JP2001085004A - アルカリ蓄電池およびその製造方法 - Google Patents
アルカリ蓄電池およびその製造方法Info
- Publication number
- JP2001085004A JP2001085004A JP26015899A JP26015899A JP2001085004A JP 2001085004 A JP2001085004 A JP 2001085004A JP 26015899 A JP26015899 A JP 26015899A JP 26015899 A JP26015899 A JP 26015899A JP 2001085004 A JP2001085004 A JP 2001085004A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydrogen storage
- storage alloy
- yttrium
- battery
- solution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 活性で耐食性に優れた水素吸蔵合金を得て、
高率放電特性、サイクル特性、ガス吸収性能の優れたア
ルカリ蓄電池を提供する。 【解決手段】 本発明のアルカリ蓄電池は、表面に多孔
質金属層を備えるとともに、この多孔質金属層の表面に
イットリウム化合物層を備えた水素吸蔵合金を負極活物
質として用いている。水素吸蔵合金の表面に多孔質金属
層を備えると、水素吸蔵合金の表面積が増大するととも
にニッケル、コバルト、アルミニウムなどの金属層によ
り、水素吸蔵合金の表面が活性になる。また、これらの
表面にイットリウム化合物層を備えると、水素吸蔵合金
の耐食性が向上する。この結果、このような水素吸蔵合
金を備えたアルカリ蓄電池のガス吸収性能が向上すると
ともに、サイクル特性および高率放電特性も向上する。
高率放電特性、サイクル特性、ガス吸収性能の優れたア
ルカリ蓄電池を提供する。 【解決手段】 本発明のアルカリ蓄電池は、表面に多孔
質金属層を備えるとともに、この多孔質金属層の表面に
イットリウム化合物層を備えた水素吸蔵合金を負極活物
質として用いている。水素吸蔵合金の表面に多孔質金属
層を備えると、水素吸蔵合金の表面積が増大するととも
にニッケル、コバルト、アルミニウムなどの金属層によ
り、水素吸蔵合金の表面が活性になる。また、これらの
表面にイットリウム化合物層を備えると、水素吸蔵合金
の耐食性が向上する。この結果、このような水素吸蔵合
金を備えたアルカリ蓄電池のガス吸収性能が向上すると
ともに、サイクル特性および高率放電特性も向上する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気化学的に水素
の吸蔵・放出を可逆的に行うことができる水素吸蔵合金
からなる負極と、正極と、アルカリ電解液とを備えたア
ルカリ蓄電池およびその製造方法に関するものである。
の吸蔵・放出を可逆的に行うことができる水素吸蔵合金
からなる負極と、正極と、アルカリ電解液とを備えたア
ルカリ蓄電池およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ蓄電池は各種の電源として広く
使われており、小型電池は各種の携帯用の電子、通信機
器に、大型電池は産業用にそれぞれ使われている。この
種のアルカリ蓄電池を高容量とするために、水素吸蔵合
金電極を用いたニッケル−水素蓄電池が実用化されるよ
うになった。このニッケル−水素蓄電池の正極にはニツ
ケル電極が用いられ、負極には水素吸蔵合金電極が用い
られている。このニッケル−水素蓄電池の負極に用いら
れる水素吸蔵合金としては、Ti−Ni系合金、Laま
たはMm(ミッシュメタル)−Ni系合金等が用いられ
る。
使われており、小型電池は各種の携帯用の電子、通信機
器に、大型電池は産業用にそれぞれ使われている。この
種のアルカリ蓄電池を高容量とするために、水素吸蔵合
金電極を用いたニッケル−水素蓄電池が実用化されるよ
うになった。このニッケル−水素蓄電池の正極にはニツ
ケル電極が用いられ、負極には水素吸蔵合金電極が用い
られている。このニッケル−水素蓄電池の負極に用いら
れる水素吸蔵合金としては、Ti−Ni系合金、Laま
たはMm(ミッシュメタル)−Ni系合金等が用いられ
る。
【0003】上述したようなニッケル−水素蓄電池は高
容量であるとともに長寿命にする必要があり、長寿命と
するためには水素吸蔵合金の耐食性を向上させる必要が
ある。そこで、上述したようなニッケル−水素蓄電池の
サイクル特性を向上させるために、水素吸蔵合金を構成
する合金成分元素の酸化物を負極に添加することが特開
昭63−166146号公報にて提案されており、イッ
トリウムを負極に添加することが特開平6−21576
5号公報にて提案されている。また、電解液中にイット
リウムイオンを添加してサイクル特性を向上させること
も特開平10−106620号公報にて提案されてい
る。
容量であるとともに長寿命にする必要があり、長寿命と
するためには水素吸蔵合金の耐食性を向上させる必要が
ある。そこで、上述したようなニッケル−水素蓄電池の
サイクル特性を向上させるために、水素吸蔵合金を構成
する合金成分元素の酸化物を負極に添加することが特開
昭63−166146号公報にて提案されており、イッ
トリウムを負極に添加することが特開平6−21576
5号公報にて提案されている。また、電解液中にイット
リウムイオンを添加してサイクル特性を向上させること
も特開平10−106620号公報にて提案されてい
る。
【0004】ところで、水素吸蔵合金を負極に用いたニ
ッケル−水素蓄電池においては、水素吸蔵合金の表面が
アルカリ電解液と接触することにより、合金表面では気
相反応と電気化学的反応が同時に進行する。即ち、気相
反応により、水素が水素吸蔵合金に吸収され、あるいは
水素吸蔵合金から水素が放出される。一方、電気化学的
反応により、電圧を印加(充電)することによって、水
の電気分解で生じた水素が水素吸蔵合金に吸蔵され、電
流の取り出し(放電)によって、水素が酸化されて水と
なる。したがって、ニッケル−水素蓄電池の性能を改善
する上で、水素吸蔵合金表面の性質が重要になる。
ッケル−水素蓄電池においては、水素吸蔵合金の表面が
アルカリ電解液と接触することにより、合金表面では気
相反応と電気化学的反応が同時に進行する。即ち、気相
反応により、水素が水素吸蔵合金に吸収され、あるいは
水素吸蔵合金から水素が放出される。一方、電気化学的
反応により、電圧を印加(充電)することによって、水
の電気分解で生じた水素が水素吸蔵合金に吸蔵され、電
流の取り出し(放電)によって、水素が酸化されて水と
なる。したがって、ニッケル−水素蓄電池の性能を改善
する上で、水素吸蔵合金表面の性質が重要になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
63−166146号公報あるいは特開平6−2157
65号公報にて提案されるように、負極にイットリウム
粉末を添加した場合は、酸化イットリウムの導電性が低
いため、放電性が低下するという問題を生じた。また、
特開平10−21904号公報にて提案されるように、
電解液中にイットリウムを添加した場合であっても、イ
ットリウムは電解液への溶解度が小さいため、イットリ
ウムの添加量を多くできないという問題も生じた。
63−166146号公報あるいは特開平6−2157
65号公報にて提案されるように、負極にイットリウム
粉末を添加した場合は、酸化イットリウムの導電性が低
いため、放電性が低下するという問題を生じた。また、
特開平10−21904号公報にて提案されるように、
電解液中にイットリウムを添加した場合であっても、イ
ットリウムは電解液への溶解度が小さいため、イットリ
ウムの添加量を多くできないという問題も生じた。
【0006】そこで、水素吸蔵合金を希土類化合物が溶
解された酸処理液に浸漬して水素吸蔵合金の表面積を増
大させて、水素吸蔵合金表面を活性にし、これの表面に
イットリウム化合物を析出させるようにしたものが、特
開平10−199518号公報にて提案されるようにな
った。この特開平10−199518号公報にて提案さ
れたものにおいては、酸溶液中に溶解した水素吸蔵合金
を構成する合金成分がこの合金成分の水酸化物としてそ
の合金表面に再析出し、その合金成分の水酸化物の表面
に希土類元素の化合物が析出するため、耐食性向上の効
果が十分に発揮できないという問題を生じた。
解された酸処理液に浸漬して水素吸蔵合金の表面積を増
大させて、水素吸蔵合金表面を活性にし、これの表面に
イットリウム化合物を析出させるようにしたものが、特
開平10−199518号公報にて提案されるようにな
った。この特開平10−199518号公報にて提案さ
れたものにおいては、酸溶液中に溶解した水素吸蔵合金
を構成する合金成分がこの合金成分の水酸化物としてそ
の合金表面に再析出し、その合金成分の水酸化物の表面
に希土類元素の化合物が析出するため、耐食性向上の効
果が十分に発揮できないという問題を生じた。
【0007】これは、イットリウムをpH5以下の酸溶
液に溶解させると、最終的にはpH7以上まで変化する
が、その時の溶解析出現象は、まず、ph5に達するま
でに水素吸蔵合金を構成する合金成分が酸溶液中に溶解
し、およそpH5に達したときに溶解した水素吸蔵合金
を構成する合金成分のうち、ニッケル、コバルト、アル
ミニウムが水素吸蔵合金の表面に酸化物(水酸化物)と
して再析出する。その後、pHが約6〜7でイットリウ
ムが酸化物として析出する。このように、pH5以下の
イットリウム含有酸処理液で処理した場合は、ニッケ
ル、コバルト、アルミニウムなどの活性金属の酸化物
(水酸化物)の上にイットリウムが析出するため、イッ
トリウムを添加した効果が充分に発揮できないという問
題を生じた。
液に溶解させると、最終的にはpH7以上まで変化する
が、その時の溶解析出現象は、まず、ph5に達するま
でに水素吸蔵合金を構成する合金成分が酸溶液中に溶解
し、およそpH5に達したときに溶解した水素吸蔵合金
を構成する合金成分のうち、ニッケル、コバルト、アル
ミニウムが水素吸蔵合金の表面に酸化物(水酸化物)と
して再析出する。その後、pHが約6〜7でイットリウ
ムが酸化物として析出する。このように、pH5以下の
イットリウム含有酸処理液で処理した場合は、ニッケ
ル、コバルト、アルミニウムなどの活性金属の酸化物
(水酸化物)の上にイットリウムが析出するため、イッ
トリウムを添加した効果が充分に発揮できないという問
題を生じた。
【0008】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、活性で耐食性に優れた水素吸蔵合金を得て、低
温放電特性、サイクル特性、高率放電特性、ガス吸収性
能の優れたアルカリ蓄電池を提供することを目的とする
ものである。
であり、活性で耐食性に優れた水素吸蔵合金を得て、低
温放電特性、サイクル特性、高率放電特性、ガス吸収性
能の優れたアルカリ蓄電池を提供することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記目的を達成するため、本発明のアルカリ蓄電池は、そ
の表面に多孔質金属層を備えるとともに、この多孔質金
