JP2000285915A - 水素吸蔵合金電極を備えたアルカリ蓄電池およびその製造方法 - Google Patents

水素吸蔵合金電極を備えたアルカリ蓄電池およびその製造方法

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JP2000285915A JP11089582A JP8958299A JP2000285915A JP 2000285915 A JP2000285915 A JP 2000285915A JP 11089582 A JP11089582 A JP 11089582A JP 8958299 A JP8958299 A JP 8958299A JP 2000285915 A JP2000285915 A JP 2000285915A
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hydrogen
electrode
rare earth
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Tadashi Ise
忠司 伊勢
Yasushi Kuroda
黒田  靖
Tetsuyuki Murata
徹行 村田
Yohei Hirota
洋平 廣田
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温放電特性に優れ、耐食性に優れた水素吸
蔵合金を得て、低温放電特性およびサイクル特性に優れ
たアルカリ蓄電池を得る。 【解決手段】 本発明の水素吸蔵合金電極は、希土類元
素およびニッケル金属を含有する水素吸蔵合金粒子を備
え、水素吸蔵合金粒子の表面にニッケル金属が過剰で希
土類元素が少ない層を備え、水素吸蔵合金電極中に希土
類元素の化合物を含有させている。このように、水素吸
蔵合金の表面に金属ニッケルリッチで希土類元素の酸化
物が少ない層を備えるようにすることで、低温放電特性
が向上し、この水素吸蔵合金に希土類元素の化合物を添
加することで、耐食性の優れた電極となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気化学的に水素
の吸蔵・放出を可逆的に行うことができる水素吸蔵合金
電極を備えたアルカリ蓄電池およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高エネルギー密度のアルカリ蓄電
池とするために、水素吸蔵合金電極を用いたニッケル−
水素蓄電池が注目され、実用化されるようになった。こ
のニッケル−水素蓄電池の負極に用いる水素吸蔵合金と
しては、Ti−Ni系合金、La(またはMm(ミッシ
ュメタル:希土類元素を主体とする混合物))−Ni系
合金等が知られている。これらの水素吸蔵合金電極のサ
イクル特性を向上させるために、特開昭63−1661
46号公報において、水素吸蔵合金電極に水素吸蔵合金
成分の酸化物を添加することが提案されている。また、
特開平10−106620号公報において、電解液に希
土類元素のイオンを添加することが提案されている。
【0003】さらに、特開平10−106550号公報
において、水素吸蔵合金電極にイットリウムを添加する
とともに、水素吸蔵合金の表面にランタノイドの酸化物
または水酸化物を備えるようにして、電池寿命をさらに
向上させとが提案されている。また、特開平9−758
8号公報において、遷移金属層を形成させた水素吸蔵合
金に希土類元素を添加し、電池内圧の上昇を抑制するこ
とが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水素吸
蔵合金電極に希土類元素を添加すると電池寿命が向上す
る反面、低温放電特性が低下するという問題を生じた。
これは、水素吸蔵合金の表面はニッケル金属およびニッ
ケルや希土類の酸化物で形成されており、反応活性点は
ニッケルの金属部分であると考えられるが、希土類の酸
化物または水酸化物が水素吸蔵合金の表面を被覆する
と、反応活性点となるニッケルの金属部分までも被覆し
てしまうためと考えられる。
【0005】このことから、低温放電特性を低下させな
いためには、水素吸蔵合金表面の金属ニッケルの比率を
高くして、酸化物の比率を低くすることが有効であると
考えられる。そこで、特開平10−106550号公報
において、水素吸蔵合金をアルカリ溶液で処理すること
が提案されている。しかしながら、水素吸蔵合金をアル
カリ溶液で処理すると、水素吸蔵合金の表面に酸化物層
が形成されて、逆に、この酸化物層に別に添加したこの
酸化物と親和性が高い希土類元素の酸化物が付着して、
低温放電特性がさらに低下するという問題を生じた。
【0006】また、特開平9−7588号公報におい
て、弱酸性溶液で処理することが提案されているが、弱
酸性溶液で処理すると水素吸蔵合金表面の希土類元素の
酸化物は除去できるが、ニッケルやコバルトの酸化物は
除去できず、金属ニッケルリッチ部分が少ないために充
分な効果が得られなかった。そこで、本発明は上記問題
点に鑑みてなされたものであり、低温放電特性に優れ、
耐食性に優れた水素吸蔵合金を得て、低温放電特性およ
びサイクル特性に優れたアルカリ蓄電池を得ることを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記目的を達成するため、本発明のアルカリ蓄電池は、希
