JP2001077456A - 半導体レーザおよび光学部品用コート膜 - Google Patents

半導体レーザおよび光学部品用コート膜

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JP2001077456A JP25347099A JP25347099A JP2001077456A JP 2001077456 A JP2001077456 A JP 2001077456A JP 25347099 A JP25347099 A JP 25347099A JP 25347099 A JP25347099 A JP 25347099A JP 2001077456 A JP2001077456 A JP 2001077456A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発振波長の異なる複数のレーザ光を出射し、端
面に反射率の変動の少ないコート膜が形成された半導体
レーザ、および波長の異なる複数の光が透過する光学部
品の表面に設けられる光学部品用コート膜を提供する。 【解決手段】複数の活性層3a、3bを有し、発振波長
の異なる複数のレーザ光を出射する半導体レーザであっ
て、前端面Fおよび後端面Rのうち少なくとも一方に、
前記複数のレーザ光に対して反射率が極値となるように
光学的膜厚を制御されたコート膜8、9a、9bを有
し、コート膜の層数をj、発振波長の数をk、発振波長
をλi (iはkまでの自然数)、λi におけるj層目の
コート膜の屈折率をnij、j層目のコート膜の膜厚をd
j とすると、λi においてΣnij・dj /λi =mi
4(mi は整数)が成り立つ半導体レーザ、および前記
コート膜と同様な特性を有する光学部品用コート膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一の基板上に発
振波長の異なる複数のレーザダイオードが形成された半
導体レーザに関し、特に、各レーザダイオードの端面に
レーザ出力を制御し、端面を保護するコート膜が形成さ
れた半導体レーザに関する。また、本発明は、波長の異
なる複数の光が透過する光学部品の表面に用いられる光
学部品用コート膜に関する。
【0002】
【従来の技術】光を照射して情報の記録または再生を行
う光記録媒体(以下、光ディスクとする。)としては、
例えばコンパクトディスク(CD)、ミニディスク(M
D)あるいはデジタルビデオディスク(DVD)等が挙
げられる。上記のような光ディスクには、光ディスクの
種類に応じて波長の異なる光が照射される。例えば、C
Dの再生には780nm帯の波長の光が、また、DVD
の再生には650nm帯の波長の光がそれぞれ用いられ
る。
【0003】したがって、種類の異なる光ディスクに対
して互換性を有する光記録・再生装置には、発振波長の
異なる複数の光源が必要となる。光記録・再生装置には
光源として通常レーザダイオードが用いられるが、複数
のレーザダイオードを別途に形成する場合には装置の小
型化が困難となり、製造工程も複雑化する。上記の問題
を解決するため、同一の基板上に発振波長の異なる複数
のレーザダイオードが形成された多重波長モノリシック
半導体レーザの開発が進められている。
【0004】端面発光型の多重波長半導体レーザの構成
について、図1(a)の斜視図および図1(b)の上面
図を参照して説明する。図1の半導体レーザは例えばn
−GaAsからなる基板1上に、DVD再生用の650
nm帯の波長のレーザ光を出射するレーザダイオードA
と、CD再生用の780nm帯の波長のレーザ光を出射
するレーザダイオードBとを有する。レーザダイオード
Aの光出射部とレーザダイオードBの光出射部との間隔
は200μm以下、例えば100μm程度とされること
が多い。
【0005】レーザダイオードA部分には基板1上に例
えばn−AlGaInPからなるn−クラッド層2a
と、例えばGaInPからなる活性層3aと、例えばp
−AlGaInPからなるp−クラッド層4aと、例え
ばp−GaAsからなるキャップ層5aとが順に積層さ
れている。p−クラッド層4aの表面にはストライプ6
aを除き高抵抗層が形成されている。図示しないがキャ
ップ層5aの上部にはp型電極が形成され、基板1の下
部にはn型電極が形成されている。
【0006】レーザダイオードB部分には基板1上に例
えばn−AlGaAsからなるn−クラッド層2bと、
例えばAlGaAsからなる活性層3bと、例えばp−
AlGaAsからなるp−クラッド層4bと、例えばp
−GaAsからなるキャップ層5bとが順に積層されて
いる。p−クラッド層4bの表面にはストライプ6bを
除き高抵抗層が形成されている。図示しないが、キャッ
プ層5bの上部にはp型電極が形成され、基板1の下部
にはn型電極が形成されている。
【0007】レーザダイオードA、Bにおいて共振器は
活性層3a、3bに形成される。また、高抵抗層はp−
クラッド層4a、4bの表面にn型不純物をイオン注入
することにより形成され、高抵抗層に挟まれたストライ
プ状の領域6a、6bは低抵抗層として残される。高抵
抗層を選択的に形成することにより、図1(b)に示す
ように利得導波構造(電流狭窄構造)となり、電流の流
れる領域、すなわち光利得の生じる領域を制御すること
が可能となる。
【0008】図1(b)に示すように、レーザ光Lはフ