属層の表面にイットリウム化合物層を備えた水素吸蔵合
金を備えるようにしている。水素吸蔵合金の表面に多孔
質金属層を備えると、水素吸蔵合金の表面積が増大する
とともにニッケル、コバルト、アルミニウムなどの金属
層により、水素吸蔵合金の表面が活性になる。また、こ
れらの表面にイットリウム化合物層を備えると、水素吸
蔵合金の耐食性が向上する。この結果、このような水素
吸蔵合金を備えたアルカリ蓄電池の低温放電特性が向上
するとともに、サイクル特性および高率放電特性も向上
する。そして、電解液中にもイットリウム化合物を備え
るようにすると、水素吸蔵合金の表面に形成されたイッ
トリウム化合物が電解液中に溶け出すことがなくなるの
で、水素吸蔵合金の耐食性をより効果的に付与すること
ができるようになる。
記目的を達成するため、本発明のアルカリ蓄電池は、そ
の表面に多孔質金属層を備えるとともに、この多孔質金
属層の表面にイットリウム化合物層を備えた水素吸蔵合
金を備えるようにしている。水素吸蔵合金の表面に多孔
質金属層を備えると、水素吸蔵合金の表面積が増大する
とともにニッケル、コバルト、アルミニウムなどの金属
層により、水素吸蔵合金の表面が活性になる。また、こ
れらの表面にイットリウム化合物層を備えると、水素吸
蔵合金の耐食性が向上する。この結果、このような水素
吸蔵合金を備えたアルカリ蓄電池の低温放電特性が向上
するとともに、サイクル特性および高率放電特性も向上
する。そして、電解液中にもイットリウム化合物を備え
るようにすると、水素吸蔵合金の表面に形成されたイッ
トリウム化合物が電解液中に溶け出すことがなくなるの
で、水素吸蔵合金の耐食性をより効果的に付与すること
ができるようになる。
【0010】また、本発明のアルカリ蓄電池の製造方法
は、水素吸蔵合金を酸または熱アルカリ溶液で酸処理ま
たは熱アルカリ処理して水素吸蔵合金の表面に多孔質金
属層を形成させる多孔質化工程と、多孔質金属層を形成
させた水素吸蔵合金をpH5以上でpH7以下のイット
リウムを含有した弱酸溶液で処理して多孔質金属層の表
面にイットリウム化合物層を析出させるイットリウム析
出工程とを備えるようにしている。
は、水素吸蔵合金を酸または熱アルカリ溶液で酸処理ま
たは熱アルカリ処理して水素吸蔵合金の表面に多孔質金
属層を形成させる多孔質化工程と、多孔質金属層を形成
させた水素吸蔵合金をpH5以上でpH7以下のイット
リウムを含有した弱酸溶液で処理して多孔質金属層の表
面にイットリウム化合物層を析出させるイットリウム析
出工程とを備えるようにしている。
【0011】多孔質化工程で水素吸蔵合金を酸または熱
アルカリ溶液で酸処理または熱アルカリ処理すると、水
素吸蔵合金成分が酸または熱アルカリ溶液中に溶出し
て、ニッケル、コバルト、アルミニウムなどの多孔質金
属層が水素吸蔵合金の表面に形成されて表面積が増大す
る。この水素吸蔵合金をイットリウム析出工程でpH5
以上でpH7以下のイットリウムを含有した弱酸溶液で
処理すると、ニッケル、コバルト、アルミニウムなどの
金属は、pH5以上でpH7以下の弱酸溶液に溶出しな
いため、イットリウム化合物(酸化物)を多孔質金属層
の上に直接形成することができるようになる。
アルカリ溶液で酸処理または熱アルカリ処理すると、水
素吸蔵合金成分が酸または熱アルカリ溶液中に溶出し
て、ニッケル、コバルト、アルミニウムなどの多孔質金
属層が水素吸蔵合金の表面に形成されて表面積が増大す
る。この水素吸蔵合金をイットリウム析出工程でpH5
以上でpH7以下のイットリウムを含有した弱酸溶液で
処理すると、ニッケル、コバルト、アルミニウムなどの
金属は、pH5以上でpH7以下の弱酸溶液に溶出しな
いため、イットリウム化合物(酸化物)を多孔質金属層
の上に直接形成することができるようになる。
【0012】これにより、水素吸蔵合金の表面積が増大
するとともにニッケル、コバルト、アルミニウムなどの
多孔質金属層により水素吸蔵合金の表面が活性になる。
また、イットリウム化合物層により水素吸蔵合金の耐食
性が向上する。なお、pHが7より大きいイットリウム
を含有した溶液で処理すると、イットリウムが溶液中に
ほとんど溶解しないため、水素吸蔵合金の表面にイット
リウム化合物(酸化物)層を形成することができにくく
効果が小さい。
するとともにニッケル、コバルト、アルミニウムなどの
多孔質金属層により水素吸蔵合金の表面が活性になる。
また、イットリウム化合物層により水素吸蔵合金の耐食
性が向上する。なお、pHが7より大きいイットリウム
を含有した溶液で処理すると、イットリウムが溶液中に
ほとんど溶解しないため、水素吸蔵合金の表面にイット
リウム化合物(酸化物)層を形成することができにくく
効果が小さい。
【0013】そして、多孔質化工程において、水素吸蔵
合金をpH3以下の酸溶液で処理すると、水素吸蔵合金
成分がpH3以下の強酸溶液に溶出して、水素吸蔵合金
の表面にニッケル、コバルト、アルミニウムなどの多孔
質金属層が形成されて表面積が増大する。また、多孔質
化工程において、水素吸蔵合金を60℃以上の温度の熱
アルカリ溶液で処理しても、水素吸蔵合金成分が熱アル
カリ溶液に溶出して、水素吸蔵合金の表面にニッケル、
コバルト、アルミニウムなどの多孔質金属層が形成され
て表面積が増大する。
合金をpH3以下の酸溶液で処理すると、水素吸蔵合金
成分がpH3以下の強酸溶液に溶出して、水素吸蔵合金
の表面にニッケル、コバルト、アルミニウムなどの多孔
質金属層が形成されて表面積が増大する。また、多孔質
化工程において、水素吸蔵合金を60℃以上の温度の熱
アルカリ溶液で処理しても、水素吸蔵合金成分が熱アル
カリ溶液に溶出して、水素吸蔵合金の表面にニッケル、
コバルト、アルミニウムなどの多孔質金属層が形成され
て表面積が増大する。
【0014】なお、多孔質化工程において酸処理または
熱アルカリ処理を行うと、溶液中に溶解した水素吸蔵合
金成分の金属イオンが水素吸蔵合金に付着するため、イ
ットリウム析出工程の前に除去する必要がある。このた
め、多孔質化工程の後に金属イオンを除去する洗浄工程
を備えるようにしている。そして、この洗浄工程におい
て用いる洗浄液としては水素吸蔵合金に付着した金属イ
オンを除去できるイオン交換水を用いればよいが、さら
に、水素吸蔵合金表面に析出した金属イオンを溶解させ
るためには、弱酸溶液あるいはアルカリ溶液を用いるの
が好ましい。
熱アルカリ処理を行うと、溶液中に溶解した水素吸蔵合
金成分の金属イオンが水素吸蔵合金に付着するため、イ
ットリウム析出工程の前に除去する必要がある。このた
め、多孔質化工程の後に金属イオンを除去する洗浄工程
を備えるようにしている。そして、この洗浄工程におい
て用いる洗浄液としては水素吸蔵合金に付着した金属イ
オンを除去できるイオン交換水を用いればよいが、さら
に、水素吸蔵合金表面に析出した金属イオンを溶解させ
るためには、弱酸溶液あるいはアルカリ溶液を用いるの
が好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のアルカリ蓄電池
をニッケル−水素蓄電池に適用した場合の実施の形態を
説明する。 1.水素吸蔵合金の作製 MmNi3.7Co0.55Al0.3Mn0.5(なお、Mmはミ
ッシュメタルである)となるように市販の金属元素を秤
量して混合する。このものを高周波溶解炉に投入して溶
解させ、冷却してMmNi3.7Co0.55Al0.3Mn0.5
からなる水素吸蔵合金の塊を作製した。この水素吸蔵合
金の塊1kgに対して水1リットルを加えてボールミル
内に投入し、平均粒径が40μmになるように粉砕し
て、水素吸蔵合金粉末を作製した。
をニッケル−水素蓄電池に適用した場合の実施の形態を
説明する。 1.水素吸蔵合金の作製 MmNi3.7Co0.55Al0.3Mn0.5(なお、Mmはミ
ッシュメタルである)となるように市販の金属元素を秤
量して混合する。このものを高周波溶解炉に投入して溶
解させ、冷却してMmNi3.7Co0.55Al0.3Mn0.5
からなる水素吸蔵合金の塊を作製した。この水素吸蔵合
金の塊1kgに対して水1リットルを加えてボールミル
内に投入し、平均粒径が40μmになるように粉砕し
て、水素吸蔵合金粉末を作製した。
【0016】2.水素吸蔵合金の表面処理 (1)実施例1 上述のようにして作製された水素吸蔵合金粉末1kgを
容器内に充填した後、この容器内にpH0.5の塩酸水
溶液1kgを添加し、混合撹拌して、約10分間酸処理
を行った。ついで、この酸処理液を容器内から排出し、
イオン交換水で洗浄した後、この容器内に0.3重量%
の塩化イットリウム(YCl3)を含有したpH6の酢
酸水溶液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約1
0分間浸漬してイットリウム析出処理をした。この後、
純水で洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製し
た。このようにして作製された水素吸蔵合金を実施例1
の水素吸蔵合金aとした。
容器内に充填した後、この容器内にpH0.5の塩酸水
溶液1kgを添加し、混合撹拌して、約10分間酸処理
を行った。ついで、この酸処理液を容器内から排出し、
イオン交換水で洗浄した後、この容器内に0.3重量%
の塩化イットリウム(YCl3)を含有したpH6の酢
酸水溶液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約1
0分間浸漬してイットリウム析出処理をした。この後、
純水で洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製し
た。このようにして作製された水素吸蔵合金を実施例1
の水素吸蔵合金aとした。
【0017】(2)実施例2 上述のようにして作製された水素吸蔵合金粉末1kgを
容器内に充填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液
1kgを添加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行
った。ついで、この酸処理液を容器内から排出し、イオ
ン交換水で洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩
化イットリウム(YCl3)を含有したpH6の酢酸水
溶液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分
間浸漬してイットリウム析出処理をした。この後、純水
で洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。
このようにして作製された水素吸蔵合金を実施例2の水
素吸蔵合金bとした。
容器内に充填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液
1kgを添加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行
った。ついで、この酸処理液を容器内から排出し、イオ
ン交換水で洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩
化イットリウム(YCl3)を含有したpH6の酢酸水
