JP3553752B2 - 水素吸蔵合金電極の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電気化学的に水素を吸蔵、放出する水素吸蔵合金を備えた水素吸蔵合金電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素吸蔵合金を負極に用いた金属水素化物蓄電池は、従来からよく使用されているニッケル−カドミウム蓄電池あるいは鉛蓄電池より軽量、且つ高容量で、高エネルギー密度となる可能性があるという点で注目されている。
【0003】
この水素吸蔵合金電極は、希土類−ニッケル系合金、マグネシウム−ニッケル系合金、チタン−ニッケル系合金等の水素吸蔵合金を主とする活物質が集電体の機能を有する活物質保持体に保持されて構成されている。
【0004】
このような水素吸蔵合金電極の製造方法としては、水素吸蔵合金をポリテトラフルオロエチレン等の結着剤と適量の水とを混練してペーストを作製し、このペーストをパンチングメタルやエキスパンドメタル等の活物質保持体の両面に塗着、乾燥して作製する方法が一般的に用いられている。そして、この水素吸蔵合金電極と焼結式または非焼結式ニッケル正極とをセパレータを介して巻回して電極群を作製し、この電極群を電池外装缶に収納し、アルカリ電解液を注液して封口することによって金属水素化物蓄電池を作製することができる。
【0005】
ところで、このような金属水素化物蓄電池に用いられる水素吸蔵合金は、合金の粉砕工程、電極の作製工程或るいは電池の組立て工程において表面酸化を受けやすく、水素吸蔵合金粒子間の接触抵抗が増大し、電極における導電性が低下するために高率放電特性が低下するという傾向があった。
【0006】
そこで、特開平4−179055号公報には、水素吸蔵合金の表面酸化膜を除去するために酸性溶液で水素吸蔵合金を表面処理することが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
酸性溶液で水素吸蔵合金を表面処理すると、表面酸化膜が除去されるとともに、水素吸蔵合金の反応表面積がある程度増大するために活性度が高くなり、高率放電特性等が向上する。しかしながら、前記のような単なる酸性溶液での水素吸蔵合金の表面処理方法では、該合金の反応表面積を増大させるという効果は未だ不十分であり、改良の余地がある。
【0008】
また、酸処理していくに従って酸性溶液のpHが上昇し、pHが約5を越えた時点で酸性溶液中に溶解した希土類元素が水酸化物として析出し、十分な活性度を得ることができないという問題もあった。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、十分な活性度が得られる水素吸蔵合金電極を提供し、高率放電特性及び電池内圧が低減された金属水素化物蓄電池を提供しようとすることを本発明の課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の水素吸蔵合金電極の製造方法は、水素吸蔵合金をアルミニウムイオン、ガリウムイオン、インジウムイオン、タリウムイオンの群から選ばれた少なくとも1種以上のイオンを含有した酸性溶液で表面処理したことを特徴とする。
【0011】
また、前記酸性溶液による表面処理が、前記イオンの加水分解反応が生じるpH以上で、前記イオンの水酸化物が析出するpH以下の範囲で前記表面処理を終了させることを特徴とする。
【0012】
【作用】
水素吸蔵合金を酸性溶液で表面処理することにより、該合金の反応表面積が増大するとともに、合金表面がニッケルリッチ層となる。このニッケルリッチ層は水素の吸収・放出反応の触媒となる他に、過充電時に正極から発生した酸素ガス吸収反応の触媒となる。また、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、インジウムイオン、タリウムイオンの群から選ばれた少なくとも1種以上のイオンを前記酸性溶液に含有させることにより、これらのイオンの下記加水分解反応により水素吸蔵合金の表面が更にエッチングされるので、該合金表面の反応表面積が更に増大し、活性度の高い水素吸蔵合金が得られる。
【0013】
加水分解反応 : [M(H2O)6]3+=[M(H2O)5(OH)]2+ + H+
また、前記酸性溶液による表面処理を中性領域まで続けると、各イオンの水酸化物が合金表面に付着するため、活性度が低下する。従って、加水分解反応が生じるpH以上で、析出反応が生じるpH以下の領域で前記表面処理を終了させることが最も効果的である。