ロント端面Fから出射するが、リア端面Rからも一部損
失する。発光領域(光導波路)7の両端であるフロント
端面Fおよびリア端面Rはミラー面となっている。端面
をミラー面とするには、通常、ウェハをへき開させる。
あるいは、へき開させるかわりにエッチングによりミラ
ー面を形成することもある。また、端面の反射率を制御
したり、へき開面の劣化を防ぐ目的で、へき開面に例え
ば誘電体からなるコート膜が形成される場合もある。
【0009】端面に形成されるコート膜(誘電体膜)と
しては、例えばAl2 3 、アモルファスシリコン、S
iO2 、Si3 4 の単層膜あるいはこれらの膜を積層
させた多層膜が用いられる。これらのコート膜の膜厚を
変化させることにより、端面の反射率を調整することが
できる。通常、フロント端面Fを低反射率(例えば30
%以下)とし、リア端面Rを高反射率(例えば50%以
上、好適には70%以上)とする。エネルギー変換効率
やフロント/リアの出力比などは端面の反射率に依存す
る。したがって、端面の反射率を制御するコート膜は、
半導体レーザの設計パラメータとして重要なもののひと
つである。
【0010】端面にコート膜を形成する場合、端面の反
射率はコート膜の膜厚の増加に伴い、周期的に変動す
る。発振波長をλとしたとき、端面に形成するコート膜
の膜厚を、λ/4あるいはその倍数に基づいて設計する
と、反射率は極大値あるいは極小値となる。したがっ
て、成膜ばらつき等に起因する反射率の変動を最小限に
抑えることができる。例えば、図1のレーザダイオード
Aにおいて、発振波長λが650nmであり、屈折率n
1 が1.62であるAl2 3 を用いてフロント端面F
に誘電体膜8を形成する場合、誘電体膜8の膜厚d
8 を、 d8 =(λ/2)/n1 ≒200.6(nm) ・・・(1) あるいはその倍数とすれば、安定した反射率が得られ
る。
【0011】また、リア端面Rについては高反射率とす
る必要があるが、上記のAl2 3等を単層で用いた場
合には、いずれも反射率が50%未満となるため、複層
のコート膜を形成する。例えば図1のレーザダイオード
Aについて、発振波長λが650nmであり、1層目の
誘電体膜9aとして例えばAl2 3 膜を、2層目の誘
電体膜9bとして例えばアモルファスシリコン膜を形成
する場合には、各層の膜厚を例えば以下のように決定す
る。
【0012】屈折率n1 が1.62であるAl2 3
の膜厚d9aを、 d9a=(λ/4)/n1 ≒100.3(nm) ・・・(2) あるいはその倍数とし、屈折率n2 が3.25であるア
モルファスシリコン膜の膜厚d9bを、 d9b=(λ/4)/n2 ≒50.0(nm) ・・・(3) あるいはその倍数とする。上記のように、端面に形成さ
れる誘電体膜の膜厚をλ/4の整数倍あるいはその組み
合わせに基づいて決定することにより、誘電体膜の成膜
のばらつき等に起因した膜厚や屈折率のばらつきがある
場合にも、安定した反射率が得られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】多重波長モノリシック
半導体レーザの場合、理想的には、発振波長の異なるレ
ーザダイオードのそれぞれに上記の従来の設計による誘
電体膜を形成することが望ましい。しかしながらその場
合、端面コートを複数回行う必要があり、製造工程の複
雑化が問題となる。
【0014】例えば、CD再生用のレーザダイオードと
DVD再生用のレーザダイオードとを同一基板上に形成
する場合には、まず、いずれか一方、例えばDVD用
(波長650nm帯)のレーザダイオードの端面をマス
キングした状態で、CD用(波長780nm帯)のレー
ザダイオードの端面に誘電体膜を形成する。その後、D
VD用レーザダイオードの端面のマスキングを除去し、
CD用のレーザダイオードの端面をマスキングしてか
ら、DVD用のレーザダイオードの端面に誘電体膜を形
成する。このような端面コートをフロント端面とリア端
面の両方に行う必要がある。リア端面には通常、複層の
誘電体膜が形成されるため、特に製造工程数が増加す
る。
【0015】上記のように製造工程数が増加するのを避
けるため、端面コートの最適波長を一方のレーザダイオ
ードに合わせ、同一基板上の複数のレーザダイオードに
同時に端面コートを形成する方法もある。しかしなが
ら、この場合、設計の基準とした波長のレーザダイオー
ドにおいては成膜ばらつきに対して安定した反射率が得
られるが、他方のレーザダイオードにおいては成膜ばら
つきに対する反射率の安定性が犠牲となる。
【0016】モノリシックに形成された複数のレーザダ
イオードのそれぞれにおいて、端面の誘電体膜の反射率
の変動を少なくするため、レーザダイオードの発振波長
のうち最小値と最大値の間の所定の値(仮想の波長)を
基準としてコート膜の設計を行う方法も考えられる。例
えば、各レーザダイオードの発振波長の相加平均値であ
る波長に対してコート膜の膜厚を最適化すれば、各レー
ザダイオードにおいて端面の反射率の変動が適度に抑制
され、かつ、1回の端面コートで複数のレーザダイオー
ドの端面にコート膜を形成することができる。
【0017】しかしながら、上記のように各発振波長の
相加平均値、あるいは各発振波長のほぼ中間の波長に合
わせた端面コートの設計によれば、各発振波長における
反射率は極値近傍の値となるが、極値とすることはでき
ないため、反射率の変動が問題となる場合もある。特
