JP2000264987A - 熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱処理方法 - Google Patents

熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱処理方法

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JP2000264987A
JP2000264987A JP11065245A JP6524599A JP2000264987A JP 2000264987 A JP2000264987 A JP 2000264987A JP 11065245 A JP11065245 A JP 11065245A JP 6524599 A JP6524599 A JP 6524599A JP 2000264987 A JP2000264987 A JP 2000264987A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異方性の力学的物性を有するフィルムの異方
性を改良するとき、樹脂軟化状態において軟化樹脂層を
形態保持し、熱処理後には支持体をすみやかに安定して
剥離でき、剥離後の支持体を再利用できる熱可塑性液晶
ポリマーフィルムの熱処理方法を提供する。 【解決手段】 最大粗さ(Rmax ;JIS B060
1)が1.0から10μmの凹凸を有する金属箔からな
り、その凹凸に0.1から1μm厚のシリコン系ポリマ
ーがコートされている熱処理用支持体を用い、この支持
体のコート面に前記フィルムの少なくとも一方の面を接
触させた状態で、フィルムを溶融するに充分な温度でフ
ィルムを形態保持して熱処理する工程、溶融軟化フィル
ムを冷却して固化したフィルム層を前記支持体から剥離
する工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的異方性の溶
融相を形成し得る熱可塑性ポリマー(以下、これを熱可
塑性液晶ポリマーと称する)からなるフィルムの熱処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性液晶ポリマーは、耐熱性、耐薬
品性、電気的特性などに優れている。このため、これら
のポリマーは、各種技術分野において、有用なフィルム
用材料として注目されている。
【0003】熱可塑性液晶ポリマーは溶融押出成形時に
おける配向性が高いために、熱可塑性液晶ポリマーから
製造されたフィルムの機械的性質の異方性が高くなり易
い。すなわち、熱可塑性液晶ポリマーをTダイから溶融
押出成形すれば、機械軸方向(以下、MD方向と略す)
にのみ剪断応力が加えられるため、一軸配向フィルムが
得られる。
【0004】この一軸配向フィルムは、MD方向におけ
る引張弾性率および機械的強度が高いものの、MD方向
に直交する方向(以下、TD方向と略す)におけるこれ
らの値が低いので、MD方向に沿って切れ目が発生し易
いという欠点がある。
【0005】この機械的性質の異方性を改良するため、
本発明者等は以前に、液晶ポリマーフィルムの少なくと
も一方の面を支持体と接触させた状態で、液晶ポリマー
フィルムを加熱してポリマーを溶融する工程、溶融ポリ
マーを冷却して固化したポリマー層を形成する工程、お
よび固化したポリマー層を前記支持体から分離する工程
を含んでなる液晶ポリマーフィルムの熱処理方法を提案
した(特開平8−90570号公報)。
【0006】以上のように、液晶ポリマーフィルムを溶
融状態に曝すことにより、機械的性質を改善できるが、
このとき高温状態でも耐え得る支持体を必要とするの
で、この支持体として主に金属箔を用いている。そし
て、支持体と固化ポリマー層を分離する工程では、金属
箔を化学的に溶解させる方法、または機械的に金属箔を
剥離する方法が採用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし前者は、金属箔
を化学的に溶解除去するための費用および廃液処理の面
でコスト的に不利となり、しかも金属箔が無駄となる。
また後者は、溶融熱処理を行うことによりフィルムと金
属箔の接着力が強くなるので、機械剥離工程において金
属箔の安定した剥離が行いにくい問題がある。
