JP2001093522A - 水素吸蔵合金粒子及びその製造方法 - Google Patents

水素吸蔵合金粒子及びその製造方法

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acidic aqueous
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Yasuhiro Onouchi
倍太 尾内
Yoshihiro Masuda
喜裕 増田
Teruhiko Imoto
輝彦 井本
Kikuko Katou
菊子 加藤
Nobuyuki Higashiyama
信幸 東山
Mamoru Kimoto
衛 木本
Yasuhiko Ito
靖彦 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充電時の電池内圧力の上昇が効果的に抑制さ
れ、かつ大電流放電時の放電容量が大きいアルカリ蓄電
池とすることができる水素吸蔵合金粒子及びその製造方
法を得る。 【解決手段】 銅イオンを含有し、かつ緩衝剤が添加さ
れた酸性水溶液中に水素吸蔵合金粒子を浸漬することに
より表面処理することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ蓄電池の
負極として用いられる水素吸蔵合金電極を製造するため
の水素吸蔵合金粒子及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、正極に水酸化ニッケルなどの金属
化合物を使用し、負極に水素吸蔵合金を使用したアルカ
リ蓄電池が、エネルギー密度が大きいことや低公害性な
どの理由から、ニッケルカドミウム蓄電池に代わる次世
代のアルカリ蓄電池として注目されている。
【0003】このニッケル水素蓄電池の負極に用いる水
素吸蔵合金としては、従来より、希土類元素の混合物で
あるミッシュメタル(Mm)を用いたミッシュメタル系
の水素吸蔵合金や、ラーベス(Laves)相系の水素
吸蔵合金が使用されている。
【0004】これらの水素吸蔵合金は、一般に、自然酸
化等によってその表面に酸化物等の皮膜が形成されるた
め、水素の吸収・放出における活性が不十分であった。
このため、これらの水素吸蔵合金を用いて水素吸蔵合金
電極を作製し、ニッケル水素蓄電池の負極に使用した場
合には、放電容量が低く、また充電時に電池内圧力が上
昇する等の問題があった。
【0005】このような問題を解消するため、特開平5
−225975号公報では、水素吸蔵合金を塩酸等の酸
性水溶液に浸漬し攪拌することにより、水素吸蔵合金粉
末の粒子表面の酸化皮膜を溶解して除去し、電気化学的
に活性な部位を合金表面に露出させる方法が提案されて
いる。
【0006】また、特開昭61−101957号公報で
は、無電解メッキにより水素吸蔵合金表面に金属銅を被
覆し、水素吸蔵合金に水素を吸蔵させるための活性を向
上させる方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らが検討した結果、上記公報において提案された方法
を用いても、充電時の電池内圧力の上昇を効果的に抑制
することができず、また放電容量、特に大電流放電時の
放電容量を十分に高めることができないことがわかっ
た。
【0008】本発明の目的は、充電時の電池内圧力の上
昇が効果的に抑制され、かつ大電流放電時の放電容量が
大きいアルカリ蓄電池とすることができる水素吸蔵合金
電極に用いられる水素吸蔵合金粒子及びその製造方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の水素吸蔵合金粒
子は、銅イオンを含有し、かつ緩衝剤が添加された酸性
水溶液中に水素吸蔵合金粒子を浸漬することにより表面
処理して得られることを特徴としている。
【0010】本発明の水素吸蔵合金粒子を用いて製造し
た水素吸蔵合金電極は、その電気抵抗が低く、また水素
の吸蔵・放出における活性が高い。従って、このような
水素吸蔵合金を負極に使用したアルカリ蓄電池は、充電
時の電池内圧力が低く抑制され、さらに大電流放電時に
おける放電容量が大きくなる。
【0011】本発明における表面処理後の水素吸蔵合金
