JP2001079060A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書
【発明の名称】 リフト入浴装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入浴椅子(1)を浴槽外と浴槽内の間で移動させ、浴槽内で入浴椅子(1)を昇降させて入浴させることができるようにしたリフト入浴装置において、
入浴椅子(1)をリクライニングさせる回転軸(A)を浴槽の框よりも高い位置に設け、入浴椅子(1)をリクライニングさせたとき、入浴椅子(1)全体が浴槽の框の高さよりも高くなるようにし、
入浴椅子(1)をリクライニングさせて、ほぼ水平方向に移動させるだけで、浴槽の框を超えて浴槽外と浴槽内の間で入浴椅子(1)を移動させることができるようにした、リフト入浴装置。
【請求項2】
ほぼ垂直に立設した支柱(23)にアーム(24)を接続し、アーム(24)で入浴椅子(21)を支持し、アーム(24)は支柱(23)を中心に回動するようにして、入浴椅子(21)を浴槽外と浴槽内の間で移動させるようにし、入浴椅子(21)を浴槽内で昇降させて入浴できるようにしたリフト入浴装置において、
入浴椅子(1)をリクライニングさせる回転軸(A)を浴槽の框よりも高い位置に設け、入浴椅子(1)をリクライニングさせたとき入浴椅子(1)全体が浴槽の框の高さよりも高くなるようにし、
入浴椅子(21)をリクライニングさせてアーム(24)をほぼ水平に回動させるだけで、浴槽外と浴槽内の間で入浴椅子(21)を移動させることができるようにした、請求項1記載のリフト入浴装置。
【請求項3】
浴槽(26)の框をほぼ水平に横断するレール(27)を設け、レール(27)に沿って入浴椅子(21)を移動できるようにし、浴槽内で入浴椅子(21)を昇降させて入浴できるようにしたリフト入浴装置において、
入浴椅子(21)をリクライニングさせる回転軸(A)を浴槽の框よりも高い位置に設け、入浴椅子(1)をリクライニングさせたとき入浴椅子(1)全体が浴槽の框の高さよりも高くなるようにし、
入浴椅子(21)をリクライニングさせてレール(27)に沿ってほぼ水平に回動させるだけで、浴槽外と浴槽内の間で入浴椅子(21)を移動させることができるようにした、請求項1記載のリフト入浴装置。
【請求項4】
入浴椅子(1)の背もたれ上部のフレーム5にヘッドレスト板6を回転自在に連結し、このヘッドレスト板6にリンク竿7の一端を接続し、リンク竿7の他端をフレーム等に固定してリンク機構を構成し、入浴椅子(1)をリクライニングさせてもヘッドレスト板6はほぼ元の角度を維持するようにし、入浴椅子(1)を頃動させる回転軸(A)を浴槽の框よりも高い位置に設け、入浴椅子(1)を頃動させたとき入浴椅子(1)全体が浴槽の框の高さよりも高くなるようにした、請求項1から請求項3のいずれかに記載したリフト入浴装置。
【請求項5】
床から回転軸軸(A)までの高さを変更できるようにし、入浴椅子(21)をリクライニングさせたときの入浴椅子(21)の高さを変え、浴槽の框の高さが異なっても、入浴椅子(21)を水平移動させるだけで浴槽の框を超えて浴槽外と浴槽内の間で移動させることができるようにした、請求項1から請求項4のいずれかに記載したリフト入浴装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、入浴介助が必要な人を入浴椅子ごとリフトで持ち上げて浴槽に移動して入浴させる、リフト入浴装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のリフト入浴装置の例を図3に示す。これは特開平10−230006に記載されたものを分かり易く書き直したもので、図3(A)は入浴椅子を浴槽の外に置いたときの側面図、(B)は平面図、(C)は入浴椅子を浴槽上に移動させてきたときの側面図である。図3の31は入浴椅子、32はアーム、33は昇降部であり、入浴椅子31はアーム32の一端で支持され、アーム32の他端は昇降部33の上端部に接続され、かつ、アーム32は昇降部33との接続部を中心に水平方向に回動できるように軸支されている。図3の34は浴槽、hは入浴椅子の座面の高さ、Bは洗い場から浴槽の框までの高さ、DとLは浴槽の幅と長さである。