に、各発振波長の波長差が大きい場合には、反射率の極
値からのずれが大きくなるため、成膜ばらつき等による
反射率の変動が顕著となりやすい。また、発振波長が短
波長の場合にも反射率の変動は大きくなりやすい。
【0018】以上のように、多重波長モノリシック半導
体レーザにおいて、レーザダイオードのそれぞれに反射
率の変動が最小となる端面コートを形成するには、マス
キング等の作業が必要となり製造工程数が増加する。し
かしながら、発振波長の異なる複数のレーザダイオード
に共通の膜厚の端面コートを施すと、製造工程の煩雑化
は避けられるが、反射率の変動を十分に抑制することが
できなくなる。
【0019】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、したがって本発明は、同一の基板上に材料・
組成の異なる複数の活性層が形成され、発振波長の異な
る複数のレーザ光を出射可能である半導体レーザであっ
て、複数の活性層の端面に反射率の変動の少ない誘電体
膜が形成された半導体レーザを提供することを目的とす
る。また、本発明は光学部品の表面に形成される光学部
品用コート膜であって、成膜ばらつき等に起因する反射
率の変動が抑制された光学部品用コート膜を提供するこ
とを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の半導体レーザは、組成の異なる複数の活性
層を有し、発振波長の異なる複数のレーザ光を出射する
半導体レーザであって、レーザ光出射側の前端面および
その裏側の後端面のうち少なくとも一方にコート膜を有
し、前記コート膜は前記複数のレーザ光に対して反射率
が極値となるように光学的膜厚を制御されたことを特徴
とする。
【0021】本発明の半導体レーザは、好適には、前記
コート膜は層数がj(jは1以上の自然数)であり、前
記発振波長の数をk(kは2以上の自然数)、前記発振
波長をλi (iは1からkまでの自然数)、発振波長λ
i における前記j層目のコート膜の屈折率をnij、前記
j層目のコート膜の膜厚をdj としたとき、発振波長λ
i においてそれぞれ、 Σnij・dj /λi =mi /4 (mi は整数) が成り立つことを特徴とする。
【0022】本発明の半導体レーザは、好適には、前記
発振波長の数kが2であり、a、bが整数のとき、 λ1 =a(λ2 −λ1 ) かつ λ2 =b(λ2
λ1 ) が成り立つことを特徴とする。
【0023】本発明の半導体レーザは、好適には、前記
コート膜は誘電体からなることを特徴とする。本発明の
半導体レーザは、好適には、前記コート膜の少なくとも
1層は、前記発振波長およびその近傍の波長において、
屈折率が波長に依存して変化する波長分散特性を有する
ことを特徴とする。本発明の半導体レーザは、さらに好
適には、前記発振波長およびその近傍の波長において、
前記波長分散特性を有する前記コート膜は、TiO
2 系、SrTiO3 系、カルコゲナイト系、LiNbO
3 を含むLiNbO系、PbTiO系、PLZT系(P
y La1-y Zrx Ti1-x3 )、KTP(KTiO
PO4 )のいずれかを含有することを特徴とする。
【0024】本発明の半導体レーザは、好適には、前記
発振波長の数kが2、m2 −m1 が偶数であり、発振波
長λ1 、λ2 における反射率がともに極大値となること
を特徴とする。あるいは、本発明の半導体レーザは、好
適には、前記発振波長の数kが2、m2 −m1 が奇数で
あり、発振波長λ1 、λ2 における反射率の一方が極大
値、他方が極小値となることを特徴とする。
【0025】本発明の半導体レーザは、好適には、前記
発振波長の数kが2であり、前記発振波長λ1 、λ2
それぞれ650nm、780nmの近傍であることを特
徴とする。あるいは、本発明の半導体レーザは、好適に
は、前記発振波長の数kが2であり、前記発振波長
λ1 、λ2 がそれぞれ780nm、840nmの近傍で
あることを特徴とする。あるいは、本発明の半導体レー
ザは、好適には、前記発振波長の数kが2であり、前記
発振波長λ1 、λ2 がそれぞれ840nm、980nm
の近傍であることを特徴とする。あるいは、本発明の半
導体レーザは、好適には、前記発振波長の数kが2であ
り、前記発振波長λ1 が405nmの近傍、λ2 が67
5nmまたは630nmの近傍であることを特徴とす
る。あるいは、本発明の半導体レーザは、好適には、前
記発振波長の数kが2であり、前記発振波長λ1 、λ2
がそれぞれ520nm、650nmの近傍であることを
特徴とする。あるいは、本発明の半導体レーザは、好適
には、前記発振波長の数kが2であり、前記発振波長λ
1 が360nmの近傍、λ2 が420nmまたは405
nmの近傍であることを特徴とする。
【0026】本発明の半導体レーザは、好適には、前記
発振波長のうち少なくとも1つにおける反射率は、前記
コート膜を形成しない場合と同程度以下の低反射率であ
り、他の少なくとも1つの発振波長における反射率は相
対的に高反射率であることを特徴とする。本発明の半導
体レーザは、さらに好適には、前記低反射率はほぼ30
%以下であり、前記高反射率はほぼ50%以上であるこ
とを特徴とする。本発明の半導体レーザは、好適には、
前記活性層は、第1導電型クラッド層と第2導電型クラ
ッド層との層間の接合部に形成されていることを特徴と