【0014】
【実施例】
(実施例1)
[水素吸蔵合金電極の作製]
Mm(ミッシュメタル;La,Ce,Nd,Pr等の希土類元素の混合物):Ni:Co:Al:Mnの各金属元素を1:3.4:0.8:0.2:0.6の元素比となるように市販の金属元素を秤量し、高周波溶解炉で溶融し、鋳型に流し込むことにより、組成式MmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6で表される水素吸蔵合金鋳塊を作製した。これを1000℃で10時間熱処理を行った。この合金鋳塊1kgに水を1リットル加え、ボールミルで平均粒径が50μmになるように粉砕した。
【0015】
前記のように作製した水素吸蔵合金をアルミニウムイオンを溶解したpH値が1.0の酸性溶液で表面処理を行い、本発明水素吸蔵合金a1を作製した。尚、添加量は塩化物状態で5wt%添加した。そして、pHが5.0に達した時点で溶液を捨て、酸処理を終了させて、水素吸蔵合金を純水で十分洗浄を行った。次に、前記表面処理した合金粉末に結着剤としてポリテトラフルオロエチレン粉末を合金質量に対して5wt%加えて混練し、ペーストを作製した。このペーストをパンチングメタルからなる集電体の両面に圧着後プレスして本発明水素吸蔵合金電極を作製した。
【0016】
[ニッケル−水素電池の作製]
前記のように作製した水素吸蔵合金電極と焼結式ニッケル極とをセパレータを介して巻回し、電極群を作製した。この電極群を外装缶に挿入し、さらに30重量%の水酸化カリウム水溶液を前記外装缶に注液した後、外装缶を密閉することにより円筒型ニッケル−水素電池を作製した。尚、このようにして作製した電池の理論容量は1000mAhである。
【0017】
(実施例2)
前記水素吸蔵合金の作製において、pH値が6.0に達した時点で溶液を捨てて酸処理を終了させた以外は、前記実施例1と同様にして本発明水素吸蔵合金a2、水素吸蔵電極及びニッケル−水素電池を作製した。
【0018】
(実施例3)
前記水素吸蔵合金の作製において、pH値が7.0に達した時点で溶液を捨てて酸処理を終了させた以外は、前記実施例1と同様にして本発明水素吸蔵合金a3、水素吸蔵電極及びニッケル−水素電池を作製した。
【0019】
(比較例1)
前記水素吸蔵合金の作製において、酸性溶液中にアルミニウムイオンを添加しない以外は、前記実施例1と同様にして比較水素吸蔵合金x1、水素吸蔵電極及びニッケル−水素電池を作製した。
【0020】
(比較例2)
前記水素吸蔵合金の作製において、酸性溶液中にアルミニウムイオンを添加しない以外は、前記実施例3と同様にして比較水素吸蔵合金x2、水素吸蔵電極及びニッケル−水素電池を作製した。
【0021】
(比較例3)
前記水素吸蔵合金電極の作製において、酸性溶液による表面処理をしない以外は、前記実施例1と同様にして比較水素吸蔵合金x3、水素吸蔵電極及びニッケル−水素電池を作製した。
【0022】
[電池特性試験]
▲1▼ 充電時内圧特性
前記の様にして作製したニッケル−水素電池を以下の条件で室温3サイクル充放電を行い、電池の活性化を行った。
【0023】
充電:100mA×16時間 休止:1時間
放電:200mA 放電終止電圧=1.0V 休止:1時間
前記の様にして活性化を行った電池を以下の条件で充電を行った時の電池内圧を測定し、その結果を下記表1に示す。
【0024】
充電:1000mA×1.5時間
▲2▼ 高率放電特性
前記実施例及び比較例で作製した水素吸蔵合金を用いて以下の様にして試験セルを作製し、高率放電特性(活性度)の評価を行った。
水素吸蔵合金粉末1gに、導電剤としてカルボニルニッケル1.2g、及び結着剤としてポリテトラフルオロエチレン粉末0.2g加え、混練して水素吸蔵合金ペーストを調整し、この水素吸蔵合金ペーストをニッケルメッシュで包みプレス加工することにより電極を作製した。この電極より充分大きな容量を持つ焼結式ニッケル極を密閉容器に配置し、電解液としてKOHを過剰量入れて、試験セルを作製した。
【0025】
次に、この試験セルを用いて、以下の条件で充放電を行い、高率放電特性(活性度)を測定し、その結果を下記表1に示す。
【0026】
最初に50mA/gの電流値で8時間充電し、1時間休止をおいて、200mA/gの電流値で放電終止電圧が1.0Vに達するまで放電し、このときの放電容量をCHとした。この後、1時間休止をおいて、即ち、電圧を復帰させて、5 0mA/gの電流値で放電終止電圧が1.0Vに達するまで放電し、このときの放電容量をCLとした。
【0027】