【0008】本発明の目的は、異方性の機械的性質を有
するフィルムの配向緩和や内部応力緩和および表面改質
を行うために、樹脂軟化状態において軟化樹脂層を形態
保持し、熱処理後に支持体をすみやかに安定して剥離で
き、剥離後の支持体を再利用できる熱可塑性液晶ポリマ
ーからなるフィルム(以下、これを熱可塑性液晶ポリマ
ーフィルムと称する)の熱処理方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱処理
方法であって、最大粗さ(Rmax ;JIS B060
1)が1.0から10μmの凹凸表面を有する金属箔か
らなり、その表面に0.1から1μm厚のシリコン系ポ
リマーがコートされている熱処理用支持体を用い、この
支持体のコート面に前記フィルムの少なくとも一方の面
を接触させた状態で、フィルムを溶融するに充分な温度
で、フィルムを形態保持しながら熱処理する工程と、溶
融軟化フィルムを冷却して固化したフィルム層を前記支
持体から剥離する工程とを含んでいる。
【0010】本発明に使用する熱可塑性液晶ポリマーフ
ィルムの原料は、特に限定されるものではないが、その
具体例として、以下に例示する(1)から(4)に分類
される化合物およびその誘導体から導かれる公知のサー
モトロピック液晶ポリエステルおよびサーモトロピック
液晶ポリエステルアミドを挙げることができる。但し、
光学的に異方性の溶融相を形成し得るポリマーを得るた
めには、各々の原料化合物の組み合わせには適当な範囲
があることは言うまでもない。
【0011】(1)芳香族または脂肪族ジヒドロキシ化
合物(代表例は表1参照)
【0012】
【表1】
【0013】(2)芳香族または脂肪族ジカルボン酸
(代表例は表2参照)
【0014】
【表2】
【0015】(3)芳香族ヒドロキシカルボン酸(代表
例は表3参照)
【0016】
【表3】
【0017】(4)芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシ
アミンまたは芳香族アミノカルボン酸(代表例は表4参
照)
【0018】
【表4】
【0019】これらの原料化合物から得られる熱可塑性
液晶ポリマーの代表例として、表5に示す構造単位を有
する共重合体(a)〜(e)を挙げることができる。
【0020】
【表5】
【0021】また、本発明に使用される熱可塑性液晶ポ
リマーとして、フィルムの所望の耐熱性および加工性を
得る目的においては、約200〜約400℃の範囲内、
とりわけ約250〜約350℃の範囲内に融点を有する
ものが好ましいが、フィルム製造の点からは、比較的低
い融点の液晶ポリマーの方が好ましい。したがって、よ
り高い耐熱性や融点が必要な場合には、一旦得られたフ
ィルムを加熱処理することによって、所望の耐熱性や融
点にまで高める。
【0022】本発明に使用される熱可塑性液晶ポリマー
フィルムは、熱可塑性液晶ポリマーを押出成形して得ら
れる。このとき、任意の押出成形法がこの目的のために
使用されるが、周知のTダイ法、インフレーション法等
が工業的に有利である。特にインフレーション法では、
フィルムのMD方向だけでなく、これと直交するTD方
向にも応力が加えられて、MD方向とTD方向における
機械的性質および熱的性質のバランスのとれたフィルム
が得られるので、より好適に用いることができる。
【0023】本発明において使用される熱可塑性液晶ポ
リマーフィルムは、任意の厚みであってもよく、5mm
以下の板状またはシート状のものをも包含する。ただ
し、電気絶縁性基板として熱可塑性液晶ポリマーフィル
ムを用いたものをプリント配線板として使用する場合に
は、そのフィルムの膜厚は、12〜100μmの範囲内
にあることが好ましく、25〜50μmの範囲内がより
好ましい。フィルムの厚さが薄過ぎる場合には、フィル
ムの剛性や強度が小さくなるため、得られるプリント配
線板に電子部品を実装する際に加圧により変形して、配
線の位置精度が悪化して不良の原因となる。また、電気
絶縁性基板として、上記の熱可塑性液晶ポリマーフィル
ムと他の電気絶縁性材料、例えばガラス布基材との複合
体を用いることもできる。なお、フィルムには、滑剤、
酸化防止剤などの添加剤が配合されていてもよい。
【0024】本発明の支持体としては、加熱溶融処理温
度において実質上変形を生じない金属箔(スチール、