土類元素およびニッケル金属を含有する水素吸蔵合金粒
子を備えるとともに、この水素吸蔵合金粒子の表面にニ
ッケル金属が過剰(ニッケルリッチ)で希土類元素が少
ない層を備えた水素吸蔵合金に希土類元素の化合物を含
有させた水素吸蔵合金電極を備えるようにしている。
【0008】このように、水素吸蔵合金の表面に金属ニ
ッケルリッチで希土類元素の酸化物が少ない層を備える
ようにすることで、低温放電特性が向上し、この水素吸
蔵合金に希土類元素の化合物を添加することで、耐食性
の優れた電極となる。これは、次のように考えられる。
即ち、希土類元素の酸化物が水素吸蔵合金の表面に析出
する場合、酸化物層部分に析出する場合は親和性が強く
て強固な層が形成されるが、金属ニッケル層部分に析出
する場合は親和性が弱いために金属ニッケル層を完全に
被覆することなく、適度な酸化防止層を形成することが
できるためと考えられる。
【0009】そして、表面に金属ニッケルが過剰(ニッ
ケルリッチ)で希土類元素が少ない層を備えた水素吸蔵
合金に希土類元素の化合物を添加することに代えて、電
解液中に希土類元素のイオンを含有させるようにして
も、低温放電特性が向上し、かつ耐食性に優れた水素吸
蔵合金電極となる。この結果、このような電極を備える
ことにより、低温放電特性およびサイクル特性が向上し
たアルカリ蓄電池が得られるようになる。
【0010】水素吸蔵合金の表面に金属ニッケルリッチ
で希土類元素レス層を作る方法としては、特開平8−2
7935号公報において、水素吸蔵合金を強酸溶液で処
理することが提案されている。これによれば、強酸溶液
で処理することにより、水素吸蔵合金表面の希土類元素
とニッケル酸化物を溶解し、金属ニッケル層を形成する
ことができる。しかしながら、強酸溶液で処理しただけ
では、溶解したニッケルイオンが溶液中のアニオンと塩
を形成し、この塩が水素吸蔵合金の表面に析出してしま
うため、低温放電特性が低下する。
【0011】そこで、本発明においては、水素吸蔵合金
を強酸溶液で処理した後、アニオンの残留量が5×10
-6モル/g以下になるまで洗浄液で洗浄または洗浄保存
する方法を採用している。水素吸蔵合金を強酸溶液で処
理した後、アニオンの残留量が5×10-6モル/g以下
になるまで洗浄すると、溶解したニッケルイオンが溶液
中のアニオンと塩を形成しても、この塩が水素吸蔵合金
の表面に析出することがないため、低温放電特性が向上
する。
【0012】なお、一般式がMmNiXCoYAlZMnW
(但し、X+Y+Z+W>5で、かつX+Y>4の関係
を有する)で表される水素吸蔵合金を用いると、ニッケ
ルやコバルトの活性点が多くなるため、より低温特性が
向上して、サイクル特性も向上する。また、水素吸蔵合
金の熱処理を900℃以上の温度で行ったり、急冷凝固
を行うことにより、水素吸蔵合金の結晶組織が均一にな
るため、充放電サイクル時の微粉化を遅延させることが
可能となるため、よりサイクル特性が向上する。
【発明の実施の形態】以下に、本発明の水素吸蔵合金電
極をニッケル−水素蓄電池に適用した場合の本発明の一
実施形態を説明する。 1.水素吸蔵合金の作製
【0013】MmNi3.60Co0.60Al0.3Mn0.5(な
お、Mmはミッシュメタルで希土類金属を主体とする混
合物である)、MmNi3.35Co0.60Al0.3Mn0.8
MmNi3.70Co0.55Al0.3Mn0.5となるように市販
の金属元素を秤量して混合した後、このものを高周波溶
解炉に投入して溶解させ、水冷した銅製ロール上で冷却
(急冷凝固法)した。ついで、この水素吸蔵合金を下記
の表1に示す温度で熱処理した後、水素吸蔵合金の塊
(インゴット)1Kgに対して水1リットルを加えてボ
ールミル内に投入し、平均粒径が40μmになるように
粉砕して、水素吸蔵合金粉末A,B,C,Dをそれぞれ
作製した。なお、表1には水素吸蔵合金をMmNiX
YAlZMnWと表したときのX+Y+Z+Wの値およ
びX+Yの値も示している。
【0014】
【表1】
【0015】2.水素吸蔵合金の表面処理 (1)強酸処理後に洗浄液で洗浄処理する場合 a.水素吸蔵合金粉末A1,B1,C1,D1 上述のようにして得られた1kgの水素吸蔵合金粉末
A,B,C,Dを、塩酸溶液(pH1.0)1kg中に
それぞれ別々に添加し、混合撹拌して、約10分間の強
酸処理を行った。その後、0.3重量%のリン酸水素二
ナトリウム水溶液(なお、このリン酸水素二ナトリウム
は酸化防止剤として作用する)で洗浄処理を行い、塩素
イオン濃度が5×10-6モル/g以下になるまで洗浄し
て、水素吸蔵合金粉末A1,B1,C1,D1をそれぞ
れ作製した。
【0016】b.水素吸蔵合金粉末D2 上述のようにして得られた1kgの水素吸蔵合金粉末D
を、塩酸溶液(pH2.0)1kg中に添加し、混合撹
拌して、約10分間の強酸処理を行った。その後、0.
3重量%のリン酸水素二ナトリウム水溶液で洗浄処理を
行い、塩素イオン濃度が5×10-6モル/g以下になる
まで洗浄して、水素吸蔵合金粉末D2を作製した。
【0017】c.水素吸蔵合金粉末D3 上述のようにして得られた1kgの水素吸蔵合金粉末D
を、塩酸溶液(pH0.5)1kg中に添加し、混合撹
拌して、約10分間の強酸処理を行った。その後、0.
