JP2005228464A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁性塗料作製時における希釈安定性を向上することにより、薄層磁性層に対応して磁性塗料濃度を低くしても、磁性層の表面粗さや出力における問題を生ずることがない、高記録密度磁気記録媒体およびその製造方法を提供する。【解決手段】 非磁性支持体の一方の面上に少なくとも磁性層を備え、磁性層が、磁性粉末と、バインダ樹脂としての重合度270以上の塩化ビニル系樹脂および脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂と、置換基Rを有する芳香族化合物(Rは、−COOH、−(COOH)2、−OPO(OH)2、−PO(OH)2、−SO3Hからなる群から選択される)と、リン酸エステルと、を含有する磁気記録媒体である。非磁性支持体上に磁性塗料を塗布して上記磁気記録媒体を製造するにあたり、塗布時における磁性塗料の最終濃度を、バインダ樹脂および溶剤の総和に対するバインダ樹脂の比率で2.0重量%以下とする製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は磁気記録媒体およびその製造方法に関し、詳しくは、薄層磁性層を有する高記録密度の磁気記録媒体であって、磁性塗料作製時における希釈安定性を改良した磁気記録媒体、およびその製造方法に関する。
一般に、磁気記録媒体の磁性塗料は、磁性粉末、バインダ樹脂、有機溶剤その他の必要成分からなる磁性塗料組成物を、ガラスビーズ等の分散用媒体が混合槽内に充填されてなる媒体分散型ミル等に供給し、その混合槽内に内設された攪拌装置で分散用媒体と共に強制攪拌する等の工程を経て製造される。
近年では、高記録密度化の要請より磁性層の薄層化が進んできており、これに対応して、磁性塗料の塗料濃度は低下する傾向にある。このような低濃度塗料を作製するに際しては、通常、ある程度高濃度の塗料で分散を行った後、これを希釈して最終的な塗料濃度とし、さらに分散を行う手法が用いられる。
このような薄層磁性層用の磁性塗料の作製工程に係る改良技術としては、例えば、特許文献1に、磁性層形成用塗料に所定の有機溶剤を用いることにより、配向度の低下等の不具合を生ずることなく薄層磁性層を形成することを可能にした磁気記録媒体の製造方法が記載されている。また、特許文献2には、非磁性層中に分散剤としてリン酸エステル系化合物および/またはフェニルホスホン酸を用いることで、塗料の安定性が向上することが記載されている。
特開2002−367159号公報 特開2001−351224号公報
上述のように、磁性塗料の製造に際しては、高濃度塗料から低濃度塗料への希釈工程が行われる。ところが、磁性層の薄膜化により最終的な塗料濃度が低下してきたことに伴って、分散後の高濃度塗料を目的の低濃度、即ち、バインダ樹脂の濃度(=樹脂/(樹脂+溶剤))(以下、「La濃度」とも称する)で2.0重量%以下程度まで希釈した際に、希釈前の塗料光沢に比して希釈後の塗料光沢が低下してしまう問題が生じていた。この塗料の希釈安定性の悪化は、磁性層塗布、加工後の表面粗さを悪化させて、出力の低下を引き起こすため、解消することが求められていた。
そこで本発明の目的は、磁性塗料作製時における希釈安定性を向上することにより、薄層磁性層に対応して磁性塗料濃度を低くしても磁性層の表面粗さや出力における問題を生ずることがない、高記録密度磁気記録媒体およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、磁性塗料の組成を所定に規定することにより、La濃度を低くしても希釈安定性を良好に確保して、磁性層の表面性や出力における問題を有しない高記録密度磁気記録媒体が得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体の一方の面上に少なくとも磁性層を備え、該磁性層が、磁性粉末と、バインダ樹脂としての重合度270以上の塩化ビニル系樹脂および脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂と、置換基Rを有する芳香族化合物(Rは、−COOH、−(COOH)2、−OPO(OH)2、−PO(OH)2、−SO3Hからなる群から選択される)と、リン酸エステルと、を含有することを特徴とするものである。
本発明において、前記芳香族化合物の含有量は、前記磁性粉末100重量部に対し、0.5〜3重量部の範囲内であることが好ましく、前記リン酸エステルの含有量は、前記磁性粉末100重量部に対し、0.5〜3重量部の範囲内であることが好ましい。また、前記脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂の、バインダ樹脂の総量に対する比率は、好適には10重量%以上である。さらに、前記塩化ビニル系樹脂とポリウレタン系樹脂との重量比率は8:2〜2:8の範囲内であることが好ましく、前記芳香族化合物としては、好適にはフタル酸である。さらにまた、前記磁性層の膜厚は、0.05〜0.3μmの範囲内とすることができる。