【0003】
リフト入浴装置は、座位を保持することはできるが、独力では入浴することのできない人を入浴させるのに用いられる。このような人は、浴室まで車椅子を用いて移動して来ることが多いので、車椅子と入浴椅子31の間で移乗しやすいように、入浴椅子31の座席高hは標準的な車椅子の座席高程度にすることが多い。通常、浴槽の底に座ったとき肩口まで十分湯に浸かるには、50cm程度の水深は必要とされる。業務用の浴槽では、浴槽を床の上に置く据え置き型では、浴槽の底の厚みを考えると、床から浴槽の框までの高さBは60cm程度になる。さらに、図3のような入浴椅子を用いる場合は、図3(C)に示すように、椅子の脚長分だけ水深を深くしなければならない。浴槽の長さLと幅Dは、家庭で用いる通常の浴槽程度か、やや大きめにしている。
【0004】
図3の入浴装置を用いて入浴させるときには、まず図3(A)のように入浴椅子31を浴槽の近くの床に置いて、入浴者を車椅子から入浴椅子31に移乗させ、昇降部33を作動させて入浴椅子31を浴槽34の框の高さBよりも高い位置まで持ち上げ、続いて図3(B)のようにアーム32を回動させて浴槽34の上まで移動させ、さらに図3(C)のように昇降部33を作動させて入浴者を浴槽の底まで降ろして入浴させる。 出浴時には、この逆の行程をおこなう。
【0005】
図3のような入浴装置を用いると比較的簡単に入浴させることができるが、前述のように、浴槽の框の高さBは通常よりもかなり高いので、入浴者を床から高く持ち上げなければならず、このため入浴者の恐怖感は強く、転落による危険性も高い。さらに、標準の浴槽よりも多くの湯量を必要とし、経済的にも負担が大きくなる。
【0006】
この問題を解決する手段として、図3(D)のように、浴槽を床に堀込む方法が採られている。このようにすると、洗い場から浴槽の框までの高さは、図3(A)の据え置き式の場合よりも低くすることができるので、入浴者の恐怖感は少なくすることができる。しかし、別途、堀込み工事が必要になり、メンテナンスがし難いという問題がある。また、図3のような入浴椅子を使用する限り、浴槽の深さは図3(A)と同じであるので、多くの湯量を消費するという問題は解決されていない。
【0007】
図4は別のタイプのリフト入浴装置の例である。これは浴槽の框を超えるときに、入浴者を上下方向に持ち上げなくてもよいようにして、入浴者の恐怖感を少なくしようとするものである。図4(A)は入浴椅子41を浴槽44の外に置いたときの側面図で、(B)はアーム42を回動させる様子を示す平面図、(C)は浴槽44上に入浴椅子41を移動させた状態で入浴椅子41を昇降させる様子を示す。図の41は入浴椅子、42はアーム、43は昇降部、44は浴槽、hは入浴椅子の座面の高さ、D、L、Bはそれぞれ浴槽の幅、長さ、框の高さである。
【0008】
この入浴装置では、図4(A)に示すように、入浴椅子41を浴槽外に置いたとき、座席の高さhが浴槽の框の高さBよりも高くしている。また、使用する浴槽のサイズは、図3の浴槽と比較すると、框の高さBと幅Dは同程度で、長さLは足を伸ばせるように長くしている。この装置を用いて入浴させる場合、図4(A)のように、浴槽44の外で入浴者を入浴椅子41に座らせ、介助者が入浴者の足を持ち上げ、続いて図4(B)のようにアーム42を回動させると、浴槽44の框を超えて浴槽内に移動させることができる。その後図4(C)のように昇降部43を作動させて入浴椅子41を降ろすと、入浴者を入浴させることができる。出浴時には、この逆の動作を行う。