3重量%のリン酸水素二ナトリウム水溶液で洗浄処理を
行い、塩素イオン濃度が5×10-6モル/g以下になる
まで洗浄して、水素吸蔵合金粉末D3を作製した。
【0018】d.水素吸蔵合金粉末D4 上述のようにして得られた1kgの水素吸蔵合金粉末D
を、塩酸溶液(pH1.0)1kg中に添加し、混合撹
拌して、約10分間の強酸処理を行った。その後、水洗
処理を行い、塩素イオン濃度が5×10-6モル/g以下
になるまで洗浄して、水素吸蔵合金粉末D4を作製し
た。
【0019】e.水素吸蔵合金粉末D5 上述のようにして得られた1kgの水素吸蔵合金粉末D
を、塩酸溶液(pH4.0)1kg中に添加し、混合撹
拌して、約10分間の強酸処理を行った。その後、0.
3重量%のリン酸水素二ナトリウム水溶液で洗浄処理を
行い、塩素イオン濃度が5×10-6モル/g以下になる
まで洗浄して、水素吸蔵合金粉末D5を作製した。
【0020】f.水素吸蔵合金粉末D6 上述のようにして得られた1kgの水素吸蔵合金粉末D
を、塩酸溶液(pH1.0)1kg中に添加し、混合撹
拌して、約10分間の強酸処理を行った。その後、水洗
処理を行い、塩素イオン濃度が10×10-6モル/g以
下になるまで洗浄して、水素吸蔵合金粉末D6を作製し
た。
【0021】(2)強酸処理後に弱酸処理して洗浄する
場合 a.水素吸蔵合金粉末D7 上述のようにして得られた1kgの水素吸蔵合金粉末D
を、塩酸溶液(pH1.0)1kg中に添加し、混合撹
拌して、約10分間の強酸処理を行った。その後、塩酸
水溶液(pH5.0)中で約10分間の弱酸処理を行っ
た後、純水で洗浄処理を行い、塩素イオン濃度が5×1
-6モル/g以下になるまで洗浄して、水素吸蔵合金粉
末D7を作製した。
【0022】b.水素吸蔵合金粉末D8 上述のようにして得られた1kgの水素吸蔵合金粉末D
を、塩酸溶液(pH1.0)1kg中に添加し、混合撹
拌して、約10分間の強酸処理を行った。その後、塩酸
水溶液(pH4.0)中で約10分間の弱酸処理を行っ
た後、純水で洗浄処理を行い、塩素イオン濃度が5×1
-6モル/g以下になるまで洗浄して、水素吸蔵合金粉
末D8を作製した。
【0023】c.水素吸蔵合金粉末D9 上述のようにして得られた1kgの水素吸蔵合金粉末D
を、塩酸溶液(pH1.0)1kg中に添加し、混合撹
拌して、約10分間の強酸処理を行った。その後、塩酸
水溶液(pH2.2)中で約10分間の酸処理を行った
後、純水で洗浄処理を行い、塩素イオン濃度が5×10
-6モル/g以下になるまで洗浄して、水素吸蔵合金粉末
D9を作製した。
【0024】d.水素吸蔵合金粉末D10 上述のようにして得られた1kgの水素吸蔵合金粉末D
を、塩酸溶液(pH1.0)1kg中に添加し、混合撹
拌して、約10分間の強酸処理を行った。その後、フタ
ル酸水素カリウム−塩酸混合溶液(pH3.0)中で約
10分間の酸処理を行った後、純水で洗浄処理を行い、
塩素イオン濃度が5×10-6モル/g以下になるまで洗
浄して、水素吸蔵合金粉末D10を作製した。
【0025】e.水素吸蔵合金粉末D11 上述のようにして得られた1kgの水素吸蔵合金粉末D
を、塩酸溶液(pH1.0)1kg中に添加し、混合撹
拌して、約10分間の強酸処理を行った。その後、リン
酸水素二ナトリウム−クエン酸混合溶液(pH4.0)
中で約10分間の酸処理を行った後、純水で洗浄処理を
行い、塩素イオン濃度が5×10-6モル/g以下になる
まで洗浄して、水素吸蔵合金粉末D11を作製した。
【0026】f.水素吸蔵合金粉末D12 上述のようにして得られた1kgの水素吸蔵合金粉末D
を、酢酸−酢酸ナトリウム混合溶液(pH3.5)1k
g中に添加し、混合撹拌して、約10分間の処理を行っ
た。その後、純水で水洗処理を行い、塩素イオン濃度が
10×10-6モル/g以下になるまで洗浄して、水素吸
蔵合金粉末D12を作製した。
【0027】3.水素吸蔵合金電極の作製 (1)実施例1〜7 ついで、上述のようにして得られた水素吸蔵合金A1,
B1,C1,D1,D2,D3,D4を用い、これに各
水素吸蔵合金重量に対して0.5重量%の酸化イットリ
ウム(Y23:希土類元素の酸化物)をそれぞれ添加
し、結着剤としてのポリエチレンオキサイド(PEO)
1重量%と水を混合して、それぞれの水素吸蔵合金スラ
リーを作製した。ついで、これらの各水素吸蔵合金スラ