また、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、前記非磁性支持体上に磁性塗料を塗布して、上記本発明の磁気記録媒体を製造するにあたり、塗布時における該磁性塗料の濃度を、バインダ樹脂および溶剤の総和に対する該バインダ樹脂の比率で2.0重量%以下とすることを特徴とするものである。更に、非磁性支持体上に非磁性層が少なくとも非磁性塗料の塗設および乾燥されて形成されていることが好ましい。
なお、前述したように、特許文献1には薄層磁性層の形成に係る磁気記録媒体の製造方法が記載されているが、この文献中には本発明の目的である磁性塗料の希釈安定性に関する記載はない。また、特許文献2は、非磁性層の改良に係る技術であり、磁性層の組成については、希釈安定性が得られるものではない。
本発明によれば、上記組成の磁性層としたことにより、磁性塗料作製時における希釈安定性を向上することができ、磁性層を薄層にて形成した場合でも表面粗さの悪化やそれに伴う出力の悪化を生ずることのない、高記録密度磁気記録媒体を得ることが可能である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体の一方の面上に少なくとも磁性層を備え、この磁性層が、磁性粉末と、バインダ樹脂としての重合度270以上の塩化ビニル系樹脂および脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂と、置換基Rを有する芳香族化合物(Rは、−COOH、−(COOH)2、−OPO(OH)2、−PO(OH)2、−SO3Hからなる群から選択される)と、リン酸エステルと、を含有する。
磁性粉末としては、特に制限されるものではなく、例えば、γ−Fe23、Fe34、γ−Fe23とFe34との固溶体、Co化合物被着型γ−Fe23、Co化合物ドープ型γ−Fe23、Co化合物被着型Fe34、Co化合物ドープ型Fe34、Co化合物被着型γ−Fe23とCo化合物被着型Fe34との固溶体、Co化合物ドープ型γ−Fe23とCo化合物ドープ型Fe34との固溶体、CrO2等の酸化物強磁性粉末、Fe−Co−Ni合金、Fe−Al合金、Mn−Bi合金、Fe−Al−P合金、Fe−Co−Ni−Cr合金、Fe−Ni−Zn合金、Fe−Co−Ni−P合金、Fe−Ni合金、Co−Ni合金、Co−P合金、Fe−Mn−Zn合金、Fe−Ni−Cr−P合金等、Fe、Ni、Coを主成分とする従来公知の金属磁性粉末(強磁性金属粉末)を挙げることができる。
本発明においては、中でも特に、高記録密度に対応した微粒子の磁性粉末として、平均長軸長xが130nm以下、特には、30〜100nmの針状強磁性金属粉末を用いることが好ましい。平均長軸長が130nmを超えると、磁気記録媒体に要求される電磁変換特性(特に、S/NおよびC/N特性)を十分に満足することができなくなる傾向にあるので、好ましくない。また、バリウムフェライト等の六方晶形酸化鉄粉末を用いることもできる。六方晶形酸化鉄粉末の板状比は2〜7が好ましい。また、TEM観察による平均一次板径が10〜50nmであることが好ましい。大きいと、磁性層の表面性が悪化する傾向にある。
このような磁性粉末は、磁性層組成中に70〜90重量%程度含まれていればよい。磁性粉末の含有量が多すぎるとバインダ樹脂の含有量が減少するためカレンダ加工による表面平滑性が悪化しやすくなり、一方、少なすぎると高い再生出力が得られにくくなる。
また、磁性層のバインダ樹脂としては、重合度270以上、好ましくは300以上の塩化ビニル系樹脂と、脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂とを用いる。重合度270未満の塩化ビニル系樹脂であると、塗料を希釈した際に光沢が著しく低下してしまう。これは、希釈によってLa濃度が低下することでバインダ樹脂の磁性粉末等からの剥がれ、凝集等が発生することに起因するものと考えられ、重合度270未満の塩化ビニル系樹脂で顕著に現れる。また、塩化ビニル系樹脂は、重合度400以上では塗料の増粘が激しくなるので、好ましくは重合度400未満である。使用可能な塩化ビニル系樹脂としては、例えば、日本ゼオン(株)製 MR110(重合度300)、MR112(重合度330)、MR113(重合度320)等を挙げることができる。また、脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂としては、東洋紡(株)製、UR8700等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂に関しては、塗料の希釈の際における磁性粉末等からの剥がれ、凝集等を引き起こしにくいものと考えられる。
