JP3398302B2 - 腰下洗浄用椅子 - Google Patents

腰下洗浄用椅子

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JP3398302B2
JP3398302B2 JP16076197A JP16076197A JP3398302B2 JP 3398302 B2 JP3398302 B2 JP 3398302B2 JP 16076197 A JP16076197 A JP 16076197A JP 16076197 A JP16076197 A JP 16076197A JP 3398302 B2 JP3398302 B2 JP 3398302B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば病人、
身障者または寝たきり老人(以下、単に「病人等」と言
う。)を着座させて、その腰下の洗浄を行なうのに適し
た腰下洗浄用椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この発明にとって興味ある技術が、たと
えば特開平6−125965号公報に記載されている。
ここには、病人等に対して簡易な入浴を可能にする腰下
洗浄装置が記載され、この腰下洗浄装置は、病人等を着
座させるための腰下洗浄用椅子を備えている。また、こ
の腰下洗浄装置は、腰下洗浄用椅子に着座させた状態の
まま、病人等の下半身を洗浄するため、可能な限り全周
囲から病人等の下半身に向かって水を噴射するための複
数の噴射口を備えているとともに、この水の周囲への飛
散を防止するために病人等の下半身の周囲を覆うハウジ
ングを備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような腰下洗浄装
置による洗浄の効果を高めるため、腰下洗浄用椅子に備
える座部は、病人等の臀部を受けながらも、たとえば開
口が形成されたり、メッシュ状にされたりすることによ
って、噴射口からの水の流通を許容し、この水が臀部に
まで届き得る構造とされている。
【0004】しかしながら、この腰下洗浄装置を実際に
使用したとき、座部において上述のような水の流通を許
容する構造が採用されているにも関わらず、臀部におけ
る洗浄が不十分にしか行なえないときがあった。このこ
とは、洗浄後において、病人等を腰下洗浄用椅子から立
たせたときに初めてわかるもので、時として、臀部に排
泄物が残存していることもあった。そのため、再び、病
人等を腰下洗浄用椅子に着座させ、洗浄を繰り返さなけ
ればならなかった。
【0005】そこで、この発明の目的は、腰下洗浄され
るべき人体の臀部における洗浄効果を高めることができ
る腰下洗浄用椅子を提供しようとすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、腰下洗浄さ
れるべき人体を着座させるための腰下洗浄用椅子に向け
られるものであって、人体の臀部を受けながら水の流通
を許容する構造とされた座部を備えるとともに、上述し
た技術的課題を解決するため、人体の膝を選択的に持ち
上げて人体の大腿部を座部から浮かすための膝持ち上げ
手段と、傾斜角度変更可能に座部の後端部付近において
支持されながら前方へ延びる連結アームと、人体の背中
を受けるための背もたれ部とを備え、上記膝持ち上げ手
段は、人体の膝の下面側に接触しながら座部の上方にま
で上昇するように構成された膝受け部材を備え、この膝
受け部材は、上記連結アームの前方端部に取り付けら
れ、上記背もたれ部は、座部の後方端部付近から立ち上
がるように、上記連結アームに固定されていることを特
徴としている。
【0007】述した膝受け部材は、座部より下方の位
置にまで下降可能とされていることが好ましい。
【0008】
【0009】また、この発明に係る腰下洗浄用椅子は、
好ましくは、座部の両側かつ上方に配置される1対のサ
イドガード部をさらに備え、少なくとも一方のサイドガ