リーをパンチングメタルからなる極板芯体の両面に塗着
し、乾燥させた後、所定の厚みに圧延して、実施例1〜
7の各水素吸蔵合金電極を作製した。
【0028】なお、水素吸蔵合金A1を用いて作製した
水素吸蔵合金電極を実施例1の電極とし、水素吸蔵合金
B1を用いて作製した水素吸蔵合金電極を実施例2の電
極とし、水素吸蔵合金C1を用いて作製した水素吸蔵合
金電極を実施例3の電極とし、水素吸蔵合金D1を用い
て作製した水素吸蔵合金電極を実施例4の電極とし、水
素吸蔵合金D2を用いて作製した水素吸蔵合金電極を実
施例5の電極とし、水素吸蔵合金D3を用いて作製した
水素吸蔵合金電極を実施例6の電極とし、水素吸蔵合金
D4を用いて作製した水素吸蔵合金電極を実施例7の電
極とした。
【0029】(2)実施例8 ついで、上述のようにして得られた水素吸蔵合金D1を
用い、これに水素吸蔵合金重量に対して0.5重量%の
酸化スカンジウム(Sc23:希土類元素の酸化物)を
添加し、結着剤としてのポリエチレンオキサイド(PE
O)1重量%と水を混合して、水素吸蔵合金スラリーを
作製した。ついで、この水素吸蔵合金スラリーをパンチ
ングメタルからなる極板芯体の両面に塗着し、乾燥させ
た後、所定の厚みに圧延して、実施例8の水素吸蔵合金
電極を作製した。
【0030】(3)実施例9 ついで、上述のようにして得られた水素吸蔵合金D1を
用い、これに水素吸蔵合金重量に対して0.5重量%の
酸化ランタン(La23:希土類元素の酸化物)を添加
し、結着剤としてのポリエチレンオキサイド(PEO)
1重量%と水を混合して、水素吸蔵合金スラリーを作製
した。ついで、この水素吸蔵合金スラリーをパンチング
メタルからなる極板芯体の両面に塗着し、乾燥させた
後、所定の厚みに圧延して、実施例9の水素吸蔵合金電
極を作製した。
【0031】(4)実施例10 ついで、上述のようにして得られた水素吸蔵合金D1を
用い、これに水素吸蔵合金重量に対して0.5重量%の
酸化セリウム(Ce23:希土類元素の酸化物)を添加
し、結着剤としてのポリエチレンオキサイド(PEO)
1重量%と水を混合して、水素吸蔵合金スラリーを作製
した。ついで、この水素吸蔵合金スラリーをパンチング
メタルからなる極板芯体の両面に塗着し、乾燥させた
後、所定の厚みに圧延して、実施例10の水素吸蔵合金
電極を作製した。
【0032】(5)実施例11 ついで、上述のようにして得られた水素吸蔵合金D1を
用い、これに水素吸蔵合金重量に対して0.5重量%の
酸化イッテルビウム(Yb23:希土類元素の酸化物)
を添加し、結着剤としてのポリエチレンオキサイド(P
EO)1重量%と水を混合して、水素吸蔵合金スラリー
を作製した。ついで、この水素吸蔵合金スラリーをパン
チングメタルからなる極板芯体の両面に塗着し、乾燥さ
せた後、所定の厚みに圧延して、実施例11の水素吸蔵
合金電極を作製した。
【0033】(6)実施例12 ついで、上述のようにして得られた水素吸蔵合金D7を
用い、これに水素吸蔵合金重量に対して0.5重量%の
酸化イットリウム(Y23:希土類元素の酸化物)をそ
れぞれ添加し、結着剤としてのポリエチレンオキサイド
(PEO)1重量%と水を混合して、それぞれの水素吸
蔵合金スラリーを作製した。ついで、この水素吸蔵合金
スラリーをパンチングメタルからなる極板芯体の両面に
塗着し、乾燥させた後、所定の厚みに圧延して、実施例
12の水素吸蔵合金電極を作製した。
【0034】(7)実施例13 ついで、上述のようにして得られた水素吸蔵合金D8を
用い、これに水素吸蔵合金重量に対して0.5重量%の
酸化イットリウム(Y23:希土類元素の酸化物)をそ
れぞれ添加し、結着剤としてのポリエチレンオキサイド
(PEO)1重量%と水を混合して、それぞれの水素吸
蔵合金スラリーを作製した。ついで、この水素吸蔵合金
スラリーをパンチングメタルからなる極板芯体の両面に
塗着し、乾燥させた後、所定の厚みに圧延して、実施例
13の水素吸蔵合金電極を作製した。
【0035】(8)実施例14 ついで、上述のようにして得られた水素吸蔵合金D9を
用い、これに水素吸蔵合金重量に対して0.5重量%の
酸化イットリウム(Y23:希土類元素の酸化物)をそ
れぞれ添加し、結着剤としてのポリエチレンオキサイド
(PEO)1重量%と水を混合して、それぞれの水素吸