【0009】
このように、図4の装置を用いると、浴槽の框を超えるとき、入浴者を高く持ち上げる必要はなく、水平方向に移動させるだけですむので、入浴者の恐怖感は少なくすることができる。しかし、浴槽外に入浴椅子をセットしたとき、入浴椅子41の座席の高さhは浴槽の框の高さBよりも高くしておかなければならないので、車椅子の座席高よりもかなり高く、このため移乗がし難く、移乗時の入浴者と介助者双方の労力は大きい。しかも、浴槽の框を超えるとき、入浴者の足を持ち上げなければならないので、介助者の労力が余分に必要になるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、図3のタイプの入浴装置では、浴槽の框も高くなるため、リフトで持ち上げる高さが高くなり、恐怖感と転落時の危険性がより強くなる。また、消費する湯量も多くなり、非経済的である。この恐怖感等の問題を解決するために、図3(D)のように堀込み式にすると、浴槽の框の高さBは低くすることができるが、やはりある程度は持ち上げる必要があるので、入浴者の恐怖感と転落による危険性は無くせない。しかも、余分に堀込み工事が必要になるので、高価になり、またメンテナンスもし難くなり、多くの湯量を消費するという問題は解決されていない。
【0011】
一方、図4の装置を用いると、入浴者を高く持ち上げなくても済むので、入浴者の恐怖感は少なくなるし、十分な入浴が可能である。しかし、入・出浴時に入浴者の足を持ち上げて浴槽の框を超えさせなければならないので、介助者の労力が大きくなる。また、この入浴椅子41の高さhは標準よりもかなり高いので、車椅子との移乗がし難く、入浴者の努力と介助者の労力が余分に必要になる。しかも、入浴中に体が前方にずれて不安定になるという問題もある。図4の構造にして、入浴椅子の座面の高さを標準にし、浴槽を床に掘り込むと、入浴椅子への移乗は楽になり、満足のいく十分な入浴が可能になるが、別途、堀り込みの工事が必要になりコスト高になり、メンテナンスもし難くなる。
【0012】
リフト入浴装置は比較的安価で、座位がとれる人を簡単に入浴させることができるという特長を有する。しかし、恐怖感がなく、安全で、十分な入浴ができ、介助者の労力が少なくてすみ、メンテナンスが簡単で、湯の消費も少なくて済むという点を全て満足するものは存在しなかった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するために、請求項1記載の発明では、入浴椅子(1)を浴槽外と浴槽内の間で移動させ、浴槽内で入浴椅子(1)を昇降させて入浴させることができるようにしたリフト入浴装置において、入浴椅子(1)をリクライニングさせる回転軸(A)を浴槽の框よりも高い位置に設け、入浴椅子(1)をリクライニングさせたとき、入浴椅子(1)全体が浴槽の框の高さよりも高くなるようにし、入浴椅子(1)をリクライニングさせて、ほぼ水平方向に移動させるだけで、浴槽の框を超えて浴槽外と浴槽内の間で入浴椅子(1)を移動させることができるようにした。
【0014】
請求項2記載の発明では、ほぼ垂直に立設した支柱(23)にアーム(24)を接続し、アーム(24)で入浴椅子(21)を支持し、アーム(24)は支柱(23)を中心に水平方向に回動するようにして、入浴椅子(21)を浴槽外と浴槽内の間で移動させるようにし、入浴椅子(21)を浴槽内で昇降させて入浴できるようにしたリフト入浴装置において、