ード部は、外側方へ回動可能なように背もたれ部に対し
て支持される。また、この発明において、好ましくは、
座部は高さ調整可能とされる。
【0010】
【発明の効果】このように、この発明に係る腰下洗浄用
椅子によれば、座部が人体の臀部を受けながら水の流通
を許容する構造とされるばかりでなく、人体の膝を選択
的に持ち上げて人体の大腿部を座部から浮かすための膝
持ち上げ手段を備えているので、この膝持ち上げ手段に
よって、大腿部を座部から浮かすように、膝を持ち上げ
たとき、大腿部と座部との間に空間を形成することがで
きる。したがって、まず、膝を持ち上げない状態で洗浄
を行ない、次いで、膝を持ち上げた状態でも洗浄を行な
うことにより、臀部における互いに異なる部分が洗浄用
の水と接触し得るようになり、臀部における洗浄を十分
に行なうことができる。このことから、腰下洗浄用椅子
から人体を立たせた後において、洗浄が不十分であるこ
とに気付いて、洗浄をやり直さなければならない状況が
生じる頻度が減じられ、そのために強いられる介護者の
負担を軽減することができる。
【0011】また、この発明において、上述の膝持ち上
げ手段、人体の膝の下面側に接触しながら座部の上方
にまで上昇するように構成された膝受け部材をもって与
えられるので、この膝受け部材は、膝の下面側に接触し
ながら座部の上方にまで上昇することによって、大腿部
と座部との間に空間を形成するように作用する。したが
って、このような膝受け部材を適用することにより、人
体に大きな負担を与えることなく膝を持ち上げることが
できるようになるとともに、膝を持ち上げるための膝持
ち上げ手段を簡単な構成で実現することができる。
【0012】上述した膝受け部材が座部より下方の位置
にまで下降可能とされていると、膝受け部材を作用させ
る必要のないときには、膝受け部材をこのように座部よ
り下方に位置させることにより、膝の下面側に接触させ
ないようにすることができる。したがって、膝受け部材
を作用させる必要のないときに、膝の下面の洗浄が膝受
け部材によって阻害されることを防止できる。
【0013】また、この発明に係る腰下洗浄用椅子
傾斜角度変更可能に座部の後端部付近において支持され
ながら前方へ延びる連結アームをさらに備え、上述した
膝受け部材が、この連結アームの前方端部に取り付けら
れるので、膝受け部材の上昇および下降動作を、連結ア
ームの傾斜角度変更動作すなわち回動によって与えるこ
とができ、膝受け部材を上昇および下降可能に保持する
ための構成を簡単にすることができる。
【0014】また、この発明に係る腰下洗浄用椅子
人体の背中を受けるための背もたれ部をさらに備え、こ
の背もたれ部が、座部の後方端部付近から立ち上がるよ
うに、上述した連結アームに固定されるので、背もたれ
部の存在で人体が安定して腰下洗浄用椅子によって支え
られることができるばかりでなく、背もたれ部と連結ア
ームとは一体的に回動するようになる。したがって、膝
を持ち上げるように膝受け部材が上昇したとき、この動
作が連結アームを介して背もたれ部に伝達され、背もた
れ部が倒れるように回動する。そのため、人体の姿勢に
関して見たとき、膝が持ち上げられたとき、背もたれ部
に伴って人体の上半身が後方へ倒れることが許容される
ので、腰を鋭角に屈曲させるような無理な姿勢を人体に
対して強いることを防止できる。また、連結アームの回
動操作は、背もたれ部を介しても行なうことができるよ
うになるので、このような回動操作をより容易なものと
することができる。
【0015】また、この発明に係る腰下洗浄用椅子が、
座部の両側かつ上方に配置される1対のサイドガード部
をさらに備え、少なくとも一方のサイドガード部が、外
側方へ回動可能なように背もたれ部に対して支持されて
いると、サイドガード部の存在で人体が安定して腰下洗
浄用椅子によって支えられることができるばかりでな
く、サイドガード部を外側方へ回動させることにより、
座部の側方を大きく開放することができる。したがっ