ここで、ポリウレタン系樹脂は、ヒドロキシル基含有樹脂とイソシアネートとの反応により得られる。ヒドロキシル基含有樹脂としては、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、ビスフェノールA等のアルキレンオキサイド付加物、各種のグリコールおよびヒドロキシル基を分子鎖末端に有するポリエステルポリオール等が挙げられる。このうち、ヒドロキシル基含有樹脂としてポリエステルポリオールを使用したものがポリエステルポリウレタン樹脂である。ポリエステルポリオールはカルボン酸成分とグリコール成分とに分けられる。
ポリエステルポリオールのカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の不飽和脂肪酸および脂環族ジカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等のトリおよびテトラカルボン酸等を挙げることができる。
また、ポリエステルポリオールのグリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA等のエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等がある。また、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等のトリおよびテトラオールを併用してもよい。
ポリエステルポリオールとしては、他に、カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるラクトン系ポリエステルジオール鎖が挙げられる。
また、ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、ジイソシアネートシクロヘキシルメタン、ジメトキシビフェニレンジイソシアネート、ジイソシアネートジフェニルエーテル等のジイソシアネート化合物、あるいは、全イソシアネート基のうち7モル%以下のトリレンジイソシアネートの三量体、ヘキサンメチレンジイソシアネートの三量体等のトリイソシアネート化合物が挙げられる。
ポリエステルポリウレタン系樹脂としては、ポリエステルポリオールとして、グリコール成分であるエチレングリコールやネオペンチルグリコール等とカルボン酸成分であるアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸との反応により得られる脂肪族ポリエステルポリオール、または、グリコール成分であるエチレングリコールやネオペンチルグリコール等とカルボン酸成分であるフタル酸等の芳香族ジカルボン酸との反応により得られる芳香族ポリエステルポリオールを用いて、これらとイソシアネートを反応させることにより得られる脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂や芳香族ポリエステルポリウレタン系樹脂がある。本発明においては、上述のように、これらのうち脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂を必須のバインダ樹脂成分として用いる。
また、脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂は、バインダ樹脂の総量に対して10重量%以上、特には10〜40重量%の比率で用いることが好ましく、40重量%を超えると、塗膜強度が低下してしまう。一方、塩化ビニル系樹脂の含有量は好適には90重量%以下であり、90重量%を超えると、塩化ビニル系樹脂は伸び成分に乏しいため、塗膜が脆化してしまう。さらに、塩化ビニル系樹脂と、脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂を含むポリウレタン系樹脂との重量比率は、8:2〜2:8の範囲内とすることが好ましく、より好ましくは、8:2〜5:5である。これにより、塗膜の強度と柔軟性とを良好にバランスさせることができる。塩化ビニル系樹脂とポリウレタン系樹脂の合計量は、バインダ樹脂の総量に対して80〜100重量%が好ましく、より好ましくは100重量%である。