尚、高率放電特性の評価は 活性度(%)=CH/(CH+CL)×100とする。
【0028】
【表1】
【0029】
表1から明らかなように、本発明水素吸蔵合金a1〜a3を備えたニッケル−水素電池は、比較合金x1〜x3より、初期内圧特性及び高率放電特性が優れていることがわかる。これは、酸性溶液による表面洗浄効果、ニッケルリッチ層の形成効果に加え、アルミニウムイオンの加水分解による表面エッチング効果により、水素吸蔵合金の反応表面積が更に増大したものと考えられる。
【0030】
(実施例4〜15)
この実施例では、アルミニウムイオンを含有した塩酸溶液の初期pH値を種々変化させて反応終了pH値を一定にした場合と、アルミニウムイオンを含有した塩酸溶液の初期pH値を一定にして、反応終了pH値を種々変化させた場合の初期内圧特性と高率放電特性の評価を行った。
【0031】
ここで、アルミニウムイオンを含有した塩酸の初期pH値を0.5で処理した水素吸蔵合金をa4、初期pH値を1.0で処理した水素吸蔵合金をa5、初期pH値を2.0で処理した水素吸蔵合金をa6、初期pH値を3.0で処理した水素吸蔵合金をa7、初期pH値を4.0で処理した水素吸蔵合金をa8、初期pH値を4.5で処理した水素吸蔵合金をa9、初期pH値を5.0で処理した水素吸蔵合金をa10として、いずれの処理もpH値が6.0のとき反応を終了させた。
【0032】
また、アルミニウムイオンを含有した塩酸の初期pH値を1.0と一定にし、反応終了pH値を4.0で処理した水素吸蔵合金をa11、反応終了pH値を4.5で処理した水素吸蔵合金をa12、反応終了pH値を5.0で処理した水素吸蔵合金をa13、反応終了pH値を6.0で処理した水素吸蔵合金をa14、反応終了pH値を7.0で処理した水素吸蔵合金をa15とした。
【0033】
次に、前記実施例1と同様にして水素吸蔵合金電極及びニッケル−水素蓄電池を作製し、初期内圧特性及び高率放電特性の評価を行い、下記表2にその結果を示す。
【0034】
【表2】
【0035】
この表2の結果より、アルミニウムイオンを含有させた塩酸溶液の初期pH値を4.5以下にすることが好ましく、また、反応終了pH値を4.5以上6.0以下の範囲内に設定することが好ましいことがわかる。この時、アルミニウムイオンの加水分解反応が生じるpH値は4.5付近であり、アルミニウムイオンの水酸化物析出反応のpH値は6.0付近であることから、アルミニウムイオンの加水分解反応が生じるpH以上で、前記イオンの水酸化物が析出するpH以下の範囲で反応を終了させることが効果が大きいことがわかる。
【0036】
これは、酸処理反応をアルミニウムイオンが水酸化物として析出するpH値6.0を越えても処理をし続けると、アルミニウムイオンの水酸化物が水素吸蔵合金の表面に付着し、高率放電特性等が低下するためと考えられる。
【0037】
(実施例16〜26)
この実施例では、添加量が塩化物状態で5wt%のガリウムイオンを含有させた塩酸溶液で表面処理した水素吸蔵合金について、塩酸の初期pH値及び酸処理終了後のpHを様々に変化させ、前記実施例1と同様にして、水素吸蔵合金電極及びニッケル−水素蓄電池を作製すると共に、初期内圧特性及び高率放電特性の評価を行い、その結果を下記表3に示す。このとき、表3には、水素吸蔵合金の表面処理条件についても併せて表記する。
【0038】
【表3】
【0039】
表3より明らかなように、ガリウムイオンを含有させた塩酸溶液で水素吸蔵合金を表面処理すると電池内圧特性及び高率放電特性共に、比較例よりも優れていることがわかる。これは、ガリウムイオンの加水分解反応による表面エッチング効果で更に特性が向上したためと考えられる。
【0040】
また、ガリウムイオンを含有させた塩酸溶液の初期pH値を2.5以下にすることが好ましく、反応終了pH値を2.5以上4.5以下の範囲内に設定することが好ましいことがわかる。この時、ガリウムイオンの加水分解反応が生じるpH値は2.5付近であり、ガリウムイオンの水酸化物析出反応のpH値は4.5付近であることから、ガリウムイオンの加水分解反応が生じるpH以上で、前記イオンの水酸化物が析出するpH以下の範囲で反応を終了させることが効果が大きいことがわかる。
【0041】
これは、酸処理反応をガリウムイオンが水酸化物として析出するpH値4.5を越えても処理をし続けると、ガリウムイオンの水酸化物が水素吸蔵合金の表面に付着し、高率放電特性等が低下するためと考えられる。
【0042】
(実施例27〜37)