溶液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分
間浸漬してイットリウム析出処理をした。この後、純水
で洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。
このようにして作製された水素吸蔵合金を実施例2の水
素吸蔵合金bとした。
【0018】(3)実施例3 上述のようにして作製された水素吸蔵合金粉末1kgを
容器内に充填した後、この容器内にpH2の塩酸水溶液
1kgを添加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行
った。ついで、この酸処理液を容器内から排出し、イオ
ン交換水で洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩
化イットリウム(YCl3)を含有したpH6の酢酸水
溶液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分
間浸漬してイットリウム析出処理をした。この後、純水
で洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。
このようにして作製された水素吸蔵合金を実施例3の水
素吸蔵合金cとした。
容器内に充填した後、この容器内にpH2の塩酸水溶液
1kgを添加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行
った。ついで、この酸処理液を容器内から排出し、イオ
ン交換水で洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩
化イットリウム(YCl3)を含有したpH6の酢酸水
溶液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分
間浸漬してイットリウム析出処理をした。この後、純水
で洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。
このようにして作製された水素吸蔵合金を実施例3の水
素吸蔵合金cとした。
【0019】(4)実施例4 上述のようにして作製された水素吸蔵合金粉末1kgを
容器内に充填した後、この容器内にpH3の塩酸水溶液
1kgを添加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行
った。ついで、この酸処理液を容器内から排出し、イオ
ン交換水で洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩
化イットリウム(YCl3)を含有したpH6の酢酸水
溶液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分
間浸漬してイットリウム析出処理をした。この後、純水
で洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。
このようにして作製された水素吸蔵合金を実施例4の水
素吸蔵合金dとした。
容器内に充填した後、この容器内にpH3の塩酸水溶液
1kgを添加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行
った。ついで、この酸処理液を容器内から排出し、イオ
ン交換水で洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩
化イットリウム(YCl3)を含有したpH6の酢酸水
溶液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分
間浸漬してイットリウム析出処理をした。この後、純水
で洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。
このようにして作製された水素吸蔵合金を実施例4の水
素吸蔵合金dとした。
【0020】(5)実施例5 上述のようにして作製された水素吸蔵合金粉末1kgを
容器内に充填した後、この容器内にpH4の塩酸水溶液
1kgを添加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行
った。ついで、この酸処理液を容器内から排出し、イオ
ン交換水で洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩
化イットリウム(YCl3)を含有したpH6の酢酸水
溶液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分
間浸漬してイットリウム析出処理をした。この後、純水
で洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。
このようにして作製された水素吸蔵合金を実施例5の水
素吸蔵合金eとした。
容器内に充填した後、この容器内にpH4の塩酸水溶液
1kgを添加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行
った。ついで、この酸処理液を容器内から排出し、イオ
ン交換水で洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩
化イットリウム(YCl3)を含有したpH6の酢酸水
溶液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分
間浸漬してイットリウム析出処理をした。この後、純水
で洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。
このようにして作製された水素吸蔵合金を実施例5の水
素吸蔵合金eとした。
【0021】(6)実施例6 上述のようにして作製された水素吸蔵合金粉末1kgを
容器内に充填した後、この容器内に30重量%の水酸化
カリウム水溶液を90℃に加熱して添加し、混合撹拌し
て、約10分間熱アルカリ処理を行った。ついで、この
アルカリ処理液を容器内から排出し、イオン交換水で洗
浄した後、この容器内に0.3重量%の塩化イットリウ
ム(YCl3)を含有したpH6の酢酸水溶液を注入し
て、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間浸漬してイ
ットリウム析出処理をした。この後、純水で洗浄して、
表面処理された水素吸蔵合金を作製した。このようにし
て作製された水素吸蔵合金を実施例6の水素吸蔵合金f
とした。
容器内に充填した後、この容器内に30重量%の水酸化
カリウム水溶液を90℃に加熱して添加し、混合撹拌し
て、約10分間熱アルカリ処理を行った。ついで、この
アルカリ処理液を容器内から排出し、イオン交換水で洗
浄した後、この容器内に0.3重量%の塩化イットリウ
ム(YCl3)を含有したpH6の酢酸水溶液を注入し
て、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間浸漬してイ
ットリウム析出処理をした。この後、純水で洗浄して、
表面処理された水素吸蔵合金を作製した。このようにし
て作製された水素吸蔵合金を実施例6の水素吸蔵合金f
とした。
【0022】(7)比較例1 上述のようにして作製された水素吸蔵合金粉末1kgを
容器内に充填した後、この容器内に0.3重量%の塩化
イットリウム(YCl3)を含有したpH3の塩酸水溶
液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間
浸漬してイットリウム析出処理をした。この後、純水で
洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。こ
のようにして作製された水素吸蔵合金を比較例1の水素
吸蔵合金uとした。
容器内に充填した後、この容器内に0.3重量%の塩化
イットリウム(YCl3)を含有したpH3の塩酸水溶
液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間
浸漬してイットリウム析出処理をした。この後、純水で
洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。こ
のようにして作製された水素吸蔵合金を比較例1の水素
吸蔵合金uとした。
【0023】(8)比較例2 上述のようにして作製された水素吸蔵合金粉末1kgを
容器内に充填した後、この容器内に0.3重量%の塩化
イットリウム(YCl3)を含有したpH1の塩酸水溶
液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間
浸漬してイットリウム析出処理をした。この後、純水で
洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。こ
のようにして作製された水素吸蔵合金を比較例2の水素
吸蔵合金vとした。
容器内に充填した後、この容器内に0.3重量%の塩化
イットリウム(YCl3)を含有したpH1の塩酸水溶
液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間
浸漬してイットリウム析出処理をした。この後、純水で
洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。こ
のようにして作製された水素吸蔵合金を比較例2の水素
吸蔵合金vとした。
【0024】(9)比較例3 上述のようにして作製された水素吸蔵合金粉末1kgを
容器内に充填した後、この容器内に0.3重量%の塩化
イットリウム(YCl3)を含有したpH6の酢酸水溶
液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間
浸漬してイットリウム析出処理をした。この後、純水で
洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。こ
のようにして作製された水素吸蔵合金を比較例3の水素
吸蔵合金wとした。
容器内に充填した後、この容器内に0.3重量%の塩化
イットリウム(YCl3)を含有したpH6の酢酸水溶
液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間
浸漬してイットリウム析出処理をした。この後、純水で
洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。こ
のようにして作製された水素吸蔵合金を比較例3の水素
吸蔵合金wとした。
【0025】(10)比較例4 上述のようにして作製された水素吸蔵合金粉末1kgを
容器内に充填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液
1kgを添加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行
った。ついで、この酸処理液を容器内から排出し、イオ
ン交換水で洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作
製した。このようにして作製された水素吸蔵合金を比較
例4の水素吸蔵合金xとした。
容器内に充填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液