て、たとえば車椅子と腰下洗浄用椅子との間で人体を乗
り移りさせようとするとき、サイドガード部が邪魔にな
ることを防止できる。
【0016】また、この発明において、座部が高さ調整
可能とされると、当該腰下洗浄用椅子に着座する人体の
体格に応じて、座部の高さを変更することによって、よ
り適正な洗浄条件を選ぶことが容易になる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1ないし図4は、この発明の一
実施形態による腰下洗浄用椅子1を説明するためのもの
である。ここで、図1は、腰下洗浄用椅子1の右側面図
であり、図2は、図1に示した腰下洗浄用椅子1を使用
しながら腰下洗浄を実施している腰下洗浄装置2の外観
を示す斜視図であり、図3は、図2に示した腰下洗浄装
置2の内部を透視して示す右側面図であり、図4は、腰
下洗浄用椅子1に備える座部3の平面図である。
【0018】腰下洗浄用椅子1は、腰下洗浄されるべき
病人等の人体4を着座させるためのものである。このよ
うな腰下洗浄用椅子1は、図2および図3に示すよう
に、腰下洗浄装置2と組み合わせて使用される。腰下洗
浄装置2は、腰下洗浄用椅子1とともに人体4の下半身
を覆うハウジング5を備えている。図2に示すように、
ハウジング5の前面壁は、開閉可能な扉6によって形成
される。この扉6は、後で詳述する腰下洗浄用椅子1に
着座させたまま、人体4をハウジング5内に入れたりハ
ウジング5から出したりする際に開かれる。扉6は、そ
の近傍に設けられた操作レバー7の操作により、閉状態
のロックおよびロックの解除が行なわれるように構成さ
れている。
【0019】扉6の内部には、ハウジング5の上面開口
を選択的に閉じるためのシャッタ8が引出し可能に収納
されている。図2には、このシャッタ8によってハウジ
ング5の上面開口が閉じられた状態が示されている。シ
ャッタ8は、ハウジング5の上面開口を規定する両側縁
部に沿って設けられたガイドレール9によってスライド
可能にガイドされる。シャッタ8の先端部には、人体4
の上半身を受け入れるための切欠き10が形成されてい
る。この切欠き10と人体4の上半身との間の隙間は、
必要に応じて、適当な防水シート11によって埋められ
る。
【0020】また、腰下洗浄装置2には、タンク12が
設けられる。タンク12には、洗浄に使用する温水が貯
留される。また、腰下洗浄装置2には、操作パネル13
が設けられる。操作パネル13には、この腰下洗浄装置
2の運転を制御するための各種操作スイッチが配置され
ている。腰下洗浄装置2の内部には、図3に示すよう
に、腰下洗浄用椅子1に着座された人体4の下半身に沿
う形状の内壁面が形成されている。この内壁面の一部
は、人体4の臀部14の下方において後方から前方へ向
かって突出する突出壁面15によって構成される。この
ような突出壁面15を含む内壁面上には、人体4の下半
身を洗浄するため、可能な限り全周囲から人体4の下半
身に向かって水を噴射するための複数の噴射口16が設
けられる。噴射口16へは、前述したタンク12内の温
水が供給される。
【0021】腰下洗浄用椅子1は、上述の突出壁面15
とは干渉しないような形状に設計されている。なお、腰
下洗浄用椅子1は、全体として左右対称の構造を有して
いる。以下の説明は、右側面図である図1を主として参
照する関係上、右側の構成について行なうが、特に断ら
ない限り、左右の構造物は左右方向に延びる適宜の部材
によって固定的に連結されている、と理解すべきであ
る。
【0022】腰下洗浄用椅子1は、複数のキャスタ17
を下面側に取り付けたベースフレーム18を備える。ベ
ースフレーム18は、突出壁面15の下方に受け入れら
れ得る高さに位置される。ベースフレーム18の比較的
前方端部側には、本体フレーム19が固定される。本体
フレーム19は、ベースフレーム18から立ち上がる垂
直部分20およびこの垂直部分20の上端部から水平に
かつ後方へ延びる水平部分21を有する、L字状をなし
ている。この本体フレーム19は、補強リブ22によっ