蔵合金スラリーを作製した。ついで、この水素吸蔵合金
スラリーをパンチングメタルからなる極板芯体の両面に
塗着し、乾燥させた後、所定の厚みに圧延して、実施例
14の水素吸蔵合金電極を作製した。
【0036】(9)実施例15 ついで、上述のようにして得られた水素吸蔵合金D10
を用い、これに水素吸蔵合金重量に対して0.5重量%
の酸化イットリウム(Y23:希土類元素の酸化物)を
それぞれ添加し、結着剤としてのポリエチレンオキサイ
ド(PEO)1重量%と水を混合して、それぞれの水素
吸蔵合金スラリーを作製した。ついで、この水素吸蔵合
金スラリーをパンチングメタルからなる極板芯体の両面
に塗着し、乾燥させた後、所定の厚みに圧延して、実施
例15の水素吸蔵合金電極を作製した。
【0037】(10)実施例16 ついで、上述のようにして得られた水素吸蔵合金D11
を用い、これに水素吸蔵合金重量に対して0.5重量%
の酸化イットリウム(Y23:希土類元素の酸化物)を
それぞれ添加し、結着剤としてのポリエチレンオキサイ
ド(PEO)1重量%と水を混合して、それぞれの水素
吸蔵合金スラリーを作製した。ついで、この水素吸蔵合
金スラリーをパンチングメタルからなる極板芯体の両面
に塗着し、乾燥させた後、所定の厚みに圧延して、実施
例16の水素吸蔵合金電極を作製した。
【0038】(11)比較例1 ついで、上述のようにして得られた水素吸蔵合金D5を
用い、これに水素吸蔵合金重量に対して0.5重量%の
酸化イットリウム(Y23:希土類元素の酸化物)を添
加し、結着剤としてのポリエチレンオキサイド(PE
O)1重量%と水を混合して、水素吸蔵合金スラリーを
作製した。ついで、この水素吸蔵合金スラリーをパンチ
ングメタルからなる極板芯体の両面に塗着し、乾燥させ
た後、所定の厚みに圧延して、比較例1の水素吸蔵合金
電極を作製した。
【0039】(12)比較例2 ついで、上述のようにして得られた水素吸蔵合金D6を
用い、これに水素吸蔵合金重量に対して0.5重量%の
酸化イットリウム(Y23:希土類元素の酸化物)を添
加し、結着剤としてのポリエチレンオキサイド(PE
O)1重量%と水を混合して、水素吸蔵合金スラリーを
作製した。ついで、この水素吸蔵合金スラリーをパンチ
ングメタルからなる極板芯体の両面に塗着し、乾燥させ
た後、所定の厚みに圧延して、比較例2の水素吸蔵合金
電極を作製した。
【0040】(13)比較例3 ついで、上述のようにして得られた水素吸蔵合金Dを強
酸処理を施さないでそのまま用い、これに水素吸蔵合金
重量に対して0.5重量%の酸化イットリウム(Y
23:希土類元素の酸化物)を添加し、結着剤としての
ポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と水を混合
して、水素吸蔵合金スラリーを作製した。ついで、この
水素吸蔵合金スラリーをパンチングメタルからなる極板
芯体の両面に塗着し、乾燥させた後、所定の厚みに圧延
して、比較例3の水素吸蔵合金電極を作製した。
【0041】(14)比較例4 ついで、上述のようにして得られた水素吸蔵合金D6を
用い、希土類元素の酸化物を添加することなく、これに
結着剤としてのポリエチレンオキサイド(PEO)1重
量%と水を混合して、水素吸蔵合金スラリーを作製し
た。ついで、この水素吸蔵合金スラリーをパンチングメ
タルからなる極板芯体の両面に塗着し、乾燥させた後、
所定の厚みに圧延して、比較例4の水素吸蔵合金電極を
作製した。
【0042】(15)比較例5 ついで、上述のようにして得られた水素吸蔵合金Dを強
酸処理を施さないでそのまま用い、希土類元素の酸化物
を添加することなく、これに結着剤としてのポリエチレ
ンオキサイド(PEO)1重量%と水を混合して、水素
吸蔵合金スラリーを作製した。ついで、この水素吸蔵合
金スラリーをパンチングメタルからなる極板芯体の両面
に塗着し、乾燥させた後、所定の厚みに圧延して、比較
例5の水素吸蔵合金電極を作製した。
【0043】(16)比較例6 ついで、上述のようにして得られた水素吸蔵合金D12
を用い、これに水素吸蔵合金重量に対して0.5重量%
の酸化イットリウム(Y23:希土類元素の酸化物)を
添加し、結着剤としてのポリエチレンオキサイド(PE
O)1重量%と水を混合して、水素吸蔵合金スラリーを
作製した。ついで、この水素吸蔵合金スラリーをパンチ