する。本発明の半導体レーザは、好適には、前記活性層
は電流狭窄構造を有することを特徴とする。
【0027】これにより、同一基板上に形成された発振
波長の異なる複数のレーザダイオードのそれぞれにおい
て、端面の反射率を安定させることが可能となる。本発
明の半導体レーザによれば、各レーザダイオードに共通
の膜厚のコート膜が形成されるため、製造工程を簡略化
することが可能である。また、コート膜の膜厚は各発振
波長に対して最適化されているため、成膜ばらつきによ
る膜厚あるいは屈折率の変動があった場合にも、安定し
た反射率が得られる。
【0028】上記の目的を達成するため、本発明の光学
部品用コート膜は、波長の異なる複数の光が透過する光
学部品の表面に形成され、前記表面を保護し、前記表面
の反射率を制御する光学部品用コート膜であって、前記
光学部品用コート膜の光学的膜厚は、前記複数の光に対
して反射率が極値となるように制御されており、前記光
学部品用コート膜は層数がj(jは1以上の自然数)で
あり、前記光の数をk(kは2以上の自然数)、前記光
の波長をλi (iは1からkまでの自然数)、波長λi
における前記j層目の光学部品用コート膜の屈折率をn
ij、前記j層目の光学部品用コート膜の膜厚をdj とし
たとき、波長λi においてそれぞれ、 Σnij・dj /λi =mi /4 (mi は整数) が成り立つことを特徴とする。
【0029】これにより、例えばレーザの共振器など、
特定の波長の光を透過する光学部品の表面において、反
射率の制御を容易に行うことが可能となる。本発明の光
学部品用コート膜によれば、複数の波長に対して反射率
が安定となるため、波長の異なる複数の光に対してそれ
ぞれ、膜厚が最適化されたコート膜を形成する必要がな
い。したがって、コーティングの回数を減らし、作業を
簡略化することが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の半導体レーザお
よび光学部品用コート膜の実施の形態について図面を参
照して説明する。 (実施形態1)図1(a)は本実施形態の半導体レーザ
の斜視図であり、図1(b)は対応する上面図である。
図1の半導体レーザは例えばn−GaAsからなる基板
1上に、DVD再生用の650nm帯の波長のレーザ光
を出射するレーザダイオードAと、CD再生用の780
nm帯の波長のレーザ光を出射するレーザダイオードB
とを有する。レーザダイオードAの光出射部とレーザダ
イオードBの光出射部との間隔は200μm以下、例え
ば100μm程度とされることが多い。
【0031】レーザダイオードA部分には基板1上に例
えばn−AlGaInPからなるn−クラッド層2a
と、例えばGaInPからなる活性層3aと、例えばp
−AlGaInPからなるp−クラッド層4aと、例え
ばp−GaAsからなるキャップ層5aとが順に積層さ
れている。p−クラッド層4aの表面にはストライプ6
aを除き高抵抗層が形成されている。図示しないがキャ
ップ層5aの上部にはTi/Pt/Auの積層膜からな
るp型電極が形成されている。
【0032】レーザダイオードB部分には基板1上に例
えばn−AlGaAsからなるn−クラッド層2bと、
例えばAlGaAsからなる活性層3bと、例えばp−
AlGaAsからなるp−クラッド層4bと、例えばp
−GaAsからなるキャップ層5bとが順に積層されて
いる。p−クラッド層4bの表面にはストライプ6bを
除き高抵抗層が形成されている。図示しないが、キャッ
プ層5bの上部にはTi/Pt/Auの積層膜からなる
p型電極が形成されている。また、レーザダイオードA
部分およびレーザダイオードB部分に共通して、基板1
の下部にAuGe/Ni/Auの積層膜からなるn型電
極が形成されている。
【0033】レーザダイオードA、Bにおいて共振器は
活性層3a、3bに形成される。また、高抵抗層はp−
クラッド層4a、4bの表面にn型不純物をイオン注入
することにより形成され、高抵抗層に挟まれたストライ
プ状の領域6a、6bは低抵抗層として残される。高抵
抗層を選択的に形成することにより、図1(b)に示す
ように利得導波構造(電流狭窄構造)となり、電流の流
れる領域、すなわち光利得の生じる領域を制御すること
が可能となっている。
【0034】図1(b)に示すように、フロント端面F
にはレーザダイオードA部分およびレーザダイオードB
部分に共通して、屈折率n1 が1.62であるAl2
3 からなり、膜厚d8 が1204nmである誘電体膜8
が形成されている。また、リア端面Rにはレーザダイオ
ードA部分およびレーザダイオードB部分に共通して、
Al2 3 からなり膜厚d9aが1100nmである1層
目の誘電体膜9aが形成されている。さらに、その表面
に屈折率n2 が3.25であるアモルファスシリコンか
らなり、膜厚d9bが50nmである2層目の誘電体膜9
bが形成されている。これらの誘電体膜8、9a、9b
は例えばスパッタリング等の方法により成膜される。本
実施形態の半導体レーザによれば、フロント端面の誘電
体膜8およびリア端面の誘電体膜9a、9bの膜厚はい
ずれも、レーザダイオードA、Bの発振波長における反
射率が極大となるように設定されている。
【0035】本実施形態の半導体レーザのフロント端面
に形成される誘電体膜8の膜厚と反射率との関係を図2
(a)に示す。また、誘電体膜8が形成されたフロント
端面における、波長と反射率との関係を図2(b)に示
