JP2001084571A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2001084571A
JP2001084571A JP26268599A JP26268599A JP2001084571A JP 2001084571 A JP2001084571 A JP 2001084571A JP 26268599 A JP26268599 A JP 26268599A JP 26268599 A JP26268599 A JP 26268599A JP 2001084571 A JP2001084571 A JP 2001084571A
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carbon black
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nonmagnetic
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Makoto Inoue
誠 井上
Akiko Watanabe
晶子 渡辺
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性層の下層に配設される下層下地層が良好
な表面性を有するとともに優れた導電性を有し、薄膜に
形成された磁性層の電磁変換特性を良好なものとする。 【解決手段】 非磁性支持体上に、少なくとも結合剤と
非磁性粉末とを混練してなる非磁性塗料を塗布してなる
下層下地層と、上記下層下地層上に、少なくとも結合剤
と磁性粉末とを混練してなる磁性塗料を塗布してなる上
層磁性層とを備える磁気記録媒体において、上記非磁性
粉末は、非磁性顔料の表面にカーボンブラックのグラフ
ァイト状の結晶子が被覆された領域を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体上に
下層下地層と上層磁性層とをこの順で有する磁気記録媒
体に関し、詳しくは、下層非磁性層に非磁性粉末を有す
る磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体としては、オーディオ用、
ビデオ用の各種フォーマットを始め、高密度フロッピー
ディスク或いはバックアップ用データカートリッジ等コ
ンピュータ周辺機器等に使用されるものが知られてい
る。この磁気記録媒体では、高密度記録化が図られ、磁
性粉末として金属微粒子を使用するものが主流になりつ
つある。
【0003】この磁気記録媒体において、高密度記録を
実現するための手法としては、磁性粉末の保磁力を向上
させたり、磁性塗膜を薄膜化することで記録減磁による
出力ロスを抑制すること等が考えられている。さらに、
高密度記録を行うためには、磁気記録媒体の表面を高度
に平滑化してスペーシングロスを最小限にする必要があ
る。
【0004】磁性層の薄膜化と平滑化とを同時に達成す
る手段としては、例えば、非磁性支持体上に下層非磁性
層と上層磁性層とを同時重層塗布方式で形成する、いわ
ゆる同時重層塗布方式を例示することができる。この同
時重層塗布方式によれば、表面性に優れ、且つ、薄膜化
された磁性層を有する磁気記録媒体を作製することがで
きる。
【0005】しかしながら、この同時重層塗布方式にお
いては、上層磁性層及び下層非磁性層の表面性は、それ
ぞれの塗料特性に依存するところが大きい。例えば、特
開平8−203060号公報に開示されているように、
例えば非磁性塗料と磁性塗料の物性が大きく異なる場合
には、塗りスジ、色ムラ及び厚みムラ等の欠陥が生じや
すい。
【0006】また同時重層塗布方式において、上層磁性
層を高度に平滑化するためには、下層非磁性層を優れた
表面性となるように形成する必要がある。したがって、
下層非磁性層を形成する際には、微粒子の非磁性顔料を
良好に分散させてなる下層用塗料を作製する必要があ
る。
【0007】更に、塗布後の後処理工程(カレンダー処
理工程、バックコート形成工程、スリット加工工程等)
においては、磁気記録媒体の電気抵抗が高いと、帯電に
より磁気記録媒体の貼り付きや走行不良等が発生してし
まい、切断や形状劣化を起こすことがある。また、磁気
記録媒体の電気抵抗が高く帯電してしまうと、放電ノイ
ズが生じてしまったり、塵芥等を巻き込むことにより電
磁変換特性、走行耐久性が劣る結果となる。特に、フレ
キシブルディスク等においては、いわゆるライナー及び
シェル等との摺動により帯電しやすく、ノイズやオフト
ラック等が頻繁に発生してしまう。
【0008】従って、塗膜の電気抵抗を下げるために、
下層非磁性層を形成する非磁性顔料として導電性のもの
を使用したり、カーボンブラック等を下層非磁性層に添
加することが行われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気記録媒
体における電気抵抗の低減効果及びコストの面からは、
下層非磁性層に添加される非磁性顔料としてカーボンブ
ラックが望ましい。しかしながら、カーボンブラック
は、吸液量が大きく均一な分散を達成しがたく、塗料粘
度を大幅に増大させてしまう。このため、下層用塗料中
にカーボンブラックを添加した場合、下層非磁性層の表