て補強されている。
【0023】本体フレーム19の垂直部分20の比較的
下方端部側には、人体4の足23を受ける足台24が設
けられる。本体フレーム19の水平部分21には、高さ
調整部材25を介して座部3が保持される。座部3は、
人体4の臀部14を受けるもので、図4に示すような平
面形状を有している。座部3は、臀部14を支えながら
も水の流通を許容する構造を有している。そのため、こ
の実施形態では、矩形のフレーム部27とこのフレーム
部27の開口に沿って延びるメッシュ部28とによっ
て、座部3が形成される。メッシュ部28は、たとえ
ば、複数のゴムコード29を平織状に粗く配置したもの
で構成され、特に、左右方向における中央部分(臀部1
4における肛門が位置する領域)では、より多くの水の
流通を可能にするため、ゴムコード29の配置密度がよ
り粗くされている。
【0024】本体フレーム19の水平部分21には、左
右方向に延びる高さ調整ロッド30の各端部が取り付け
られている。高さ調整ロッド30は、図4において想像
線で示されている。他方、前述した高さ調整部材25
は、座部3のフレーム部27から下方へ延びるように取
り付けられている。高さ調整ロッド30は、高さ調整部
材25を貫通する。この高さ調整ロッド30を貫通させ
るため、高さ調整部材25には、上下方向に延びるガイ
ド穴31が設けられるとともに、このガイド穴31の側
方からやや斜め上方へ延びる、たとえば4つの係合凹部
32、33、34および35が高さ位置を変えて設けら
れている。
【0025】図1に示した状態では、高さ調整ロッド3
0が、下から2番目の係合凹部34に係合しており、こ
の係合凹部34に対応する高さに座部3がもたらされて
いる。したがって、高さ調整ロッド30を係合させる係
合凹部32〜35を変えることにより、座部3の高さを
変更することができる。なお、このような座部3の高さ
調整は、この発明にとって必須ではないが、高さ調整機
能を採用する場合、他の構造の高さ調整手段が採用され
てもよい。
【0026】また、高さ調整部材25には、係合凹部3
2〜35とは逆側において、ガイド穴31に連通する切
欠き36が設けられている。この切欠き36は、高さ調
整ロッド30の通過を許容する寸法に選ばれ、したがっ
て、座部3は、必要に応じて、容易に本体フレーム19
から取り外すことができ、また、本体フレーム19に取
り付けることができる。
【0027】本体フレーム19の水平部分21の後方端
部には、ブラケット37が取り付けられる。ブラケット
37は、左右方向に延びるシャフト38を保持してい
る。このシャフト38によって、連結アーム39が、図
1において実線および想像線で示すように、傾斜角度変
更可能に支持される。連結アーム39は、ブラケット3
7から前方へ延び、その前方端部に膝受け部材40を取
り付けている。
【0028】膝受け部材40は左右方向に延び、その表
面は、好ましくは、ソフトな感触を与える構成とされ
る。膝受け部材40は、上述した連結アーム39の回動
に従って、図1において想像線で示すように、人体4の
膝41の下面側に接触しながら座部3の上方にまで上昇
するように構成され、それによって、人体4の大腿部4
2を座部3から浮かすように作用する。また、膝受け部
材40は、図1において実線で示すように、座部3の下
方の位置まで下降可能とされている。
【0029】この腰下洗浄用椅子1は、人体4の背中4
3を受けるための背もたれ部44をさらに備えている。
背もたれ部44は、座部3の後方端部付近に位置するブ
ラケット37から立ち上がるように、上述した連結アー
ム39に固定されている。したがって、背もたれ部44
は、連結アーム39の回動に連動して、図1において実
線および想像線で示すように、その傾斜角度が変更され
る。
【0030】より詳細には、背もたれ部44は、人体4
の背中43に接する背受け部材45を備えている。背受
け部材45は、膝受け部材40と同様、左右方向に延