磁性層のバインダ樹脂としては、上記塩化ビニル系樹脂および脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂を用いることが必要であるが、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、放射線硬化型樹脂やこれらの混合物を併用することも可能である。併用可能な他の樹脂としては、例えば、塩化ビニル−エポキシ系共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、セルロース系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、上記脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂以外の芳香族ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン等のポリウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、繊維素系樹脂、合成ゴム系樹脂などであり、これらは一般に磁気記録媒体用のバインダ樹脂として用いられる樹脂材料である。
磁性層に用いられるこれらのバインダ樹脂の含有量は、磁性粉末100重量部に対して5〜40重量部、特には10〜30重量部の範囲内とすることが好ましい。バインダ樹脂の含有量が少なすぎると磁性層の強度が低下するため、走行耐久性が悪化しやすくなる。一方、多すぎると磁性粉末の含有量が低下するため、電磁変換特性が低下してくる。
これらバインダ樹脂を硬化させる架橋剤としては、例えば、熱硬化型樹脂の場合は、既知の各種ポリイソシアナートを挙げることができ、この架橋剤の含有量はバインダ樹脂100重量部に対し、10〜30重量部とすることが好ましい。
また、本発明において磁性層中に添加される芳香族化合物としては、具体的には、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、安息香酸、フェニルホスホン酸、ベンゼンスルフィン酸などを挙げることができ、好適には、分散剤としての効果の高いフタル酸を用いる。かかる芳香族化合物の含有量は、磁性粉末100重量部に対し、0.5〜3重量部の範囲内とすることが好ましい。さらに、リン酸エステルとしては、好適には、数平均分子量Mnが500〜2000程度のものを用いる。例えば、東邦化学(株)製 RE610、大八化学(株)製 DP−8、DP−8R等を挙げることができる。その好適含有量は、磁性粉末100重量部に対し、0.5〜3重量部の範囲内である。これら芳香族化合物およびリン酸エステルを使用することにより、塗料を希釈した際における光沢の低下を防止することができる。これは、これら化合物がバインダ樹脂を磁性粉末等に吸着させる分散剤としての効果が高く、かつ、La濃度に影響を受けにくいためであると考えられる。このため、上記芳香族化合物およびリン酸エステルと、重合度270以上のビニル系樹脂および脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂との組み合わせにより、初めて希釈安定性を向上させることが可能となるのである。また、夫々、上記好適範囲内の含有量において、より良好な希釈安定性を得ることができる。
さらに、磁性層中には、必要に応じ、一般に使用される他の分散剤、潤滑剤、研磨材、帯電防止剤、硬化剤などを添加してもよい。
磁性層の厚さについては、特に制限されるものではないが、0.05〜0.3μm、特には0.05〜0.1μm、更には0.05〜0.08μmの範囲内程度の薄層磁性層において、本発明はより有効である。但し、磁性層が厚すぎると自己減磁損失や厚さ損失が大きくなる一方、薄すぎると、再生出力が小さくなる傾向がある。
磁性層の下層には、非磁性粉末、バインダ樹脂等からなる非磁性層を設けることができる。非磁性層に用いる非磁性粉末としては、各種無機質粉末を用いることができ、好ましくは、針状非磁性粉末、例えば、針状の非磁性酸化鉄(α−Fe23)などを挙げることができる。その他、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化チタン(TiO2)、硫酸バリウム(BaSO4)、α−アルミナ(α−Al23)等の各種非磁性粉末を適宜配合してもよい。また、非磁性層にはカーボンブラックを用いることが好ましい。かかるカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネスブラック、ゴム用サーマルブラック、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
カーボンブラックと無機質粉末の配合比率は、重量比で100/0〜10/90が好ましい。無機質粉末の配合比率が90を上回ると、表面電気抵抗で問題が生じやすくなる。
非磁性層用のバインダ樹脂としては、上記磁性層と同様のものを適宜用いることができ、特に制限されるものではない。また、磁性層の場合と同様に、研磨材や分散剤等その他の各種添加物を添加してもよい。