す。図2は、レーザダイオードA(発振波長λ1 =65
0nm)の共振器の屈折率を3.45、レーザダイオー
ドB(発振波長λ2 =780nm)の共振器の屈折率を
3.59として計算を行った結果である。
【0036】レーザダイオードA(発振波長λ1 =65
0nm)については、前述した(1)式から、誘電体膜
8の膜厚d8 が200.6nmおよびその倍数のときに
反射率が極大となる。同様な計算から、レーザダイオー
ドB(発振波長λ2 =780nm)については誘電体膜
8の膜厚8 が240.7nmおよびその倍数のときに反
射率が極大となる。図2(a)に示すように、誘電体膜
8の膜厚をほぼ1200nmにしたとき、2つの発振波
長の差による位相のずれが2πとなる。このときの波長
と反射率との関係を図2(b)に示した。図2(b)に
示すように、レーザダイオードA、Bのいずれの発振波
長においても反射率が極大となる。したがって、両方の
レーザダイオードにおいて反射率の変動が抑制される。
【0037】ここで、上記の発振波長λ1 、λ2 および
反射率が極大となる膜厚d8 との間には以下のような関
係が成り立つ。n1 はλ1 およびλ2 におけるAl2
3 の屈折率である。 n1 ・d8 /λ1 =m1 /4 (m1 は整数)・・・(4) n1 ・d8 /λ2 =m2 /4 (m2 は整数)・・・(5) また、λ1 とλ2 は以下の関係をほぼ満たしている。 λ1 =a(λ2 −λ1 ) かつ λ2 =b(λ2 −λ1 ) (aおよびbは整数) ・・・(6) m1 −m2 が偶数の場合には、発振波長λ1 、λ2 に対
して反射率がともに極大値となる。m1 −m2 が奇数の
場合には、発振波長λ1 、λ2 の一方に対して反射率が
極大値となり、他方に対して反射率が極小値となる。
【0038】同一の基板上に形成された複数のレーザダ
イオードの発振波長が上記の(4)〜(6)の関係を満
たすとき、各レーザダイオードの端面の反射率を極値と
することができる。したがって、実用化されている他の
発振波長の組み合わせの場合についても、上記の本実施
形態と同様に、成膜ばらつき等による反射率の変動を防
止することができる。例えば、レーザダイオードの発振
波長の組み合わせがλ1 =780nm、λ2=840n
mの場合、あるいはλ1 =840nm、λ2 =980n
mの場合などにも、同様の効果が得られる。
【0039】また、3つ以上の異なる発振波長のレーザ
光を出射するモノリシックレーザについても、上記の
(4)〜(6)の関係を満たせば、同様に各発振波長に
おいて反射率の変動を防止することができる。上記の本
実施形態において、誘電体膜8の膜厚が1200nmの
倍数である場合にもλ1 、λ2 の両方で反射率が極大と
なるが、同一の反射率が得られる複数の膜厚のうち、最
小の値を膜厚とするのが好ましい。これにより、成膜時
間を短縮して生産効率を上げることができ、また、膜厚
の増大により成膜ばらつきが顕著となるのを防止するこ
とができる。
【0040】(実施形態2)上記の実施形態1の半導体
レーザにおいて、フロント端面の誘電体膜8に波長分散
のある材料を用いると、誘電体膜8を薄膜化することが
可能となる。実施形態1のAl2 3 にかえて、例えば
TiO2 系材料(波長650nmにおける屈折率n3a
2.457、波長780nmにおける屈折率n3b=2.
36)を用いた場合の誘電体膜8の膜厚と反射率との関
係を図3(a)に示す。
【0041】前述した(1)式と同様な計算から、レー
ザダイオードA(発振波長λ1 =650nm)について
は誘電体膜8の膜厚d8 が132.3nmおよびその倍
数のときに反射率が極大となる。また、レーザダイオー
ドB(発振波長λ2 =780nm)については誘電体膜
8の膜厚d8 が165.3nmおよびその倍数のときに
反射率が極大となる。
【0042】図3(a)に示すように、誘電体膜8の膜
厚をほぼ661nmにしたとき、2つの発振波長の差に
よる位相のずれが2πとなる。このときの波長と反射率
との関係を図3(b)に示した。図3(b)に示すよう
に、レーザダイオードA、Bのいずれの発振波長におい
ても反射率が極大となる。したがって、両方のレーザダ
イオードにおいて反射率の変動が抑制される。
【0043】本実施形態の場合にも、実施形態1の
(4)〜(6)式に示す関係が満たされている。具体的
には、 n3a・d8 /λ1 =m1 /4 (m1 は整数)・・・(4’) n3b・d8 /λ2 =m2 /4 (m2 は整数)・・・(5’) λ1 =a(λ2 −λ1 ) かつ λ2 =b(λ2 −λ1 ) (aおよびbは整数) ・・・(6) となる。波長分散のある材料を用いる場合にも、各発振
波長における光学長(光学的膜厚)が、位相差の観点か
らλ/4の整数倍となっていれば、反射率の変動を防止
することができる。本実施形態によれば、実施形態1に
比較して誘電体膜8が薄膜化される。したがって、膜種
を適宜選択すれば成膜時間を短縮することも可能であ
る。
【0044】(実施形態3)図1に示す実施形態1の半
導体レーザについて、リア端面に形成される誘電体膜9
a、9bの膜厚と反射率との関係を図4(a)に示す。
また、誘電体膜9a、9bが形成されたリア端面につい
て、波長と反射率との関係を図4(b)に示す。前述し
たように、1層目の誘電体膜9aはAl2 3 (屈折率