ングメタルからなる極板芯体の両面に塗着し、乾燥させ
た後、所定の厚みに圧延して、比較例6の水素吸蔵合金
電極を作製した。なお、以上に詳述した水素吸蔵合金電
極の仕様をまとめて示すと下記の表2のようになる。
【0044】
【表2】
【0045】4.ニッケル−水素蓄電池の作製 (1)実施例1〜16 上述のように作製した実施例1〜16の水素吸蔵合金電
極のそれぞれと周知の非焼結式ニッケル電極とを耐アル
カリ性の不織布からなるセパレータを介して巻回してそ
れぞれの渦巻状極板群を作製した。ついで、これらの各
渦巻状極板群をそれぞれの有底円筒状の金属外装缶に挿
入し、各集電体と各端子をそれぞれ接続した後、各金属
外装缶内にそれぞれ25重量%の水酸化カリウム(KO
H)水溶液と3重量%の水酸化ナトリウムと2重量%の
水酸化リチウム水溶液からなる電解液を注液し、外装缶
を密閉して、理論放電容量が1000mAの実施例1〜
16のニッケル−水素蓄電池を作製した。
【0046】(2)比較例1〜6 上述のように作製した比較例1〜6の水素吸蔵合金電極
のそれぞれと周知の非焼結式ニッケル電極とを耐アルカ
リ性の不織布からなるセパレータを介して巻回してそれ
ぞれの渦巻状極板群を作製した。ついで、これらの各渦
巻状極板群をそれぞれの有底円筒状の金属外装缶に挿入
し、各集電体と各端子をそれぞれ接続した後、各金属外
装缶内にそれぞれ25重量%の水酸化カリウム(KO
H)水溶液と3重量%の水酸化ナトリウムと2重量%の
水酸化リチウム水溶液からなる電解液を注液し、外装缶
を密閉して、理論放電容量が1000mAの比較例1〜
6のニッケル−水素蓄電池を作製した。
【0047】(3)実施例17〜32 Y23,Sc23,La23,Ce23,Yb23より
なる添加物を25重量%の水酸化カリウム(KOH)水
溶液と3重量%の水酸化ナトリウムと2重量%の水酸化
リチウム水溶液からなる電解液にそれぞれ10ppmを
投入し、撹拌混合して電解液E,F,G,H,Iを調製
した。なお、Y23を添加した液を電解液Eとし、Sc
23を添加した液を電解液Fとし、La23を添加した
液を電解液Gとし、Ce23を添加した液を電解液Hと
し、Yb23を添加した液を電解液Iとした。
【0048】一方、Y23,Sc23,La23,Ce
23,Yb23の添加物を添加しないこと以外は、上述
した実施例1〜16の水素吸蔵合金電極と同様に作製し
て、実施例17〜32の水素吸蔵合金電極を作製した。
この実施例17〜32の水素吸蔵合金電極のそれぞれと
周知の非焼結式ニッケル電極とを耐アルカリ性の不織布
からなるセパレータを介して巻回してそれぞれの渦巻状
極板群を作製した。ついで、これらの各渦巻状極板群を
それぞれの有底円筒状の金属外装缶に挿入し、各集電体
と各端子をそれぞれ接続した後、各金属外装缶内に実施
例17〜23,28〜32についてはそれぞれ上述の電
解液Eを、実施例24については電解液Fを、実施例2
5については電解液Gを、実施例26については電解液
Hを、実施例27については電解液Iをそれぞれ注液
し、外装缶を密閉して、理論放電容量が1000mAの
実施例17〜32のニッケル−水素蓄電池を作製した。
【0049】(4)比較例7〜10 Y23を添加しないこと以外は、上述した比較例1〜3
および比較例6の水素吸蔵合金電極と同様に作製して、
比較例7〜10の水素吸蔵合金電極を作製した。この比
較例7〜10の水素吸蔵合金電極のそれぞれと周知の非
焼結式ニッケル電極とを耐アルカリ性の不織布からなる
セパレータを介して巻回してそれぞれの渦巻状極板群を
作製した。ついで、これらの各渦巻状極板群をそれぞれ
の有底円筒状の金属外装缶に挿入し、各集電体と各端子
をそれぞれ接続した後、各金属外装缶内に上述の電解液
Eをそれぞれ注液し、外装缶を密閉して、理論放電容量
が1000mAの比較例7〜10のニッケル−水素蓄電
池を作製した。なお、以上の実施例17〜32および比
較例7〜10のニッケル−水素蓄電池の仕様をまとめて
示すと下記の表3のようになる。
【0050】
【表3】
【0051】5.電池特性試験 (1)電池の活性化 上述のように作製した実施例1〜32の各ニッケル−水
素蓄電池および比較例1〜10の各ニッケル−水素蓄電
池を100mA(0.1C)の充電々流で16時間充電
した後、1時間休止させる。その後、200mA(0.