この実施例では、添加量が塩化物状態で5wt%のインジウムイオンを含有させた塩酸溶液で表面処理した水素吸蔵合金について、塩酸の初期pH値及び酸処理終了時のpHを様々に変化させ、前記実施例1と同様にして、水素吸蔵合金電極及びニッケル−水素蓄電池を作製すると共に、初期内圧特性及び高率放電特性の評価を行い、その結果を下記表4に示す。このとき、表4には、水素吸蔵合金の表面処理条件についても併せて表記する。
【0043】
【表4】
【0044】
表4より明らかなように、インジウムイオンを含有させた塩酸溶液で水素吸蔵合金を表面処理すると電池内圧特性及び高率放電特性共に、比較例よりも優れていることがわかる。これは、インジウムイオンの加水分解反応による表面エッチング効果で更に特性が向上したためと考えられる。
【0045】
また、インジウムイオンを含有させた塩酸溶液の初期pH値を3.5以下にすることが好ましく、反応終了pH値を3.5以上4.5以下の範囲内に設定することが好ましいことがわかる。この時、インジウムイオンの加水分解反応が生じるpH値は3.5付近であり、インジウムイオンの水酸化物析出反応のpH値は4.5付近であることから、インジウムイオンの加水分解反応が生じるpH以上で、前記イオンの水酸化物が析出するpH以下の範囲で反応を終了させることが効果が大きいことがわかる。
【0046】
これは、酸処理反応をインジウムイオンが水酸化物として析出するpH値4.5を越えても処理をし続けると、インジウムイオンの水酸化物が水素吸蔵合金の表面に付着し、高率放電特性等が低下するためと考えられる。
【0047】
(実施例38〜45)
この実施例では、添加量が塩化物状態で5wt%のタリウムイオンを含有させた塩酸溶液で表面処理した水素吸蔵合金について、塩酸の初期pH値及び酸処理終了時のpHを種々変化させ、前記実施例1と同様にして、水素吸蔵合金電極及びニッケル−水素蓄電池を作製すると共に、初期内圧特性及び高率放電特性の評価を行い、ぞの結果を下記表5に示す。この時、表5には、水素吸蔵合金の表面処理条件についても併せて表記する。
【0048】
【表5】
【0049】
表5より明らかなように、タリウムイオンを含有させた塩酸溶液で水素吸蔵合金を表面処理すると電池内圧及び高率放電特性共に、比較例よりも優れていることがわかる。これは、タリウムイオンの加水分解反応による表面エッチング効果で更に特性が向上したためと考えられる。
【0050】
また、タリウムイオンを含有させた塩酸溶液の初期pH値を1.0以下にすることが好ましく、反応終了pH値を1.0以上1.5以下の範囲内に設定することが好ましいことがわかる。この時、タリウムイオンの加水分解反応が生じるpH値は1.0付近であり、タリウムイオンの水酸化物析出反応のpH値は1.5付近であることから、タリウムイオンの加水分解反応が生じるpH以上で、前記イオンの水酸化物が析出するpH以下の範囲で反応を終了させることが効果が大きいことがわかる。
【0051】
これは、酸処理反応をタリウムイオンが水酸化物として析出するpH値1.5を越えても処理をし続けると、タリウムイオンの水酸化物が水素吸蔵合金の表面に付着し、高率放電特性等が低下するためと考えられる。
【0052】
尚、本実施例では、酸性溶液として塩酸を使用したが、これに限らず、硝酸、硫酸、フッ酸等を使用しても良い。
【0053】
また、本実施例では、アルミニウムイオン等の添加量が塩化物状態で5wt%に設定したが、1wt%以上10wt%以下でも同様の効果が得られる。
【0054】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明の水素吸蔵合金電極の製造方法は、水素吸蔵合金をアルミニウムイオン、ガリウムイオン、インジウムイオン、タリウムイオンの群から選ばれた少なくとも1種以上のイオンを含有した酸性溶液で表面処理をしているので、電池初期内圧特性及び高率放電特性の優れた金属水素化物蓄電池が得られる。
【産業上の利用分野】
本発明は、電気化学的に水素を吸蔵、放出する水素吸蔵合金を備えた水素吸蔵合金電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素吸蔵合金を負極に用いた金属水素化物蓄電池は、従来からよく使用されているニッケル−カドミウム蓄電池あるいは鉛蓄電池より軽量、且つ高容量で、高エネルギー密度となる可能性があるという点で注目されている。
【0003】
この水素吸蔵合金電極は、希土類−ニッケル系合金、マグネシウム−ニッケル系合金、チタン−ニッケル系合金等の水素吸蔵合金を主とする活物質が集電体の機能を有する活物質保持体に保持されて構成されている。
【0004】