1 =1.62)からなり、膜厚は1100nmであ
る。2層目の誘電体膜9bはアモルファスシリコン(屈
折率n2 =3.25)からなり、膜厚は50nmであ
る。
【0045】実施形態1において前述したように、1層
目のAl2 3 膜については、発振波長λ1 =650n
mに対して膜厚d9aが200.6nmおよびその倍数の
ときに反射率が極大となり、発振波長λ2 =780nm
に対して膜厚d9bが240.7nmおよびその倍数のと
きに反射率が極大となる。したがって、反射率の極大値
が得られる膜厚にはほぼ40nmの差があり、両方の発
振波長に対して反射率を安定させることは困難である。
【0046】一方、本実施形態によれば、1層目の誘電
体膜9aの膜厚を1100nmとすることにより、発振
波長λ1 、λ2 のそれぞれに対して反射率がほぼ極小と
なり、2つの発振波長の差による位相のずれが2πに近
くなる。さらに、2層目のアモルファスシリコン膜9b
については、(3)式に示したように、発振波長λ1
650nmに対して膜厚が50.0nmのときに反射率
が極大となる。また、同様な計算から発振波長λ2 =7
80nmに対しては、膜厚が60.0nmのときに反射
率が極大となる。
【0047】ここで、本実施形態の場合には、以下に示
す関係がλ1 およびλ2 (i=1または2)について、
それぞれ満たされている。 Σnij・dj /λi =mi /4 (mi は整数) ・・・(7) (但し、nijは発振波長λi におけるj層目の誘電体膜
の屈折率を表し、dj はj層目の誘電体膜の膜厚を表
す。) また、前述した(6)式の関係も成り立っている。
【0048】リア端面の誘電体膜を上記の構成とした場
合について、波長と反射率との関係を図4(b)に示し
た。図4(b)に示すように、レーザダイオードA、B
のいずれの発振波長においても反射率がほぼ極大とな
り、反射率の変動が抑制される。したがって、レーザダ
イオードA、Bの両方に対して70%以上の安定した反
射率が得られる。
【0049】(実施形態4)端面に形成するコート膜を
複層とする場合、実施形態3とは逆に、2層目の誘電体
膜の膜厚を1層目の誘電体膜の膜厚より大きくすること
もできる。例えば、1層目にAl2 3 膜を膜厚110
nmで、2層目にアモルファスシリコン膜を膜厚540
nmで形成した場合の膜厚と反射率との関係を図5
(a)に示す。図5(a)に示すように、誘電体膜9
a、9bの膜厚を上記の組み合わせとすることにより、
発振波長λ1 =650nm、発振波長λ2 =780nm
の両方に対して反射率をほぼ極大とすることができる。
【0050】前述した(2)式のように、1層目の誘電
体膜(Al2 3 膜)9aについては、発振波長λ1
650nmに対して膜厚が100.3nmおよびその倍
数のときに、反射率が極小となる。同様な計算から、発
振波長λ2 =780nmに対しては、膜厚が120.4
nmおよびその倍数のときに、反射率が極小となる。A
2 3 膜9aの膜厚を110nmとすることにより、
発振波長λ1 、λ2 の両方に対して反射率が極小値近傍
となる。
【0051】さらに、2層目の誘電体膜(アモルファス
シリコン膜)9bについては、(3)式に示したよう
に、発振波長λ1 =650nmに対して膜厚が50.0
nmおよびその奇数倍のときに反射率が極大となる。ま
た、同様な計算から発振波長λ2 =780nmに対して
は、膜厚が60.0nmおよびその奇数倍のときに反射
率が極大となる。アモルファスシリコン膜9bの膜厚を
540nmとすることにより、2つの発振波長の差によ
る位相のずれがほぼ2πとなる。また、発振波長λ1
λ2 の両方に対して反射率がほぼ極大値となる。
【0052】リア端面の誘電体膜を上記の構成とした場
合について、波長と反射率との関係を図5(b)に示し
た。図5(b)に示すように、レーザダイオードA、B
のいずれの発振波長においても反射率がほぼ極大とな
り、反射率の変動が抑制される。したがって、レーザダ
イオードA、Bの両方に対して70%以上の安定した反
射率が得られる。
【0053】本実施形態によれば、リア端面に形成され
る誘電体膜9a、9bの膜厚の合計が650nmとな
り、実施形態3の場合の1150nmに比較して半分近
くまで誘電体膜を薄膜化することができる。したがっ
て、誘電体膜の構成材料の組み合わせによっては、成膜
時間を短縮することも可能である。
【0054】(実施形態5)上記の実施形態3のリア端
面に形成される誘電体膜において、誘電体膜9aあるい
は9bに波長分散のある材料を用いると、誘電体膜を薄
膜化することが可能となる。実施形態3の1層目の誘電
体膜(Al2 3 膜)9aにかえて、例えばTiO2
材料(波長650nmにおける屈折率n4a=2.33
7、波長780nmにおける屈折率n4b=2.316)
を用い、膜厚を760nmとした。また、2層目の誘電
体膜9bはアモルファスシリコン(屈折率n2 =3.2
5)からなる膜厚55nmの層とした。この場合の誘電
体膜9a、9bの膜厚と反射率との関係を図6(a)に
示す。
【0055】前述した(1)式と同様な計算から、レー
ザダイオードA(発振波長λ1 =650nm)について
は1層目の誘電体膜(TiO2 膜)9aの膜厚d9aが1
39.1nmおよびその倍数のときに反射率が極大とな
る。また、レーザダイオードB(発振波長λ2 =780
nm)についてはTiO2 膜9aの膜厚d9aが168.