入浴椅子(1)をリクライニングさせる回転軸(A)を浴槽の框よりも高い位置に設け、入浴椅子(1)をリクライニングさせたとき入浴椅子(1)全が浴槽の框の高さよりも高くなるように入浴椅子(21)をリクライニングさせてアーム(24)をほぼ水平に回動させるだけで、入浴椅子の高さを変えないで、浴槽外と浴槽内の間で入浴椅子(21)を移動させることができるようにした。
【0015】
請求項3記載の発明では、浴槽(26)の框をほぼ水平に横断するレール(27)を設け、レール(27)に沿って入浴椅子(21)を移動できるようにし、浴槽内で入浴椅子(21)を昇降させて入浴できるようにしたリフト入浴装置において、
入浴椅子(21)をリクライニングさせる回転軸(A)を浴槽の框よりも高い位置に設け、入浴椅子(1)をリクライニングさせたとき入浴椅子(1)全体が浴槽の框の高さよりも高くなるようにし、入浴椅子(21)をリクライニングさせてレール(27)に沿ってほぼ水平に回動させるだけで、浴槽外と浴槽内の間で入浴椅子(21)を移動させることができるようにした。
【0016】
請求項4記載の発明では、入浴椅子(1)の背もたれ上部のフレーム5にヘッドレスト板6を回転自在に連結し、このヘッドレスト板6にリンク竿7を接続し他端を固定してリンク機構を構成し、入浴椅子(1)をリクライニングさせてもヘッドレスト板6はほぼ元の角度を維持するようにし、入浴椅子(1)を頃動させる回転軸(A)を浴槽の框よりも高い位置に設け、入浴椅子(1)を頃動させたとき入浴椅子(1)全体が浴槽の框の高さよりも高くなるようにした、請求項1から請求項3のいずれかに記載したリフト入浴装置。
請求項5記載の発明では、床から回転軸軸(A)までの高さを変更できるようにし、入浴椅子(21)をリクライニングさせたときの入浴椅子(21)の高さを変え、浴槽の框の高さが異なっても、入浴椅子(21)を水平移動させるだけで浴槽の框を超えて浴槽外と浴槽内の間で移動させることができるようにした。
【0017】
【作用】
請求項1記載の発明の装置では入浴椅子(1)をリクライニングさせる回転軸(A)を浴槽の框よりも高い位置に設け、入浴椅子(1)をリクライニングさせたとき、入浴椅子(1)全体が浴槽の框の高さよりも高くなるようにし、入浴椅子(1)をリクライニングさせて、ほぼ水平方向に移動させるだけで、浴槽の框を超えて浴槽外と浴槽内の間で入浴椅子(1)を移動させることができるようにした。
標準的なサイズの浴槽を用いても、入浴椅子(1)に座席高を標準の車椅子の座席高程度にしているので、入浴椅子(1)と車椅子の間で簡単に移乗させることができる。また、入浴椅子(1)をリクライニングさせるだけで、入浴椅子(1)は浴槽の框の高さBよりも高い位置になり、そのまま水平移動させるだけで浴槽の框を超えて浴槽内外に移動できる。
【0018】
請求項2記載の発明の装置では、ほぼ垂直に立設した支柱(23)にアーム(24)を接続し、アーム(24)で入浴椅子(21)を支持し、アーム(24)は支柱(23)を中心に回動するようにして、入浴椅子(21)を浴槽外と浴槽内の間で移動させるようにし、入浴椅子(21)を浴槽内で昇降させて入浴できるようにしたリフト入浴装置において、
入浴椅子(1)をリクライニングさせる回転軸(A)を浴槽の框よりも高い位置に設け、入浴椅子(1)をリクライニングさせたとき入浴椅子(1)全体が浴槽の框の高さよりも高くなるようにし、入浴椅子(21)をリクライニングさせてアーム(24)をほぼ水平に回動させるだけで、浴槽外と浴槽内の間で入浴椅子(21)を移動させることができるようにした。このため、アーム(2)を水平方向に回動させるだけで浴槽(4)の框を超えることができる。このため入浴者を高く持ち上げなくてもよく、入浴者の恐怖感は非常に少なくすることができ、また、転落時の危険性も低くなる。さらに、浴槽上に移動させた入浴椅子はリクライニングさせたままの姿勢で浴槽の底まで降ろすことができる。
