくは、ハイドロフルオロカーボン系冷媒
を用いるカーエアコン、冷凍冷蔵庫、ルームエアコン或
いは産業用大型冷凍機等の圧縮機の潤滑油(以下、「冷
凍機油」と略す)として用いる1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸ジエステルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、オゾン層の破壊及び地球温暖化の
問題から、クロロフルオロカーボン(CFC)であるR
11、R12やハイドロクロロフルオロカーボン(HC
FC)であるR22などから、ハイドロフルオロカーボ
ン(HFC)であるHFC−134a等への代替冷媒化
が進められている。
【0003】更に最近では、地球温暖化の問題意識の高
まりから、温暖化の主要因となっている二酸化炭素の排
出量を削減するため、各種冷凍機においても省エネルギ
ー化に対応した高効率機器の開発が進められている。そ
のような機器においては冷凍機油の使用条件はますます
厳しくなっており、より高い性能を有する潤滑油が必要
となってきている。
【0004】発明者らは、WO9721792号におい
て、新しいタイプのエステルとして1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸ジエステルが、良好な加水分解安定性
を有し、金属加工油や冷凍機油に使用可能であることを
開示している。本エステルを調整する方法としては、
(1)対応する1,2−シクロヘキサンジカルボン酸成
分とアルコール成分とをエステル化することにより調整
する方法、(2)対応するフタル酸ジエステルを核水素
化することにより調整する方法、が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを冷凍機油とし
て用いて種々検討を重ね、上記(1)の方法に準じた方
法では、製造条件によってはエステル中に微量不純物が
存在する場合があり、安定性、電気絶縁性、潤滑性、冷
媒相溶性等に劣るという問題点が生じる場合があること
を見いだした。一方、上記(2)の方法に準じた方法で
は、製造工程で混入する不純物により、得られたエステ
ルが諸性能に劣る場合があることが明らかとなってき
た。そのため、近年のより厳しい使用条件においては、
安定性、電気絶縁性、潤滑性等が十分に満足できるもの
ではなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを冷凍機油に採
用し、上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを製造する際、
特定の物性を有するフタル酸ジエステルを核水素化する
ことによって得られる1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸ジエステルが、熱安定性、加水分解安定性、電気絶
縁性及び潤滑性に優れることを見いだし、かかる知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明に係る冷凍機用潤滑油は、全
酸価が0.1mgKOH/g以下の一般式(1) [式中、R、Rは同一又は異なって、炭素数3 〜
11の分岐状のアルキル基、炭素数3〜10のシクロア
ルキル基、炭素数1〜11の直鎖状のアルキル基を表
す。]で表されるフタル酸ジエステルを核水素化して得
られる、一般式(2) [式中、RはRと同義であり、RはRと同義で
ある。]で表される1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸ジエステルを含有することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】核水素化に用いるフタル酸ジエス
テルは、フタル酸成分と1種若しくは2種以上のアルコ
ール成分とを常法に従って、好ましくは窒素等の不活性
化ガス雰囲気下において、無触媒下、若しくはエステル
化触媒の存在下で加熱撹拌しながらエステル化すること
によって調製される。
【0009】エステル化に際し、フタル酸とアルコール
成分は1段階で反応させる方法、アルコール成分を2段
階に分けて反応させる方法、いずれの方法によって行っ
ても差し支えはない。
【0010】アルコール成分としては炭素数1〜11の
脂肪族一価アルコールであり、具体的には炭素数3〜1
1の分岐状アルコール、炭素数3〜10のシクロアルコ
ール又は炭素数1〜11の直鎖状アルコールが挙げられ
る。
【0011】具体的な分岐状アルコールとしては、イソ
プロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、イ
ソペンタノール、イソヘキサノール、2−メチルヘキサ
ノール、イソヘプタノール、2−エチルヘキサノール、
2−オクタノール、2−メチルヘプタノール、イソオク
タノール、イソノナノール、3,5,5−トリメチルヘ
キサノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、イ
ソデカノール、イソウンデカノール等が例示される。
【0012】又、シクロアルコールとしては、シクロヘ
キサノール、メチルシクロヘキサノール、ジメチルシク
ロヘキサノール等が例示される。
【0013】さらに、直鎖状アルコールとしては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノー
ル、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタ
ノール、n−オクタノール,n−ノナノール、n−デカ
ノール及びn−ウンデカノールが例示される。
【0014】核水素化に用いるフタル酸ジエステルはフ
タル酸成分として、フタル酸の低級アルコールエステル
及び/又は上記アルコール成分の酢酸エステル、プロピ
オン酸エステルなどを用いて、エステル交換反応によっ
て調製することも可能である。
【0015】核水素化に用いるフタル酸ジエステルは、
エステル化若しくはエステル交換触媒としてプロトン酸
類、ルイス酸類、アルカリ金属類などの触媒を使用する
ことによっても調製が可能であるが、その際には特に硫
黄若しくはリンを含有しない触媒を用いて調製されたも
のを原料として用いることがより好ましい。エステル化
において硫黄系触媒、リン系触媒を用いて得られたエス
テルの場合、核水素化触媒の活性が劣る傾向があり、
又、得られた1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジエ
ステルの熱安定性、加水分解安定性が劣る傾向がある。
【0016】又、核水素化に用いるフタル酸ジエステル
は、その全酸価が0.1mgKOH/g以下であり、好ましく
は0.05mgKOH/g、更に好ましくは0.02mgKOH/g以
下であることが推奨される。全酸価が0.1mgKOH/gよ
り高いものを使用した場合は、得られたエステルの熱安
定性が劣り、加水分解安定性、電気絶縁性へも悪影響を
及ぼす傾向が認められる。
【0017】本発明で用いる全酸価とは、JIS−K−
2501に規定されているものであるが、具体的には試
料1g中に含まれる全酸酸性成分を中和するのに要する
水酸化カリウムのmg数のことであり、この値が大きいほ
ど試料中に含まれる酸性成分が多いことを示す。
【0018】全酸価が0.1mgKOH/g以下であるフタル
酸エステルの製造方法としては特に限定されないが、例
えば、フタル酸成分とアルコール成分からのエステル化
反応後に残存する酸を中和によって十分に除去すること
で得られる。又、0.1mgKOH/gを越える全酸価を有す
るフタル酸エステルを、酸除去作用を有する吸着剤、例
えば、活性アルミナ、マグネシア、カルシア、ハイドロ
タルサイト、合成ハイドロタルサイト等で精製処理する
ことによっても得られる。
【0019】より具体的な全酸価が0.1mgKOH/g以下
のフタル酸エステルの製造方法としては、エステル化に
よって得られた反応粗物を過剰のアルカリ、例えば、全
酸価に対して1.05〜5倍、好ましくは1.1〜2倍
当量のアルカリを用いて、10分〜5時間、好ましくは