4nmおよびその倍数のときに反射率が極大となる。図
6(a)に示すように、TiO2 膜9aの膜厚をほぼ7
60nmにしたとき、発振波長λ1 、λ2 のそれぞれに
対して反射率がほぼ極小となり、2つの発振波長の差に
よる位相のずれが2πとなる。
【0056】さらに、2層目のアモルファスシリコン膜
9bについては、(3)式に示したように、発振波長λ
1 =650nmに対して膜厚d9bが50.0nmのとき
に反射率が極大となる。また、同様な計算から発振波長
λ2 =780nmに対しては、膜厚d9bが60.0nm
のときに反射率が極大となる。したがって、誘電体膜9
bの膜厚d9bを55nmとし、9a、9bの膜厚の合計
を815nmとすることにより、発振波長λ1 、λ2
両方に対して反射率はほぼ極大となる。
【0057】リア端面の誘電体膜を上記の構成とした場
合について、波長と反射率との関係を図6(b)に示し
た。図6(b)に示すように、レーザダイオードA、B
のいずれの発振波長においても反射率がほぼ極大とな
り、反射率の変動が抑制される。したがって、レーザダ
イオードA、Bの両方に対して安定した反射率が得られ
る。
【0058】本実施形態の場合にも、実施形態1の
(6)式および実施形態3の(7)式に示す関係が満た
されている。リア端面についても、各発振波長における
光学長が、位相差の観点からλ/4の整数倍となってい
れば、波長分散のある材料を用いることができる。本実
施形態によれば、実施形態3に比較して誘電体膜9a、
9bの膜厚の合計を薄くすることができる。したがっ
て、膜種の組み合わせ、あるいは成膜方法によっては成
膜時間を短縮することも可能である。
【0059】(実施形態6)上記の実施形態1〜5にお
いては、それぞれ発振波長λ1 、λ2 に対する反射率が
同じ程度となる場合を示したが、多層コートの場合には
1層目の誘電体膜の膜厚を制御することにより、各発振
波長に対する反射率を異ならせることも可能である。例
えば、実施形態3に示すAl2 3 膜とアモルファスシ
リコン膜とを積層させた膜構成において、Al2 3
の膜厚を変更した例を図7(a)および(b)に示す。
図7(a)はAl2 3 膜の膜厚を1010nmとした
場合の波長と反射率との関係を示し、図7(b)はAl
2 3 膜の膜厚を960nmとした場合の波長と反射率
との関係を示す。図7(a)および(b)においてはい
ずれも、一方の発振波長でノンコートの端面反射率にほ
ぼ等しい30%強となり、他方の発振波長で50%以上
の高反射率が実現されている。
【0060】端面の反射率を変化させた場合、レーザ特
性のうち、発振しきい値電流の他に微分効率も変化する
ため、動作電流などにも影響が生じる。これにより、用
途に応じた特性に調整することが可能となる。例えば、
リア端面の反射率を高くすると、より多くの光をフロン
ト端面から放出させることが可能となるため、大出力の
レーザに好適となる。一方、フロント端面の反射率を高
くすると、戻り光による出力の変動が抑制されるため、
アイソレータが不要となる。また、フロントおよびリア
の両端面の反射率を高くすると、発振しきい値電流を下
げ、それに伴い微分効率を下げることができるため、出
力制御が容易となる。
【0061】本発明の半導体レーザの実施形態は、上記
の説明に限定されない。例えば、上記の実施形態におい
ては650nm帯と780nm帯の波長の組み合わせの
場合を示したが、他の波長の組み合わせであってもよ
い。また、ブロードエリア型、垂直共振器型の半導体レ
ーザ等にも適用可能である。活性層の導波構造は電流狭
窄構造に限定されず、屈折率導波構造など他の構造であ
ってもよい。また、本発明の半導体レーザに設けられる
端面コートを、複数の特定の波長の光を透過する光学部
品の表面に形成することにより、光学部品の反射率を制
御することが容易となる。その他、本発明の要旨を逸脱
しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0062】
【発明の効果】本発明の半導体レーザによれば、発振波
長の異なる複数のレーザ光を出射可能である半導体レー
ザにおいて、活性層の端面の反射率の変動を抑制し、各
発振波長においてレーザ光の出力を安定させることが可
能となる。本発明の光学部品用コート膜によれば、複数
の特定の波長の光を透過する光学部品において、表面の
反射率の変動を抑制し、表面の反射率の制御を容易に行
うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は従来および本発明の実施形態1〜6に
示す半導体レーザの斜視図であり、(b)は対応する上
面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係り、(a)は半導体レ
ーザのフロント端面に形成される誘電体膜の膜厚と反射
率との関係を示す図、(b)は波長と反射率との関係を
示す図である。
【図3】本発明の実施形態2に係り、(a)は半導体レ
ーザのフロント端面に形成される誘電体膜の膜厚と反射
率との関係を示す図、(b)は波長と反射率との関係を
示す図である。
【図4】本発明の実施形態3に係り、(a)は半導体レ
ーザのリア端面に形成される誘電体膜の膜厚と反射率と
の関係を示す図、(b)は波長と反射率との関係を示す
図である。
【図5】本発明の実施形態4に係り、(a)は半導体レ
ーザのリア端面に形成される誘電体膜の膜厚と反射率と
の関係を示す図、(b)は波長と反射率との関係を示す
図である。
【図6】本発明の実施形態5に係り、(a)は半導体レ
ーザのリア端面に形成される誘電体膜の膜厚と反射率と
の関係を示す図、(b)は波長と反射率との関係を示す
図である。
【図7】本発明の実施形態6に係り、(a)および
