JP2001081215A - 高耐熱性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

高耐熱性フィルムおよびその製造方法

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JP2001081215A JP26415399A JP26415399A JP2001081215A JP 2001081215 A JP2001081215 A JP 2001081215A JP 26415399 A JP26415399 A JP 26415399A JP 26415399 A JP26415399 A JP 26415399A JP 2001081215 A JP2001081215 A JP 2001081215A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性液晶ポリマーフィルムが本来具有す
る高強力や高弾性率および耐薬品性などと共に、優れた
耐熱性と耐磨耗性を備えた熱可塑性液晶ポリマーフィル
ムおよびその積層体を低コストで提供する。 【解決手段】 熱可塑性液晶ポリマーフィルムを、該フ
ィルムの熱処理時に形態を保持し得る被着体と積層し、
該フィルム側に活性炭を含有する成形体と接触させるか
または該成形体の近傍に存在させて、前記フィルムの熱
変形温度Tdef から熱処理前の融点Tm よりα℃(α=
10〜35)低い温度までの範囲で、示差走査熱量計に
より窒素雰囲気中5℃/分の昇温速度で測定した時の処
理中における前記フィルムの融解ピーク温度TA が、該
フィルムの熱処理前の融点Tm よりβ℃(β=5〜30
℃)高い温度TA1に到達するまで熱処理を行い、その
後、熱処理温度が前記フィルムの熱処理前の融点Tm 以
上で融解ピーク温度TA1未満の範囲で、さらに前記融解
ピーク温度TA1がγ℃(γ=5〜20℃)増大する温度
TA2に到達するまで熱処理を行い、次いで、被着体を除
去してフィルムを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的異方性の溶
融相を形成し得る熱可塑性ポリマー(以下、これを熱可
塑性液晶ポリマーと称する)からなるフィルム(以下、
これを熱可塑性液晶ポリマーフィルムと称する)、該フ
ィルムと被着体との積層体およびそれらの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子・電気工業分野において機器
の小型化・軽量化の要求から、FPC(フレキシブルプ
リント配線板)の需要が増大しつつある。このFPCの
一般的な製法は、基材フィルムの少なくとも一方の面に
銅箔等の金属箔を積層した後、電気回路を形成する。基
材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム等が多用されている。しかし、このフィルムは耐熱
性が悪いので、FPCへの部品実装時に、該FPCをハ
ンダ浴に浸漬するような場合に、ふくれ、はがれ、変形
などの問題が発生し易い。そこで、耐熱性に優れた熱可
塑性液晶ポリマーフィルムが基材フィルムとして注目さ
れている。
【0003】ところで、熱可塑性液晶ポリマーは、一般
に高い耐熱性を有しているので、フィルム化するとき、
その成形温度を高くする必要があって、多大のエネルギ
ーを要する。また、熱可塑性液晶ポリマーの中には、比
較的低い温度で成形できるものもあるが、これから得ら
れたフィルムは耐熱性が低いので、耐熱性基材としての
使用は困難である。そこで、成形温度の低い熱可塑性液
晶ポリマーを用いてフィルムを成形した後、該フィルム
をそのポリマー融点以下かつ200℃以上の温度で、真
空下または減圧下で熱処理することにより、フィルムの
耐熱性を向上させる方法が提案されている(特開平3−
152132号)。
【0004】しかし、この方法では、真空下または減圧
下で長時間にわたって熱処理する必要がある。しかも、
フィルムを形態保持するための手段が採用されておら
ず、融点付近ではフィルムの形態が崩れ、外観良好なフ
ィルムは得られ難い。すなわち、前記フィルムを単独で
熱変形温度以上の温度で熱処理すると変形や歪みが発生
し、特に厚みが薄いときは変形が著しい。この変形や歪
みの発生を防止するためには、前記フィルムの熱処理を
その熱変形温度以下の温度領域で実施する必要がある。
このような熱処理では、必要な耐熱性を有するフィルム
を得るために長時間を要し、生産性が低くなる。したが
って、フィルムをその形態を保持しながら、融点付近ま
で温度を上昇させて熱処理することにより、高耐熱性の
フィルムを生産性良く製造し得る方法の開発が望まれ
る。しかも、その方法は、フィルムとしての商品価値や