び、好ましくは、その表面においてソフトな感触を与え
る構成とされる。背受け部材45の各端部は、背もたれ
アーム46の上方端部に取り付けられる。背もたれアー
ム46の下方端部と連結アーム39の後方端部とは互い
に固定される。
【0031】背もたれアーム46の比較的下方部分に
は、背もたれアーム46の長手方向に延びる長穴47が
設けられ、この長穴47を貫通するように、リクライニ
ング調整ロッド48が配置される。他方、ブラケット3
7には、リクライニング調整ロッド48を受け入れる長
穴49がシャフト38を中心とする周方向に延びるよう
に設けられ、長穴49の各端部には、シャフト38に向
かって延びる係合凹部50および51が形成される。
【0032】リクライニング調整ロッド48は、図示し
ないばねにより、長穴47内においてシャフト38に向
かう方向へ変位し、それによって、係合凹部50および
51のいずれかに係合するように付勢されている。図1
において実線で示すように、背もたれ部44が略垂直に
立ち上がり、かつ連結アーム39が略水平に延びる状態
とされたときには、リクライニング調整ロッド48が係
合凹部50に係合し、それによって、この状態が固定さ
れる。他方、図1において想像線で示すように、背もた
れ部44が後方へ倒され、かつ連結アーム39の前方端
部が持ち上げられたときには、リクライニング調整ロッ
ド48がもう1つの係合凹部51に係合し、それによっ
て、この状態が固定される。リクライニング調整ロッド
48は、左右の背もたれアーム46間に渡され、これら
左右の背もたれアーム46間の部分を手で持ち上げるこ
とにより、ばねの弾性に抗して、係合凹部50および5
1のいずれかに係合する状態が解除される。
【0033】背もたれアーム46の比較的上方部分に
は、スリーブ52が配置される。このスリーブ52に関
連して、背もたれアーム46上には、ガイドピン53が
突出するように設けられる。スリーブ52には、ガイド
ピン53を受け入れるガイド穴54が設けられる。ガイ
ド穴54は、スリーブ52の長手方向に延びる部分と周
方向に延びる部分とからなり、このようなガイド穴54
にガイドピン53が受け入れられることによって、スリ
ーブ52は、背もたれアーム46のまわりに所定の範囲
だけ回動可能とされるとともに、この回動の一方終端に
おいて背もたれアーム46の長手方向に所定の範囲だけ
変位可能とされる。
【0034】スリーブ52には、サイドガード部55が
取り付けられる。サイドガード部55は、座部3の両側
かつ上方において延びるように1対配置されている。サ
イドガード部55には、支脚56が設けられ、この支脚
56の下端部には、前述した連結アーム39上に乗り、
その少なくとも上半部を下面側に受け入れる断面逆U字
状の脚座57が取り付けられる。
【0035】図1に示す状態では、サイドガード部55
は、連結アーム39と平行であって、スリーブ52から
前方へ向かって延びている。サイドガード部55は、こ
の状態にあるとき、腰下洗浄用椅子1に着座された人体
4を側方から支える機能を果たしている。この状態で
は、ガイドピン53がガイド穴54におけるスリーブ5
2の長手方向に延びる部分の上端に位置しているととも
に、脚座57が連結アーム36上に乗って連結アーム3
9を受け入れている。したがって、スリーブ52および
サイドガード部55の、背もたれアーム46を中心とす
る回動が禁止される。
【0036】他方、サイドガード部55を持ち上げたと
き、これに伴われてスリーブ52も上方へ変位する。こ
れによって、ガイドピン53が、ガイド穴54における
スリーブ52の長手方向に延びる部分の下端、すなわち
ガイド穴54におけるスリーブ52の周方向に延びる部
分の一端に位置するとともに、脚座57が連結アーム3
6から離れるように上方へ変位する。したがって、この
状態において、サイドガード部55は、背もたれアーム
46に対して外側方へ回動することができる。このサイ
ドガード部55の外側方への回動により、座部3の側方
を大きく開放することができる。このことは、人体4