面性を良好に制御することが困難であり、その結果、上
層磁性層を高度に平滑化できないといった問題点があっ
た。
【0010】そこで、本発明は、上述した従来の実情に
鑑みて提案されたものであって、磁性層の下層に配設さ
れる下層下地層が良好な表面性を有するとともに優れた
導電性を有し、薄膜に形成された磁性層の電磁変換特性
に優れた磁気記録媒体を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成した
本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、少な
くとも結合剤と非磁性粉末とを混練してなる非磁性塗料
を塗布してなる下層下地層と、上記下層下地層上に、少
なくとも結合剤と磁性粉末とを混練してなる磁性塗料を
塗布してなる上層磁性層とを備える磁気記録媒体におい
て、上記非磁性粉末は、非磁性顔料の表面にカーボンブ
ラックのグラファイト状の結晶子が被覆された領域を有
することを特徴とするものである。
【0012】以上のように構成された本発明に係る磁気
記録媒体では、下層下地層中の非磁性顔料をカーボンブ
ラックのグラファイト状の結晶子により表面処理してい
るため、非磁性粉末に導電性を付与している。これによ
り、磁気記録媒体は、非磁性支持体上に形成される各塗
膜における電気抵抗値を低減させることができる。さら
に、この磁気記録媒体において、非磁性粉末が分散性に
優れるため、下層下地層の表面性が良好なものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
の好適な実施の形態について図面を参照して詳細に説明
する。
【0014】本発明を適用した磁気記録媒体は、図1に
示すように、非磁性支持体1と、非磁性支持体1の一主
面上に配設された下層非磁性層2と、下層非磁性層2上
に配設された上層磁性層3とから構成されている。
【0015】非磁性支持体1としては、ポリエチレンテ
レフタレート及びポリエチレン2,6−ナフタレート等
のポリエステル類、ポリエチレン及びポリプロピレン等
のポリオレフィン類、セルローストリアセテート等のセ
ルロース誘導体、ポリカーボネート、ポリイミド及びポ
リアミドイミド等のプラスチック又はアルミニウムなど
の金属を蒸着したプラスチック類を例示することができ
る。また、非磁性支持体1の形状としては、フィルム
状、テープ状又はシート状等いずれでもよい。さらに、
非磁性支持体1は、これらの形状に応じて上述した材料
の中から適宜選択されることが好ましい。また、非磁性
支持体1は、単層構造であっても多層構造であってもよ
い。また、例えば、非磁性支持体1の一主面には、コロ
ナ放電処理等の表面処理が施されていてもよいし、易接
着層等の有機物層が形成されていてもよい。
【0016】下層非磁性層2は、非磁性粉末と結合剤と
を主体とする非磁性塗料を非磁性支持体1上に塗布する
ことにより形成される。
【0017】非磁性粉末は、非磁性顔料の表面にカーボ
ンブラックのグラファイト状の結晶子が被覆された領域
を有している。具体的に、非磁性粉末は、非磁性顔料と
して針状のヘマタイト(α−Fe23)を使用し、この
針状ヘマタイトの表面にカーボンブラックをメカノケミ
カルに反応させることにより作製される。以下、針状ヘ
マタイトの表面にカーボンブラックをメカノケミカルに
反応させてなる非磁性粉末をハイブリッド粒子と称す
る。
【0018】非磁性顔料としては、針状のヘマタイト
(α−Fe23)に限定されず、非磁性であって、カー
ボンブラックをメカノケミカルに反応させることが可能
なものであれば如何なるものを使用してもよい。針状の
ヘマタイト(α−Fe23)は、非常に微細な粉体であ
って、粒子サイズが均一であるため非磁性顔料として適
当である。
【0019】ハイブリッド粒子のサイズ、比表面積は基
本的に基材となる針状ヘマタイト粒子に依存する。針状
ヘマタイト粒子は、微粒子であることが好ましい。具体
的な条件として、針状ヘマタイト粒子は、BET比表面
積で20〜100m2/gであることが好ましく、40
〜70m2/gであることがより好ましい。BET比表
面積を20〜100m2/gの範囲に規定することによ
って、ハイブリッド粒子は、非磁性塗料中で分散性に優
れるものとなる。このため、BET比表面積を20〜1
00m2/gの範囲内とした針状ヘマタイト粒子を使用
することによって、下層非磁性層2は、優れた表面性を
有することとなる。
【0020】また、針状ヘマタイト粒子は、長径(針状
ヘマタイト粒子における長手方向の寸法)が0.05〜
1.0μmの範囲にあることが好ましい。長径を0.0
5〜1.0μmの範囲に規定することによって、ハイブ
リッド粒子は、非磁性塗料中で分散性に優れるものとな
る。このため、長径を0.05〜1.0μmの範囲内と
した針状ヘマタイト粒子を使用することによって、下層
非磁性層2は、優れた表面性を有することとなる。
【0021】針状ヘマタイト粒子の製造方法としては、
従来より公知の手法を例示することができる。すなわ
ち、針状ヘマタイト粒子は、酸化鉄磁性粉末を生成する
過程の中間物質として得られる。詳しくは、第一鉄塩水
溶液をアルカリ存在下にて空気酸化することで含水酸化