工業的利用のために、フィルムを連続した形態で製造し
得る方法であることが望ましい。
【0005】また、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱
処理において、フィルムを支持体(被着体)と接触させ
た状態で溶融熱処理した後、冷却し、固化したポリマー
層を約150℃から熱変形温度よりも30℃低い温度ま
での範囲で熱処理した後に、ポリマー層を支持体から分
離する方法が提案されている(特開平8−90570
号)。しかし、この方法では、フィルムを溶融させて行
われる前記熱処理は、フィルムの融点以上(後述する本
発明の熱処理温度とは異なる)で実施され、さらに、冷
却固化後の熱処理は、熱変形温度より30℃低い温度
(後述する本発明の熱処理温度は熱変形温度より高い)
で行われる。この方法によっては、高度の耐熱性や強度
は発現されない。
【0006】熱可塑性液晶ポリマーからなるフィラメン
トの熱処理において、該フィラメントを流れ開始温度よ
り約20℃低い温度で熱処理して、その強力を50%以
上改良する方法が提案されている(特公昭55−200
08号)。また、熱可塑性液晶ポリマーからなるフィラ
メントを、それを構成する全芳香族ポリエステルの融点
から融点よりも50℃低い温度までの範囲で熱処理し
て、高強度、高ヤング率のフィラメントを得る方法が提
案されており、その融点は熱処理の進行に伴って上昇す
るので、熱処理の進行に伴って熱処理温度を高くできる
ことが指摘されている(特開平2−133347号)。
しかしながら、熱可塑性液晶ポリマーからなるフィラメ
ントの熱処理は、後述する本発明のような熱可塑性液晶
ポリマーフィルムの熱処理、すなわち面状態という形態
を維持して行う熱処理とは全く異なる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱可
塑性液晶ポリマーフィルムが本来具有する高強力や高弾
性率および耐薬品性などと共に、優れた耐熱性と耐磨耗
性を備えた熱可塑性液晶ポリマーフィルムおよびその積
層体を提供することにある。また本発明の他の目的は、
上記の熱可塑性液晶ポリマーフィルムおよびその積層体
を低コストで製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、熱可塑性液晶ポリマーフィルムおよび該フィルム
と被着体とからなる積層体について研究が行われた結
果、(1)熱可塑性液晶ポリマーフィルムを、該フィル
ムの熱処理時に形態を保持し得る被着体と積層し、特定
条件下で熱処理すれば、フィルムに変形や歪みが発生し
ないこと、(2)熱可塑性液晶ポリマーフィルムを、ま
ずその熱変形温度Tdef 以上の温度で、かつその融点T
m よりα℃(α=10〜35)低い温度領域で熱処理
し、次いでフィルムの融点の上昇に伴い熱処理温度を逐
次上昇させる操作を繰り返すことにより、フィルムの耐
熱性が高められること、(3)かかる操作により熱処理
時間が短縮され、低コストで耐熱性に優れる熱可塑性液
晶ポリマーフィルムが得られることが見出され、かかる
知見に基づいて、優れた耐熱性などの性能を有する熱可
塑性液晶ポリマーフィルム、その積層体およびそれらの
製造方法等について特許出願された(特願平11−48
141号)。
【0009】本発明者らはさらに熱可塑性液晶ポリマー
フィルムおよび該フィルムと被着体とからなる積層体に
ついて鋭意研究を続けた結果、(4)熱可塑性液晶ポリ
マーフィルムの熱処理中に化学物質が発生しており、か
かる化学物質が該フィルムの表面またはその近傍に滞留
している場合には、フィルムの耐熱性や力学強度が低下
する傾向にあること、(5)熱処理時間を短縮して、熱
可塑性液晶ポリマーフィルムの耐熱性を効率良く向上さ
せるには、上記の化学物質を素早く系外に取り除くこと
が重要であること、さらに(6)かかる化学物質は活性
炭により容易に吸着除去されることを見出し、本発明を
完成した。
【0010】すなわち、本発明は、熱可塑性液晶ポリマ
ーフィルムを、該フィルムの熱処理時に形態を保持し得
る被着体と積層し、該フィルム側を活性炭を含有する成
形体と接触させるかまたは該成形体の近傍に存在させ
て、次のような熱処理を複数回行い、次いで被着体を除
去してフィルムを得ることを特徴とする熱可塑性液晶ポ
リマーフィルムの製造方法である。 1回目:熱処理温度が熱可塑性液晶ポリマーフィルムの
熱変形温度Tdef から、該フィルムの熱処理前の融点T
mよりα℃低い温度までの温度範囲(Tdef 〜(Tm −
α℃))で、示差走査熱量計により窒素雰囲気中5℃/
分の昇温速度で測定した時の処理中における前記フィル
ムの融解ピーク温度TA が、該フィルムの熱処理前の融
点Tm よりβ℃高い温度TA1 に到達するまで熱処理を