30分〜3時間中和処理した後中性になるまで水洗処理
する方法が挙げられる。
【0020】又、全酸価が0.1mgKOH/gを越えるフタ
ル酸エステルを、0.01〜5重量%(対エステル重
量)の吸着剤を用い、室温〜150℃において5分〜1
0時間吸着処理をする方法を用いてもよい。
【0021】核水素化にフタル酸混基エステル[一般式
(1)において側鎖アルキル基が互いに異なるもの]を
用いる場合には、フタル酸混基エステルのほか、側鎖ア
ルキル基が同一のエステル(R=R)化合物が混在
しても差し支えない。
【0022】核水添触媒としては、Ni、Pd、Pt、
Ru、Rhの中の1種若しくは2種以上が好ましい。こ
の中でも、得られる1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸ジエステルの熱安定性向上の面、及び製造コスト低減
の面で、特に、Pd、Ruの使用が望ましい。
【0023】上記の触媒は、通常金属を担体に担持した
ものを使用する。担体としては活性炭、アルミナ、シリ
カ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、三酸化二クロ
ム、珪藻土、ゼオライトなどが挙げられ、これらの1種
又は2種以上を併用することが可能である。この中で
も、特に、活性炭、アルミナが望ましい。
【0024】上記核水素化触媒としては、例えば、Ru
/アルミナ、Ru/シリカ、Ru/活性炭、Ru/珪藻
土、Rh/アルミナ、Rh/シリカ、Rh/活性炭、R
h/珪藻土、Pd/アルミナ、Pd/シリカ、Pd/活
性炭、Pd/珪藻土、Pt/アルミナ、Pt/シリカ、
Pt/活性炭、Pt/珪藻土、Ni/アルミナ、Ni/
シリカ、Ni/活性炭、Ni/珪藻土等が挙げられる。
この中でも、特に、Pd/活性炭、Pd/アルミナ、R
u/活性炭、Ru/アルミナが好ましい。その使用量
は、例えば、原料であるフタル酸ジエステルの重量に対
して0.05重量%〜20重量%、好ましくは0.1〜
10重量%が挙げられる。
【0025】触媒は、核水添反応が懸濁床の場合は粉末
品が使用され、固定床の場合は成型品が使用される。粉
末品の場合金属の含有量は1〜20重量%(対担体)、
成型品の場合は0.01〜1重量%(対担体)のものを
使用するのが望ましい。
【0026】核水素化の条件としては、例えば「反応別
実用触媒」(多羅間公雄監修、化学工業社刊)などに記
載の条件で行われる。
【0027】具体的には反応温度で室温〜250℃、圧
力で常圧〜200Kg/cm G、反応時間で30分〜10
時間が挙げられる。これらの条件は使用する触媒により
異なり、特に限定されるものではないが、好ましくは、
反応温度で80℃〜200℃、圧力で5〜150Kg/cm
G、反応時間で1〜8時間が推奨される。
【0028】又、水素化の反応形態としては、固定床連
続式、固定床バッチ式、懸濁床バッチ式等いずれも使用
可能であり、更に、気相反応、液相反応、気液混相反応
いずれも適用可能である。
【0029】又、核水素化反応においては、目的のエス
テル若しくはエステル側鎖に相当するアルコールを反応
溶媒として使用しても構わない。
【0030】核水素化によって得られる具体的な1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸ジエステルとしては、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸ジエチル、1,2−シク
ロヘキサンジカルボン酸ジ(n−プロピル)、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸ジイソプロピル、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ブチル)、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸ジ(sec-ブチル)、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ペンチル)、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ヘキシ
ル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジシクロヘ
キシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−
ヘプチル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイ
ソヘプチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ
(n−オクチル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸ジ(2−エチルヘキシル)、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸ジ(n−ノニル)、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸ジイソノニル、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2,6−ジメ
チル−4−ヘプチル)、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸ジ(n−デシル)、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸ジイソデシル、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸ジ(n−ウンデシル)、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸ジイソウンデシル等が挙げられる。
【0031】上記1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
ジエステルのなかでも、特に、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸ジイソプロピル、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸ジイソブチル、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸ジ(sec−ブチル)、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸ジイソヘプチル、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)、1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル、1,2−シク
ロヘキサンジカルボン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘ
キシル)が加水分解安定性、熱安定性、冷媒相溶性、電
気絶縁性、潤滑性の面でより好ましい。
【0032】又、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
ジエステルを冷凍機油として様々な粘度グレードに対応
する場合には、粘度の異なる2種以上の1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸ジエステルを混合することにより
粘度調整が可能である。しかしながら、得られたエステ
ル混合物の性能が低粘度エステル又は高粘度エステルの
各々の欠点に帰因し、安定性、電気絶縁性、冷媒相溶
性、潤滑性などに問題点が生じる場合がある。一方、2
つのエステル基側鎖の異なる1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸混基エステルの場合、2つのエステル基の組
み合わせにより所望の粘度に調整することが可能であ
る。従って、粘度調整の面からは2つのエステル基側鎖
の異なる1,2−シクロヘキサンジカルボン酸混基エス