粒子を観察したところ、水素吸蔵合金粒子の表面に微孔
が形成されており、この微孔の上に銅金属を主成分とす
る微粒子が付着していることが確かめられた。
【0012】図2は、水素吸蔵合金粒子表面の微孔の上
に銅金属を主成分とする微粒子が付着している状態を示
す模式図である。図2に示すように、水素吸蔵合金粒子
表面11には、微孔12が形成されており、この微孔1
2の上に、図2(a)〜(d)で示すような状態で銅を
主成分とする微粒子13が付着していた。
【0013】水素吸蔵合金粒子表面11の微孔12は、
酸性水溶液中に浸漬する表面処理により形成されたもの
と思われる。すなわち、酸性水溶液中に水素吸蔵合金粒
子を浸漬することにより、水素吸蔵合金粒子表面11近
傍の酸化物及び水酸化物が溶解し除去されると共に、希
土類元素、アルミニウム、マンガンなどの卑な元素が溶
解し除去することにより、微孔12が形成されると考え
られる。また、微粒子13は、水素吸蔵合金に含まれる
卑な元素との置換反応により析出するものと思われる。
このため、水素吸蔵合金粒子表面11の微孔12の上に
選択的にこの微粒子が析出し付着するものと思われる。
【0014】本発明では、酸性水溶液による表面処理に
より、水素吸蔵合金表面の酸化皮膜が除去され、さらに
上記のように銅金属を主成分とする微粒子が水素吸蔵合
金粒子の表面の微孔上に付着している。このため、水素
吸蔵合金電極にしたときの電気抵抗を低くすることがで
きるものと思われる。すなわち、銅を主成分とする微粒
子が表面の微孔上に付着しているので、水素吸蔵合金粒
子が互いにこの銅金属を主成分とする微粒子を介してま
た実質的に酸化皮膜等を介さず接触することができ、こ
のため接触抵抗を大きく低下させることができるものと
思われる。
【0015】水素吸蔵合金粒子間の接触抵抗が大きく低
下するので、水素の吸蔵・放出における電極の活性を高
めることができ、電極に含まれる合金粒子の利用率を上
げることができる。また、利用率の向上により水素原子
が合金粒子に吸蔵され易くなるため、負極からの水素ガ
スの発生が抑制され、電池内圧力の上昇を抑制すること
ができる。また、水素吸蔵合金電極の電気抵抗を下げる
ことができるので、大電流放電時の放電容量を高めるこ
とができる。
【0016】本発明における酸性水溶液には銅イオンが
含有される。酸性水溶液中の銅イオンは、塩化物、硫酸
塩、硝酸塩、酸化物、及び水酸化物等の化合物を酸性水
溶液に溶解することにより含有させることができる。銅
イオンの含有量は、処理される水素吸蔵合金粒子に対
し、0.3〜10.5重量%であることが好ましい。す
なわち、水素吸蔵合金粒子100重量部に対して、0.
3〜10.5重量部であることが好ましい。銅イオンの
含有量が0.3重量%より少ないと、水素吸蔵合金粒子
間の接触抵抗を低減させることによる本発明の効果が十
分に得られない場合がある。また、銅イオンの含有量が
10.5重量%より多くなると、水素吸蔵合金粒子の表
面が厚い金属銅の層で被覆され、水素の吸収が阻害され
るおそれがある。
【0017】本発明における酸性水溶液には、さらに緩
衝剤が添加される。緩衝剤としては、酸性水溶液のpH
を1.5〜4.0に調整することができるものが好まし
く、例えば、クエン酸2水素カリウム、グリシンと塩化
ナトリウムからなる緩衝剤、酢酸ナトリウムなどが挙げ
られる。これらの中でも、特にクエン酸2水素カリウム
が好ましく用いられる。緩衝剤の添加量は特に制限され
るものではなく、例えば酸性水溶液のpHが1.5〜
4.0の範囲内とすることができる量であればよい。
【0018】本発明における酸性水溶液に含有される酸
の種類は、特に限定されるものではないが、塩酸、硝
酸、リン酸、酢酸等及びこれらの混合物を例示すること
ができる。
【0019】本発明において用いる水素吸蔵合金粒子
は、従来から知られている製造法により得られるものを
用いることができ、具体的には、例えば、アルゴン雰囲
気のアーク溶解炉で溶解させて得られる水素吸蔵合金の
インゴットを粉砕したものや、ロール急冷法により得ら
れる合金を粉砕したもの、ガスアトマイズ法により得ら
れるものなどが挙げられる。水素吸蔵合金粒子の平均粒
子径としては、充電時の電池内圧力が低く、大電流放電