銅、アルミニウム、ニッケル、銀、金など)が用いられ
る。特に、熱伝導率の高い金属を使用する場合は、フィ
ルム温度を所望の温度に速やかに上昇でき、ひいては処
理時間を短縮できるので望ましい。前記金属箔における
フィルムとの接触面の形態としては、ロール面状の曲面
状でもよいが、溶融処理時におけるポリマーの流動を防
止し易い点、支持体からフィルムを剥離し易い点におい
て、フィルム状、シート状、板状など、実質的に平面状
であることが好ましい。
【0025】また、加熱処理時におけるポリマーの流動
を防止し、かつフィルムと支持体との剥離を容易に行っ
て、この支持体の再利用を可能とするため、その金属箔
の接触面に、微少な凹凸を設け、さらにその上に離型材
としてシリコン系ポリマーをコートする。具体的には、
金属箔の表面に最大粗さ(Rmax ;JIS B060
1)1.0から10μmの凹凸を形成し、さらに凹凸の
ある表面に0.1から1μm厚のシリコン系ポリマーを
コートする。このとき、凹凸の最大粗さが1.0μm未
満の場合は、加熱処理時にポリマーが流れ出す場合があ
る。また最大粗さが10μmを越える場合は、特に薄い
フィルムのときに、このフィルムが厚さ方向に破損し易
く、支持体を剥離する工程でフィルムの破断を招くこと
がある。よって、前記凹凸の最大粗さは、上記の範囲と
される。また前記凹凸の形状は、円錐状の突起、クレー
ター状の窪み、キズ状の線状凹凸でもよく、シリコン系
ポリマーが充分に付着する形状ならば特に指定されな
い。
【0026】前記シリコン系ポリマーは、化学構造の基
本骨格が、―(CH32Si―O―であればよく、この
種のポリマーは金属との結合力が非常に強固であり、樹
脂との親和力が非常に小さい性質を示す。このポリマー
は、その厚みが0.1μm未満の場合は、支持体とフィ
ルムとの剥離が困難となる。一方、厚みが1μmを越え
る場合、両者の剥離は容易となるが、ポリマーが無駄に
なるばかりか、ポリマーが熱可塑性液晶ポリマーフィル
ムに付着して支持体から剥離することがあり、支持体の
再利用ができなくなる。よって、前記シリコン系ポリマ
ーの層厚は、上記の範囲とされる。
【0027】以上のように、金属箔の表面に最大粗さ
1.0から10μmの凹凸を形成し、この凹凸にさらに
0.1から1μm厚のシリコン系ポリマーをコートする
ことにより、フィルムと支持体との熱処理前の接着力が
0.05Kg/cm以上で、熱処理後の接着力が0.4
Kg/cm以下となる。この接着力は、熱処理前の値が
高いほど、フィルムの形態安定性がよく、値が低い場合
には、熱処理工程において剥離、破損などの悪影響が生
じる。また熱処理後の接着力は低いほど、フィルムの剥
離安定性がよく、値が高い場合には、わずかなキズなど
で剥離時に破断することがある。よって、上記の条件に
適合することが必要である。
【0028】本発明の方法においては、まず、熱可塑性
液晶ポリマーフィルムを、その少なくとも一方の面を支
持体と接触させた状態で加熱することにより、ポリマー
を溶融させる。
【0029】この加熱処理の温度としては、実質的にフ
ィルムの厚さ方向における全体が溶融する温度であれば
よい。この温度は、通常、被処理フィルムを構成する熱
可塑性液晶ポリマーの溶融温度から当該温度よりも50
℃高い温度までの範囲内において適宜選択される。ここ
で、ポリマー溶融温度とは、示差走査熱量測定法(DS
C)により、被処理フィルムを20℃/分の速度で昇温
させて溶融させ、50℃/分の速度で50℃まで急冷
し、次いで再度20℃/分の速度で昇温させた場合に得
られる融解ピーク温度である。処理温度がポリマー溶融
温度よりも低い場合には、フィルムを構成するポリマー
が実質的に溶融せず、得られたフィルムの機械的性質の
異方性改善が不十分である。一方、処理温度が高すぎる
場合には、ポリマーの熱劣化のため着色等の不都合が生
じる可能性がある。
【0030】熱処理中、被処理フィルムは、その少なく
とも一面を支持体のコート面と接触させているので、ポ
リマーが溶融して収縮しようとするにもかかわらず、フ
ィルム状の形態を保持することができる。
【0031】また熱処理中、フィルムは、その片面また
は両面が支持体と接触される。フィルムの片面だけを支
持体と接触させる場合、他の片面は、空気、窒素等の気
体と接触させてもよく、また、オイル等の液体と接触さ