このような水素吸蔵合金電極の製造方法としては、水素吸蔵合金をポリテトラフルオロエチレン等の結着剤と適量の水とを混練してペーストを作製し、このペーストをパンチングメタルやエキスパンドメタル等の活物質保持体の両面に塗着、乾燥して作製する方法が一般的に用いられている。そして、この水素吸蔵合金電極と焼結式または非焼結式ニッケル正極とをセパレータを介して巻回して電極群を作製し、この電極群を電池外装缶に収納し、アルカリ電解液を注液して封口することによって金属水素化物蓄電池を作製することができる。
【0005】
ところで、このような金属水素化物蓄電池に用いられる水素吸蔵合金は、合金の粉砕工程、電極の作製工程或るいは電池の組立て工程において表面酸化を受けやすく、水素吸蔵合金粒子間の接触抵抗が増大し、電極における導電性が低下するために高率放電特性が低下するという傾向があった。
【0006】
そこで、特開平4−179055号公報には、水素吸蔵合金の表面酸化膜を除去するために酸性溶液で水素吸蔵合金を表面処理することが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
酸性溶液で水素吸蔵合金を表面処理すると、表面酸化膜が除去されるとともに、水素吸蔵合金の反応表面積がある程度増大するために活性度が高くなり、高率放電特性等が向上する。しかしながら、前記のような単なる酸性溶液での水素吸蔵合金の表面処理方法では、該合金の反応表面積を増大させるという効果は未だ不十分であり、改良の余地がある。
【0008】
また、酸処理していくに従って酸性溶液のpHが上昇し、pHが約5を越えた時点で酸性溶液中に溶解した希土類元素が水酸化物として析出し、十分な活性度を得ることができないという問題もあった。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、十分な活性度が得られる水素吸蔵合金電極を提供し、高率放電特性及び電池内圧が低減された金属水素化物蓄電池を提供しようとすることを本発明の課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の水素吸蔵合金電極の製造方法は、水素吸蔵合金をアルミニウムイオン、ガリウムイオン、インジウムイオン、タリウムイオンの群から選ばれた少なくとも1種以上のイオンを含有した酸性溶液で表面処理したことを特徴とする。
【0011】
また、前記酸性溶液による表面処理が、前記イオンの加水分解反応が生じるpH以上で、前記イオンの水酸化物が析出するpH以下の範囲で前記表面処理を終了させることを特徴とする。
【0012】
【作用】
水素吸蔵合金を酸性溶液で表面処理することにより、該合金の反応表面積が増大するとともに、合金表面がニッケルリッチ層となる。このニッケルリッチ層は水素の吸収・放出反応の触媒となる他に、過充電時に正極から発生した酸素ガス吸収反応の触媒となる。また、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、インジウムイオン、タリウムイオンの群から選ばれた少なくとも1種以上のイオンを前記酸性溶液に含有させることにより、これらのイオンの下記加水分解反応により水素吸蔵合金の表面が更にエッチングされるので、該合金表面の反応表面積が更に増大し、活性度の高い水素吸蔵合金が得られる。
【0013】
加水分解反応 : [M(H2O)6]3+=[M(H2O)5(OH)]2+ + H+
また、前記酸性溶液による表面処理を中性領域まで続けると、各イオンの水酸化物が合金表面に付着するため、活性度が低下する。従って、加水分解反応が生じるpH以上で、析出反応が生じるpH以下の領域で前記表面処理を終了させることが最も効果的である。
【0014】
【実施例】
(実施例1)
[水素吸蔵合金電極の作製]
Mm(ミッシュメタル;La,Ce,Nd,Pr等の希土類元素の混合物):Ni:Co:Al:Mnの各金属元素を1:3.4:0.8:0.2:0.6の元素比となるように市販の金属元素を秤量し、高周波溶解炉で溶融し、鋳型に流し込むことにより、組成式MmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6で表される水素吸蔵合金鋳塊を作製した。これを1000℃で10時間熱処理を行った。この合金鋳塊1kgに水を1リットル加え、ボールミルで平均粒径が50μmになるように粉砕した。
【0015】