時での放電特性に優れたアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金
電極とする観点から、80μm以下、さらには50μm
以下であることが好ましい。
【0020】本発明の水素吸蔵合金粒子の製造方法は、
銅イオンを含有し、かつ緩衝剤が添加された酸性水溶液
中に水素吸蔵合金粒子を浸漬することにより表面処理す
ることを特徴としている。
【0021】銅イオンを含有し、かつ緩衝剤が添加され
た酸性水溶液は、上記と同様にして調製することができ
る。また、酸性水溶液のpHは1.5〜4.0の範囲内
であることが好ましい。
【0022】本発明のアルカリ電池用水素吸蔵合金電極
は、上記本発明の水素吸蔵合金粒子または上記本発明の
製造方法により製造された水素吸蔵合金粒子を用いたこ
とを特徴としている。具体的には、例えば、上記本発明
の水素吸蔵合金粒子と結着剤とを混合してペーストを調
製し、このペーストを導電性芯体に塗布した後乾燥する
ことにより、本発明の水素吸蔵合金電極を製造すること
ができる。
【0023】本発明のアルカリ蓄電池は、上記本発明の
水素吸蔵合金を負極として備えることを特徴としてい
る。このようなアルカリ蓄電池として、上記本発明の水
素吸蔵合金電極を負極とし、水酸化ニッケル電極を正極
とし、アルカリ水溶液を電解液としたニッケル水素蓄電
池が挙げられる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるもの
ではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更
して実施することが可能なものである。
【0025】(実験1)この実験1では、銅イオンを含
有し、かつ緩衝剤が添加された酸性水溶液中で水素吸蔵
合金粒子を表面処理することによる効果について検討し
た。
【0026】〔MmNi3.1Co0.8Al0.4Mn0.7合金
の作製〕Mm(La25%、Ce50%、Pr6%、N
d19%の混合物)、Ni、Co、Al、及びMnをモ
ル比で1.0:.3.1:0.8:0.4:0.7の割
合となるように混合した。Ni、Co、Al、及びMn
については純度99.9%の金属単体を用いた。この混
合物を、アルゴン雰囲気のアーク溶解炉で溶解させた
後、自然放冷して、組成式MmNi3.1Co0.8Al0.4
Mn0.7で表される水素吸蔵合金を作製した。得られた
水素吸蔵合金のインゴットを、空気中で機械的に粉砕
し、平均粒子径50μmの水素吸蔵合金粒子を得た。
【0027】〔合金粒子の表面処理〕クエン酸2水素カ
リウムを添加してpHを2.5に調整した塩酸水溶液に
10gの塩化銅を溶解し、表面処理用酸性水溶液を調製
した。この表面処理用酸性水溶液を25℃に保ち、上記
の水素吸蔵合金粒子100gを15分間攪拌しながら浸
漬した。その後、吸引濾過し、水洗乾燥して合金粒子a
を得た。
【0028】比較として、クエン酸2水素カリウムを添
加してpHを2.5に調整した塩酸水溶液を調製し、こ
れを25℃に保って、上記の水素吸蔵合金粒子100g
を15分間攪拌しながら浸漬した。これを吸引濾過した
後、水洗乾燥して比較の合金粒子xを得た。
【0029】また、比較として、無電解メッキ液(商品
名「MAC化学銅」、奥野製薬工業社製)を50℃に保
ち、上記の水素吸蔵合金粒子を30分間浸漬し、水素吸
蔵合金粒子の表面に銅メッキを施した後、吸引濾過し、
水洗乾燥して比較の合金粒子yを得た。
【0030】〔水素吸蔵合金粒子の表面付近の断面観
察〕合金粒子a、合金粒子x、及び合金粒子yについて
表面付近の断面観察を行った。合金粒子の表面から中心
方向に向かって、約100nmの範囲の断面像を走査型
透過電子顕微鏡を用いて観察した。また、エネルギー分
散X線測定装置を用いて、ニッケル、コバルト、ランタ
ン、セリウム、銅及び酸素原子の濃度を測定し、上記の
原子の総数に占める銅元素の割合を算出した。
【0031】合金粒子aにおいては、その表面に微孔が
形成されており、微孔の上に0.1〜10μmの粒子径
の微粒子が付着していた。この微粒子は、銅元素を72
%含有する微粒子であった。
【0032】合金粒子yにおいては、その表面に銅の被
膜が観察された。また合金粒子xにおいては、その表面