行う。 α=10〜35、β=5〜30 2回目:熱処理温度が前記フィルムの熱処理前の融点T
m 以上で融解ピーク温度TA1未満の温度範囲で、さらに
前記融解ピーク温度TA1 がγ℃増大する温度TA2 に到
達するまで熱処理を行う。 γ=5〜20 n回目:熱処理温度が融解ピーク温度TAn-2以上でTA
n-1未満の温度範囲で、TAn-1がγ℃増大する温度TAn
に到達するまで熱処理を行う。 整数n≧3、γ=5〜20
【0011】また本発明は、熱可塑性液晶ポリマーフィ
ルムを、該フィルムの熱処理時に形態を保持し得る被着
体と積層し、該フィルム側を活性炭を含有する成形体と
接触させるかまたは該成形体の近傍に存在させて、上記
の複数回の熱処理を施すことを特徴とする熱可塑性液晶
ポリマーフィルムと被着体から成る積層体の製造方法で
ある。さらに本発明は、上記の製造方法で得られる熱可
塑性液晶ポリマーフィルムおよび該フィルムと被着体か
ら成る積層体である。
【0012】なお、本発明における融解ピーク温度TA
および融点Tm は、示差走査熱量計を用いてフィルムの
熱挙動を観察して測定した。すなわち、フィルムを5℃
/分の速度で昇温した際に現れる吸熱ピークの熱処理前
の位置をTm とし、熱処理中および熱処理後の位置をT
A とする。また、熱変形温度Tdef は、次の測定結果か
ら得た。理学電機(株)製の熱機械分析装置(サーマル
メカニカルアナリシス)を使用し、幅5mm、長さ20
mmのフィルムに1gの荷重をかけ、5℃/分の速度で
昇温して、温度(℃)−寸法変化率(%)曲線を作成し
た。この曲線において、昇温に伴って寸法変化率が急激
に増加する温度を求め、これを熱変形温度とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で使用される熱可塑性液晶
ポリマーフィルムの原料は、特に限定されるものではな
いが、その具体例として、以下に例示する(1)から
(4)に分類される化合物およびその誘導体から導かれ
る公知のサーモトロピック液晶ポリエステルおよびサー
モトロピック液晶ポリエステルアミドを挙げることがで
きる。但し、光学的に異方性の溶融相を形成し得るポリ
マーを得るためには、各々の原料化合物の組み合わせに
は適当な範囲があることは言うまでもない。
【0014】(1)芳香族または脂肪族ジヒドロキシ化
合物(代表例は表1参照)
【0015】
【表1】
【0016】(2)芳香族または脂肪族ジカルボン酸
(代表例は表2参照)
【0017】
【表2】
【0018】(3)芳香族ヒドロキシカルボン酸(代表
例は表3参照)
【0019】
【表3】
【0020】(4)芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシ
アミンまたは芳香族アミノカルボン酸(代表例は表4参
照)
【0021】
【表4】
【0022】これらの原料化合物から得られる熱可塑性
液晶ポリマーの代表例として表5に示す構造単位を有す
る共重合体(a)〜(e)を挙げることができる。
【0023】
【表5】
【0024】熱可塑性液晶ポリマーとしては、フィルム
の所望の耐熱性および加工性を得る目的においては、約
200〜400℃の範囲内、とりわけ約250〜350
℃の範囲内に融点を有するものが好ましいが、フィルム
製造の観点からは、比較的低い融点を有するものが好ま
しい。また、熱可塑性液晶ポリマーには、フィルムとし
ての物性を損なわない範囲内で、滑剤、酸化防止剤、充
填材等が配合されていてもよい。
【0025】本発明で使用される熱可塑性液晶ポリマー
フィルムは、熱可塑性液晶ポリマーを押出成形して得ら
れる。任意の押出成形法が適用できるが、周知のTダイ
法、ラミネート体延伸法、インフレーション法などが工
業的に有利である。特にインフレーション法やラミネー
ト体延伸法では、フィルムの機械軸方向(以下、MD方
向と略す)だけでなく、これと直交する方向(以下、T
D方向と略す)にも応力が加えられるため、MD方向と
TD方向における機械的性質および熱的性質のバランス
のとれたフィルムが得られる。
【0026】また、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの厚
みは、特に制限されるものではないが、プリント配線板
用途においては、5mm以下が好ましく、0.1〜3m
mがより好ましい。FPC用途においては、500μm
以下が好ましく、10〜250μmがより好ましい。
【0027】熱可塑性液晶ポリマーフィルムに積層する
被着体の材質としては、該フィルムより高い融点を有す
るものが適しており、例えばスチール、銅、ニッケル、
アルミニウム、銀、金などの金属、ガラスなどの無機物
質などが挙げられる。特に、金属からなる被着体は、熱
伝導率が高く、熱処理時に熱可塑性液晶ポリマーフィル