鉄の針状結晶を成長させ、その後、この針状結晶を脱水
焼成することで針状ヘマタイト粒子が得られる。特に、
下層非磁性層2に使用する場合には、比較的高温で焼成
することにより表面の空孔の少ない粒子を得ることがで
きるため、上述したようなBET比表面積の小さい針状
ヘマタイト粒子を確実に作製できる。
【0022】ハイブリッド粒子を構成するカーボンブラ
ックとしては、従来公知のあらゆるものを使用すること
ができる。特に、カーボンブラックとしては、微粒子で
あるものが好ましい。具体的には、カーボンブラックと
して低ストラクチャ構造のものを使用することによっ
て、下層非磁性層2の塗膜強度を向上させることができ
る。換言すれば、下層非磁性層2の塗膜強度を向上させ
たい場合には、低ストラクチャ構造のカーボンブラック
を使用することが好ましい。
【0023】より具体的には、カーボンブラックとして
は、粒径が80nm以下であり、DBP吸油量が180
ml/100cc以下であるカーボンブラックを使用す
ることが好ましい。粒径が80nm以下、且つ、DBP
吸油量が180ml/100cc以下であるカーボンブ
ラックを使用すると、確実にハイブリッド粒子に導電性
を付与することができるとともに下層非磁性層2の表面
性を平滑にし、且つ下層非磁性層2の塗膜強度を向上さ
せることができる。
【0024】逆に、カーボンブラックとしてストラクチ
ャ構造が発達したものを使用すると、少量の使用でハイ
ブリッド粒子に導電性を付与することができる。すなわ
ち、ストラクチャ構造が発達したカーボンブラックを使
用することによって、カーボンブラックの使用量が少量
であっても下層非磁性層2の電気抵抗を低減することが
できる。
【0025】ハイブリッド粒子を作製する際には、粉体
のカーボンブラックと粉体のα‐Fe23を用いて、乾
式の粉体/粉体系でメカノケミカルな処理が行える装置
を使用する。具体的に、ハイブリッド粒子を作製する際
には、いわゆるハイブリタイザーのように高剪断のかか
る混合機中でカーボンブラックを解砕し、その後、α‐
Fe23粒子の表面にメカノケミカルに被着させる。な
お、ハイブリッド粒子を作製する際には、例えば、自動
乳鉢等の簡易な装置を使用してもよい。
【0026】ここで、メカノケミカル処理とは、機械的
な力により粉体と粉体とが強制的に接触させられるとき
に生じる帯電、付着、摩擦熱及び破壊に起因する新生面
での化学反応により、複合材料を形成する手段である。
一般に、メカノケミカル処理によれば、粒子表面を他の
材料で覆うことで新規の機能を持たせた、いわゆる複合
粒子を作製できる。特に、上述したハイブリッド粒子に
おいては、このメカノケミカル処理によって解砕された
カーボンブラックのグラファイト状の結晶子がヘマタイ
ト粒子の表面における少なくとも一部をミクロに覆って
いる。なお、このメカノケミカル処理では、ヘマタイト
粒子の表面に対してカーボンブラックを強固に被着させ
るためにカップリング剤等を用いても良いし、加温して
も良い。
【0027】ハイブリッド粒子を作製する際のメカノケ
ミカル処理では、カーボンブラックを、ヘマタイト微粒
子に対して重量比で10〜40%の範囲で用いることが
好ましい。カーボンブラックの使用量が10重量部未満
の場合には、ハイブリッド粒子の電気抵抗低減効果が不
充分となる虞があり、逆に、カーボンブラックの使用量
が40重量部を越える場合には、下層非磁性層2の表面
性が良好でなくなる虞がある。
【0028】ハイブリッド粒子は、使用した力ーボンブ
ラックの一次粒子サイズ及びストラクチャーにより電気
抵抗低減効果が異なるので、表面性と電気抵抗低減効果
とをを勘案して結合剤に対する添加量が決定される。
【0029】結合剤としては、磁気記録媒体の結合剤と
して従来から使用されているものが使用可能であるが、
特に、樹脂骨格に親水性極性基を含有しているものを使
用すると好適である。極性基としては、スルホン酸基、
硫酸エステル基、カルボン酸基、及びその塩、3級アミ
ン基、4級アンモニウム塩基、りん酸基、りん酸エステ
ル基等が使用可能であるが、特にスルホン酸基,硫酸エ
ステル基のアルカリ金属塩、或いは4級アンモニウム塩
基等が効果的である。
【0030】樹脂骨格としては、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
ル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−
アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化
ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニ
リデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重
合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポ
リフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共
重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポ
リビニルブチラ―ル、ポリアセタ―ル、セルロース誘導