【0019】
請求項3記載の発明の装置では、浴槽(26)の框をほぼ水平に横断するレール(27)を設け、レール(27)に沿って入浴椅子(21)を移動できるようにし、浴槽内で入浴椅子(21)を昇降させて入浴できるようにしたリフト入浴装置において、
入浴椅子(21)をリクライニングさせる回転軸(A)を浴槽の框よりも高い位置に設け、入浴椅子(1)をリクライニングさせたとき入浴椅子(1)全体が浴槽の框の高さよりも高くなるように入浴椅子(21)をリクライニングさせてレール(27)に沿ってほぼ水平に回動させるだけで、浴槽外と浴槽内の間で入浴椅子(21)を移動させることができるようにした。このため、浴槽の内外に入浴者をレールに沿って移動させるとき、入浴者を上下させなくて済むため、入浴者の恐怖感を解消することができる。
【0020】
請求項4記載の発明の装置では入浴椅子(1)の背もたれ上部のフレーム5にヘッドレスト板6を回転自在に連結し、このヘッドレスト板6にリンク竿7を接続し他端を固定してリンク機構を構成し、入浴椅子(1)をリクライニングさせてもヘッドレスト板6はほぼ元の角度を維持するようにし、入浴椅子(1)を頃動させる回転軸(A)を浴槽の框よりも高い位置に設け、入浴椅子(1)を頃動させたとき入浴椅子(1)全体が浴槽の框の高さよりも高くなるようにし、この入浴椅子を用いてリフト入浴装置とした。。
請求項5記載の発明では、床から回転軸軸(A)までの高さを変更できるようにし、入浴椅子(21)をリクライニングさせたときの入浴椅子(21)の高さを変え、浴槽の框の高さが異なっても、入浴椅子(21)を水平移動させるだけで浴槽の框を超えて浴槽外と浴槽内の間で移動させることができるようにした。このため、浴槽の框がどのような高さであっても、入浴椅子21を水平に移動するだけで浴槽の框を越えることができる。また、入浴椅子21をリクライニングさせたとき、頭部の傾斜はリクライニング角度以下にすることができるので、リクライニング時の恐怖感も解消することができる。
【0021】
回転軸(A)を中心に入浴椅子(1)をリクライニングさせると、入浴者は上半身を少し起こし、膝部を持ち上げた姿勢になる。この姿勢を半座位姿勢といい、体圧は広く分散され、しかも前後方向に体がずれることはないので安定しているので、座った人はよくリラックスすることができると言われている。本発明の入浴装置を用いると、入浴者は、半座位姿勢で、十分に湯に浸かって入浴できるので、リラックスして満足のいく入浴をおこなうことができる。一方、入浴者はほぼ浴槽の底に達しており、しかもリクライニングしているので、水深は標準かそれ以下でよいため、消費する湯量を少なくすることができる。また、据え置き式浴槽を使用できるので、堀込み等の工事費も不要で、メンテナンスも簡単である。
【0022】
【実施例】
本発明のリフト入浴装置の実施例を図1と図2に示す。図1(A)〜(C)は請求項4記載の入浴装置の実施例であり、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は側面図である。
入浴椅子1の座面の床面からの高さは車椅子等と同じ程度であり、病室から車椅子等で移動してきた入浴者は入浴椅子に楽に移乗できる。
請求項1記載の発明は、入浴椅子(1)をリクライニングさせる回転軸(A)を浴槽の框よりも高い位置に設け、入浴椅子(1)をリクライニングさせたとき、入浴椅子(1)全体が浴槽の框の高さよりも高くなるようにし、入浴椅子(1)をリクライニングさせて、ほぼ水平方向に移動させるだけで、浴槽の框を超えて浴槽外と浴槽内の間で入浴椅子(1)を移動させることができるようにしたものである。