ムの温度を所望の温度まで速やかに上昇させるのに有効
であり、ひいては熱処理操作の所要時間を短縮すること
が可能となるので好ましい。被着体としては、特に銅箔
等の金属箔が好適に用いられる。被着体の形状として
は、フィルム、シート、板などの少なくとも熱可塑性液
晶ポリマーフィルムと積層する面が概して平面状(微小
な凹凸を有してもよい)であるものが、熱処理時におけ
る熱可塑性液晶ポリマーフィルムの流動を防止できる点
から望ましい。被着体の厚みには特に制限はなく、使用
用途によって選択できるが、例えばプリント配線板であ
るFPC用途の場合、被着体の厚みは1〜1000μm
の範囲にあるのが好ましい。また積層体を半導体の動作
時における損失電力によって生ずる熱を効率よく放熱す
る放熱板として用いる場合、被着体の厚みは0.1〜5
mm程度の範囲にあるのが好ましい。さらに、積層体か
ら被着体を剥離してフィルムを得る目的においては、被
着体の厚みは0.03〜0.1mm程度の範囲にあるの
が望ましい。
【0028】熱可塑性液晶ポリマーフィルムと被着体の
積層は、例えば熱プレス、熱ローラー等を利用した圧着
によって行うのが適当である。圧着温度は、用いられる
熱可塑性液晶ポリマーフィルムの種類により異なるが、
昇温条件下における光学的異方性の溶融相への転移温度
より80℃低い温度から、該転移温度より20℃高い温
度の範囲内であることが好ましい。
【0029】活性炭を含有する成形体としては、活性炭
紛体を含有した高分子シートや高分子フィルム、レーヨ
ン繊維やアクリル繊維を活性炭化した活性炭ペーパーや
活性炭フェルト等を挙げることができる。かかる成形体
は、前記の熱処理において、その形状を保持しなければ
ならず、所望の熱可塑性液晶ポリマーフィルムと同程度
またはそれよりも高い耐熱性を有するものから選択され
る。
【0030】上記の高分子シートや高分子フィルムとし
ては、所望の熱可塑性液晶ポリマーフィルムを構成する
熱可塑性液晶ポリマーを活性炭紛体と溶融混練し、例え
ばTダイ法、インフレーション法などの周知の押出成形
法によって成形されたものが好ましい。上記の活性炭紛
体に代えて、繊維を原料とするチョップ状活性炭を使用
することもできる。また、熱可塑性液晶ポリマーおよび
活性炭紛体からなるシートまたはフィルムは、本発明に
おける複数回の熱処理に付すことにより、その耐熱性を
高めたうえで上記成形体として使用することもできる。
また、上記の活性炭ペーパーに用いるバインダーは、本
発明における熱処理に耐え得る物質から選択され、その
一例としてイミド系化合物が挙げられる。また、上記の
活性炭フェルトは、他の有機素材や無機素材と組み合わ
せて使用してもよい。
【0031】本発明で使用される活性炭を含有する成形
体は、25℃におけるベンゼン吸着能が15重量%以上
であるものが好ましく、より好適には30重量%以上、
さらに好ましくは50重量%以上のものである。ベンゼ
ン吸着能が15重量%未満、特に10重量%未満のもの
を使用する場合には、熱処理時間の短縮効果が得られ難
い傾向にある。また、成形体の厚みは特に限定されない
が、取扱いの容易さから、15μm〜5mm程度の範囲
にあるものが好ましい。
【0032】上記の活性炭を含有する成形体を、熱可塑
性液晶ポリマーフィルムと被着体の積層体のフィルム側
に接触させるかまたは該フィルム側の近傍に存在させて
本発明における熱処理を行えば、発生する化学物質は上
記の成形体に効率良く吸着され、該化学物質は速やかに
系外に除去される。したがって、熱可塑性液晶ポリマー
フィルムの表面上またはその近傍に、熱処理中に発生す
る化学物質が滞留することはなく、耐熱性が高められた
積層体またはフィルムを高い生産性で製造することがで
きる。
【0033】熱可塑性液晶ポリマーフィルムと被着体の
積層体は、前述した特定条件下で複数回にわたって熱処
理が施される。熱処理条件が上記範囲を逸脱すると、被
着体が変色したり、所期の目的である耐熱性や耐磨耗性
が得られない。著しい逸脱によって、積層体から剥離し
たフィルムが変形するなどの好ましくない結果となる。
特に、フィルムを被着体と積層させて最初に行う熱処
理、すなわち1回目の熱処理においては、フィルムの変
形が発生し易いので、フィルムの熱変形温度Tdef から
熱処理前の融点Tm よりもα℃(α=10〜35)低い
温度までの範囲で熱処理することが必須である。α℃が
10℃未満では、熱処理温度が熱処理前の融点Tm に近
づくので、フィルムが部分的に溶融するおそれが生じ
る。α℃が35℃を越えると、熱処理温度が低くなって
熱処理時間がかかり過ぎ、実用的でない。
【0034】2回目の熱処理においては、1回目ほどフ
ィルムの変形が起こり難いので、上記の融点Tm 以上で
1回目の熱処理で増加した融解ピーク温度TA1 未満の
温度範囲で熱処理することが、熱処理によるフィルムの