体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホ
ルムアルデヒド樹脂またはこれらの混合物などが挙げら
れる。
【0031】また、下層非磁性層2に架橋剤として、3
官能イソシアネート化合物、例えばトリメチロールプロ
パン1[モル]とトリレンジイソシアネート3[モル]
との反応生成物、又はジイソシアネート3[モル]の環
状付加重合物であるイソシアヌレート等を併用すれば、
耐久性等をさらに向上させることができる。これらポリ
イソシアネート類は、下層磁性層2及び上層磁性層3両
層に用いることもできるし、いずれか一層のみに限定し
て用いることもできる。両層に用いる場合の配合量は、
各層に等量で投入することもできるし、任意の比率で変
えることもできる。
【0032】非磁性塗料に用いる有機溶剤としては、例
えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル
系;エチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グ
リコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒド
ロフランなどのエーテル系;ベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素系;メチレンクロライド、エ
チレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレ
ンクロルヒドリン、ジクロルベンゼンなどの塩素化炭化
水素系等が選択して使用できる。
【0033】すなわち、ハイブリッド粒子、結合剤、そ
して所望により添加する他の添加剤が有機溶媒に分散あ
るいは溶解させることにより非磁性塗料を調製し、この
非磁性塗料を非磁性支持体1の一主面に塗布して下層非
磁性層2が形成される。
【0034】一方、上層磁性層1は、磁性粉末と結合剤
とを主体とする磁性塗料を下層非磁性層2上に塗布する
ことにより形成される。
【0035】磁性粉末としては、強磁性酸化鉄微粉末、
Coドープの強磁性酸化鉄微粉末、強磁性二酸化クロム
微粉末、強磁性合金粉末等がいずれも使用できる。磁性
粉末の針状比は、1〜30であることが好ましく、4以
上であることがより好ましい。また、磁性粉末の平均長
は、0.05〜2.0μmの範囲であることが好まし
い。さらに、磁性粉末として強磁性合金粉末を使用する
場合、金属粉が75wt%以上であり、且つ、金属粉の
80wt%以上が強磁性金属(即ち、Fe、Co、N
i、Fe‐Ni、CoーNi、Fe‐Co‐Ni)であ
ることが好ましい。また、強磁性合金粉末は、長径が約
0.5μm以下の微粒子であることが好ましい。
【0036】上層磁性層1に使用される結合剤として
は、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線等
による放射線架橋型樹脂やこれらの混合物が使用され
る。熱可塑性樹脂としては、軟化点温度が150℃以
下、平均分子量が10000〜200000、重合度が
約150〜2000程度のものを使用することが好まし
い。具体的に、熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビ
ニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共
重合体、塩化ビニルアクリロニトリル共重合体、アクリ
ル酸エステルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステル塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステルス
チレン共重合体、メタクリル酸エステルアクリロニトリ
ル共重合体、メククリル酸エステル塩化ビニリデン、メ
ククリル酸エステルスチレン共重合体、ポリエステルポ
リウレタン系樹脂、ポリカーボネートポリウレタン系樹
脂、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデンアクリロニトリル
共重合体、ブタジエンアクリロニトリル共重合体、ポリ
アミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体
(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイア
セテート、セルローストリアセテート、セルロースプロ
ピオネート、ニトロセルロース等)、スチレンブタジエ
ン共重合体、ポリエステル樹脂、各種の合成ゴム系の熱
可塑性樹脂(ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリ
イソプレン、スチレンブタジエン共重合体など)及びこ
れらの混合物等が使用される。
【0037】ところで、非磁性塗料及び磁性塗料は、混
練機や希釈分散機を用いて調製される。この混練機は、
比較的固形分の高い磁性粉末を、結合剤を含む混合物中
で高せん断で分散する混練工程で用いられる。また、希
釈分散機は、比較的固形分の低い磁性粉末を、結合剤を