前記のように作製した水素吸蔵合金をアルミニウムイオンを溶解したpH値が1.0の酸性溶液で表面処理を行い、本発明水素吸蔵合金a1を作製した。尚、添加量は塩化物状態で5wt%添加した。そして、pHが5.0に達した時点で溶液を捨て、酸処理を終了させて、水素吸蔵合金を純水で十分洗浄を行った。次に、前記表面処理した合金粉末に結着剤としてポリテトラフルオロエチレン粉末を合金質量に対して5wt%加えて混練し、ペーストを作製した。このペーストをパンチングメタルからなる集電体の両面に圧着後プレスして本発明水素吸蔵合金電極を作製した。
【0016】
[ニッケル−水素電池の作製]
前記のように作製した水素吸蔵合金電極と焼結式ニッケル極とをセパレータを介して巻回し、電極群を作製した。この電極群を外装缶に挿入し、さらに30重量%の水酸化カリウム水溶液を前記外装缶に注液した後、外装缶を密閉することにより円筒型ニッケル−水素電池を作製した。尚、このようにして作製した電池の理論容量は1000mAhである。
【0017】
(実施例2)
前記水素吸蔵合金の作製において、pH値が6.0に達した時点で溶液を捨てて酸処理を終了させた以外は、前記実施例1と同様にして本発明水素吸蔵合金a2、水素吸蔵電極及びニッケル−水素電池を作製した。
【0018】
(実施例3)
前記水素吸蔵合金の作製において、pH値が7.0に達した時点で溶液を捨てて酸処理を終了させた以外は、前記実施例1と同様にして本発明水素吸蔵合金a3、水素吸蔵電極及びニッケル−水素電池を作製した。
【0019】
(比較例1)
前記水素吸蔵合金の作製において、酸性溶液中にアルミニウムイオンを添加しない以外は、前記実施例1と同様にして比較水素吸蔵合金x1、水素吸蔵電極及びニッケル−水素電池を作製した。
【0020】
(比較例2)
前記水素吸蔵合金の作製において、酸性溶液中にアルミニウムイオンを添加しない以外は、前記実施例3と同様にして比較水素吸蔵合金x2、水素吸蔵電極及びニッケル−水素電池を作製した。
【0021】
(比較例3)
前記水素吸蔵合金電極の作製において、酸性溶液による表面処理をしない以外は、前記実施例1と同様にして比較水素吸蔵合金x3、水素吸蔵電極及びニッケル−水素電池を作製した。
【0022】
[電池特性試験]
▲1▼ 充電時内圧特性
前記の様にして作製したニッケル−水素電池を以下の条件で室温3サイクル充放電を行い、電池の活性化を行った。
【0023】
充電:100mA×16時間 休止:1時間
放電:200mA 放電終止電圧=1.0V 休止:1時間
前記の様にして活性化を行った電池を以下の条件で充電を行った時の電池内圧を測定し、その結果を下記表1に示す。
【0024】
充電:1000mA×1.5時間
▲2▼ 高率放電特性
前記実施例及び比較例で作製した水素吸蔵合金を用いて以下の様にして試験セルを作製し、高率放電特性(活性度)の評価を行った。
水素吸蔵合金粉末1gに、導電剤としてカルボニルニッケル1.2g、及び結着剤としてポリテトラフルオロエチレン粉末0.2g加え、混練して水素吸蔵合金ペーストを調整し、この水素吸蔵合金ペーストをニッケルメッシュで包みプレス加工することにより電極を作製した。この電極より充分大きな容量を持つ焼結式ニッケル極を密閉容器に配置し、電解液としてKOHを過剰量入れて、試験セルを作製した。
【0025】
次に、この試験セルを用いて、以下の条件で充放電を行い、高率放電特性(活性度)を測定し、その結果を下記表1に示す。
【0026】
最初に50mA/gの電流値で8時間充電し、1時間休止をおいて、200mA/gの電流値で放電終止電圧が1.0Vに達するまで放電し、このときの放電容量をCHとした。この後、1時間休止をおいて、即ち、電圧を復帰させて、5 0mA/gの電流値で放電終止電圧が1.0Vに達するまで放電し、このときの放電容量をCLとした。
【0027】
尚、高率放電特性の評価は 活性度(%)=CH/(CH+CL)×100とする。
【0028】
【表1】
【0029】
表1から明らかなように、本発明水素吸蔵合金a1〜a3を備えたニッケル−水素電池は、比較合金x1〜x3より、初期内圧特性及び高率放電特性が優れていることがわかる。これは、酸性溶液による表面洗浄効果、ニッケルリッチ層の形成効果に加え、アルミニウムイオンの加水分解による表面エッチング効果により、水素吸蔵合金の反応表面積が更に増大したものと考えられる。
【0030】
(実施例4〜15)
この実施例では、アルミニウムイオンを含有した塩酸溶液の初期pH値を種々変化させて反応終了pH値を一定にした場合と、アルミニウムイオンを含有した塩酸溶液の初期pH値を一定にして、反応終了pH値を種々変化させた場合の初期内圧特性と高率放電特性の評価を行った。
【0031】