テルが好ましい。
【0033】具体的な1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸混基エステルとしては、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸メチル−シクロヘキシル、1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸メチル−n−ヘプチル、1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸メチル−イソヘプチル、1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸メチル−n−オクチ
ル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸メチル−2−
エチルヘキシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
メチル−イソオクチル、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸メチル−2−オクチル、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸メチル−n−ノニル、1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸メチル−イソノニル、1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸メチル−3,5,5−トリメチル
ヘキシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸メチル
−n−デシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸メ
チル−イソデシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸メチル−n−ウンデシル、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸メチル−イソウンデシル、1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸エチル−シクロヘキシル、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸エチル−n−ヘプチル、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸エチル−イソヘプ
チル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸エチル−n
−オクチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸エチ
ル−2−エチルヘキシル、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸エチル−イソオクチル、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸エチル−2−オクチル、1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸エチル−n−ノニル、1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸エチル−イソノニル、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸エチル−3,5,5−ト
リメチルヘキシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸エチル−n−デシル、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸エチル−イソデシル、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸エチル−n−ウンデシル、1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸エチル−イソウンデシル、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸(n−プロピル−シクロヘ
キシル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(n−
プロピル−n−ヘプチル)、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸(n−プロピル−イソヘプチル)、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸(n−プロピル−n−オク
チル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(n−プ
ロピル−2−エチルヘキシル)、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸(n−プロピル−イソオクチル)、1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸(n−プロピル−2−
オクチル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(n
−プロピル−n−ノニル)、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸(n−プロピル−イソノニル)、1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸(n−プロピル−3,5,5
−トリメチルヘキシル)、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸(n−プロピル−n−デシル)、1,2−シク
ロヘキサンジカルボン酸(n−プロピル−イソデシ
ル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(n−プロ
ピル−n−ウンデシル)、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸(n−プロピル−イソウンデシル)、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸イソプロピル−シクロヘキ
シル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソプロピ
ル−n−ヘプチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸イソプロピル−イソヘプチル、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸イソプロピル−n−オクチル、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸イソプロピル−2−エチル
ヘキシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソプ
ロピル−イソオクチル、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸イソプロピル−2−オクチル、1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸イソプロピル−n−ノニル、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸イソプロピル−イソノニ
ル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソプロピル
−3,5,5−トリメチルヘキシル、1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸イソプロピル−n−デシル、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸イソプロピル−イソデシ
ル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソプロピル
−n−ウンデシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸イソプロピル−イソウンデシル、1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸(n−ブチル−シクロヘキシル)、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(n−ブチル−n
−ヘプチル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
(n−ブチル−イソヘプチル)、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸(n−ブチル−n−オクチル)、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸(n−ブチル−2−エチ
ルヘキシル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
(n−ブチル−イソオクチル)、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸(n−ブチル−2−オクチル)、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸(n−ブチル−n−ノニ
ル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(n−ブチ
ル−イソノニル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸(n−ブチル−3,5,5−トリメチルヘキシル)、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(n−ブチル−n
−デシル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(n
−ブチル−イソデシル)、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸(n−ブチル−n−ウンデシル)、1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸(n−ブチル−イソウンデシ
ル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソブチル
−シクロヘキシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸イソブチル−n−ヘプチル、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸イソブチル−イソヘプチル、1,2−シク
ロヘキサンジカルボン酸イソブチル−n−オクチル、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソブチル−2−
エチルヘキシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
イソブチル−イソオクチル、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸イソブチル−2−オクチル、1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸イソブチル−n−ノニル、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸イソブチル−イソノニ
ル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソブチル−
3,5,5−トリメチルヘキシル、1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸イソブチル−n−デシル、1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸イソブチル−イソデシル、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソブチル−n−
ウンデシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソ
ブチル−イソウンデシル、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸(sec−ブチル−シクロヘキシル)、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸(sec−ブチル−n−ヘプ
チル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(sec−
ブチル−イソヘプチル)、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸(sec−ブチル−n−オクチル)、1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸(sec−ブチル−2−エチル
ヘキシル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(se
c−ブチル−イソオクチル)、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸(sec−ブチル−2−オクチル)、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸(sec−ブチル−n−ノ
ニル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(sec−
ブチル−イソノニル)、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸(sec−ブチル−3,5,5−トリメチルヘキシ
ル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(sec−ブ
チル−n−デシル)、1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸(sec−ブチル−イソデシル)、1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸(sec−ブチル−n−ウンデシ
ル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(sec−ブ
チル−イソウンデシル)等が挙げられる。
【0034】上記1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
混基エステルのなかでも、特に、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸イソプロピル−2−エチルヘキシル、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソプロピル−イ
ソノニル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソプ
ロピル−3,5,5−トリメチルヘキシル、1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸イソブチル−2−エチルヘキ
シル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソブチル
−イソノニル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イ
ソブチル−3,5,5−トリメチルヘキシルが加水分解