融点の増加が早く起こるので望ましい。しかしながら、
2回目の熱処理温度がTA1 以上になる場合は、フィル
ムの融解ピーク温度TA が熱処理前の融点Tm に戻って
しまい、1回目の熱処理の効果が完全に失われる。した
がって、2回目の熱処理温度はTA1 よりも低くするこ
とが必須である。これは、以後行うn回目の熱処理の場
合も、2回目の熱処理と同様である。
【0035】本発明による熱処理温度と融解ピーク温度
TA との関係を図1に示す。図1からも明らかなよう
に、熱処理温度は常に融解ピーク温度TA よりも低い。
TA は1回目の熱処理により曲線T1で示すように上昇
し、2回目、3回目および4回目の熱処理により曲線T
2、T3およびT4のそれぞれで示すように上昇する。
1回目の熱処理によるTA の上昇幅β℃が5℃未満では
熱処理炉の温度制御が難しい。またβ℃が30℃を越え
ると、図1の2点鎖線Mで示すように、2回目の熱処理
の開始が遅れるので、TA の上昇が時間的に遅れること
になり、その結果、同じ耐熱性を有するフィルムを得る
のに時間がかかる。2回目以降の熱処理によるTA の上
昇幅γ℃についても、同一の理由により、5〜20℃と
する。
【0036】上記の熱処理は大気中のような活性雰囲気
下で実施することもできるが、被着体である金属箔の変
色を防止するためには、不活性雰囲気下で実施すること
が望ましい。不活性雰囲気とは、窒素、アルゴン等の不
活性ガス中または減圧下を意味し、酸素等の活性ガスが
0.1体積%以下であることを言う。特に不活性ガスと
しては、純度99.9%以上の加熱窒素気体が好適に使
用される。
【0037】上記の熱処理は、緊張下または無緊張下で
行われる。熱処理はロール状(隙間を設けて触れ合うこ
とを防止する)、カセ状(ガス透過性の良好なスペーサ
ー、例えば、熱処理時の伸縮を吸収可能なベクトラン不
織布からなるスペーサーと共に巻く)やトウ状(金網な
どに載せる)でバッチ式で行ってもよいし、またはフィ
ルム状、カセ状もしくはトウ状の状態で数多くのローラ
ーを用いて連続的に移動させて行ってもよい。バッチ式
で行う場合には、熱処理装置の温度を段階的に高くする
ことによって本発明の熱処理が可能となる。一方、連続
的に熱処理する場合には、熱処理設備内に複数の熱処理
区画を設けて、熱処理区画を個々に別々の温度に制御
し、上記の積層体を、熱処理温度が段階的に高くなった
熱処理区画を順次通過させることによって、本発明の段
階的な熱処理が可能となる。
【0038】上記のように熱処理が施された積層体から
フィルムを剥離する(被着体を除する)ことにより、所
期の熱可塑性液晶ポリマーフィルムが得られる。剥離操
作を良好に安定して行うには、用いる被着体に予め剥離
処理を施しておくのが好ましい。この剥離処理は、シリ
コン系ポリマーを塗布して乾燥させて塗膜を形成するこ
とにより達成される。かかる塗膜は、熱処理前の接着力
が0.05Kg/cmで、熱処理後の接着力が0.4K
g/cm以下、特に0.2Kg/cm以下とすることが
好ましい。この接着力は、熱処理前の値が高い程、フィ
ルムの形態安定性がよく、値が低い場合には、熱処理時
に剥離、破損などが生じ易い。また熱処理後の接着力が
低い程、フィルムの剥離安定性がよく、値が高い場合に
は、僅かなキズなどで剥離時に破断する傾向にある。
【0039】上記の被着体としては、最大粗さ(Rmax
;JIS B0601)が1.0〜10μmの凹凸表
面を有しており、その表面に離型剤としてシリコン系ポ
リマーが0.1〜1μmの厚みでコートされたものが好
ましい。凹凸の最大粗さが1.0μm未満の場合には、
熱処理時にシリコン系ポリマーが流れ出すおそれがあ
る。また、凹凸の最大粗さが10μmを越える場合、特
に薄い熱可塑性液晶ポリマーフィルムを使用した際に、
該フィルムが厚さ方向に破損し易く、また被着体を除去
する際に、フィルムの破断を招くことがある。上記の凹
凸は、例えば円錐状の突起、クレーター状の窪み、キズ
状の線状凹凸などでもよく、シリコン系ポリマーが十分
に付着する形状であればよい。この場合の被着体におけ
るフィルムとの接触面の形態は、ロール面状などの曲面
状でもよいが、フィルムを剥離し易い点から、フィルム
状、シート状、板状など実質的に平面状であるのが好ま
しい。
【0040】上記のシリコン系ポリマーは、化学構造の
基本骨格が−(CH32Si−O−であればよく、かか
るポリマーは特に金属との結合力が非常に強固であり、
熱可塑性液晶ポリマーなどの樹脂との親和力が非常に小
さい。シリコン系ポリマーのコート層の厚みは上記のと
おり0.1〜1μmの範囲が好ましい。厚みが0.1μ
m未満の場合、熱可塑性液晶ポリマーフィルムが被着体
から剥離し難い傾向にあり好ましくない。一方、厚みが
1μmを越える場合、両者の剥離は容易となるが、シリ