(b)は波長と反射率との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…基板、2a、2b…n−クラッド層、3a、3b…
活性層、4a、4b…p−クラッド層、5a、5b…キ
ャップ層、6a、6b…ストライプ、7…発光領域(光
導波路)、8…フロント端面の誘電体膜、9a…リア端
面の1層目の誘電体膜、9b…リア端面の2層目の誘電
体膜。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成の異なる複数の活性層を有し、発振波
    長の異なる複数のレーザ光を出射する半導体レーザであ
    って、 レーザ光出射側の前端面およびその裏側の後端面のうち
    少なくとも一方にコート膜を有し、 前記コート膜は前記複数のレーザ光に対して反射率が極
    値となるように光学的膜厚を制御された半導体レーザ。
  2. 【請求項2】前記コート膜は層数がj(jは1以上の自
    然数)であり、前記発振波長の数をk(kは2以上の自
    然数)、前記発振波長をλi (iは1からkまでの自然
    数)、発振波長λi における前記j層目のコート膜の屈
    折率をnij、前記j層目のコート膜の膜厚をdj とした
    とき、発振波長λi においてそれぞれ、 Σnij・dj /λi =mi /4 (mi は整数) が成り立つ請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 【請求項3】前記発振波長の数kが2であり、a、bが
    整数のとき、 λ1 =a(λ2 −λ1 ) かつ λ2 =b(λ2
    λ1 ) が成り立つ請求項2記載の半導体レーザ。
  4. 【請求項4】前記コート膜は誘電体からなる請求項2記
    載の半導体レーザ。
  5. 【請求項5】前記コート膜の少なくとも1層は、前記発
    振波長およびその近傍の波長において、屈折率が波長に
    依存して変化する波長分散特性を有する請求項2記載の
    半導体レーザ。
  6. 【請求項6】前記発振波長およびその近傍の波長におい
    て、前記波長分散特性を有する前記コート膜は、TiO
    2 系、SrTiO3 系、カルコゲナイト系、LiNbO
    3 を含むLiNbO系、PbTiO系、PLZT系(P
    y La1-y Zrx Ti1-x3 )、KTP(KTiO
    PO4 )のいずれかを含有する請求項5記載の半導体レ
    ーザ。
  7. 【請求項7】前記発振波長の数kが2、m2 −m1 が偶
    数であり、発振波長λ1 、λ2 における反射率がともに
    極大値となる請求項2記載の半導体レーザ。
  8. 【請求項8】前記発振波長の数kが2、m2 −m1 が奇
    数であり、発振波長λ1 、λ2 における反射率の一方が
    極大値、他方が極小値となる請求項2記載の半導体レー
    ザ。
  9. 【請求項9】前記発振波長の数kが2であり、前記発振
    波長λ1 、λ2 がそれぞれ650nm、780nmの近
    傍である請求項3記載の半導体レーザ。
  10. 【請求項10】前記発振波長の数kが2であり、前記発
    振波長λ1 、λ2 がそれぞれ780nm、840nmの
    近傍である請求項3記載の半導体レーザ。
  11. 【請求項11】前記発振波長の数kが2であり、前記発
    振波長λ1 、λ2 がそれぞれ840nm、980nmの
    近傍である請求項3記載の半導体レーザ。
  12. 【請求項12】前記発振波長の数kが2であり、前記発
    振波長λ1 が405nmの近傍、λ2が675nmまた
    は630nmの近傍である請求項3記載の半導体レー
    ザ。
  13. 【請求項13】前記発振波長の数kが2であり、前記発
    振波長λ1 、λ2 がそれぞれ520nm、650nmの
    近傍である請求項3記載の半導体レーザ。
  14. 【請求項14】前記発振波長の数kが2であり、前記発
    振波長λ1 が360nmの近傍、λ2が420nmまた
    は405nmの近傍である請求項3記載の半導体レー
    ザ。
  15. 【請求項15】前記発振波長のうち少なくとも1つにお
    ける反射率は、前記コート膜を形成しない場合と同程度
    以下の低反射率であり、他の少なくとも1つの発振波長
    における反射率は相対的に高反射率である請求項2記載
    の半導体レーザ。
  16. 【請求項16】前記低反射率はほぼ30%以下であり、
    前記高反射率はほぼ50%以上である請求項15記載の
    半導体レーザ。
  17. 【請求項17】前記活性層は、第1導電型クラッド層と
    第2導電型クラッド層との層間の接合部に形成されてい
    る請求項1記載の半導体レーザ。
  18. 【請求項18】前記活性層は電流狭窄構造を有する請求
    項1記載の半導体レーザ。
  19. 【請求項19】波長の異なる複数の光が透過する光学部
    品の表面に形成され、前記表面を保護し、前記表面の反
    射率を制御する光学部品用コート膜であって、 前記光学部品用コート膜の光学的膜厚は、前記複数の光
    に対して反射率が極値となるように制御されており、 前記光学部品用コート膜は層数がj(jは1以上の自然
    数)であり、前記光の数をk(kは2以上の自然数)、
    前記光の波長をλi (iは1からkまでの自然数)、波
    長λi における前記j層目の光学部品用コート膜の屈折
    率をnij、前記j層目の光学部品用コート膜の膜厚をd
    j としたとき、波長λi においてそれぞれ、 Σnij・dj /λi =mi /4 (mi は整数) が成り立つ光学部品用コート膜。
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