安定性、熱安定性、冷媒相溶性、電気絶縁性、潤滑性の
面でより好ましい。
【0035】1,2−シクロヘキサンジカルボン酸混基
エステルを冷凍機油として使用する場合、混基エステル
の2つのアルキル基(R、Rとする)をRとして
アルキル鎖長の短いアルコールとし、Rとしてアルキ
ル鎖長の長いアルコールとした場合、R及びRとの
好ましい比率としては、R:R=5:95〜95:
5が例示される。
【0036】より好ましい組み合わせとしては、 R:R=85:15 R:R=55:45 R:R=50:50 R:R=45:55 R:R=18:82 R:R=15:85 等が例示される。
【0037】一般式(2)で表される1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジエステルは、シス異性体、トラン
ス異性体が存在するが、冷凍機油の用途に対しては、い
ずれの異性体も使用可能である。
【0038】核水素化によって得られる1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸ジエステルは製造過程で各種の微
量不純物が混在している。そのため、吸着剤を用いて十
分な精製を行うことが望ましい。
【0039】上記の方法により得られた1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸ジエステルは、以下の特性を有す
ることが望ましく、冷凍機油として好適な特性を有す。 ・全酸価:0.05mgKOH/g以下、好ましくは0.02
mgKOH/g以下 ・灰分:10ppm以下、好ましくは5ppm以下 ・硫黄含量:10ppm以下、好ましくは5ppm以下 ・水酸基価:3mgKOH/g以下、好ましくは2mgKOH/g以
下 ・過酸化物価:1meq/kg以下、好ましくは0.5
meq/kg以下
【0040】又、エステルは自身の構造上の特徴から、
水が混在した場合に非常に加水分解を受けやすいという
性質を持っているため、冷凍機油として使用する際には
脱水処理により水分除去を行うことが好ましい。本エス
テルの水分含量としては、100ppm以下、好ましく
は50ppm以下が推奨される。
【0041】冷凍機用潤滑油 上記製造方法によって得られた1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸ジエステルを冷凍機油に用いる場合、その
性能を向上させるために酸化防止剤、金属不活性剤、摩
耗防止剤、消泡剤、加水分解抑制剤等の添加剤の1種又
は2種以上を適宜配合することも可能である。所定の効
果を奏する限り特に限定されるものではないが、その具
体的な例を以下に示す。
【0042】酸化防止剤としては、フェノール系、アミ
ン系、硫黄系等のものがあり、例えば、2,6−ジ−te
rt−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−メチレ
ンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,
2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、フェニル−α−ナフチルアミン、オクチルフェ
ニル−α−ナフチルアミン、p,p’−ジオクチルジフ
ェニルアミン、ジベンジルジサルファイド等を用いるこ
とができる。これらの酸化防止剤は、通常、冷凍機油に
対して0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.1重
量%〜2重量%添加するのが良い。
【0043】金属不活性剤としては、ベンゾトリアゾー
ル、アルキルベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチ
アゾール、チアジアゾール誘導体等を使用できる。これ
らの金属不活性剤および腐食防止剤は、通常、冷凍機油
に対して0.01重量%〜1重量%添加するのが良い。
【0044】摩耗防止剤としては、トリクレジルホスフ
ェート、クレジルジフェニルホスフェート、アルキルフ
ェニルホスフェート類、トリブチルホスフェート、ジブ
チルホスフェート等のりん酸エステル類、トリブチルホ
スファイト、ジブチルホスファイト、トリイソプロピル
ホスファイト等の亜りん酸エステル類が一般的である。
これらの摩耗防止剤は、通常、冷凍機油に対して0.0
1重量%〜5重量%、好ましくは0.01重量%〜2重
量%添加するのが良い。
【0045】消泡剤としては、液状シリコーンが適して
おり、通常、冷凍機油に対して0.0005重量%〜
0.01重量%添加するのが良い。
【0046】加水分解抑制剤としては、エポキシ化合
物、例えば、アルキルグリシジルエーテル類、アルキレ
ングリコールグリシジルエーテル類、脂環式エポキシ化
合物類、フェニルグリシジルエーテルおよびその誘導体
であり、通常、冷凍機油に対して0.05重量%〜2重
量%添加するのが良い。
【0047】原料となるフタル酸ジエステルに不純物が
存在した場合、得られる1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸ジエステルの熱安定性、電気絶縁性、加水分解安
定性などの性能が低下し、冷凍機油の長期安定性に問題
が生じることがある。
【0048】本特許の製造方法によって得られた1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸エステルは加水分解安定
性、冷媒相溶性、潤滑性に優れると共に、特に熱安定性
が良好である。即ち、全酸価の非常に低減されたフタル
酸エステルを使用した核水素化は、エステルの過酸化
物、残存金属を十分に低減することが可能なため、高い
熱安定性を得ることができる。
【0049】
【実施例】以下、実施例および比較例に基いて本発明を
具体的に説明する。又、各実施例等における潤滑油の特
性は次の方法により評価した。
【0050】[動粘度]ウベローデ粘度計を用いてJI
S−K−2283に準拠して測定する。
【0051】[全酸価]JIS−K−2501に準拠し
て測定する。
【0052】[硫黄含量]硫黄分析装置 TS−03
(三菱化成製)を用いて測定する。測定試料はエステル
5gを精秤し、ヘキサンにて10mLに希釈して調製す
る。
【0053】[灰分]JIS−K−2272に準拠して
測定する。灰分とはJIS−K−2272に定義される
灰分又は硫酸灰分の総量を示す。
【0054】[過酸化物価]基準油脂分析試験法 2.
4.12−86に準拠して測定した。
【0055】[色相]JIS−K−0071−1993
に準拠して行う。
【0056】[熱安定性試験−1]内径53mm、高さ
56mmのビーカーに長さ4cmの鉄、銅およびアルミニ
ウムの針金を入れ、試料エステルを40g秤りとる。オ
ーブンに入れて150℃で48時間加熱する。その後試
料エステルを取り出し、全酸価を測定し、色相を評価す
る。加熱後の全酸価の上昇が小さく、色相(APHA)の値
が小さいほど熱安定性が良好であると判断する。
【0057】[熱安定性試験−2]内径75mm、高さ
105mmのビーカーに長さ8cmの鉄、銅およびアルミ
ニウムの針金を入れ、エステル250gを秤りとる。オ
ーブンに入れて150℃で24時間加熱する。その後試
料エステルを取り出し、体積固有抵抗率を測定する。加
熱後の体積固有抵抗率の低下が小さいほど熱安定性が良
好であると判断する。体積固有抵抗率はJIS−C−2
101に準拠して25℃にて測定する。
【0058】製造例1 撹拌機、温度計、冷却管付き水分分留器を備えた4ツ口
フラスコにフタル酸無水物148g(1モル)、イソブ
タノール162.8g(2.2モル)、キシレンを仕込
み、水酸化スズの存在下、減圧にて徐々に220℃まで
昇温した。生成した水を水分分留器にとりながらエステ
ル化反応を約23時間行った。反応後、過剰のイソブタ
ノールを蒸留で除去し、全酸価が4.41mgKOH/gであ
る反応粗物を得た。本反応粗物を全酸価に対して2倍当
量の苛性ソーダを用い、90℃で30分中和を行い、そ
の後中性になるまで水洗し、濾過後、フタル酸ジイソブ
チル253gを得た。得られたエステルの全酸価は0.