1kgを添加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行
った。ついで、この酸処理液を容器内から排出し、イオ
ン交換水で洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作
製した。このようにして作製された水素吸蔵合金を比較
例4の水素吸蔵合金xとした。
【0026】(11)比較例5 上述のようにして作製された水素吸蔵合金粉末1kgを
容器内に充填した後、この容器内にpH6の酢酸水溶液
1kgを添加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行
った。ついで、この酸処理液を容器内から排出し、イオ
ン交換水で洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作
製した。このようにして作製された水素吸蔵合金を比較
例5の水素吸蔵合金yとした。
容器内に充填した後、この容器内にpH6の酢酸水溶液
1kgを添加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行
った。ついで、この酸処理液を容器内から排出し、イオ
ン交換水で洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作
製した。このようにして作製された水素吸蔵合金を比較
例5の水素吸蔵合金yとした。
【0027】(12)比較例6 上述のようにして作製された水素吸蔵合金を表面処理を
行わないでそのまま使用するようにしたものを比較例6
の水素吸蔵合金zとした。
行わないでそのまま使用するようにしたものを比較例6
の水素吸蔵合金zとした。
【0028】3.水素吸蔵合金負極板の作製 上述したように作製した実施例1〜6の水素吸蔵合金a
〜fおよび比較例1〜6の水素吸蔵合金u〜zに、それ
ぞれ結着剤としてポリエチレンオキサイド(PEO)粉
末を水素吸蔵合金粉末に対して1重量%と、水を加えて
混練して、負極活物質スラリーをそれぞれ作製した。こ
れらの各負極活物質スラリーを、それぞれパンチングメ
タル等からなる金属芯体の両面に塗着した後、乾燥さ
せ、圧延することにより、各水素吸蔵合金負極板を作製
した。
〜fおよび比較例1〜6の水素吸蔵合金u〜zに、それ
ぞれ結着剤としてポリエチレンオキサイド(PEO)粉
末を水素吸蔵合金粉末に対して1重量%と、水を加えて
混練して、負極活物質スラリーをそれぞれ作製した。こ
れらの各負極活物質スラリーを、それぞれパンチングメ
タル等からなる金属芯体の両面に塗着した後、乾燥さ
せ、圧延することにより、各水素吸蔵合金負極板を作製
した。
【0029】4.ニッケル−水素蓄電池の作製 上述のように作製した各水素吸蔵合金負極板と周知の非
焼結式ニッケル正極板を耐アルカリ性の不織布からなる
セパレータを介して捲回して渦巻状極板群をそれぞれ作
製した後、各渦巻状極板群をそれぞれ有底円筒状の金属
外装缶に挿入し、各金属外装缶内にそれぞれ30重量%
の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりなるアルカリ電
解液を注入することにより、その理論放電容量が100
0mAhのニッケル−水素蓄電池を作製した。
焼結式ニッケル正極板を耐アルカリ性の不織布からなる
セパレータを介して捲回して渦巻状極板群をそれぞれ作
製した後、各渦巻状極板群をそれぞれ有底円筒状の金属
外装缶に挿入し、各金属外装缶内にそれぞれ30重量%
の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりなるアルカリ電
解液を注入することにより、その理論放電容量が100
0mAhのニッケル−水素蓄電池を作製した。
【0030】なお、実施例1の水素吸蔵合金aを用いた
ニッケル−水素蓄電池を電池Aとし、実施例2の水素吸
蔵合金bを用いたニッケル−水素蓄電池を電池Bとし、
実施例3の水素吸蔵合金cを用いたニッケル−水素蓄電
池を電池Cとし、実施例4の水素吸蔵合金dを用いたニ
ッケル−水素蓄電池を電池Dとし、実施例5の水素吸蔵
合金eを用いたニッケル−水素蓄電池を電池Eとし、実
施例6の水素吸蔵合金fを用いたニッケル−水素蓄電池
を電池Fとした。
ニッケル−水素蓄電池を電池Aとし、実施例2の水素吸
蔵合金bを用いたニッケル−水素蓄電池を電池Bとし、
実施例3の水素吸蔵合金cを用いたニッケル−水素蓄電
池を電池Cとし、実施例4の水素吸蔵合金dを用いたニ
ッケル−水素蓄電池を電池Dとし、実施例5の水素吸蔵
合金eを用いたニッケル−水素蓄電池を電池Eとし、実
施例6の水素吸蔵合金fを用いたニッケル−水素蓄電池
を電池Fとした。
【0031】また、比較例1の水素吸蔵合金uを用いた
ニッケル−水素蓄電池を電池Uとし、比較例2の水素吸
蔵合金vを用いたニッケル−水素蓄電池を電池Vとし、
比較例3の水素吸蔵合金wを用いたニッケル−水素蓄電
池を電池Wとし、比較例4の水素吸蔵合金xを用いたニ
ッケル−水素蓄電池を電池Xとし、比較例5の水素吸蔵
合金yを用いたニッケル−水素蓄電池を電池Yとし、比
較例6の水素吸蔵合金zを用いたニッケル−水素蓄電池
を電池Zとした。
ニッケル−水素蓄電池を電池Uとし、比較例2の水素吸
蔵合金vを用いたニッケル−水素蓄電池を電池Vとし、
比較例3の水素吸蔵合金wを用いたニッケル−水素蓄電
池を電池Wとし、比較例4の水素吸蔵合金xを用いたニ
ッケル−水素蓄電池を電池Xとし、比較例5の水素吸蔵
合金yを用いたニッケル−水素蓄電池を電池Yとし、比
較例6の水素吸蔵合金zを用いたニッケル−水素蓄電池
を電池Zとした。
【0032】5.電池特性試験 (1)活性化 上述のように作製した各電池A〜FおよびU〜Zを、1
00mAの充電々流で16時間充電した後、1時間休止
させる。その後、200mAの放電々流で終止電圧が
1.0Vになるまで放電させた後、1時間休止させる。
この充放電を室温(25℃)で3サイクル繰り返して、
各ニッケル−水素蓄電池を活性化した。
00mAの充電々流で16時間充電した後、1時間休止
させる。その後、200mAの放電々流で終止電圧が
1.0Vになるまで放電させた後、1時間休止させる。
この充放電を室温(25℃)で3サイクル繰り返して、
各ニッケル−水素蓄電池を活性化した。
【0033】(2)低温放電特性 ついで、上述のように活性化した各電池A〜FおよびU
〜Zを、室温(25℃)で100mAの充電々流で16
時間充電した後、室温(25℃)で1時間休止させた
後、室温(25℃)で1000mAの放電々流で終止電
圧が1.0Vになるまで放電させて、放電時間から室温
(25℃)での放電容量を求めた。また、室温(25
℃)で100mAの充電々流で16時間充電した後、−
10℃の温度で3時間休止させた後、−10℃の温度で
1000mAの放電々流で終止電圧が1.0Vになるま
で放電させて、放電時間から−10℃での放電容量を求
めた。ついで、室温での放電容量に対する−10℃での
放電容量の比を求めて、低温放電特性とすると下記の表
1に示すような結果となった。
〜Zを、室温(25℃)で100mAの充電々流で16
時間充電した後、室温(25℃)で1時間休止させた
後、室温(25℃)で1000mAの放電々流で終止電
圧が1.0Vになるまで放電させて、放電時間から室温
(25℃)での放電容量を求めた。また、室温(25
℃)で100mAの充電々流で16時間充電した後、−
10℃の温度で3時間休止させた後、−10℃の温度で
1000mAの放電々流で終止電圧が1.0Vになるま
で放電させて、放電時間から−10℃での放電容量を求
めた。ついで、室温での放電容量に対する−10℃での
放電容量の比を求めて、低温放電特性とすると下記の表
1に示すような結果となった。
【0034】(3)充放電サイクル特性 ついで、上述のように活性化した各電池A〜FおよびU
〜Zを、1500mAの充電々流で48分間充電した
後、1時間休止させる。その後、1500mAの放電々
流で終止電圧が1.0Vになるまで放電させた後、1時
間休止させる。室温でこの充放電サイクルを繰り返し
て、その電池容量が500mAhに達した時点を電池寿
命とするサイクル特性を求めると、下記の表1に示すよ
うな結果が得られた。
〜Zを、1500mAの充電々流で48分間充電した
後、1時間休止させる。その後、1500mAの放電々
流で終止電圧が1.0Vになるまで放電させた後、1時
間休止させる。室温でこの充放電サイクルを繰り返し
て、その電池容量が500mAhに達した時点を電池寿
命とするサイクル特性を求めると、下記の表1に示すよ
うな結果が得られた。
【0035】
【表1】
【0036】上記表1から明らかなように、表面処理を
なにも行わなかった比較例6の水素吸蔵合金zを用いた
電池Zの低温放電特性およびサイクル特性が劣っている
のに対して、酸処理あるいはイットリウム析出処理のど
ちらか一方の処理を行った水素吸蔵合金u〜yを用いた
電池U〜Yは低温放電特性かサイクル特性が向上してい
ることが分かる。これは、酸処理あるいはイットリウム
析出処理を行うことにより水素吸蔵合金の表面にニッケ
ル、コバルト、アルミニウムなどの多孔質金属層が形成
されて、水素吸蔵合金の表面が活性化されて、低温放電
特性が向上したと考えられる。また、イットリウム析出
処理を行うことにより、水素吸蔵合金の表面にイットリ
ウム化合物層が形成されて耐食性が向上して、サイクル
特性が向上したと考えられる。
なにも行わなかった比較例6の水素吸蔵合金zを用いた
電池Zの低温放電特性およびサイクル特性が劣っている
のに対して、酸処理あるいはイットリウム析出処理のど
ちらか一方の処理を行った水素吸蔵合金u〜yを用いた
電池U〜Yは低温放電特性かサイクル特性が向上してい
ることが分かる。これは、酸処理あるいはイットリウム
析出処理を行うことにより水素吸蔵合金の表面にニッケ
ル、コバルト、アルミニウムなどの多孔質金属層が形成
されて、水素吸蔵合金の表面が活性化されて、低温放電
特性が向上したと考えられる。また、イットリウム析出
処理を行うことにより、水素吸蔵合金の表面にイットリ
ウム化合物層が形成されて耐食性が向上して、サイクル
特性が向上したと考えられる。
【0037】そして、酸処理あるいはイットリウム析出
処理を行う場合、pH6の酢酸水溶液でイットリウム析
出処理を行った比較例3の水素吸蔵合金wを用いた電池
W、あるいはpH6の塩酸水溶液で酸処理を行った比較
例5の水素吸蔵合金yを用いた電池Yは、低温放電特性
がそれほど向上しないが、pH3の塩酸水溶液でイット
リウム析出処理を行った比較例1の水素吸蔵合金uを用
いた電池U、pH1の塩酸水溶液でイットリウム析出処
理を行った比較例2の水素吸蔵合金vを用いた電池V、
およびpH1の塩酸水溶液で酸処理を行った比較例4の
水素吸蔵合金xを用いた電池Xは、低温放電特性が向上
していることが分かる。これは、処理液のpHが高くな
ると、水素吸蔵合金の表面にニッケル、コバルト、アル
ミニウムなどの多孔質金属層が形成されにくくなったた
めと考えられる。
処理を行う場合、pH6の酢酸水溶液でイットリウム析
出処理を行った比較例3の水素吸蔵合金wを用いた電池
W、あるいはpH6の塩酸水溶液で酸処理を行った比較
例5の水素吸蔵合金yを用いた電池Yは、低温放電特性