を、たとえば車椅子(図示せず。)とこの腰下洗浄用椅
子1との間で移乗させることを容易にする。
【0037】なお、サイドガード部55を外側方へ回動
させることを可能とする構成は、左右両方のサイドガー
ド部55において採用される必要はなく、いずれか一方
のサイドガード部55において採用されていれば十分で
ある。次に、以上のような構成の腰下洗浄用椅子1の、
腰下洗浄装置2との組合せでの使用方法の典型例につい
て説明する。
【0038】まず、腰下洗浄装置2の外において、入浴
の準備を終えた病人等の人体4を腰下洗浄用椅子1に着
座させる。このとき、腰下洗浄用椅子1は、図1におい
て実線で示す状態とされている。たとえば車椅子等から
腰下洗浄用椅子1に移乗させることを行なうときには、
サイドガード部55を、必要に応じて、外側方へ回動さ
せ、座部3の側方を大きく開放した状態で移乗させ、移
乗後において、サイドガード部55を閉じることが行な
われる。
【0039】次に、腰下洗浄装置2の扉6が開放され、
キャスタ17を転動させながら、図3に示すように、腰
下洗浄用椅子1が腰下洗浄装置2内に導入される。この
導入後において、図2に示すように、扉6およびシャッ
タ8が閉じられ、また、必要に応じて、切欠き10と人
体4との隙間を埋めるように、防水シート11が被せら
れる。
【0040】次に、操作パネル13が操作される。これ
によって、腰下洗浄装置2は、所定のプログラムに従っ
て洗浄動作を実行する。たとえば、温水のみによる予備
洗浄、洗剤を含有する温水による本洗浄、および再び温
水のみによるすすぎ洗浄が、順次、所定の時間ずつ実施
される。これら各洗浄において用いられる温水は、噴射
口16から人体4に向かって噴射される。このとき、座
部3は水の流通を許容する構造とされているので、座面
3に接する人体4の臀部14に対しても、噴射口16か
らの温水が接触し、一応の洗浄作用が及ぼされる。
【0041】次に、上述のような洗浄を終えたとき、腰
下洗浄用椅子1においては、図1において想像線で示す
ように、連結アーム39および背もたれアーム46を、
シャフト38を中心として時計方向に回動させ、それに
よって膝受け部材40を上昇させた状態とされる。この
状態を得るため、係合凹部50から脱出させるべく、リ
クライニング調整ロッド48を持ち上げたまま、背受け
部材45から膝受け部材40に至る構造物のいずれかの
部分を持って、この構造物を回動させることが行なわれ
る。なお、このような操作は、腰下洗浄用椅子1を腰下
洗浄装置2内に位置させたまま行なっても、腰下洗浄用
椅子1を腰下洗浄装置2から一旦出した状態で行なって
もよい。
【0042】上述のように膝受け部材40を上昇させた
とき、大腿部42を座部3から浮かすように、膝41が
持ち上げられ、それによって、大腿部42と座部3との
間に空間が形成される。この段階で、前述した洗浄が再
び実施されるように、操作パネル13が操作される。こ
の2回目の洗浄では、水の流通を許容する構造とされな
がらも臀部14との部分的な接触が必ず生じていた座部
3の存在のために十分な洗浄が阻害されていた臀部14
の特定箇所を含めての洗浄が可能となる。
【0043】このように、まず、膝41を持ち上げない
状態で洗浄を行ない、次いで、膝41を持ち上げた状態
でも洗浄を行なうことにより、臀部14における互いに
異なる部分が洗浄用の水と接触し得るようになり、臀部
14における洗浄を十分に行なうことができる。上述し
た洗浄を終えると、扉6が開かれ、人体4は、腰下洗浄
用椅子1とともに、腰下洗浄装置2から運び出され、た
とえば車椅子に移乗される。このとき、腰下洗浄用椅子
1は図1において想像線で示した状態にあるが、この状
態においては、人体4の大腿部42が座部3から浮かさ
れているので、大腿部42の下にベルトやストラップ等
を備える人体吊り上げ用器具を容易に通すことができ、
したがって、車椅子等への移乗に際して、このような人
体吊り上げ用器具を用いることが容易になる。また、必