02mgKOH/gであった。
【0059】製造例2 製造例1と同様の装置に、フタル酸無水物148g(1
モル)、2−エチルヘキサノール286g(2.2モ
ル)を仕込み、テトライソプロピルチタネートの存在
下、減圧にて徐々に190℃まで昇温した。生成した水
を水分分留器にとりながらエステル化反応を約5時間行
った。反応後、過剰の2−エチルヘキサノールを蒸留で
除去し、全酸価が0.78mgKOH/gである反応粗物を得
た。本反応粗物を全酸価に対して5倍当量の苛性ソーダ
を用い、90℃で30分中和を行い、その後中性になる
まで水洗し、濾過後、フタル酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)382gを得た。得られたエステルの全酸価は0.
01mgKOH/gであった。
【0060】製造比較例1 製造例1と反応終了までは同様の操作を行い、全酸価が
4.28mgKOH/gである反応粗物を得た。本反応粗物を
全酸価に対して当量の苛性ソーダを用い、90℃で30
分中和を行い、その後中性になるまで水洗し、濾過後、
フタル酸ジイソブチル249gを得た。得られたエステ
ルの全酸価は0.24mgKOH/gであった。
【0061】製造比較例2 製造例2と反応終了までは同様の操作を行い、全酸価が
0.68mgKOH/gである反応粗物を得た。本反応粗物を
全酸価に対して当量の苛性ソーダを用い、90℃で30
分中和を行い、その後中性になるまで水洗し、濾過後、
フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)388gを得た。得
られたエステルの全酸価は0.16mgKOH/gであった。
【0062】実施例1 製造例1で得られたフタル酸ジイソブチル80gをオー
トクレーブに仕込み、アルミナに担持したパラジウム金
属(粉末品、10重量%Pd/Al)0.8g
(1重量%)の存在下、160℃にて、水素圧力50Kg
/cm2Gの条件下で1時間水素化を行い、触媒を濾別後、
活性アルミナで精製することにより、1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジイソブチル77gを得た。得られ
たエステルの全酸価および動粘度を第1表に示す。エス
テルの硫黄含量は1ppm未満、硫酸灰分は1ppm、
水酸基価は0.7mgKOH/g、過酸化物価は0.2meq/k
g、色相(APHA)は10であった。
【0063】
【0064】実施例2 製造例2で得られた、全酸価0.01mgKOH/gのフタル
酸ジ(2−エチルヘキシル80g、活性炭に担持したル
テニウム金属(粉末品、5重量%Ru/C)0.8g
(1重量%)の存在下、160℃にて、水素圧力50Kg
/cm2Gの条件下で核水素化を行い、1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)77gを得
た。得られたエステルの全酸価および動粘度を第1表に
示す。エステルの硫黄含量は1ppm未満、硫酸灰分は
1ppm、水酸基価は0.8mgKOH/g、過酸化物価は
0.1meq/kg、色相(APHA)は10であった。
【0065】実施例3 製造例2と同様の方法で得られた、全酸価0.01mgKO
H/gのフタル酸ジイソノニル80g、アルミナに担持し
たルテニウム金属(粉末品、5重量%Ru/Al
)0.8g(1重量%)の存在下、160℃に
て、水素圧力50Kg/cm2Gの条件下で核水素化を行い、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル76
gを得た。得られたエステルの全酸価および動粘度を第
1表に示す。エステルの硫黄含量は1ppm未満、硫酸
灰分は1ppm未満、水酸基価は0.1mgKOH/g、過酸
化物価は0.2meq/kg、色相(APHA)は15であった。
【0066】実施例4 製造例2と同様の方法で得られた、全酸価0.01mgKO
H/gのフタル酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)
80g、アルミナに担持したルテニウム金属(粉末品、
5重量%Ru/Al)0.8g(1重量%)の存
在下、160℃にて、水素圧力50Kg/cm2Gの条件下で
核水素化を行い、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
ジイソノニル75gを得た。得られたエステルの全酸価
および動粘度を第1表に示す。エステルの硫黄含量は1
ppm未満、硫酸灰分は1ppm、水酸基価は0.4mg
KOH/g、過酸化物価は0.3meq/kg、色相(APHA)は1
0であった。
【0067】実施例5 製造例1と同様の方法で得られた、全酸価0.01mgKO
H/gのフタル酸イソブチル−2−エチルヘキシル(アル
コールの使用モル比;イソブタノール:2−エチルヘキ
サノール=45:55)80gをオートクレーブに仕込
み、活性炭に担持したパラジウム金属(粉末品、10重
量%Pd/C)0.8g(1重量%)の存在下、160
℃にて、水素圧力50Kg/cm2Gの条件下で1時間水素化
を行い、触媒を濾別後、活性白土で精製することによ
り、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソブチル−
2−エチルヘキシル75gを得た。得られたエステルの
全酸価および動粘度を第1表に示す。エステルの硫黄含
量は1ppm未満、硫酸灰分は1ppm、水酸基価は
0.8mgKOH/g、過酸化物価は0.4meq/kg、色相(APH
A)は15であった。得られたエステルのガスクロマト
グラフィーによる分析の結果、生成物は以下の混合物で
あった。 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソブチル−2