がそれほど向上しないが、pH3の塩酸水溶液でイット
リウム析出処理を行った比較例1の水素吸蔵合金uを用
いた電池U、pH1の塩酸水溶液でイットリウム析出処
理を行った比較例2の水素吸蔵合金vを用いた電池V、
およびpH1の塩酸水溶液で酸処理を行った比較例4の
水素吸蔵合金xを用いた電池Xは、低温放電特性が向上
していることが分かる。これは、処理液のpHが高くな
ると、水素吸蔵合金の表面にニッケル、コバルト、アル
ミニウムなどの多孔質金属層が形成されにくくなったた
めと考えられる。
【0038】また、イットリウム析出処理を行わなかっ
た比較例4〜6の水素吸蔵合金x,y,zを用いた電池
X,Y,Zはサイクル特性が向上しないが、イットリウ
ム析出処理を行った比較例1〜3の水素吸蔵合金u,
v,wを用いた電池U,V,Wはサイクル特性が向上し
ていることが分かる。そして、イットリウム析出処理を
行う場合、pH3の塩酸水溶液でイットリウム析出処理
を行った比較例1の電池UおよびpH1の塩酸水溶液で
イットリウム析出処理を行った比較例2の電池Vはサイ
クル特性がそれほど向上しないが、pH6の酢酸水溶液
でイットリウム析出処理を行った比較例3の電池Wはサ
イクル特性が向上していることが分かる。
た比較例4〜6の水素吸蔵合金x,y,zを用いた電池
X,Y,Zはサイクル特性が向上しないが、イットリウ
ム析出処理を行った比較例1〜3の水素吸蔵合金u,
v,wを用いた電池U,V,Wはサイクル特性が向上し
ていることが分かる。そして、イットリウム析出処理を
行う場合、pH3の塩酸水溶液でイットリウム析出処理
を行った比較例1の電池UおよびpH1の塩酸水溶液で
イットリウム析出処理を行った比較例2の電池Vはサイ
クル特性がそれほど向上しないが、pH6の酢酸水溶液
でイットリウム析出処理を行った比較例3の電池Wはサ
イクル特性が向上していることが分かる。
【0039】これは、イットリウム析出処理を行うこと
により、耐食性が良好なイットリウム化合物層が水素吸
蔵合金の表面に形成されて、水素吸蔵合金の耐食性が向
上してサイクル特性が向上したと考えられる。しかしな
がら、イットリウム析出処理における処理液のpHが1
〜3のように低いと、水素吸蔵合金を構成する合金成分
のニッケル、コバルト、アルミニウムなどの金属が処理
液中に溶出して、イットリウム化合物を水素吸蔵合金に
直接形成することができなくなるため、水素吸蔵合金の
耐食性がそれほど向上しなくなって、サイクル特性がそ
れほど向上しなかったと考えられる。
により、耐食性が良好なイットリウム化合物層が水素吸
蔵合金の表面に形成されて、水素吸蔵合金の耐食性が向
上してサイクル特性が向上したと考えられる。しかしな
がら、イットリウム析出処理における処理液のpHが1
〜3のように低いと、水素吸蔵合金を構成する合金成分
のニッケル、コバルト、アルミニウムなどの金属が処理
液中に溶出して、イットリウム化合物を水素吸蔵合金に
直接形成することができなくなるため、水素吸蔵合金の
耐食性がそれほど向上しなくなって、サイクル特性がそ
れほど向上しなかったと考えられる。
【0040】一方、酸処理または熱アルカリ処理および
イットリウム析出処理の両処理を行った水素吸蔵合金を
用いた実施例1〜6の水素吸蔵合金a〜fを用いた電池
A〜Fは、低温放電特性およびサイクル特性の両方の特
性が向上していることが分かる。これは、酸処理または
熱アルカリ処理を行うことにより水素吸蔵合金の表面に
ニッケル、コバルト、アルミニウムなどの多孔質金属層
が形成されて、水素吸蔵合金の表面が活性化されて、低
温放電特性が向上し、イットリウム析出処理を行うこと
により、多孔質金属層の表面にイットリウム化合物層が
形成されて耐食性が向上し、サイクル特性が向上したと
考えられる。
イットリウム析出処理の両処理を行った水素吸蔵合金を
用いた実施例1〜6の水素吸蔵合金a〜fを用いた電池
A〜Fは、低温放電特性およびサイクル特性の両方の特
性が向上していることが分かる。これは、酸処理または
熱アルカリ処理を行うことにより水素吸蔵合金の表面に
ニッケル、コバルト、アルミニウムなどの多孔質金属層
が形成されて、水素吸蔵合金の表面が活性化されて、低
温放電特性が向上し、イットリウム析出処理を行うこと
により、多孔質金属層の表面にイットリウム化合物層が
形成されて耐食性が向上し、サイクル特性が向上したと
考えられる。
【0041】そして、酸処理を行った実施例1〜5の水
素吸蔵合金a〜eを用いた電池A〜Eを比較すると、p
H4の塩酸水溶液で酸処理を行った実施例5の水素吸蔵
合金eを用いた電池Eは、pHが3以下の塩酸水溶液で
酸処理を行った実施例1〜4の水素吸蔵合金a〜dを用
いた電池A〜Dよりも低温放電特性が若干低い値である
ことが分かる。これは、処理液のpHが高くなると、水
素吸蔵合金の表面にニッケル、コバルト、アルミニウム
などの多孔質金属層が形成されにくいためと考えられ
る。これらのことから、水素吸蔵合金を酸処理する場合
はpHが3以下の強酸溶液用いることが好ましい。
素吸蔵合金a〜eを用いた電池A〜Eを比較すると、p
H4の塩酸水溶液で酸処理を行った実施例5の水素吸蔵
合金eを用いた電池Eは、pHが3以下の塩酸水溶液で
酸処理を行った実施例1〜4の水素吸蔵合金a〜dを用
いた電池A〜Dよりも低温放電特性が若干低い値である
ことが分かる。これは、処理液のpHが高くなると、水
素吸蔵合金の表面にニッケル、コバルト、アルミニウム
などの多孔質金属層が形成されにくいためと考えられ
る。これらのことから、水素吸蔵合金を酸処理する場合
はpHが3以下の強酸溶液用いることが好ましい。
【0042】6.イットリウム含有溶液のpH値の検討 (1)実施例7 実施例1と同様の水素吸蔵合金粉末1kgを容器内に充
填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液1kgを添
加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行った。つい
で、この酸処理液を容器内から排出し、イオン交換水で
洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩化イットリ
ウム(YCl3)を含有したpH3の塩酸水溶液を注入
して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間浸漬して
イットリウム析出処理をした。この後、純水で洗浄し
て、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。このよう
にして作製された水素吸蔵合金を実施例7の水素吸蔵合
金gとした。
填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液1kgを添
加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行った。つい
で、この酸処理液を容器内から排出し、イオン交換水で
洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩化イットリ
ウム(YCl3)を含有したpH3の塩酸水溶液を注入
して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間浸漬して
イットリウム析出処理をした。この後、純水で洗浄し
て、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。このよう
にして作製された水素吸蔵合金を実施例7の水素吸蔵合
金gとした。
【0043】(2)実施例8 実施例1と同様の水素吸蔵合金粉末1kgを容器内に充
填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液1kgを添
加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行った。つい
で、この酸処理液を容器内から排出し、イオン交換水で
洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩化イットリ
ウム(YCl3)を含有したpH4の塩酸水溶液を注入
して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間浸漬して
イットリウム析出処理をした。この後、純水で洗浄し
て、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。このよう
にして作製された水素吸蔵合金を実施例8の水素吸蔵合
金hとした。
填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液1kgを添
加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行った。つい
で、この酸処理液を容器内から排出し、イオン交換水で
洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩化イットリ
ウム(YCl3)を含有したpH4の塩酸水溶液を注入
して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間浸漬して
イットリウム析出処理をした。この後、純水で洗浄し
て、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。このよう
にして作製された水素吸蔵合金を実施例8の水素吸蔵合
金hとした。
【0044】(3)実施例9 実施例1と同様の水素吸蔵合金粉末1kgを容器内に充
填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液1kgを添
加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行った。つい
で、この酸処理液を容器内から排出し、イオン交換水で
洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩化イットリ
ウム(YCl3)を含有したpH5の塩酸水溶液を注入
して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間浸漬して
イットリウム析出処理をした。この後、純水で洗浄し
て、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。このよう
にして作製された水素吸蔵合金を実施例9の水素吸蔵合
金iとした。
填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液1kgを添
加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行った。つい
で、この酸処理液を容器内から排出し、イオン交換水で
洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩化イットリ
ウム(YCl3)を含有したpH5の塩酸水溶液を注入
して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間浸漬して