含む混合物中でビーズ等の衝撃力で分散する希釈分散工
程で用いられる。
【0038】これら混練機及び希釈分散機としては、従
来より公知のものを使用することができる。具体的に、
混練機としては、連続二軸混練機(エクストルーダ
ー)、コニーダー、加圧ニーダー等が挙げられる。ま
た、希釈分散機としては、縦型サンドミル、横型サンド
ミル、スパイクミル、パールミル、ダブルシリンダーパ
ールミル等が挙げられる。
【0039】さらに、調製された非磁性塗料は、例え
ば、リバースロール、グラビアロール、エアドクターコ
ーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スク
イズコーター、含浸コーター、トランスファロールコー
ター、キスコーター、キャストコーター、スプレイコー
ター等を用いて非磁性支持体1の一主面上に塗布され
る。
【0040】その後、非磁性塗料上に磁性塗料を塗布す
る。このとき、磁性塗料は、非磁性支持体1上に塗布さ
れた非磁性塗料が乾燥した後に当該非磁性塗料上に塗布
されてもよいし、非磁性支持体上1に塗布された非磁性
塗料が湿潤状態のうちに塗布されてもよい。非磁性支持
体1上に塗布された非磁性塗料が湿潤状態のうちに磁性
塗料を塗布する場合には、非磁性支持体1上に非磁性塗
料及び磁性塗料を同時重層塗布することが好ましい。同
時重層塗布を行う場合には、例えば、いわゆるダイコー
タを使用する。
【0041】以上のように構成された磁気記録媒体で
は、下層非磁性層2にハイブリッド粒子が添加されてい
る。そして、このハイブリッド粒子は、非磁性顔料の表
面にカーボンブラックのグラファイト状の結晶子が被覆
された領域を有している。下層非磁性層2は、添加され
たハイブリッド粒子により電気的な導通を図ることがで
きるため、低い電気抵抗を示すこととなる。したがっ
て、この磁気記録媒体は、帯電防止効果に優れ、帯電に
起因する貼り付や走行不良等を確実に防止できる。この
ため、この磁気記録媒体は、非常に優れた歩留まりで製
造することができる。また、この磁気記録媒体では、帯
電に起因する放電ノイズや、塵芥等を巻き込むことによ
る電磁変換特性の劣化及び走行耐久性の劣化を発生する
ことが防止できる。したがって、この磁気記録媒体は、
優れた電磁変換特性を示すこととなる。特に、磁気記録
媒体を円盤状に加工し、内部にライナーを有する上下一
対のシェル内に収納したような場合であっても、磁気記
録媒体は、ライナーやシェル等の摺動によっても帯電し
難く、ノイズやオフトラック等の発生を確実に防止でき
る。
【0042】このことを検証するため、非磁性塗料にカ
ーボンブラックを添加した場合と非磁性塗料にハイブリ
ッド粒子を添加した場合とを比較する。なお、この検証
では、カーボンブラックとして、一次粒径及び比表面積
がともに小さい「カーボンA」と一次粒径及び比表面積
がともに大きい「カーボンB」との2つを使用した。
【0043】カーボンブラックの添加量又はカーボンブ
ラックの処理量と磁気記録媒体の電気抵抗との関係を図
2に示す。
【0044】図2から、ハイブリッド粒子を下層非磁性
層2に添加した場合には、下層非磁性層2にカーボンブ
ラックを添加した場合と略々同様に磁気記録媒体の電気
抵抗が低減している。特に、カーボンAを用いた場合に
は、カーボンA単独で添加した場合の添加量よりも少量
の処理量で同等の電気抵抗低減効果を奏することが判
る。また、カーボンBを用いたハイブリッド粒子の方が
カーボンAを用いたハイブリッド粒子よりも、少量の処
理量で電気抵抗を低減している。このことから、電気抵
抗を効率よく低減するといった観点からは、一次粒径が
大きく、且つ、比表面積が大きいカーボンブラックを用
いることが好ましいことが判る。
【0045】このように、下層非磁性層2には、従来の
ように帯電防止効果を奏するためにカーボンブラック等
の帯電防止剤を添加する必要がない。このため、下層非
磁性層2となる非磁性塗料では、未分散のカーボンブラ
ックに起因して塗料粘度が増大してしまうようなことが
ない。言い換えると、この非磁性塗料には、帯電防止効
果を奏するため、分散性に優れたハイブリッド粒子のみ
を添加している。下層非磁性層2は、高度に分散された
非磁性塗料により形成されるため、非常に優れた表面性
を有することとなる。この結果として、上層磁性層3
は、高度に平滑化されることとなる。したがって、この
磁気記録媒体は、スペーシングロス等が発生し難く、優
れた電磁変換特性を示すこととなる。
【0046】このことを検証するため、非磁性塗料にカ
ーボンブラックを添加した場合と非磁性塗料にハイブリ
ッド粒子を添加した場合とにおける非磁性塗料の粘度及
び表面性を比較する。カーボンブラックの添加量又はカ
ーボンブラックの処理量と非磁性塗料の粘度との関係を
図3に示す。また、カーボンブラックの添加量又はカー
ボンブラックの処理量と磁気記録媒体の表面粗度との関
係を図4に示す。
【0047】図3から、カーボンブラックを添加した非
磁性塗料では、カーボンブラックの添加量に応じて非磁
性塗料の粘度が増大することが判る。また、図4から、
カーボンブラックを添加した非磁性塗料では、カーボン
ブラックの添加量に応じて表面粗度が劣化することが判
る。このことから、電気抵抗低減のためにカーボンブラ