この入浴椅子1に入浴者が座ったときの様子を図1(D)に示す。Aは入浴椅子をリクライニング状に傾斜させるための回転軸であり、浴槽の框よりも高い位置に設けている。入浴椅子1の下肢支持部が浴槽の框よりも低い位置にあるため、このままでは入浴させることができないことが判る。
【0023】
この入浴椅子1をリクライニングさせたときの様子を図1(E)示す。入浴椅子1をリクライニングさせると、入浴椅子1は浴槽の框よりも高くなる。このため、入浴椅子1を水平に移動させるだけで浴槽の外と内の間で移動でき、入浴者の不安を解消できる。
図1(D)のように、浴槽4の外に設置した入浴椅子1に入浴者Xを座らせ、図1(E)のように、回転軸Aを中心に入浴椅子(1)全体を後方に回転させてリクライニングさせると、入浴椅子の全ての部分が浴槽4の框の高さBよりも高くなるので、水平移動して入浴椅子1を浴槽の上に移動させ、湯の中まで降ろして入浴させることができる。出浴時にはこの逆の動作をおこなえばよい。
【0024】
請求項2記載のリフト入浴装置の実施例を図2(A)に示す。図2(A)21は入浴椅子、22はリフトの基台、23は支柱、24はアーム、25は昇降部、26は浴槽である。入浴椅子21はアーム22に接続され、図1の実施例と同様に、回転軸Aを設けて、Aを中心にリクライニングさせることができ、しかもリクライニングしたときに入浴椅子21の全ての部分が浴槽26の框よりも高くなるようにしている。 また、支柱23は、基台22との接続部で、長さ方向の軸sを中心に図のSの方向に回転するようにしている。さらに、アーム24は支柱23との接続部に設けた軸rを中心に、図のRの方向に回転自在にし、支柱23とアーム24の間に入れた昇降部25により、アーム22をR方向に首振りさせて、入浴椅子21を昇降させるようにしている。
これに対して図1の実施例では、昇降部として、アームを支える支柱と、支柱を昇降させる昇降機構部を含めて昇降部とし、昇降部自体が垂直方向に伸縮して、その上端部に付けたアームを昇降させていた。アーム24を昇降させる手段は問わない。
このリフトで入浴させる場合、入浴椅子21を浴槽26の近くに設置して入浴者を座らせ、入浴椅子21をリクライニングさせ、入浴椅子21を浴槽26のに押すと、支柱23が軸sを中心に図のS方向に回転してアーム24が回動し、入浴者を浴槽上に移動させる。続いて昇降部25を作動させると、アーム24が図のR方向に回動し、入浴者を湯に入れることができる。出浴時にはこれと逆の行程をおこなえばよい。
【0025】
請求項3記載の発明の実施例を図2(B)に示す。図の21は入浴椅子、26は浴槽、27はレールである。入浴椅子21を浴槽外で図のように設置して入浴者を座らせ、回転軸Aを中心に入浴椅子21をリクライニングさせて入浴椅子全体が浴槽26の框よりも高い位置にし、レール27に沿って水平移動させると、浴槽内に移動させることができる。浴槽内で入浴椅子を昇降させれば入浴させることができる。本実施例では据え置き型の浴槽を用いることができるとして説明したが、堀込み式浴槽にも用いることができ、さらに、リフトと浴槽を分離型にすると、既設の浴槽をそのまま使用できる。これは本発明全部について言えることである。
【0026】
請求項4記載の発明の実施例を図1(A)〜(C)に示す。
図1の1は入浴椅子、2はアーム、3は昇降部、4は据え置き式浴槽、5は入浴椅子のフレーム、6は入浴者の頭部付近を支えるヘッドレスト板、7はヘッドレスト板6と入浴椅子を連動させるためのリンク竿、8は入浴椅子をリクライニング状にするときの補助となるエアバネ、9は入浴者が持つ手摺りである。
図1(A)の実施例はリフトと浴槽4を一体にした例であり、浴槽4に昇降部3を収納し、昇降部3の上端部にアーム2を連結し、この連結部を中心にアーム2はほぼ水平方向に回動するようにしている。アーム2の回動範囲は、浴槽上から浴槽の横の洗い場までの範囲であればよい。しかし場合によってはより広い範囲で回動するようにしてもよい。