イットリウム析出処理をした。この後、純水で洗浄し
て、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。このよう
にして作製された水素吸蔵合金を実施例9の水素吸蔵合
金iとした。
【0045】(4)実施例10 実施例1と同様の水素吸蔵合金粉末1kgを容器内に充
填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液1kgを添
加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行った。つい
で、この酸処理液を容器内から排出し、イオン交換水で
洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩化イットリ
ウム(YCl3)を含有したpH6の塩酸水溶液を注入
して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間浸漬して
イットリウム析出処理をした。この後、純水で洗浄し
て、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。このよう
にして作製された水素吸蔵合金を実施例10の水素吸蔵
合金jとした。
填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液1kgを添
加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行った。つい
で、この酸処理液を容器内から排出し、イオン交換水で
洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩化イットリ
ウム(YCl3)を含有したpH6の塩酸水溶液を注入
して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間浸漬して
イットリウム析出処理をした。この後、純水で洗浄し
て、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。このよう
にして作製された水素吸蔵合金を実施例10の水素吸蔵
合金jとした。
【0046】(5)実施例11 実施例1と同様の水素吸蔵合金粉末1kgを容器内に充
填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液1kgを添
加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行った。つい
で、この酸処理液を容器内から排出し、イオン交換水で
洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩化イットリ
ウム(YCl3)を含有したpH7の酢酸水溶液を注入
して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間浸漬して
イットリウム析出処理をした。この後、純水で洗浄し
て、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。このよう
にして作製された水素吸蔵合金を実施例11の水素吸蔵
合金kとした。
填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液1kgを添
加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行った。つい
で、この酸処理液を容器内から排出し、イオン交換水で
洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩化イットリ
ウム(YCl3)を含有したpH7の酢酸水溶液を注入
して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間浸漬して
イットリウム析出処理をした。この後、純水で洗浄し
て、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。このよう
にして作製された水素吸蔵合金を実施例11の水素吸蔵
合金kとした。
【0047】(6)実施例12 実施例1と同様の水素吸蔵合金粉末1kgを容器内に充
填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液1kgを添
加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行った。つい
で、この酸処理液を容器内から排出し、イオン交換水で
洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩化イットリ
ウム(YCl3)を含有したpH8の炭酸水素二ナトリ
ウム水溶液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約
10分間浸漬して炭酸水素二ナトリウム処理をした。こ
の後、純水で洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を
作製した。このようにして作製された水素吸蔵合金を実
施例12の水素吸蔵合金lとした。
填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液1kgを添
加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行った。つい
で、この酸処理液を容器内から排出し、イオン交換水で
洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩化イットリ
ウム(YCl3)を含有したpH8の炭酸水素二ナトリ
ウム水溶液を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約
10分間浸漬して炭酸水素二ナトリウム処理をした。こ
の後、純水で洗浄して、表面処理された水素吸蔵合金を
作製した。このようにして作製された水素吸蔵合金を実
施例12の水素吸蔵合金lとした。
【0048】上述したように作製した実施例7〜12の
水素吸蔵合金g〜lを用いて、上述と同様に各負極活物
質スラリーを作製し、これらの各負極活物質スラリーを
用いて各水素吸蔵合金負極板を作製した後、上述と同様
に理論放電容量が1000mAhの各ニッケル−水素蓄
電池を作製した。なお、実施例7の水素吸蔵合金gを用
いたニッケル−水素蓄電池を電池Gとし、実施例8の水
素吸蔵合金hを用いたニッケル−水素蓄電池を電池Hと
し、実施例9の水素吸蔵合金iを用いたニッケル−水素
蓄電池を電池Iとし、実施例10の水素吸蔵合金jを用
いたニッケル−水素蓄電池を電池Jとし、実施例11の
水素吸蔵合金kを用いたニッケル−水素蓄電池を電池K
とし、実施例12の水素吸蔵合金lを用いたニッケル−
水素蓄電池を電池Lとした。
水素吸蔵合金g〜lを用いて、上述と同様に各負極活物
質スラリーを作製し、これらの各負極活物質スラリーを
用いて各水素吸蔵合金負極板を作製した後、上述と同様
に理論放電容量が1000mAhの各ニッケル−水素蓄
電池を作製した。なお、実施例7の水素吸蔵合金gを用
いたニッケル−水素蓄電池を電池Gとし、実施例8の水
素吸蔵合金hを用いたニッケル−水素蓄電池を電池Hと
し、実施例9の水素吸蔵合金iを用いたニッケル−水素
蓄電池を電池Iとし、実施例10の水素吸蔵合金jを用
いたニッケル−水素蓄電池を電池Jとし、実施例11の
水素吸蔵合金kを用いたニッケル−水素蓄電池を電池K
とし、実施例12の水素吸蔵合金lを用いたニッケル−
水素蓄電池を電池Lとした。
【0049】ついで、これらの各電池G〜Lを用いて、
上述と同様に活性化した後、上述と同様に低温放電特性
およびサイクル特性を測定すると、下記の表2に示すよ
うな結果となった。なお、表2には上述した実施例2の
電池Bについても併せて示している。
上述と同様に活性化した後、上述と同様に低温放電特性
およびサイクル特性を測定すると、下記の表2に示すよ
うな結果となった。なお、表2には上述した実施例2の
電池Bについても併せて示している。
【0050】
【表2】
【0051】上記表2から明らかなように、いずれの電
池も低温放電特性は同等であるが、サイクル特性が異な
ることが分かる。ここで、イットリウムを含有する処理
液として、pH3の塩酸を使用した電池G、pH4の塩
酸を使用した電池HおよびpH8の炭酸水素二ナトリウ
ムを使用した電池Lのサイクル特性が低いことが分か
る。これは、イットリウムを含有するpH4以下の処理
液(塩酸)を用いると、水素吸蔵合金の表面にニッケ
ル、コバルト、アルミニウムなどの多孔質金属層が形成
されにくいため、水素吸蔵合金の耐食性が向上しなくて
サイクル特性が低くなったと考えられる。また、pH7
以上の処理液にはイットリウムがほとんど溶解しないた
め、水素吸蔵合金の耐食性が向上しなくてサイクル特性
が低くなったと考えられる。このことから、イットリウ
ムを含有する処理液のpHは5以上で7以下とすること
が好ましい。
池も低温放電特性は同等であるが、サイクル特性が異な
ることが分かる。ここで、イットリウムを含有する処理
液として、pH3の塩酸を使用した電池G、pH4の塩
酸を使用した電池HおよびpH8の炭酸水素二ナトリウ
ムを使用した電池Lのサイクル特性が低いことが分か
る。これは、イットリウムを含有するpH4以下の処理
液(塩酸)を用いると、水素吸蔵合金の表面にニッケ
ル、コバルト、アルミニウムなどの多孔質金属層が形成
されにくいため、水素吸蔵合金の耐食性が向上しなくて
サイクル特性が低くなったと考えられる。また、pH7
以上の処理液にはイットリウムがほとんど溶解しないた
め、水素吸蔵合金の耐食性が向上しなくてサイクル特性
が低くなったと考えられる。このことから、イットリウ
ムを含有する処理液のpHは5以上で7以下とすること
が好ましい。
【0052】7.洗浄液の検討 (1)実施例13 実施例1と同様の水素吸蔵合金粉末1kgを容器内に充
填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液1kgを添
加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行った。つい
で、この酸処理液を容器内から排出し、pH5の酢酸水
溶液で洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩化イ
ットリウム(YCl3)を含有したpH6の塩酸水溶液
を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間浸
漬してイットリウム析出処理をした。この後、純水で洗
浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。この
ようにして作製された水素吸蔵合金を実施例13の水素
吸蔵合金mとした。
填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液1kgを添
加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行った。つい
で、この酸処理液を容器内から排出し、pH5の酢酸水