−エチルヘキシル 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2−エチル
ヘキシル) //=14.4/51.1/34.5(面積%)
【0068】実施例6 製造例2と同様の方法で得られた、全酸価0.01mgKO
H/gのフタル酸イソブチル−2−エチルヘキシル(アル
コール使用モル比;イソブタノール:2−エチルヘキサ
ノール=18:82)80g、活性炭に担持したパラジ
ウム金属(粉末品、5重量%Pd/C)0.8g(1重
量%)の存在下、160℃にて、水素圧力50Kg/cm2G
の条件下で核水素化を行い、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸イソブチル−2−エチルヘキシル72gを得
た。得られたエステルの全酸価および動粘度を第1表に
示す。エステルの硫黄含量は1ppm未満、硫酸灰分は
1ppm未満、水酸基価は0.2mgKOH/g、過酸化物価
は0.1meq/kg、色相(APHA)は15であった。得られ
たエステルのガスクロマトグラフィーによる分析の結
果、生成物は以下の混合物であった。 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソブチル−2
−エチルヘキシル 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2−エチル
ヘキシル) //=1.9/23.8/74.3(面積%)
【0069】実施例7 製造例1と同様の方法で得られた、全酸価0.01mgKO
H/gのフタル酸イソブチル−2−エチルヘキシル(アル
コール使用モル比;イソブタノール:2−エチルヘキサ
ノール=85:15)80g、活性炭に担持したルテニ
ウム金属(粉末品、5重量%Ru/C)0.8g(1重
量%)の存在下、160℃にて、水素圧力50Kg/cm2G
の条件下で核水素化を行い、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸イソブチル−2−エチルヘキシル77gを得
た。得られたエステルの全酸価および動粘度を第1表に
示す。エステルの硫黄含量は1ppm未満、硫酸灰分は
1ppm、水酸基価は1.0mgKOH/g、過酸化物価は
0.1meq/kg、色相(APHA)は10であった。得られた
エステルのガスクロマトグラフィーによる分析の結果、
生成物は以下の混合物であった。 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソブチル−2
−エチルヘキシル 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2−エチル
ヘキシル) //=72.3/23.9/3.8(面積%)
【0070】実施例8 製造例2と同様の方法で得られた、全酸価0.01mgKO
H/gのフタル酸イソブチル−イソノニル(アルコール使
用モル比;イソブタノール:イソノナノール=32:6
8)80g、アルミナに担持したパラジウム金属(粉末
品、5重量%Pd/Al)0.8g(1重量%)
の存在下、160℃にて、水素圧力50Kg/cm2Gの条件
下で核水素化を行い、1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸イソブチル−イソノニル74gを得た。得られたエ
ステルの全酸価および動粘度を第1表に示す。エステル
の硫黄含量は1ppm未満、硫酸灰分は1ppm、水酸
基価は1.2mgKOH/g、過酸化物価は0.1meq/kg、色
相(APHA)は15であった。得られたエステルのガスク
ロマトグラフィーによる分析の結果、生成物は以下の混
合物であった。 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソブチル−イ
ソノニル 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル //=6.6/45.1/48.3(面積%)
【0071】実施例9 製造例1と同様の方法で得られた、全酸価0.01mgKO
H/gのフタル酸イソブチル−3,5,5−トリメチルヘ
キシル(アルコール使用モル比;イソブタノール:3,
5,5−トリメチルヘキサノール=50:50)80
g、アルミナに担持したルテニウム金属(粉末品、5重
量%Ru/Al)0.8g(1重量%)の存在
下、130℃にて、水素圧力50Kg/cm2Gの条件下で核
水素化を行い、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ
イソブチル77gを得た。得られたエステルの全酸価お
よび動粘度を第1表に示す。エステルの硫黄含量は1p
pm未満、硫酸灰分は1ppm未満、水酸基価は0.6
mgKOH/g、過酸化物価は0.2meq/kg、色相(APHA)は
15であった。得られたエステルのガスクロマトグラフ
ィーによる分析の結果、生成物は以下の混合物であっ
た。 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソブチル−
3,5,5−トリメチルヘキシル 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(3,5,5
−トリメチルヘキシル) //=17.5/55.8/26.7(面積%)
【0072】実施例10 全酸価0.14mgKOH/gのフタル酸イソヘプチル−3,
5,5−トリメチルヘキシル(アルコール使用モル比;
イソヘプタノール:3,5,5−トリメチルヘキサノー
ル=50:50)を活性アルミナ(1.5重量%)を用
い90℃にて1時間処理することにより、全酸価が0.