要に応じて、サイドガード部55が外側方へ回動され、
座部3の側方が開放されてもよい。なお、腰下洗浄用椅
子1は、2回目の洗浄を終えた段階で、必要に応じて、
図1において実線で示した状態に戻すようにしてもよ
い。
【0044】以上、この発明を図示した実施形態に関連
して説明したが、この発明の範囲内において、その他、
種々の実施形態が可能である
【0045】
【0046】
【0047】示した実施形態では、腰下洗浄用椅子1
を取り囲みながら、人体4に向かって水を噴射する複数
の噴射口16を備える、腰下洗浄装置2との組合せで、
腰下洗浄用椅子1が用いられたが、この発明に係る腰下
洗浄用椅子は、他の形式の腰下洗浄を行ない得る装置と
の組合せで用いられてもよい。たとえば、この発明に係
る腰下洗浄用椅子と組み合わせて使用される、腰下洗浄
を行ない得る装置としては、人体を腰下洗浄用椅子とと
もに浴槽に貯留された温水内に入れる形式のものが考え
られる。さらには、介護者が単にシャワーノズルを持ち
ながら人体に温水をかけるだけの洗浄においても、この
発明に係る腰下洗浄用椅子を有利に用いることができ
る。また、図示の腰下洗浄用椅子1のように腰下洗浄装
置2に対して分離可能なものだけに限らず、腰下洗浄装
置に対して固定的に組み込まれる腰下洗浄用椅子に対し
ても、この発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による腰下洗浄用椅子1
の右側面図である。
【図2】図1に示した腰下洗浄用椅子1を使用しながら
腰下洗浄を実施している腰下洗浄装置2の外観を示す斜
視図である。
【図3】図2に示した腰下洗浄装置2の内部を透視して
示す右側面図である。
【図4】図1に示した腰下洗浄用椅子1に備える座部3
の平面図である。
【符号の説明】
1 腰下洗浄用椅子 2 腰下洗浄装置 3 座部 4 人体 14 臀部 16 噴射口 25 高さ調整部材 27 フレーム部 28 メッシュ部 30 高さ調整ロッド 32,33,34,35,50,51 係合凹部 37 ブラケット 38 シャフト 39 連結アーム 40 膝受け部材 41 膝 42 大腿部 43 背中 44 背もたれ部 48 リクライニング調整ロッド 52 スリーブ 53 ガイドピン 54 ガイド穴 55 サイドガード部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腰下洗浄されるべき人体を着座させるた
    めの腰下洗浄用椅子であって、 人体の臀部を受けながら水の流通を許容する構造とされ
    た座部と、 人体の膝を選択的に持ち上げて人体の大腿部を前記座部
    から浮かすための膝持ち上げ手段と 傾斜角度変更可能に前記座部の後端部付近において支持
    されながら前方へ延びる連結アームと、 人体の背中を受けるための背もたれ部と を備え 前記膝持ち上げ手段は、人体の膝の下面側に接触しなが
    ら前記座部の上方にまで上昇するように構成された膝受
    け部材を備え、 前記膝受け部材は、前記連結アームの前方端部に取り付
    けられ、 前記背もたれ部は、前記座部の後方端部付近から立ち上
    がるように、前記連結アームに固定されている 、腰下洗
    浄用椅子。
  2. 【請求項2】 前記膝受け部材は、前記座部より下方の
    位置にまで下降可能とされている、請求項に記載の腰
    下洗浄用椅子。
  3. 【請求項3】 前記座部の両側かつ上方に配置される1
    対のサイドガード部をさらに備え、 少なくとも一方の前記サイドガード部は、外側方へ回動
    可能なように前記背もたれ部に対して支持されている、
    請求項1または2に記載の腰下洗浄用椅子。
  4. 【請求項4】 前記座部は高さ調整可能とされている、
    請求項1ないしのいずれかに記載の腰下洗浄用椅子。
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