2C)の放電々流で終止電圧が1.0Vになるまで放電
させた後、1時間休止させる。この充放電を室温(25
℃)で3サイクル繰り返して、実施例1〜32および比
較例1〜10の各ニッケル−水素蓄電池を活性化させ
た。
【0052】(2)低温放電特性試験 上述のように活性化した実施例1〜32の各ニッケル−
水素蓄電池および比較例1〜10の各ニッケル−水素蓄
電池を室温(25℃)で100mA(0.1C)の充電
々流で16時間充電させた。その後、−10℃の温度雰
囲気で1時間休止させた後、−10℃の温度雰囲気で2
00mA(0.2C)の放電々流で終止電圧が1.0V
になるまで放電させて、低温放電容量を測定した。この
低温放電容量を室温での放電容量(室温放電容量)との
比を求めて低温放電特性(低温放電特性=(低温放電容
量)/(室温放電容量)×100%)を求め、この結果
を下記の表4、表5に示した。
【0053】(3)サイクル寿命試験 上述のように活性化した実施例1〜32の各ニッケル−
水素蓄電池および比較例1〜10の各ニッケル−水素蓄
電池を、室温(25℃)で、1500mA(1.5C)
の充電々流で48分充電した後、1時間休止させる。そ
の後、1500mA(1.5C)の放電々流で終止電圧
が1.0Vになるまで放電させた後、1時間休止させ
る。この充放電サイクルを繰り返して、その電池容量が
500mAhに達した時点をサイクル寿命として測定す
ると、下記の表4、表5に示すような結果が得られた。
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】上記表4から明らかなように、実施例1〜
16の各電池と比較例1〜6の各電池とを比較すると、
実施例1〜16の各電池方が低温温度特性およびサイク
ル特性が優れていることが分かる。一方、表5から明ら
かなように、実施例17〜32の各電池と比較例7〜1
0の各電池とを比較すると、実施例17〜32の各電池
方が低温温度特性およびサイクル特性が優れていること
が分かる。この理由は次のようにして考えることができ
る。
【0057】即ち、実施例4の電池に使用した水素吸蔵
合金(合金Dを塩酸(pH1.0)処理した後、リン酸
水素二ナトリウム溶液で塩素濃度が5×10-6モル/l
になるまで洗浄したもの)と、比較例1の電池に使用し
た水素吸蔵合金(合金Dを塩酸(pH4.0)処理した
後、リン酸水素二ナトリウム溶液で塩素濃度が5×10
-6モル/lになるまで洗浄したもの)と、比較例5の電
池に使用した水素吸蔵合金(未処理の合金D)とを用い
て、これらの各水素吸蔵合金表面にX線を照射して、X
PS(X-ray photoelectron spectroscopy:X線電子分
光法)によりスペクトルを求めると、図1に示すような
XPSスペクトルが得られた。
【0058】図1から次のことが明らかとなる。即ち、
比較例5のように、水素吸蔵合金D(MmNi3.70Co
0.55Al0.3Mn0.5)を未処理のままであると、表面に
金属ニッケル(Ni)、酸化ニッケル(Ni23)、酸
化ランタン(La23)のピークがそのまま現れる。一
方、比較例1のように、水素吸蔵合金Dを弱い酸(pH
4.0の塩酸)で処理すると、酸化ランタン(La
23)のピークは小さくなるが、酸化ニッケル(Ni2
3)のピークは依然として大きく、金属ニッケル(N
i)のピークもほとんど変わらない。
【0059】これらに対して、実施例4のように、水素
吸蔵合金Dを強い酸(pH1.0の塩酸)で処理する
と、酸化ランタン(La23)および酸化ニッケル(N
23)のピークは小さくなり、かつ、金属ニッケル
(Ni)のピークも大きくなった。このことは他の実施
例のものでもほぼ同様の結果となった。このことから、
強酸(pH2.0以下)溶液で処理した後、洗浄液(酸
化防止剤として作用するリン酸水素二ナトリウム溶液)
で洗浄するか、あるいは強酸(pH2.0以下)溶液で
処理した後、弱酸(pHが2.2〜5.0)溶液で処理
した後、水洗して、塩素イオン濃度が5×10-6モル/
g以下になるようにすると、水素吸蔵合金の表面に金属
ニッケルリッチで、酸化ニッケルおよび酸化希土(La
23)が少ない状態となり、水素吸蔵合金の表面が活性
化されて、低温放電特性を向上させることが可能とな
る。
【0060】また、表4の比較例5と、比較例1〜3お
よび比較例6とを比較し、表4の比較例5と、表5の比
較例7〜10とを比較すると明らかなように、電極内あ
るいは電解液中に酸化イットリウム(Y23:希土類元
素の酸化物)を添加すると、サイクル特性は向上する
が、低温放電特性が低下することが分かる。一方、実施
例1〜32のように、酸処理してその表面に金属ニッケ
ルリッチで、酸化ニッケルおよび酸化希土(La23
が少ない状態とした水素吸蔵合金を用い、酸化イットリ
ウム(Y23:希土類元素の酸化物)を電極中あるいは
電解液中に添加すると、サイクル特性および低温放電特
性の両方ともが向上するようになる。
【0061】これは、希土類元素の酸化物が水素吸蔵合
金の表面に析出する場合、酸化物に析出するときは親和
性が強くて強固な層が形成されるが、金属ニッケルに析
出するときは親和性が弱いために金属ニッケル層を完全
に被覆することなく、適度な酸化防止層を形成すること
ができるためと考えられる。
【0062】また、表4の実施例4(X+Y+Z+Wが
5.05で、X+Yが4.25で、900℃で熱処理さ
れた合金)と実施例1(X+Y+Z+Wが5で、X+Y
が4.2で、850℃で熱処理された合金)、実施例2
(X+Y+Z+Wが5.05で、X+Yが3.95で、
850℃で熱処理された合金)、実施例3(X+Y+Z
+Wが5.05で、X+Yが4.25で、850℃で熱
処理された合金)とを比較すると、実施例4の方が低温
放電特性が優れていることが分かる。
【0063】同様に、表5の実施例20(X+Y+Z+
Wが5.05で、X+Yが4.25で、900℃で熱処
理された合金)と実施例17(X+Y+Z+Wが5で、
X+Yが4.2で、850℃で熱処理された合金)、実
施例18(X+Y+Z+Wが5.05で、X+Yが3.