コン系ポリマーが無駄になるばかりか、該ポリマーが熱
可塑性液晶ポリマーフィルムに付着して被着体から剥離
することがあり、被着体を再利用できなくなり好ましく
ない。
【0041】例えば、金属箔の表面に最大粗さ1.0〜
10μmの凹凸を形成し、この凹凸にシリコン系ポリマ
ーを厚さ0.1〜1μmでコートすることにより、熱可
塑性液晶ポリマーフィルムと被着体との熱処理前の接着
力が0.05Kg/cm以上で、熱処理後の接着力が
0.4Kg/cm以下となる。これにより、熱可塑性液
晶ポリマーフィルムは、熱処理時に剥離、破損などを生
じることがなく、その形態は安定に保持される。また後
述するように、上記の場合には、熱処理後には、熱可塑
性液晶ポリマーフィルムを破断させることなく、手など
により安定して容易に剥離することができる。
【0042】以上のような条件下で熱処理を行った後、
積層体からフィルムを剥離する(被着体を除去する)。
上記のとおり、フィルムと被着体との接着強度が0.4
Kg/cm以下、好ましくは0.2Kg/cm以下であ
れば、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを破断させること
なく、容易に剥離することができる。上記の接着強度が
大きい場合には、剥離時にフィルムの破れが発生するこ
とがある。このようにして得られた熱可塑性液晶ポリマ
ーフィルムは、該フィルムが本来具有する高強力や高弾
性率および耐薬品性などと共に、優れた耐熱性と耐磨耗
性を有する。特に、フィルムの耐熱性は、350℃以上
にまで高められる。よって、例えばFPCに部品を実装
する場合で、該FPCをハンダ浴に浸漬するような際
に、フィルムにふくれ、はがれ、変形などは発生しな
い。すなわち、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの耐熱性
を350℃以上とし、かつ融点が350℃以上の金属箔
などの被着体を用いることにより、フィルムに変形など
の発生を招くことなく良好な実装を行うことができる。
【0043】また、上記の熱処理により、被着体によっ
ては接着強度が十分高く、かつ寸法安定性に優れた積層
体が得られる。かかる積層体は、その複数枚を熱圧着に
より接合一体化して多層積層板とすることもできる。こ
のとき、接合一体化される各積層体の被着体が互いに対
向する場合、これら両者の間にはシ−ト状物を介装させ
る。シ−ト状物としては、積層体に用いられた熱可塑性
液晶ポリマ−フィルムと同種または異種の熱可塑性液晶
ポリマ−からなるものが好ましい。そして、かかる多層
積層板は、電子部品などが搭載されて多層実装回路基板
とされる。
【0044】
【実施例】以下に本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明はそれにより何ら限定されるものでは
ない。以下の実施例および比較例において、接着強度、
寸法安定性、ハンダ耐熱性、強度および耐摩耗性の測定
または評価は次のようにして行った。
【0045】(1)接着強度 1.5cm幅の積層体のフィルム層を平板に固定し、1
80゜法により被着体部を50mm/分の速度で剥離し
たときの強度を測定し、接着強度とした。
【0046】(2)寸法安定性 寸法安定性は、JIS C 6471に準じて試験し
た。
【0047】(3)ハンダ耐熱性 ハンダ耐熱温度は、JIS C 5016に準じて、所
定温度に保たれた溶融ハンダ浴上でフィルム面が当初の
形状を保持する時間を調べる方法で測定した。すなわ
ち、積層体をまず260℃のハンダ浴上に5〜60秒間
置き、フィルム表面のふくれ、変形などの形態変化を目
視で観察した。その後、10℃刻みで温度を逐次変化さ
せたハンダで同様に5〜30秒間の外観変化を観察し、
ふくれ、変形が認められなかった最高温度を測定し、ハ
ンダ耐熱温度とした。
【0048】(4)強度 ASTM D882に準じて、引張破断強度を測定し、
強度とした。
【0049】(5)耐摩耗性 耐摩耗性は、フィルムの表面に、表面を布で覆った10
×15mmの大きさの摩耗子を載せ、500gの荷重を
負荷しながら、30mmの距離を往復して1時間連続走
査し、摩耗子に付着するフィルムの量により評価した。
そして、フィルムが多量に発生し、その量が50mg以
上の場合を×、フィルムが全く発生せず、その量が0m
gの場合を○、その中間を△として表した。
【0050】実施例1 (1)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸単位27モル
%、p−ヒドロキシ安息香酸単位73モル%からなるサ
ーモトロピック液晶ポリエステルを単軸押出機を用いて
280〜300℃で加熱混練し、直径40mm、スリッ
ト間隔0.6mmのインフレーションダイより押出し、