01mgKOH/gのエステルを得た。本エステル80gをRan
eyニッケル8g(10重量%)の存在下、190℃に
て、水素圧力50Kg/cm2Gの条件下で核水素化を2時間
行い、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソヘプチ
ル−3,5,5−トリメチルヘキシル75gを得た。得
られたエステルの全酸価および動粘度を第1表に示す。
エステルの硫黄含量は1ppm未満、硫酸灰分は1pp
m、水酸基価は0.3mgKOH/g、過酸化物価は0.4meq
/kg、色相(APHA)は10であった。得られたエステル
のガスクロマトグラフィーによる分析の結果、生成物は
以下の混合物であった。 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソヘプチル 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イソヘプチル−
3,5,5−トリメチルヘキシル 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(3,5,5
−トリメチルヘキシル) //=23.5/51.4/25.1(面積%)
【0073】比較例1 製造比較例1で得られたフタル酸ジイソブチル80gを
オートクレーブに仕込み、Raneyニッケル8g(10重
量%)の存在下、190℃にて、水素圧力50Kg/cm2G
の条件下で核水素化を2時間行い、触媒を濾別後、活性
アルミナで精製することにより、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸ジイソブチル77gを得た。得られたエ
ステルの全酸価および動粘度を第2表に示す。エステル
の硫黄含量は1ppm未満、硫酸灰分は7ppm、水酸
基価は0.3mgKOH/g、過酸化物価は0.4meq/kg、色
相(APHA)は15であった。
【0074】
【0075】比較例2 製造比較例2で得られたフタル酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)80gをオートクレーブに仕込み、活性炭に担持し
たルテニウム金属(粉末品、10重量%Ru/C)0.
8g(1重量%)の存在下、160℃にて、水素圧力5
0Kg/cm2Gの条件下で1時間水素化を行い、触媒を濾別
後、活性アルミナで精製することにより、1,2−シク
ロヘキサンジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)75
gを得た。得られたエステルの全酸価および動粘度を第
2表に示す。エステルの硫黄含量は1ppm未満、硫酸
灰分は4ppm、水酸基価は0.7mgKOH/g、過酸化物
価は0.5meq/kg、色相(APHA)は15であった。
【0076】比較例3 製造例1と同様の装置に、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸無水物(本品は無水マレイン酸と1,3−ブタ
ジエンとを通常のディールス−アルダー反応をすること
により得られた4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボ
ン酸無水物を水添することより調整した)154.1g
(1モル)、イソノナノール172.8g(2.2モ
ル)を仕込み、テトライソプロピルチタネートの存在
下、減圧にて200℃まで昇温した。生成した水を水分
分留器にとりながらエステル化反応を約10時間行っ
た。反応後、過剰のアルコールを蒸留で除去し、苛性ソ
ーダで中和し、その後中性になるまで水洗した。次いで
活性アルミナで精製することにより、1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジイソノニル401gを得た。得ら
れたエステルの全酸価および動粘度を第1表に示す。エ
ステルの硫黄含量は1ppm未満、硫酸灰分は3pp
m、水酸基価は0.7mgKOH/g、過酸化物価は3.8meq
/kg、色相(APHA)は20であった。
【0077】試験例1 実施例1〜10及び比較例1〜3のエステルの加熱後の
全酸価上昇値、色相及び体積固有抵抗率を比較した。結
果を第3表に示す。
【0078】
【0079】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られたシクロ
ヘキサンジカルボン酸エステルは熱安定性が良好であ
る。即ち、エステル化により得られたものと比較して加
熱後のエステルの全酸価上昇値が小さく、体積固有抵抗
率の低下が少ない。特許出願人 新日本理化株式会社

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全酸価が0.1mgKOH/g以下の一般式
    (1) [式中、R、Rは同一又は異なって、炭素数3 〜
    11の分岐状のアルキル基、炭素数3〜10のシクロア
    ルキル基、炭素数1〜11の直鎖状のアルキル基を表
    す。]で表されるフタル酸ジエステルを核水素化して得
    られる、一般式(2) [式中、RはRと同義であり、RはRと同義で
    ある。]で表される1,2−シクロヘキサンジカルボン
    酸ジエステルを含有する冷凍機用潤滑油。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表されるフタル酸ジエス
    テルにおいて、RとRとが互いに異なる基である請
    求項1に記載の冷凍機用潤滑油。
JP26978599A 1999-09-24 1999-09-24 冷凍機用潤滑油 Pending JP2001089776A (ja)

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