非磁性層の厚さは、好ましくは2.5μm以下、より好ましくは0.1〜2.3μmである。この厚さを2.5μmより厚くしても性能の向上は望めず、却って、塗膜を設ける際、厚さが不均一になりやすい。なお、0.1μmよりも薄いと、非磁性層の持つ、磁性層への潤滑剤供給能力が減り、耐久性が悪化する傾向がある。
バックコート層は、走行安定性の改善や磁性層の帯電防止等のために、非磁性支持体の非磁性層および磁性層形成面とは反対側の面上に、必要に応じて設けることができ、本発明においては必須ではない。バックコート層には、30〜80重量%のカーボンブラックを含有させることが好ましく、かかるカーボンブラックとしては通常使用されるものであればどのようなものであってもよく、上述の非磁性層に用いるものと同様のものを用いることができる。また、カーボンブラック以外に、必要に応じ、磁性層に用いられるような各種研磨材等の非磁性無機粉末や、界面活性剤等の分散剤、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコーンオイル等の潤滑剤、その他の各種添加物を添加してもよい。
バックコート層の厚さ(カレンダー加工後)は、0.1〜1.0μm、好ましくは0.2〜0.8μmである。この厚さが1.0μmを超えると、媒体摺接経路との間の摩擦が大きくなりすぎて走行安定性が低下する傾向にある。一方、0.1μm未満では、媒体の走行時にバックコート層の塗膜削れが発生しやすい。
また、非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリオレフィン類、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルホンセルローストリアセテート、ポリカーボネート等の公知の材料からなるものを適宜使用することができる。その厚さ等についても既知の範囲内で適宜決定することができ、特に制限されるべきものではない。
上記磁性層等の形成に用いられる溶剤としては、特に制限されるものではなく、通常用いられる各種有機溶剤、例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等の、バインダ樹脂を溶解するのに適したものを単独または2種以上にて混合して適宜用いることが可能である。好ましくは、シクロヘキサノンを、塗布時において塗料に含まれる全溶剤中の60重量%以上となるよう用いることで、バインダ樹脂を良好に溶解して、表面性に優れた塗膜を形成することができる。また、シクロヘキサノンは沸点が高いため、薄層塗布であるために塗布量が少なくても乾燥しにくいことから、配向装置内の塗膜の湿潤状態を制御しやすく、磁性粉末を配向させやすいという利点もある。さらに、より好適には、その他の溶剤として、メチルエチルケトンおよびトルエンを、メチルエチルケトン/トルエン=2/8〜8/2程度の比率にて調整して用いる。これら有機溶剤の添加量は、固形分(磁性粉末や各種無機粒子等)とバインダ樹脂との合計量100重量部に対して100〜2000重量部程度とすればよい。
非磁性支持体上に上記磁性層等を塗布形成する際に用いられる塗布方法としては、特に制限されるものではないが、押し出し塗布法、リバースロール塗布法、グラビアロール塗布法、ナイフコータ塗布法、ドクターブレード塗布法、キスコート塗布法、カラーコート塗布法、スライドビード塗布法等を用いることができる。中でも、特に、塗布膜厚の均一性の点で、押し出し塗布法が好適である。
なお、非磁性支持体上に非磁性層を介して磁性塗料を塗布して重層塗膜を形成する手法としては、非磁性支持体上に非磁性塗料を塗布した後、この非磁性塗料が湿潤状態のうちに磁性塗料を塗布するウェット・オン・ウェット(W/W)塗布法と、少なくとも非磁性塗料の塗設、乾燥を行って非磁性層を形成した後に、磁性塗料の塗設、配向処理、乾燥、カレンダ加工を行うウェット・オン・ドライ(W/D)塗布法とがあるが、本発明は、特に、磁性塗料の塗料濃度を低く作製する必要のあるW/D塗布法用の磁性塗料作製用として有効である。この場合、磁性塗料塗布時において非磁性層の膨潤し、磁性層の表面性が悪化する場合には、非磁性層については層中に含まれる結合剤樹脂の架橋硬化反応がある程度生じている必要がある。磁性層の形成後に、熱処理や電子線(EB)照射により、非磁性層の架橋硬化反応を完結させることも可能である。
本発明の磁気記録媒体を製造するに際しては、塗布時における磁性塗料の最終濃度を、バインダ樹脂および溶剤の総和に対するバインダ樹脂の比率、即ち、前述したLa濃度で2.0重量%以下とする。塗料は、分散された顔料を樹脂が覆い、その樹脂が拡がった状態となって初めて安定となるが、溶剤(溶媒)が極端に多いと、樹脂が形成する三次元的構造が保てなくなり、また同時に顔料表面を覆っていた樹脂が溶剤中に溶解して、顔料から分離・脱離することにより、顔料が凝集してしまう。特に、La濃度が2.0重量%以下となるとこの凝集が顕著となることが判っている。本発明においては、この程度の低濃度に希釈した場合であっても、高濃度時の塗料光沢を良好に保持することができ、即ち、磁性塗料の希釈安定性を十分確保することができる点に特徴がある。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