昇降部3の昇降範囲は、図1(C)に示すように、入浴椅子1を浴槽上に移動させたときの位置から 浴槽4の底まで昇降できればよい。しかし、循環器系疾患等で湯に深く入れない人もいるので、途中でも停止できるようにしている。この昇降と回動には、電力、水圧、手動等、どのような動力を用いてもよいが、昇降には水圧か電力を、回動は手動にすると、比較的安価で操作性をよくすることができる。
【0027】
入浴椅子1の背もたれ上部のフレーム7にヘッドレスト板6を回転自在に連結し、このヘッドレスト板6とアーム4をリンク竿5で結合してリンク機構を構成し、入浴椅子1をリクライニングさせてもヘッドレスト板6はほぼ元の角度を維持するようにしている。つまり、入浴椅子1をリクライニングさせると、入浴者の体全体が後方に傾いて半座位姿勢になるが、ヘッドレスト板の傾斜はあまり変化しないので、入浴者の頭部はあまり傾斜しない。座位から半座位にするとき、人によっては恐怖感を持つことがあるが、このリンク機構を用いることで、この恐怖感を防止することができる。しかも、このリンク機構を用いると、頭部の方向への傾斜が制限されるので、浴槽の長さLを小さくすることができ、その結果、使用する湯量を減らすこともできるというメリットもある。さらに、この実施例では、入浴椅子1の上部に設けたフレーム7とアーム2の間にエアシリンダ8を取り付け、入浴椅子1を傾斜させるときの力を補助するようにしている。これは、入浴椅子1をリクライニングさせるときの、介助者の労力を少なくするためである。
【0028】
以上、1実施例について説明したが、要するに本発明は、入浴椅子をリクライニングさせることができて、しかもリクライニングさせたとき入浴椅子は浴槽の框の高さよりも高い位置にあり、そのまま水平移動して浴槽の框を超えることができればよい。このため、入浴椅子の構造は問題ではなく、図1のように座席、背もたれ、足載せ台を一体に成形する必要はないし、膝から下の下腿部を支えで足載せ台を無くしてもよい。リフトも図1の構成に限定するものではなく、入浴椅子を水平方向に移動し、かつ、垂直方向に昇降できるものであればよい。また、リフトと浴槽は一体である必要はなく、分離してもよい。
【0029】
疾患のある人は少し高めの椅子が座りやすいので、入浴椅子の座面の高さは多少高くした方がよい。
請求項5記載の発明では、床から回転軸軸(A)までの高さを変更できるようにし、入浴椅子(21)をリクライニングさせたときの入浴椅子(21)の高さを変え、浴槽の框の高さが異なっても、入浴椅子(21)を水平移動させるだけで浴槽の框を超えて浴槽外と浴槽内の間で移動させることができるようにした。
入浴椅子1を、回転軸Aを中心にリクライニングさせると、入浴者は後方に傾斜し、半座位姿勢になる。しかも、リクライニングさせたとき、入浴椅子1の全ての部分は浴槽4の框の高さBよりも高くなるようにしている。この回転軸Aの床からの高さを変えると、リクライニングさせたときの入浴椅子の高さを変えることができ、浴槽の框の高さが異なっても適応できる。
【0030】
以下に、本発明による入浴装置を用いた入浴の手順を説明する。まず、図1(D)のように、入用椅子1を浴槽の近くの床に椅子状にして設置し、入浴者Xを入浴椅子1に座らせる。入浴椅子1の座席の高さhは標準的な車椅子の座席の高さと同じにしているので、移乗は簡単である。