せてもよい。
【0032】フィルムを熱処理するに際しては、事前に
フィルムを支持体に密着または接着させておくことが必
要である。密着または接着は、熱プレス、熱ローラー等
による熱圧着法で行うことが好ましい。
【0033】また、前記支持体に密着または接着させる
フィルムに代えて、例えば、熱可塑性液晶ポリマーフィ
ルムの片面に銅箔のような金属箔を積層した構成の片面
金属箔積層体などの積層体を用いることもできる。その
場合、前記支持体は、積層体の熱可塑性液晶ポリマーフ
ィルム面と密着または接着される。密着または接着は、
フィルム単品の場合と同様に、熱プレス、熱ローラー等
を使用して行うことができるが、加熱を均一にするため
に、支持体側および積層体の金属箔側の両面から加熱し
て行うことが好ましい。そのような具体的な手段として
は、2枚の加熱加圧盤を備えた熱プレスまたは真空熱プ
レスや、上下共に加熱された一対の金属ロール間を加圧
下で通過させる方法が挙げられる。
【0034】熱処理工程での好適な加熱方法の一例とし
ては、支持体とフィルムを乾燥機などの中で加熱する方
法が挙げられる。この加熱方法は、支持体がフィルムの
片面のみにある場合および両面にある場合のいずれにお
いても適用可能である。また、支持体との非接触面に熱
風を吹き付ける方法、支持体との非接触面に赤外線を照
射する方法、熱媒オイル中に浸漬する方法等も採用でき
る。
【0035】加熱処理温度は、上記したように、フィル
ムのポリマー溶融温度から当該温度より50℃高い温度
までの範囲内に設定することが好ましいが、処理時間
は、通常1秒から15分の間である。この処理により、
従来の欠点が解消されて、良好にバランスのとれた諸物
性を有するフィルムが得られる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限され
るものではない。なお、以下の各実施例において、熱可
塑性液晶ポリマーフィルムのポリマー溶融温度、膜厚、
機械的性質(引張強度および弾性率)、外観、積層体の
接着力および熱処理後の外観の評価は、以下の方法によ
り行った。
【0037】(1)ポリマー溶融温度 示差走査熱量計を用いて、フィルムの熱挙動を観察して
得た。すなわち、供試フィルムを20℃/分の速度で昇
温して完全に溶融させた後、溶融物を50℃/分の速度
で50℃まで急冷し、再び20℃/分の速度で昇温した
時に現れる吸熱ピークの位置を、ポリマー溶融温度とし
て記録した。
【0038】(2)膜厚 デジタル厚み計(株式会社ミツトヨ製、LVDT)を用
い、得られたフィルムをTD方向に1cm間隔で10点
測定し、平均値を膜厚とした。
【0039】(3)機械的性質(引張強度および弾性
率) 得られたフィルムのMD方向とTD方向のサンプルを引
張り試験機を用いて、ASTM D882の方法に準じ
て測定した。
【0040】(3)外観 目視により観察した。そして、弛みや皺などが全くない
ものを最良とし、皺などが若干はあるものの商品化可能
なものを良好とし、皺などが大きく残って商品化できな
いものを不良とした。
【0041】(4)積層体の接着力 積層体から1.5cm幅の剥離試験片を作成し、そのフ
ィルム層を両面接着テープで平板に固定し、JISC5
016に準じ、180°法により、金属箔を50mm/
分の速度で剥離したときの強度を測定した。
【0042】(5)熱処理後の外観 熱風循環式乾燥機を使用し、所定温度で10分間熱処理
し、取り出した後に、剥離や反りなどを観察した。
【0043】参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸の共重合物で、溶融温度が283℃、軟化温度が2
30℃である熱可塑性液晶ポリマーを溶融押出し、イン
フレーション成形法により膜厚が50μmのフィルムを
得た。この熱可塑性液晶ポリマーフィルムの機械的性質
の異方性(MD方向の値/TD方向の値)は約2であっ
た。
【0044】実施例1 金属箔として厚さ18μmの銅箔(電解銅、最大粗さ5
μm)を用い、その粗面側に離型材であるシリコン系ポ
リマー(ケムリースアジア製41G)を厚さ0.5μm
となるようにコートし、このコート面に参考例1で得ら
れた熱可塑性液晶ポリマーフィルムを張合わせ、285
℃で加熱圧着して、金属箔/熱可塑性液晶ポリマーフィ