(磁性塗料の作製)
磁性粉末 100.0重量部
(Co/Fe=20at%、Al/(Co+Fe)=11.8at%、Y/(Co+Fe)=2.3at%、BET比表面積=58m2/g、平均長軸長=0.10μm、長軸長標準偏差=0.020μm、Hc=150kA/m(=1885 Oe)、σs=138Am2/kg(=138emu/g))
バインダ樹脂 塩化ビニル樹脂 9.6重量部
(日本ゼオン(株)製 商品名:MR110(重合度300))
バインダ樹脂 脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂(固形分)1.6重量部
(東洋紡(株)製 商品名:UR8700)
バインダ樹脂 芳香族ポリエステルポリウレタン系樹脂(固形分)4.8重量部
(東洋紡(株)製 商品名:UR8200)
分散剤 リン酸エステル 1.0重量部
(東邦化学工業(株)製、商品名:RE610、モノエステル(Mn700):ジエステル(Mn1300)=4:6)
分散剤 フタル酸 1.0重量部
研磨剤 α−アルミナ 10.0重量部
(住友化学工業(株)製 商品名:HIT60A、平均粒径:0.18μm)
溶剤 MEK 109重量部
トルエン 109重量部
シクロヘキサノン 81重量部
上記の材料の一部溶剤を除いてニーダーで混練した後、除いた溶剤を加えて希釈し、前分散として、0.8mmのジルコニアビーズを充填率80%(空隙率50vol%)にて充填した横型のピンミルにて分散した。この時点での塗料においては、
NV(固形分濃度)=30%(重量百分率)
La濃度(=樹脂/(樹脂+溶剤))5.1重量%
溶剤比率 MEK/トルエン/シクロヘキサノン=36/36/28(重量比)であった。
さらにこれを、最終塗料として、
NV(固形分濃度)=10%(重量百分率)
La濃度(=樹脂/(樹脂+溶剤))1.4重量%
溶剤比率 MEK/トルエン/シクロヘキノサン=20/20/60(重量比)となるように希釈してから、仕上げ分散を行った。
以上のようにして作製された磁性塗料について、以下に示すようにして、希釈安定性の評価を行った。
<希釈安定性の評価>
上記希釈後の最終塗料を、ガラス板上に、24.5μmのギャップを有するアプリケーターを使用して成膜し、光沢度計(村上色彩技術研究所製 光沢度計(入射角および反射角60°))にて測定を行った。希釈前の光沢値は160%であった。光沢値の変化が小さいほど、即ち、光沢値の値が大きいほど、希釈安定性が良好である。
得られた塗料に硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製 コロネートL)を固形分で3.2重量部添加混合した後、さらに絶対濾過精度1.0μmのフィルターで濾過して、磁性塗料を作製した。
(非磁性塗料の作製)
顔料 針状α−FeOOH 80.0重量部
(平均長軸長:0.1μm、結晶子径:12nm)
カーボンブラック 20.0重量部
(三菱化学(株)製 商品名:#950B、平均粒径:17nm、BET比表面積値:250m2/g、DBP吸油量:70ml/100g、pH:8)
バインダ樹脂 塩化ビニル樹脂 11.0重量部
(東洋紡績(株) 商品名:TB−0246、(固形分)塩化ビニル−エポキシ含有モノマー共重合体、平均重合度:310、過硫酸カリ使用S含有量:0.6%(重量百分率)、2−イソシアネートエチルメタクリレート(MOI)を使用して日本ゼオン(株)製 MR110をアクリル変性したもの、アクリル含有量:6モル/1モル)
バインダ樹脂 ポリウレタン樹脂 9.0重量部
(東洋紡績(株) 商品名:TB−0216、(固形分)ヒドロキシ含有アクリル化合物−ホスホン酸基含有リン化合物−ヒドロキシ含有ポリエステルポリオール、平均分子量:13,000、P含有量:0.2%(重量百分率)、アクリル含有量:8モル/1モル)
分散剤 リン酸エステル 3.2重量部
(東邦化学工業(株)製 商品名:RE610)
研磨剤 α−アルミナ 5.0重量部
(住友化学工業(株)製 商品名:HIT60A、平均粒径:0.18μm)
NV(固形分濃度)=33%(重量百分率)
溶剤比率 MEK/トルエン/シクロヘキサノン=2/2/1(重量比)
上記の材料の一部溶剤を除いてニーダーで混練した後、除いた溶剤を加えて希釈し、0.8mmのジルコニアビーズが充填率80%(空隙率50vol%)にて充填された横型のピンミルにて分散した後、さらに、下記材料、
潤滑剤 脂肪酸 0.5重量部
(日本油脂(株)製 商品名:NAA180)