ここで、アルミニウムイオンを含有した塩酸の初期pH値を0.5で処理した水素吸蔵合金をa4、初期pH値を1.0で処理した水素吸蔵合金をa5、初期pH値を2.0で処理した水素吸蔵合金をa6、初期pH値を3.0で処理した水素吸蔵合金をa7、初期pH値を4.0で処理した水素吸蔵合金をa8、初期pH値を4.5で処理した水素吸蔵合金をa9、初期pH値を5.0で処理した水素吸蔵合金をa10として、いずれの処理もpH値が6.0のとき反応を終了させた。
【0032】
また、アルミニウムイオンを含有した塩酸の初期pH値を1.0と一定にし、反応終了pH値を4.0で処理した水素吸蔵合金をa11、反応終了pH値を4.5で処理した水素吸蔵合金をa12、反応終了pH値を5.0で処理した水素吸蔵合金をa13、反応終了pH値を6.0で処理した水素吸蔵合金をa14、反応終了pH値を7.0で処理した水素吸蔵合金をa15とした。
【0033】
次に、前記実施例1と同様にして水素吸蔵合金電極及びニッケル−水素蓄電池を作製し、初期内圧特性及び高率放電特性の評価を行い、下記表2にその結果を示す。
【0034】
【表2】
【0035】
この表2の結果より、アルミニウムイオンを含有させた塩酸溶液の初期pH値を4.5以下にすることが好ましく、また、反応終了pH値を4.5以上6.0以下の範囲内に設定することが好ましいことがわかる。この時、アルミニウムイオンの加水分解反応が生じるpH値は4.5付近であり、アルミニウムイオンの水酸化物析出反応のpH値は6.0付近であることから、アルミニウムイオンの加水分解反応が生じるpH以上で、前記イオンの水酸化物が析出するpH以下の範囲で反応を終了させることが効果が大きいことがわかる。
【0036】
これは、酸処理反応をアルミニウムイオンが水酸化物として析出するpH値6.0を越えても処理をし続けると、アルミニウムイオンの水酸化物が水素吸蔵合金の表面に付着し、高率放電特性等が低下するためと考えられる。
【0037】
(実施例16〜26)
この実施例では、添加量が塩化物状態で5wt%のガリウムイオンを含有させた塩酸溶液で表面処理した水素吸蔵合金について、塩酸の初期pH値及び酸処理終了後のpHを様々に変化させ、前記実施例1と同様にして、水素吸蔵合金電極及びニッケル−水素蓄電池を作製すると共に、初期内圧特性及び高率放電特性の評価を行い、その結果を下記表3に示す。このとき、表3には、水素吸蔵合金の表面処理条件についても併せて表記する。
【0038】
【表3】
【0039】
表3より明らかなように、ガリウムイオンを含有させた塩酸溶液で水素吸蔵合金を表面処理すると電池内圧特性及び高率放電特性共に、比較例よりも優れていることがわかる。これは、ガリウムイオンの加水分解反応による表面エッチング効果で更に特性が向上したためと考えられる。
【0040】
また、ガリウムイオンを含有させた塩酸溶液の初期pH値を2.5以下にすることが好ましく、反応終了pH値を2.5以上4.5以下の範囲内に設定することが好ましいことがわかる。この時、ガリウムイオンの加水分解反応が生じるpH値は2.5付近であり、ガリウムイオンの水酸化物析出反応のpH値は4.5付近であることから、ガリウムイオンの加水分解反応が生じるpH以上で、前記イオンの水酸化物が析出するpH以下の範囲で反応を終了させることが効果が大きいことがわかる。
【0041】
これは、酸処理反応をガリウムイオンが水酸化物として析出するpH値4.5を越えても処理をし続けると、ガリウムイオンの水酸化物が水素吸蔵合金の表面に付着し、高率放電特性等が低下するためと考えられる。
【0042】
(実施例27〜37)
この実施例では、添加量が塩化物状態で5wt%のインジウムイオンを含有させた塩酸溶液で表面処理した水素吸蔵合金について、塩酸の初期pH値及び酸処理終了時のpHを様々に変化させ、前記実施例1と同様にして、水素吸蔵合金電極及びニッケル−水素蓄電池を作製すると共に、初期内圧特性及び高率放電特性の評価を行い、その結果を下記表4に示す。このとき、表4には、水素吸蔵合金の表面処理条件についても併せて表記する。
【0043】
【表4】
【0044】
表4より明らかなように、インジウムイオンを含有させた塩酸溶液で水素吸蔵合金を表面処理すると電池内圧特性及び高率放電特性共に、比較例よりも優れていることがわかる。これは、インジウムイオンの加水分解反応による表面エッチング効果で更に特性が向上したためと考えられる。
【0045】