に微孔が観察されたが、微孔の上には微粒子は存在しな
かった。
【0033】次に、合金粒子a、合金粒子x、及び合金
粒子yを用いて、以下のように負極を作製し、この負極
を用いてアルカリ蓄電池(ニッケル水素蓄電池)を作製
した。
【0034】〔負極の作製〕合金粒子100重量部に対
し、結着剤としてのPEO(ポリエチレンオキサイド)
5重量%の水溶液20重量部を混合してペーストを調製
し、このペーストをニッケル鍍金を施したパンチングメ
タルからなる導電性芯体の両面に塗布し、室温で乾燥し
た後、所定の寸法に切断して、水素吸蔵合金電極を作製
した。合金粒子aから得られたものを負極A、合金粒子
xから得られたものを負極X、合金粒子yから得られた
ものを負極Yとした。
【0035】〔アルカリ蓄電池の組立〕得られた負極を
用いてAAサイズの正極支配型アルカリ蓄電池(電池容
量1000mAh)を作製した。正極としては従来公知
の焼結式ニッケル極を用い、セパレーターとしては耐ア
ルカリ性の不織布を用い、電解液としては30重量%水
酸化カリウム水溶液を用いた。
【0036】図1は、組み立てたアルカリ蓄電池を示す
模式的断面図である。アルカリ蓄電池は、正極1、負極
2、セパレーター3、正極リード4、負極リード5、正
極外部端子6、負極缶7、封口蓋8などから構成されて
いる。正極1及び負極2は、セパレーター3を介して渦
巻き状に巻き取られた状態で負極缶7内に収容されてい
る。正極1は正極リード4を介して封口蓋8に、負極2
は負極リード5を介して負極缶7に接続されている。負
極缶7と封口蓋8との接合部には、絶縁性パッキング1
0が装着されて電池の密閉化がなされている。正極外部
端子6と封口蓋8との間には、コイルスプリング9が設
けられ、電池内圧力が異常に上昇したときに圧縮されて
電池内部のガスを大気中に放出し得るようになってい
る。
【0037】〔電池内圧特性の評価〕各電池を、25℃
にて電流0.2Cで6時間充電した後、0.2Cで1.
0Vまで放電する充放電を1サイクルとして、2サイク
ルの充放電試験を行った。その後、電流1.0Cで充電
を行い、電池内圧が10kgf/cm2 に達するまでの
充電時間を測定し、内圧特性とした。得られた結果を表
1に示す。
【0038】〔電池放電特性の評価〕各電池を、25℃
にて電流0.2Cで6時間充電した後、0.2Cで1.
0Vまで放電する充放電を1サイクルとして充放電試験
を行い、3サイクル目の放電を電流5.0Cで行い、そ
のときの放電容量(mAh)を測定した。得られた結果
を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示す結果から、負極Aを用いたアル
カリ蓄電池では、負極X及び負極Yを用いたアルカリ蓄
電池と比較して、電池内圧が10kgf/cm2 に達す
るまでの充電時間が長く、電池内圧の上昇が抑制されて
いることがわかる。また、負極Aを用いたアルカリ蓄電
池においては、5C放電時の放電容量が高く、大電流放
電特性に優れていることがわかる。
【0041】(実験2)この実験2では、酸性水溶液中
の銅イオンの含有量が及ぼす影響について検討した。
【0042】塩酸水溶液にクエン酸2水素カリウムを添
加し、水溶液のpHを2.5に調整した後、0.5g、
0.8g、1.0g、10g、15g、20g、25
g、30g、及び35gの塩化銅をそれぞれ溶解し、表
面処理用酸性水溶液を調製した。これらの酸性水溶液を
25℃に保ち、それぞれに上記の水素吸蔵合金粒子10
0gを15分間攪拌しながら浸漬し、吸引濾過した後、
水洗乾燥して水素吸蔵合金粒子b1〜b9を得た。表2
に、これらの合金粒子b1〜b9を製造するのに用いた
酸性水溶液の塩化銅添加量と銅イオン含有量を示す。な
お、合金粒子b4は合金粒子aと同じものである。
【0043】
【表2】
【0044】これらの合金粒子b1〜b9を用いて、実
験1と同様にして負極B1〜B9を作製し、これらの負
極を用いてアルカリ蓄電池を作製した。得られた各電池
について、実験1と同様にして内圧特性及び5C放電容
量を測定した。結果を表3に示す。なお、負極B4は負
極Aと同じものである。
【0045】
【表3】
【0046】表3に示す結果から明らかなように、酸性
水溶液中の銅イオンの含有量としては、0.3〜10.