ックを添加する場合、非磁性塗料における未分散状態の
カーボンブラックに起因して塗料粘度が増大してしま
い、優れた表面性を得ることができない。
【0048】これに対してハイブリッド粒子を添加する
場合には、図3に示すように、カーボンブラックの処理
量と非磁性塗料の粘度との間には相関関係が殆ど見られ
ない。また、ハイブリッド粒子を添加する場合には、図
4に示すように、カーボンブラックの処理量と表面粗度
との間には相関関係が見られない。このことから、電気
抵抗低減のためにカーボンブラックの処理量を増大して
ハイブリッド粒子を作製しても、当該ハイブリッド粒子
に起因して非磁性塗料の粘度が増大するようなことがな
く、優れた表面性を達成することができる。
【0049】また、ハイブリッド粒子としては、低スト
ラクチャのカーボンブラックをメカノケミカルに被着し
たものが好ましい。低ストラクチャのカーボンブラック
を使用した場合には、ハイブリッド粒子を下層非磁性層
2に添加した場合に発生する下層非磁性層2の弾性率低
下を抑制することができる。したがって、低ストラクチ
ャのカーボンブラックを使用した場合には、上層磁性層
3と下層非磁性層2との塗膜強度が高く、優れた走行耐
久性を達成することができる。
【0050】このことを検証するために、上述した「カ
ーボンA」を用いたハイブリッド粒子と「カーボンB」
を用いたハイブリッド粒子とを比較した。ハイブリッド
粒子におけるカーボンAの処理量及びハイブリッド粒子
におけるカーボンBの処理量と下層非磁性層2の弾性率
との関係を図5に示す。なお、この図5には、「カーボ
ンA」又は「カーボンB」を単独で下層非磁性層2に添
加した場合の、各カーボンブラックの添加量と下層非磁
性層2の弾性率との関係も示している。
【0051】図5から、カーボンAを用いたハイブリッ
ド粒子では、カーボンBを用いたハイブリッド粒子と比
較して弾性率の低下が抑制されている。このことから、
カーボンAを用いたハイブリッド粒子を添加した場合、
磁気記録媒体は、走行耐久性に優れたものとなることが
判る。言い換えると、低ストラクチャのカーボンブラッ
ク、すなわち、一次粒径が小さく、且つ、比表面積が小
であるカーボンブラックを使用した場合には、下層非磁
性層2の弾性率低下が抑制され、優れた塗膜強度を有す
ることが実証された。
【0052】また、この図5から、カーボンブラック単
独での添加量とハイブリッド粒子におけるカーボンブラ
ックの処理量とが同等である場合、ハイブリッド粒子を
添加する方が下層非磁性層2の弾性率低減を抑制する効
果が大きいことが判る。したがって、ハイブリッド粒子
を使用した場合には、カーボンブラック単独で使用した
場合と比較して走行耐久性に優れるものとなる。
【0053】
【実施例】以下、本発明を具的的な実施例により説明す
るが、本発明は、これら実施例に限定されるものではな
い。先ず、実験1として上述したハイブリッド粒子の効
果を検討した。
【0054】<実験1>実施例1 先ず、実施例1においては、非磁性顔料として針状のα
−Fe23粒子を使用し、カーボンブラックとしてキャ
ボット社製の商品名「BlackPeals−L」(表
1においては「A」と記載する。)を使用してハイブリ
ッド粒子を作製した。なお、このBlackPeals
−Lは、平均一次粒径が21nmであり、比表面積が1
30m2/gであり、DBP吸油量が66ml/100
gである。また、針状のα−Fe23粒子は、比表面積
が55m2/g、平均長軸長が約0.15μm、長軸/
短軸比が約10であるものを使用した。
【0055】ここで比表面積は、RAPID SURF
ACE AREA ANALYZER(マイクロメトリ
クス社製)にてBET法で求めた。長軸長及び短軸長は
透過型電子顕微鏡(x10万倍)の写真から計測し、2
00点の平均値として求めた。
【0056】次に、このハイブリッド粒子を用いて以下
の組成にて各々最適な条件で混合・分散し、非磁性塗料
を調整した。
【0057】<非磁性塗料組成> ハイブリッド粒子 100重量部 ポリ塩化ビニル樹脂 15重量部 (日本ゼオン社製MR−110) ポリエステルポリウレタン樹脂 10重量部 (東洋紡社製UR‐8200) 脂肪酸エステル 5重量部 脂肪酸(ミリスチン酸) 2重量部 メチルエチルケトン 100重量部 シクロヘキサノン 100重量部 また、非磁性塗料とは別に、以下の組成となるように磁
性塗料を調整した。
【0058】<磁性塗料組成> α−Feメタル磁性粉末 100重量部 ポリ塩化ビニル樹脂 10重量部 (日本ゼオン社製MR‐110) ポリエステルポリウレタン樹脂) 10重量部 (東洋紡社製UR―8200) α−A123 5重量部 (平均粒径0.3μm粒子) ステアリン酸 1重量部 メチルエチルケトン 150重量部 シクロヘキサノン 150重量部 ここで使用したα−Feメタル磁性粉末の磁気特性及び
粉体特性は次の通りである。
【0059】 飽和磁化量=155Am2/kg 保磁力=190kA/m 比表面積=56m2/g 針状比=6 上述のようにして調製された非磁性塗料及び磁性塗料を
4リップ方式ダイコーターを用いて、約60μm厚みの
PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に同