95で、850℃で熱処理された合金),実施例19
(X+Y+Z+Wが5.05で、X+Yが4.25で、
850℃で熱処理された合金)とを比較すると、実施例
20の方が低温放電特性が優れていることが分かる。
【0064】このことから、一般式がMmNiXCoY
ZMnWで表される水素吸蔵合金は、X+Y+Z+W>
5で、X+Y>4の関係を有し、かつ熱処理温度が90
0℃以上で熱処理された水素吸蔵合金を用いるのが望ま
しいということができる。これは、水素吸蔵合金の結晶
組織が均一になったために、充放電サイクル時の微粉化
を遅延させることが可能となって、よりサイクル特性が
向上したと考えられる。
【0065】なお、上述の実施形態においては、水素吸
蔵合金電極あるいはアルカリ電解液に添加する希土類元
素の酸化物として、Y23,Sc23,La23,Ce
23,Yb23を添加する例について説明したが、水素
吸蔵合金電極あるいはアルカリ電解液に添加する希土類
元素の酸化物としては、これら以外にも、プラセオジム
(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユ
ーロビウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウ
ム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(H
o)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ルテチ
ウム(Lu)の酸化物を用いてもほぼ同様の効果が得ら
れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水素吸蔵合金のXPSスペクトルを示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B22F 1/02 B22F 1/02 A F (72)発明者 村田 徹行 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 廣田 洋平 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 4K018 BA05 BA11 BC24 BD07 KA38 5H003 AA01 AA04 BA00 BA01 BA02 BB02 BC01 BD00 BD01 BD06 5H016 AA01 BB01 BB03 BB12 BB18 CC09 EE01 HH00 HH08 HH11 HH15 5H028 AA01 AA05 BB02 BB05 BB10 BB15 CC10 EE01 HH00 HH03 HH08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気化学的に水素の吸蔵・放出を可逆的
    に行うことができる水素吸蔵合金電極からなる負極と正
    極とアルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池であっ
    て、 前記水素吸蔵合金電極は希土類元素およびニッケル金属
    を含有する水素吸蔵合金粒子を備え、 前記水素吸蔵合金粒子の表面にニッケル金属が過剰で希
    土類元素が少ない層を備え、 前記水素吸蔵合金電極中に希土類元素の化合物を含有さ
    せたことを特徴とする水素吸蔵合金電極を備えたアルカ
    リ蓄電池。
  2. 【請求項2】 前記水素吸蔵合金電極中に含有させた希
    土類元素は、Y,Sc,La,Ce,Yb,Pr,N
    d,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
    m,Luから選択される少なくとも1種であるであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵合金電極を備
    えたアルカリ蓄電池。
  3. 【請求項3】 電気化学的に水素の吸蔵・放出を可逆的
    に行うことができる水素吸蔵合金電極からなる負極と正
    極とアルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池であっ
    て、 前記水素吸蔵合金電極は希土類元素およびニッケル金属
    を含有する水素吸蔵合金粒子を備え、 前記水素吸蔵合金粒子の表面にニッケル金属が過剰で希
    土類元素が少ない層を備え、 前記アルカリ電解液中に希土類元素のイオンを含有させ
    たことを特徴とする水素吸蔵合金電極を備えたアルカリ
    蓄電池。
  4. 【請求項4】 前記アルカリ電解液中に含有させた希土
    類元素のイオンは、Sc,Y,La,Ce,Pr,N
    d,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
    m,Yb,Luから選択される少なくとも1種のイオン
    であるであることを特徴とする請求項3に記載の水素吸
    蔵合金電極を備えたアルカリ蓄電池。
  5. 【請求項5】 前記水素吸蔵合金は一般式がMmNiX
    CoYAlZMnWで表され、X+Y+Z+W>5で、か
    つX+Y>4の関係を有することを特徴とする請求項1
    から請求項4のいずれかに記載の水素吸蔵合金電極を備
    えたアルカリ蓄電池。
  6. 【請求項6】 電気化学的に水素の吸蔵・放出を可逆的
    に行うことができる水素吸蔵合金からなる負極と正極と
    アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池の製造方法で
    あって、 前記水素吸蔵合金をpHが2.0以下の強酸溶液で処理
    した後、前記水素吸蔵合金中に取り込まれたアニオンの
    残留量が5×10-6モル/g以下になるまで洗浄液で洗
    浄または洗浄保存する洗浄工程を備え、 前記水素吸蔵合金粒子の表面にニッケル金属が過剰で希
    土類元素が少ない層を形成するようにしたことを特徴と
    する水素吸蔵合金電極を備えたアルカリ蓄電池の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記洗浄液は酸化防止剤を含有すること
    を特徴とする請求項6に記載の水素吸蔵合金電極を備え
    たアルカリ蓄電池の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記水素吸蔵合金をpHが2.0以下の
    強酸溶液で処理した後、pHが2.2〜5.0の弱酸性
    水溶液で洗浄する洗浄工程を備え、 前記水素吸蔵合金中に取り込まれたアニオンの残留量が
    5×10-6モル/g以下になるようにしたことを特徴と
    する請求項6に記載の水素吸蔵合金電極を備えたアルカ
    リ蓄電池の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記水素吸蔵合金を急冷凝固法により作
    製したことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれ
    かに記載の水素吸蔵合金電極を備えたアルカリ蓄電池の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記洗浄工程の前に前記水素吸蔵合金
    を900℃以上の温度で熱処理する熱処理工程を備えた
    ことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれかに記
    載の水素吸蔵合金電極を備えたアルカリ蓄電池の製造方
    法。
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