潤滑剤 脂肪酸アマイド 0.5重量部
(花王(株)製 商品名:脂肪酸アマイドS)
潤滑剤 脂肪酸エステル 1.0重量部
(日光ケミカルズ(株)製 商品名:NIKKOLBS)
を添加して、
NV(固形分濃度)=25%(重量百分率)
溶剤比率 MEK/トルエン/シクロヘキサン=2/2/1(重量百分率)
となるように希釈した後、分散を行った。得られた塗料をさらに絶対濾過精度3.0μmのフィルターで濾過して、非磁性塗料を作製した。
(バックコート塗料の作製)
カーボンブラック 75重量部
(キャボット社製 商品名:BP−800、平均粒径17nm、DBP吸油量68ml/100g、BET比表面積値210m2/g)
カーボンブラック 10重量部
(キャボット社製 商品名:BP−130、平均粒径75nm、DBP吸油量69ml/100g、BET比表面積値25m2/g)
炭酸カルシウム 15重量部
(白石工業(株)製 白艶華O、平均粒径30nm)
ニトロセルロース 65重量部
(旭化成工業(株)製 商品名:BTH1/2)
バインダ樹脂 ポリウレタン樹脂 35重量部
(脂肪族ポリエステルジオール/芳香族ポリエステルジオール=43/53)
NV(固形分濃度)=30%(重量百分率)
溶剤比率 MEK/トルエン/シクロヘキサノン=1/1/1(重量比)
上記の材料の一部溶剤を除いてニーダーで混練した後、除いた溶剤を加えて希釈し、0.8mmのジルコニアビーズが充填率80%(空隙率50vol%)にて充填された横型のピンミルにて分散して、さらに、
NV(固形分濃度)=10%(重量百分率)
溶剤比 MEK/トルエン/シクロヘキサン=5/4/1(重量比)
となるように希釈して、分散を行った。このようにして得られた塗料に硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製 商品名:コロネートL)5重量部を添加混合して、さらに、絶対濾過精度1.0μmのフィルターで濾過して、バックコート塗料を作製した。
上記のようにして得られた磁性塗料、非磁性塗料およびバックコート塗料を夫々用いて、下記の要領で磁気記録媒体のサンプルを作製した。
(非磁性層塗布工程)
下記の要領にて、非磁性層塗布済み原反を作製した。
6.2μm厚のPEN支持体上に、カレンダー加工後の厚みが2.0μmになるように、非磁性塗料をノズルにより押し出し塗布法で塗布して、乾燥後、プラスチックロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダーにて、ニップ数4回、加工温度100℃、線圧3500N/cm、速度150m/分で加工を行い、さらに、4.5Mradで電子線照射を行い、非磁性層を形成した。
(磁性層およびバックコート層塗布工程)
上記のようにして形成した非磁性層上に、磁性層を、加工後の厚みが0.08μmになるようにノズルで塗布して、配向、乾燥した。その後、プラスチックロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダーにて、ニップ数4回、加工温度100℃、線圧3500N/cm、速度150m/分で加工を行い、磁性層を形成した。また、非磁性層および磁性層形成面とは反対側の面に、バックコート塗料を、乾燥厚0.6μmとなるようにノズルで塗布し、乾燥した。その後、プラスチックロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダーにて、ニップ数4回、加工温度80℃、線圧3500N/cm、速度150m/分で加工を行い、バックコート層を形成した。
以上のようにして得られた磁気記録媒体用原反を、60℃で48時間熱硬化させて、1/2“幅に切断し、実施例1の磁気記録媒体サンプルとしてのデータ用テープを作製した。得られたテープサンプルをカートリッジに組み込んで、以下に示すようにして出力測定を行った。この出力測定の結果を、磁性層の組成の概要、希釈安定性の評価結果(光沢度)および3次元表面粗さ計にて測定した表面粗さとともに、下記の表1中に示す。
〈出力測定〉
カートリッジに組み込んだテープをMeasurement Analysis Corporation製LTO用Small Format Tape Evaluation System(LTO SFTES)を使用して測定した。なお、ヘッドにはLTO Ultrium−1ドライブ搭載ヘッドを使用してロードし、broad band SNR(BBSNR)を測定した。
実施例2〜8および比較例1〜4
磁性塗料の組成中の、リン酸エステル、フタル酸、塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン系樹脂の配合量と、磁性層厚みとを、夫々下記の表1中に示すように変えた以外は実施例1と同様にして、各実施例および比較例の磁気記録媒体サンプルを作製し、同様にして各測定を行った。