ルムの構成の積層体を作製した。このときの銅箔とフィ
ルムの間の接着力は、0.2Kg/cmであった。そし
て、この積層体を300℃の熱風乾燥機中で10分間吊
り下げて加熱溶融処理した。得られた積層体のフィルム
面の外観は良好であり、銅箔とフィルムの間の接着力は
0.3Kg/cmで、銅箔の剥離が容易に行えた。ま
た、銅箔を剥離した後のフィルムの機械的性質の異方性
は、約1.1であった。
【0045】実施例2 金属箔として厚さ50μmの圧延アルミ箔を用い、その
粗面(最大粗さ1μm)側にシリコン系ポリマー(ケム
リースアジア製41G)を厚さ0.1μmとなるように
コートし、このコート面に参考例1で得られた熱可塑性
液晶ポリマーフィルムを張合わせ、285℃で加熱圧着
して、金属箔/熱可塑性液晶ポリマーフィルムの構成の
積層体を作製した。このときのアルミ箔とフィルムの間
の接着力は、0.1Kg/cmであった。そして、この
積層体を320℃の熱風乾燥機中で10分間吊り下げて
加熱溶融処理した。得られた積層体のフィルム面の外観
は良好であり、アルミ箔とフィルムの間の接着力は0.
2Kg/cmで、アルミ箔の剥離が容易に行えた。ま
た、アルミ箔を剥離した後のフィルムの機械的性質の異
方性は、約1.0であった。
【0046】実施例3 金属箔として厚さ50μmのステンレス箔を用い、その
粗面(最大粗さ10μm)側にシリコン系ポリマー(ケ
ムリースアジア製41G)を厚さ1.0μmとなるよう
にコートし、このコート面に参考例1で得られた熱可塑
性液晶ポリマーフィルムを張合わせ、285℃で加熱圧
着して、金属箔/熱可塑性液晶ポリマーフィルムの構成
の積層体を作製した。このときのステンレス箔とフィル
ムの間の接着力は、0.3Kg/cmであった。そし
て、この積層体を290℃の熱風乾燥機中で10分間吊
り下げて加熱溶融処理した。得られた積層体のフィルム
面の外観は良好であり、ステンレス箔とフィルムの間の
接着力は0.4Kg/cmで、ステンレス箔の剥離が容
易に行えた。また、ステンレス箔を剥離した後のフィル
ムの機械的性質の異方性は、約1.1であった。
【0047】比較例1 金属箔として厚さ18μmの電解銅箔を用い、その粗面
(最大粗さ5μm)側に、参考例1で得られた熱可塑性
液晶ポリマーフィルムを、本発明のコート層を介するこ
となく、直接張合わせ、285℃で加熱圧着して、金属
箔/熱可塑性液晶ポリマーフィルムの構成の積層体を作
製した。このときの銅箔とフィルムの間の接着力は、
0.8Kg/cmであった。そして、この積層体を30
0℃の熱風乾燥機中で10分間吊り下げて加熱溶融処理
した。得られた積層体のフィルムの外観は良好であっ
た。しかし、銅箔とフィルムの間の接着力は1.2Kg
/cmで、銅箔を剥離することはできなかった。また、
銅箔を化学エッチング法により除去したフィルムの機械
的性質の異方性は、約1.2であった。
【0048】比較例2 金属箔として厚さ72μmの電解銅箔(最大粗さ20μ
m)を用い、その粗面側にシリコン系ポリマー(ケムリ
ースアジア製41G)を厚さ0.1μmとなるようにコ
ートし、このコート面に参考例1で得られた熱可塑性液
晶ポリマーフィルムを張合わせ、285℃で加熱圧着し
て、金属箔/熱可塑性液晶ポリマーフィルムの構成の積
層体を作製した。このときの積層体はフィルム面の外観
が不良であり、銅箔とフィルムの間の接着力は0.6K
g/cmであった。この積層体を300℃の熱風乾燥機
中で10分間吊り下げて加熱溶融処理した。得られた積
層体のフィルム面は、多数の小さな穴が形成されていて
外観不良であった。また、銅箔とフィルムの間の接着力
は1.1Kg/cmであり、銅箔の剥離が困難であっ
た。さらに、銅箔を化学エッチング法により除去したフ
ィルムの機械的性質の異方性は、約1.1であった。
【0049】比較例3 金属箔として厚さ50μmの圧延アルミ箔を用い、その
粗面(最大粗さ1μm)側にシリコン系ポリマー(ケム
リースアジア製41G)を厚さ5μmとなるようにコー
トし、このコート面に参考例1で得られた熱可塑性液晶
ポリマーフィルムを張合わせ、285℃で加熱圧着し
て、金属箔/熱可塑性液晶ポリマーフィルムの構成の積
層体を作製した。このときの積層体は、フィルムが一部
剥離しており、外観不良であった。また、アルミ箔とフ
ィルムの間の接着力は測定中に剥離したことから、未接