溶液で洗浄した後、この容器内に0.3重量%の塩化イ
ットリウム(YCl3)を含有したpH6の塩酸水溶液
を注入して、この水溶液に水素吸蔵合金を約10分間浸
漬してイットリウム析出処理をした。この後、純水で洗
浄して、表面処理された水素吸蔵合金を作製した。この
ようにして作製された水素吸蔵合金を実施例13の水素
吸蔵合金mとした。
【0053】(2)実施例14 実施例1と同様の水素吸蔵合金粉末1kgを容器内に充
填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液1kgを添
加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行った。つい
で、この酸処理液を容器内から排出し、25℃の水酸化
カリウム(KOH)水溶液で洗浄した後、この容器内に
0.3重量%の塩化イットリウム(YCl3)を含有し
たpH6の塩酸水溶液を注入して、この水溶液に水素吸
蔵合金を約10分間浸漬してイットリウム析出処理をし
た。この後、純水で洗浄して、表面処理された水素吸蔵
合金を作製した。このようにして作製された水素吸蔵合
金を実施例14の水素吸蔵合金nとした。
填した後、この容器内にpH1の塩酸水溶液1kgを添
加し、混合撹拌して、約10分間酸処理を行った。つい
で、この酸処理液を容器内から排出し、25℃の水酸化
カリウム(KOH)水溶液で洗浄した後、この容器内に
0.3重量%の塩化イットリウム(YCl3)を含有し
たpH6の塩酸水溶液を注入して、この水溶液に水素吸
蔵合金を約10分間浸漬してイットリウム析出処理をし
た。この後、純水で洗浄して、表面処理された水素吸蔵
合金を作製した。このようにして作製された水素吸蔵合
金を実施例14の水素吸蔵合金nとした。
【0054】上述したように作製した実施例13,14
の水素吸蔵合金m,nを用いて、上述と同様に各負極活
物質スラリーを作製し、これらの各負極活物質スラリー
を用いて各水素吸蔵合金負極板を作製した後、上述と同
様に理論放電容量が1000mAhの各ニッケル−水素
蓄電池を作製した。なお、実施例13の水素吸蔵合金m
を用いたニッケル−水素蓄電池を電池Mとし、実施例1
4の水素吸蔵合金nを用いたニッケル−水素蓄電池を電
池Nとした。
の水素吸蔵合金m,nを用いて、上述と同様に各負極活
物質スラリーを作製し、これらの各負極活物質スラリー
を用いて各水素吸蔵合金負極板を作製した後、上述と同
様に理論放電容量が1000mAhの各ニッケル−水素
蓄電池を作製した。なお、実施例13の水素吸蔵合金m
を用いたニッケル−水素蓄電池を電池Mとし、実施例1
4の水素吸蔵合金nを用いたニッケル−水素蓄電池を電
池Nとした。
【0055】ついで、これらの各電池M,Nを用いて、
上述と同様に活性化した後、上述と同様に低温放電特性
およびサイクル特性を測定すると、下記の表3に示すよ
うな結果となった。なお、表3には上述した実施例2の
電池Bについても併せて示している。
上述と同様に活性化した後、上述と同様に低温放電特性
およびサイクル特性を測定すると、下記の表3に示すよ
うな結果となった。なお、表3には上述した実施例2の
電池Bについても併せて示している。
【0056】
【表3】
【0057】上記表3から明らかなように、酸処理を行
った後、pH5の酢酸水溶液で洗浄した水素吸蔵合金を
用いた電池M、25℃の水酸化カリウム(KOH)で洗
浄した水素吸蔵合金を用いた電池Nは、酸処理を行った
後にイオン交換水で洗浄した水素吸蔵合金を用いた電池
Bよりも低温放電特性およびサイクル特性が向上してい
ることが分かる。
った後、pH5の酢酸水溶液で洗浄した水素吸蔵合金を
用いた電池M、25℃の水酸化カリウム(KOH)で洗
浄した水素吸蔵合金を用いた電池Nは、酸処理を行った
後にイオン交換水で洗浄した水素吸蔵合金を用いた電池
Bよりも低温放電特性およびサイクル特性が向上してい
ることが分かる。
【0058】これは、水素吸蔵合金に酸処理を行うと、
酸処理液中に水素吸蔵合金成分の金属イオンが溶解し、
これが水素吸蔵合金の表面に付着する。このため、酸処
理を行った後、水素吸蔵合金を洗浄する必要があるが、
イオン交換水で洗浄しただけでは付着した金属イオンを
充分に除去することができないために、電池Bの低温放
電特性およびサイクル特性は若干低い値になったと考え
られる。一方、酢酸水溶液あるいは水酸化カリウム(K
OH)で洗浄することにより、水素吸蔵合金の表面に付
着した金属イオンを充分に除去できるようになるので、
電池Mおよび電池Nの低温放電特性およびサイクル特性
が向上したと考えられる。
酸処理液中に水素吸蔵合金成分の金属イオンが溶解し、
これが水素吸蔵合金の表面に付着する。このため、酸処
理を行った後、水素吸蔵合金を洗浄する必要があるが、
イオン交換水で洗浄しただけでは付着した金属イオンを
充分に除去することができないために、電池Bの低温放
電特性およびサイクル特性は若干低い値になったと考え
られる。一方、酢酸水溶液あるいは水酸化カリウム(K
OH)で洗浄することにより、水素吸蔵合金の表面に付
着した金属イオンを充分に除去できるようになるので、
電池Mおよび電池Nの低温放電特性およびサイクル特性
が向上したと考えられる。
【0059】8.電解液の検討 (1)実施例15 上述した実施例2の水素吸蔵合金bを用いて水素吸蔵合
金負極を作製した後、この水素吸蔵合金負極と周知の非
焼結式ニッケル正極板を耐アルカリ性の不織布からなる
セパレータを介して捲回して渦巻状極板群を作製した。
この渦巻状極板群を有底円筒状の金属外装缶に挿入し、
各金属外装缶内に酸化イットリウムを5ppm添加した
30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりなる
電解液を注液することにより、その理論放電容量が10
00mAhのニッケル−水素蓄電池を作製した。このニ
ッケル−水素蓄電池を電池Oとした。この電池Oを用い
て、上述と同様に活性化した後、上述と同様に低温放電
特性およびサイクル特性を測定すると、下記の表4に示
すような結果となった。なお、表4には上述した実施例
2の電池Bについても併せて示している。
金負極を作製した後、この水素吸蔵合金負極と周知の非
焼結式ニッケル正極板を耐アルカリ性の不織布からなる
セパレータを介して捲回して渦巻状極板群を作製した。
この渦巻状極板群を有底円筒状の金属外装缶に挿入し、
各金属外装缶内に酸化イットリウムを5ppm添加した
30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりなる
電解液を注液することにより、その理論放電容量が10
00mAhのニッケル−水素蓄電池を作製した。このニ
ッケル−水素蓄電池を電池Oとした。この電池Oを用い
て、上述と同様に活性化した後、上述と同様に低温放電
特性およびサイクル特性を測定すると、下記の表4に示
すような結果となった。なお、表4には上述した実施例
2の電池Bについても併せて示している。
【0060】
【表4】
【0061】上記表4から明らかなように、電解液にイ
ットリウム化合物を添加してない電池B、および電解液
にイットリウム化合物(酸化イットリウム)を添加した
電池Oの低温放電特性は同等であるが、電解液にイット
リウム化合物(酸化イットリウム)を添加した電池Oの
サイクル特性は、電解液にイットリウム化合物を添加し
てない電池Bよりも向上していることが分かる。これ
は、電解液にイットリウム化合物を添加すると、水素吸
蔵合金の表面に形成されたイットリウム化合物層のイッ
トリウム成分が電解液に溶解しにくくなるため、水素吸
蔵合金の耐食性がより向上して、サイクル特性が向上し
たと考えられる。
ットリウム化合物を添加してない電池B、および電解液
にイットリウム化合物(酸化イットリウム)を添加した
電池Oの低温放電特性は同等であるが、電解液にイット
リウム化合物(酸化イットリウム)を添加した電池Oの
サイクル特性は、電解液にイットリウム化合物を添加し
てない電池Bよりも向上していることが分かる。これ
は、電解液にイットリウム化合物を添加すると、水素吸
蔵合金の表面に形成されたイットリウム化合物層のイッ
トリウム成分が電解液に溶解しにくくなるため、水素吸
蔵合金の耐食性がより向上して、サイクル特性が向上し
たと考えられる。
【0062】上述したように、本発明においては、水素
吸蔵合金をpH3以下の酸溶液で酸処理したり、あるい
は熱アルカリ溶液で熱アルカリ処理して、水素吸蔵合金
の表面に多孔質金属層を備えるようにし、この後、イッ
トリウム化合物を含有したpH5以上でpH7以下の溶
液でイットリウム析出処理して、多孔質金属層の表面に
イットリウム化合物層を備えるようにしている。このた
め、水素吸蔵合金の表面積が増大して、ニッケル、コバ
ルト、アルミニウムなどの金属層により活性になるとと
もに、イットリウム化合物層により水素吸蔵合金の耐食
性が向上する。この結果、低温放電特性、サイクル特性
が向上し、ガス吸収性能および高率放電特性が向上した
アルカリ蓄電池が得られるようになる。
吸蔵合金をpH3以下の酸溶液で酸処理したり、あるい
は熱アルカリ溶液で熱アルカリ処理して、水素吸蔵合金
の表面に多孔質金属層を備えるようにし、この後、イッ
トリウム化合物を含有したpH5以上でpH7以下の溶
液でイットリウム析出処理して、多孔質金属層の表面に
イットリウム化合物層を備えるようにしている。このた
め、水素吸蔵合金の表面積が増大して、ニッケル、コバ
ルト、アルミニウムなどの金属層により活性になるとと
もに、イットリウム化合物層により水素吸蔵合金の耐食
性が向上する。この結果、低温放電特性、サイクル特性
が向上し、ガス吸収性能および高率放電特性が向上した
アルカリ蓄電池が得られるようになる。
【0063】なお、上述した実施の形態においては、酸
処理液として塩酸を用いる例について説明したが、塩酸
以外の酸処理液としては、硝酸、硫酸などを用いても同
様の結果が得られる。また、上述した実施の形態におい
ては、熱アルカリ処理液として水酸化カリウムを用いる
例について説明したが、水酸化カリウム以外の熱アルカ
リ処理液しては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムな
どを用いても同様の結果が得られる。また、熱アルカリ
の温度も90℃でなくても、60℃以上であれば同様な
結果が得られる。
処理液として塩酸を用いる例について説明したが、塩酸
以外の酸処理液としては、硝酸、硫酸などを用いても同
様の結果が得られる。また、上述した実施の形態におい
ては、熱アルカリ処理液として水酸化カリウムを用いる
例について説明したが、水酸化カリウム以外の熱アルカ
リ処理液しては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムな
どを用いても同様の結果が得られる。また、熱アルカリ
の温度も90℃でなくても、60℃以上であれば同様な
結果が得られる。
【0064】さらに、上述した実施の形態においては、
イットリウム析出処理液として酢酸、塩酸、炭酸水素二
ナトリウムを用いる例について説明したが、溶液のpH
を調整できれば、酢酸、塩酸、炭酸水素二ナトリウム以
外のイットリウム析出処理液としては、硝酸、硫酸、炭
酸、クエン酸、炭酸水素二カリウムおよびこれらの混合