これらの結果を併せて下記の表1中に示す。なお、表中の配合量の数値は、全て重量部を表す。
実施例9、10
磁性塗料の組成中の、リン酸エステル、フタル酸、塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン系樹脂の配合量と、磁性層厚みとを、夫々下記の表1中に示すように変え、下記の要領にて、磁気記録媒体サンプルを作製した。
6.2μm厚のPEN支持体上に、非磁性塗料をカレンダー加工後の厚みが2.0μmになるように、また、磁性塗料を、表1記載の加工後の厚みになるように、それぞれ同時にノズルで塗布して、乾燥後、プラスチックロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダーにて、ニップ数4回、加工温度100℃、線圧3500N/cm、速度150m/分で加工を行い、非磁性層上に、磁性層を形成した。また、非磁性層および磁性層形成面とは反対側の面に、実施例1と同様に、バックコート層の形成および熱硬化を行い、1/2“幅に切断し、磁気記録媒体サンプルとしてのデータ用テープを作製し、同様にして各測定を行った。
これらの結果も併せて下記の表1中に示す。なお、表中の配合量の数値は、全て重量部を表す。
Figure 2005228464
上記表1より、磁性層がバインダ樹脂としての重合度270以上の塩化ビニル樹脂および脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂、フタル酸並びにリン酸エステルを全て含有する実施例においては、いずれも光沢値の変化が小さく、希釈安定性が良好であることが分かる。また、表面粗さも良好であり、安定した出力が得られることが確かめられた。一方、上記配合成分のうちいずれかを含まない磁性層を有する比較例においては、希釈安定性が低く、表面粗さの悪化も見られ、これに伴い出力も悪化していることが分かる。また、実施例1、7〜10より、磁性膜膜厚が薄くなるに伴い、希釈安定性に変化はないが、表面粗さおよび出力は、より良好となることが分かる。更に、ウェット・オン・ドライ(W/D)塗布法を用いた実施例1〜8と、ウェット・オン・ウェット(W/W)塗布法を用いた実施例9および10とを比較すると、希釈安定性に関してはどちらも同程度に良好であるが、表面粗さおよび出力の測定結果は、ウェット・オン・ドライ(W/D)塗布法を用いた実施例1〜8の方が優れていることが分かる。

Claims (9)

  1. 非磁性支持体の一方の面上に少なくとも磁性層を備え、該磁性層が、磁性粉末と、バインダ樹脂としての重合度270以上の塩化ビニル系樹脂および脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂と、置換基Rを有する芳香族化合物(Rは、−COOH、−(COOH)2、−OPO(OH)2、−PO(OH)2、−SO3Hからなる群から選択される)と、リン酸エステルと、を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記芳香族化合物の含有量が、前記磁性粉末100重量部に対し、0.5〜3重量部の範囲内である請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 前記リン酸エステルの含有量が、前記磁性粉末100重量部に対し、0.5〜3重量部の範囲内である請求項1または2記載の磁気記録媒体。
  4. 前記脂肪族ポリエステルポリウレタン系樹脂の、バインダ樹脂の総量に対する比率が10重量%以上である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の磁気記録媒体。
  5. 前記塩化ビニル系樹脂とポリウレタン系樹脂との重量比率が8:2〜2:8の範囲内である請求項1〜4のうちいずれか一項記載の磁気記録媒体。
  6. 前記芳香族化合物がフタル酸である請求項1〜5のうちいずれか一項記載の磁気記録媒体。
  7. 前記磁性層の膜厚が、0.05〜0.3μmの範囲内である請求項1〜6のうちいずれか一項記載の磁気記録媒体。
  8. 前記非磁性支持体上に磁性塗料を塗布して、請求項1〜7のうちいずれか一項記載の磁気記録媒体を製造するにあたり、塗布時における該磁性塗料の濃度を、バインダ樹脂および溶剤の総和に対する該バインダ樹脂の比率で2.0重量%以下とすることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  9. 前記非磁性支持体上に非磁性層が少なくとも非磁性塗料の塗設および乾燥されて形成されている請求項8記載の磁気記録媒体の製造方法。
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