5重量%が好ましいことがわかる。
【0047】(実験3)この実験3では、水素吸蔵合金
粒子を表面処理する酸性水溶液のpHの影響について検
討した。
【0048】塩酸とクエン酸2水素カリウムを用いて、
表4に示すpHに各酸性水溶液を調整した後、10gの
塩化銅を溶解して表面処理用酸性水溶液を調製した。こ
れらの表面処理用酸性水溶液を用いて、水素吸蔵合金粒
子を表面処理し、合金粒子c1〜c6を得た。なお、合
金粒子c3は合金粒子aと同じものである。
【0049】
【表4】
【0050】合金粒子c1〜c6を用いて、実験1と同
様にして負極C1〜C6を作製し、これらの負極を用い
て実験1と同様にしてアルカリ蓄電池を作製した。得ら
れた各アルカリ蓄電池について、実験1と同様にして内
圧特性及び5C放電容量を測定した。結果を表5に示
す。なお、負極C3は、負極Aと同じものである。
【0051】
【表5】
【0052】表5に示す結果から明らかなように、酸性
水溶液のpHは、1.5〜4.0の範囲内が好ましいこ
とがわかる。実験1、実験2、及び実験3では、銅イオ
ンを含有させるため、塩化銅(II)・2水和物を用いて
いるが、これ以外に、硫酸銅、硝酸銅、酸化銅、水酸化
銅及びこれらの混合物を用いた場合にも、同様の効果が
得られることを確認している。
【0053】また、実験1、実験2、及び実験3では、
酸性水溶液に含有させる酸として塩酸を用いているが、
硝酸、リン酸、酢酸及びこれらの混合物を用いた場合に
も、同様の効果が得られることを確認している。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、水素吸蔵合金粒子間の
接触抵抗が低減された水素吸蔵合金粒子とすることがで
きる。従って、この水素吸蔵合金粒子を用いることによ
り、電気抵抗の低い水素吸蔵合金電極を作製することが
でき、水素の吸収・放出における水素吸蔵合金電極の活
性を向上させることができる。さらには、このような水
素吸蔵合金電極を用いてアルカリ蓄電池を作製すること
により、充電時の電池内圧力の上昇を抑制し、大電流放
電時の放電容量を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う実施例において作製したアルカリ
蓄電池(ニッケル水素蓄電池)を示す模式的断面図。
【図2】本発明に従う実施例の水素吸蔵合金粒子の表面
において観察される微孔及び微粒子の状態を示す模式的
断面図。
【符号の説明】
1…正極 2…負極 3…セパレーター 4…正極リード 5…負極リード 6…正極外部端子 7…負極缶 8…封口蓋 9…コイルスプリング 10…絶縁性パッキング 11…水素吸蔵合金粒子表面 12…微孔 13…銅金属を主成分とする微粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井本 輝彦 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 加藤 菊子 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 東山 信幸 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 木本 衛 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 伊藤 靖彦 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 4K018 BC24 BD07 KA38 5H003 AA02 AA10 BA02 BA07 BB02 BC01 BC05 BD04 BD06 5H016 AA02 BB10 BB11 EE02 HH01 HH08 5H028 AA02 BB03 BB10 CC12 EE01 EE02 HH01 HH03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅イオンを含有し、かつ緩衝剤が添加さ
    れた酸性水溶液中に水素吸蔵合金粒子を浸漬することに
    より表面処理して得られることを特徴とする水素吸蔵合
    金粒子。
  2. 【請求項2】 前記表面処理により形成された水素吸蔵
    合金粒子表面の微孔の上に、銅金属を主成分とする微粒
    子が前記表面処理により析出し付着していることを特徴
    とする請求項1に記載の水素吸蔵合金粒子。
  3. 【請求項3】 前記酸性水溶液が、処理される水素吸蔵
    合金粒子に対し0.3〜10.5重量%の銅イオンを含
    有していることを特徴とする請求項1または2に記載の
    水素吸蔵合金粒子。
  4. 【請求項4】 銅イオンを含有し、かつ緩衝剤が添加さ
    れた酸性水溶液中に水素吸蔵合金粒子を浸漬することに
    より表面処理することを特徴とする水素吸蔵合金粒子の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記酸性水溶液のpHが1.5〜4.0
    の範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の水素
    吸蔵合金粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水
    素吸蔵合金粒子または請求項4もしくは5に記載の方法
    により製造された水素吸蔵合金粒子を用いたことを特徴
    とするアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金電極。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の水素吸蔵合金電極を負
    極として備えることを特徴とするアルカリ蓄電池。
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JP2009032656A (ja) * 2007-02-28 2009-02-12 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池用活物質の製造方法、リチウム二次電池用電極の製造方法、リチウム二次電池の製造方法、及びリチウム二次電池用活物質の品質モニタリング方法

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JPH08291391A (ja) * 1995-02-22 1996-11-05 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 水素吸蔵合金材料の表面処理方法、水素吸蔵合金電極の活性化処理方法、活性化溶液、および、初期活性に優れた水素吸蔵合金電極
JPH1012233A (ja) * 1996-06-26 1998-01-16 Sanyo Electric Co Ltd アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造方法

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