溶液を用いても同様な効果が得られる。また、上述した
実施の形態においては、水素吸蔵合金としてMmNi
3.70Co 0.55Al0.3Mn0.5を用いる例について説明し
たが、水素吸蔵合金としてはTi−Ni系あるいはLa
(もしくはMm)−Ni系の多元合金から適宜選択して
使用することができる。また、上述した実施の形態にお
いては、ボールミルを用いて粉砕により作製した水素吸
蔵合金を用いる例について説明したが、アトマイズ法に
より作製した水素吸蔵合金を用いてもよい。この場合、
アトマイズ法により作製した水素吸蔵合金は比表面積が
小さいため、本発明の表面処理を適用するとさらに効果
的である。
イットリウム析出処理液として酢酸、塩酸、炭酸水素二
ナトリウムを用いる例について説明したが、溶液のpH
を調整できれば、酢酸、塩酸、炭酸水素二ナトリウム以
外のイットリウム析出処理液としては、硝酸、硫酸、炭
酸、クエン酸、炭酸水素二カリウムおよびこれらの混合
溶液を用いても同様な効果が得られる。また、上述した
実施の形態においては、水素吸蔵合金としてMmNi
3.70Co 0.55Al0.3Mn0.5を用いる例について説明し
たが、水素吸蔵合金としてはTi−Ni系あるいはLa
(もしくはMm)−Ni系の多元合金から適宜選択して
使用することができる。また、上述した実施の形態にお
いては、ボールミルを用いて粉砕により作製した水素吸
蔵合金を用いる例について説明したが、アトマイズ法に
より作製した水素吸蔵合金を用いてもよい。この場合、
アトマイズ法により作製した水素吸蔵合金は比表面積が
小さいため、本発明の表面処理を適用するとさらに効果
的である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 徹行 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 廣田 洋平 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA02 AA04 BA01 BA02 BB02 BC01 BC05 BD01 BD06 5H016 AA01 AA02 AA08 BB01 BB03 BB12 BB18 CC06 CC09 EE01 HH08 HH11 5H028 AA01 BB02 BB05 BB10 BB15 CC10 EE01 HH03 HH08
Claims (7)
- 【請求項1】 電気化学的に水素の吸蔵・放出を可逆的
に行うことができる水素吸蔵合金からなる負極と、正極
と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池であっ
て、 前記水素吸蔵合金はその表面に多孔質金属層を備えると
ともに、 前記多孔質金属層の表面にイットリウム化合物層を備え
たことを特徴とするアルカリ蓄電池。 - 【請求項2】 電気化学的に水素の吸蔵・放出を可逆的
に行うことができる水素吸蔵合金からなる負極と、正極
と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池であっ
て、 前記水素吸蔵合金はその表面に多孔質金属層を備えると
ともに、 前記多孔質金属層の表面にイットリウム化合物層を備
え、 前記電解液中にイットリウム化合物を備えたことを特徴
とするアルカリ蓄電池。 - 【請求項3】 電気化学的に水素の吸蔵・放出を可逆的
に行うことができる水素吸蔵合金からなる負極と、正極
と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池の製造方
法であって、 前記水素吸蔵合金を酸または熱アルカリ溶液で酸処理ま
たは熱アルカリ処理して前記水素吸蔵合金の表面に多孔
質金属層を形成させる多孔質化工程と、 前記多孔質金属層を形成させた前記水素吸蔵合金をイッ
トリウムを含有したpH5以上でpH7以下の弱酸溶液
で処理して前記多孔質金属層の表面にイットリウム化合
物層を析出させるイットリウム析出工程とを備えたこと
を特徴とするアルカリ蓄電池の製造方法。 - 【請求項4】 前記多孔質化工程において、前記水素吸
蔵合金をpH3以下の強酸溶液で処理するようにしたこ
とを特徴とする請求項3に記載のアルカリ蓄電池の製造
方法。 - 【請求項5】 前記多孔質化工程において、前記水素吸
蔵合金を60℃以上の温度の熱アルカリ溶液で処理する
ようにしたことを特徴とする請求項3に記載のアルカリ
蓄電池の製造方法。 - 【請求項6】 前記多孔質化工程の後に前記水素吸蔵合
金を洗浄する洗浄工程を備え、 前記水素吸蔵合金の表面に付着した前記酸または熱アル
カリ溶液中に溶出した金属イオンを除去するようにした
ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記
載のアルカリ蓄電池の製造方法。 - 【請求項7】 前記洗浄工程において、弱酸溶液あるい
はアルカリ溶液で洗浄するようにしたことを特徴とする
請求項6に記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26015899A JP2001085004A (ja) | 1999-09-14 | 1999-09-14 | アルカリ蓄電池およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26015899A JP2001085004A (ja) | 1999-09-14 | 1999-09-14 | アルカリ蓄電池およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001085004A true JP2001085004A (ja) | 2001-03-30 |
Family
ID=17344133
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26015899A Pending JP2001085004A (ja) | 1999-09-14 | 1999-09-14 | アルカリ蓄電池およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001085004A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007165277A (ja) * | 2005-11-16 | 2007-06-28 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | アルカリ蓄電池、電極用複合材料およびその製造法 |
JP2009295575A (ja) * | 2008-05-08 | 2009-12-17 | Panasonic Corp | 電極用複合材料およびその製造法、ならびにそれを用いるアルカリ蓄電池 |
JP2014192032A (ja) * | 2013-03-27 | 2014-10-06 | Primearth Ev Energy Co Ltd | ニッケル水素蓄電池の製造方法、ニッケル水素蓄電池、イットリウムイオンの溶解濃度の推定方法 |
-
1999
- 1999-09-14 JP JP26015899A patent/JP2001085004A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007165277A (ja) * | 2005-11-16 | 2007-06-28 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | アルカリ蓄電池、電極用複合材料およびその製造法 |
JP2009295575A (ja) * | 2008-05-08 | 2009-12-17 | Panasonic Corp | 電極用複合材料およびその製造法、ならびにそれを用いるアルカリ蓄電池 |
JP2014192032A (ja) * | 2013-03-27 | 2014-10-06 | Primearth Ev Energy Co Ltd | ニッケル水素蓄電池の製造方法、ニッケル水素蓄電池、イットリウムイオンの溶解濃度の推定方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101338417A (zh) | 储氢合金的表面处理方法 | |
JP4667513B2 (ja) | 水素吸蔵合金粉末とその表面処理方法、アルカリ蓄電池用負極、およびアルカリ蓄電池 | |
JP3617203B2 (ja) | ニッケル水素二次電池の製造方法 | |
JPH07326353A (ja) | 水素吸蔵合金電極の製造方法 | |
JP2003132940A (ja) | ニッケル−水素蓄電池 | |
JP2002256301A (ja) | 電極用合金粉末およびその製造法 | |
JP2978094B2 (ja) | 水素吸蔵合金粉末の表面処理方法とそれを適用して得られたアルカリ二次電池 | |
JP2000223119A (ja) | アルカリ蓄電池用正極活物質およびその製造方法ならびにこの正極活物質を用いたアルカリ蓄電池用正極の製造方法 | |
JP2001085004A (ja) | アルカリ蓄電池およびその製造方法 | |
JP3995383B2 (ja) | 水素吸蔵合金電極の製造方法 | |
JP3547920B2 (ja) | 水素吸蔵合金電極の製造方法 | |
JP3433031B2 (ja) | アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造方法 | |
JP2003017047A (ja) | アルカリ蓄電池用ニッケル電極およびその製造方法 | |
JPH11204104A (ja) | ニッケル−水素二次電池およびその水素吸蔵合金の製造方法 | |
JP3530309B2 (ja) | 水素吸蔵合金電極の製造方法 | |
JP3136960B2 (ja) | 電池用水素吸蔵合金の処理方法 | |
JP2000285915A (ja) | 水素吸蔵合金電極を備えたアルカリ蓄電池およびその製造方法 | |
JP3136963B2 (ja) | 電池用水素吸蔵合金の処理方法 | |
JP3136961B2 (ja) | 電池用水素吸蔵合金の処理方法 | |
JP3954808B2 (ja) | 電極用水素吸蔵合金粒子の製造方法、水素吸蔵合金電極並びにアルカリ蓄電池 | |
JP2003173772A (ja) | 電極用水素吸蔵合金粉末およびその製造方法 | |
JP4212129B2 (ja) | アルカリ蓄電池用ニッケル電極およびその製造方法 | |
JP3553752B2 (ja) | 水素吸蔵合金電極の製造方法 | |
JP2001093523A (ja) | アルカリ蓄電池の製造方法およびアルカリ蓄電池 | |
JP3530327B2 (ja) | 水素吸蔵合金電極の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050829 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061017 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070424 |