次に、入浴椅子1をリクライニングさせると、図1(E)のように、入浴者Xを半座位姿勢にすることができる。このとき、入浴椅子1の全ての部分は浴槽4の框よりも高い位置になっている。入浴椅子1をリクライニングさせたまま、アーム2を回動させると、図1(C)のように、浴槽4の框を超えて、浴槽上に移動することができる。その後、昇降部3を作動させると、図1(B)のように浴槽4の底まで降ろすことができる。浴槽内で、入浴者Xは半座位の姿勢で、十分に湯に浸かり、満足のいく入浴を楽しむことができる。出浴時には、以上と逆の行程をおこなえばよい。入浴者を浴槽の上に移動させた状態で、半座位から座位に変えることができ、しかも昇降を適当な位置で止めることもできるので、半身浴や下肢浴も可能である。
【0031】
【発明の効果】
請求項1記載の発明により、入浴椅子(1)の座席の高さhは標準的な車椅子の座席の高さにすることができるので、入浴椅子(1)と車椅子の間で簡単に移乗させることができ、移乗が簡単で、入浴者と介助者双方の移乗に伴う労力を少なくすることができる。また、入浴椅子(1)をリクライニングさせるだけで、入浴椅子の高さを変化させることなく、そのまま水平移動させるだけで、入浴者を浴槽内外に移動させることができる。
請求項2記載の発明により、アームを水平に回動させるだけで、浴槽の框を超えることができるので、入浴者を浴槽に移動させるときの恐怖感は非常に少なくなり、転落時の危険性も低くなる。
請求項3記載の発明も同様である。さらに、浴槽上に移動させた入浴椅子はそのままの姿勢で浴槽の底まで降ろすことができるので、入浴者は半座位姿勢で、十分に深く湯に浸かって入浴できるので、姿勢は安定し、リラックスして、満足のいく入浴をおこなうことができる。
【0032】
請求項4記載の発明により、請求項1から請求項3記載の発明と同様に、入浴者を水平移動させるだけで浴槽に出入りできるので、入浴者の恐怖感を解消できる。さらに。浴槽の水深は標準かそれ以下でよく、また、浴槽の長さLも従来の図(4)よりも短くすることができるので、湯の消費量を少なくすることができ、経済的である。また、浴槽自体をよりコンパクトに設計することができるので、従来の浴槽よりも安価な浴槽を実現することができる。また、据え置き式の浴槽を使用することができるので、堀込み等の工事費も不要で、メンテナンスも簡単であり、総合的なランニングコストを低減できる。もちろん堀込み式の浴槽にすることもできる。さらに、浴槽とリフトを分離した独立型のリフトにすると、既設の浴槽をそのまま使用することができるので、設備投資は少なくて済む。しかも入浴椅子の回転軸Aの高さを変えると、框の高さが異なる浴槽にも適応でき、汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるリフト入浴装置の例であり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は平面図、(D)は浴槽の外で椅子状にした入浴椅子に入浴者を座らせた様子、(E)は入浴椅子を、回転軸Aを中心にしてリクライニングさせたときの様子を、それぞれ示す。
【図2】本発明によるリフト入浴装置の、別の実施例である。
【図3】従来のリフト入浴装置の例である。
【図4】従来の別のタイプのリフト入浴装置である。
【符号の説明】
1、21・・・入浴椅子 2、24・・・アーム
3、25・・・昇降部 4、26・・・浴槽
5・・・入浴椅子のフレーム 6・・・ヘッドレスト部
7・・・リンク竿 8・・・エアーシリンダ
9・・・アームレスト
22・・・基台 23・・・支柱
27・・・レール
A・・・入浴椅子の回転軸 B・・・浴槽の框の高さ
D・・・浴槽の幅 L・・・浴槽の長さ
h・・・入浴椅子の座席の高さ
s・・・支柱の中心軸 S・・・支柱の回転方向
r・・・アームの回動軸 R・・・アームの回動方向
31、41・・・入浴椅子 32、42・・・アーム
33、43・・・昇降部 34、44・・・浴槽
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