時重層塗布し、配向・乾燥処理後、同様に反対面側に塗
布し、配向、乾燥処理を行った。その後カレンダー、硬
化処理を経て、3.5インチ径のディスクに打ち抜い
て、サンプルディスクを得た。なお、塗布厚は、表面・
裏面共に、上層磁性層が約0.2μm、下層非磁性層が
約2.0μmで、上層磁性層/下層非磁性層の厚み比率
は10に設定した。
【0060】実施例2〜実施例9 実施例2〜実施例9では、使用するカーボンブラックの
具体的な種類及びカーボンブラックの処理量を表1に示
すように規定した以外は、実施例1と同様に磁気記録媒
体を作製した。なお、カーボンブラックとしてライオン
アクゾ社製の商品名「ケッチェン−EC」を使用したサ
ンプルは、表1においてカーボンブラックの種別として
「B」と記載した。このケッチェン−ECは、平均一次
粒径が30nmであり、比表面積が950m2/gであ
り、DBP吸油量が350ml/100gである。
【0061】比較例1 比較例1としては、カーボンブラックによる表面処理を
行わなず、針状のα−Fe23粒子を単独で使用した以
外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0062】比較例2〜比較例8 比較例2〜比較例8では、カーボンブラックを単独で使
用した以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製
した。
【0063】これら実施例及び比較例において、得られ
た非磁性塗料及びサンプルディスクについて、それぞれ
非磁性塗料の粘度、下層非磁性層及び上層磁性層からな
る二層塗膜の弾性率(ヤング率)、ディスクの表面粗
度、表面電気抵抗、電磁変換特性(出力)、走行耐久特
性を測定した。
【0064】非磁性塗料の粘度は東栄精機社製、E型粘
度計にて、剪断速度5.0s-1での粘度を測定した。表
面粗度は光干渉式粗度計(HP社製ZYGO)を用いて
測定し、中心面平均粗さSRaで評価した。電気抵抗は
2極型表面電気抵抗測定機(YHP社製HIGH RE
SISTANCE METER)で測定した。電磁変換
特性は回転数3600rpmにて、120kfciでの
記録再生出力を測定し、実施例1のサンプルディスクを
100%とした時の相対値に換算した。二層塗膜のヤン
グ率は引張試験機(島津オートグラフAG−100D)
にて測定し、以下の式よりベースフィルム付きの二層塗
膜からベースフィルム単独のヤング率を差し引いて算出
した。測定は5サンプル行い、最大、最小値を除いた3
点の平均値を使用した。
【0065】 Em*Tm=Et*(Tm+Tb)−Eb*Tb ここで、 Et : シートヤング率(測定値) Em,Tm : それぞれ塗膜弾性率,塗膜厚み Eb,Tb : それぞれベース弾性率,ベース厚み 走行耐久性は同一トラックを連続再生した際の走行寿命
を、出力が初期値に対して6dB低下するまでのパス回
数で評価した。パス回数は4000万パス(約185時
間)以上のものを良とした。
【0066】結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】表1から明らかなように、下層非磁性層に
従来のα−Fe23をのみを添加した比較例1では、電
気抵抗を低減することができず、その結果、走行不良を
生じている。また、比較例2〜比較例8のように、下層
非磁性層にカーボンブラックを添加したものは、非磁性
塗料の粘度が増大し、表面粗度も大きな値となってい
る。このため、比較例2〜比較例8は、電磁変換特性が
悪く、また、下層非磁性層のヤング率も悪い値を示して
いる。
【0069】これに対して、下層非磁性層にハイブリッ
ド粒子を添加した実施例1〜実施例9のサンプルでは、
比較例1と比較して電気抵抗を大幅に低減することがで
きるため、優れた走行耐久性を示している。また、実施
例1〜実施例9では、比較例2〜比較例9と比較して、
非磁性塗料の粘度を低く抑えることができるため、表面
粗度も優れた値を示している。このため、実施例1〜実
施例9は、電磁変換特性に優れたものとなっている。
【0070】また、カーボンブラックの処理量が5重量
%である実施例1では、電気抵抗を低減する効果が比較
的小さい。カーボンブラックの処理量が50重量%であ
る実施例7では、非磁性塗料の粘度が比較的高い値とな
っている。これに対して、カーボンブラックの処理量が
10〜40重量%である実施例2〜実施例6では、電気
抵抗を確実に低減することができるとともに非磁性塗料
の粘度を低い値に維持することができる。したがって、
カーボンブラックの処理量は、10〜40重量%である
ことが好ましいことがわかる。
【0071】さらに、実施例1〜実施例7と実施例8及
び実施例9とを比較すると、一次粒子径が小さく、且
つ、比表面積が小さい「BlackPeals−L」を
使用した方が非磁性塗料の粘度を低く抑える効果が高
く、逆に、一次粒子径が大きく、且つ、比表面積が大き
い「ケッチェン−EC」を使用した方が電気抵抗を低減
する効果が高くなっている。このことから、非磁性塗料
の粘度を低く抑えて表面性を優れたものとして電磁変換
特性を向上させるか、電気抵抗を低減して走行耐久性を
向上させるかを、一次粒子径及び比表面積を適宜選択す
ることにより調節できることがわかる。