着と評価した。この積層体を320℃の熱風乾燥機中で
10分間吊り下げて溶融熱処理した。得られた積層体の
フィルム面の外観は、熱処理前と同様に不良であり、ま
た、大きな穴があいていたため、アルミ箔とフィルムの
間の接着力は測定できなかった。
【0050】比較例4 参考例1で得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムを用
い、また離型支持体としてテフロンコート銅箔を用い
て、実施例3と同様な条件下で積層体を得ようとした
が、テフロンコート膜が銅箔から簡単に剥離するため、
採用できなかった。そこで、厚さ100μmの市販のガ
ラスクロス含浸テフロンシート(日本バルカー工業株式
会社製、バルカー7920A)を離型支持体として用
い、これの2枚で前記熱可塑性液晶ポリマーフィルムを
挟み、285℃で加熱圧着して、離型支持体/熱可塑性
液晶ポリマーフィルム/離型支持体の構成の積層体を作
製した。このときの離型支持体とフィルムとの間の接着
力は0.02Kg/cmであった。この積層体を290
℃の熱風乾燥機中で10分間吊り下げて加熱溶融処理し
た。得られた積層体のフィルム面は、部分的に穴が形成
されていて外観不良であった。また、離型支持体とフィ
ルムの間の接着力は0.4Kg/cmであった。さら
に、離型支持体を剥離した後のフィルムの機械的性質の
異方性は、約1.1であった。
【0051】以上の各結果を、表6に示す。
【0052】
【表6】
【0053】上記表から明らかなように、比較例1で得
られたフィルムは、外観は良好であるが、熱処理後の接
着力が大であるため、支持体との剥離ができない。ま
た、比較例2〜4で得られたフィルムは、何れも外観不
良である。これに対し、実施例1〜3で得られたフィル
ムは、何れもが熱処理後に支持体から容易に剥離でき、
また外観も良好となる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂軟化状態において
軟化樹脂層を形態保持し、熱処理後には支持体をすみや
かに剥離できて、外観良好な熱可塑性液晶ポリマーフィ
ルムを得ることができ、しかも支持体の再利用が可能と
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F073 AA29 BA23 BA25 BA30 BB01 GA01 4J002 CF041 CF051 CF161 CF181 CL081 FD077 FD176

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的異方性溶融相を形成し得る熱可塑
    性ポリマーからなるフィルム(以下、これを熱可塑性液
    晶ポリマーフィルムと称する)の熱処理方法であって、 最大粗さ(Rmax ;JIS B0601)が1.0から
    10μmの凹凸表面を有する金属箔からなり、その表面
    に0.1から1μm厚のシリコン系ポリマーがコートさ
    れている熱処理用支持体を用い、この支持体のコート面
    に前記フィルムの少なくとも一方の面を接触させた状態
    で、フィルムを溶融するに充分な温度で、フィルムを形
    態保持しながら熱処理する工程と、 溶融軟化フィルムを冷却して固化したフィルム層を前記
    支持体から剥離する工程と、 を含んでなる熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱処理方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記支持体に熱可塑
    性液晶ポリマーフィルムを熱圧着し、ポリマー溶融温度
    から当該温度よりも50℃高い温度までの範囲内で熱処
    理する熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記フィル
    ムと支持体との熱処理前の接着力が0.05Kg/cm
    以上であり、熱処理後の接着力が0.4Kg/cm以下
    である熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱処理方法。
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