厚さ50μmのフィルムを得た。このフィルムの融点T
m は280℃、熱変形温度Tdef は230℃であった。
【0051】(2)被着体として厚さ18μmの銅箔
(電解法による1/2オンス銅箔)を用い、これを上記
フィルムに260℃で加熱圧着して積層体とした。
【0052】(3)この積層体の熱処理によって変化す
るフィルムの融点を測定するため、窒素雰囲気中、積層
体を260℃で熱処理し、1時間単位でDSC(示差走
査熱量計)によるフィルム層の融解ピーク温度TA の測
定を行った。その結果、未処理では280℃、1時間で
は285℃、2時間では296℃、4時間では306℃
と上昇する。4時間の熱処理を行った後のフィルムの熱
変形温度Tdef は275℃であった。このように、フィ
ルムの熱処理時間を長くすれば、そのTA が順次上昇す
る。これに準じて熱変形温度Tdef も上昇させ得ること
が理解できる。
【0053】(4)一方、6−ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸単位20モル%、p−ヒドロキシ安息香酸単位80
モル%からなるサーモトロピック液晶ポリエステル70
重量部とベンゼン吸着能85%の活性炭紛体35重量部
を単軸押出機を用いて320〜340℃で加熱混練し、
直径40mm、スリット間隔0.6mmのインフレーシ
ョンダイより押出し、厚さ50μmの活性炭含有成形体
を得た。この成形体のベンゼン吸着能は35%であっ
た。
【0054】(5)次に、上記(2)で得られた積層体
と上記(4)で得られた活性炭含有成形体を重ね合わせ
て、見かけ上隙間がないように堅くロール状に巻き上げ
た。このロールを大気雰囲気の熱風乾燥機中に設置した
後に、昇温を開始した。先ず、260℃で4時間熱処理
し、その後285℃に昇温して6時間熱処理した。熱処
理後のロールから、積層体と活性炭含有成形体を分離し
た。得られた積層体について、接着強度および寸法安定
性を測定した。次いで、積層体から化学エッチング法に
より金属箔を除去してフィルムを得た。得られたフィル
ムについて、ハンダ耐熱性(ハンダ耐熱温度)、強度、
耐磨耗性について試験を行い、それらの結果を表6に示
す。
【0055】実施例2 実施例1の(2)で得られた積層体と実施例1の(4)
で得られた活性炭含有成形体を重ね合わせて、見かけ上
隙間がないように堅くロール状に巻き上げ、先ず、1回
目の熱処理を260℃で2時間行った。この熱処理によ
りフィルム層の融解ピーク温度TA1は296℃となっ
た。その後、2回目の熱処理を285℃に昇温して3時
間行った。この熱処理によりフィルム層のTA2は310
℃となった。3回目の熱処理を300℃に昇温して3時
間行った。この熱処理によりフィルム層のTA3は320
℃となった。さらに、4回目の熱処理を315℃に昇温
して2時間行った。この熱処理によりフィルム層のTA4
は330℃となった。得られた積層体およびフィルムに
ついて実施例1と同様の試験を行い、それらの結果を表
6に示す。
【0056】実施例3 実施例1において、活性炭含有成形体としてベンゼン吸
着能80%の活性炭フェルトを用いた以外は、実施例1
と同様にして積層体およびフィルムを得た。得られた積
層体およびフィルムについて実施例1と同様の試験を行
い、それらの結果を表6に示す。
【0057】実施例4 実施例2において、熱処理雰囲気を酸素濃度が0.07
%の窒素雰囲気とした以外は実施例2と同様な条件で熱
処理を施し、積層体およびフィルムを得た。得られた積
層体およびフィルムについて実施例1と同様の試験を行
い、それらの結果を表6に示す。
【0058】比較例1 実施例1の(2)で得られた積層体について、熱処理を
施すことなく、該積層体から実施例と同様にしてフィル
ムを得た。積層体およびフィルムについて実施例1と同
様の試験を行い、それらの結果を表6に示す。
【0059】比較例2 実施例2において、活性炭含有成形体の代わりに50μ
m厚のポリイミドフィルムを用いた以外は実施例1と同
様な条件で熱処理を施し、積層体およびフィルムを得
た。得られた積層体およびフィルムについて実施例1と
同様の試験を行い、それらの結果を表6に示す。
【0060】
【表6】
【0061】上記の表6から明らかなように、各比較例
で得られたフィルムは、ハンダ耐熱温度が300℃以下
であり、例えばFPCへの部品実装時に、該FPCをハ
ンダ浴に浸漬する場合に、ふくれ、はがれ、変形などが
発生する。また、各比較例で得られたフィルムは、耐摩
耗性が悪く、FPCなどとして使用する際には、十分な
接着力が得られない。
【0062】以上の比較例に対し、実施例1〜4に示す
ように、2段階にわたる熱処理を施すことにより、フィ
ルムの耐熱温度は、熱処理前のもの(比較例1)に対し