また、インジウムイオンを含有させた塩酸溶液の初期pH値を3.5以下にすることが好ましく、反応終了pH値を3.5以上4.5以下の範囲内に設定することが好ましいことがわかる。この時、インジウムイオンの加水分解反応が生じるpH値は3.5付近であり、インジウムイオンの水酸化物析出反応のpH値は4.5付近であることから、インジウムイオンの加水分解反応が生じるpH以上で、前記イオンの水酸化物が析出するpH以下の範囲で反応を終了させることが効果が大きいことがわかる。
【0046】
これは、酸処理反応をインジウムイオンが水酸化物として析出するpH値4.5を越えても処理をし続けると、インジウムイオンの水酸化物が水素吸蔵合金の表面に付着し、高率放電特性等が低下するためと考えられる。
【0047】
(実施例38〜45)
この実施例では、添加量が塩化物状態で5wt%のタリウムイオンを含有させた塩酸溶液で表面処理した水素吸蔵合金について、塩酸の初期pH値及び酸処理終了時のpHを種々変化させ、前記実施例1と同様にして、水素吸蔵合金電極及びニッケル−水素蓄電池を作製すると共に、初期内圧特性及び高率放電特性の評価を行い、ぞの結果を下記表5に示す。この時、表5には、水素吸蔵合金の表面処理条件についても併せて表記する。
【0048】
【表5】
【0049】
表5より明らかなように、タリウムイオンを含有させた塩酸溶液で水素吸蔵合金を表面処理すると電池内圧及び高率放電特性共に、比較例よりも優れていることがわかる。これは、タリウムイオンの加水分解反応による表面エッチング効果で更に特性が向上したためと考えられる。
【0050】
また、タリウムイオンを含有させた塩酸溶液の初期pH値を1.0以下にすることが好ましく、反応終了pH値を1.0以上1.5以下の範囲内に設定することが好ましいことがわかる。この時、タリウムイオンの加水分解反応が生じるpH値は1.0付近であり、タリウムイオンの水酸化物析出反応のpH値は1.5付近であることから、タリウムイオンの加水分解反応が生じるpH以上で、前記イオンの水酸化物が析出するpH以下の範囲で反応を終了させることが効果が大きいことがわかる。
【0051】
これは、酸処理反応をタリウムイオンが水酸化物として析出するpH値1.5を越えても処理をし続けると、タリウムイオンの水酸化物が水素吸蔵合金の表面に付着し、高率放電特性等が低下するためと考えられる。
【0052】
尚、本実施例では、酸性溶液として塩酸を使用したが、これに限らず、硝酸、硫酸、フッ酸等を使用しても良い。
【0053】
また、本実施例では、アルミニウムイオン等の添加量が塩化物状態で5wt%に設定したが、1wt%以上10wt%以下でも同様の効果が得られる。
【0054】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明の水素吸蔵合金電極の製造方法は、水素吸蔵合金をアルミニウムイオン、ガリウムイオン、インジウムイオン、タリウムイオンの群から選ばれた少なくとも1種以上のイオンを含有した酸性溶液で表面処理をしているので、電池初期内圧特性及び高率放電特性の優れた金属水素化物蓄電池が得られる。
Claims (6)
- 電気化学的に水素を吸蔵、放出する水素吸蔵合金を備えた水素吸蔵合金電極の製造方法において、前記水素吸蔵合金をアルミニウムイオン、ガリウムイオン、インジウムイオン、タリウムイオンの群から選ばれた少なくとも1種以上のイオンを含有した酸性溶液で表面処理したことを特徴とする水素吸蔵合金電極の製造方法。
- 前記酸性溶液による表面処理が、前記イオンの加水分解反応が生じるpH以上で、前記イオンの水酸化物が析出するpH以下の範囲で前記表面処理を終了させることを特徴とする請求項1記載の水素吸蔵合金電極の製造方法。
- 水素吸蔵合金をアルミニウムイオンを含有したpH4.5以下の酸性溶液で表面処理し、pH4.5以上6.0以下の範囲で前記表面処理を終了させたことを特徴とする請求項2記載の水素吸蔵合金電極の製造方法。
- 水素吸蔵合金をガリウムイオンを含有したpH2.5以下の酸性溶液で表面処理し、pH2.5以上4.5以下の範囲で前記表面処理を終了させたことを特徴とする請求項2記載の水素吸蔵合金電極の製造方法。
- 水素吸蔵合金をインンジウムイオンを含有したpH3.5以下の酸性溶液で表面処理し、pH3.5以上4.5以下の範囲で前記表面処理を終了させたことを特徴とする請求項2記載の水素吸蔵合金電極の製造方法。
- 水素吸蔵合金をタリウムイオンを含有したpH1.0以下の酸性溶液で表面処理し、pH1.0以上1.5以下の範囲で前記表面処理を終了させたことを特徴とする請求項2記載の水素吸蔵合金電極の製造方法。
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