【0072】次に、実験2として下層非磁性層の好まし
い厚みを検討した。
【0073】<実験2>実施例10〜実施例17 実施例10〜実施例17では、下層非磁性層の厚みを表
2に示すようにした以外は実施例4と同様にして磁気記
録媒体を作製した。
【0074】このように作製した実施例10〜実施例1
7を用いて、上述した実験1と同様に二層塗膜の弾性
率、ディスクの表面粗度、表面電気抵抗、電磁変換特
性、走行耐久特性を測定した。結果を表2に示す。
【0075】
【表2】
【0076】この表2から判るように、下層非磁性層の
厚みが0.1μmである実施例16では、表面粗度が
4.8nmとなっており電磁変換特性が比較的悪い値と
なっている。言い換えると、電磁変換特性を優れた値と
するためには、下層非磁性層の厚みを0.2以上として
表面粗度を4.2nm以下とすることが好ましいことが
判る。
【0077】また、下層非磁性層の厚みが4.0μmで
ある実施例17では、二層塗膜のヤング率が4.7GP
aとなっており走行耐久性が比較的悪い値となってい
る。言い換えると、走行耐久性を良好にするためには、
下層非磁性層の厚みを4.0nmを超えないようにして
二層塗膜のヤング率を5.0GPa以上とすることが好
ましいことが判る。
【0078】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る磁気記録媒体では、非磁性顔料の表面にカーボン
ブラックのグラファイト状の結晶子が被覆された領域を
有する非磁性粉末を下層下地層中に含有しているため、
下層下地層の電気抵抗を確実に低減することができる。
このため、この磁気記録媒体では、走行耐久性を大幅に
向上させることができる。また、この磁気記録媒体で
は、下層下地層の表面性を向上させることができるた
め、電磁変換特性にも優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の一例を示す要部断
面図である。
【図2】カーボンブラックの添加量及びカーボンブラッ
クの処理量と下層非磁性層の電気抵抗との関係を示す特
性図である。
【図3】カーボンブラックの添加量及びカーボンブラッ
クの処理量と非磁性塗料の粘度との関係を示す特性図で
ある。
【図4】カーボンブラックの添加量及びカーボンブラッ
クの処理量と表面粗度との関係を示す特性図である。
【図5】カーボンブラックの添加量及びカーボンブラッ
クの処理量と下層非磁性層の弾性率との関係を示す特性
図である。
【符号の説明】
1 非磁性支持体、2 下層非磁性層、3 上層磁性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G002 AA03 AA12 AB05 AE01 4J038 EA011 HA216 KA15 KA20 NA22 PA07 PB11 5D006 BA19 CA04 CA05 FA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に、少なくとも結合剤と
    非磁性粉末とを混練してなる非磁性塗料を塗布してなる
    下層下地層と、上記下層下地層上に、少なくとも結合剤
    と磁性粉末とを混練してなる磁性塗料を塗布してなる上
    層磁性層とを備える磁気記録媒体において、 上記非磁性粉末は、非磁性顔料の表面にカーボンブラッ
    クのグラファイト状の結晶子が被覆された領域を有する
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記下層下地層の厚みが0.2〜3.0
    μmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の磁気
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記非磁性顔料は、ヘマタイト(α−F
    23)であることを特徴とする請求項1記載の磁気記
    録媒体。
  4. 【請求項4】 上記非磁性粉末は、上記非磁性顔料に対
    する重量比で10〜40%の上記カーボンブラックを用
    いて、上記非磁性顔料に上記カーボンブラックをメカノ
    ケミカル処理して得られることを特徴とする請求項1記
    載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記磁性層が形成された側の表面の中心
    線平均粗さが4.2nm以下であることを特徴とする請
    求項1記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記カーボンブラックは、平均一次粒径
    が80nm以下であり、DBP吸油量が180ml/1
    00cc以下であることを特徴とする請求項1記載の磁
    気記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記下層下地層及び上記上層磁性層から
    なる塗膜は、常温における弾性率が5.0〜15.0
    [GPa]であることを特徴とする請求項1記載の磁気
    記録媒体
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