100℃以上も高い350℃以上にまで高められる。こ
のため、FPCへの部品実装時に、該FPCをハンダ浴
に浸漬するような場合でも、変形などが発生せず、良好
な実装が行える。しかも、実施例1の(3)から明らか
なように、フィルムは熱処理により処理時間を長くする
と溶解ピーク温度TA が順次上昇し、これに準じて熱変
形温度Tdef も上昇するので、フィルムの第n段階での
熱処理によって、もはや溶融しない状態のフィルムを得
ることもできる。また、実施例1〜4に示すように、2
段階にわたる熱処理を施すことにより、耐熱性および耐
磨耗性に優れ、しかも接着強度および寸法安定性に優れ
た積層体が得られる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性液晶ポリマー
フィルムが本来具有する高強力や高弾性率および耐薬品
性などと共に、優れた耐熱性と耐磨耗性を備えた熱可塑
性液晶ポリマーフィルムおよびその積層体が得られる。
また本発明により、かかる熱可塑性液晶ポリマーフィル
ムおよびその積層体を低コストで製造し得る方法が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における熱処理温度と熱可塑性液晶ポリ
マーフィルムの融解ピーク温度を示す特性図である。
【符号の説明】
Tm …フィルムの熱処理前の融点、TA …フィルムの熱
処理中の融解ピーク温度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/00 C08L 67/00 77/12 77/12 Fターム(参考) 4F071 AA02 AA45 AA57 AF45 AH13 BC01 BC02 4F073 AA12 BA23 BA24 BA25 BA29 BA30 BB01 FA13 GA01 4F100 AA37C AB02B AB10B AB16B AB17B AB24B AB25B AG00B AK41A AK41C AK46A AK46C BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B DE01C DG01C DG15C GB43 JA11A JA11C JB16A JB16C JJ03 JL01 4J002 CF041 CF161 CF181 CL061 DA036 GQ00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可
    塑性ポリマーからなるフィルムを、該フィルムの熱処理
    時に形態を保持し得る被着体と積層し、該フィルム側を
    活性炭を含有する成形体と接触させるかまたは該成形体
    の近傍に存在させて、次のような熱処理を複数回行い、
    次いで被着体を除去してフィルムを得ることを特徴とす
    るフィルムの製造方法。 1回目:熱処理温度がフィルムの熱変形温度Tdef か
    ら、該フィルムの熱処理前の融点Tmよりα℃低い温度
    までの温度範囲(Tdef 〜(Tm −α℃))で、示差走
    査熱量計により窒素雰囲気中5℃/分の昇温速度で測定
    した時の処理中における前記フィルムの融解ピーク温度
    TA が、該フィルムの熱処理前の融点Tm よりβ℃高い
    温度TA1 に到達するまで熱処理を行う。 α=10〜35、β=5〜30 2回目:熱処理温度が前記フィルムの熱処理前の融点T
    m 以上で融解ピーク温度TA1未満の温度範囲で、さらに
    前記融解ピーク温度TA1 がγ℃増大する温度TA2 に到
    達するまで熱処理を行う。 γ=5〜20 n回目:熱処理温度が融解ピーク温度TAn-2以上でTA
    n-1未満の温度範囲で、TAn-1がγ℃増大する温度TAn
    に到達するまで熱処理を行う。 整数n≧3、γ=5〜20
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法により得られる
    フィルム。
  3. 【請求項3】 光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可
    塑性ポリマーからなるフィルムを、該フィルムの熱処理
    時に形態を保持し得る被着体と積層し、該フィルム側を
    活性炭を含有する成形体と接触させるかまたは該成形体
    の近傍に存在させて、請求項1に記載された複数回の熱
    処理を施すことを特徴とするフィルムと被着体から成る
    積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の製造方法により得られ
    る積層体。
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